JP2013221042A - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高画像濃度が得られ、吐出安定性及び吐出回復性に優れたインクセットの提供。
【解決手段】多数のノズルを有するノズル列を複数有する記録ヘッドと、該記録ヘッドを覆蓋する吸引覆蓋手段とを備えたインクジェット記録装置に用いられ、前記記録ヘッドの複数の前記ノズル列のいずれかにそれぞれ供給されるブラックインク及びカラーインクを有するインクセットであって、前記ブラックインクが、樹脂被覆カーボンブラック粒子、界面活性剤処理カーボンブラック粒子、及び水を少なくとも含有し、前記カラーインクが、樹脂被覆カラー顔料粒子、界面活性剤処理カラー顔料粒子、及び水を少なくとも含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクセット及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録装置では、耐光性及び耐水性が優れているという特徴から顔料を用いた顔料インクが用いられている。しかし、前記顔料インクを用いたインクジェット記録装置では、乾燥によるインクの増粘及び異物の付着といった原因によって、目詰まりを起こしてインク吐出不良が生じ、安定した吐出ができないという問題がある。近年望まれている高画像濃度に対応した高顔料濃度の顔料インク、特に高顔料濃度のブラックインクでは、乾燥によりインクが増粘しやすくなるため、吐出不良は顕著になる。
そこで、吐出安定性の改良を目的に、分散剤を用いず水に分散させたカーボンブラック及びポリマーで包含されたカーボンブラックのいずれかを用いたブラックインク、並びにポリマーで包含された顔料を用いた前記ブラックインク以外のインクを有するインクジェット用インクセットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この提案の技術では、高顔料濃度の際の吐出安定性の点では充分ではないという問題がある。
そのため、高顔料濃度においても安定した吐出ができるようにするために、印字維持回復手段が設けられたインクジェット記録装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。前記印字維持回復手段は、ノズル面を密閉するキャップ内に連通する吸引ポンプなどの負圧発生手段により、ノズル内に充填されているインクを吸引する動作を行ない、その後、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部材によりノズル表面のワイピング動作などして、液室内の気泡や増粘インク、付着したごみなどを取り除き、安定したインク噴射可能な状態を保持する手段である。
しかし、カーボンブラックを使用したブラックインクと、他のカラーの顔料インクとの組合せのように異なるインク種を吐出するノズル列が存在するヘッドについて共通のキャップを用いて増粘したインクを吸引しようとすると、カーボンブラックを使用したブラックインクの方が、粘度が高くなりやすく、ブラックインクと比べて粘度の低いもう一方の増粘したカラーの顔料インクのみが吸引され、ブラックインクは吸引することができず、一旦不吐出が発生すると、不吐出を回復できないという問題がある。
したがって、高画像濃度が得られ、吐出安定性及び吐出回復性に優れたインクセットの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高画像濃度が得られ、吐出安定性及び吐出回復性に優れたインクセットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のインクセットは、多数のノズルを有するノズル列を複数有する記録ヘッドと、該記録ヘッドを覆蓋し、吸引力発生手段と連通する少なくとも1つの吸引覆蓋手段と、を少なくとも備えたインクジェット記録装置に用いられ、前記記録ヘッドの複数の前記ノズル列のいずれかにそれぞれ供給されるブラックインク及びカラーインクを有するインクセットであって、
前記ブラックインクが、カーボンブラックと前記カーボンブラックの表面に存在する樹脂とを有する樹脂被覆カーボンブラック粒子、カーボンブラックと前記カーボンブラックの表面に存在する界面活性剤とを有する界面活性剤処理カーボンブラック粒子、及び水を少なくとも含有し、
前記カラーインクが、カラー顔料と前記カラー顔料の表面に存在する樹脂とを有する樹脂被覆カラー顔料粒子、カラー顔料と前記カラー顔料の表面に存在する界面活性剤とを有する界面活性剤処理カラー顔料粒子、及び水を少なくとも含有し、
下記式(1)、式(2)、及び式(3)を満たすことを特徴とする。
5.0質量% ≦ P(Bk) ≦ 12.0質量% ・・・式(1)
3.0質量% ≦ P(CL) ≦ 10.0質量% ・・・式(2)
[R(CL)/S(CL)] < [R(Bk)/S(Bk)] ・・・式(3)
ただし、前記式(1)中、P(Bk)は、前記ブラックインクの顔料濃度を表す。前記式(2)中、P(CL)は、前記カラーインクの顔料濃度を表す。前記式(3)中、R(Bk)は、前記ブラックインクに含まれるカーボンブラックに対する前記樹脂被覆カーボンブラック粒子中の前記カーボンブラックの質量割合を表し、S(Bk)は、前記ブラックインクに含まれる前記カーボンブラックに対する前記界面活性剤処理カーボンブラック粒子中の前記カーボンブラックの質量割合を表し、R(CL)は、前記カラーインクに含まれるカラー顔料に対する前記樹脂被覆カラー顔料粒子中の前記カラー顔料の質量割合を表し、S(CL)は、前記カラーインクに含まれる前記カラー顔料に対する前記界面活性剤処理カラー顔料粒子中の前記カラー顔料の質量割合を表す。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、高画像濃度が得られ、吐出安定性及び吐出回復性に優れたインクセットを提供することができる。
図1は、ノズル面から見た記録ヘッドの一例の概略平面図である。 図2は、ノズル面から見た記録ヘッドの他の一例の概略平面図である。 図3は、本発明に関するインクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 図4は、図3のインクジェット記録装置の機構部の全体構成を説明するための概略構成図である。 図5は、図3のインクジェット記録装置の機構部の概略構成図である。 図6は、維持回復装置の概略構成図である。 図7は、図6の模式的概略構成図である。 図8は、図6の右側面図である。 図9は、キャップ保持昇降機構部の側面図である。
(インクセット)
本発明のインクセットは、ブラックインクと、カラーインクとを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記インクセットは、多数のノズルを有するノズル列を複数有する記録ヘッドと、該記録ヘッドを覆蓋し、吸引力発生手段と連通する少なくとも1つの吸引覆蓋手段と、を少なくとも備えたインクジェット記録装置に用いられる。
前記ブラックインク及び前記カラーインクは、前記記録ヘッドの複数の前記ノズル列のいずれかにそれぞれ供給される。
<ブラックインク及びカラーインク>
前記ブラックインクは、樹脂被覆カーボンブラック粒子と、界面活性剤処理カーボンブラック粒子と、水とを少なくとも含有し、好ましくは水溶性有機溶剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記カラーインクは、樹脂被覆カラー顔料粒子と、界面活性剤処理カラー顔料粒子と、水とを少なくとも含有し、好ましくは水溶性有機溶剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記インクセットは、下記式(1)、式(2)、及び式(3)を満たす。
5.0質量% ≦ P(Bk) ≦ 12.0質量% ・・・式(1)
3.0質量% ≦ P(CL) ≦ 10.0質量% ・・・式(2)
[R(CL)/S(CL)] < [R(Bk)/S(Bk)] ・・・式(3)
ただし、前記式(1)中、P(Bk)は、前記ブラックインクの顔料濃度を表す。前記式(2)中、P(CL)は、前記カラーインクの顔料濃度を表す。前記式(3)中、R(Bk)は、前記ブラックインクに含まれるカーボンブラックに対する前記樹脂被覆カーボンブラック粒子中の前記カーボンブラックの質量割合を表し、S(Bk)は、前記ブラックインクに含まれる前記カーボンブラックに対する前記界面活性剤処理カーボンブラック粒子中の前記カーボンブラックの質量割合を表し、R(CL)は、前記カラーインクに含まれるカラー顔料に対する前記樹脂被覆カラー顔料粒子中の前記カラー顔料の質量割合を表し、S(CL)は、前記カラーインクに含まれる前記カラー顔料に対する前記界面活性剤処理カラー顔料粒子中の前記カラー顔料の質量割合を表す。
カーボンブラックを用いたブラックインクは、充分な画像濃度を得るために、他のカラー顔料を用いたカラーインクと比較して顔料濃度を高くする必要がある。また、通常、カーボンブラック自体の粒径はカラー顔料の粒径より大きいことが多い。そのため、カーボンブラックを用いたブラックインクは、カラー顔料を用いたカラーインクよりも増粘しやすく、他のカラーインクとノズル列を共有した記録ヘッドを同一のキャップで密閉して増粘インクを吸引する際には、より粘度の低いカラーインクのみが吸引され、増粘したブラックインクは吸引されず、一旦不吐出が発生すると、不吐出が回復されないという問題が生じる。
そのような問題に対して本発明者らは以下の知見を得た。
顔料と前記顔料の表面に存在する樹脂とを有する樹脂被覆顔料粒子を用いたインクは、顔料と前記顔料の表面に存在する界面活性剤とを有する界面活性剤処理顔料粒子を用いたインクに比べて、ノズルにおいてインクが乾燥した際の増粘が遅い。そして、前記樹脂被覆顔料粒子と前記界面活性剤処理顔料粒子とを併用したインクでは、ノズルにおけるインクの増粘の速さは樹脂被覆顔料粒子の比率が高いほど遅くなる。よって、キャップを共有するブラックインク及びカラーインクを含有するインクセットにおいて、前記樹脂被覆顔料粒子と前記界面活性剤処理顔料粒子とを併用し、カラーインクにおける樹脂被覆カラー顔料粒子の比率をブラックインクにおける樹脂被覆カーボンブラック粒子の比率よりも低くすることで、乾燥等によって増粘したときのブラックインクとカラーインクとのノズルでのインクの粘度差が小さくなり、キャッピングによるインクの吸引が容易となり、吐出安定性、及び吐出回復性が向上する。
