JP2013237359A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成を複雑にしたり、装置全体を大型化したりすることなく、吸収するエネルギーの量を変更できるウェビング巻取装置を得る。
【解決手段】脚板14の脚板16側でスプール本体20の脚板14側から延出されたフランジ部164の上側に切削刃部166を有する切削パウル162を設け、スプール本体20がウェビング22に引っ張られて上方に変位した際にフランジ部164の外周部に切削刃部166が圧接するように構成する。この状態でスプール本体20が引出方向に回転すると、切削パウル162の切削刃部166がフランジ部164の外周部を削る。また、アクチュエータ180が作動してストッパ172による切削パウル162の保持が解消された状態でスプール本体20が引出方向に回転すると切削刃部166がフランジ部164の外周部から離間するように切削パウル162が回動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のシートベルト装置においてスプールにウェビングを巻取って格納するウェビング巻取装置に関する。
下記特許文献1に開示されたウェビング巻取装置(特許文献1では「シートベルトリトラクタ」と称している)では、トーションシャフト(特許文献1では「トーションバー」と称している)とは別に第2のEA機構が設けられている。この第2のEA機構はスプールと一体的に回転するロックベースにエネルギー吸収プレートの一端が係止されており、このエネルギー吸収プレートの他端はスプールに対して同軸的に相対回転可能なエネルギー吸収プレート支持部材に係止されている。
EA作動制御部材がエネルギー吸収プレート支持部材の外周部に係合してエネルギー吸収プレート支持部材の回転が規制された状態でスプールが引出方向に回転すると、エネルギー吸収プレートが変形させられる。これにより、スプールの引出方向の回転力の一部がエネルギー吸収プレートの変形に供されて吸収される。したがって、スプールの引出方向への回転時にトーションシャフトが変形することでスプールの引出方向の回転力の一部は、トーションシャフトの変形とエネルギー吸収プレートの変形とに供され、大きなエネルギーを吸収できる。
これに対して、EA作動制御部材がエネルギー吸収プレート支持部材の外周部に係合していなければ、スプールは引出方向に回転すると、この回転力がエネルギー吸収プレートを介してエネルギー吸収プレート支持部材に伝わり、エネルギー吸収プレート支持部材がスプールと共に引出方向に回転する。したがって、この状態ではスプールが引出方向に回転してもエネルギー吸収プレートが変形しない。したがって、スプールの引出方向への回転時にトーションシャフトが変形することでスプールの引出方向の回転力の一部は、トーションシャフトの変形にのみ供されるので、エネルギー吸収プレートの変形にもエネルギーが供された場合よりも吸収するエネルギーが小さくなる。このようにして、下記特許文献1に開示された構成では、吸収するエネルギーの総量を変えることができる。
特開2010−137837の公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたような構成では、EA作動制御部材とエネルギー吸収プレート支持部材との係合を解除するための構成が複雑なうえ、このような構成がウェビング巻取装置のフレームの外側に設けられたプリテンショナの更に外側に設けられるので、スプールの中心軸線方向にウェビング巻取装置が大型化してしまう。
本発明は上記事実を考慮して、構成を複雑にしたり、装置全体を大型化したりすることなく、吸収するエネルギーの量を変更できるウェビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、ウェビングを基端側から巻取って格納すると共に、前記ウェビングがその先端側へ引っ張られることにより引出方向に回転しつつ巻取られている前記ウェビングが引出されて伸出ると共に、前記ウェビングの伸出方向側へ所定の大きさ以上の力で引っ張られることにより前記伸出方向へ変位可能なスプールと、前記スプールに対して相対回転可能なロックベースを有し、作動することによって前記スプールの前記巻取方向とは反対の引出方向への回転に対応する前記ロックベースの回転を規制するロック機構と、スプール側連結部が前記スプールに対する相対回転が規制された状態で前記スプールに連結されると共にロックベース側連結部が前記ロックベースに対する相対回転が規制された状態で前記ロックベースに連結されて、前記ロックベース側連結部に対して前記スプール側連結部が前記引出方向に回転することで変形する第1エネルギー吸収部材と、前記スプールにおける前記ウェビングの前記伸出方向側に設けられて、前記スプールが前記伸出方向へ変位した場合に前記スプールが圧接する圧接部を有し、前記圧接部に前記スプールが圧接した状態で前記スプールが前記引出方向に回転することによって前記スプール及び前記圧接部の少なくとも一方が削れると共に、前記ウェビングの前記伸出方向側へ変位した前記スプールから前記圧接部が離間する方向へ移動可能な第2エネルギー吸収部材と、作動することで前記第2エネルギー吸収部材の前記圧接部が前記スプールから離間する方向への前記第2エネルギー吸収部材の変位を許容する切替手段と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るウェビング巻取装置では、ウェビングによって乗員の身体が拘束された状態で、例えば、車両が急減速したり、ウェビングが引っ張られてスプールが所定の大きさ以上の回転加速度で引出方向に回転したりするとロック機構が作動する。ロック機構が作動すると、ロック機構を構成するロックベースにおけるスプールの引出方向への回転に対応した向きの回転が規制される。
