以下、本発明に係る遊技機の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上面には操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8の左方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。演出装置8の下方には特別図柄始動電動役物15が配設されており、その下方には大入賞口16が設けられている。特別図柄始動電動役物15は開閉部材を備え、開閉部材が開放されると遊技球の入賞が容易になる。大入賞口16も開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口16に入賞できる。
演出装置8について説明する。図2に示すように、演出装置8は、液晶表示装置(LCD)からなる表示画面28を中央に備える。表示画面28には様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知するために、横並びに3つのデモ図柄表示部が設けられている。パチンコ機1は、3つのデモ図柄表示部に表示されるデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組み合わせを確定表示させる演出(以下、「報知演出」という。)を行うことで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。報知演出中に表示画面28に表示される映像を、以下では「報知演出映像」という。また、遊技が継続して実行されていない時間が所定時間以上である場合、表示画面28にはデモ映像が表示される。映像の表示制御の詳細については後述する。表示画面28の右方には、可動役物30が設けられている。可動役物30は、可動部を可動させることで各種演出を行う。可動役物30の下方には、大当たり判定の結果および保留球数を表示する表示部24が設けられている。
表示画面28について説明する。表示画面28による映像の表示は、演出制御基板43(図3および図4参照)によって制御される。表示画面28では、複数の画素がマトリクス状に形成されて液晶パネルが構成されると共に、スイッチング素子として機能するTFT(Thin Film Transistor)が各画素に対応して配設されている。また、表示画面28には、画像を液晶パネルに表示させるためのゲートドライバおよびソースドライバが設けられている。ゲートドライバは、各TFTのオン・オフを切り替える。ソースドライバは、TFTのオン・オフに同期して、後述する描画データ(RGBデータ)に基づいたソース電圧をそれぞれの画素へ印加する。この操作を全ての画素に対して一巡させることで、1フレームの画像が表示される。所定のフレームレートに従って、複数のフレームを連続して次々と表示させることで、映像(動画像)が表示される。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、および始動口スイッチ70に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。始動口スイッチ70は、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、スピーカ48、および操作ボタン9に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、可動役物30等の動作を制御する。演出制御基板43は、表示制御ユニット60等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。表示制御ユニット60の詳細については、図4を参照して後述する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通図柄作動スイッチ71、大入賞口開閉ソレノイド72、電動役物開閉ソレノイド73、大入賞口スイッチ75、および表示部24が接続されている。普通図柄作動スイッチ71は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口開閉ソレノイド72は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材を開閉する。電動役物開閉ソレノイド73は、普通当たり遊技中に特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開閉する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
パチンコ機1における遊技制御の概要について説明する。普通図柄作動スイッチ71によって、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過したことが検出されると、主基板41のCPU51は普通当たり判定を実行する。普通当たり判定の結果は、表示部24に表示される。普通当たりとなると、CPU51は、電動役物開閉ソレノイド73によって特別図柄始動電動役物15を所定時間開放させる。
