JP2014003129A - 化合物薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造スループットの低下を招くことなくナノ粒子塗布焼成法を用いて形成され、太陽光を十分に吸収できる厚さを有し、かつクラックの発生が抑制された化合物半導体層を備えた化合物薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】基板11と、基板11の上に順に設けられた第一の電極12、化合物半導体層13、および第二の電極16とを備える。第一の電極12は、凹部12aを有する。化合物半導体層13は、凹部12a内に設けられた第一の化合物半導体膜13Aを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物薄膜太陽電池およびその製造方法に関する。
CIGSまたはCZTSに代表される化合物薄膜太陽電池には、光吸収層となる化合物半導体層の材料特性による高性能化、および化合物半導体層の数μmオーダーへの薄膜化による低コスト化が見込めるため、近年、活発に開発が進められている。
一般に、化合物薄膜太陽電池の製造方法は、真空プロセスを用いて化合物半導体層を形成する真空成膜法と、非真空プロセスを用いて化合物半導体層を形成する非真空成膜法とに分けられる。真空成膜法は、真空下で化合物半導体層を構成する元素(Cu、In、Gaなど)を蒸着またはスパッタリングにより堆積させる工程を含む。そのため、真空成膜法では、材料利用効率が低く、また真空設備の導入およびその維持に多額の費用が必要である。
一方、非真空成膜法は、化合物半導体層を構成する元素を含んだ溶液を基板上に塗布してから焼成するものであり、真空成膜法に比べて材料利用効率が高く且つ設備費用が安価であるというメリットを有する。
非真空成膜法の中でも、Cu、In、Ga、またはSeなどの化合物半導体材料の核部分の周囲が有機配位子で取り囲まれてなるナノ粒子を基板上に塗布してから焼成処理を行うことで化合物半導体層を形成する手法(以下、ナノ粒子塗布焼成法と記載)が好適である。その理由は、ナノ粒子が有機配位子によって溶媒中に凝集することなく良好に分散するからであり、またナノ粒子を用いることによって焼成温度を低くすることができるからである。
ところで、化合物半導体層が太陽光を十分に吸収するためには、厚さが1μm以上の化合物半導体層が必要である。ナノ粒子塗布焼成法を用いて厚さが1μm以上の化合物半導体層を形成しようとすると、ナノ粒子を塗布して焼成するという処理を複数回にわたって繰り返し行う必要がある。その理由は次に示す通りである。粒子の微細化に伴って、核部分に対する有機配位子の体積比が増える。焼成時には有機配位子が各部分から脱離するため、有機配位子の脱離に起因する化合物半導体層の収縮が起こり、その結果、クラックが化合物半導体層に発生する恐れがある。クラックが化合物半導体層に発生すると、化合物薄膜太陽電池の積層方向におけるリークパスの原因となる。ここで、クラックとは、化合物半導体層の上面から下面へ連続して形成された間隙部分である。
焼成時におけるクラックの発生を防止する手法としては、たとえば特許文献1に、化合物半導体からなる微細粒子を含む有機溶媒中にNaを混合して薄膜太陽電池を製造することが記載されている。この手法では、Naが欠陥の起点において結着剤として作用するため、焼成時に発生する欠陥を抑制できる。
特開2010−225883号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いて化合物半導体層を形成するときであっても、化合物半導体層におけるクラックの発生を抑制できるのは厚さが数百nm以下の化合物半導体層を形成する場合に限られる。実際、特許文献1の実施例においても、1.4μmの厚さの化合物半導体層を形成するために、塗布工程および焼成工程を7回行なっている。このように、従来技術においては、クラックの発生が抑制され且つ太陽光を十分に吸収できる化合物半導体層には、塗布工程および焼成工程を複数回行なう必要があるために製造スループットが低いという課題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造スループットの低下を招くことなくナノ粒子塗布焼成法を用いて形成され、太陽光を十分に吸収できる厚さを有し、かつクラックの発生が抑制された化合物半導体層を備えた化合物薄膜太陽電池を提供することである。
本発明の化合物薄膜太陽電池は、基板と、基板の上に順に設けられた第一の電極、化合物半導体層、および第二の電極とを備える。第一の電極は、凹部を有する。化合物半導体層は、凹部内に設けられた第一の化合物半導体膜を有する。第一の化合物半導体膜は、凹部内に充填されていることが好ましい。
第一の電極は、複数個の凹部を有することが好ましい。凹部の深さは、1μm以上5μm以下であることが好ましい。
第一の電極の凹部側壁は、透明電極であることが好ましい。
化合物半導体層は、少なくとも第一の電極の凹部側壁の上面の上に設けられ、連続膜からなる第二の化合物半導体膜をさらに有することが好ましい。
化合物半導体層は、Cuと、InおよびGaの少なくとも一方と、SeおよびSの少なくとも一方とを含んでも良いし、Cuと、Znと、Snと、SeおよびSの少なくとも一方とを含んでも良い。
本発明の化合物薄膜太陽電池の製造方法では、基板の上に、第一の電極、第一の化合物半導体膜を含む化合物半導体層、および第二の電極を順に設ける。この製造方法は、凹部を有する第一の電極が設けられた基板を準備する工程と、第一の化合物半導体材料からなる第一の核部分と第一の核部分の周囲を取り囲む第一の配位子部分とを含む第一のナノ粒子が分散された第一の溶液が凹部内に設けられるように第一の溶液を第一の電極の上に塗布する工程と、第一の溶液が凹部内に設けられた基板を焼成することにより第一の化合物半導体膜を凹部内に形成する工程とを備える。
第二の化合物半導体材料からなる第二の核部分と第二の核部分の周囲を取り囲む第二の配位子部分とを含む第二のナノ粒子が分散された第二の溶液を少なくとも第一の電極の凹部側壁の上面上に塗布する工程と、第二の溶液が少なくとも第一の電極の凹部側壁の上面上に塗布された基板を焼成することにより連続膜からなる第二の化合物半導体膜を少なくとも第一の電極の凹部側壁の上面上に形成する工程とをさらに備えることが好ましい。
第一の溶液を第一の電極の上に塗布する工程と第一の溶液が凹部内に設けられた基板を焼成する工程との間に、第一の溶液を乾燥させる工程をさらに備えることが好ましい。
第一のナノ粒子の直径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。
第一の化合物半導体材料と第二の化合物半導体材料とは、Cuと、InおよびGaの少なくとも一方と、SeおよびSの少なくとも一方とを含んでも良いし、Cuと、Znと、Snと、SeおよびSの少なくとも一方とを含んでも良い。
本発明の化合物薄膜太陽電池によれば、製造スループットの低下を招くことなくナノ粒子塗布焼成法を用いて形成され、太陽光を十分に吸収できる厚さを有し、かつクラックの発生が抑制されている。