ロックベースには第1エネルギー吸収部材のロックベース側連結部分に対する相対回転が規制された状態で第1エネルギー吸収部材のロックベース側連結部分が繋がっており、この第1エネルギー吸収部材のスプール側連結部分はスプールに対する相対回転が規制された状態でスプールに繋がっている。このため、ロックベースにおけるスプールの引出方向への回転に対応した向きの回転が規制されることによってスプールの引出方向への回転が規制される。これにより、スプールからのウェビングの伸出し規制される。
また、このようにスプールの引出方向への回転が規制された状態で、ウェビングが更に引っ張られ、これによりスプールを介して第1エネルギー吸収部材のスプール側連結部に付与される引出方向への回転力が所定の大きさを越えると、スプール側連結部はロックベース側連結部に対して引出方向に回転する。このロックベース側連結部に対するスプール側連結部の回転量だけスプールは引出方向に回転でき、このスプールの回転量に応じた長さだけウェビングがスプールから伸出ると共に、スプールの引出方向への回転力が第1エネルギー吸収部材の変形に供される。
さらに、スプールの引出方向への回転が規制された状態で、ウェビングが更に引っ張られると、この引っ張り力はスプールをウェビングの伸出方向側へ引っ張る。このようにしてスプールに付与される伸出方向側の引っ張り力が所定の大きさを越えると、スプールが伸出方向へ変位する。このようにスプールが伸出方向へ変位すると、第2エネルギー吸収部材の圧接部がスプールに圧接する。この状態でスプールが引出方向に回転すると、圧接部及びスプールの少なくとも何れか一方が削れ、スプールの引出方向への回転力の一部が第2エネルギー吸収部材の圧接部及びスプールの少なくとも何れか一方を削るエネルギーに供される。
すなわち、スプールが第2エネルギー吸収部材の圧接部に圧接した状態では、スプールに付与された引出方向への回転力のエネルギーが、上述したような第1エネルギー吸収部材を変形させることができる大きさのエネルギーと、第2エネルギー吸収部材の圧接部及びスプールの少なくとも何れか一方を削ることができる大きさのエネルギーとの和以上の場合にスプールが引出方向に回転できる。
一方、切替手段が作動すると、第2エネルギー吸収部材の圧接部がスプールから離間する方向へ変位できる。したがって、この状態で第2エネルギー吸収部材の圧接部がスプールから離間するか、又は、圧接部がスプールから離間しないまでも(すなわち、圧接部がスプールに接触していても)、スプールが引出方向に回転した状態で圧接部やスプールが削れない程度に接している状態であれば、スプールに付与された引出方向への回転力のエネルギーが、第1エネルギー吸収部材を変形させることができる大きさになると、スプールは引出方向へ回転できる。
このように、本発明に係るウェビング巻取装置では、第2エネルギー吸収部材がスプールにおけるウェビングの伸出方向側に設けられて、スプールがウェビングの伸出方向側へ変位することにより第2エネルギー吸収部材の圧接部及びスプールの少なくとも何れか一方が削られる構成である。このため、例えば、スプールのロック機構側及びその反対側の何れにプリテンショナ機構を設けても、スプールの軸方向に装置を大型化したりすることなく第2エネルギー吸収部材を設けることができる。
しかも、本実施の形態では、切替手段が作動することによって第2エネルギー吸収部材は圧接部がスプールから離間する方向へ変位可能になる。このため、切替手段が作動した状態に比べて切替手段が作動していない状態では、スプールを引出方向に回転させるために必要な回転力が大きく、切替手段が作動していない状態でスプールを引出方向に回転させるために必要な回転力の大きさが小さくなることがない。
請求項2に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記第2エネルギー吸収部材を保持して前記第2エネルギー吸収部材と前記スプールとの圧接状態で前記引出方向へ回転する前記スプールの回転力を前記第2エネルギー吸収部材が受けることによる前記第2エネルギー吸収部材の移動を規制すると共に、前記切替手段が作動することによって前記第2エネルギー吸収部材の保持を解除し、前記スプールの前記引出方向への回転力で前記第2エネルギー吸収部材の移動を許容する保持部材を備えている。
請求項2に記載の本発明に係るウェビング巻取装置によれば、第2エネルギー吸収部材がスプールに圧接した状態でスプールが引出方向に回転すると、第2エネルギー吸収部材はスプールから回転力を受けて移動しようとする。この状態で保持部材が第2エネルギー吸収部材を保持していると、第2エネルギー吸収部材の移動が規制され、第2エネルギー吸収部材がスプールから回転力を受けても第2エネルギー吸収部材は移動できない。このため、この状態では、第2エネルギー吸収部材とスプールとの圧接状態が維持され、この状態でスプールが引出方向に回転すると、第2エネルギー吸収部材の圧接部及びスプールの少なくとも何れか一方が削れる。
一方、切替手段が作動すると、切替手段によって保持部材による第2エネルギー吸収部材の保持が解除される。この状態でスプールが引出方向に回転すると、第2エネルギー吸収部材はスプールの回転力を受け、これにより、第2エネルギー吸収部材が移動する。このようにして移動した第2エネルギー吸収部材はスプールとの圧接が解消される。したがって、この状態では、第2エネルギー吸収部材の圧接部やスプールが削れることがない。
以上、説明したように、本発明に係るウェビング巻取装置は、構成を複雑にしたり、装置全体を大型化したりすることなく、吸収するエネルギーの量を変更できる。
