JP2013222762A - 化合物半導体層およびその製造方法、ならびに化合物薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

化合物半導体層およびその製造方法、ならびに化合物薄膜太陽電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造スループットの低下を招くことなくナノ粒子塗布焼成法を用いて形成され、太陽光を十分に吸収できる厚さを有し、かつクラックの発生が抑制された化合物半導体層を提供すること。
【解決手段】化合物半導体層は、連続膜である第一の化合物半導体膜と、第一の化合物半導体膜上に形成され且つ間隙部分を有する第二の化合物半導体膜とを備える。このような化合物半導体層は、ナノ粒子塗布焼成法により形成されることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物半導体層と、化合物半導体層を備えた化合物薄膜太陽電池とに関し、さらにはこれらの製造方法に関する。
CIGSまたはCZTSに代表される化合物薄膜太陽電池には、光吸収層となる化合物半導体層の材料特性による高性能化、および化合物半導体層の数μmオーダーへの薄膜化による低コスト化が見込めるため、近年、活発に開発が進められている。
一般に、化合物薄膜太陽電池の製造方法は、真空プロセスを用いて化合物半導体層を形成する真空成膜法と、非真空プロセスを用いて化合物半導体層を形成する非真空成膜法とに分けられる。真空成膜法は、真空下で化合物半導体層を構成する元素(Cu、In、Gaなど)を蒸着またはスパッタリングにより堆積させる工程を含む。そのため、真空成膜法では、材料利用効率が低く、また真空設備の導入およびその維持に多額の費用が必要である。
一方、非真空成膜法は、化合物半導体層を構成する元素を含んだ溶液を基板上に塗布してから焼成するものであり、真空成膜法に比べて材料利用効率が高く且つ設備費用が安価であるというメリットを有する。
非真空成膜法の中でも、Cu、In、Ga、またはSeなどの化合物半導体材料の核部分の周囲が有機配位子で取り囲まれてなるナノ粒子を基板上に塗布してから焼成処理を行うことで化合物半導体層を形成する手法(以下、ナノ粒子塗布焼成法と記載)が好適である。その理由は、ナノ粒子が有機配位子によって溶媒中に凝集することなく良好に分散するからであり、またナノ粒子を用いることによって焼成温度を低くすることができるからである。
ところで、化合物半導体層が太陽光を十分に吸収するためには、厚さが1μm以上の化合物半導体層が必要である。ナノ粒子塗布焼成法を用いて厚さが1μm以上の化合物半導体層を形成しようとすると、ナノ粒子を塗布して焼成するという処理を複数回にわたって繰り返し行う必要がある。その理由は次に示す通りである。粒子の微細化に伴って、核部分に対する有機配位子の体積比が増える。焼成時には有機配位子が各部分から脱離するため、有機配位子の脱離に起因する化合物半導体層の収縮が起こり、その結果、クラックが化合物半導体層に発生する恐れがある。クラックが化合物半導体層に発生すると、化合物薄膜太陽電池の積層方向におけるリークパスの原因となる。ここで、クラックとは、化合物半導体層の上面から下面へ連続して形成された間隙部分である。
焼成時におけるクラックの発生を防止する手法としては、たとえば特許文献1に、化合物半導体からなる微細粒子を含む有機溶媒中にNaを混合して薄膜太陽電池を製造することが記載されている。この手法では、Naが欠陥の起点において結着剤として作用するため、焼成時に発生する欠陥を抑制できる。
特開2010−225883号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いて化合物半導体層を形成するときであっても、化合物半導体層におけるクラックの発生を抑制できるのは厚さが数百nm以下の化合物半導体層を形成する場合に限られる。実際、特許文献1の実施例においても、1.4μmの厚さの化合物半導体層を形成するために、塗布工程および焼成工程を7回行なっている。このように、従来技術においては、クラックの発生が抑制され且つ太陽光を十分に吸収できる化合物半導体層には、塗布工程および焼成工程を複数回行なう必要があるために製造スループットが低いという課題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造スループットの低下を招くことなくナノ粒子塗布焼成法を用いて形成され、太陽光を十分に吸収できる厚さを有し、かつクラックの発生が抑制された化合物半導体層を提供することである。
本発明の化合物半導体層は、連続膜である第一の化合物半導体膜と、第一の化合物半導体膜上に形成され、間隙部分を有する第二の化合物半導体膜とを備える。
第一の化合物半導体膜の厚さは、100nm以上500nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがさらに好ましい。
第一の化合物半導体膜は、単一層からなることが好ましい。第二の化合物半導体膜は、単一層からなることが好ましい。ここで、「単一層」には、一種の化合物半導体材料からなる層だけでなく、二種以上の化合物半導体材料が混合されてなる層も含まれる。
第一の化合物半導体膜および第二の化合物半導体膜は、Cuと、InおよびGaの少なくとも一方と、SeおよびSの少なくとも一方とを含んでも良いし、またはCuと、Znと、Snと、SeおよびSの少なくとも一方とを含んでも良い。
本発明の化合物薄膜太陽電池は、基板と、基板上に設けられた第1電極、化合物半導体層、および第2電極とを備える。化合物半導体層は、本発明の化合物半導体層である。化合物半導体層における第二の化合物半導体膜は、化合物半導体層における第一の化合物半導体膜よりも基板とは反対側に位置している。
本発明の化合物半導体層の製造方法は、第一の化合物半導体材料からなる第一の核部分と第一の核部分の周囲を取り囲む第一の配位子部分とを含む第一のナノ粒子が分散された第一の溶液を基板上に塗布する工程と、第一の溶液が塗布された基板を焼成することにより第一の化合物半導体膜を前記基板上に形成する工程と、第二の化合物半導体材料からなる第二の核部分と第二の核部分の周囲を取り囲む第二の配位子部分とを含む第二のナノ粒子が分散された第二の溶液を第一の化合物半導体膜上に塗布する工程と、第二の溶液が第一の化合物半導体膜上に塗布された基板を焼成することにより第二の化合物半導体膜を第一の化合物半導体膜上に形成する工程とを備える。ここで、第一の化合物半導体膜は連続膜であり、第二の化合物半導体膜は間隙部分を有する。
第二の溶液を第一の化合物半導体膜上に塗布する工程は、焼成により形成される第二の化合物半導体膜の厚さが、焼成により形成される第一の化合物半導体膜の厚さよりも厚くなるように、行われることが好ましい。
第一の化合物半導体膜の厚さを100nm以上500nm以下とすることが好ましい。
第一の化合物半導体膜を基板上に形成するときには、第一の溶液を基板上に塗布する工程および第一の溶液が塗布された基板を焼成する工程をそれぞれ1回ずつ行うことが好ましい。