また、そうすることで、ブラックインクの顔料濃度自体を低くする必要がないので、ブラックインクの充分な画像濃度も保証される。
本発明は、上記本発明者らの知見に基づいて完成したものである。
−樹脂被覆カーボンブラック粒子、及び樹脂被覆カラー顔料粒子−
前記樹脂被覆カーボンブラック粒子としては、カーボンブラックと前記カーボンブラックの表面に存在する樹脂とを有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記樹脂被覆カラー顔料粒子としては、カラー顔料と前記カラー顔料の表面に存在する樹脂とを有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、カーボンブラック及びカラー顔料をまとめて、「顔料」と称することがある。
以下、樹脂被覆カーボンブラック粒子及び樹脂被覆カラー顔料粒子をまとめて、「樹脂被覆顔料粒子」と称することがある。
前記樹脂被覆顔料粒子は、顔料が樹脂で被覆された粒子ということもできる。前記樹脂被覆顔料粒子において、前記顔料は、前記樹脂により少なくとも一部が被覆されていればよく、前記樹脂で完全に被覆されている必要はない。
−−樹脂−−
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
また、前記樹脂としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基などのアニオン性基を有する樹脂、ノニオン性基を有する樹脂などが挙げられる。前記ノニオン性基を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートの単独重合体又はこれらの共重合体、ポリビニルアルコール、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。
前記樹脂被覆顔料粒子における前記樹脂の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記顔料に対して、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましい。前記樹脂の量が、10質量%未満であると、被覆の効果が得られにくくなることがあり、90質量%を超えると、前記顔料の発色性が低下することがある。前記樹脂の量が、前記好ましい範囲内であると、前記樹脂被覆顔料粒子中の前記樹脂の含有量が比較的低いために、前記顔料の発色性が低下することを抑制できる。前記樹脂の量が、前記より好ましい範囲内であると、前記顔料の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、前記顔料の一部が露出せずに実質的に被覆されているために前記顔料が被覆されている効果を得ることができる。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味する。
前記樹脂で前記顔料を被覆する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。具体的には、酸析法、転相法、界面重合法、in−situ重合法、液中硬化被膜法、コアセルベーション(相分離)法、液中乾燥法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライ法などが挙げられる。これらの中でも、液中乾燥法、酸析法、転相法が好ましい。
前記液中乾燥法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂を溶解した有機溶剤溶液に顔料を分散した分散液を調製し、この分散液を水に入れて、複合エマルションとし、樹脂を溶解している有機溶媒を徐々に除くことで、顔料を樹脂で被覆する方法などが挙げられる。
前記転相法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水に対して自己分散能若しくは溶解能を有するアニオン性基含有樹脂と、前記顔料との混合物、又は、前記顔料と、硬化剤と、アニオン性基含有樹脂との混合物を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、又は水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散化(転相乳化)しながら顔料を樹脂で被覆する方法などが挙げられる。
前記酸析法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性基の一部又は全部を塩基性化合物で中和したアニオン性基含有樹脂と、前記顔料とを水性媒体中で混練する工程、及び酸性化合物でpHを中性又は酸性にしてアニオン性基含有樹脂を析出させて、顔料に固着させる工程によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部又は全部を中和することにより、顔料を樹脂で被覆する方法などが挙げられる。
−−カーボンブラック−−
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記カーボンブラックの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ファーネス法、チャネル法などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学社製)、Raven700、5750、5250、5000、3500、1255(いずれも、コロンビア社製)、Regal400R、330R、660R、MogulL、Monarch700、800、880、900、1000、1100、1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170(いずれも、デグッサ社製)、プリンテックス35、U、V、140U、140V(いずれも、デグッサ社製)、スペシャルブラック6、5、4A、4(いずれも、デグッサ社製)などが挙げられる。
前記カーボンブラックの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平均一次粒径が、15nm〜40nmが好ましい。
前記カーボンブラックの比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、BET法による比表面積で、50m/g〜300m/gが好ましい。
−−カラー顔料−−
前記カラー顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが挙げられる。
前記イエロー顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、2、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、16、17、20、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、73、74、75、81、83(ジスアゾイエローHR)、86、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185などが挙げられる。
前記マゼンタ顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、9、12、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:1(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、97、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、175、176、178、179、180、184、185、190、192、193、202、209、215、216、217、219、220、223、226、227、228、238、240、254、255、272などが挙げられる。
前記シアン顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、22、56、60、63、64、バットブルー4、バットブルー60などが挙げられる。
その他に中間色(レッド、グリーン、ブルー)用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71、C.I.ピグメントバイオレット3、19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントグリーン7、36などが挙げられる。
前記顔料の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜150nmが好ましく、20nm〜100nmがより好ましく、30nm〜80nmが特に好ましい。前記体積平均粒径が、10nm未満であると、耐光性が低下するのみならず保存安定性も悪化する傾向がある。前記体積平均粒径が、150nmを超えると、印写画像の彩度が低下するのみならずインク保存時の増粘凝集や印写時のノズルの詰まりが生じやすくなることがある。
前記体積平均粒径は、例えば、日機装株式会社製のマイクロトラックUPA−150を用い、測定サンプル中の顔料濃度が0.01質量%になるように純水で希釈したサンプルを用い、粒子屈折率1.51、粒子密度1.4g/cm、溶媒パラメーターは純水のパラメーターを用い、23℃で測定した50%平均粒径(D50)を意味する。
−界面活性剤処理カーボンブラック粒子、及び界面活性剤処理カラー顔料粒子−
前記界面活性剤処理カーボンブラック粒子としては、カーボンブラックと前記カーボンブラックの表面に存在する界面活性剤とを有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記界面活性剤処理カラー顔料粒子としては、カラー顔料と前記カラー顔料の表面に存在する界面活性剤とを有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、界面活性剤処理カーボンブラック粒子及び界面活性剤処理カラー顔料粒子をまとめて、「界面活性剤処理顔料粒子」と称することがある。
