JP2013218054A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト状定着部材に当接する粗しローラの性能安定化
【解決手段】ステアリング回転体の傾動により粗しローラとベルト状定着部材の巻き付け角の相対位置関係が変化しても、粗しローラがベルト状定着部材に巻き付けられた範囲内に必ず当接するように配置している。これにより定着部材表層の表面粗さを均一に維持することが可能になり、記録材の光沢状態の均一性を保つことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、画像形成装置において画像定着装置として用いて好適な画像処理装置に関する。
画像形成装置は、例えば、電子写真プロセス、静電記録プロセス、磁気記録プロセスなどの画像形成プロセスを用いて記録材に画像を形成するものである。例えば、複写機、プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタなど)、ファクシミリ、それらの複合機能機、ワードプロセッサ等が含まれる。
記録材は、画像形成装置によって現像剤画像(以下、トナー画像と記す)が形成されるものであって、例えば、普通紙、厚紙、封筒、葉書、シール、樹脂製シート、オーバーヘッドプロジェクター用シート(OHTシート)等が含まれる。
画像処理装置としては、記録材に形成された未定着のトナー画像を固着画像として加熱定着或いは圧力定着する定着装置や、記録材に定着されたトナー画像を再加熱や再加圧することで画像の光沢度などを改質する画像改質装置などが挙げられる。
便宜上、画像加熱定着装置を例にして説明する。従来、電子写真方式等を利用した画像形成装置には、トナーによって記録材上に形成された画像を記録材に定着させるために、画像加熱装置である定着装置が搭載されている。その定着装置としては、加熱回転体であるローラもしくはベルト状の定着部材と、加圧回転体であるローラもしくはベルト状の加圧部材を用いた定着装置が一般的に用いられている。
ベルト状定着部材を用いた定着装置では、ベルト定着部材はその回転過程において回転方向と直交する幅方向の一方側又は他方側へ片寄るように移動する現象(ベルトの寄り移動)が発生する。そこで、ベルト状定着部材が所定の寄り範囲から逸脱しないよう、ベルト状定着部材の寄り位置に応じてステアリング回転体を傾動させてベルト部材を寄り制御する方法が用いられている(特許文献1)。
又、近年では、離型剤を含むトナーからなる未定着画像を定着するオイルレス定着方式が広く用いられている。これに応じて、加熱回転体は、シリコーンゴムやフッ素ゴムからなる弾性層と、この弾性層上に設けられた表層である離型層を有するものが広く用いられている。離型層は、一般にフッ素樹脂等の離型性に優れた材料から成るチューブやコーティングで形成される。
オイルレス定着方式は、定着ローラに離型剤としてシリコーンオイル等を塗布するようになっているオイル定着方式と比較して、オイルスジ等による画像の光沢ムラ(グロスムラ)が発生し難い点で有利である。
又、近年では、溶融性をより高めたトナーの開発が盛んに行なわれている。トナーの溶融性を高めることによって、トナーが定着装置によって均一、良好に溶けるようになる。これによって、定着後のトナー層が、より均一、平滑に形成される結果、画像のグロス(光沢度)が向上する。
従って、例えば上記オイルレス定着方式によれば、コート紙のような高光沢の記録材に対して、従来よりも更に高グロスで高画質な画像を追求することが可能である。
しかしながら、このような画像形成装置では、定着処理や加熱処理を重ねるごとに記録材との摺擦などで定着部材の表面性状が部分的に劣化する。そして、定着部材の劣化した表面性状がそのまま定着画像の表面に写し取られて、画像面の均一な光沢状態が得られなくなるという問題がある。
上記課題を解決するために、特許文献2や3に開示されているように、定着部材の表層に対して粗し部材を当接させることで、定着部材表層の表面粗さを均一に維持する技術が提案されている。この粗し部材として、特許文献4で開示されるように、表層がアルミナ系の砥粒を接着した回転可能な粗しローラを定着部材の表層に当接させて粗しニップを形成し、粗しローラを回転駆動させる方式も実用化されている。また、粗しローラを定着部材から接離可能とすることで、粗しローラにより定着部材表面を常時磨耗し、定着部材の寿命が短くならないようにする方式も実用化されている。
特開2010−107659号公報 特開2005−266785号公報 特開2007−34068号公報 特開2008−040363号公報
一方、本発明者等の検討によりベルト状定着部材の表層に対して粗しローラを当接させる場合、以下のような知見を得た。
即ち、ベルト状定着部材の表層に対して粗しローラを当接させる際、ベルト状定着部材裏面に配置された任意のローラに対向して当接させることで、長手の圧力分布や接触面積を安定化することができることが分かった。
しかしながら、寄り制御を行うとステアリング回転体の傾動状態に応じて、粗しローラとベルト状定着部材の巻き付け角の相対位置関係が変化してしまう。そのため、粗しローラの配置によっては、傾動時に粗しローラ対向側のローラからベルトが浮いた位置に粗しローラが当接してしまう。その結果、粗しローラの長手方向で圧力分布や接触面積が変化し、ベルト状定着部材の両端部の粗し状態に差が生じて、記録材の光沢状態の均一性が得られなくなることがあることが判明した。
そこで本発明は、ベルト方式の画像処理装置においてベルト寄り制御に拘わらず粗しローラがベルト部材に安定して当接するようにしてベルト部材表層の表面粗さを均一に維持し記録材の光沢状態の均一性を保つことを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像処理装置の代表的な構成は、表面に離型層を有し、記録材の画像担持面に対向するエンドレスのベルトと、前記ベルトを張架する複数の張架部材であって、少なくとも、前記ベルトを回転駆動する駆動回転体と、傾動されて前記ベルトの幅方向への寄り移動を制御するステアリング回転体と、を含む複数の張架部材と、画像を担持した記録材を挟持搬送しながら画像処理を行うためのニップ部を前記ベルトの表面との間で形成する対向部材と、前記ベルトの表面に当接して粗しニップを形成することで前記ベルトの表面状態を調整する回転可能な粗し部材と、を備えた画像処理装置であって、
前記粗し部材は前記ベルトを介して前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体の回転中心に向かって付勢されており、
前記粗し部材の回転中心と前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体の回転中心を結んだ軸線σの軸線上に形成される、前記粗し部材と前記ベルトとの当接によるニップを粗しニップRとし、
前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体に巻き付けられた前記ベルトの巻き付け角をαとし、
前記駆動回転体と前記ステアリング回転体の長手方向の軸線が水平に保持された状態で、前記駆動回転体と前記ステアリング回転体の回転中心を結んだ軸線で形成された座標系であって、前記粗し部材が前記ベルトを介して当接されている前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体を基準0とし、基準0から反時計回りに成す角度を+、時計回りに成す角度を−とし、
前記基準0から、前記巻き付け角αの境界点までの角度をα1、α2とし、
前記基準0から、前記粗し部材の当接範囲βの境界点までの角度をβ1、β2とし、
前記基準0から、前記粗し部材の軸線σまでの角度を角度δとし、
前記ステアリング回転体が、前記ベルトを幅方向の一方方向に寄り制御するために所定角度γ1に傾動したとき、前記ベルトが前記粗し部材の粗しニップRの方向に移動した角度をθ1、かつ前記粗し部材の軸線σが回転した角度をσ1とし、