始動口スイッチ70によって、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が検出されると、主基板41のCPU51は大当たり判定を実行する。CPU51は、大当たり判定の結果に応じて、複数の変動パターンのうちの1つを決定する。変動パターンとは、大当たり判定による判定結果を遊技者に報知する際に用いられるデモ図柄の変動のパターン(演出パターン)である。この変動パターンによって、表示部24に表示される特別図柄の変動時間(デモ図柄の変動時間に等しい)と、特別図柄の変動に同期して表示画面28、可動役物30、スピーカ48等によって実行される報知演出のパターンとが決定される。前述したように、報知演出とは、複数のデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを確定表示させる演出である。CPU51は、決定した変動パターンを指定するコマンドを、サブ制御基板58に送信する。大当たり判定の結果は、サブ制御基板58等によって制御される報知演出と、表示部24に表示される特別図柄とによって遊技者に報知される。
大当たりとなると、CPU51は、大入賞口開閉ソレノイド72によって大入賞口16を所定のパターンで開放することで、大当たり遊技を実行する。大当たり遊技が終了すると、大当たりと判定された際の特別図柄(確率変動大当たりであるか否か)、および、大当たりと判定された際に生起されていた有利・不利状態の少なくともいずれかに応じて、複数の有利・不利状態のいずれかを生起する。本実施形態のパチンコ機1は、大当たりと判定される確率が通常の確率である非確率変動状態と、大当たりと判定される確率が非確率変動状態中よりも高い確率変動状態とを生起させることができる。また、パチンコ機1は、特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、割合が非時短状態よりも高くなる時短状態とを生起させることができる。パチンコ機1は、これらの組み合わせにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)、「非確率変動時短状態」、「確率変動非時短状態」、および「確率変動時短状態」の4つの有利・不利状態を生起することができる。なお、生起できる有利・不利状態の種類および数を変更してもよいことは言うまでもない。CPU10は、所定の条件が成立した場合(例えば、大当たりと判定された場合、または、大当たり判定の回数が規定回数に達した場合)に、確率変動状態および時短状態を終了させる。有利・不利状態が変更されると、有利・不利状態を通知するための有利・不利状態通知コマンドが、主基板41からサブ制御基板58に送信される。
サブ制御基板58は、主基板41から受信したコマンドに応じて、報知演出等の各種演出を制御する。特に、サブ制御基板58のCPU581は、主基板41によって変動パターンが指定されると、指定された変動パターンに応じた報知演出の映像の開始、映像の変更、映像の終了等を指示するコマンドを演出制御基板43に送信する。演出制御基板43は、サブ制御基板58から受信したコマンドに基づいて、表示画面28における映像の表示を制御する。また、本実施形態のパチンコ機1は、複数の演出モードのいずれかを生起することができる。サブ制御基板58は、その時点で生起されている有利・不利状態および演出モード(つまり、遊技状態)に応じて、主基板41から指定された変動パターンによって定められている報知演出を実行する。つまり、同一の変動パターンが指定された場合でも、サブ制御基板58は、その時点で生起されている有利・不利状態および演出モードに応じて、表示画面28に表示させる報知演出映像を変化させる。よって、遊技者は、報知演出映像を見ることで、生起されている遊技状態(有利・不利状態および演出モード)を把握することができる。
また、遊技が継続して実行されていない時間が所定時間以上である場合、サブ制御基板58および演出制御基板43は、デモ映像を表示画面28に表示させる。本実施形態におけるデモ映像では、パチンコ機1を製造したメーカーのロゴマークが表示された後に、パチンコ機1の演出に登場するキャラクタが表示される。しかし、デモ映像では、パチンコ機1の遊技説明等の他の内容が表示されてもよいことは言うまでもない。
図4を参照して、演出制御基板43の電気的構成について説明する。演出制御基板43は、表示制御ユニット60、画像表示プロセッサ(Video Display Processor、以下「VDP」という)31、VRAM32、およびCGROM33を備える。表示制御ユニット60は、表示制御CPU61、表示制御RAM62、表示制御ROM63、および発振器64を備える。
表示制御ユニット60の各構成要素について説明する。表示制御CPU61は、サブ制御基板58に接続されており、表示画面28の表示を制御するための各種コマンドをサブ制御基板58から受信する。受信したコマンドに基づいて、表示画面28に表示させる映像を選定し、選定した映像を表示させるためのコマンドをVDP31に送信する。表示制御RAM62には、VDP31に送信するためのコマンド等の各種データが一時的に記憶される。表示制御ROM63には、表示画面28の表示を制御するための表示制御プログラム、初期値等が記憶されている。発振器64は、表示画面28における画像表示に必要なドットクロック周波数を発振する。
VDP31、VRAM32、およびCGROM33について説明する。CGROM33には、複数の映像データが記憶されている。映像データとは、一連の映像を構成する複数の画像を表示させるための画像データである。VDP31は、表示制御CPU61から送信されたコマンドによって指定されている映像の映像データをCGROM33から取得し、取得した映像データに基づいて描画データを作成する。VDP31は、作成した描画データを参照して、表示画面28に画像信号を出力することで、表示画面28に画像を表示させる。VRAM32には、展開用バッファ38およびフレームバッファ39が設けられている。展開用バッファ38には、VDP31によって作成された描画データが展開されて一時的に記憶される。フレームバッファ39には、表示画面28の表示制御において参照される描画データ(表示用描画データ)が一時的に記憶される。