前記界面活性剤処理顔料粒子は、例えば、前記顔料を前記界面活性剤で処理することにより得られる。具体的には、例えば、前記顔料を、前記界面活性剤を用いて水に分散することにより得られる。
前記顔料としては、例えば、前記カーボンブラック、前記カラー顔料などが挙げられる。
−−界面活性剤−−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−α−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルナフチルエーテルなどが挙げられる。
また、これらの界面活性剤のポリオキシエチレンの一部をポリオキシプロピレンに置き換えたポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等の界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の芳香環を有する化合物をホルマリン等で縮合させた界面活性剤などについても使用することができる。
前記ノニオン系界面活性剤のHLBとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、12.0〜19.5が好ましく、13.0〜19.0がより好ましい。前記HLBが、12.0以上であれば、界面活性剤の分散媒へのなじみが悪いため分散安定性が悪化するようなことはなく、前記HLBが、19.5以下であれば、界面活性剤が顔料に吸着しにくくなり分散安定性が悪化することはない。
前記アニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラニンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アシル化ペプチド、石鹸などが挙げられる。
これらの塩に用いられる金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。
前記界面活性剤処理顔料粒子を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記顔料と前記界面活性剤と水とを混合した混合物をミルで分散処理する方法などが挙げられる。
前記界面活性剤処理顔料粒子を得る際の前記界面活性剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記顔料に対して、10質量〜50質量%が好ましい。前記添加量が、10質量%以上であれば、顔料分散体及びインクの保存安定性が低下したり、分散に極端に時間がかかったりすることがなく、50質量%以下であれば、インクの粘度が高くなりすぎて吐出安定性が低下するようなことがない。
前記ブラックインクにおける前記カーボンブラックの濃度〔P(Bk)〕としては、前記式(1)を満たす限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(4)を満たすことが好ましく、下記(4’)を満たすことがより好ましい。
7.0質量% ≦ P(Bk) ≦ 10.0質量% ・・・式(4)
7.6質量% ≦ P(Bk) ≦ 8.5質量% ・・・式(4’)
前記P(Bk)が、前記式(4’)を満たすことにより、吐出回復性、及びブラックインクの画像濃度がより優れる。
前記カラーインクにおける前記カラー顔料の濃度〔P(CL)〕としては、前記式(2)を満たす限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(5)を満たすことが好ましく、下記式(5’)を満たすことがより好ましい。
4.0質量% ≦ P(CL) ≦ 9.0質量% ・・・式(5)
5.0質量% ≦ P(CL) ≦ 9.0質量% ・・・式(5’)
前記P(CL)が、前記式(5’)を満たすことにより、吐出安定性、及びカラーインクの画像濃度がより優れる。
前記インクセットにおける、前記樹脂被覆カーボンブラック粒子、前記界面活性剤処理カーボンブラック粒子、前記樹脂被覆カラー顔料粒子、及び前記界面活性剤処理カラー顔料粒子の関係としては、前記式(3)を満たす限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(3’)を満たすことが好ましく、下記式(6)及び式(7)を同時に満たすことがより好ましい。
0.01 < [R(CL)/S(CL)] < [R(Bk)/S(Bk)] < 100 ・・・式(3’)
0.02 < [R(CL)/S(CL)] < 1.00 ・・・式(6)
1.00 < [R(Bk)/S(Bk)] < 10.00 ・・・式(7)
更には、下記式(6’)及び式(7’)を同時に満たすことが特に好ましい。
0.05 < [R(CL)/S(CL)] < 0.50 ・・・式(6’)
2.00 < [R(Bk)/S(Bk)] < 8.00 ・・・式(7’)
前記式(6’)及び式(7’)を同時に満たすことにより、画像濃度、及び吐出安定性がより優れる。
−水溶性有機溶剤−
前記ブラックインク及び前記カラーインクは、水を媒体として使用するが、インクの乾燥を防止するため(湿潤剤として)、及び顔料の分散安定性を向上するためなどの目的で、水溶性有機溶剤を含有させることが好ましい。
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量が40質量%以上である多価アルコールが好ましい。このような多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、常圧で沸点が250℃を超える湿潤剤Aと、常圧で沸点が140℃以上250℃未満の湿潤剤Bとを併用することが好ましい。
前記湿潤剤Aとしては、例えば、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール(bp190℃〜191℃/24hPa)、グリセリン(bp290℃)、ジグリセリン(bp270℃/20hPa)、トリエチレングリコール(bp285℃)、テトラエチレングリコール(bp324℃〜330℃)などが挙げられる
前記湿潤剤Bとしては、例えば、ジエチレングリコール(bp245℃)、1,3−ブタンジオール(bp203℃〜204℃)などが挙げられる。
前記湿潤剤A、及び前記湿潤剤Bは、いずれも温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量が40質量%以上の、吸湿性がある材料である。ただし、前記湿潤剤Bは、前記湿潤剤Aよりも蒸発性が比較的高い。前記湿潤剤Aと前記湿潤剤Bの組合せを用いる場合、前記湿潤剤Aと前記湿潤剤Bとの量比B/A(質量比)は、後述するその余の湿潤剤Cの量や浸透剤などの他の添加剤の種類や量にも少なからず依存するので、一概にいえないが、10/90〜90/10が好ましい。
前記平衡水分量は、例えば、塩化カリウム飽和水溶液を用いデシケーター内の温湿度を温度23±1℃、相対湿度80±3%に保ち、このデシケーター内に各水溶性有機溶剤を1gずつ秤量したシャーレを保管し、飽和する水分量から求めることができる。
飽和水分量(%)=(水溶性有機溶剤に吸収した水分量/水溶性有機溶剤)×100
前記ブラックインク及び前記カラーインクは、前記湿潤剤A及び前記湿潤剤B以外に、必要に応じて前記湿潤剤A及び前記湿潤剤Bの一部に代えて、又は前記湿潤剤A及び前記湿潤剤Bに加えて、前記湿潤剤A及び前記湿潤剤B以外の湿潤剤Cを併用することができる。
前記湿潤剤Cとしては、例えば、前記湿潤剤A及び前記湿潤剤B以外の多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の湿潤剤などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、ジプロピレングリコール(bp232℃)、1,5−ペンタンジオール(bp242℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、プロピレングリコール(bp187℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(bp197℃)、エチレングリコール(bp196℃〜198℃)、トリプロピレングリコール(bp267℃)、ヘキシレングリコール(bp197℃)、ポリエチレングリコール(粘調液体〜固体)、ポリプロピレングリコール(bp187℃)、1,6−ヘキサンジオール(bp253℃〜260℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(bp178℃)、トリメチロールエタン(固体、mp199℃〜201℃)、トリメチロールプロパン(固体、mp61℃)などが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp194℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp231℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(bp229℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(bp132℃)などが挙げられる。
前記ブラックインク及び前記カラーインクのそれぞれにおける前記水溶性有機溶剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%〜50質量%が好ましい。
−フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤−
界面活性剤をインクに含有させることで、表面張力が低下し、紙等の記録媒体にインク滴が着弾した後の記録媒体中への浸透が速くなるため、フェザリングやカラーブリードを軽減することができる。