(a)は本発明の化合物薄膜太陽電池の構成の一例を示す断面図であり、(b)は第一の電極の構成の一例を示す平面図である。 本発明の化合物薄膜太陽電池の構成の別の一例を示す断面図である。 本発明の化合物薄膜太陽電池の構成のまた別の一例を示す断面図である。 本発明における化合物半導体層の形成方法の一例を示すフロー図である。 (a)は本発明の実施例1に係る化合物薄膜太陽電池の構成の一例を示す平面図であり、(b)は図5(a)に示すVB−VB’線におけるセル部分の断面図である。 (a)〜(f)は本発明の実施例1に係る化合物薄膜太陽電池のセル部分における第一および第二の化合物半導体膜の製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)〜(d)は本発明の実施例1に係る化合物薄膜太陽電池の製造方法を工程順に示す平面図である。
以下、本発明の化合物薄膜太陽電池およびその製造方法について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
<化合物薄膜太陽電池>
図1(a)は本発明の化合物薄膜太陽電池の構成の一例を示す断面図であり、図1(b)は第一の電極の構成の一例を示す平面図である。
図1に示す化合物薄膜太陽電池100は、基板11と第一の電極12と化合物半導体層13と第二の電極16とを備え、バッファ層14と窓層15とをさらに備えることが好ましい。化合物半導体層13は、第一の化合物半導体膜13Aと第二の化合物半導体膜13Bとを有する。
第一の電極12には、2つ以上の凹部12aが形成されている。化合物半導体層13の第一の化合物半導体膜13Aは、各凹部12a内に設けられており、好ましくは各凹部12a内に充填されている。これにより、塗布工程、乾燥工程および焼成工程を繰り返し行わなくても、所定の厚さを有する第一の化合物半導体膜13Aを形成することができる。よって、ナノ粒子塗布焼成法を用いた化合物半導体層13の製造スループットの低下を防止することができる。ここで、「化合物半導体層13の第一の化合物半導体膜13Aが各凹部12a内に充填されている」は、第一の化合物半導体膜13Aが連続膜であることを意味する。「第一の化合物半導体膜13Aが連続膜である」は、第一の化合物半導体膜13Aを構成する化合物半導体材料が連続して設けられていることを意味し、換言すると第一の化合物半導体膜13Aには第一の化合物半導体膜13Aをその厚さ方向などに貫通する空間が存在していないことを意味する。
また、化合物半導体層13の第二の化合物半導体膜13Bは、連続膜であり、少なくとも第一の電極12の凹部側壁12cの上に設けられており、第一の化合物半導体膜13Aの上にも設けられていることが好ましい。ここで、「第二の化合物半導体膜13Bが連続膜である」とは、第二の化合物半導体膜13Bを構成する化合物半導体材料が連続して設けられていることを意味し、換言すると第二の化合物半導体膜13Bには第二の化合物半導体膜13Bをその厚さ方向などに貫通する空間が存在していないことを意味する。これにより、バッファ層14と第一の電極12の凹部側壁12cとが直接接することを防止することができるので、バッファ層14と第一の電極12の凹部側壁12cとが直接接することに起因するリーク電流の発生を防止することができる。以下、図1に示す化合物薄膜太陽電池100を構成するそれぞれの構成要素について説明する。
<基板>
基板11は、たとえば、ガラス板、ポリイミド箔またはステンレス箔などからなることが好ましい。
<第一の電極>
第一の電極12は、基板11の上に設けられ、上述のように2つ以上の凹部12aを有しており、化合物薄膜太陽電池100内で生じたキャリアを取り出す役割を担っている。凹部12aの個数は特に限定されない。
凹部12aの深さは、特に限定されないが、200nm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上5μm以下である。凹部12aの深さが1μm以上であれば、凹部12a内に設けられる第一の化合物半導体膜13Aの厚さが1μm以上となる。よって、第一の化合物半導体膜13Aの厚さは当該第一の化合物半導体膜13Aが太陽光を十分に吸収するために必要な厚さ以上となるため、第一の化合物半導体膜13Aを備えた化合物薄膜太陽電池100の性能を向上させることができる。
凹部12aの開口の形状は特に限定されず、たとえば多角形、円形、または楕円形などであっても良いし、多角形と円形または楕円形とが複合された形状であっても良い。
凹部12aの厚さは、特に限定されない。また、第一の電極12の凹部底面となる平板部分12bの厚さは、特に限定されず、たとえば150nm以上2000nm以下であることが好ましい。これにより、良好な導電性を持った第一の電極12を得ることができる。
第一の電極12は、キャリアの輸送損失をできるだけ防ぐという役割を担っているため抵抗率が低い材料からなることが好ましく、たとえばMo、Au、Ag、Cu、またはAlなどからなる金属電極であっても良いし、ITO(Indium Tin Oxide)またはZnOなどからなる酸化物電極であっても良い。
第一の電極12の平板部分12bと第一の電極12の凹部側壁12cとは異なる材料からなっても良いし、同一の材料からなっても良い。たとえば、第一の電極12の凹部側壁12cがITOなどからなる透明電極であれば、第一の化合物半導体膜13Aでの光吸収の効率を高めることができる。よって、第一の電極12の凹部側壁12cはITOなどからなる透明電極であることが好ましい。ここで、透明電極とは、可視領域の光の平均透過率が80%以上である電極を意味し、可視領域の光の平均透過率が90%以上である電極であることが好ましい。
<化合物半導体層>
化合物半導体層13は、太陽光を吸収してキャリアを発生させる役割を担っている。以下、第一の化合物半導体膜13Aおよび第二の化合物半導体膜13Bの各構成を示す。
第一の化合物半導体膜13Aおよび第二の化合物半導体膜13Bは、それぞれ、化合物半導体材料からなる複数の結晶粒からなり、その結晶粒のサイズは、たとえば1〜5000nmであることが好ましい。ここで、化合物半導体材料とは、2つ以上の原子が共有結合またはイオン結合により結合された半導体材料であり、本発明ではCuとInおよびGaの少なくとも一方とSeおよびSの少なくとも一方とがイオン結合により結合された半導体材料であっても良く、CuとZnとSnとSeおよびSの少なくとも一方とがイオン結合により結合された半導体材料であっても良い。このような化合物半導体材料としては、例えばCuInxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、CuAlxIn1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、CuAlxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgInxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgAlxIn1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgAlxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、Cu2ZnSn(Sex1-x4(0≦x≦1)、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、PbSe、PbS、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、InGaN、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、またはInAlPAsなどが挙げられる。結晶粒のサイズの測定方法としては、たとえば、走査型電子顕微鏡(SEM(Scanning Electron Microscope))または透過型電子顕微鏡(TEM)などで第一の化合物半導体膜13Aおよび第二の化合物半導体膜13Bを観察する方法を挙げることができる。