図5を参照して、映像を表示させるためのデータの流れについて説明する。前述したように、VDP31は、映像データに基づいて描画データを作成する。作成された描画データは、VRAM32の展開用バッファ38に展開されて一時的に記憶される。展開用バッファ38に展開された描画データのうち、表示画面28における画像表示に用いられる描画データが、表示用描画データとしてフレームバッファ39に記憶される。VDP31は、フレームバッファ39に記憶された表示用描画データを参照して、表示画面28における画像の表示を制御する。
VDP31は、画像の表示に用いられた表示用描画データを、画像の表示後も引き続き再記憶描画データとしてVRAM32に記憶させることもできる。VDP31は、映像データに基づいて作成した描画データである新規記憶描画データ、および再記憶描画データの少なくとも一方を引き継いで、表示用描画データを作成することができる。詳細には、新規記憶描画データおよび再記憶描画データの少なくとも一方に対し、合成、拡大縮小、回転、切り取り等の処理を行うことで、表示用描画データを作成することができる。これにより、VDP31は、CGROM33に記憶させる映像データ(画像データの集合)のデータ量を増加させることなく、表示画面28に表示させる映像を容易に多様化することができる。
図6から図8を参照して、パチンコ機1の主基板41による処理について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図6参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12および各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、タイマカウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に、大入賞口16の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起させる有利・不利状態に関する処理とが行われる。例えば、本実施形態では、大当たり遊技を実行する契機となった大当たり判定において確率変動大当たりとなっていれば、CPU51は、大当たり遊技終了後に「確率変動時短状態」または「確率変動非時短状態」を生起させる。「確率変動時短状態」および「確率変動非時短状態」は、次に大当たりと判定されるまで継続する。非確率変動大当たりとなっていれば、「非確率変動時短状態」または「通常状態」を生起させる。「非確率変動時短状態」は、大当たり判定が所定回数実行されるか、若しくは次に大当たりと判定されるまで継続する。なお、CPU51は、生起した有利・不利状態をサブ制御基板58に通知するための有利・不利状態通知コマンドを、RAM52に記憶する。記憶された有利・不利状態通知コマンドは、次に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10)においてサブ制御基板58に送信される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、特別図柄の決定、および変動パターンの決定等の処理が行われる(図7および図8参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く特別図柄始動電動役物15を開放させる。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ71が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率よりも高い。普通図柄の変動時間は、非時短状態中よりも時短状態中の方が短い。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞品球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図7および図8を参照して、特別図柄処理(S14)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、表示状態フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、表示部24の特別図柄が変動している場合に「1」、停止表示されている場合に「2」、変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。
図7に示すように、特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞したか否かが判断される(S21)。特別図柄始動電動役物15に設けられた始動口スイッチ70が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図6参照)において、始動口スイッチ70に対応する入賞球フラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされておらず、遊技球が入賞していなければ(S21:NO)、処理はそのままS31の判断へ移行する。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S22:YES)、保留球は保留することができる上限に達しているため、処理はそのままS31の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S23)。次いで、大当たり判定乱数(大当たり判定カウンタの値)と、特別図柄決定乱数(特別図柄決定カウンタの値)と、変動パターン決定乱数(変動パターン決定カウンタの値)とが取得されて、RAM52に記憶される(S24)。