前記界面活性剤の中でも、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤とを併用することが、画像濃度、吐出安定性、及び吐出回復性がより優れる点で好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物、ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテルなどが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−144、S−145(いずれも旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F−1405、F474(DIC社製)、ゾニールFSN、FSN−100、FSO、FSO−100、FS−300(いずれもデュポン社製)、エフトップEF−351、352、801、802(いずれもジェムコ社製)、FT−250、251(いずれもネオス社製)、PF−151N,PF−136A、PF−156A(いずれもOMNOVA社製)などが挙げられる。これらの中でも、デュポン社製のゾニールFSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300が良好な印字品質、保存性が得られる点で好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエーテル変性シリコーン化合物などが挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、例えば、ポリシロキサンの側鎖にポリエーテル基を導入した側鎖型(ペンダント型)、ポリシロキサンの片末端にポリエーテル基を導入した片末端型、又は両末端にポリエーテル基を導入した両末端型(ABA型)、ポリシロキサンの側鎖と両末端の両方にポリエーテル基を導入した側鎖両末端型、ポリエーテル基を導入したポリシロキサン(A)と未導入のポリシロキサン(B)を繰返し結合したABn型、枝分かれしたポリシロキサンの末端にポリエーテル基を導入した枝分かれ型などが挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、ポリシロキサンの側鎖にポリエーテル基を導入した構造を有する側鎖型(ペンダント型)であることが好ましい。前記側鎖型のポリエーテル変性シリコーン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの表面張力を下げる機能だけでなく、ヘッドのノズルプレートに対してインクが固着することを防止する付着防止剤としての機能も果たしている点で、下記一般式(1)で表されるシリコーン化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(1)中、l、m、n、p、及びqは、自然数(0を除く)であり、l+m+n<2,000、p+q<100を満たす。
前記シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、KF−351A、KF−352A、KF−353(前記一般式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤)、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−618,KF−6011、KF−6015、KF−6004(いずれも信越化学工業社製)、SF−3771、SF−8427、SF−8428、SH−3749、SH−8400、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2118、FZ−2203、FZ−2207、L−7604(いずれも東レ・ダウコーニング社製)、BYK−345、BYK−346、BYK−348(いずれもビッグケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
前記ブラックインク及び前記カラーインクのそれぞれにおける前記フッ素系界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜3.0質量%が好ましく、0.3質量%〜1.0質量%がより好ましい。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、画像濃度、及び吐出回復性がより優れる点で有利である。
前記ブラックインク及び前記カラーインクのそれぞれにおける前記シリコーン系界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05質量%〜0.3質量%が好ましい。前記含有量が、前記好ましい範囲内であると、吐出安定性がより優れる点で有利である。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
前記消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノール物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウムなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾン、サリチル酸フェニル、パラアミノ安息香酸エステルなどが挙げられる。
−インクの粘度−
前記ブラックインク及び前記カラーインクの粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃における粘度が、5.0mPa・s〜12.0mPa・sが好ましい。前記粘度は、例えば、東機産業社製の粘度計RE80Lを用いて測定できる。
(インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、好ましくは吸引力発生工程と、吸引覆蓋工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明に関するインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有し、好ましくは吸引力発生手段と、吸引覆蓋手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記インクジェット記録方法は、前記インクジェット記録装置により好適に実施でき、前記インク飛翔工程は、前記インク飛翔手段により好適に実施でき、前記吸引力発生工程は、前記吸引力発生手段により好適に実施でき、前記吸引覆蓋工程は、前記吸引覆蓋手段により好適に実施でき、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施できる。
<インク飛翔工程、及びインク飛翔手段>
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インクセットの各インクに、刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記インク飛翔手段を用いて行うことができる。
前記インク飛翔手段は、本発明の前記インクセットの各インクに、刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、続噴射型、オンデマンド型などが挙げられる。前記オンデマンド型としては、ピエゾ方式、サーマル方式、静電方式などが挙げられる。これらの中でも、ピエゾ方式、サーマル方式が特に好ましい。
前記インク飛翔手段は、具体的には、液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材などを有することが好ましく、前記液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部は、シリコーン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
また、インクジェットノズルのノズル径は、30μm以下が好ましく、1μm〜20μmが好ましい。
<吸引力発生工程、及び吸引力発生手段>
前記吸引力発生工程としては、前記吸引覆蓋工程においてノズル内のインクを吸引するための吸引力を発生する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吸引力発生手段により行うことができる。
前記吸引力発生手段としては、前記吸引覆蓋手段においてノズル内のインクを吸引するための吸引力を発生する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吸引ポンプなどが挙げられる。
<吸引覆蓋工程、及び吸引覆蓋手段>
前記吸引覆蓋工程としては、多数のノズルを有するノズル列を複数有する記録ヘッドを覆蓋し、前記ノズル内のインクを吸引する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吸引覆蓋手段により行うことができる。
前記吸引覆蓋手段としては、多数のノズルを有するノズル列を複数有する記録ヘッドを覆蓋し、前記ノズル内のインクを吸引する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吸引キャップなどが挙げられる。
<その他の工程、及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、刺激発生工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、刺激発生手段、制御手段などが挙げられる。
−刺激発生工程、及び刺激発生手段−
前記刺激発生工程としては、前記インクを飛翔させるための刺激を発生させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記刺激発生手段により行うことができる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好ましい。
前記インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを、例えば、サーマルヘッドなどを用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば、記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から前記インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。