本発明の一実施の形態に係るウェビング巻取装置の構成を概略的に示す縦断面図である。 金属製のプリテンショナのカバープレートに形成された透孔とその近傍である図1の一点鎖線Aの部分を拡大した断面図で、(A)はスプールがウェビングの伸出方向に変位する前の状態を示し、(B)はスプールがウェビングの伸出方向に変位した状態を示す。 図1における一点鎖線の楕円Bの部分で第2エネルギー吸収部材、保持部材、及び切替手段をスプールの中心軸線方向内側から見た拡大側面図で、(A)はスプールがウェビングの伸出方向に変位する前の状態を示し、(B)はスプールがウェビングの伸出方向に変位し、更に、スプールの一部が削られている状態を示し、(C)は第2エネルギー吸収部材の圧接部がスプールから離間した状態を示す。
<本実施の形態の構成>
図1には、本発明の一実施の形態に係るウェビング巻取装置10の全体構成を示す縦断面図が示されている。
この図に示されるように、ウェビング巻取装置10はボルト等の締結手段によって車体やシートのフレーム等に固定されるフレーム12を備えている。フレーム12は一対の脚板14、16を備えている。脚板14、16の各々は板状に形成されており、各々の厚さ方向に互いに対向している。
一方、ウェビング巻取装置10はスプール18を備えている。このスプール18はスプール本体20を備えている。スプール本体20は中心軸線方向が脚板14と脚板16との対向方向に沿った筒形状に形成されている。このスプール本体20には長尺帯状に形成されたウェビング22の長手方向基端側が係止されている。
ウェビング22はスプール本体20から車両上方(又はシート上方)へ伸出ており、スプール本体20がその中心軸線周りの一方である巻取方向に回転すると、ウェビング22が長手方向基端側からスプール本体20に巻取られて格納される。また、ウェビング22をその長手方向先端側へ引っ張ると、上記の巻取方向とは反対の引出方向にスプール本体20が回転しつつスプール本体20からウェビング22が引出され、スプール本体20の近傍ではウェビング22が上方へ伸出る。
このスプール本体20にはアダプタ装着孔24が形成されている。アダプタ装着孔24は、内周形状は多角形や星形、セレーション形状等の非円形とされ、スプール本体20における脚板14側の端面にて開口した有底の孔とされている。このアダプタ装着孔24にはアダプタ26の嵌挿部28が嵌挿されている。嵌挿部28は外周形状がアダプタ装着孔24の内周形状と同形状とされており、このため、アダプタ装着孔24はスプール本体20に対するスプール本体20の中心軸線周りの相対回転が規制されている。このアダプタ26の嵌挿部28とは反対側は脚板14を貫通して脚板14の外側(脚板14の脚板16とは反対側)へ突出している。
脚板14の外側にはプリテンショナ30が設けられている。プリテンショナ30はプリテンショナ本体としてのシリンダ部32を備えている。シリンダ部32は上下両端で開口した筒形状とされ、脚板14の外側におけるアダプタ26の下側で脚板14等に固定されている。このシリンダ部32の上端にはガスジェネレータ34が嵌め込まれている。ガスジェネレータ34は図示しない制御手段としてのECUに電気的に接続されている。
ECUからの作動信号によってガスジェネレータ34が作動すると、ガスジェネレータ34において瞬時にガスが発生し、このガスがシリンダ部32の内側に供給されるようになっている。このガスジェネレータ34の内側には図示しないピストンが収容されており、ガスジェネレータ34にて発生したガスがシリンダ部32に供給されると、ピストンがガス圧によってシリンダ部32内を下降する。このピストンの下端部にはラックバー36が設けられていると共に、このラックバー36の近傍にはラックバー36に噛み合い可能なピニオン38が設けられている。
このピニオン38はスプール本体20に対して同軸的にアダプタ26に形成された軸部40に回転自在に支持されている。シリンダ部32内に供給されたガスの圧力でピストンが下降するとラックバー36が下降してラックバー36がピニオン38に噛み合い、ピニオン38を巻取方向に回転させる。軸部40と脚板14との間にはクラッチ機構42が設けられており、ピニオン38が巻取方向に回転するとピニオン38とアダプタ26とを機械的に連結して、ピニオン38の巻取方向への回転力でアダプタ26を巻取方向に回転させる。
また、プリテンショナ30は金属製のカバープレート64を備えている。カバープレート64はピニオン38の脚板14とは反対側から脚板14やガスジェネレータ34に固定されている。カバープレート64には透孔66が形成されている。透孔66はアダプタ26の軸部40及びピニオン38において軸部40が貫通して軸部40に回転自在に支持される部分である筒状部68が入り込んでいる。
ここで、透孔66の内周形状は、少なくとも上下方向の径寸法が筒状部68の外周形状よりも大きく形成されており、筒状部68が透孔66に入り込んだ状態では、図1及び図2の(A)に示されるように、筒状部68の上側で筒状部68の外周部と透孔66の内周部との間に所定の大きさ以上の隙間が形成される。このため、カバープレート64は撓み難い金属で形成され、しかも、脚板14やガスジェネレータ34に固定されているにも拘わらず、図2の(B)に示されるように、筒状部68は上方へ変位できる。
このカバープレート64の脚板14とは反対側にはスプリングユニット72が設けられている。スプリングユニット72はスプリングハウジング74を備えている。スプリングハウジング74は脚板14側へ向けて開口した形状に形成されており、カバープレート64やガスジェネレータ34、脚板14等に係止されている。このスプリングハウジング74の開口端は蓋体76によって閉止されている。ピニオン38の筒状部68から突出した軸部40の先端側は蓋体76に形成された透孔78を通過してスプリングハウジング74内に入り込んでいる。