次いで、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S31)。大当たり遊技状態フラグが「ON」となっており、大当たり遊技状態中であると判断された場合には(S31:YES)、処理はそのままメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態中でなければ(S31:NO)、特別図柄が変動中であるか否かが判断される(S32)。表示状態フラグが「1」でなく、特別図柄が変動中でなければ(S32:NO)、特別図柄が停止表示中であるか否かが判断される(S33)。表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でなければ(S33:NO)、処理はS35(図8参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
図8に示すように、大当たり判定が行われる前に、特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S35)。RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「1」以上でなければ(S35:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、処理はそのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S35:YES)、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S36)。前回の大当たり判定の対象となった乱数の次に記憶された乱数の記憶エリアが、次の大当たり判定を行う乱数が記憶された判定エリアとされる。つまり、判定エリアがシフトされる(S37)。
次いで、有利・不利状態に応じて大当たり判定が行われる(S38)。大当たり判定を行うための判定テーブルには、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、大当たりと判定される確率が非確率変動状態中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。大当たり判定は、確率変動状態が生起されているか否かに応じて、いずれかの判定テーブルが参照されて行われる。
大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S39:YES)、大当たりであることを示す特別図柄が、特別図柄決定乱数によって決定される(S40)。次いで、時短状態中であれば(S41:YES)、ROM53に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルのうち、時短状態且つ大当たりの場合のテーブルが参照され、変動パターン決定乱数によって変動パターンが決定される(S42)。時短状態中でなければ(S41:NO)、非時短状態且つ大当たりの場合のテーブルによって変動パターンが決定される(S43)。判定結果がはずれであれば(S39:NO),はずれであることを示す特別図柄(本実施形態では「−−」)が決定される(S46)。時短状態中であれば(S47:YES)、時短状態且つはずれのテーブルによって変動パターンが決定され(S48)、時短状態中でなければ(S47:NO)、非時短状態且つはずれのテーブルによって変動パターンが決定される(S49)。
次いで、決定された変動パターンを指定すると共に、特別図柄およびデモ図柄の変動(報知演出の開始)を指示するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される(S52)。記憶されたコマンドは、次に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図6参照)において、サブ制御基板58等の他の基板に出力される。次いで、変動パターンに応じて決められている特別図柄の変動時間が、タイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S53)。特別図柄が変動中であることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S54)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図7に示すS32の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄が変動中であると判断された場合には(S32:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S57)。S53(図8参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S57:YES)、特別図柄の変動停止(報知演出の終了)を指示するための特別図柄停止コマンドがRAM52に記憶される(S58)。所定の停止表示時間が、タイマカウンタである特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S59)。