前記ステアリング回転体が、前記ベルトを幅方向の他方方向に寄り制御するために所定角度γ2に傾動したとき、前記ベルトが前記粗し部材の粗しニップRの方向に移動した角度をθ2、かつ前記粗し部材の軸線σが回転した角度をσ2としたとき、
β1=α1+θ1−σ1、β2=α2+θ2−σ2となるβ1、β2に対し、前記角度δがβ1≦δ≦β2の関係を満たす範囲に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、ベルト方式の画像処理装置においてベルト寄り制御に拘わらず粗し部材がベルト安定して当接してベルトの表層(離型層)の表面粗さを均一に維持し記録材の光沢状態の均一性を保つことが可能となる。
実施例1の定着装置における定着ベルトの傾動状態と粗しローラの当接位置の関係を説明する模式図(その1)。 実施例1における画像形成装置を説明するための断面図。 実施例1における定着装置の外観斜視図。 同定着装置の要部の横断右側面図(下側ベルトアセンブリBの加圧状態時)。 同定着装置の要部の左側面図(下側ベルトアセンブリBの加圧状態時)。 同定着装置の要部の左側面図(下側ベルトアセンブリBの加圧状態時)。 (a)は下側ベルトアセンブリBの上下動制御のフローチャート、(b)は制御系統のブロック図。 (a)は定着装置の定着動作制御フローチャート、(b)は制御系統のブロック図。 (a)は定着ベルト温度制御フローチャート、(b)は制御系統のブロック図。 (a)は定着ベルト端部位置を検知するためのセンサ部の説明図、(b)は第1と第2のセンサのON/OFF信号の組合せとその時の位置関係を示す図。 ステアリングロールの傾き制御の説明図。 ベルト端部位置とフラグ論理を説明するグラフ図。 定着ベルトの寄り制御フローチャート。 粗し機構(表面性回復機構)の説明図。 (a)は粗し機構の制御フローチャート、(b)は制御系統のブロック図。 表面性回復動作フロー図。 表面性回復動作フロー図。 本発明の課題を説明するためのグラフ。 実施例1の定着装置における定着ベルトの傾動状態と粗しローラの当接位置の関係を説明する模式図(その2)。 実施例2の定着装置における定着ベルトの傾動状態と粗しローラの当接位置の関係を説明する模式図。 実施例3の定着装置における定着ベルトの傾動状態と粗しローラの当接位置の関係を説明する模式図(その1)。 実施例3の定着装置における定着ベルトの傾動状態と粗しローラの当接位置の関係を説明する模式図(その2)。 実施例4の定着装置における定着ベルトの傾動状態と粗しローラの当接位置の関係を説明する模式図(その1)。 実施例4の定着装置における定着ベルトの傾動状態と粗しローラの当接位置の関係を説明する模式図(その2)。 実施例5の定着装置における定着ベルトの傾動状態と粗しローラの当接位置の関係を説明する模式図。
[実施例1]
(1)画像形成装置
図2は本実施例における画像形成装置1の概略構成図であり、記録材(以下、シートと記す)Sの搬送方向Vに沿った断面模式図である。この画像形成装置1は、中間転写インライン方式の4色フルカラー電子写真プリンタ(以下、プリンタと記す)である。このプリンタ1は、プリンタ制御部(以下、CPUと記す)10にインターファイス22を介して接続される外部ホスト装置23から入力する画像データ(電気的な画像情報)に対応した画像をシートSに形成して画像形成物を出力することができる。
CPU10はプリンタ1の動作を統括的に制御する制御手段であり、外部ホスト装置23やプリンタ操作部24と各種の電気的情報信号の授受をする。また、各種のプロセス機器やセンサなどから入力する電気的情報信号の処理、各種のプロセス機器への指令信号の処理、所定のイニシャルシーケンス制御、所定の作像シーケンス制御を司る。外部ホスト装置23は、パーソナルコンピュータ、ネットワーク、イメージリーダ、ファクシミリなどのである。
プリンタ1内には、図面上、左側から右側に第1から第4の4つの画像形成部U(UY、UM、UC、UK)が並設されている。各画像形成部Uはそれぞれの現像器5に収容した現像剤であるトナーの色がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)と異なるだけで、構成は互いに同じ電子写真画像形成機構である。
即ち、各画像形成部Uは、それぞれ、第1の像担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと記す)2と、このドラム2に作用するプロセス手段としての帯電ローラ3、レーザスキャナ4、現像器5、一次転写ローラ6などを有する。
各画像形成部Uのドラム2はそれぞれ矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。そして、第1の画像形成部UYのドラム2には形成するフルカラー画像のY色成分像に対応するY色トナー画像が形成される。第2の画像形成部UMのドラム2にはM色成分像に対応するM色トナー画像が形成される。また、第3の画像形成部UCのドラム2にはC色成分像に対応するC色トナー画像が形成される。第4の画像形成部UKのドラム2にはK色成分像に対応するK色トナー画像が形成される。各画像形成部Uのドラム2に対するトナー画像の形成プロセス・原理は公知に属するからその説明は省略する。
各画像形成部Uの下側には中間転写ベルトユニット7が配設されている。このユニット7は、第2の像担持体としての可撓性を有する無端状の中間転写ベルト8を有する。ベルト8は、駆動ローラ11と、テンションローラ12と、二次転写対向ローラ13の3本のローラ間に懸回張設されている。ベルト8は駆動ローラ11が駆動されることで矢印の時計方向にドラム2の回転速度に対応した速度で循環移動される。二次転写対向ローラ13にはベルト8を介して二次転写ローラ14が所定の押圧力で当接している。ベルト8と二次転写ローラ14との当接部が二次転写ニップ部である。
各画像形成部Uの一次転写ローラ6はベルト8の内側に配設されていて、それぞれ、ベルト8を介してドラム2の下面に当接している。各画像形成部Uにおいてドラム2とベルト8との当接部が一次転写ニップ部である。一次転写ローラ6には所定の制御タイミングで所定の一次転写バイアスが印加される。
各画像形成部Uのドラム2にそれぞれ形成されたY色トナー、M色トナー、C色トナー、K色トナーが循環移動するベルト8の表面に各一次転写ニップ部において順次に重畳されて一次転写される。これにより、ベルト8上に4色重ね合わせも未定着のフルカラートナー画像が合成形成されて、二次転写ニップ部に搬送される。
一方、第1または第2の給紙カセット15または16に収容されているシートSが給紙機構の動作により1枚分離給送され、搬送路17を通ってレジストローラ対18に送られる。レジストローラ対18は、シートSを一旦受け止めて、シートが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対18は、ベルト8上のトナー画像と同期を取って、シートSを二次転写ニップ部に搬送する。
シートSが二次転写ニップ部で挟持搬送される間、二次転写ローラ14には所定の二次転写バイアスが印加される。これにより、シートSに対してベルト8側のフルカラートナー画像が一括して順次に二次転写される。そして、二次転写ニップ部を出たシートSはベルト8の面から分離され、搬送路19を通って、画像処理装置としての画像加熱定着装置100に導入される。シートSは定着装置100で加熱・加圧されて未定着トナー画像が固着画像として定着される。定着装置100を出たシートSはフルカラー画像形成物として排出ローラ対20によって排出トレイ21へ搬送されて排出される。
(2)定着装置100
図3は本実施例における定着装置100の外観斜視図である。図4は同装置100の要部の横断右側面図であり、下側ベルトアセンブリBの加圧状態時を示している。図5は同装置100の要部の横断右側面図であり、下側ベルトアセンブリBの加圧解除状態時を示している。図6は同装置100の要部の左側面図であり、下側ベルトアセンブリBの加圧状態時を示している。図7はベルト寄り制御機構部分の斜視図である。