第一の化合物半導体膜13Aおよび第二の化合物半導体膜13Bは、上記化合物半導体材料のうちの1つの化合物半導体材料からなる単一層であっても良いし、上記化合物半導体材料のうちの2つの化合物半導体材料が混合されてなる単一層であっても良い。また、第一の化合物半導体膜13Aと第二の化合物半導体膜13Bとは、同じ材料からなっても良いし、異なる材料からなっても良い。
化合物半導体層13の厚さは、第一の化合物半導体膜13Aの厚さと第二の化合物半導体膜13Bの厚さとの合計であり、特に限定されないが、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上である。一般に、太陽電池で主に使用される紫外領域から近赤外領域までの波長領域において、化合物半導体材料の光吸収係数は凡そ104cm-1以上である。そのため、化合物半導体層13の厚さが1μmであれば、化合物半導体層13は入射光の約90%以上を吸収する。すなわち、化合物半導体層13の厚さが1μm以上であれば、化合物半導体層13は入射光のほとんどを吸収できる。よって、厚さが1μm以上の化合物半導体層13を光吸収層に用いれば、太陽電池の光電変換効率の向上を図ることができる。
製造スループットの低下を招くことなく第二の化合物半導体膜13Bを形成する場合、第二の化合物半導体膜13Bの厚さを1μm未満に抑えることが好ましい。そのため、第一の化合物半導体膜13Aの厚さは、200nm以上5μm以下であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、2μm以上であることがさらに好ましい。これにより、第一の化合物半導体膜13Aの厚さは当該第一の化合物半導体膜13Aが太陽光を十分に吸収するために必要な厚さ以上となるため、第一の化合物半導体膜13Aを備えた化合物薄膜太陽電池100の性能を向上させることができる。
ここで、第一の化合物半導体膜13Aは、第一の電極12の凹部12a内に設けられている。そのため、第一の化合物半導体膜13Aの厚さは第一の電極12の凹部12aの深さと等しくなる。よって、上述のように、第一の電極12の凹部12aの深さを200nm以上5μm以下とすることが好ましく、1μm以上とすることがより好ましく、2μm以上とすることがさらに好ましい。
第二の化合物半導体膜13Bの厚さは、特に限定されないが、50nm以上200nm以下であることが好ましい。第二の化合物半導体膜13Bの厚さが50nm以上であれば、第二の化合物半導体膜13Bにおいてピンホールが発生しにくくなり、よって、化合物薄膜太陽電池100においてリーク電流が発生することを防止できる。第二の化合物半導体膜13Bの厚さが200nm以下であれば、第二の化合物半導体膜13Bの厚さは第二の化合物半導体膜13Bにおける少数キャリアの拡散長さよりも薄くなるため、第二の化合物半導体膜13B内で生成された少数キャリアを失活させることなく取り出すことができる。それだけでなく、第二の化合物半導体膜13Bの厚さが200nm以下であれば、クラックが形成されていない第二の化合物半導体膜13Bを一回の成膜処理で形成することができる。
ここで、「ピンホール」は、膜の厚さが薄すぎる場合に生じる電気的リークパスである。一方、「クラック」は、膜の厚さが厚い場合に生じる構造的リークパスである。そのため、ピンホールは、クラックよりも小さい。
<バッファ層>
バッファ層14は、化合物半導体層13と窓層15との接合を緩衝するために設けられ、第二の化合物半導体膜13Bの上に設けられることが好ましい。バッファ層14が設けられていれば、シャント抵抗の増大およびキャリア再結合の発生の低減などの効果が見込まれる。このような効果を得るためには、化合物半導体層13または窓層15とバッファ層14とのバンドのラインアップなどを考慮して、適切なバッファ層14の材料を選択することが好ましい。バッファ層14の材料としては、たとえば、CdS、ZnO、ZnS、ZnMgO、またはZnInSe2などを挙げることができる。バッファ層14の厚みは、特に限定されず、たとえば30nm以上200nm以下であることが好ましい。
<窓層>
窓層15は、バッファ層14の上に設けられることが好ましい。窓層15は、化合物半導体層13とは逆の導電性を有する半導体材料からなることが好ましく、化合物半導体層13で吸収される太陽光の大半を透過する。窓層15の材料としては、たとえばAl、BまたはInが適量(たとえば1021/cm3程度)ドーピングされたZnO等が用いられる。窓層15の厚みは、特に限定されず、たとえば200nm以上2000nm以下であることが好ましい。
<第二の電極>
第二の電極16は、窓層15の上に設けられており、第一の電極12と同様に化合物薄膜太陽電池100内で生じたキャリアを取り出す役割を担っている。
第二の電極16は、第一の電極12と同様に、キャリアの輸送損失をできるだけ防ぐという役割を担っているため抵抗率が低い材料からなることが好ましく、たとえばMo、Au、Ag、Cu、またはAlなどからなる金属電極であっても良いし、ITO(Indium Tin Oxide)またはZnOなどからなる酸化物電極であっても良い。その中でも第二の電極16がAl層またはNi層を密着層としたAl/Ni積層膜などからなれば、窓層15と第二の電極16との間に良好なオーミック接触を形成することができるので、キャリアの輸送損失をできるだけ防ぐことができる。よって、第二の電極16は、Al層またはNi層を密着層としたAl/Ni積層膜などからなることが好ましい。
図1に示す化合物薄膜太陽電池100において、基板11、第一の電極12、化合物半導体層13、バッファ層14、窓層15および第二の電極16の各材料は上記材料に限定されない。図1に示す化合物薄膜太陽電池100の代表的な構成としては、次に示す構成があげられる。基板11はガラス板であり、第一の電極12の平板部分12bはMoからなり、第一の電極の凹部側壁12cはITOからなり、化合物半導体層13(第一の化合物半導体膜13Aおよび第二の化合物半導体膜13Bともに)はCuInxGa1-xSe2(0≦x≦1)からなるp型半導体層であり、バッファ層14はZnOからなり、窓層15はAlがドープされたZnOからなり、第二の電極16はAlからなる。