特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S60)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S57の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S57:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、S33の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄が停止表示中であると判断された場合には(S33:YES)、S59でセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S61)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S61:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S61:YES)、特別図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S62)。
次いで、遊技状態移行処理が行われる(S63)。遊技状態移行処理では、大当たり判定の結果が大当たりであった場合に、確率変動状態が非確率変動状態に移行され、且つ、時短状態が非時短状態に移行される。さらに、有利・不利状態が大当たり遊技状態へ移行され、大当たり遊技を開始することを示す大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶される。また、非確率変動時短状態中に実行された大当たり判定の回数が所定回数(例えば100回)に達すると、時短状態が非時短状態に移行される。なお、CPU51は、確率変動状態中に実行された大当たり判定の回数が所定回数(例えば、10000回)に達した場合に、確率変動状態を非確率変動状態に移行してもよい。次いで、有利・不利状態が移行された場合には(S64:YES)、移行後の有利・不利状態をサブ制御基板58に通知するための有利・不利状態通知コマンドがRAM52に記憶されて(S65)、処理はメイン処理へ戻る。有利・不利状態が移行されていなければ(S64:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
図9を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を総合的に制御する処理が行われる。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581において実行される。
サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から有利・不利状態通知コマンドを受信したか否かが判断される(S71)。受信していない場合(S71:NO)、処理はそのままS74の判断へ移行する。有利・不利状態通知コマンドを受信すると(S71:YES)、受信したコマンドによって通知された有利・不利状態が、RAM582に記憶される(S72)。処理はS74の判断へ移行する。
次いで、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S74)。受信していない場合(S74:NO)、処理はそのままS79の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信すると(S74:YES)、報知演出を開始させるための処理が行われる(S75〜S77)。
詳細には、遊技が継続して実行されていない時間を計測ための非遊技時間カウンタが初期化され、「0」とされる(S75)。その時点で生起されている有利・不利状態と、演出モードと、コマンドによって指定された変動パターンとに応じて、表示画面28に表示させる報知演出映像が決定される(S76)。演出モードとは、報知演出の種別を決定するためのモードである。演出モードの一例として、「通常モード」、「ミッションモード」、「バトルモード」等を用いることができる。CPU581は、主基板41によって同一の変動パターンが指定された場合でも、その時点で生起されている有利・不利状態および演出モードの少なくとも一方が異なると、異なる報知演出映像を表示画面28に表示させる。より具体的には、CPU581は、有利・不利状態および演出モードに応じて、報知演出映像の背景画面、背景色、登場させるキャラクタ、デモ図柄のデザイン、デモ図柄の変動方向等の少なくともいずれかを変更する。従って、遊技者は、報知演出映像を見ることで、その時点で生起されている有利・不利状態および演出モードを把握することができる。次いで、S76で決定された報知演出映像の表示を開始させるための開始コマンドが、演出制御基板43の表示制御CPU61(図4参照)に送信される(S77)。処理はS79の判断へ移行する。なお、表示制御CPU61は、S77で送信された開始コマンドを受信すると、コマンドによって指定された報知演出映像の開始コマンドをVDP31(図4参照)へ送信する。
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S79)。受信していない場合(S79:NO)、処理はそのままS86の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信すると(S79:YES)、報知演出を終了させる処理、および演出モードを変更する処理が行われる(S80〜S84)。