ここで、定着装置100又はこれを構成している部材に関して、長手方向(長手)または幅方向(幅)とはシート搬送路面内において、シートSの搬送方向Vに直交する方向に並行な方向(もしくはその方向の寸法)である。短手方向(短手)とはシート搬送路面内において、シートSの搬送方向Vに並行な方向(もしくはその方向の寸法)である。
また、定着装置100について正面とはシート入口側の面、背面とはシート出口側の面、左右とは装置を正面から見て左又は右である。本実施例においては左側を手前側、右側を奥側とする。上下とは重力方向において上又は下である。上流または下流とはシートSの搬送方向Vに関して上流又は下流である。ベルトまたはシートの幅とはシート搬送方向に直交する方向の寸法である。
本実施例の画像処理装置としての定着装置100は、ベルトニップ方式、電磁誘導加熱(IH)方式、オイルレス定着方式の画像加熱装置である。
この定着装置100は、加熱ユニットとしての上側ベルトアセンブリAと、加圧ユニットとしての下側ベルトアセンブリBを有する。また、上側ベルトアセンブリAに対する下側ベルトアセンブリBの加圧−離間機構(接離手段)を有する。また、上側ベルトアセンブリAにおける定着ベルト105を加熱する加熱手段であるIHヒータ(磁束発生手段)170、定着ベルト105の寄り制御機構、定着ベルト105の表面性を回復する粗し機構(表面性回復機構)等を有する。以下、これらについて順次に説明する。
(2−1)上側ベルトアセンブリAとIHヒータ170
上側ベルトアセンブリAは装置筐体の左右の上側板140間に配設されている。このアセンブリAは、表面に離型層を有し、シートSの画像担持面に対向する回転体(加熱回転体:ベルト状定着部材)としての可撓性を有するエンドレスの定着ベルト105を有する。また、この定着ベルト105を張架(懸架)する複数の張架部材としての、駆動ロール(駆動回転体:定着ローラ)131、テンションロールを兼ねるステアリングロール(ステアリング回転体)132、パッドステー137を有する。
駆動ロール131は左右の上側板140間においてシート出口側に配設されており、左右の軸部131aが、それぞれ、左右の上側板140間にベアリング(不図示)を介して回転可能に支持されている。
左右の上側板140の外側には、それぞれ、駆動ロール131側からシート入口側に延びているステアリングロール支持アーム154が配設されている。右側の支持アーム154(不図示)は右側の上側板140(不図示)に対して固定されている。図7を参照して、左側の支持アーム154は駆動ロール131の左側の軸131aに対してベアリング154aを介して支持させてあり、軸131aを中心上下方向に揺動可能である。左側の支持アーム154の自由端部にはピン151が植設されている。また、左側の上側板140の外面にはシート入口側に軸160が植設されている。
この軸160に対してU字型の溝部161aを有するフォーク板161が一体に設けられたウォームホィール(はす歯歯車)152が回転可能に支持されている。そして、左側の支持アーム154のピン151はフォーク板161の溝部161aに係合している。上側板140にはステッピングモータ155が配設されている。このモータ155の回転軸に固着されたウォーム157がウォームホィール152に噛合している。
ステッピングモータ155が正転駆動または逆転駆動されることでウォーム157、ウォームホィール152を介してフォーク板161が上方向または下方向に回動する。これに連動して左側の支持アーム154が軸131aを中心に上方向または下方向に回動する。
ステアリングロール132は左右の上側板140間においてシート入口側に配設されており、左右の軸部132aが、それぞれ、上記の左右の支持アーム154に対して軸受153を介して回転可能に支持されている。軸受153は支持アーム154に対してベルトテンション方向にスライド移動可能に支持されていると共にテンションバネ156により駆動ロール131から遠のく方向に移動付勢されている。
パッドステー137は例えばステンレス鋼(SUS材)で形成された部材である。パッドステー137は、定着ベルト105の内側において駆動ロール131とステアリングロール132との間の駆動ロール131寄りにパッド受け面を下向きにして、左右両端部が左右の上側板140間に固定されて支持されている。
駆動ロール131、ステアリングロール132、パッドステー137に掛け渡されている定着ベルト105はテンションバネ156の付勢力によるステアリングロール132のベルトテンション方向への移動により所定のテンション(張力)が掛けられている。本実施例においては200Nのテンションを掛けている。パッドステー137の下向きのパッド受け面に対して定着ベルト105の下行側のベルト部分の内面が接している。
定着ベルト105としては、IHヒータ170により発熱させられるとともに耐熱性を具備したものであれば適宜選定して差し支えない。例えば厚さ75μm、幅380mm、周長200mmのニッケル金属層もしくはステンレス層などの磁性金属層に、例えば厚さ300μmのシリコンゴムをコーティングし、表層(離型層)にPFAチューブを被覆したものが用いられる。
駆動ロール131は例えば中実ステンレスによって外径がφ18に形成された芯金表層に耐熱シリコンゴム弾性層を一体成型により形成したロールである。駆動ロール131は、定着ベルト105と後述する第2の回転体としての加圧ベルト120とで形成される定着ニップ部Nのニップ域のシート出口側に配設され、後述する加圧ロール121の圧接により弾性層が所定量弾性的に歪ませられるものである。
本実施例では駆動ロール131と加圧ロール121とが定着ベルト及び加圧ベルト120を挟んで形成するニップ形状を略ストレートに形成している。しかし、シートSの定着ニップ部N内での速度差によるシートSの座屈を制御するために駆動ロール131と加圧ロール121のクラウン形状を意図的に逆クラウン形状とするなど、様々なロールのクラウン形状を取ることも可能である。
ステアリングロール132は例えばステンレスによって外径がφ20、内径φ18程度に形成された中空ロールである。このステアリングロール132は定着ベルト105を張架して張りを与えるテンションローラとして機能するとともに、後述する寄り制御機構により傾きが制御されて定着ベルト105の移動方向に直交する幅方向への蛇行を調整するステアリングロールとして働く。
駆動ロール131にはロール軸131aの左端側に駆動入力ギアGが同軸に固定して配設されている。このギアGに対して駆動モータ301(図3)から駆動伝達手段(不図示)を介して駆動入力がなされ、駆動ロール131が図4の矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。
この駆動ロール131の回転によって定着ベルト105が矢印の時計方向に駆動ロール131の速度に対応した速度で循環搬送される。ステアリングロール132はベルト105の循環搬送に従動して回転する。定着ベルト105の下行側ベルト部分の内面はパッドステー137の下向きのパッド受け面に対して摺動して移動する。シートSを後述する定着ニップ部Nで安定的に搬送するために、定着ベルト105と駆動ロール131間では確実に駆動を伝達している。
定着ベルト105を加熱する加熱手段としてのIHヒータ170は、励磁コイルと磁性体コアとそれらを保持するホルダーなどから構成されている誘導加熱コイルユニットである。上側ベルトアセンブリAの上側に配置されており、定着ベルト105の上面部分とステアリングロール132の部分にかけて定着ベルト105に非接触に所定の間隔を存して対向させて、左右の上側板140間に固定して配設されている。
IHヒータ170の励磁コイルは交流電流が供給されることによって交流磁束を発生し、交流磁束は磁性体コアに導かれて誘導発熱体である定着ベルト105の磁性金属層に渦電流を発生させる。その渦電流は誘導発熱体の固有抵抗によってジュール熱を発生させる。励磁コイルに供給される交流電流は、定着ベルト105の表層温度を検知するためのサーミスタ220からの温度情報をもとに定着ベルト105の表面温度が140〜200℃程度(目標温度)に温調制御される。