スプリングハウジング74の内側にはスプリングアダプタ80が設けられている。スプリングハウジング74に入り込んだアダプタ26の軸部40の先端側はスプリングアダプタ80に嵌合しており、これにより、スプリングアダプタ80と軸部40とはスプール本体20の中心軸線周りの相対回転が規制されている。このスプリングアダプタ80には軸部82が軸部40やスプール本体20に対して同軸的に形成されている。この軸部82はスプリングハウジング74に形成された軸受部84に回転自在に支持されている。
スプリングハウジング74の内側にはスプール付勢手段としてのぜんまいばね86が設けられている。ぜんまいばね86の渦巻き方向内側端は上記のスプリングアダプタ80に係止されている。これに対して、ぜんまいばね86の渦巻き方向外側端は上記のスプリングハウジング74に直接又は間接的に係止されている。ぜんまいばね86はスプリングアダプタ80を巻取方向に付勢しており、更に、スプリングアダプタ80が引出方向に回転すると、スプリングアダプタ80を巻取方向へ付勢する付勢力が増加する。
一方、上記のスプール本体20にはロックベース装着孔92が形成されている。ロックベース装着孔92は内周形状がスプール本体20に対して同軸的な円形とされた有底の円孔で、スプール本体20における脚板16側の端部にて開口している。また、スプール本体20にはトーションシャフト通過孔94が形成されている。トーションシャフト通過孔94はスプール本体20の中心軸線上に形成されており、脚板14側の端部はアダプタ装着孔24の底部にて開口し、脚板16側の端部はロックベース装着孔92の底部にて開口している。
ロックベース装着孔92にはロック機構102を構成するロックベース104の嵌挿部106が嵌挿されている。嵌挿部106は外周形状がロックベース装着孔92の内周形状と同じ円形とされており、ロックベース装着孔92に嵌挿部106が嵌挿されたロックベース104はスプール本体20に対して同軸的に相対回転できる。ロックベース104にはロックベース側トーションシャフト連結孔108が形成されている。
ロックベース側トーションシャフト連結孔108はロックベース104の嵌挿部106における脚板14側(スプール本体20の中心軸線方向中央側)の端部にて開口しており、その内周形状は多角形や星形、セレーション形状等の非円形とされている。このロックベース側トーションシャフト連結孔108にはスプール本体20の内側(すなわち、トーションシャフト通過孔94の内側)に設けられたトーションシャフト110のロックベース側連結部112が嵌挿されている。
このトーションシャフト110のロックベース側連結部112は外周形状がロックベース側トーションシャフト連結孔108の内周形状と同じ形状とされている。このため、トーションシャフト110はロックベース104に対するスプール本体20の中心軸線周りの相対回転が規制されている。
このロックベース側連結部112にはトーションシャフト110のシャフト本体114の脚板16側の端部が一体的に繋がっており、このシャフト本体114の脚板14の端部にはスプール側連結部116が一体的に繋がっている。このスプール側連結部116は上述したアダプタ26に形成されたスプール側トーションシャフト連結孔118に嵌挿されている。スプール側トーションシャフト連結孔118は内周形状が多角形や星形、セレーション形状等の非円形とされた有底形状に形成されており、アダプタ26の嵌挿部28における脚板16側(スプール本体20の中心軸線方向中央側)の端部にて開口している。
スプール側連結部116の外周形状はスプール側トーションシャフト連結孔118の内周形状と同じ形状とされており、このため、トーションシャフト110はアダプタ26に対するスプール本体20の中心軸線周りの相対回転が規制されている。上述したように、アダプタ26はスプール本体20に対する相対回転が規制されている。したがって、ロックベース104はトーションシャフト110及びアダプタ26を介してスプール本体20に繋がっていることにより、スプール本体20に対する相対回転が規制される。
一方、脚板16の外側(脚板16の脚板14とは反対側)にはロック機構102のセンサカバー132が設けられている。センサカバー132は合成樹脂材を成形することにより形成されており、図示しない嵌合爪等が脚板16に嵌合していることによって脚板16に一体的に取り付けられている。センサカバー132は脚板16側へ向けて開口した開口形状に形成されており、その内側には合成樹脂材を成形することにより形成されたセンサホルダ134がセンサカバー132に保持されている。
このセンサホルダ134には軸受部136がスプール本体20に対して同軸的に形成されている。この軸受部136にはトーションシャフト110のロックベース側連結部112におけるシャフト本体114とは反対側の端部からスプール本体20に対して同軸的に伸びる軸部138が回転自在に支持されている。このように、トーションシャフト110の軸部138が軸部138に回転自在に支持されて、スプリングアダプタ80の軸部82がスプリングハウジング74の軸受部84に回転自在に支持されていることで、スプール本体20がその中心軸線周りに回転自在に支持される。
このセンサホルダ134の脚板16側にはVギヤ142が軸部138に回転自在に支持されている。センサホルダ134はロックベース104に設けられたロックプレート144に係合しており、Vギヤ142に対してロックベース104が引出方向に相対回転すると、ロックプレート144がスプール本体20の回転半径方向外側へ変位し、脚板16に形成された内歯のラチェット歯146に噛み合う。このように、ロックプレート144がラチェット歯146に噛み合うことによってロックベース104の引出方向への回転が規制される。