詳細には、変動中のデモ図柄を確定表示させて報知演出を終了させるための確定表示コマンドが、演出制御基板43の表示制御CPU61に送信される(S80)。確定表示コマンドは、表示制御CPU61からVDP31に転送される。次いで、実行中の演出モードを終了するか否かが抽選される(S81)。終了抽選に当選しなければ(S82:NO)、処理はそのままS84へ移行する。終了抽選に当選すると(S82:YES)、実行していた演出モード以外の演出モードの1つが、次の演出モードとして決定され、RAM582に記憶される(S83)。つまり、演出モードが変更される。次いで、遊技が継続して実行されていない時間(以下、「非遊技時間」という。)を計測するために、非遊技時間カウンタによる時間の計測が開始される(S84)。処理はS86の判断へ移行する。
次いで、非遊技時間カウンタによって計測されている非遊技時間が所定時間に達したか否かが判断される(S86)。所定時間に達していなければ(S86:NO)、処理はそのままS88の判断へ移行する。非遊技時間が所定時間に達した場合(S86:YES)、デモ映像の開始を指示するためのデモ映像開始コマンドが、表示制御CPU61に送信される(S87)。デモ映像開始コマンドは、表示制御CPU61からVDP31に転送される。処理はS88の判断へ移行する。
次いで、デモ映像の終了タイミングが到来したか否かが判断される(S88)。デモ映像は、表示開始から所定時間経過すると終了する。デモ映像の終了タイミングが到来していなければ(S88:NO)、処理はそのままS71の判断へ戻る。終了タイミングが到来すると(S88:YES)、非遊技時間カウンタが初期化されて「0」とされ、非遊技時間の計測が再開される(S89)。従って、遊技が長時間実行されない場合、デモ映像は所定間隔毎に表示されることになる。処理はS71の判断へ戻る。
図10から図13を参照して、VDP31が実行する処理の詳細について説明する。VDP31は、表示制御CPU61から受信したコマンドによって指定された映像を表示画面28に表示させる。演出制御基板43の電源がONとなると、VDP31は、VDP31内の記憶装置に記憶されたプログラムに従って、図10に示す表示制御処理を実行する。
表示制御処理が開始されると、報知演出映像の開始コマンドを表示制御CPU61から受信したか否かが判断される(S91)。受信していなければ(S91:NO)、処理はそのままS93の判断へ移行する。報知演出映像の開始コマンドを受信すると(S91:YES)、報知制御処理が行われて(S92)、処理はS93の判断へ移行する。詳細は後述するが、報知制御処理では、報知演出映像の表示が制御される。
次いで、デモ映像開始コマンドを表示制御CPU61から受信したか否かが判断される(S93)。受信していなければ(S93:NO)、処理はそのままS91の判断へ戻る。デモ映像開始コマンドを受信すると(S93:YES)、デモ映像制御処理が行われて(S94)、処理はS91の判断へ戻る。詳細は後述するが、デモ映像制御処理ではデモ映像の表示が制御される。
図11を参照して、報知制御処理について説明する。前述したように、報知制御処理は、報知演出映像の開始コマンドを受信した場合に実行される。まず、CGROM33に記憶されている複数の映像データのうち、開始コマンドによって指定された報知演出映像の映像データが取得される(S101)。取得された映像データに基づいて、報知演出映像用の新規記憶描画データが作成され、展開用バッファ38に展開される(S102)。作成された新規記憶描画データに対し、必要に応じて合成、拡大縮小、回転、切り取り等の処理を行うことで、表示用描画データが作成される(S103)。作成された表示用描画データがフレームバッファ39に移動され、フレームバッファ39の表示用描画データが参照されることで1枚の画像が表示画面28に表示される(S104)。
表示制御CPU61から確定表示コマンドを受信したか否かが判断される(S105)。前述したように、確定表示コマンドは報知演出の終了時に送信される。確定表示コマンドを受信していなければ(S105:NO)、処理はS102へ戻り、複数の画像がフレームレートに従って連続して表示される(S102〜S105)。つまり、報知演出映像が再生される。確定表示コマンドを受信すると(S105:YES)、報知演出映像の最後の画像(デモ図柄が確定表示した状態の静止画像)の表示に用いた表示用描画データが、再記憶描画データとして展開用バッファ38に保存される(S106)。処理は表示制御処理(図10参照)へ戻る。なお、VDP31は、次に報知演出映像またはデモ映像の表示を開始するまでの間、S106で保存した再記憶描画データに基づいて映像を表示させる。
図12から図15を参照して、デモ映像制御処理について説明する。デモ映像制御処理は、デモ映像開始コマンドの受信を契機として実行される。デモ映像開始コマンドは、非遊技時間が所定時間に達した際に、表示制御CPU61から送信される。図12に示すように、デモ映像制御処理が開始されると、デモ映像の表示を開始させるための開始制御処理が行われる(S111)。
図13に示すように、開始制御処理では、CGROM33に記憶されている複数の映像データの1つであるデモ映像の映像データが取得される(S121)。取得されたデモ映像の映像データに基づいて、デモ映像開始用の新規記憶描画データが作成される(S122)。報知制御処理の終了時(S106、図11参照)に保存された再記憶描画データの画像が、S121で作成された新規記憶描画データの特定領域に合成されて、新たな画像80の描画データが作成される。図15に示すように、本実施形態の画像80は、メーカーのロゴマークを表示する画像である。画像80の一部(本実施形態では左下)には、画像80の全体と縦横比が同一である矩形の特定領域81が設けられている。特定領域81には、前回行われた報知演出において最後に表示されたデモ図柄および背景が合成される。なお、画像80の具体的な内容が適宜変更できることは言うまでもない。