前記飛翔させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3pL〜40pLが好ましく、その吐出噴射の速さとしては、5m/s〜20m/sが好ましく、その駆動周波数としては、1kHz以上が好ましく、その解像度としては、300dpi以上が好ましい。
−制御工程、及び制御手段−
前記制御工程としては、前記各工程を制御する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段を制御する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサ、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
前記インクジェット記録装置においては、維持回復装置を有していてもよい。
前記維持回復装置は、前記記録ヘッドを覆蓋し、吸引力発生手段と連通する少なくとも1つの吸引覆蓋手段(吸引キャップ)、及び前記記録ヘッドを覆蓋し、吸引力発生手段と連通していない少なくとも1つの非吸引覆蓋手段(保湿キャップ)を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。このように、吸引キャップと保湿キャップとを備えることにより、全てのキャップが吸引キャップである構成よりも信頼性確保のための維持動作に消費されるインク量が少なくなり、維持動作にかかる時間、インクの無駄を防ぐことができる。
前記維持回復装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特開2005−170035号公報などに記載されたものを用いることができる。
以下図を用いて本発明のインクジェット記録方法、及び本発明に関するインクジェット記録装置の一例を説明する。
ここで、図1及び図2は、ノズル面から見た記録ヘッドの概略平面図を示す。図1は、第1ヘッド及び第2ヘッドからなる2ヘッドタイプである。図2は、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、及び第4ヘッドからなる4ヘッドタイプである。
前記2ヘッドタイプでは、第1ヘッド及び第2ヘッドのいずれか一方が吸引力発生手段と連通する吸引覆蓋手段(吸引キャップ)で覆蓋され、他方が、吸引力発生手段と連通していない非吸引覆蓋手段(保湿キャップ)で覆蓋される。図1の例では、第1ヘッドが吸引キャップで覆蓋され、第2ヘッドが保湿キャップで覆蓋されている。
前記4ヘッドタイプでは、第1ヘッドから第4ヘッドのうち少なくとも1つが吸引力発生手段と連通する吸引覆蓋手段(吸引キャップ)で覆蓋され、それ以外が、吸引力発生手段と連通していない非吸引覆蓋手段(保湿キャップ)で覆蓋される。図2の例では、第1ヘッドが吸引キャップで覆蓋され、第2、第3、及び第4ヘッドが保湿キャップで覆蓋されている。
本発明においては、前記2ヘッドタイプ及び前記4ヘッドタイプのいずれにおいても、少なくとも1ヘッドについて、A列及びB列の2列のうちのいずれかのノズル列がカーボンブラックを含む顔料インクを吐出し、もう一方の列がブラックではないカラーインクを吐出する。
なお、図1の2ヘッドタイプにおいて、フルカラー記録を行う場合には、合計4つのノズル列に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びブラック(Bk)の各色のインクをそれぞれ充填する必要がある。
ここで、維持回復装置を有する本発明に関するインクジェット記録装置の一例について図3を参照して説明する。なお、図3は、インクジェット記録装置を前方側から見た斜視図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着した用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備え、更に、装置本体1の前面4の一端部側には、前面4から前方側に突き出し、上面5よりも低くなったカートリッジ装填部6を有し、このカートリッジ装填部6の上面に操作キーや表示器などの操作部7を配置している。カートリッジ
装填部6には、液体補充手段としての液体保管用タンクであるメインタンク(以下、「インクカートリッジ」という)10が交換可能に装着され、また、開閉可能な前カバー8を有している。
次に、図3のインクジェット記録装置の機構部について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は同機構部の全体構成を説明する概略構成図、図5は同機構部の要部平面説明図である。
フレーム21を構成する左右の側板21A,21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3で矢示方向(キャリッジ走査方向:主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、インクの液滴(インク滴)を吐出するための液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなる複数の記録ヘッド34を複数のノズルを主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。ここで、記録ヘッド34は、例えば、イエロー(Y)の液滴を吐出する記録ヘッド34y、マゼンタ(M)の液滴を吐出する記録ヘッド34m、シアン(C)の液滴を吐出する記録ヘッド34c、ブラック(Bk)の液滴を吐出する記録ヘッド34kとで構成している。なお、「記録ヘッド34」というときは色を区別しないものとする。なお、ヘッド構成は、これらの例に限るものではなく、1つ又は複数の色の液滴を吐出する1つ又は複数のノズル列を有する記録ヘッドを1つ又は複数用いて構成することもできる。
記録ヘッド34を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ33には、各記録ヘッド34にそれぞれ各色のインクを供給するための各色のサブタンク35y,35m,35c,35k(色を区別しない場合は「サブタンク35」という)を搭載している。このサブタンク35には各色のインク供給チューブ37を介して、前述した各色のインクカートリッジ10(各色を区別する場合には、「インクカートリッジ10y,10m,10c,10k」と称する)からインクを供給するよう
にしている。
ここで、インクカートリッジ10は、図5にも示すように、カートリッジ装填部6に収納され、このカートリッジ装填部6にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット23が設けられている。また、インクカートリッジ装填部6からサブタンク35に至るまでのインク供給チューブ37は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに本体側ホルダ25にて固定保持されている。更に、キャリッジ33上でも固定リブ26にて固定されている。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(底板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する及び該給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側で搬送するための搬送部として、用紙42を静電吸着して搬送するための搬送ベルト51と、給紙部からガイド45を介して送られる用紙42を搬送ベルト51との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ52と、略鉛直上方に送られる用紙42を略90°方向転換させて搬送ベルト51上に倣わせるための搬送ガイド53と、押さえ部材54で搬送ベルト51側に付勢された先端加圧コロ55と、を備えている。また、搬送ベルト51表面を帯電させるため
の帯電手段である帯電ローラ56を備えている。
ここで、搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ57とテンションローラ58との間に掛け渡されて、図5のベルト搬送方向に周回するように構成している。帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各々2.5Nをかけている。
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド54による印写領域に対応してガイド部材61を配置している。このガイド部材61は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ57とテンションローラ58)の接線よりも記録ヘッド34側に突出している。これにより、搬送ベルト51は印写領域ではガイド部材61の上面にて押し上げられてガイドされるので、高精度な平面性を維持される。
更に、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪71と、排紙ローラ72及び排紙コロ73とを備え、排紙ローラ72の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ72と排紙コロ73との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
また、装置本体1の背面部には両面給紙ユニット81が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット81は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ52と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット81の上面には手差し給紙部82を設けている。
更に、図5に示すように、キャリッジ33の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復装置(以下、「サブシステム」と称することもある)91を配置している。