なお、本発明に係る化合物薄膜太陽電池は、基本的には図1に示す化合物薄膜太陽電池100を構成する要素を備えていることが好ましいが、図1に示す化合物薄膜太陽電池100を構成する要素以外の要素を備えていても良い。図1に示す化合物薄膜太陽電池100を構成する要素以外の要素は、特に限定されないが、窓層15の上に設けられた反射防止層であっても良いし、化合物薄膜太陽電池を封止するように設けられた封止層であっても良い。反射防止層は、たとえば、MgF2またはSiO2などからなることが好ましい。封止層は、たとえば、EVA(エチレンビニルアセテート(Ethylene Vinyl Acetate))樹脂またはエポキシ樹脂などからなることが好ましい。
また、本発明の化合物薄膜太陽電池は、図2または図3に示すように第二の化合物半導体膜を備えていなくても良い。以下詳細に示す。
図2に示す化合物薄膜太陽電池200では、絶縁部材22が第一の電極12の凹部側壁12cの上面とバッファ層14との間に設けられており、第一の化合物半導体膜13Aは第一の電極12の凹部側壁12cと絶縁部材22とにより仕切られている。この場合であっても、第一の電極12の凹部側壁12cとバッファ層14とが直接接することを防止することができるので、第一の電極12の凹部側壁12cとバッファ層14とが直接接することに起因するリーク電流の発生を防止することができる。
絶縁部材22は、絶縁性を有する材料からなるのであれば特に限定されず、たとえばSiO2、Al23、Si34、AlNまたはエポキシ樹脂などからなることが好ましい。絶縁部材22の厚さは、第一の電極12の凹部側壁12cとバッファ層14とが直接接することを回避可能な程度の厚さを有していれば特に限定されず、50nm以上200nm以下であることが好ましい。
図3に示す化合物薄膜太陽電池300では、バッファ層34、窓層35および第二の電極36は、第一の電極12の凹部側壁12cの上には設けられていない。また、第二の電極36の幅は、バッファ層34および窓層35の各幅よりも狭い。この場合であっても、第一の電極12の凹部側壁12cとバッファ層34とが直接接することを防止することができるので、第一の電極12の凹部側壁12cとバッファ層34とが直接接することに起因するリーク電流の発生を防止することができる。
バッファ層34、窓層35および第二の電極36の材料としては、それぞれ、バッファ層14、窓層15および第二の電極16の材料として列挙された材料を用いることができる。第二の電極36の幅は、窓層35の幅よりも狭ければ良く、たとえば窓層35の幅の0.3倍以下であることが好ましい。
<化合物薄膜太陽電池の製造方法>
本発明に係る化合物薄膜太陽電池の製造方法は、本発明に係る化合物薄膜太陽電池を製造する方法である。
具体的には、まず、基板11の上に第一の電極12を形成する。第一の電極12の形成方法としては、たとえば、抵抗加熱もしくは電子ビームなどの真空蒸着法、スパッタリング法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いることができる。第一の電極12に凹部12aを形成する方法としては、たとえば、フォトプロセスを用いたエッチング法、リフトオフ法、または、メタルマスクを用いて堆積させる方法などの既存のパターニング手法を用いることができる。
次に、第一の電極12の上に化合物半導体層13を形成する。化合物半導体層13の形成方法については、以下で詳述する。
続いて、化合物半導体層13の上にバッファ層14を形成する。バッファ層14の形成方法は、たとえば、CBD(Chemical Bath Deposition)法と呼ばれる溶液成長法、スパッタリング法、またはMOCVD法などであれば良い。
続いて、バッファ層14の上に窓層15を形成する。窓層15の形成方法は、たとえば、CBD法、スパッタリング法、またはMOCVD法などであれば良い。
続いて、窓層15の上に第二の電極16を形成する。第二の電極16の形成方法は、たとえば、抵抗加熱または電子ビームなどの真空蒸着法であっても良いし、スパッタリング法、MOCVD法、またはMBE法などであっても良い。
以下、図4を用いて化合物半導体層13の形成方法を示す。図4は、本発明における化合物半導体層13の形成方法の一例を示すフロー図であり、図1に示す化合物半導体層13の形成方法を示すフロー図である。
図4に示すように、本発明における化合物半導体層13の形成方法は、第一の化合物半導体膜13Aの形成工程S1と、第二の化合物半導体膜13Bの形成工程S2とを含む。第一の化合物半導体膜13Aの形成工程S1は、第一の塗布工程S12と第一の焼成工程S14とを含み、第一の塗布工程S12の前に第一の溶液の調製工程S11を含むことが好ましく、第一の塗布工程S12と第一の焼成工程S14との間に第一の乾燥工程S13を含むことが好ましい。第二の化合物半導体膜13Bの形成工程S2は、第二の塗布工程S22と第二の焼成工程S24とを含み、第二の塗布工程S22の前に第二の溶液の調製工程S21を含むことが好ましく、第二の塗布工程S22と第二の焼成工程S24との間に第二の乾燥工程S23を含むことが好ましい。以下、各工程について詳しく説明する。
<第一の化合物半導体膜13Aの形成工程S1>
第一の溶液の調製工程S11では、第一のナノ粒子を第一の溶媒に分散または溶解させる。これにより、第一の溶液が調製される。具体的には、必要量の第一のナノ粒子を第一の溶媒中に加えて攪拌または加熱を行なうことにより、第一のナノ粒子を第一の溶媒中に分散または溶解させることができる。第一の化合物半導体膜13Aの材料に応じて、第一のナノ粒子の材料、第一の溶液の溶媒の種類、および第一のナノ粒子の濃度などを適宜選択することが好ましい。
第一のナノ粒子は、第一の核部分と、第一の核部分の周囲を取り囲む第一の配位子部分とを有する。第一のナノ粒子の直径は、特に限定されないが、1〜1000nmであることが好ましく、より好ましくは1〜100nmであり、さらに好ましくは1〜20nmである。第一のナノ粒子の直径が1〜100nmであれば、第一のナノ粒子の表面積が大きくなるので、第一の焼成工程S14における温度を低下させることができる。第一のナノ粒子の直径を測定する方法としては、たとえば、走査型電子顕微鏡(SEM(Scanning Electron Microscope))または透過型電子顕微鏡(TEM)でナノ粒子を観察する方法を挙げることができる。