また、センサカバー132の内側には車両が急減速状態になると作動するVSIR機構を構成する各種部品や、ロックベース104の引出方向への回転加速度が所定の大きさ以上の場合に作動するWSIR機構を構成する各種部品が設けられており、このようなVSIR機構やWSIR機構が作動すると上述したVギヤ142の引出方向への回転が規制される。この状態でロックベース104が引出方向に回転すると、Vギヤ142に対するロックベース104の引出方向への相対回転が生じ、上記のようにロックプレート144がラチェット歯146に噛み合ってロックベース104の引出方向への回転が規制される。
一方、本ウェビング巻取装置10は第2エネルギー吸収機構160を備えている。図1に示されるように、第2エネルギー吸収機構160は第2エネルギー吸収部材としての切削パウル162を備えている。切削パウル162はスプール本体20の脚板14側の端部の上方(すなわち、スプール本体20からのウェビング22の伸出方向側)でスプール本体20の中心軸線方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回転自在に脚板14に支持されている。
この切削パウル162に対応してスプール本体20の脚板14側の端部にはフランジ部164が形成されている。フランジ部164はスプール本体20からスプール本体20の回転半径方向外側へ延出されており、その外周形状はスプール本体20の中心軸線に対して同軸の円形とされている。切削パウル162には圧接部としての切削刃部166が形成されている。この切削刃部166はフランジ部164の上方(すなわち、スプール本体20からのウェビング22の伸出方向側)でフランジ部164の外周面に対向している。
図3の(A)に示されるように、初期状態(スプール本体20が上方へ変位していない状態)では、切削パウル162の切削刃部166はフランジ部164の外周部から離間している。しかしながら、スプール本体20が上方へ変位すると、図3の(B)に示されるように、フランジ部164の外周部に切削パウル162の切削刃部166が圧接し、この状態でスプール本体20が引出方向に回転すると、切削パウル162の切削刃部166がフランジ部164の外周部を削る。
なお、以下、このようにスプール本体20が上方へ変位することでフランジ部164が切削パウル162の切削刃部166に圧接可能な切削パウル162の回動位置を「圧接位置」と称する。また、図3の(C)に示されるように、スプール本体20が上方へ変位した状態であっても切削刃部166がフランジ部164の外周部に圧接しない切削パウル162の回転位置を「解除位置」と称する。
一方、図3に示されるように、切削パウル162の上方には保持部材としてのストッパ172が設けられている。ストッパ172は厚さ方向がスプール本体20の中心軸線方向に沿った板状又はブロック状に形成されており、その長手方向基端側にてスプール本体20の中心軸線方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回転自在に脚板14に支持されている。このストッパ172の長手方向先端面は第1保持面174とされている。
この第1保持面174はストッパ172の回転中心を曲率の中心として湾曲している。この第1保持面174に対応して切削パウル162には当接面176が設定されている。当接面176は切削パウル162が圧接位置にある状態でストッパ172の回転中心を曲率の中心として凹形状に湾曲している。
ストッパ172は圧接位置にある切削パウル162の当接面176に第1保持面174が当接することで切削パウル162の巻取方向(図3の(C)における矢印A方向)への回転を規制する。なお、以下、圧接位置にある切削パウル162の当接面176に第1保持面174が当接するようなストッパ172の回転位置を「圧接保持位置」と称する。
このストッパ172の長手方向基端側からは略上方へ向けて被押圧プレート178が延出されている。この被押圧プレート178の側方には切替手段としてのアクチュエータ180が設けられている。アクチュエータ180は脚板14に固定されたシリンダ部182を備えている。このシリンダ部182は被押圧プレート178側へ向けて開口した筒形状に形成されている。
このシリンダ部182の内側にはピストン184が設けられており、更に、シリンダ部182において被押圧プレート178側の開口とは反対側にはガスジェネレータ186が取り付けられている。ガスジェネレータ186は図示しない制御手段としてのECUに電気的に接続されている。ECUからの作動信号によってガスジェネレータ186が作動すると、ガスジェネレータ186において瞬時にガスが発生し、このガスの圧力がピストン184を被押圧プレート178側へ摺動させる。
ピストン184の被押圧プレート178側にはプランジャ188が一体的に設けられている。このプランジャ188はピストン184から被押圧プレート178側へ向けて伸びている。プランジャ188の先端は被押圧プレート178に接しており、被押圧プレート178、ひいては、ストッパ172の引出方向(図3の(C)における矢印Bとは反対方向)の回転を規制している。
また、上記のように、ガスジェネレータ186にて生じたガスの圧力によってピストン184が被押圧プレート178側へ摺動すると、プランジャ188は被押圧プレート178を押圧して巻取方向(図3の(C)における矢印B方向)へ回転させる。これにより、第1保持面174が当接面176に対してストッパ172の回転方向にずれて第1保持面174と当接面176との対向状態が解消され、切削パウル162は引出方向(図3の(C)における矢印A方向)に回転できる。なお、以下、図3の(C)に示される第1保持面174と当接面176との対向状態が解消された状態でのストッパ172の回転位置を「復帰規制位置」と称する
<本実施の形態の作用、効果>