このサブシステム91には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下、「キャップ」と称することもある)92と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード93と、増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け94及びこの空吐出受け94に一体形成され、ワイパーブレード93に付着したインクを除去するための清掃部材であるワイパークリーナ(不図示)と、ワイパーブレード93のクリーニング時にワイパーブレード93をワイパークリーナ側に押し付けるクリーナ手段を構成するクリーナコロ96などを備えている。
また、図5に示すように、キャリッジ33の走査方向の他方側の非印字領域には、記録中などに増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け98を配置し、この空吐出受け98には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口99などを備えている。
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ52との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド53で案内されて先端加圧コロ55で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、即ち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に静電的に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ33を動かせながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号、又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33はサブシステム91側に移動されて、キャップ部材92で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ部材92で記録ヘッド34をキャッピングした状態でノズルからインクを吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という)、増粘したインクや気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
次に、本発明のインクジェット記録装置における維持回復装置を含むサブシステム91の構成の概要について図6〜図8を参照して説明する。なお、図6は、同システムの概略構成図、図7は同システムの模式的概略構成図、図8は図6の右側面説明図である。
このサブシステム91のフレーム(維持装置フレーム)111には、キャップ保持機構である2つのキャップホルダ112A,112Bと、清浄化手段としての弾性体を含むワイピング部材であるワイパーブレード93と、キャリッジロック115とがそれぞれ昇降可能(上下動可能)に保持されている。また、ワイパーブレード93とキャップホルダ112Aとの間には空吐出受け94が配置され、ワイパーブレード93のクリーニングを行うために、フレーム111の外側からワイパーブレード93を空吐出受け94の清掃部材であるワイパークリーナ95側に押し付けるための清掃部材であるクリーナコロ96を含むクリーナ手段であるワイパークリーナ118が揺動可能に保持されている。
キャップホルダ112A,112B(区別しないときは「キャップホルダ112」という)には、それぞれ、2つの記録ヘッド34のノズル面をそれぞれキャッピングする2つのキャップ92aと92b、キャップ92cと92d(区別しないときは「キャップホルダ92」という)を保持している。
ここで、印字領域に最も近い側のキャップホルダ112Aに保持したキャップ92aには可撓性チューブ119を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)120を接続し、その他のキャップ92b,92c,92dはチュービングポンプ120を接続していない。即ち、キャップ92aのみを吸引(回復)及び保湿用キャップ(以下、「吸引用キャップ」と称することもある)とし、その他のキャップ92b,92c,92dはいずれも単なる保湿用キャップとしている。したがって、記録ヘッド34の回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド34を吸引用キャップ92aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
また、これらのキャップホルダ112A,112Bの下方にはフレーム111に回転自在に支持したカム軸121を配置し、このカム軸121には、キャップホルダ112A,112Bを昇降させるためのキャップカム122A,122Bと、ワイパーブレード93を昇降させるためのワイパーカム124、キャリッジロック115をキャリッジロックアーム117を介して昇降させるためのキャリッジロックカム125と、空吐出受け94内で空吐出される液滴がかかる空吐出着弾部材である回転体としてのコロ126と、ワイパークリーナ118を揺動させるためのクリーナカム128をそれぞれ設けている。
ここで、キャップ92はキャップカム122A,122Bにより昇降させられる。ワイパーブレード93はワイパーカム124により昇降させられ、下降時にワイパークリーナ118が進出して、このワイパークリーナ118のクリーナコロ96と空吐出受け94のワイパークリーナ95とに挟まれながら下降することで、ワイパーブレード93に付着したインクが空吐出受け94内に掻き落とされる。
キャリッジロック115は図示しない圧縮バネによって上方(ロック方向)に付勢されて、キャリッジロックカム125で駆動されるキャリッジロックアーム117を介して昇降させられる。
そして、チュービングポンプ120及びカム軸121を回転駆動するために、モータ131の回転をモータ軸131aに設けたモータギヤ132に、チュービングポンプ120のポンプ軸120aに設けたポンプギヤ133を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ133と一体の中間ギヤ134に中間ギヤ135を介して一方向クラッチ137付きの中間ギヤ136を噛み合わせ、この中間ギヤ136と同軸の中間ギヤ138に中間ギヤ139を介してカム軸121に固定したカムギヤ140を噛み合わせている。なお、クラッチ137付きの中間ギヤ136,138の回転軸である中間軸141はフレーム111にて回転可能に保持している。
また、カム軸121にはホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ用カム142を設け、このサブシステム91に設けた図示しないホームポジションセンサにてキャップ92が最下端に来たときにホームポジションレバー(不図示)を作動させ、センサが開状態になってモータ131(ポンプ120以外)のホームポジションを検知する。なお、電源オン時には、キャップ92(キャップホルダ112)の位置に関係なく上下(昇降)し、移動開始までは位置検出を行わず、キャップ92のホーム位置(上昇途中)を検知した後に、定められた量を移動して最下端へ移動する。その後、キャリッジが左右に移動して位置検知後キャップ位置に戻り、記録ヘッド34がキャッピングされる。
次に、キャップ92の保持機構及び昇降機構(上下動機構)の詳細について図9を参照して説明する。なお、図9はキャップ保持昇降機構部の側面図である。
キャップ保持機構であるキャップホルダ112Aは、キャップ92a、キャップ92b(これらを併せて「キャップ92A」と称することがある)を昇降可能に保持するホルダ151と、ホルダ151の底面とキャップ92Aの底部との間に介装されてキャップ92Aを上方に付勢するスプリング152と、ホルダ151を前後方向(記録ヘッド34のノズルの並び方向)に移動可能に保持するスライダ153とを有している。
キャップ92Aは両端部に設けたガイドピン150aをホルダ151の図示を省略しているガイド溝に上下動可能に、底面に設けたガイド軸150bをホルダ151に上下動可能に挿通して、ホルダ151に対して上下動可能に装着している。キャップ92Aとキャップホルダ151との間に介装したスプリング152はキャップ92a,92bを上方向(キャッピング時にノズル面側に押圧する方向)に付勢している。
スライダ153は、前後端に設けたガイドピン154,155をフレーム111に形成したガイド溝156に摺動可能に嵌め合わせることで、スライダ153及びホルダ151及びキャップ92A全体が上下動できる構成としている。
そして、スライダ153の下面に設けたカムピン157をキャップカム122Aの図示しないカム溝に嵌め合わせて、モータ131の回転が伝達されるカム軸121の回転に同動するキャップカム122Aの回転によってスライダ153、ホルダ151及びキャップ92Aが上下動するようにしている。
更に、吸引用キャップ92aにはスライダ153及びホルダ151を挿通して、キャップ92aの短手方向に対してキャップ中央位置の下方からチューブ119を這い回して接続している。
なお、キャップ92c,92d(これらを併せて「キャップ92B」と称することがある)を保持するキャップホルダ112B及びこれを上下動させる構成も上記と同様であるので説明を省略する。ただし、キャップ92c,92dにはチューブ119は接続されない。このように、1つの駆動源であるモータ131を駆動することによって1つの軸であるカム軸121が回転し、このカム軸121の回転によってカム軸121に固定したカム122A,122Bが回転して、キャップ92A及びキャップ92Bが上下動する構成としている。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
(調製例1)
<樹脂被覆カーボンブラック粒子分散体の調製>