第二の化合物半導体膜を第一の化合物半導体膜上に形成するときには、第二の溶液を第一の化合物半導体膜上に塗布する工程および第二の溶液が第一の化合物半導体膜上に塗布された基板を焼成する工程をそれぞれ1回ずつ行うことが好ましい。
第一の溶液を基板上に塗布する工程と第一の溶液が塗布された基板を焼成する工程との間に、第一の溶液を乾燥させる工程を行うことが好ましい。第二の溶液を第一の化合物半導体膜上に塗布する工程と第二の溶液が第一の化合物半導体膜上に塗布された基板を焼成する工程との間に、第二の溶液を乾燥させる工程を行うことが好ましい。
第一のナノ粒子の直径および第二のナノ粒子の直径は1nm以上100nm以下であることが好ましい。ここで、「ナノ粒子の直径」は、核部分の中心と配位子部分のうち核部分の中心から最も遠くに位置する部分との径方向における距離の2倍の距離を意味し、たとえば透過型電子顕微鏡(TEM(Transmission Electron Microscope))でナノ粒子を観察する方法により測定される。
第一の化合物半導体材料および第二の化合物半導体材料は、Cuと、InおよびGaの少なくとも一方と、SeおよびSの少なくとも一方とを含んでも良いし、またはCuと、Znと、Snと、SeおよびSの少なくとも一方とを含んでも良い。
基板上に第1電極、化合物半導体層、および第2電極を形成して化合物薄膜太陽電池を製造する方法において、化合物半導体層は本発明の化合物半導体層の製造方法によって形成される。
本明細書では、「クラック」は、化合物半導体層の厚さ方向に貫通する空間を意味し、「間隙部分」は、化合物半導体層の厚さ方向の一部分に形成された空間を意味する。
本発明の化合物半導体層によれば、製造スループットの低下を招くことなくナノ粒子塗布焼成法を用いて形成され、太陽光を十分に吸収できる厚さを有し、かつクラックの発生が抑制されている。
本発明の化合物半導体層の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の化合物半導体層の製造方法の一例を示す概略フロー図である。 本発明の化合物薄膜太陽電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の化合物薄膜太陽電池の別の一例を示す概略断面図である。 (a)〜(f)は本発明の実施例1に係る化合物半導体層の製造方法を工程順に示す概略図であり、(a)および(d)は平面図であり、(b)〜(c)には図5(a)に示すVA−VA’線に沿った断面構造を示し、(e)〜(f)には図5(d)に示すVD−VD’線に沿った断面構造を示す。 (a)は本発明の実施例2に係る化合物薄膜太陽電池の概略平面図であり、(b)は図6(a)に示すVIB−VIB’線における概略断面図である。 (a)〜(d)は本発明の実施例2に係る化合物薄膜太陽電池の製造方法を工程順に示す概略平面図である。
以下、本発明の化合物半導体層、化合物半導体層の製造方法、化合物薄膜太陽電池および化合物薄膜太陽電池の製造方法について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
〔化合物半導体層の構成〕
図1を参照して本発明の化合物半導体層を説明する。図1は、本発明の化合物半導体層の一例である化合物半導体層100の構成を示す概略断面図である。
図1に示す化合物半導体層100は、第一の化合物半導体膜11と、第一の化合物半導体膜上に形成された第二の化合物半導体膜12とを備えている。
第一の化合物半導体膜11は、連続膜である。「第一の化合物半導体膜11が連続膜である」とは、第一の化合物半導体膜11を構成する第一の化合物半導体材料が連続して設けられていることを意味し、換言すると第一の化合物半導体膜11には第一の化合物半導体膜11を厚さ方向に貫通する空間が存在していないことを意味する。
第二の化合物半導体膜12は、間隙部分12aを有する。「間隙部分12a」は、第二の化合物半導体膜12内に存在する空間であり、第二の化合物半導体膜12において当該第二の化合物半導体膜12を構成する第二の化合物半導体材料が設けられていない部分を意味する。別の言い方をすると、間隙部分12aは、下記〔化合物半導体層の製造方法〕で示すように、所定の厚さ(たとえば200nmを超える厚さであることが好ましい)の第二の塗布膜を第一の化合物半導体膜11上に塗布してから焼成することにより第二の化合物半導体膜12を形成したときに、その第二の化合物半導体膜12に形成される空隙である。間隙部分12aは、第二の化合物半導体膜12の厚さ方向に延びていることが好ましく、図1に示すように第二の化合物半導体膜12の厚さ方向全体にわたって形成されていても良いし(別の言い方をすると、第二の化合物半導体膜12を厚さ方向に貫通して形成されていても良いし)、第二の化合物半導体膜12の厚さ方向の一部分にのみ形成されていても良い。間隙部分12aの形状は特に限定されない。たとえば、間隙部分12aの長手方向において均一でなくても良い。第二の化合物半導体膜12の上面における間隙部分12aの形状は、特に限定されず、たとえば多角形、円形、楕円形、または多角形と円形との複合形などでもよい。
このように、図1に示す化合物半導体層100は、連続膜である第一の化合物半導体膜11と、間隙部分12aを有する第二の化合物半導体膜12とを備えている。よって、化合物半導体層100には、当該化合物半導体層100を厚さ方向に貫通するクラックは形成されていない。したがって、図1に示す化合物半導体層100を用いて製造された化合物薄膜太陽電池では、リーク電流の発生を抑制することができる。
また、第二の化合物半導体膜12には間隙部分12aが形成されているため、後述の塗布工程、乾燥工程および焼成工程を繰り返し行わなくても所定の厚さを有する化合物半導体層100を形成することができる。よって、ナノ粒子塗布焼成法を用いた化合物半導体層100の製造スループットの低下を防止できる。
その上、図1に示す化合物半導体層100は、間隙部分12aを有する第二の化合物半導体膜12だけでなく連続膜である第一の化合物半導体膜11も備えているので、化合物半導体層100の厚さ方向に対して垂直な方向における導電性などの特性に優れる。よって、面内方向の導電特性に優れた化合物半導体層100を提供することができる。以下では、化合物半導体層100、第一の化合物半導体膜11、および第二の化合物半導体膜12の各構成を示す。