第一の核部分は、化合物半導体材料からなり、第一の化合物半導体膜13Aを構成する。第一の核部分を構成する化合物半導体材料(以下では「第一の化合物半導体材料」と記すことがある。)としては、例えばCuInxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、CuAlxIn1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、CuAlxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgInxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgAlxIn1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、AgAlxGa1-x(Sey1-y2(0≦x≦1、0≦y≦1)、Cu2ZnSn(Sex1-x4(0≦x≦1)、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、PbSe、PbS、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、InGaN、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、またはInAlPAsなどが挙げられる。第一の化合物半導体材料としては、最終的に第一の化合物半導体膜13Aを構成する材料を選択することが好ましい。
第一の配位子部分は、有機材料からなり、第一のナノ粒子を第一の溶媒中に分散させる役割を主に有する。第一の核部分と第一の配位子部分とは、物理吸着等で接していてもよいし、共有結合または配位結合等で化学的に結合していてもよい。第一の配位子部分を構成する有機材料(以下では「配位子材料」と記す)は、例えば、n−ヘキサンセレノール、n−オクタンセレノール、n−デカンセレノール、またはn−ドデカンセレノール等のセレノール基を有していることが好ましく、n−ヘキサンチオール、n−オクタンチオール、n−デカンチオール、n−ドデカンチオール、またはメチルベンゼンチオール等のチオール基を有していることが好ましく、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−アミノプロピルトリメトキシシラン、もしくはフェニルトリメトシシシラン等のアルコキシシリル基またはクロロシリル基を有していることが好ましく、n−オクタデシルフォスフォニックアシッド等のホスホン酸基を有していることが好ましい。
第一の配位子部分を構成する配位子材料(以下では「第一の配位子材料」と記すことがある。)は、第一の化合物半導体材料と結合可能な官能基を有することが好ましい。これにより、第一の核部分と第一の配位子部分との間に強固な結合が形成される。第一の化合物半導体材料がセレン、硫黄、または銀等を含むときには、第一の配位子材料はセレノール基またはチオール基を有することが好ましい。第一の化合物半導体材料がインジウム、銀、または銅等を含むときには、第一の配位子材料はアルコキシシリル基またはクロロシリル基から生じるシラノール基を有することが好ましい。第一の化合物半導体材料がアルミニウム等を含むときには、第一の配位子材料はホスホン酸基を含むことが好ましい。
第一のナノ粒子を分散させる第一の配位子材料の能力は、第一の溶液に含まれる溶媒の種類に応じて異なる。よって、第一の配位子材料は、以下に述べる溶媒の種類に応じて適宜選択されることが好ましい。
このような第一のナノ粒子の作製方法は特に限定されない。第一の核部分の作製手法については、例えば、第一の化合物半導体材料の原料となる各プリカーサ(前駆体)を使って溶媒中でナノサイズの第一の化合物半導体材料を化学合成する方法であってもよいし、第一の化合物半導体材料を物理的に粉砕して微細化する方法であってもよい。また、第一のナノ粒子の作製方法は、例えば、第一の核部分と第一の配位子材料とを溶媒中で反応させる液相反応法であってもよいし、第一の核部分を第一の配位子材料の蒸気と反応させる気相反応法であっても良い。
第一の溶液中に含まれる溶媒(以下では「第一の溶媒」と記すことがある)は、メタノールまたはエタノール等のアルコール系溶媒であっても良いし、ヘキサン、オクタン、デカンまたはドデカン等のアルキル系溶媒であっても良いし、ベンゼンまたはトルエン等の芳香族系溶媒であってもよい。第一の溶媒は、このような有機溶媒に限定されず、酸性、中性、または塩基性を示す水系溶媒であってもよい。第一の溶媒の種類は、第一のナノ粒子の各特性に応じて選択されることが好ましく、第一のナノ粒子が第一の溶媒などにより分解または酸化等の反応を起こさないような材料であることが好ましい。例えば、第一のナノ粒子が酸化されやすい場合には、第一の溶媒としては、蒸留等の手法で脱水した有機溶媒、または窒素バブリング等の処理で脱酸素した有機溶媒を用いることが好ましい。
なお、第一の核部分と第一の配位子部分とが物理吸着等の弱い力で接していた場合、超音波等を用いた強力な撹拌手法を用いて第一の溶液を調製すると第一の核部分と第一の配位子部分との接合が解除されるおそれがある。そのため、第一の溶液の調製工程S11において第一のナノ粒子を攪拌させる手法には、留意が必要である。
第一の塗布工程S12では、第一の溶液の調製工程S11で調製された第一の溶液が第一の電極12の凹部12a内に供給されるように第一の溶液を第一の電極12の上に塗布する(第一の塗布膜が第一の電極12の上に形成される)。このとき、後述の第一の焼成工程S14では、第一の配位子部分が第一の核部分から脱離され、第一の配位子部分の脱離に伴って第一の塗布膜内に空隙が形成され、第一の核部分がこの空隙を埋めるように結晶成長する。そのため、第一の焼成工程S14を行なうと、第一の塗布膜の体積が減少する。このことを考慮して、第一の溶液を第一の電極12の上に塗布することが好ましい。
第一の溶液を塗布する方法としては、たとえばスクリーン印刷法、キャスト法、ドクターブレードコート法、ディップ法、またはスピンコート法などを挙げることができる。このいずれの手法を用いて第一の溶液を第一の電極12の上に塗布しても良く、目的に応じた方法を選択することが好ましい。
なお、第一の塗布工程S12の前に、基板11の上面上に存在する不純物を除去することが好ましい。たとえば基板11に対して超音波洗浄またはUVオゾンアッシング等の洗浄処理を行うことが好ましい。これにより、基板11の上面上に堆積している有機不純物を除去できるため、基板11と第一の化合物半導体膜13Aとを良好に接触(電気的接触だけでなく物理的接触)させることができる。
第一の乾燥工程S13では、第一の塗布膜から第一の溶媒を除去する。これにより、次工程である第一の焼成工程S14において第一の塗布膜中の第一の溶媒が突沸することを防止できるため、ボイドの発生を伴うことなく第一の化合物半導体膜13Aを形成することができる。よって、第一の化合物半導体膜13Aの形成中に当該第一の化合物半導体膜13Aの性能低下を招くことを防止できる。
第一の乾燥工程S13では、加熱、減圧、気体によるブロー、または自然乾燥等を行なうことにより、第一の塗布膜から第一の溶媒を除去することができる。これらの手法を組み合わせて第一の乾燥工程S13を行なっても良いし、これらの手法のいずれかを用いて第一の乾燥工程S13を行なっても良い。しかし、どのような手法を用いて第一の乾燥工程S13を行なう場合であっても、第一の溶媒を第一の塗布膜から緩やかに除去することが肝要である。第一の溶媒を第一の塗布膜から急速に除去すると、第一の塗布膜において第一の溶媒の突沸が起こることがあり、形成された第一の化合物半導体膜13Aに多数のボイドが生じることがある。