(2−2)下側ベルトアセンブリBと加圧-離間機構
下側ベルトアセンブリBは上側ベルトアセンブリAの下側に配置されている。このアセンブリBは定着装置100のシート出口側において左右の下側板303に固定して設けられたヒンジ軸304を中心に上下方向に回動可能に支持されている下フレーム(加圧フレーム)306に対して組みつけられている。
このアセンブリBは、上側ベルトアセンブリA側の定着ベルト105とニップ部Nを形成する対向部材(加圧回転体:加圧部材)としての可撓性を有する無端状の加圧ベルト(エンドレスベルト)120を有する。また、この加圧ベルト120を張りを持たせて懸架する複数のベルト懸架部材としての、加圧ロール(加圧ローラ)121、テンションロール122、加圧パッド125を有する。
加圧ロール121は左右の軸部121aが、それぞれ、下フレーム306の左右の側板間にベアリング159を介して回転可能に支持されている。テンションロール122は左右の軸部122aが、それぞれ、下フレーム306の左右の側板に軸受158を介して回転可能に支持されている。軸受158は下フレーム306に対してベルトテンション方向にスライド移動可能に支持されていると共にテンションバネ127により加圧ロール121から遠のく方向に移動付勢されている。
加圧パッド125は例えばシリコンゴムで形成された部材であり、下フレーム306の左右の側板間に左右両端部が固定されて支持されている。加圧ロール121は下フレーム306の左右の側板間においてシート出口側に位置している。テンションロール122は下フレーム306の左右の側板間においてシート入口側に位置している。加圧パッド125は加圧ベルト120の内側において加圧ロール121とテンションロール122との間の加圧ロール121寄りにパッド面を上向きにして非回転に支持されて配置されている。
加圧ロール121、テンションロール122、加圧パッド125に掛け渡されている加圧ベルト120はテンションバネ127の付勢力によるテンションロール122のベルトテンション方向への移動により所定のテンション(張力)が掛けられている。本実施例においては200Nのテンションを掛けている。加圧パッド125の上向きのパッド面に対して加圧ベルト120の上行側のベルト部分の内面が接している。
加圧ベルト120としては耐熱性を具備したものであれば適宜選定して差し支えない。例えば、厚さ50μm、幅380mm、周長200mmのニッケル金属層に例えば厚さ300μmのシリコンゴムをコーティングし、表層(離型層)にPFAチューブを被覆したものが用いられる。加圧ロール121は例えば中実ステンレスによって外径がφ20に形成されたロールである。また、テンションロール122は例えばステンレスによって外径がφ20、内径φ18程度に形成された中空ロールである。
下側ベルトアセンブリBは接離手段としての加圧−離間機構によりヒンジ軸304を中心に上下方向に回動制御される。即ち、下側ベルトアセンブリBは加圧−離間機構により持ち上げ回動されることで図4のように加圧位置に移動される。また、持ち下げ回動されることで図5のように離間位置に移動される。
下側ベルトアセンブリBは加圧位置に移動されることで、加圧ロール121と加圧パッド125とがそれぞれ上側ベルトアセンブリAの駆動ロール131とパッドステー137とに対して加圧ベルト120および定着ベルト105を挟んで所定の加圧力で圧接する。これにより、上側ベルトアセンブリAの定着ベルト105と下側ベルトアセンブリBの加圧ベルト120との間にシートSの搬送方向Vにおいて所定幅の定着ニップ部Nが形成される。また、下側ベルトアセンブリBは離間位置に移動されることで、上側ベルトアセンブリAに対して加圧が解除されて非接触に離間する。
本実施例における上記の加圧−離間機構について説明する。下フレーム306には、ヒンジ軸304側とは反対側に、下側ベルトアセンブリBを上側ベルトアセンブリAに対して弾性的に圧接するための加圧バネ305を有する加圧バネユニットが配設されている。
左右の下側板303間の下部には加圧カム軸307が回転可能に軸受けされて配設されている。この加圧カム軸307の左右側にそれぞれ下フレーム306の下面を支持する同形状・同位相の一対の偏心加圧カム308が固定して配設されている。加圧カム軸307の右端側には加圧ギア309(図3)が同軸に固定して配設されている。このギア309に対して加圧モータ302から駆動伝達手段(不図示)を介して駆動入力がなされ、加圧カム軸307が回転駆動される。
加圧カム軸307は、偏心加圧カム308について図4、図6のように大隆起部を上向きにした第1の回転角位置と、図5のように大隆起部を下向きにした第2の回転角位置とに回転制御される。
加圧カム軸307が第1の回転角位置に回転されて停止されることで、下側ベルトアセンブリBを搭載している下フレーム306が偏心加圧カム308の大隆起部により持ち上げられる。そして、下側ベルトアセンブリBが上側ベルトアセンブリAに対して加圧バネユニットの加圧バネ305を押し縮めながら当接する。これにより、下側ベルトアセンブリBが上側ベルトアセンブリAに対して加圧バネ305の圧縮反力で弾性的に所定の圧力(例えば400N)で押圧付勢され、図4の加圧位置に保持される。
ここで、駆動ロール131に対する加圧ロール121の圧接により駆動ロール131には加圧ロール121と接する方向と逆側に数百ミクロン程度の反り変形が生じる。この定着ロール131の反り変形は、定着ニップ部Nの長手方向の中央部での圧抜けの要因となる。この圧抜けをなくすために駆動ロール131または駆動ロール131および加圧ロール121はクラウン形状を取ることで、駆動ロール131と加圧ロール121によるニップ形状を略ストレートに形成している。本実施例では駆動ロール131に300μmの正クラウン形状を設けている。
また、加圧カム軸307が第2の回転角位置に回転されて停止されることで、偏心加圧カム308の大隆起部が下向きとなり小隆起部が下フレーム306の下面に対応して下側ベルトアセンブリBが持ち下げられる。即ち、下側ベルトアセンブリBは上側ベルトアセンブリAに対して加圧が解除されて非接触に所定に離間した図5の離間位置に保持される。
図8の(a)の制御フローチャートと(b)の制御系統のブロック図により下側ベルトアセンブリBの上下動制御を説明する。
下側ベルトアセンブリBは常時は図5の離間位置に保持されている。CPU10による加圧命令により<S13−001>、モータドライバ302Dを介して加圧モータ302がCW方向に所定の回転数であるN回転し<S13−002>、加圧カム軸307が半回転駆動される。これにより、偏心加圧カム308が図5の第2の回転角位置から図4、図6の第1の回転角位置に転換されて、下側ベルトアセンブリBが持ち上げ回動され加圧ロール121と加圧パッド125が加圧位置に移動する<S13−003>。
即ち、加圧ロール121と加圧パッド125が上側ベルトアセンブリAの駆動ロール131とパッドステー137に加圧ベルト120と定着ベルト105を挟んで所定の当接圧で圧接する。これにより、定着ベルト105と加圧ベルト120との間にシート搬送方向Vにおいて所定幅の定着ニップ部Nが形成される<S13−004>。
また、下側ベルトアセンブリBが図4の加圧位置に保持されている状態において、CPU10による加圧命令により<S13−005>、モータドライバ302Dを介して加圧モータ302がCCW方向に所定の回転数であるN回転される<S13−006>。これにより、加圧カム軸307が半回転駆動され、偏心加圧カム308が図4、図6の第1の回転角位置から図5の第2の回転角位置に転換される。即ち、下側ベルトアセンブリBが持ち下げ回動されて加圧ロール121と加圧パッド125が離間位置に移動する<S13−008)。これにより、定着ニップ部Nの形成が解除される<S13−009>。
(2−3)定着動作と温調制御