第一の化合物半導体膜11および第二の化合物半導体膜12は、それぞれ、化合物半導体材料からなる複数の結晶粒からなり、その結晶粒のサイズは、たとえば1〜5000nmであることが好ましい。ここで、化合物半導体材料とは、2つ以上の原子が共有結合またはイオン結合により結合された半導体材料であり、本発明ではCuとInおよびGaの少なくとも一方とSeおよびSの少なくとも一方とがイオン結合により結合された半導体材料であっても良く、CuとZnとSnとSeおよびSの少なくとも一方とがイオン結合により結合された半導体材料であっても良い。このような化合物半導体材料としては、例えば、CuInxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、CuAlxIn1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、CuAlxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgInxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgAlxIn1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgAlxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、Cu2ZnSn(Sex1-x4(0≦x≦1)、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、PbSe、PbS、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、InGaN、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、またはInAlPAsなどが挙げられる。結晶粒のサイズの測定方法は、たとえば走査型電子顕微鏡(SEM(Scanning Electron Microscope))または透過型電子顕微鏡(TEM)で化合物半導体層を観察する方法であれば良い。
第一の化合物半導体膜11の構成は特に限定されない。第一の化合物半導体膜11は、上記化合物半導体材料のうちの1つの化合物半導体材料からなる単一層であっても良いし、上記化合物半導体材料のうちの2つの化合物半導体材料が混合されてなる単一層であっても良いし、同じもしくは互いに異なる化合物半導体材料からなる層が積層されて構成されても良い。しかし、第一の化合物半導体膜11が単一層であれば、後述の塗布工程、乾燥工程および焼成工程をそれぞれ一回行うだけで第一の化合物半導体膜11を形成することができる。よって、化合物半導体層100の製造スループットの低下を防止でき、さらには化合物薄膜太陽電池の製造スループットの低下を防止できる。したがって、第一の化合物半導体膜11は単一層であることが好ましい。このことは第二の化合物半導体膜12についても言える。
化合物半導体層100の厚さは、特に限定されないが、1μm以上であることが好ましく、より好ましくは2μm以上3μm以下である。太陽電池で主に使用される紫外から近赤外までの波長領域において、化合物半導体材料の光吸収係数は凡そ104cm-1以上である。そのため、化合物半導体層100の厚さが1μmであれば、約90%以上の光を吸収することができる。即ち、化合物半導体層100の厚さが1μm以上であれば、化合物半導体層100は入射された光のほとんどを吸収できるため、化合物半導体層100を光吸収層に用いた太陽電池の効率が向上する。
第一の化合物半導体膜11の厚さは、特に限定されないが、好ましくは100nm以上500nm以下であり、より好ましくは200nm以下である。第一の化合物半導体膜11の厚さが100nm以上であれば、第一の化合物半導体膜11内においてピンホールが発生しにくくなり、よって、第一の化合物半導体膜11を備えた化合物半導体層100を用いて製造されたデバイス(たとえば化合物薄膜太陽電池など)においてリーク電流が発生することを防止できる。また、第一の化合物半導体膜11の厚さが500nm以下であれば、第一の化合物半導体膜11の厚さは第一の化合物半導体膜11内における少数キャリアの拡散長よりも薄くなるため、第一の化合物半導体膜11内で生成された少数キャリアを失活させることなく取り出すことができる。さらに、第一の化合物半導体膜11の厚さが200nm以下となるように第一の化合物半導体膜11を形成すれば、1回の成膜で間隙部分の発生を抑制できる。
ここで、「ピンホール」は、膜の厚さが薄すぎる場合に生じる電気的リークパスである。一方、「クラック」は、膜の厚さが厚い場合に生じる構造的リークパスである。そのため、ピンホールは、クラックよりも小さい。
第二の化合物半導体膜12の厚さは、特に限定されないが、好ましくは200nmを超えることであり、より好ましくは500nm以上3000nm以下である。第二の塗布膜の厚さが200nmを超えるように第二の化合物半導体膜12を形成すれば、第二の化合物半導体膜12に間隙部分12aを形成することができる。
〔化合物半導体層の製造方法〕
図2を参照して、本発明の化合物半導体層の製造方法(以下、「本発明に係る製造方法」という。)を説明する。図2は、本発明に係る製造方法の一例を示す概略フロー図である。
図2に示すように、本発明に係る製造方法は、第一の化合物半導体膜11の形成工程S1と、第二の化合物半導体膜12の形成工程S2とを含む。第一の化合物半導体膜11の形成工程S1は、第一の塗布工程S12と第一の焼成工程S14とを含み、第一の溶液の調製工程S11と第一の乾燥工程S13とをさらに含むことが好ましい。また、第二の化合物半導体膜12の形成工程S2は、第二の塗布工程S22と第二の焼成工程S24とを含み、第二の溶液の調製工程S21と第二の乾燥工程S23とをさらに含むことが好ましい。以下、各工程について詳しく説明する。
−第一の化合物半導体膜11の形成工程S1−
第一の溶液の調製工程S11では、第一のナノ粒子を第一の溶媒に分散または溶解させる。これにより、第一の溶液が調製される。具体的には、必要量の第一のナノ粒子を第一の溶媒中に加えて攪拌または加熱を行なうことにより、第一のナノ粒子を第一の溶媒中に分散または溶解させることができる。第一の化合物半導体膜11の材料に応じて、第一のナノ粒子の材料、第一の溶液の溶媒の種類、および第一のナノ粒子の濃度などを適宜選択することが好ましい。
第一のナノ粒子は、第一の核部分と、第一の核部分の周囲を取り囲む第一の配位子部分とを有する。第一のナノ粒子の直径は、特に限定されないが、1〜1000nmであることが好ましく、より好ましくは1〜100nmであり、さらに好ましくは1〜20nmである。第一のナノ粒子の直径が1〜100nmであれば、第一のナノ粒子の表面積が大きくなるので、第一の溶液の調製工程S11における温度を低下させることができる。
第一の核部分は、化合物半導体材料からなり、第一の化合物半導体膜を構成する。第一の核部分を構成する化合物半導体材料(以下では「第一の化合物半導体材料」と記すことがある。)としては、例えばCuInxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、CuAlxIn1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、CuAlxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgInxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgAlxIn1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgAlxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、Cu2ZnSn(Sex1-x4(0≦x≦1)、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、PbSe、PbS、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、InGaN、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、またはInAlPAsなどが挙げられ、最終的に第一の化合物半導体膜11を構成する材料が選択される。