機械式撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を充分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート(日油社製、ブレンマーPE−90)4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、AS−6)4.0g、及びメルカカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート(日油社製、ブレンマーPE−90)36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に、1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。次にポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量は15,000であった。
得られたポリマー溶液28g、カーボンブラック(degussa社製、NIPEX160)26g、1mol/L水酸化カリウム溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを充分に撹拌した。その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、充分に撹拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン、及び水の一部を留去し、顔料濃度が13%の樹脂被覆カーボンブラック粒子分散体を得た。
(調製例2)
<界面活性剤処理カーボンブラック粒子分散体の調製>
<<組成>>
・カーボンブラック 175部
(NIPEX160、degussa社製、BET比表面積150m/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、DBP吸油量620g/100g)
・ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 175部
(竹本油脂株式会社製、パイオニンA−45−PN、ナフタレンスルホン酸2量体、3量体、及び4量体の合計含有量=50%)
・蒸留水 650部
上記の組成の混合物をプレミックスし、混合スラリー(a)を作製した。これをディスクタイプのメディアミル(アシザワ・ファインテック株式会社製、DMR型)で0.05mmジルコニアビーズ、充填率55体積%を用いて周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散し、遠心分離機(久保田商事株式会社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、顔料濃度が13%の界面活性剤処理カーボンブラック粒子分散体を得た。
(調製例3)
<樹脂被覆マゼンタ顔料粒子分散体の調製>
調製例1において、顔料であるカーボンブラックをC.I.ピグメントレッド122(BASF社製、CROMOPHTAL Jet Magenta DMQ)に代えた以外は、調製例1と同様にして、顔料濃度が13%の樹脂被覆マゼンタ顔料粒子分散体を得た。
得られた樹脂被覆マゼンタ顔料粒子分散体を粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定したところ、平均粒子径(D50%)は、127nmであった。
(調製例4)
<界面活性剤処理マゼンタ顔料粒子分散体の調製>
<<組成>>
・ピグメントレッド122 24部
(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)
・下記構造式で表される化合物の10%水溶液 120部
・イオン交換水 16部
上記組成の混合物(A)を500mLのビーカーに入れ、テフロン(商標登録)被覆撹拌子を加え、3時間撹拌を行った。次に、この撹拌で処理済の前記混合物(A)をサンドミル(株式会社カンペパピオ製、バッチ式卓上サンドミル)にて、直径0.3mmのジルコニアボールを使用して8時間分散処理を行い顔料濃度が13%の界面活性剤処理マゼンタ顔料粒子分散体を得た。
得られた界面活性剤処理マゼンタ顔料粒子分散体を粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定したところ、平均粒子径(D50%)は、97nmであった。
(調製例5)
<樹脂被覆シアン顔料粒子分散体の調製>
調製例1において、顔料であるカーボンブラックを銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化社製、クロモファインブルーA−220JC)に代えた以外は、調製例1と同様にして、顔料濃度が13%の樹脂被覆シアン顔料粒子分散体を得た。
得られた樹脂被覆シアン顔料粒子分散体を粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定したところ、平均粒子径(D50%)は、93nmであった。
(調製例6)
<界面活性剤処理シアン顔料粒子分散体の調製>
調製例4において、ピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)をピグメントブルー15:3(東洋インキ社製、LIONOL BLUE FG−7351)に代えた以外は、調製例4と同様にして、顔料濃度が13%の界面活性剤処理シアン顔料粒子分散体を得た。
得られた界面活性剤処理シアン顔料粒子分散体を粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定したところ、平均粒子径(D50%)は、97nmであった。
(調製例7)
<樹脂被覆イエロー顔料粒子分散体の調製>
調製例1において、顔料であるカーボンブラックをC.I.ピグメントイエロー74(大日精化社製、ファーストイエロー531)に代えた以外は、調製例1と同様にして、顔料濃度が13%の樹脂被覆イエロー顔料粒子分散体を得た。
得られた樹脂被覆イエロー顔料粒子分散体を粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定したところ、平均粒子径(D50%)は、76nmであった。
(調製例8)
<界面活性剤処理イエロー顔料粒子分散体の調製>
調製例4において、ピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)をピグメントイエロー138(東洋インキ社製、LIONOGEN YELLOW 1010)に代えた以外は、調製例4と同様にして、顔料濃度が13%の界面活性剤処理イエロー顔料粒子分散体を得た。
得られた界面活性剤処理イエロー顔料粒子分散体を粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定したところ、平均粒子径(D50%)は、70nmであった。
<記録用インクの作製>
各記録用インクの製造は、以下の手順で行った。まず、下記表1−A〜表3に示す、各分散体、水溶性有機溶剤(湿潤剤)、界面活性剤及び水を混合し、1時間撹拌を行い均一に混合した。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブレンフィルターにて加圧ろ過し、粗大粒子やゴミを除去して、下記表1−A〜表3の記録用インクを作製した。
表1−A〜表3中の顔料分散体及び界面活性剤は以下の通りである。
※1 東洋インキ社製:カーボンブラック顔料分散体、顔料濃度は13%。
※2 デュポン社製:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル、固形分40%
※3 信越化学工業社製:ポリエーテル変性シリコーン化合物、固形分100%
以下の表4−Aに、ブラックインクの顔料濃度、並びにR(Bk)、S(Bk)、及びR(Bk)/S(Bk)を示す。
以下の表4−Bに、各カラーインクの顔料濃度、並びにR(CL)、S(CL)、及びR(CL)/S(CL)を示す。
<各インクセットの印字評価>
下記表5に示す実施例1〜20及び比較例1〜10のインクセットについて印字評価を実施した。
インクジェットプリンタ(IPSiO GX3000、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、被記録材上に同じ付着量のインクが付くように設定して行った。
評価に用いたインクジェットプリンタは、2ヘッドタイプのプリンタであり、1ヘッドについて、2列のノズル(ノズル列A及びノズル列B)があり、それぞれのヘッドで吸引キャップを共有している。そのため、本評価では、評価対象としている2色1セットのインクが同一ヘッドに充填されるようにした。
なお、インクの粘度の測定には、東機産業社製の粘度計RE80Lを使用し、25℃における粘度をそれぞれ測定した。結果を表5に示す。
また、表5に、P(Bk)、[R(Bk)/S(Bk)]、P(CL)、[R(CL)/S(CL)]、及び[R(Bk)/S(Bk)]−[R(CL)/S(CL)]を示す。
「画像濃度」及び「吐出安定性」の評価は、MM環境(25±0.5℃、50±5%RH)に調整された環境下で行った。
なお、「吐出回復性」の評価についてのみHL環境(32±0.5℃、15±5%RH)に調整された環境下で行った。
以下にそれぞれの評価項目及びその評価方法を示す。
<<画像濃度>>
Microsoft Word2003を用いて作成した、ブラック及び各色の64pointの文字「■」が記載されているチャートを坪量が69.6g/m、サイズ度が23.2秒、透気度が21.0秒の上質紙マイペーパー(株式会社リコー製)に印字した後、X−Rite938(X−Rite社製)を用いて「■」部を測色して、画像濃度を評価した。このとき、印字モードは、プリンタ添付のドライバで「普通紙−はやい」モードとした。なお、各色の画像濃度の判定は、以下の評価基準を基に行った。
〔評価基準〕
◎:OD値 ブラック1.20以上
イエロー0.75以上
マゼンタ0.90以上
シアン 1.00以上
○:OD値 ブラック1.10以上1.20未満
イエロー0.70以上0.75未満
マゼンタ0.80以上0.90未満
シアン0.90以上1.00未満
△:OD値 ブラック1.00以上1.10未満
イエロー0.65以上0.70未満
マゼンタ0.70以上0.80未満
シアン 0.80以上0.90未満
×:OD値 ブラック1.00未満
イエロー0.65未満
マゼンタ0.70未満
シアン 0.80未満
<<吐出回復性>>