本実施の形態に係るウェビング巻取装置10では、ウェビング22をその先端側へ引っ張ることでスプール本体20に巻取られているウェビング22がスプール本体20から引出される。このようにして引出されたウェビング22を乗員がその身体に掛け回し、ウェビング22に設けられたタングをシートの側方に設けられたバックルに装着することにより乗員の身体に対するウェビング22の装着状態となり、ウェビング22によって乗員の身体が拘束される。
この状態で、例えば、車両が急減速してロック機構102のVSIR機構が作動したり、ウェビング22が引っ張られてスプール本体20が所定の大きさ以上の回転加速度で引出方向に回転してロック機構102のWSIR機構が作動したりすると、ロック機構102のVギヤ142の引出方向への回転が規制される。この状態で、更にウェビング22が引っ張られることでスプール本体20が引出方向に回転し、これに伴い、ロックベース104が引出方向に回転すると、Vギヤ142に対するロックベース104の引出方向への相対回転が生じる。
これにより、ロックプレート144がロックベース104の回転半径方向外側へ移動すると、ロックプレート144が脚板16のラチェット歯146に噛み合い、ロックプレート144の引出方向への回転が規制される。ロックベース104はトーションシャフト110及びアダプタ26を介してスプール本体20に対して相対回転が規制された状態でスプール本体20に連結されている。このため、ロックベース104の引出方向への回転が規制されることによってスプール本体20の引出方向への回転が規制され、スプール本体20からのウェビング22の引出しが規制される。これにより、車両急減速状態において乗員の身体が車両前方へ慣性移動することをウェビング22によって抑制できる。
一方、上記のような車両急減速状態になると、ECUがプリテンショナ30のガスジェネレータ34を作動させる。ガスジェネレータ34が作動することでガスジェネレータ34にて生じたガスがシリンダ部32に供給されると、このガス圧でシリンダ部32内のピストンが下降する。これにより、ラックバー36が下降するとラックバー36がピニオン38に噛み合ってピニオン38を巻取方向に回転させる。ピニオン38が巻取方向に回転すると、クラッチ機構42が作動して、ピニオン38とアダプタ26とを機械的に連結する。
これにより、ピニオン38の巻取方向への回転力がアダプタ26を介してスプール本体20に伝わり、スプール本体20が巻取方向に回転する。このようにスプール本体20が巻取方向に回転することでウェビング22がスプール本体20に巻取られ、乗員の身体を更に強く拘束できる。
また、上記のようにスプール本体20の引出方向への回転が規制された状態で更に乗員の身体がウェビング22を引っ張ることでスプール本体20の引出方向への回転力がトーションシャフト110におけるシャフト本体114の機械的強度を上回ると、スプール側連結部116がロックベース側連結部112に対して引出方向に相対回転し、これにより、シャフト本体114のロックベース側連結部112側に対してスプール側連結部116側が引出方向に捩じれる。
このような捩じり変形がシャフト本体114に生じると、スプール本体20はロックベース側連結部112に対するスプール側連結部116の相対回転量だけ引出方向に回転し、この回転量に応じた長さだけウェビング22がスプール本体20から引出される。このようにしてスプール本体20から引出されたウェビング22の長さ分だけ乗員の身体は車両前方へ慣性移動できると共に、乗員の身体がウェビング22を引っ張る力の一部がトーションシャフト110のシャフト本体114の捩じり変形に供されて吸収される。
一方、上記のようにスプール本体20の引出方向への回転が規制された状態で更に乗員の身体によってウェビング22が引っ張られると、スプール本体20に付与される引出方向への回転力が増加すると共に、スプール本体20からのウェビング22の伸出方向、すなわち、上方へスプール本体20が引っ張られる。
上方にスプール本体20を引っ張る引っ張り力が所定の大きさを越えると、スプール本体20が上方へ変位し、スプール本体20のフランジ部164が圧接位置の切削パウル162の切削刃部166に接近して、切削パウル162の切削刃部166にフランジ部164が圧接する。この状態では、ストッパ172の第1保持面174が切削パウル162の当接面176に当接している。
このため、この状態でスプール本体20が引出方向に回転し、フランジ部164から切削刃部166が受ける力で切削パウル162が巻取方向(図3の(C)における矢印A方向)に回転しようとしても、ストッパ172の第1保持面174が切削パウル162に付与された巻取方向への回転力を受け止める。これにより、この状態では切削パウル162の巻取方向への回転が規制されるので、図3の(B)に示されるように、スプール本体20が引出方向に回転することで切削パウル162の切削刃部166がフランジ部164の外周部を削る。
このように、スプール本体20はフランジ部164の外周部が切削刃部166に削られることで引出方向に回転できるので、このスプール本体20の回転量に応じた長さだけウェビング22がスプール本体20から引出される。このようにしてスプール本体20から引出されたウェビング22の長さ分だけ乗員の身体は車両前方へ慣性移動できると共に、乗員の身体がウェビング22を引っ張る力の一部は切削刃部166がフランジ部164の外周部を削るためのエネルギーに供されて吸収される。
ここで、上記のようにスプール本体20の引出方向への回転が規制された状態ではトーションシャフト110におけるシャフト本体114の捩じり変形が生じることでスプール本体20は引出方向に回転するので、切削パウル162の切削刃部166がフランジ部164の外周部を削る際には、トーションシャフト110のシャフト本体114で捩じり変形が生じている。すなわち、本ウェビング巻取装置10では、スプール本体20の引出方向への回転が規制された状態でスプール本体20に付与された引出方向への回転力のエネルギーが、トーションシャフト110のシャフト本体114を捩じり変形させるために必要な大きさと、切削刃部166がフランジ部164の外周部を削るために必要な大きさの和以上の値にならないと、スプール本体20は引出方向に回転することができない。