第一の配位子部分は、有機材料からなり、第一のナノ粒子を第一の溶媒中に分散させる役割を主に有する。第一の核部分と第一の配位子部分とは、物理吸着等で接していてもよいし、共有結合または配位結合等で化学的に結合していてもよい。第一の配位子部分を構成する有機材料(以下では「配位子材料」と記す)は、例えば、n−ヘキサンセレノール、n−オクタンセレノール、n−デカンセレノール、またはn−ドデカンセレノール等のセレノール基を有していることが好ましく、n−ヘキサンチオール、n−オクタンチオール、n−デカンチオール、n−ドデカンチオール、またはメチルベンゼンチオール等のチオール基を有していることが好ましく、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−アミノプロピルトリメトキシシラン、もしくはフェニルトリメトシシシラン等のアルコキシシリル基またはクロロシリル基を有していることが好ましく、n−オクタデシルフォスフォニックアシッド等のホスホン酸基を有していることが好ましい。
第一の配位子部分を構成する配位子材料(以下では「第一の配位子材料」と記すことがある。)は、第一の化合物半導体材料と結合可能な官能基を有することが好ましい。これにより、第一の核部分と第一の配位子部分との間に強固な結合が形成される。第一の化合物半導体材料がセレン、硫黄、または銀等を含むときには、第一の配位子材料はセレノール基またはチオール基を有することが好ましい。第一の化合物半導体材料がインジウム、銀、または銅等を含むときには、第一の配位子材料はアルコキシシリル基またはクロロシリル基から生じるシラノール基を有することが好ましい。第一の化合物半導体材料がアルミニウム等を含むときには、第一の配位子材料はホスホン酸基を含むことが好ましい。
第一のナノ粒子を分散させる第一の配位子材料の能力は、第一の溶液に含まれる溶媒の種類に応じて異なる。よって、第一の配位子材料は、以下に述べる溶媒の種類に応じて適宜選択されることが好ましい。
このような第一のナノ粒子の作製方法は特に限定されない。第一の核部分の作製手法については、例えば、第一の化合物半導体材料の原料となる各プリカーサ(前駆体)を使って溶媒中でナノサイズの第一の化合物半導体材料を化学合成する方法であってもよいし、第一の化合物半導体材料を物理的に粉砕して微細化する方法であってもよい。また、第一のナノ粒子の作製方法は、例えば、第一の核部分と第一の配位子材料とを溶媒中で反応させる液相反応法であってもよいし、第一の核部分を第一の配位子材料の蒸気と反応させる気相反応法であっても良い。
第一の溶液中に含まれる溶媒(以下では「第一の溶媒」と記すことがある)は、メタノールまたはエタノール等のアルコール系溶媒であっても良いし、ヘキサン、オクタン、デカンまたはドデカン等のアルキル系溶媒であっても良いし、ベンゼンまたはトルエン等の芳香族系溶媒であってもよい。第一の溶媒は、このような有機溶媒に限定されず、酸性、中性、または塩基性を示す水系溶媒であってもよい。第一の溶媒の種類は、第一のナノ粒子の各特性に応じて選択されることが好ましく、第一のナノ粒子が第一の溶媒などにより分解または酸化等の反応を起こさないような材料であることが好ましい。例えば、第一のナノ粒子が酸化されやすい場合には、第一の溶媒としては、蒸留等の手法で脱水した有機溶媒、または窒素バブリング等の処理で脱酸素した有機溶媒を用いることが好ましい。
なお、第一の核部分と第一の配位子部分とが物理吸着等の弱い力で接していた場合、超音波等を用いた強力な撹拌手法を用いて第一の溶液を調製すると第一の核部分と第一の配位子部分との接合が解除されるおそれがある。そのため、第一の溶液の調製工程S11において第一のナノ粒子を攪拌させる手法には、留意が必要である。
第一の塗布工程S12では、第一の溶液の調製工程S11で調製された第1の溶液を基板上に塗布する。基板上に存在する不純物を塗布前に除去することが好ましく、たとえば基板に対して超音波洗浄またはUVオゾンアッシング等の洗浄処理を行うことが好ましい。第一の溶液を塗布する方法としては、たとえばスクリーン印刷法、キャスト法、ドクターブレードコート法、ディップ法、またはスピンコート法などを挙げることができるが、このいずれの手法を用いて第一の溶液を塗布しても良く、目的に応じた塗布手法を選択することが好ましい。
しかし、焼成後の第一の化合物半導体膜11の厚さが100nm以上500nm以下となるように第一の溶液を基板上に塗布することが好ましい。
また、焼成後の第二の化合物半導体膜12の厚さが焼成後の第一の化合物半導体膜11の厚さよりも厚くなるように、第一の溶液を基板上に塗布することが好ましい。好ましくは、焼成後の第一の化合物半導体膜11の厚さが200nm以下となるように第一の溶液を基板上に塗布することである。これにより、後述の第一の焼成工程S14において第一の化合物半導体膜11内に間隙部分が形成されることを防止できる。
第一の乾燥工程S13では、上記第一の塗布工程S12において基板上に塗布された第一の塗布膜から第一の溶媒を除去する。これにより、次工程である第一の焼成工程S14において第一の塗布膜中の第一の溶媒が突沸することを防止できるため、ボイドの発生を伴うことなく第一の化合物半導体膜11を形成することができる。よって、第一の化合物半導体膜11の形成中に当該化合物半導体層100の性能低下を招くことを防止できる。
第一の乾燥工程S13では、加熱、減圧、気体によるブロー、または自然乾燥等を行なうことにより、第一の塗布膜から第一の溶媒を除去することができる。これらの手法を組み合わせて第一の乾燥工程S13を行なっても良いし、これらの手法のいずれかを用いて第一の乾燥工程S13を行なっても良い。しかし、どのような手法を用いて第一の乾燥工程S13を行なう場合てあっても、第一の溶媒を第一の塗布膜から緩やかに除去することが肝要である。第一の溶媒を第一の塗布膜から急速に除去すると、第一の塗布膜において第一の溶媒の突沸が起こることがあり、形成された第一の化合物半導体膜に多数のボイドが生じることがある。
第一の焼成工程S14では、第一の配位子部分が第一の核部分から脱離され、第一の配位子部分の脱離に伴って第一の塗布膜内に空隙が形成され、第一の核部分がこの空隙を埋めるように結晶成長する。これにより、第一の配位子部分の脱離に伴って第一の塗布膜内に形成されていた空隙はなくなり、間隙部分を有しない連続膜からなる第一の化合物半導体膜11が形成される。