第一の焼成工程S14では、第一の配位子部分が第一の核部分から脱離され、第一の配位子部分の脱離に伴って第一の塗布膜内に空隙が形成され、第一の核部分がこの空隙を埋めるように結晶成長する。これにより、第一の配位子部分の脱離に伴って第一の塗布膜内に形成された空隙はなくなり、間隙部分を有しない第一の化合物半導体膜13Aが形成される。
詳しくは、第一の配位子部分は、加温によって第一の核部分から脱離する。ある温度以上で焼成を行なうと、第一の配位子部分は第一の核部分から容易に脱離する。第一の配位子部分は第一の核部分同士の凝集を防ぐ役割を担っているため、第一の配位子部分の脱離により第一の核部分同士が凝集して結晶化が起こる。この結晶化により、第一の核部分は大きくなり、最終的に第一の化合物半導体膜13Aが形成される。
第一の配位子部分が第一の核部分から脱離すると、第一の配位子部分が存在していた部分が空隙となる。空隙の体積が大きいと、形成された第一の化合物半導体膜にクラックが生じてしまう。しかし、本発明の薄膜太陽電池の製造方法では、焼成される第一の化合物半導体材料は第一の電極12の凹部側壁12cによって小さく区切られるため、加温によって生じる空隙の体積は小さくなる。そのため、第一の核部分が結晶成長することにより、当該隙間は埋められることとなる。
第一の焼成工程S14における焼成条件は特に限定されない。たとえば、焼成温度は、第一の核部分と第一の配位子部分との間に働く結合力(上述の物理吸着力または化学結合力)が解離する温度以上であることが好ましい。結合力が解離する温度は第一の核部分の材料および第一の配位子部分の材料などに依存するため一概に言えないが概ね150℃以上であると考えられる。よって、焼成温度は150℃以上であることが好ましい。また、第一の化合物半導体膜13Aの結晶化時間を短縮するためには、焼成温度は500℃以上であることが好ましい。例えば、ポリイミド等からなる基板11を用いる場合には、基板11の耐熱性の観点から、焼成温度は400℃程度が上限となる。基板11の材料などに応じて、焼成温度を設定すればよい。
第一の焼成工程S14での加熱方法としては、たとえば、基板11をホットプレート上に置いて加熱をするというものであっても良いし、基板11をオーブン中で加熱するというものであっても良い。
第一の焼成工程S14は、第一の溶液の調製工程S11、第一の塗布工程S12、および第一の乾燥工程S13よりも高温で行なわれるので、大気雰囲気下でなく不活性雰囲気下で行なわれることが好ましい。特に、焼成温度が500℃程度の高温である場合には、第一の焼成工程S14を不活性雰囲気下で行なうことにより、第一の化合物半導体材料の酸化が防止され、よって、第一の化合物半導体材料が本来有する特性の喪失を防止できる。また、たとえばナノ粒子として水または酸素に弱い材料を用いた場合にも、第一の焼成工程S14を不活性雰囲気下で行なうことが好ましい。ここで、不活性雰囲気とは、アルゴンなどの希ガスまたは窒素を含む雰囲気であることが好ましい。
なお、形成された第一の化合物半導体膜13Aの厚さが凡そ第一の電極12の凹部側壁12cの高さに達していない場合には、第一の塗布工程S12、第一の乾燥工程S13、および第一の焼成工程S14を繰り返し行なって第一の化合物半導体膜13Aの厚膜化を図ることができる。この際、第一の溶液の調製工程S11をその都度行なっても良い。
第一の化合物半導体膜13Aの形成工程S1の後、第二の化合物半導体膜13Bの形成工程S2に移る。第一の化合物半導体膜13Aの形成工程S1によって第一の化合物半導体膜13Aと同時に第二の化合物半導体膜13Bも形成できる場合には、以下に示す第二の化合物半導体膜13Bの形成工程S2を省くこともできる。
<第二の化合物半導体膜13Bの形成工程S2>
第二の溶液の調製工程S21では、第一の溶液の調製工程S11と同様、第二のナノ粒子を第二の溶媒に分散または溶解させる。第二のナノ粒子および第二の溶媒としては、上記第一の溶液の調製工程S11において第一のナノ粒子および第一の溶媒として列挙したものを特に限定されることなく用いることができる。第二の溶液は、第一の溶液と同一であっても良いし、第一の溶液とは異なっても良い。なお、第二の溶液が第一の溶液と同一であるときには、第一の溶液の調製工程S11で得られた第一の溶液を用いて第二の化合物半導体膜13Bを形成することができるため、第二の溶液の調製工程S21の実施を省くことができる。
第二の塗布工程S22では、第二の溶液の調製工程S21で調製された第二の溶液を少なくとも第一の電極12の凹部側壁12cの上面上に塗布する。第二の塗布工程S22では、第二の溶液を第一の化合物半導体膜13Aの上にも塗布することが好ましい。
第二の溶液を塗布する方法としては、第一の塗布工程S12で列挙した方法を用いることができる。第一の塗布工程S12で列挙した方法のいずれの手法を用いて第二の溶液を塗布しても良く、目的に応じた塗布手法を選択することが好ましい。
第二の塗布工程S22では、焼成により形成された第二の化合物半導体膜13Bが連続膜となるように、第二の溶液を少なくとも第一の電極12の凹部側壁12cの上面上に(好ましくは第一の化合物半導体膜13Aの上にも)塗布することが好ましい。具体的には、焼成により形成される第二の化合物半導体膜13Bの膜厚が200nm以下となるように、第二の塗布工程S22を行うことが好ましい。
第二の溶液を塗布する前に第一の化合物半導体膜13Aの上に不純物が付着することを防止するためには、第一の化合物半導体膜13Aの形成工程S1の後すぐに第二の塗布工程S22を行うことが好ましい。
第二の乾燥工程S23では、上記第二の塗布工程S22において少なくとも第一の電極12の凹部側壁12cの上面上に塗布された第二の塗布膜から第二の溶媒を除去する。これにより、次工程である第二の焼成工程S24において第二の塗布膜中の溶媒が突沸することを防止できるため、ボイドの発生を伴うことなく第二の化合物半導体膜13Bを形成することができる。よって、第二の化合物半導体膜13Bの形成中に当該第二の化合物半導体膜13Bの性能低下を招くことを防止できる。
第二の塗布膜から溶媒を除去する方法としては、第一の乾燥工程S13で列挙した方法を用いることができる。第二の塗布工程S22で列挙した方法のいずれの手法を用いて第二の塗布膜から溶媒を除去しても良く、目的に応じた除去方法を選択することが好ましい。また、第一の乾燥工程S13で示した理由と同一の理由から、溶媒を第二の塗布膜から緩やかに除去することが好ましい。
第二の焼成工程S24では、第一の焼成工程S14と同じく、第二の配位子部分が第二の核部分から脱離され、第二の配位子部分の脱離に伴って第二の塗布膜内に空隙が形成され、第二の核部分がこの空隙を埋めるように結晶成長する。