一方で、例えば、ウェビング22を装着している乗員の身体が小柄で体重が小さい場合(一例としては、シートに設けられた荷重センサによる乗員の体重の検出結果が所定の大きさ以下である場合)には、ECUがプリテンショナ30のガスジェネレータ34を作動させると共に、アクチュエータ180のガスジェネレータ186を作動ささせる。ガスジェネレータ186が作動すると、ガスジェネレータ186にて生じたガスがシリンダ部182に供給され、このガス圧でピストン184がシリンダ部182の開口端側、すなわち、ストッパ172の被押圧プレート178側へ摺動する。
このようにピストン184が被押圧プレート178側へ摺動すると、プランジャ188が被押圧プレート178を押圧してストッパ172を巻取方向(図3の(C)における矢印B方向)に回動させる。これにより、圧接保持位置から復帰規制位置までストッパ172が回動すると、ストッパ172の第1保持面174と切削パウル162の当接面176との対向状態が解消され、ストッパ172の第1保持面174による切削パウル162の巻取方向への回転規制状態が解除される。
この状態でも切削パウル162は圧接位置にあるため、スプール本体20が上方へ変位すると、フランジ部164の外周部が切削パウル162の切削刃部166に圧接する。しかしながら、この状態では切削パウル162の巻取方向への回転規制が解除されている。このため、スプール本体20が引出方向に回転すると、フランジ部164からの引出方向への回転力を切削刃部166が受けた切削パウル162は巻取方向に回動可能になる。
この状態では、切削パウル162の切削刃部166がフランジ部164に接しているものの、切削パウル162そのものは巻取方向へ回動可能である。このため、この状態では、切削パウル162の切削刃部166はフランジ部164を削るような圧接はしておらず、切削刃部166がフランジ部164に摺接しただけの状態である。したがって、この状態では、切削パウル162の切削刃部166によってフランジ部164が削られることがない。したがって、この状態では、スプール本体20に付与された引出方向への回転力のエネルギーが、トーションシャフト110のシャフト本体114を捩じり変形させるために必要な大きさ以上であればスプール本体20は引出方向に回転できる。
すなわち、ウェビング22を装着している乗員が小柄で体重が軽い場合には、乗員の身体がウェビング22を引っ張る力がトーションシャフト110のシャフト本体114を捩じり変形させることができる大きさであれば、スプール本体20の回転量に応じた長さだけスプール本体20からウェビング22が引出され、このようにして引出されたウェビング22の長さ分だけ乗員の身体は車両前方へ慣性移動できる。
ここで、本実施の形態に係るウェビング巻取装置10では、トーションシャフト110のシャフト本体114の捩じり変形に供されるエネルギーに上乗せするエネルギーをスプール本体20の脚板14側に形成したフランジ部164を削るために必要なエネルギーとした。フランジ部164を削れる位置から切削刃部166が離間するような切削パウル162の回動を許容するためのアクチュエータ180はフランジ部164の近傍に設けられる。このため、フレーム12を介してロック機構102とは反対側にプリテンショナ30が設けられる構成であっても、特に機構を複雑にすることはく切削パウル162、ストッパ172、及びアクチュエータ180を設けることができる。
しかも、このような切削パウル162、ストッパ172、及びアクチュエータ180を脚板14の脚板16側、すなわち、フレーム12における脚板14と脚板16との間に設けているので、ウェビング巻取装置10がスプール本体20の中心軸線方向に大型化することを抑制できる。
また、上記のように、ストッパ172を引出方向に回動させてストッパ172による切削パウル162の回転規制状態が解除すれば、引出方向へのスプール18の回転力で切削パウル162が回転して切削パウル162の切削刃部166とスプール本体20のフランジ部164との圧接が解消され、フランジ部164が削られなくなる。このように、本実施の形態では、切削パウル162の切削刃部166とスプール本体20のフランジ部164との圧接と、圧接の解消とを切り替える構成を簡素で小型にできる。
さらには、本ウェビング巻取装置10は、アクチュエータ180が作動しないと、解除位置へ切削パウル162が回動することはない。このため、アクチュエータ180が作動しないことで吸収するエネルギーの総量が減少することはない。
また、本実施の形態では、プリテンショナ30のガスジェネレータ34のガス圧でシリンダ部32内のピストンが下降して、ラックバー36が下降する構成である。このため、ラックバー36がピニオン38に噛み合った場合にラックバー36はピニオン38を巻取方向に回転させつつ下方へ押圧する。このように、ラックバー36からの押圧力はピニオン38、ひいては、スプール本体20を下方へ変位させるように作用する。
したがって、本実施の形態では、プリテンショナ30が作動することによってスプール本体20からのウェビング22の伸出方向、すなわち、上方へスプール本体20が引っ張られることはなく、プリテンショナ30が作動することによってスプール本体20のフランジ部164が圧接位置の切削パウル162の切削刃部166に接近することがない。
これにより、プリテンショナ30が作動しても、切削パウル162の切削刃部166にフランジ部164が圧接することはなく、ガスジェネレータ34のガス圧をスプール本体20の巻取方向への回転に効率よく寄与させることができる。