詳しくは、第一の配位子部分は、加温によって第一の核部分から脱離する。ある温度以上で焼成を行なうと、第一の配位子部分は第一の核部分から容易に脱離する。第一の配位子部分は第一の核部分同士の凝集を防ぐ役割を担っているため、第一の配位子部分の脱離により第一の核部分同士が凝集して結晶化が起こる。この結晶化により、第一の核部分は大きくなり、最終的に第一の化合物半導体膜11が形成される。
また、第一の配位子部分が第一の核部分から脱離すると、第一の配位子部分が存在していた部分が空隙となる。しかし、この空隙は第一の核部分が結晶成長することにより埋められる。
第一の焼成工程S14における焼成条件は特に限定されない。たとえば、焼成温度は、第一の核部分と第一の配位子部分との間に働く結合力(上述の物理吸着力または化学結合力)が解離する温度以上であることが好ましい。結合力が解離する温度は第一の核部分の材料および第一の配位子部分の材料などに依存するため一概に言えないが概ね150℃以上であると考えられる。よって、焼成温度は150℃以上であることが好ましい。また、第一の化合物半導体膜11の結晶化時間を短縮するためには、焼成温度は500℃以上であることが好ましい。例えば、ポリイミド等からなる基板を用いる場合には、基板の耐熱性の観点から、焼成温度は400℃程度が上限となる。基板の材料などに応じて、焼成温度を設定すればよい。
第一の焼成工程S14での加熱方法としては、たとえば、基板をホットプレート上に置いて加熱をするというものであっても良いし、基板をオーブン中で加熱するというものであっても良い。
第一の焼成工程S14は、第一の溶液の調製工程S11、第一の塗布工程S12、および第一の乾燥工程S13よりも高温で行なわれるので、大気雰囲気下でなく不活性雰囲気下で行なわれることが好ましい。特に、焼成温度が500℃に近い高温である場合には、第一の焼成工程S14を不活性雰囲気下で行なうことにより、化合物半導体材料の酸化が防止され、よって、化合物半導体材料が本来有する特性の喪失を防止できる。また、たとえばナノ粒子として水または酸素に弱い材料を用いた場合にも、第一の焼成工程S14を不活性雰囲気下で行なうことが好ましい。ここで、不活性雰囲気とは、アルゴンなどの希ガスまたは窒素を含む雰囲気であることが好ましい。
なお、形成された第一の化合物半導体膜11の厚さが目的の厚さに達していない場合には、第一の塗布工程S12、第一の乾燥工程S13、および第一の焼成工程S14を繰り返して第一の化合物半導体膜11の厚膜化を図ることができる。この際、第一の溶液の調製工程S11をその都度行なっても良い。第一の化合物半導体膜11の形成工程S1の後、第二の化合物半導体膜12の形成工程S2に移る。
−第二の化合物半導体膜12の形成工程S2−
第二の溶液の調製工程S21では、第一の溶液の調製工程S11と同様、第二のナノ粒子を第二の溶媒に分散または溶解させる。第二のナノ粒子および第二の溶媒としては、上記第一の溶液の調製工程S11で述べたものを用いることができる。第二の溶液は、第一の溶液と同一であっても良いし、第一の溶液とは異なっても良い。なお、第二の溶液が第一の溶液と同一であるときには、第一の溶液の調製工程S11で得られた第一の溶液を用いて第二の化合物半導体膜12を形成することができるため、第二の溶液の調製工程S21の実施を省くことができる。
第二の塗布工程S22では、第二の溶液の調製工程S21で調製された第二の溶液を第一の化合物半導体膜11上に塗布する。第二の溶液を塗布する前に第一の化合物半導体膜11上に不純物が付着することを防止するためには、第一の化合物半導体膜11の形成工程S1の後すぐに第二の塗布工程S22を行うことが好ましい。
第二の溶液を塗布する方法としては、第一の塗布工程S12で列挙した方法を用いることができる。第一の塗布工程S12で列挙した方法のいずれの手法を用いて第二の溶液を塗布しても良く、目的に応じた塗布手法を選択することが好ましい。
しかし、上記第一の塗布工程S12で示したように、焼成後の第二の化合物半導体膜12の厚さが焼成後の第一の化合物半導体膜11の厚さよりも厚くなるように、第二の溶液を基板上に塗布することが好ましい。これにより、後述の第二の焼成工程S24において間隙部分12aが第二の化合物半導体膜12に形成されることとなる。
第二の乾燥工程S23では、上記第二の塗布工程S22において第一の化合物半導体膜11上に塗布された第二の塗布膜から溶媒を除去する。これにより、次工程である第二の焼成工程S24において第二の塗布膜中の溶媒が突沸することを防止できるため、ボイドの発生を伴うことなく第二の化合物半導体膜12を形成することができる。よって、第二の化合物半導体膜12の形成中に当該化合物半導体層100の性能低下を招くことを防止できる。
第二の塗布膜から溶媒を除去する方法としては、第一の乾燥工程S13で列挙した方法を用いることができる。第二の塗布工程S23で列挙した方法のいずれの手法を用いて第二の塗布膜から溶媒を除去しても良く、目的に応じた除去方法を選択することが好ましい。また、第一の乾燥工程S13で示した理由と同一の理由から、溶媒を第二の塗布膜から緩やかに除去することが肝要である。
第二の焼成工程S24では、第一の焼成工程S14と同じく、第二の配位子部分が第二の核部分から脱離され、第二の配位子部分の脱離に伴って第二の塗布膜内に空隙が形成され、第二の核部分がこの空隙を埋めるように結晶成長する。
第二の塗布工程S23において第二の化合物半導体膜12の厚さが第一の化合物半導体膜11の厚さを超えるように(より好ましくは第二の化合物半導体膜12の厚さが200nmを超えるように)第二の溶液を第一の化合物半導体膜11上に塗布した場合、第二の配位子部分の総体積は、第一の塗布工程S12で塗布された第一の化合物半導体膜中の第一の配位子部分の総体積よりも多くなる。よって、第二の焼成工程S24において第二の塗布膜内に形成される空隙は、第一の焼成工程S14において第一の塗布膜内に形成される空隙よりも多くなる又は大きくなる。したがって、第二の塗布膜に形成された空隙の一部分が第二の核部分の結晶成長により埋まるにすぎず、第二の核部分の結晶成長により埋まらずに残存した空隙が間隙部分12aとなる。
第二の焼成工程S24における焼成条件は特に限定されず、第一の焼成工程S14における焼成条件と同様のことが言える。たとえば、焼成温度は、第二の核部分と第二の配位子部分との間に働く結合力(上述の物理吸着力または化学結合力)が解離する温度以上であることが好ましい。結合力が解離する温度は第二の核部分の材料および第二の配位子部分の材料などに依存するため一概に言えないが、概ね150℃以上であると考えられる。よって、焼成温度は150℃以上であることが好ましい。また、第二の化合物半導体膜12の結晶化時間を短縮するためには、焼成温度は500℃以上であることが好ましい。例えば、ポリイミド等からなる基板を用いる場合には、基板の耐熱性の観点から、焼成温度は400℃程度が上限となる。基板の材料などに応じて焼成温度を設定すればよい。
第二の焼成工程S24での加熱方法としては、第一の焼成工程S14での加熱方法と同様のことが言える。たとえば、基板をホットプレート上に置いて加熱しても良いし、基板をオーブン中で加熱しても良い。