第二の焼成工程S24における焼成条件は特に限定されず、第一の焼成工程S14における焼成条件と同様のことが言える。たとえば、焼成温度は、第二の核部分と第二の配位子部分との間に働く結合力(上述の物理吸着力または化学結合力)が解離する温度以上であることが好ましい。結合力が解離する温度は第二の核部分の材料および第二の配位子部分の材料などに依存するため一概に言えないが、概ね150℃以上であると考えられる。よって、焼成温度は150℃以上であることが好ましい。また、第二の化合物半導体膜13Bの結晶化時間を短縮するためには、焼成温度は500℃以上であることが好ましい。例えば、ポリイミド等からなる基板11を用いる場合には、基板11の耐熱性の観点から、焼成温度は400℃程度が上限となる。基板11の材料などに応じて焼成温度を設定すればよい。
第二の焼成工程S24での加熱方法としては、第一の焼成工程S14での加熱方法と同様のことが言える。たとえば、基板11をホットプレート上に置いて加熱しても良いし、基板11をオーブン中で加熱しても良い。
第二の焼成工程S24は、第一の焼成工程S14と同じく、第二の溶液の調製工程S21、第二の塗布工程S22、および第二の乾燥工程S23よりも高温で行なわれるので、大気雰囲気下でなく不活性雰囲気下で行なわれることが好ましい。特に、焼成温度が500℃に近い高温である場合には、第二の焼成工程S24を不活性雰囲気下で行なうことにより、化合物半導体材料の酸化が防止され、よって、化合物半導体材料が本来有する特性の喪失を防止できる。また、たとえばナノ粒子として水または酸素に弱い材料を用いた場合にも、第二の焼成工程S24を不活性雰囲気下で行なうことが好ましい。ここで、不活性雰囲気とは、アルゴンなどの希ガスまたは窒素を含む雰囲気であることが好ましい。
なお、形成された第二の化合物半導体膜13Bの厚さが目的の厚さに達していない場合には、第二の塗布工程S22、第二の乾燥工程S23、および第二の焼成工程S24を繰り返し行なうことにより第二の化合物半導体膜13Bの厚膜化を図ることができる。この際、第二の溶液の調製工程S21をその都度行なっても良い。これにより、第二の化合物半導体膜13Bが形成される。
以上説明したように、本発明にかかる化合物薄膜太陽電池の製造方法は図4に示す化合物半導体層13の製造方法を含んでおり、図4に示す化合物半導体層13の製造方法ではクラックの発生を招くことなく第一の化合物半導体膜13Aおよび第二の化合物半導体膜13Bを形成することができる。よって、図4に示す化合物半導体層13の製造方法にしたがって形成された化合物半導体層13を備えた化合物薄膜太陽電池を製造すれば、リーク電流の発生が抑制された化合物薄膜太陽電池を提供することができる。
また、図4に示す化合物半導体層13の製造方法では、凹部12a内に充填されるように第一の化合物半導体膜13Aが形成されるため、塗布工程、乾燥工程および焼成工程を繰り返し行わなくても所定の厚さを有する化合物半導体層13を形成することができる。よって、ナノ粒子塗布焼成法を用いた化合物半導体層13の製造スループットの低下を防止でき、ひいては化合物薄膜太陽電池の製造スループットの低下を防止できる。
なお、図2および図3に示す化合物薄膜太陽電池を製造するときには、図4に示す化合物半導体層13の製造方法のうち第一の化合物半導体膜13Aの形成工程S1のみを行なうことが好ましい。さらに、図2に示す化合物薄膜太陽電池を製造するときには、たとえばスパッタリング法、CVD法、ディスペンス法または印刷法などにしたがって絶縁部材22を設けることが好ましい。また、図3に示す化合物薄膜太陽電池を製造するときには、第一の電極12の凹部側壁12cの上にマスクを設けた状態でバッファ層34、窓層35および第二の電極36を形成することが好ましい。
以下、実施例を用いて、本発明の化合物薄膜太陽電池およびその製造方法についてさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
図5(a)は本発明の実施例1に係る化合物薄膜太陽電池の構成の一例を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)に示すVB−VB’線におけるセル部分の断面図である。図6(a)〜(f)は、本実施例に係る化合物薄膜太陽電池のセル部分における化合物半導体層の製造方法を工程順に示す断面図である。図7(a)〜(d)は本実施例に係る化合物薄膜太陽電池の製造方法を工程順に示す平面図である。なお、セル部分とは、図5(a)および図7(a)における太線で囲った部分47である。本実施例では、本発明の化合物半導体層を光吸収層に用いた場合の化合物薄膜太陽電池を製造した。
まず、図6(a)および図7(a)に示すように、2cm×2cmのガラス基板41の上に、スパッタリングによってMo膜を形成した。これにより、ガラス基板41の上に、Moからなる第一の電極42の平板部分42bを形成した。
次に、図6(b)に示すように、フォトプロセスによって、レジストによるパターン50をセル部分47に形成した。その後、図6(c)に示すように、厚さが1μmであるITO膜51をスパッタによって形成した。その後、図6(d)に示すように、リフトオフによってITOからなる第一の電極42の凹部側壁42cを形成した。これにより、平板部分42bと凹部側壁42cとで構成された第一の電極42が形成された。
続いて、図6(e)に示すように、第一の化合物半導体膜43Aを形成した。具体的には、まず、CuInSe2からなる第一の核部分と、第一の核部分の周囲を取り囲みn−オクタンセレノールからなる第一の配位子部分とからなる第一のナノ粒子(直径が約10nmである)を準備した。この第一のナノ粒子を無水トルエン溶媒に加えて30分間撹拌した。これにより、第一のナノ粒子の濃度が10wt%である無水トルエン溶液(第一の溶液)を調製した(第一の溶液の調製工程)。
次に、第一の電極42の上に第一の溶液をキャストした(第一の塗布工程)。このとき、第一の溶液が第一の電極42の凹部42a内に入るように超音波を印加した。
続いて、ガラス基板41を窒素雰囲気下で15分静置することにより無水トルエン溶媒を簡易的に乾燥させた後、ホットプレート上でガラス基板41を120℃で1時間加熱した(第一の乾燥工程)。これにより、無水トルエン溶媒が完全に除去された。
続いて、窒素雰囲気下でホットプレート上でガラス基板41を250℃で1時間加熱した(第一の焼成工程)。このようにして、第一の化合物半導体膜43Aが形成された。
その後、図6(f)に示すように、第二の化合物半導体膜43Bを形成した。具体的には、まず、第一の溶液の調製工程と全く同様にして、第二のナノ粒子(第二の核部分がCuInSe2である)の濃度が10wt%である無水トルエン溶液(第二の溶液)を改めて調製した(第二の溶液の調製工程)。
次に、スピンコートにより、第一の電極42の凹部側壁42cの上面上と第一の化合物半導体膜43Aの上とに第二の溶液を塗布した(第二の塗布工程)。
続いて、ガラス基板41を窒素雰囲気下で15分静置することにより無水トルエン溶媒を簡易的に乾燥させた後、ホットプレート上でガラス基板41を150℃で2時間加熱した(第二の乾燥工程)。これにより、無水トルエン溶媒が完全に除去された。
続いて、窒素雰囲気下でホットプレート上でガラス基板41を400℃で1時間加熱した(第二の焼成工程)。このようにして、第二の化合物半導体膜43Bが形成され、第一の化合物半導体膜43Aと第二の化合物半導体膜43Bとからなる化合物半導体層43が形成された。なお、上記処理のうちガラス基板41の洗浄処理以外はすべて窒素雰囲気下で行った。