なお、本実施の形態では、上記のようにプリテンショナ30が作動した際のラックバー36の移動方向を下方とした。しかしながら、上述したように、ラックバー36がピニオン38を介してスプール本体20を上方へ押し上げない構成であればプリテンショナ30がスプール本体20のフランジ部164が圧接位置の切削パウル162の切削刃部166に接近することがない。
したがって、プリテンショナ30が作動した際のラックバー36の移動方向が下方でなくても、スプール本体20からのウェビング22の伸出方向でなければプリテンショナ30が作動しても、切削パウル162の切削刃部166にフランジ部164が圧接することはなく、ガスジェネレータ34のガス圧をスプール本体20の巻取方向への回転に寄与させることができる。
また、本実施の形態では、ガスジェネレータ34のガス圧によるラックバー36の移動方向をスプール本体20のフランジ部164が圧接位置の切削パウル162の切削刃部166に接近する際のスプール本体20の移動方向とは反対方向に設定することによってプリテンショナ30が作動した際にスプール本体20のフランジ部164は切削パウル162の切削刃部166に圧接することを防止している。
しかしながら、仮に、スプール本体20のフランジ部164が切削パウル162の切削刃部166に圧接しても、スプール本体20が引出方向に回転した場合にのみ切削パウル162の切削刃部166がフランジ部164を削り、スプール本体20が巻取方向に回転した場合にはフランジ部164が切削刃部166によって削られないように切削パウル162の切削刃部166に方向性を付与すれば、プリテンショナ30が作動した状態でスプール本体20のフランジ部164に切削パウル162の切削刃部166が接していてもガスジェネレータ34のガス圧をスプール本体20の巻取方向への回転に寄与させることができる。
なお、本実施の形態では、切削刃部166がフランジ部164の外周部を削る構成であったが、例えば、フランジ部164の外周部を「やすり状」に形成して、切削パウル162におけるフランジ部164との当接部分をフランジ部164が削る構成であってもよい。
また、本実施の形態では、スプール18においてウェビング22を巻取るスプール本体20の一部としてフランジ部164を形成した構成であったが、例えば、フランジ部164をスプール本体20とは別体で構成してスプール本体20にフランジ部164を同軸的に固定する構成としてもよい。このような構成では、フランジ部164の材質を変更することで切削刃部166がフランジ部164の外周部を削るために必要なエネルギーの大きさを容易に変更でき、ウェビング巻取装置10や、ウェビング巻取装置10を搭載する車両の変更等に容易に対応できる。
さらに、本実施の形態では、第2エネルギー吸収機構160をフレーム12の脚板14側に設ける構成とした。しかしながら、第2エネルギー吸収機構160をフレーム12の脚板16側に設ける構成として、スプール本体20における脚板16側のフランジ部を切削パウル162の切削刃部166が削る構成としてもよい。
10 ウェビング巻取装置
18 スプール
22 ウェビング
102 ロック機構
104 ロックベース
110 トーションシャフト(第1エネルギー吸収部材)
112 ロックベース側連結部
116 スプール側連結部
162 切削パウル(第2エネルギー吸収部材)
166 切削刃部(圧接部)
172 ストッパ(保持部材)
180 アクチュエータ(切替手段)

Claims (2)

  1. ウェビングを基端側から巻取って格納すると共に、前記ウェビングがその先端側へ引っ張られることにより引出方向に回転しつつ巻取られている前記ウェビングが引出されて伸出ると共に、前記ウェビングの伸出方向側へ所定の大きさ以上の力で引っ張られることにより前記伸出方向へ変位可能なスプールと、
    前記スプールに対して相対回転可能なロックベースを有し、作動することによって前記スプールの前記巻取方向とは反対の引出方向への回転に対応する前記ロックベースの回転を規制するロック機構と、
    スプール側連結部が前記スプールに対する相対回転が規制された状態で前記スプールに連結されると共にロックベース側連結部が前記ロックベースに対する相対回転が規制された状態で前記ロックベースに連結されて、前記ロックベース側連結部に対して前記スプール側連結部が前記引出方向に回転することで変形する第1エネルギー吸収部材と、
    前記スプールにおける前記ウェビングの前記伸出方向側に設けられて、前記スプールが前記伸出方向へ変位した場合に前記スプールが圧接する圧接部を有し、前記圧接部に前記スプールが圧接した状態で前記スプールが前記引出方向に回転することによって前記スプール及び前記圧接部の少なくとも一方が削れると共に、前記ウェビングの前記伸出方向側へ変位した前記スプールから前記圧接部が離間する方向へ移動可能な第2エネルギー吸収部材と、
    作動することで前記第2エネルギー吸収部材の前記圧接部が前記スプールから離間する方向への前記第2エネルギー吸収部材の変位を許容する切替手段と、
    を備えるウェビング巻取装置。
  2. 前記第2エネルギー吸収部材を保持して前記第2エネルギー吸収部材と前記スプールとの圧接状態で前記引出方向へ回転する前記スプールの回転力を前記第2エネルギー吸収部材が受けることによる前記第2エネルギー吸収部材の移動を規制すると共に、前記切替手段が作動することによって前記第2エネルギー吸収部材の保持を解除し、前記スプールの前記引出方向への回転力で前記第2エネルギー吸収部材の移動を許容する保持部材を備える請求項1に記載のウェビング巻取装置。
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