第二の焼成工程S24は、第一の焼成工程S14と同じく、第二の溶液の調製工程S21、第二の塗布工程S22、および第二の乾燥工程S23よりも高温で行なわれるので、大気雰囲気下でなく不活性雰囲気下で行なわれることが好ましい。特に、焼成温度が500℃に近い高温である場合には、第二の焼成工程S24を不活性雰囲気下で行なうことにより、化合物半導体材料の酸化が防止され、よって、化合物半導体材料が本来有する特性の喪失を防止できる。また、たとえばナノ粒子として水または酸素に弱い材料を用いた場合にも、第二の焼成工程S24を不活性雰囲気下で行なうことが好ましい。ここで、不活性雰囲気とは、アルゴンなどの希ガスまたは窒素を含む雰囲気であることが好ましい。
なお、形成された第二の化合物半導体膜12の厚さが目的の厚さに達していない場合には、第二の塗布工程S22、第二の乾燥工程S23、および第二の焼成工程S24を繰り返して第二の化合物半導体膜12の厚膜化を図ることができる。この際、第二の溶液の調製工程S21をその都度行なっても良い。これにより、図1に示す化合物半導体層100が形成される。
以上説明したように、図2に示す化合物半導体層の製造方法では、連続膜である第一の化合物半導体膜11上に間隙部分12aを有する第二の化合物半導体膜12を形成することができる。よって、化合物半導体層100には、当該化合物半導体層100を厚さ方向に貫通するクラックは形成されない。したがって、図2に示す化合物半導体層の製造方法にしたがって形成された化合物半導体層100を用いて化合物薄膜太陽電池を製造すれば、リーク電流の発生が抑制された化合物薄膜太陽電池を提供することができる。
また、図2に示す化合物半導体層の製造方法では、間隙部分12aを有する第二の化合物半導体膜12が形成されるため、塗布工程、乾燥工程および焼成工程を繰り返し行わなくても所定の厚さを有する化合物半導体層100を形成することができる。よって、ナノ粒子塗布焼成法を用いた化合物半導体層100の製造スループットの低下を防止できる。
その上、図2に示す化合物半導体層の製造方法では、間隙部分12aを有する第二の化合物半導体膜12だけでなく連続膜である第一の化合物半導体膜11も形成される。よって、化合物半導体層100の厚さ方向に対して垂直な方向における導電性などの特性に優れた化合物半導体層100を形成することができる。したがって、面内方向の導電特性に優れた化合物半導体層を提供することができる。以下では、化合物半導体層を化合物薄膜太陽電池に応用した例を示す。
〔化合物薄膜太陽電池〕
本発明の化合物薄膜太陽電池は、基板と、基板上に設けられた第1電極、化合物半導体層、および第2電極とを備える。ここで、化合物半導体層は本発明の化合物半導体層であり、化合物半導体層における第二の化合物半導体膜は化合物半導体層における第一の化合物半導体膜よりも基板とは反対側に位置している。
図3は、本発明の化合物薄膜太陽電池の一例である化合物薄膜太陽電池300の構成を示す概略断面図である。図3に示す化合物薄膜太陽電池300では、基板31上に、第1電極32と、化合物半導体層100における第一の化合物半導体膜11と、化合物半導体層100における第二の化合物半導体膜12と、バッファ層34と、窓層35と、第2電極36とが順に設けられている。化合物薄膜太陽電池300を構成するそれぞれの構成要素について説明する。
第1電極32および第2電極36は、化合物薄膜太陽電池300内で生じたキャリアを取り出す役割を担っている。第1電極32および第2電極36の各材料は、キャリアの輸送損失をできるだけ防ぐという目的から、抵抗率が低いものであることが好ましい。第1電極32および第2電極36は、たとえばMo、Au、Ag、Cu、またはAlなどの金属電極であっても良いし、ITO(Indium Tin Oxide)またはZnOなどの酸化物電極であっても良い。第1電極32および第2電極36は、抵抗加熱または電子ビームなどの真空蒸着法により形成されても良く、スパッタリング法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法などにより形成されても良い。なお、キャリアの輸送損失をできるだけ防ぐという目的から、第1電極32に接する化合物半導体層100と、第2電極36に接する窓層35との間には、良好なオーミック接触が形成されていることが好ましい。
化合物半導体層100は、太陽光を吸収してキャリアを発生させる役割を担っている。化合物半導体層100の製造方法および構成については、上述の通りである。
バッファ層34は、化合物半導体層100と窓層35との間の接合を緩衝する役割を担う。バッファ層34が形成されていることにより、シャント抵抗の増大およびキャリア再結合の発生の低減などの効果が見込まれる。このような効果を得るためには、化合物半導体層100または窓層35とバッファ層34とのバンドラインナップ等を考慮して、適切なバッファ層34の材料を選択することが好ましい。バッファ層34の材料としては、たとえば、CdS、ZnO、ZnS、ZnMgO、またはZnInSe2などが挙げられる。また、バッファ層34の形成手法としては、たとえば、CBD(Chemical Bath Deposition)法と呼ばれる溶液成長法、スパッタリング法、またはMOCVD法などが挙げられ、そのいずれの手法を用いても良い。
窓層35は、化合物半導体層100とは逆の導電性を有する半導体材料からなることが好ましく、化合物半導体層100で吸収される太陽光の大半を透過する。窓層35の材料としては、たとえばAl、BまたはInを適量ドーピングしたZnO等が用いられる。また、窓層35の形成手法としては、CBD法、スパッタリング法、またはMOCVD法などが挙げられ、そのいずれの手法を用いても良い。
図3に示す化合物薄膜太陽電池300は、基本的には上記構成要素を備えていれば良いが、上記構成要素に加えて、窓層35上に設けられた反射防止層または封止層などを備えていても良い。反射防止層はMgF2またはSiO2などからなることが好ましく、封止層はEVA(エチレンビニルアセテート(Ethylene Vinyl Acetate))樹脂またはエポキシ樹脂などからなることが好ましい。
図3に示す化合物薄膜太陽電池300の代表的な構成としては、次に示す構成があげられる。基板31はガラス板であり、第1電極32はMoからなり、化合物半導体層100はCIGSを化合物半導体部分に用いたp型半導体層であり、バッファ層34はZnOからなり、窓層35はAlドープZnOからなり、第2電極36はAlからなる。このような化合物薄膜太陽電池の構造は、基板の上部から入射した光を吸収できるサブストレイト型と呼ばれる。
本発明の化合物薄膜太陽電池としては、図3に示す化合物薄膜太陽電池300に限定されず、図4に示す化合物薄膜太陽電池400であっても良い。図4は、本発明の化合物薄膜太陽電池の一例である化合物薄膜太陽電池400の構成を示す概略断面図である。