インクジェットプリンタに表5に示す実施例1〜20及び比較例1〜10の各インクを充填して、HL環境(32±0.5℃、15±5%RH)で3時間放置した後、全色が印字されるノズルチェックパターンを印字し、ドット抜けや飛行曲がりといった吐出不良がないことを確認した。そして、さらにそのままの状態で6日間放置した。放置終了後、坪量が69.6g/m、サイズ度が23.2秒間、透気度が21.0秒間の上質紙マイペーパー(株式会社リコー製)にベタ印字部付きノズルチェックパターンを1枚印字し、ドット抜けや飛行曲がりの有無を確認した。ノズルチェックパターンにインクのドット抜けや飛行曲がりが見られた際には、正常印刷への復帰動作としてプリンターノズルのクリーニングを行い、その合計回数を評価した。得られた合計回数から各インクの吐出回復性を下記評価基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:クリーニング0回〜1回
○:クリーニング2回以上5回未満
×:クリーニング5回以上
<<吐出安定性>>
インクジェットプリンタに表5に示す実施例1〜20及び比較例1〜10の各インクを充填して、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれの面積と形状が同一のベタ及び線のパターンを含むチャートを坪量が69.6g/m、サイズ度が23.2秒間、透気度が21.0秒間の上質紙マイペーパー(株式会社リコー製)に100枚連続印字した。印字中、チャートにインクのドット抜けや飛行曲がりが見られた際には、正常印刷への復帰動作としてプリンターノズルのクリーニングを行い、その合計回数を評価した。得られた合計回数から各インクセットの吐出安定性を下記評価基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:クリーニング0回〜1回
○:クリーニング2回以上5回未満
×:クリーニング5回以上
<<総合評価>>
各インクセットについて、以下の基準により5段階で総合評価した。その結果を表6に示す。
〔評価基準〕
5:画像濃度、吐出回復性、及び吐出安定性の全てが「◎」である。
4:画像濃度、吐出回復性、及び吐出安定性の全てが「○」以上であって、吐出回復性、及び吐出安定性のいずれもが「◎」である。
3:画像濃度、吐出回復性、及び吐出安定性の全てが「○」以上であって、吐出回復性、及び吐出安定性のいずれかが「◎」である。
2:画像濃度、吐出回復性、及び吐出安定性の全てが「○」以上であって、吐出回復性、及び吐出安定性がいずれもが「○」である。
1:画像濃度、吐出回復性、及び吐出安定性のいずれかに「△」又は「×」がある。
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 多数のノズルを有するノズル列を複数有する記録ヘッドと、該記録ヘッドを覆蓋し、吸引力発生手段と連通する少なくとも1つの吸引覆蓋手段と、を少なくとも備えたインクジェット記録装置に用いられ、前記記録ヘッドの複数の前記ノズル列のいずれかにそれぞれ供給されるブラックインク及びカラーインクを有するインクセットであって、
前記ブラックインクが、カーボンブラックと前記カーボンブラックの表面に存在する樹脂とを有する樹脂被覆カーボンブラック粒子、カーボンブラックと前記カーボンブラックの表面に存在する界面活性剤とを有する界面活性剤処理カーボンブラック粒子、及び水を少なくとも含有し、
前記カラーインクが、カラー顔料と前記カラー顔料の表面に存在する樹脂とを有する樹脂被覆カラー顔料粒子、カラー顔料と前記カラー顔料の表面に存在する界面活性剤とを有する界面活性剤処理カラー顔料粒子、及び水を少なくとも含有し、
下記式(1)、式(2)、及び式(3)を満たすことを特徴とするインクセットである。
5.0質量% ≦ P(Bk) ≦ 12.0質量% ・・・式(1)
3.0質量% ≦ P(CL) ≦ 10.0質量% ・・・式(2)
[R(CL)/S(CL)] < [R(Bk)/S(Bk)] ・・・式(3)
ただし、前記式(1)中、P(Bk)は、前記ブラックインクの顔料濃度を表す。前記式(2)中、P(CL)は、前記カラーインクの顔料濃度を表す。前記式(3)中、R(Bk)は、前記ブラックインクに含まれるカーボンブラックに対する前記樹脂被覆カーボンブラック粒子中の前記カーボンブラックの質量割合を表し、S(Bk)は、前記ブラックインクに含まれる前記カーボンブラックに対する前記界面活性剤処理カーボンブラック粒子中の前記カーボンブラックの質量割合を表し、R(CL)は、前記カラーインクに含まれるカラー顔料に対する前記樹脂被覆カラー顔料粒子中の前記カラー顔料の質量割合を表し、S(CL)は、前記カラーインクに含まれる前記カラー顔料に対する前記界面活性剤処理カラー顔料粒子中の前記カラー顔料の質量割合を表す。
<2> ブラックインク及びカラーインクの25℃における粘度が、5.0mPa・s〜12.0mPa・sである前記<1>に記載のインクセットである。
<3> ブラックインク及びカラーインクが、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクセットである。
<4> 下記式(4)、及び式(5)を満たす前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクセットである。
7.0質量% ≦ P(Bk) ≦ 10.0質量% ・・・式(4)
4.0質量% ≦ P(CL) ≦ 9.0質量% ・・・式(5)
<5> 下記式(3’)を満たす前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクセットである。
0.01 < [R(CL)/S(CL)] < [R(Bk)/S(Bk)] < 100 ・・・式(3’)
<6> 下記式(6)、及び式(7)を満たす前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクセットである。
0.02 < [R(CL)/S(CL)] < 1.00 ・・・式(6)
1.00 < [R(Bk)/S(Bk)] < 10.00 ・・・式(7)
<7> ブラックインク及びカラーインクが、水溶性有機溶剤を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクセットである。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクセットの各インクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
34 記録ヘッド
92 キャップ部材(キャップ)
120 チュービングポンプ(吸引ポンプ)
特開2002−327138号公報 特開2005−170035号公報

Claims (8)

  1. 多数のノズルを有するノズル列を複数有する記録ヘッドと、該記録ヘッドを覆蓋し、吸引力発生手段と連通する少なくとも1つの吸引覆蓋手段と、を少なくとも備えたインクジェット記録装置に用いられ、前記記録ヘッドの複数の前記ノズル列のいずれかにそれぞれ供給されるブラックインク及びカラーインクを有するインクセットであって、
    前記ブラックインクが、カーボンブラックと前記カーボンブラックの表面に存在する樹脂とを有する樹脂被覆カーボンブラック粒子、カーボンブラックと前記カーボンブラックの表面に存在する界面活性剤とを有する界面活性剤処理カーボンブラック粒子、及び水を少なくとも含有し、
    前記カラーインクが、カラー顔料と前記カラー顔料の表面に存在する樹脂とを有する樹脂被覆カラー顔料粒子、カラー顔料と前記カラー顔料の表面に存在する界面活性剤とを有する界面活性剤処理カラー顔料粒子、及び水を少なくとも含有し、
    下記式(1)、式(2)、及び式(3)を満たすことを特徴とするインクセット。
    5.0質量% ≦ P(Bk) ≦ 12.0質量% ・・・式(1)
    3.0質量% ≦ P(CL) ≦ 10.0質量% ・・・式(2)
    [R(CL)/S(CL)] < [R(Bk)/S(Bk)] ・・・式(3)
    ただし、前記式(1)中、P(Bk)は、前記ブラックインクの顔料濃度を表す。前記式(2)中、P(CL)は、前記カラーインクの顔料濃度を表す。前記式(3)中、R(Bk)は、前記ブラックインクに含まれるカーボンブラックに対する前記樹脂被覆カーボンブラック粒子中の前記カーボンブラックの質量割合を表し、S(Bk)は、前記ブラックインクに含まれる前記カーボンブラックに対する前記界面活性剤処理カーボンブラック粒子中の前記カーボンブラックの質量割合を表し、R(CL)は、前記カラーインクに含まれるカラー顔料に対する前記樹脂被覆カラー顔料粒子中の前記カラー顔料の質量割合を表し、S(CL)は、前記カラーインクに含まれる前記カラー顔料に対する前記界面活性剤処理カラー顔料粒子中の前記カラー顔料の質量割合を表す。
  2. ブラックインク及びカラーインクの25℃における粘度が、5.0mPa・s〜12.0mPa・sである請求項1に記載のインクセット。
  3. ブラックインク及びカラーインクが、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤を含有する請求項1から2のいずれかに記載のインクセット。
  4. 下記式(4)、及び式(5)を満たす請求項1から3のいずれかに記載のインクセット。
    7.0質量% ≦ P(Bk) ≦ 10.0質量% ・・・式(4)
    4.0質量% ≦ P(CL) ≦ 9.0質量% ・・・式(5)
  5. 下記式(3’)を満たす請求項1から4のいずれかに記載のインクセット。
    0.01 < [R(CL)/S(CL)] < [R(Bk)/S(Bk)] < 100 ・・・式(3’)
  6. 下記式(6)、及び式(7)を満たす請求項1から5のいずれかに記載のインクセット。
    0.02 < [R(CL)/S(CL)] < 1.00 ・・・式(6)
    1.00 < [R(Bk)/S(Bk)] < 10.00 ・・・式(7)
  7. ブラックインク及びカラーインクが、水溶性有機溶剤を含有する請求項1から6のいずれかに記載のインクセット。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のインクセットの各インクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
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