次いで、特定領域81を表示領域の一部に含み、且つ、特定領域81を縮小率Snで縮小した表示用描画データが、S123で作成された描画データに基づいてフレームレートで作成される(S124)。作成された表示用描画データがフレームバッファ39に移動され、フレームバッファ39の表示用描画データが参照されることで画像が表示画面28に表示される(S125)。本実施形態では、表示領域の全体に表示されていた特定領域81の画像が、表示領域の左下に徐々に縮小されるように、複数の表示用描画データが連続して作成される。従って、図15に示すように、デモ映像の開始時には、画像A2、画像A3、画像A4の順に連続して特定領域81が縮小される。特定領域81が縮小される程、メーカーのロゴを表示する領域が広くなる。
表示制御CPU61から報知演出映像の開始コマンドを受信したか否かが判断される(S126)。受信していなければ(S126:NO)、デモ映像(つまり、デモ映像開始時の画像80)の全体の表示が完了したか否かが判断される(S127)。画像80の全体の表示が完了していなければ(S127:NO)、処理はS124へ戻り、画像の連続的な縮小表示が継続される(S124〜S127)。
画像80の全体の表示が完了する前に、報知演出映像の開始コマンドを受信した場合(S126:YES)、デモ映像の表示を中断して報知演出映像を表示させる必要がある。従って、図10に示すように、処理は報知制御処理へ移行する(S92)。画像80の全体の表示が完了すると(S127:YES)、処理はデモ映像制御処理(図12参照)へ戻る。
図12に示すように、開始制御処理(S111)が終了すると、デモ映像を進行させる処理が行われる。まず、取得されたデモ映像の映像データから、デモ映像用の新規記憶描画データがフレームレートで順に作成される(S112)。S112で作成される新規記憶描画データには、特定領域81(図15参照)が設けられている。作成された新規記憶描画データの特定領域81に、報知制御処理の終了時(S106、図11参照)に保存された再記憶描画データの画像が縮小されて合成され、表示用描画データが作成される(S113)。作成された表示用描画データがフレームバッファ39に移動され、画像が表示画面28に表示される(S114)。
表示制御CPU61から報知演出映像の開始コマンドを受信したか否かが判断される(S115)。受信していなければ(S115:NO)、デモ映像の終了タイミングが到来したか否かが判断される(S116)。本実施形態では、デモ映像は、表示開始から所定時間経過後に終了する。終了タイミングが到来していなければ(S116:NO)、処理はS112へ戻り、次のフレームが表示される(S112〜S116)。以上の処理が行われた結果、表示画面28では、表示領域全体でデモ映像が表示されつつ、表示領域の一部の特定領域81において、報知演出映像が継続して表示される。
デモ映像の終了タイミングが到来する前に、報知演出映像の開始コマンドを受信した場合(S115:YES)、デモ映像の表示を中断して報知演出映像を表示させる必要がある。従って、図10に示すように、処理は報知制御処理へ移行する(S92)。デモ映像の終了タイミングが到来すると(S116:YES)、終了制御処理が行われて(S117)、処理は表示制御処理(図10参照)へ戻る。
図14に示すように、終了制御処理では、デモ映像の終了タイミングが到来した際の画像表示において参照していた最新の表示用描画データが、再記憶描画データとして保存される(S131)。最新の表示用描画データによる画像は、一部に特定領域81を含む画像である。次いで、特定領域81を拡大率Knで拡大した表示用描画データが、再記憶描画データに基づいてフレームレートで作成される(S132)。作成された表示用描画データがフレームバッファ39に移動され、フレームバッファ39の表示用描画データが参照されることで画像が表示画面28に表示される(S133)。本実施形態では、表示領域の左下に表示されていた特定領域81が、徐々に表示領域の全体に表示されるように、複数の表示用描画データが連続して作成される。従って、図15に示すように、デモ映像の終了時には、画像A4、画像A3、画像A2、画像A1の順に連続して特定領域81が拡大される。
表示制御CPU61から報知演出映像の開始コマンドを受信したか否かが判断される(S134)。受信していなければ(S134:NO)、報知演出映像(つまり、特定領域81)の全体が表示領域の全域に表示されたか否かが判断される(S135)。表示領域の全域に未だ表示されていなければ(S135:NO)、処理はS132へ戻り、画像の連続的な拡大表示が継続される(S132〜S135)。
報知演出映像が表示領域の全域に表示される前に、報知演出映像の開始コマンドを受信した場合(S134:YES)、デモ映像の表示を中断して報知演出映像を表示させる必要がある。従って、図10に示すように、処理は報知制御処理へ移行する(S92)。報知演出映像が表示領域の全域に表示されると(S135:YES)、処理はデモ映像制御処理(図12参照)へ戻る。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1では、デモ映像の表示中であっても、遊技の停止前に実行された報知演出の映像が、デモ映像と共に表示画面28に表示される。従って、遊技者は、デモ映像と共に表示されている報知演出の画像を見ることで、生起されている遊技状態(有利・不利状態および演出モード)を容易に把握することができる。さらに、パチンコ機1は、遊技の停止前の表示に用いられた報知演出映像の描画データを再記憶描画データとして保存しておき、保存していた再記憶描画データを用いて、報知演出の画像とデモ映像とを共に表示させる。従って、遊技状態に応じてデモ映像の表示を制御する必要が無い。よって、パチンコ機1は、デモ映像の表示中に、映像の表示制御の処理負担を増加させることなく、映像を用いて遊技状態を遊技者に把握させることができる。遊技状態に応じて複数のデモ映像の映像データを用意しておく必要も無いため、CGROM33の記憶容量も圧迫され難く、開発も容易である。