図4に示す化合物薄膜太陽電池400では、ガラスからなる基板41上に、AlドープZnOからなる窓層42、ZnOからなるバッファ層43、CIGSを化合物半導体部分としたp型半導体からなる化合物半導体層100(第一の化合物半導体膜11と第二の化合物半導体膜12とを含む)、およびMoからなる第2電極45が順次形成されている。また、キャリア取り出し用電極としてAlからなる第1電極46が窓層42上に形成されている。ここで、化合物半導体層100における第一の化合物半導体膜11はバッファ層43上に設けられており、化合物半導体層100における第二の化合物半導体膜12上には第2電極45が設けられている。このような化合物薄膜太陽電池の構造は、基板側から入射した光を吸収するスーパストレイト型構造と呼ばれる。なお、基板41、窓層42、バッファ層43、化合物半導体層100、第2電極45、および第1電極46の各材料は上記材料に限定されない。
いずれにしても、本発明の化合物薄膜太陽電池は、先に述べた本発明の化合物半導体層を含んでいればよく、その他の構成によって制限されない。
本発明の化合物薄膜太陽電池の製造方法は、本発明の化合物半導体層の製造方法を含んでいれば良く、化合物半導体層以外の化合物薄膜太陽電池の構成を製造する方法は、特に限定されない。
以下、実施例を用いて、本発明の化合物半導体層およびその製造方法についてさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
図5(a)〜(f)は、実施例1に係る化合物半導体層の製造方法を工程順に示す概略図である。図5(a)〜(c)は、第一の化合物半導体膜11の製造方法を説明する図面であり、図5(a)には平面構造を示し、図5(b)〜図5(c)には図5(a)に示すVA−VA’線に沿った断面構造を示す。図5(d)〜(f)は、第二の化合物半導体膜12の製造方法を説明する図面であり、図5(d)には平面構造を示し、図5(e)〜図5(f)には図5(d)に示すVD−VD’線に沿った断面構造を示す。
まず、第一の化合物半導体膜11を形成した。CuInSe2からなる第一の核部分と、第一の核部分の周囲を取り囲みn−オクタンセレノールからなる第一の配位子部分とからなる第一のナノ粒子(直径が約10nmである)を準備した。この第一のナノ粒子を無水トルエン溶媒に加えて30分間撹拌した。これにより、第一のナノ粒子の濃度が10wt%である無水トルエン溶液(第一の溶液)503を調製した。このようにして第一の溶液の調製工程を行なった。
次に、ガラス基板56に対して有機溶媒による超音波洗浄処理とUVオゾン洗浄処理とを行ってガラス基板56上の不純物を除去した。その後、図5(a)に示すように、ガラス基板56上に第一の溶液をスピンコートした。このようにして、第一の塗布工程を行なった。
その後、第一の乾燥工程として、ガラス基板56を窒素雰囲気下で15分静置することにより無水トルエン溶媒を簡易的に乾燥させた後、図5(b)に示すようにホットプレート511上でガラス基板56を120℃で1時間加熱した。これにより、無水トルエン溶媒が完全に除去された。
続いて、第一の焼成工程として、図5(c)に示すように、窒素雰囲気下でホットプレート511上でガラス基板56を250℃で1時間加熱した。これにより、第一の化合物半導体膜11が形成された。
その後、第二の化合物半導体膜12を形成した。すなわち、まず、第一の溶液の調製工程と全く同様にして、第二のナノ粒子(第二の核部分がCuInSe2である)の濃度が10wt%である無水トルエン溶液(第二の溶液)505を改めて調製した。このようにして第二の溶液の調製工程を行なった。
それから、第一の化合物半導体膜11上に開口部504aを有するメタルマスク504を設置し、図5(d)に示すように、開口部504aに溶液505を滴下するキャスト法によって第二の塗布工程を行った。
続いて、第二の乾燥工程を行なった。第二の塗布工程の終了後15分間、窒素雰囲気中で静置することにより、無水トルエン溶媒を簡易的に乾燥させた。その後、図5(e)に示すように、ホットプレート上でガラス基板56を150℃で2時間加熱した。これにより、無水トルエン溶媒が完全に除去された。
続いて、第二の焼成工程として、図5(f)に示すように、窒素雰囲気下でホットプレート511上でガラス基板56を400℃で1時間加熱した。これにより、第二の化合物半導体膜12が形成され、第一の化合物半導体膜11と第二の化合物半導体膜12とを備えた化合物半導体層100が形成された。なお、上記処理のうちガラス基板56の洗浄処理以外はすべて窒素雰囲気下で行った。
このようにして形成された化合物半導体層100の断面を電子顕微鏡で観察すると、第一の化合物半導体膜11の厚さは125nmであって、第一の化合物半導体膜11には間隙部分は観察されなかった。また、第二の化合物半導体膜12の厚さは1050nmであって、第二の化合物半導体膜12には間隙部分12aが観察された。これらの結果から、太陽光を十分に吸収できる厚さを有し且つリーク電流の発生の原因となるクラックの発生が抑制された化合物半導体層100をわずか2回の積層プロセスによって簡便に形成することができるということが分かった。
〔比較例1〕
第一の化合物半導体膜11を形成するプロセスを行わずに化合物半導体層を形成したこと以外は上記実施例1と同様にして、化合物半導体層をガラス基板上に形成した。
このようにして形成された化合物半導体層の断面を電子顕微鏡で観察すると、化合物半導体層の上端から下端に至るまで連続した間隙部分すなわちクラックが存在しており、比較例1では化合物半導体層におけるクラックの発生を抑制できないことが分かった。
〔実施例2〕
実施例2では、本発明の化合物半導体層を化合物薄膜太陽電池の光吸収層に用いた例を示す。
図6(a)は本実施例に係る化合物薄膜太陽電池600の平面図を示し、図6(b)は図6(a)に示すVIB−VIB’線における断面図である。図7(a)〜(d)は、本実施例に係る化合物薄膜太陽電池600の製造方法を工程順に示す平面図である。
以下、図6および図7を参照して、本実施例に係る化合物薄膜太陽電池600の構成およびその製造方法を説明する。
まず、図7(a)に示すように、2cm×2cmのガラス基板61上に、スパッタリングによってMo膜を形成して第1電極62とした。
続いて、上記実施例1と同様にして第一のナノ粒子の第一の核部分であるCuInSe2の無水トルエン溶液(第一の溶液)を調製して、ガラス基板61上に第一の溶液をスピンコートした。その後、上記実施例1と同様の方法によって乾燥および焼成を行なって、第一の化合物半導体膜11が形成された。
さらにその後、上記実施例1と同様にして、第二のナノ粒子の第二の核部分であるCuInSe2の無水トルエン溶液(第二の溶液)を再度調製した。第一の化合物半導体膜11上に開口部を有するメタルマスクを設置し、開口部に第二の溶液を滴下するキャスト法によって第二の溶液を第一の化合物半導体膜11上に塗布した。その後、上記実施例1と同様の方法によって乾燥および焼成を行って、第二の化合物半導体膜12が形成された。
その後、第一の化合物半導体膜11を、第二の化合物半導体膜12を形成する際に用いたメタルマスクの開口部の形状すなわち第二の化合物半導体膜12の形状と同じ形状に、メカニカルスクライブによってパターニングした。このようにして、第一および第二の化合物半導体膜11,12からなる化合物半導体層100が形成された(図7(b))。