次に、図9の(a)の制御フローチャートと(b)の制御系統のブロック図により定着装置100の定着動作について説明する。定着装置100の待機状態時において、下側ベルトアセンブリBは図5の離間位置に保持されている。駆動モータ301は駆動が停止されている。IHヒータ170への給電も停止している。
CPU10はプリントジョブ開始信号の入力に基づいて所定の作像シーケンス制御を開始する。定着装置100については所定の制御タイミングにおいてモータドライバ302Dを介して加圧モータ302を駆動して加圧カム軸307を半回転駆動させることで下側ベルトアセンブリBを図5の離間位置から図4の加圧位置に移動させる。これにより、定着ベルト105と加圧ベルト120との間に定着ニップ部Nが形成される<S16−001>。
次に、CPU100はモータドライバ301Dを介して駆動モータ301を駆動して駆動入力ギアGに駆動を入力する。これにより、上側ベルトアセンブリAの駆動ロール131が前記のように駆動されて定着ベルト105の回転が開始される。
また、駆動入力ギアGの回転力が駆動ギア列(不図示)を介して下側ベルトアセンブリBの加圧ロール121にも伝達されて、加圧ロール120が図4において矢印の反時計方向に回転駆動される。この加圧ロール121の回転に伴い、また回転する定着ベルト105との摩擦力で加圧ベルト120が矢印の反時計方向に回転を開始する<S16−002>。定着ベルト105と加圧ベルト120の移動方向は定着ニップ部Nにおいて同方向であり移動速度もほぼ同じである。
次に、CPU100はヒータコントローラ170C(図10の(b))、ヒータドライバ170Dを介してIHヒータ170に電力を供給することにより回転する定着ベルト105を電磁誘導加熱して所定の目標温度に立ち上げて温調制御する。即ち、通紙されるシートSの坪量や紙種に応じて定着ベルト105を140度から200度の目標温度(本実施例では150℃程度)に立ち上げて維持する温調制御を開始する<S16−003>。
そして、定着ニップ部Nの形成、定着ベルト105及び加圧ベルト120の回転、定着ベルト105の温度立ち上げと温調がなされた状態において、画像形成部より、表面に未定着トナー画像t(図4)が形成されているシートSが定着装置100に導入される。シートSは定着装置100のシート入口部に配設されている入口ガイド184に案内されて定着ベルト105と加圧ベルト120との圧接部である定着ニップ部Nへ進入する。入口ガイド184にはフォトインタラプタを備えたフラグセンサ185が配置されており、シートSの通過タイミングの検知を行う。
シートSは画像担持面が定着ベルト105に対向し、その反対面が加圧ベルト120に対向して定着ニップ部Nで挟持搬送されていく。そして、未定着トナー画像tが定着ベルト105の熱とニップ圧によりシート面に固着画像として定着される。定着ニップ部Nを通過したシートSは定着ベルト105に表面から分離して定着装置100のシート出口側から出て排出ローラ対20(図2)によって排出トレイ21へと搬送排出される。
そして、所定の1枚または連続複数枚のプリントジョブにおけるシートSの搬送が終了したら、CPU10は定着ベルト105の加熱、温調制御を終了してIHヒータ170への電力供給をOFFにする<S16−004)。また、駆動モータ301をOFFにして定着ベルト105及び加圧ベルト120の回転を停止させる<S16−005>。
また、モータドライバ302Dを介して加圧モータ302を駆動して加圧カム軸307を半回転駆動させることで下側ベルトアセンブリBを図4の加圧位置から図5の離間位置に移動させる。これにより、定着ベルト105と加圧ベルト120と定着ニップ部Nが解除される(S16−006>。この状態において、CPU10は次のプリントジョブ開始信号の入力待ちをする。
図10の(a)の制御フローチャートと(b)の制御系統のブロック図により定着ベルト105の温度制御を説明する。上側ベルトアセンブリAには定着ベルト105の表面温度を検知する温度検知部材としてのサーミスタ220が配設されている。CPU10はプリントジョブ開始信号の入力に基づいて所定の制御タイミングでヒータコントローラ170C・ヒータドライバ170Dを介してIHヒータ170に電力を印加する<S17−001>。定着ベルト105はIHヒータ170による電磁誘導加熱により昇温する。
その定着ベルト105の温度がサーミスタ220により検知されて検知温度情報(温度に関する電気的情報)がCPU10に入力する。CPU10はサーミスタ220による検知温度が所定の規定値(目標温度)以上となったらIHヒータ170に対する電力を停止する。その後、CPU10はサーミスタ220による検知温度が所定の規定値よりも低くなったら<S17−004のNo>、IHヒータ170に対する電力の印加<S17−001>を再開する。
上記のステップS17−001〜S17−004の繰り返しにより定着ベルト105が所定の目標温度に温調維持される。そして、上記の定着ベルト温調制御が所定の1枚または連続複数枚のプリントジョブの終了<S17−005>まで実行される。
(2−4)ベルト寄り制御機構
定着ベルト105はその回転過程においてシート搬送方向Vと直交する幅方向W(図1、図11の(a)、図12)の一方側又は他方側へ片寄るように移動する現象(ベルトの寄り移動)が発生する。定着ベルト105に圧接して定着ニップ部Nを形成する加圧ベルト120も定着ベルト105と一緒に寄り移動する。
本実施例においてはこの定着ベルト105の寄り移動をスイング型寄り制御で所定の寄り範囲内に安定させるようにしている。スイング型寄り制御はベルト位置が幅方向中央部から所定量以上移動したことを検知した場合にステアリングロール132を定着ベルト132の寄り移動方向と反対向きに傾動させる方法である。
このスイング型寄り制御を繰り返すことにより、定着ベルト105が周期的に幅方向の片側(幅方向の一方方向)からもう一方(幅方向の他方方向)の側まで移動するため、ベルトの寄り移動を安定して制御することができる。即ち、定着ベルト105はシートSの搬送方向Vと直交する方向Wに往復移動可能に構成されている。
上側ベルトアセンブリAにおいて、定着ベルト105の左側(手前)でステアリングロール132寄りの位置に定着ベルト端部位置を検知するためのセンサ部150(図11の(a))が設けられている。CPU10はこのセンサ部150によって定着ベルト105の端部位置(ベルト寄り移動位置)を検出し、それに応じて、ステアリングロール132の傾きを変化させることで、ベルト回転時におけるベルト寄り制御を行っている。
CPU10はセンサ部150によって定着ベルト105の端部位置を検出し、それに応じて、ステッピングモータ155を正転方向(CW)または逆転方向(CCW)に所定の回転数回転させる。これにより、前述した図6・図7の機構157、152、161、151を介して、左側のステアリングロール支持アーム154が軸131aを中心に上方または下方に所定の制御量だけ回動する。これに連動して、ステアリングロール132の傾きが変化(図12)して定着ベルト105の寄り制御がなされる。
センサ部150は第1と第2の二つのセンサ150a、150b、及び軸150fを中心に正転方向または逆転方向に回動可能なセンサフラグ150cを有する。このセンサフラグ150cの正転方向または逆転方向の回動により第1と第2のセンサ150a、150bがそれぞれ所定の関係をもってON、OFFされる。また、センサ部150は軸150hを中心に正転方向または逆転方向に回動可能なセンサアーム150dを有する。
センサアーム150dはセンサバネ150eにより定着ベルト105の右側端面に当接する方向に軸150hを中心に回動付勢されている。本実施例においては、センサアーム150dをセンサバネ150eにより定着ベルト105の右側端面に対して3gfの力で常時押圧当接させている。従って、センサアーム150dは定着ベルト105の寄り移動に追従して軸150hを中心に正転方向または逆転方向に回動動作する。