パチンコ機1は、デモ映像の表示を開始する場合、報知演出の画像を一部に含むデモ映像用の描画データを作成する。作成した描画データを用いて、表示領域全体に対する報知演出の画像の領域を連続的に縮小することで、複数フレームの画像を表示させる。その結果、表示されていた報知演出の画像が表示領域の一部に縮小されてデモ映像が開始する。従って、遊技者に違和感を生じさせることなく円滑に、報知演出の画像からデモ映像に表示を切り替えることができる。報知演出の画像がデモ映像の一部に含まれているため、遊技者は、デモ映像の表示中であっても容易に遊技状態を把握できる。1つの描画データを用いて複数フレームの画像を表示し、映像を切り替えるため、映像の表示制御の処理負担も少ない。
パチンコ機1は、デモ映像の表示を終了させる場合、表示領域全体に対する報知演出の画像の領域を連続的に拡大することで、複数フレームの画像を表示させる。その結果、デモ映像の一部に含まれていた報知演出の画像が拡大されて、デモ映像が終了する。従って、遊技者に違和感を生じさせることなく円滑に、デモ映像から報知演出の画像に表示を切り替えることができる。デモ映像の表示開始時の同様に、1つの描画データを用いて映像を切り替えるため、処理負担も少ない。
本実施形態において、表示画面28が本発明の「表示手段」に相当する。CGROM33が「映像データ記憶手段」に相当する。VRAM32が「描画データ記憶手段」に相当する。図9に示すサブ制御基板処理を実行するCPU581、および、図10から図14に示す表示制御処理を実行するVDP31が、本発明の「表示制御手段」として機能する。図8のS38で大当たり判定を実行するCPU51が「当たり判定手段」として機能する。図6のS13、図7のS63、および図9のS81〜S83で遊技状態を生起するCPU51およびCPU581が「遊技状態制御手段」として機能する。図9のS75,S84,S89で非遊技時間を計測するCPU581が「計測手段」として機能する。図9のS76,S77を実行するCPU581、および、図11に示す報知制御処理を実行するVDP31が、本発明の「報知制御手段」として機能する。図12から図14に示すデモ映像制御処理を実行するVDP31が、本発明の「デモ映像制御手段」として機能する。図13に示す開始制御処理を実行するVDP31が「開始制御手段」として機能する。図14に示す終了制御処理を実行するVDP31が「終了制御手段」として機能する。
本発明は以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。上記実施形態のパチンコ機1は、有利・不利状態および演出モードを生起する。そして、デモ映像に報知演出の画像を含めることで、有利・不利状態および演出モードを共に映像によって遊技者に把握させることができる。つまり、上記実施形態における有利・不利状態および演出モードが、本発明の「遊技状態」に相当する。しかし、パチンコ機1が遊技者に把握させることができる遊技状態は、有利・不利状態および演出モードに限られない。例えば、有利・不利状態および演出モードの一方のみを遊技者に把握させることも可能である。
上記実施形態のパチンコ機1は、表示領域全体に対する報知演出の画像の領域を連続的に縮小することで、デモ映像の表示を開始する。従って、遊技者に違和感を生じさせることなく円滑に、報知演出の画像からデモ映像に表示を切り替えることができる。しかし、デモ映像を開始させる方法を変更することも可能である。例えば、報知演出の画像の連続的な縮小を経ることなく、報知演出の画像を一部に含むデモ映像に瞬間的に切り替えてもよい。映像の切り替えのために用意された特定の画像または映像の表示を経て、デモ映像に切り替えてもよい。
上記実施形態のパチンコ機1は、デモ映像を表示している間、報知演出の画像の領域である特定領域81を、表示領域内の所定の位置に固定している。しかし、パチンコ機1は、デモ映像の表示中に、特定領域81の位置、大きさ、角度等を変更してもよい。この場合、デモ映像の内容を容易に多様化することができる。
上記実施形態のパチンコ機1は、報知演出の画像の領域を連続的に拡大することで、デモ映像の表示を終了する。従って、デモ映像から報知演出の画像への切り替えをスムーズに行うことができる。しかし、デモ映像の表示を終了させる方法も、変更が可能である。例えば、デモ映像から報知演出の画像に瞬間的に切り替えてもよいし、特定の画像または映像の表示を経て切り替えてもよい。また、上記実施形態では、デモ映像の表示時間が経過して表示を終了させる場合にのみ、報知演出の画像の領域を連続的に拡大する制御方法を採用している。しかし、デモ映像の表示中に遊技が開始された場合(つまり、デモ映像の表示の途中で報知演出映像を再生させる場合)にも、報知演出の画像を連続的に拡大する制御方法を採用することも可能である。
デモ映像の表示を開始させるタイミングも適宜変更できる。例えば、報知演出が終了した以後の経過時間に基づいてデモ映像の表示を開始させるのではなく、遊技球の打ち出しが無い時間に基づいて表示を開始させてもよい。一定間隔毎にデモ映像を表示させるのではなく、ランダムに表示させてもよい。