続いて、図7(c)に示すように、化合物半導体層100上にZnOからなるバッファ層64をスパッタリングによって形成してから、バッファ層64上にAlドープZnOからなる窓層65をスパッタリングによって形成した。
続いて、図7(d)に示すようにAl電極(第2電極)66を形成して、図6(a)〜(b)に示す化合物薄膜太陽電池600を製造した。製造された化合物薄膜太陽電池600の面積は2×2mmであった。
このようにして製造された化合物薄膜太陽電池600に対してAM1.5Gの擬似太陽光を照射してセル特性を測定すると、変換効率は0.67%であった。
〔比較例2〕
第一の化合物半導体膜11を形成するプロセスを行わずに化合物半導体層を形成したこと以外は上記実施例2と同様にして、化合物薄膜太陽電池を製造した。
製造された化合物薄膜太陽電池に対してAM1.5Gの擬似太陽光を照射してセル特性を測定すると、リーク電流が大きく、暗状態および光照射状態のいずれの状態においてもダイオード特性が得られなかった。
〔考察〕
実施例1の結果と比較例1の結果とから、第一および第二の化合物半導体膜11,12からなる化合物半導体層100ではクラックの発生が抑制されていることが分かった。また、厚さが1μm以上の化合物半導体層100を簡便に形成できることが分かった。
また、実施例2の結果と比較例2の結果とから、本発明の化合物半導体層を用いて製造された化合物薄膜太陽電池は、第二の化合物半導体膜のみからなる化合物半導体層を用いて製造された化合物薄膜太陽電池に比べて、リーク電流の発生が抑制された良好な特性を示すことが分かった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 第一の化合物半導体膜、12 第二の化合物半導体膜、12a 間隙部分、31,41 基板、32,46,62 第1電極、34,43,64 バッファ層、35,42,65 窓層、36,45,66 第2電極、56,61 ガラス基板、100 化合物半導体層、300,400,600 化合物薄膜太陽電池、504 メタルマスク、504a 開口部、505 溶液、511 ホットプレート、S1 第一の化合物半導体膜の形成工程、S2 第二の化合物半導体膜の形成工程、S11 第一の溶液の調製工程、S12 第一の塗布工程、S13 第一の乾燥工程、S14 第一の焼成工程、S21 第二の溶液の調製工程、S22 第二の塗布工程、S23 第二の乾燥工程、S24 第二の焼成工程。

Claims (15)

  1. 連続膜である第一の化合物半導体膜と、
    前記第一の化合物半導体膜上に形成され、間隙部分を有する第二の化合物半導体膜とを備えた化合物半導体層。
  2. 前記第一の化合物半導体膜の厚さが100nm以上500nm以下である請求項1に記載の化合物半導体層。
  3. 前記第一の化合物半導体膜が単一層からなる請求項1または2に記載の化合物半導体層。
  4. 前記第二の化合物半導体膜が単一層からなる請求項1〜3のいずれかに記載の化合物半導体層。
  5. 前記第一の化合物半導体膜および前記第二の化合物半導体膜は、Cuと、InおよびGaの少なくとも一方と、SeおよびSの少なくとも一方とを含む、またはCuと、Znと、Snと、SeおよびSの少なくとも一方とを含む請求項1〜4のいずれかに記載の化合物半導体層。
  6. 基板と、前記基板上に設けられた第1電極、化合物半導体層、および第2電極とを備えた化合物薄膜太陽電池であって、
    前記化合物半導体層は、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物半導体層であり、
    前記化合物半導体層における前記第二の化合物半導体膜は、前記化合物半導体層における前記第一の化合物半導体膜よりも前記基板とは反対側に位置している化合物薄膜太陽電池。
  7. 第一の化合物半導体材料からなる第一の核部分と前記第一の核部分の周囲を取り囲む第一の配位子部分とを含む第一のナノ粒子が分散された第一の溶液を基板上に塗布する工程と、
    前記第一の溶液が塗布された基板を焼成することにより、連続膜である第一の化合物半導体膜を前記基板上に形成する工程と、
    第二の化合物半導体材料からなる第二の核部分と前記第二の核部分の周囲を取り囲む第二の配位子部分とを含む第二のナノ粒子が分散された第二の溶液を前記第一の化合物半導体膜上に塗布する工程と、
    前記第二の溶液が前記第一の化合物半導体膜上に塗布された基板を焼成することにより、間隙部分を有する第二の化合物半導体膜を前記第一の化合物半導体膜上に形成する工程とを備える化合物半導体層の製造方法。
  8. 前記第二の溶液を前記第一の化合物半導体膜上に塗布する工程は、焼成により形成される前記第二の化合物半導体膜の厚さが、焼成により形成される前記第一の化合物半導体膜の厚さよりも厚くなるように、行われる請求項7に記載の化合物半導体層の製造方法。
  9. 前記第一の化合物半導体膜の厚さを100nm以上500nm以下とする請求項7または8に記載の化合物半導体層の製造方法。
  10. 前記第一の化合物半導体膜を前記基板上に形成するときには、前記第一の溶液を前記基板上に塗布する工程および前記第一の溶液が塗布された基板を焼成する工程をそれぞれ1回ずつ行う請求項7〜9のいずれかに記載の化合物半導体層の製造方法。
  11. 前記第二の化合物半導体膜を前記第一の化合物半導体膜上に形成するときには、前記第二の溶液を前記第一の化合物半導体膜上に塗布する工程および前記第二の溶液が前記第一の化合物半導体膜上に塗布された基板を焼成する工程をそれぞれ1回ずつ行う請求項7〜10のいずれかに記載の化合物半導体層の製造方法。
  12. 前記第一の溶液を前記基板上に塗布する工程と前記第一の溶液が塗布された基板を焼成する工程との間に、前記第一の溶液を乾燥させる工程を行い、
    前記第二の溶液を前記第一の化合物半導体膜上に塗布する工程と前記第二の溶液が前記第一の化合物半導体膜上に塗布された基板を焼成する工程との間に、前記第二の溶液を乾燥させる工程を行う請求項7〜11のいずれかに記載の化合物半導体層の製造方法。
  13. 前記第一のナノ粒子の直径および前記第二のナノ粒子の直径は1nm以上100nm以下である請求項7〜12のいずれかに記載の化合物半導体層の製造方法。
  14. 前記第一の化合物半導体材料および前記第二の化合物半導体材料は、Cuと、InおよびGaの少なくとも一方と、SeおよびSの少なくとも一方とを含む、またはCuと、Znと、Snと、SeおよびSの少なくとも一方とを含む請求項7〜13のいずれかに記載の化合物半導体層の製造方法。
  15. 基板上に第1電極、化合物半導体層、および第2電極を形成して化合物薄膜太陽電池を製造する方法であって、
    前記化合物半導体層は、請求項7〜14のいずれかに記載の化合物半導体層の製造方法によって形成される化合物薄膜太陽電池の製造方法。
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