センサフラグ150cとセンサアーム150dはピンと長穴による連結機構150iにより連結されている。従って、定着ベルト105の寄り移動に追従してセンサアーム150dは正転方向または逆転方向の回動し、このセンサアーム150dの回動に連動してセンサフラグ150cが正転方向または逆転方向に回動する。これにより、第1と第2のセンサ150a、150bがそれぞれ所定の関係をもってON、OFFされる。CPU10は第1と第2のセンサ150a、150bそれぞれのON/OFF信号の組合せにより、定着ベルト105の寄り位置検出を行う。
第1と第2のセンサ150a、150bのON/OFF信号の組合せとその時の位置関係を図11の(b)に、その時の定着ベルト105の端面位置の関係を図13に示す。また、寄り制御フローチャートを図14に示す。なお、各センサ150a、150bをセンサフラグ150cが遮光した時に信号はOFFとなり、投光したときにON信号となる。定着ベルト105の右側が手前側、左側が奥側である。
前述のようにCPU10は、プリントジョブ開始信号の入力に基づいて所定の制御タイミングにて上側ベルトユニットAに対して下側ベルトユニットBを加圧当接させて定着ニップ部Nを形成させる。次いで、駆動モータ301の回転を開始させる<S11−001>。これにより定着ベルト105及び加圧ベルト120が回転する。CPU10はこの駆動モータ301の回転開始時からベルト寄り制御を開始する<S11−002>。
定着ベルト105は第1のセンサ150aがON、第2のセンサ150bがOFFの位置<S11−006>と、第1のセンサ150aがOFF、第2のセンサ150bがONとなる位置<S11−009>の間を往復する。その区間内で定着ベルト105が存在する様にスイング型寄り制御を行っている。加圧ベルト120はこの定着ベルト105の寄り制御に伴って定着ベルト105と一緒に寄り移動する。
その区間の距離は、定着ベルト105がその回転軸方向に、中心位置から±1.5mmとしている。CPU10はセンサ部150で検知した定着ベルト105の位置よりモータドライバ155を介してステッピングモータ159に所定の駆動パルスを出力する<S11−007><S11−010>。ステアリングロール132はステッピングモータ159に駆動され駆動ロール131に対して±2°傾けることで制御を行う<S11−008>(S11−011>。
寄り制御が不能となる状態では、定着ベルト105の端面が中心位置から±3mmの位置にくると、第1と第2のセンサ150a、150bが共にOFFとなる<S11−003>。この時、CPU10は異常発生と判断し(S11−004>、プリンタ1のプリント動作(画像形成動作)を緊急停止させる。定着装置100については、IHヒータ170への電力供給をOFFにして定着ベルト105の加熱を停止すると共に駆動モータ301をOFFにして定着ベルト105と加圧ベルト120の回転を停止させる<S11−005>。
また、CPU10はプリンタ操作部24(図2)の表示部に定着装置100の異常発生を表示して使用者にサービスマンへの連絡を促す。遠隔監視システムである場合にはCPU10はサービス会社に異常発生を通報する。
(2−5)定着ベルト105の粗し機構
次に、図15を用いて定着ベルト105の表面性回復(ベルト105の表面状態の調整)を行う粗し機構(表面性回復機構)について説明する。本実施例においては、上側ベルトユニットAの駆動ロール131の上方に、定着ベルト105に当接して摺擦することで定着ベルト105の表面性を回復させる摺擦部材(回転可能な粗し部材)としての粗しローラ400が配設されている。粗しローラ400は、装置筐体の左右の上側板140にそれぞれ同軸に固定された固定軸142に回転可能に支持された左右一対のRF支持アーム141間に軸受け(不図示)を介して回転可能に支持されている。
粗しローラ400はφ12mmのステンレス製の芯金の表面に接着層を介して砥粒を密に接着してある。砥粒は、用途(画像の目標光沢度)に合わせて#1000〜#4000番手に変更される。砥粒の平均粒径は、#1000番手の場合は約16μm、#4000番手の場合は約3μmである。砥粒は、アルミナ系(通称「アランダム」または「モランダム」とも称される)である。アルミナ系は、工業的に最も幅広く用いられる砥粒で、定着ベルト105の表面に比べて各段に硬度が高く、粒子が鋭角形状のため研磨性に優れている。
左右のRF支持アーム141の上側には、それぞれ、RFカム(偏心カム)407が配設されている。左右のRFカム407は装置筐体の左右の上側板140間に回転可能に軸受けされて支持されたRFカム軸408に対して同形状・同位相で固定されている。左右のRF支持アーム141は、それぞれ、粗しローラ400を支持している側とは反対側のアーム端部と左右の上側板140にそれぞれ固定した固着したRF離間軸406との間にRF離間ばね405が張設されている。
このRF離間ばね405の張力により左右のRF支持アーム141はそれぞれ固定軸142を中心に粗しローラ400を持ち上げる方向に常時回動付勢されており、アーム上面が対応する左右のRFカム407の下面に弾性的に押圧されている。図15の(b)のように、RFカム軸408の右側端部にはRF着脱ギア409が固定されている。このRF着脱ギア409に対してRF加圧モータ410のRFモータギア411が噛合している。
本実施例においては、左右のRFカム407は常時は図4、図5のように大隆起部が上向きとなっている回転角の第1姿勢で停止されている。この状態時においては、左右のRF支持アーム141はそれぞれ対応するRFカム407の小隆起部に対応している。そのため、粗しローラ400は定着ベルト105に対して所定に離間している離間位置に保持されている。即ち、粗しローラ400は定着ベルト105の上方に持ち上げられていて定着ベルト105には作用しない。
左右のRFカム407は上記の第1姿勢から180°回転されて図15の(a)のように大隆起部が下向きとなっている回転角の第2姿勢に転換されて保持される。この状態時においては、左右のRF支持アーム141がそれぞれ対応するRFカム407によりRF離間ばね405に抗して固定軸142を中心に押し下げられる。
そして、粗しローラ400が駆動ロール131のベルト懸回部において定着ベルト105の表面に所定の押圧力で接触して粗しニップRを形成する加圧位置に転換されて保持される。即ち、粗しローラ400は定着ベルト105を介して駆動ロール131の回転中心に向って付勢されている。上記において、RF支持アーム141、RFカム407が粗しローラ400を揺動可能に支持するとともに、定着ベルト104を介して駆動ロール131に向かって付勢する粗し部材支持手段(機構)である。
また、駆動ロール131の端部に固定されたRF駆動ギア401に対して粗しローラ400の端部に固定されたRFギア403が噛合する。これにより、駆動ロール131の回転力がRF駆動ギア401とRFギア403を介して粗しローラ400に伝達されて、粗しローラ400は定着ベルト105と逆方向に回転する。即ち、表面に研磨層を備えた粗しローラ400は、定着ベルト105に対してウィズ方向(表面が同一方向へ移動する方向)に周速差を持って回転して、定着ベルト105の表面を一様に荒らす機能(表面を均す機能:表面状態を調整する機能)を有している。
即ち、摺擦部材である粗しローラ400は定着ベルト105に対して周速差を持って回転するローラ部材である。粗しローラ400上記の離間位置と加圧位置との位置転換は左右のRFカム407がRF加圧モータ410により、RFモータギア411、RF着脱ギア409、RFカム軸408を介して上記のように第1姿勢と第2姿勢とに姿勢転換されることでなされる。なお、図15の(a)においては、上側ベルトユニットAに加圧されて定着ニップ部Nを形成している下側のベルトユニットBは省略している。
図16の(a)は上記の粗し機構の動作制御フローチャートである。粗し機構の左右のRFカム407は上記のように常時は図4、図5のように大隆起部が上向きとなっている回転角の第1姿勢で停止されている。即ち、粗しローラ400は定着ベルト105に対して所定に離間している離間位置に保持されている。