このようにして形成された化合物半導体層43の断面を電子顕微鏡で観察すると、化合物半導体層43の厚さはおよそ1050nmであり、第二の化合物半導体膜43Bの厚さは70nmであった。また、化合物半導体層43は、全面に渡ってクラックのない連続膜であった。これらの結果から、太陽光を十分に吸収できる厚さを有し且つリーク電流の発生の原因となるクラックの発生が抑制された化合物半導体層43をわずか2回の積層プロセスによって簡便に形成することができた。
その後、図7(b)に示すように、メカニカルスクライブによって化合物半導体層43をパターニングした。
続いて、図7(c)に示すように、化合物半導体層43の上にZnOからなるバッファ層44をスパッタリングによって形成してから、バッファ層44の上にAlがドープされたZnOからなる窓層45をスパッタリングによって形成した。
続いて、図7(d)に示すようにAl電極(第二の電極)46を形成して、図5(a)〜(b)に示す化合物薄膜太陽電池400を製造した。製造された化合物薄膜太陽電池400のセル部分47の面積は2×2mmであった。
このようにして製造された化合物薄膜太陽電池400に対してAM1.5Gの擬似太陽光を照射してセル特性を測定すると、変換効率は0.30%であった。
〔比較例1〕
比較例1では、凹部を有さずに平坦な電極の上に化合物半導体層を形成することにより化合物薄膜太陽電池を製造した。
具体的には、まず、上記実施例1と同様にして、2cm×2cmのガラス基板の上に、スパッタリングによってMo膜(第一の電極)を形成した。
次に、ナノ粒子の濃度を30wt%としたこと以外は上記実施例1と同様にして化合物半導体層形成用の溶液を調整した。その後、この溶液を基板の上にスピンコートしてから、上記実施例1と同様にして乾燥工程および焼成工程をそれぞれ行なって、最後にメカニカルスクライブによるパターニングによって化合物半導体層を形成した。その後、上記実施例1と同様の方法にしたがって、化合物薄膜太陽電池を製造した。
形成された化合物半導体層の断面を電子顕微鏡で観察すると、化合物半導体層の厚さはおおよそ250nmであった。化合物半導体層には、当該化合物半導体層の上端から下端に至るまで連続した間隙部分すなわちクラックが存在しており、比較例1では、化合物半導体層におけるクラックの発生を抑制できないことが分かった。
製造された化合物薄膜太陽電池に対してAM1.5Gの擬似太陽光を照射してセル特性を測定すると、リーク電流が大きく、暗状態および光照射状態のいずれの状態においてもダイオード特性が得られなかった。
〔考察〕
実施例1の結果と比較例1の結果とから、本発明の化合物半導体層ではクラックの発生が抑制されていることが分かった。また、厚さが1μm以上の化合物半導体層43を簡便に形成できることが分かった。
また、本発明の化合物薄膜太陽電池は、従来の、平面電極上に形成された化合物半導体層を用いて製造された化合物薄膜太陽電池に比べて、リーク電流の発生が抑制された良好な特性を示すことが分かった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 基板、12,42 第一の電極、12a,42a 凹部、12b,42b 平板部分、12c,42c 凹部側壁、13,43 化合物半導体層、13A,43A 第一の化合物半導体膜、13B,43B 第二の化合物半導体膜、14,34,44 バッファ層、15,35,45 窓層、16,36,46 第二の電極、22 絶縁部材、41 ガラス基板、50 パターン、51 ITO膜、100,200,300,400 化合物薄膜太陽電池。

Claims (12)

  1. 基板と、前記基板の上に順に設けられた第一の電極、化合物半導体層、および第二の電極とを備え、
    前記第一の電極は、凹部を有し、
    前記化合物半導体層は、前記凹部内に設けられた第一の化合物半導体膜を有する化合物薄膜太陽電池。
  2. 前記第一の化合物半導体膜は、前記凹部内に充填されている請求項1に記載の化合物薄膜太陽電池。
  3. 前記第一の電極は、複数個の凹部を有する請求項1または2に記載の化合物薄膜太陽電池。
  4. 前記凹部の深さは、1μm以上5μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物薄膜太陽電池。
  5. 前記第一の電極の凹部側壁は、透明電極である請求項1〜4のいずれかに記載の化合物薄膜太陽電池。
  6. 前記化合物半導体層は、少なくとも前記第一の電極の凹部側壁の上面の上に設けられ、連続膜からなる第二の化合物半導体膜をさらに有する請求項1〜5のいずれかに記載の化合物薄膜太陽電池。
  7. 前記化合物半導体層は、Cuと、InおよびGaの少なくとも一方と、SeおよびSの少なくとも一方とを含む、または、Cuと、Znと、Snと、SeおよびSの少なくとも一方とを含む請求項1〜6のいずれかに記載の化合物薄膜太陽電池。
  8. 基板の上に、第一の電極、第一の化合物半導体膜を含む化合物半導体層、および第二の電極を順に設ける化合物薄膜太陽電池の製造方法であって、
    凹部を有する第一の電極が設けられた基板を準備する工程と、
    第一の化合物半導体材料からなる第一の核部分と前記第一の核部分の周囲を取り囲む第一の配位子部分とを含む第一のナノ粒子が分散された第一の溶液が前記凹部内に設けられるように、前記第一の溶液を前記第一の電極の上に塗布する工程と、
    前記第一の溶液が前記凹部内に設けられた基板を焼成することにより、前記第一の化合物半導体膜を前記凹部内に形成する工程とを備える化合物薄膜太陽電池の製造方法。
  9. 第二の化合物半導体材料からなる第二の核部分と前記第二の核部分の周囲を取り囲む第二の配位子部分とを含む第二のナノ粒子が分散された第二の溶液を、少なくとも前記第一の電極の凹部側壁の上面上に塗布する工程と、
    前記第二の溶液が少なくとも前記第一の電極の凹部側壁の上面上に塗布された基板を焼成することにより、連続膜からなる第二の化合物半導体膜を少なくとも前記第一の電極の凹部側壁の上面上に形成する工程とをさらに備える請求項8に記載の化合物薄膜太陽電池の製造方法。
  10. 前記第一の溶液を前記第一の電極の上に塗布する工程と前記第一の溶液が前記凹部内に設けられた基板を焼成する工程との間に、前記第一の溶液を乾燥させる工程をさらに備える請求項8または9に記載の化合物薄膜太陽電池の製造方法。
  11. 前記第一のナノ粒子の直径は、1nm以上100nm以下である請求項8〜10のいずれかに記載の化合物薄膜太陽電池の製造方法。
  12. 前記第一の化合物半導体材料と前記第二の化合物半導体材料とは、Cuと、InおよびGaの少なくとも一方と、SeおよびSの少なくとも一方とを含む、または、Cuと、Znと、Snと、SeおよびSの少なくとも一方とを含む請求項8〜11のいずれかに記載の化合物薄膜太陽電池の製造方法。
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