CPU100は所定の加圧制御タイミング<S15−001:加圧命令>にて、モータドライバ410DによりRF加圧モータ410をCW方向に所定の回転数であるM回転する<S15−002>。それにより、左右のRFカム407が第1姿勢(図4、図5)から第2姿勢(図15の(a))に転換されて、粗しローラ400が離間位置から加圧位置に移動される<S15−003>。粗しローラ400が加圧位置に移動することで、定着ベルト105と粗しローラ400が圧接し粗しニップRが形成される<S15−004>。
そして、CPU100は所定の離間制御タイミング(S15−005:離間命令)にて、モータドライバ410DによりRF加圧モータ410をCCW方向に所定の回転数であるM回転する<S15−006>。それにより、左右のRFカム407が第2姿勢(図15の(a))から第1姿勢(図4、図5)に戻し転換されて、粗しローラ400が加圧位置から離間位置に移動される<S15−007>。粗しローラ400が離間位置に移動することで、定着ベルト105と粗しローラ400が圧接し粗しニップRが解除される<S15−008>。
次に、粗しローラ400による定着ベルト105の表面性回復動作に入るタイミングについて説明する。本実施例においては、CPU10はプリントジョブの実行において定着装置100に通紙したシートSの枚数を通紙枚数カウンタでカウントしてその積算値を記憶している。
そして、所定の通紙枚数(積算閾値)Nをカウントした場合、実行しているプリントジョブの終了後、またはプリントジョブの実行を中断して、粗しローラ400による定着ベルト105の表面性回復動作を実行する。また、通紙枚数カウンタを0にリセットする。プリントジョブを中断した場合は、定着ベルト105の表面性回復動作を実行した後、残りプリントジョブを再開する。
図17は上記の表面性回復動作フロー図である。CPU10は通紙枚数積算値が所定の通紙枚数N以上となったら<S18−001>、実行しているプリントジョブの終了後またはプリントジョブを一時中断して<S18−002>、表面性回復動作を開始する<S18−003>。また、通紙枚数カウンタを0にリセットする。表面性回復動作が終了すると、次のプリントジョブ待ちの状態、または中断されたプリンタジョブの再開しその終了後に次のプリントジョブ待ちの状態となる<S18−004>。
尚、本実施例では、定着装置100に対する所定枚数の通紙後に粗しローラ400による定着ベルト105の表面性回復動作に入る例について述べた。これに限定されず、特定の紙のみの通紙枚数をカウントしたり、特定の種類のシートのプリントジョブ前や、プリント待ち状態でのプリンタ操作部24(図2)からのユーザーの操作により適時に定着ベルト105の表面性回復動作を実行させても良い。
次に図18を用い定着ベルト105の表面性回復動作の詳細について説明する。CPU10は粗しローラ400を加圧位置に移動させて定着ベルト105に対して粗しニップRを形成する<S19−001>。
次に、駆動モータ301をONにして所定時間T1回転させる。即ち、定着ベルト105を所定の時間回転T1回転させる<S19−002>。この時、220gsm程度の坪量の用紙でRz2.0程度に荒らされた表面をRz0.5〜1.0程度に回復させる。
所定の時間T1経過後、CPU10は粗しローラ400を離間位置に移動させて定着ベルト105に対する粗しニップRを解除する<S19−003>。最後に駆動モータ301の回転を停止させて<S19−004>、定着ベルト表面性回復動作が終了される。
(2−6)定着ベルト105の傾動状態と粗しローラ400の当接位置の関係
次に、定着ベルト105の傾動状態と粗しローラ400の当接位置の関係について説明する。図1は本実施例1の定着装置100における定着ベルト105の傾動状態と粗しローラ400の当接位置の関係を説明する模式図、図19は定着ベルト105の巻き付け角と粗しローラの当接位置の一例を説明した図である。
なお、図1と図19は図の煩雑を避けるために上側ベルトユニットAにおけるパッドステー137、下側ベルトユニットBにおける加圧パッド125等は省略した簡略図にしてある。後述する実施例2〜4における図21A、図21B、図22A、図22B、図23についても同様である。
前述したように、下側ベルトユニットBは上側ベルトユニットAに対して当接されて定着ベルト105と加圧ベルト120との間で定着ニップ部が形成される。また、ベルト寄り制御機構によるステアリングロール132の傾き変化で定着ベルト105の寄り制御がなされる。また、粗し機構により粗しローラ400が所定の圧力で定着ベルト105を介して駆動ロール131側へと押圧されて回転することで定着ベルト105の表面性回復動作が実行される。
ベルト寄り制御において、ステアリングロール132は自身の長手方向軸線が、駆動ロール131の長手方向軸線とほぼ水平になる位置をニュートラル位置としている。ステアリングロール132はその位置から奥側(右側)を基準に手前側(左側)を上下方向に所定ステアリング角度(所定角度γ1、所定角度γ2)、例えば±2°傾けることができる。それにより駆動ロール131との軸線をずらし、定着ベルト105を前奥側(左右側)に移動させることができる。
ベルト寄り制御時の駆動ロール131に巻き付けられた定着ベルト105の巻き付け角αは、ステアリングロール132の角度に変わらず一定である。しかし、ベルト寄り制御によりステアリングロール132の傾きを変化させた場合、そのステアリング角度に応じて、駆動ロール131に対し巻き付けられた定着ベルト105と粗しローラ400の相対位置が変化する。
それらの位置関係を示すため、まず図1を用いて記号の説明をする。粗しローラ400の回転中心と駆動ロール131の回転中心を結んだ軸線をσ、軸線σの軸線上に形成される粗しローラ400と定着ベルト105との当接ニップを粗しニップRとする。
また、前述したニュートラル位置において、駆動ロール131に巻き付けられた定着ベルト105の巻き付け角をα、粗しローラ400の当接範囲をβとする。駆動ロール131とステアリングロール132の回転中心を結んだ軸線のうち、粗しローラ400が当接しているロール側で作成した座標系を基準0とする。
また、基準0から、巻き付け角αの境界点までの角度をそれぞれα1、α2、基準0から、粗しローラ400の当接範囲βの境界点までの角度をβ1、β2、基準0から、粗しローラ400の軸線σまでの角度をδとする。
また、ステアリングロール132が、定着ベルト105を手前側もしくは奥側のいずれかの方向に寄り制御するために所定角度γ1に傾動したとき、定着ベルト105の境界点がニップR方向に移動した角度をθ1、軸線σが回転した角度をσ1とする。
また、ステアリングロール132が、定着ベルト105を上述した方向と逆方向に寄り制御するために所定角度γ2に傾動したとき、定着ベルト105の境界点がニップR方向に移動した角度をθ2、軸線σが回転した角度をσ2とする。
また、上記角度の座標は、前述した基準0から反時計回りを+、時計回りを−とする。まず、図1、図19を用いて、装置筐体の左右の上側板140に対して回転可能に支持された駆動ロール131に対して粗しローラ400を当接させる位置について説明する。
この構成の特徴は、粗しローラ400が、駆動ロール131に対して常に同じ位置に当接して粗しニップRを形成している。そして、ステアリングロール132が所定角度γ1もしくは所定角度γ2に傾動したとき、粗しローラ400は動かずに、定着ベルト105が傾動し、粗しローラ400の粗しニップRに対する巻き付け角αの相対位置だけが変化することである。
ステアリングロールロール132が所定角度γ1に傾動したとき、巻き付け角αの位置が粗しニップR側に所定角度γ1に移動することで、定着ベルト105の巻き付き角の境界点は+側にθ1(=γ1)移動する。このとき、粗しローラ400の軸線σは移動しないため、σ1=0となる。したがって、β1はβ1=α1+θ1と表せる。
また、ステアリングロール132が所定角度γ1に傾動したときも同様に、巻き付け角αの位置がニップR側にγ2移動することで、定着ベルト105の巻き付き角の境界点は−側にθ2(=γ2)移動する。このときも、粗しローラ400の軸線σは移動しないため、σ2=0となる。したがって、β2はβ2=α2+θ2と表せる。
すなわち、図1の構成においては、β1=α1+θ1、β2=α2+θ2となるβ1、β2の範囲に粗しローラ400の軸線σが存在すればよく、β1≦δ≦β2の関係が成立することが必要となる。それにより、ステアリングロール132の傾動の影響を受けない位置に粗しローラ400のニップRを形成することができ、定着ベルト105の傾動側と非傾動側の粗し状態を均一にすることができる。
ここで、前述した関係式の確認のため、定着ベルト105が駆動ロール131から浮いた位置に粗しローラ400のニップRが形成される場合を考える。その一例を図19で説明する。ニュートラル位置では駆動ロール131に巻き付けられている定着ベルト105に対して粗しローラ400が当接してニップRを形成している。しかし、ステアリングロール132がγ1傾動したとき、定着ベルト105がθ1移動すると巻き付け角の境界点がニップRを超えてしまう。このとき、β1=α1+θ1≧δとなっており、前述した関係式を満たしていない。
それにより、定着ベルト105が駆動ロール131から浮いた位置にニップRを形成することになり、粗しローラ400に対する定着ベルト105の接触面積が増加する。更には、定着ベルト105のテンションによる反力を受けて、所定の圧がかからなくなってしまう。それにより定着ベルト105の傾動側と非傾動側の粗し状態が不均一となり、記録材Sの光沢状態の均一性が得られなくなる。この関係はβ2も同様である。
以上のことから、図1の構成においては、β1=α1+θ1、β2=α2+θ2となるβ1、β2に対し、粗しローラ400の軸線σの角度δが、β1≦δ≦β2の関係を満たす範囲に配置されていることが必要となる。それにより、ステアリングロール132の傾動の影響を受けない位置に粗しローラ400のニップRを形成することができ、定着ベルト105の傾動側と非傾動側の粗し状態を均一にすることができる。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。図20は本実施例2の定着装置100の構成を説明する模式図である。実施例1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一符号を付し、必要の無い限り重複する説明を省略する。
本実施例においては粗しローラ400を定着ベルト105を介してステアリングロール132に当接させている。このように傾動するローラ132に対して定着ベルト105を介して粗しローラ400を当接させる構成には、ステアリングロール132の軸を支持点とし、粗しローラ400をステアリングロール132と一緒に傾動する方法がある。
即ち、粗しローラ400は、定着ベルト105を介してステアリングロール132と一体で回動可能に支持された状態で当接する。より具体的には、粗しローラ400を揺動可能に支持するとともに、定着ベルト105を介してステアリングロール132に向かって付勢する粗し部材支持手段を備え、粗しローラ400はステアリングロール132の傾動に追従しながら当接する。
この構成の特徴は、ステアリングロール132が所定角度γ1に傾動した場合、軸線σもσ1へと同じ角度で傾動するため、粗しニップRはニュートラル位置で当接した位置から相対的には移動していなことである。
ステアリングロール132が所定角度γ1に傾動したとき、巻き付け角αの位置が粗しニップR側にγ1移動する。これにより、定着ベルト105の巻き付き角の境界点は+側にθ1(=γ1)移動する。このとき、粗しローラ400の軸線σも、ステアリングロール132の軸を支持点としているため+側にσ1(=γ1)移動する。このようにθ1=σ1=γ1と、全て同じ角度だけ移動するため、ステアリングロール132と、粗しローラ400と、定着ベルト105の相対角度は変わらずβ1=α1となる。これを式に当てはめると、β1はβ1=α1+θ1−σ1と表せる。
この式は、実施例1ではσ1=0であったために表現できなかったが、σ1=0を代入すれば、実施例1と同じ式になるため、実施例1でも適用できる。
また、ステアリングロール132が所定角度γ2に傾動したときも同様に、ステアリングロール132と、粗しローラ400と、定着ベルト105の相対角度は変化しない。したがってβ2はβ2=α2+θ2−σ2と表せる。
以上のことから、本実施例2の構成においては、β1=α1+θ1−σ1、β2=α2+θ2−σ2となるβ1、β2に対し、粗しローラ400の軸線σの角度δが、β1≦δ≦β2の関係を満たす範囲に配置されていることが必要となる。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。図21A及び図21Bは本実施例2の定着装置100の構成を説明する模式図である。実施例1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一符号を付し、必要の無い限り重複する説明を省略する。
本実施例3の定着装置100は実施例2と同様に、粗しローラ400をステアリングロール132に当接させている。このように傾動するローラ132に対して粗しローラ400を当接させる構成には次の方法がある。装置筐体の左右の上側板140に回動中心を有する粗し部材支持手段に支持された粗しローラ400を、ステアリングロール132方向へとバネ等で付勢することで当接させる方法である。
この構成の特徴は、図21Aのように、ステアリングロール132が所定角度γ1に傾動した場合、軸線σもσ1へと傾動するが、実施例2の構成とは異なり、ステアリングロール132と粗しローラ400はそれぞれ別方向へと傾動することである。
ステアリングロール132が所定角度γ1に傾動したとき、巻き付け角αの位置がニップR側にγ1移動することで、定着ベルト105の巻き付き角の境界点は+側にθ1(=γ1)移動する。このとき、粗しローラ400の軸線σは、実施例2とは異なり回動中心が別に存在するために−側にσ1移動する。したがって、β1はα1からθ1とσ1移動する分を除いた範囲となるため、式に当てはめるとβ1=α1+θ1−σ1と表せる。同様にβ2はβ2=α2+θ2−σ2と表せる。図21Bはステアリングロール132がγ2に傾動した場合を示している。
以上のことから、本実施例3の構成においては、β1=α1+θ1−σ1、β2=α2+θ2−σ2となるβ1、β2に対し、粗しローラ400の軸線σの角度δが、β1≦δ≦β2の関係を満たす範囲に配置されていることが必要となる。
これは実施例1,2と同じ式であり、粗しローラ400の当接方法や位置に関わらず、上述した関係式を用いれば良いことが分かる。
[実施例4]
次に、実施例4について説明する。図22A及び図22Bは本実施例2の定着装置100の構成を説明する模式図である。実施例1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一符号を付し、必要の無い限り重複する説明を省略する。
張架ロール(張架回転体)133は、例えば中実ステンレスによって外径がφ20に形成された、加圧ベルト120を懸架するロールである。張架ロール133は、例えば駆動ロール131の軸を回動中心として、バネ134で定着ベルト105に所定のテンションを付与するように配置されている。粗しローラ400は、実施例3と同様に装置筐体の左右の上側板140に回動中心を有する粗し部材支持手段に支持されて張架ロール133方向へと付勢されて定着ベルト105を介して張架ロール133に当接されている。
この構成の特徴は、3本のロール131、132、133で懸架された定着ベルト105の張架ロール133に対して定着ベルト105を介して粗しローラ400を当接させていることである。張架ロール133はバネ134の張力により、ステアリングロール132と連動して傾動する。その際、実施例3の構成と同様に、張架ロール133と粗しローラ400はそれぞれ別方向へと傾動する。
実施例1〜3までは、2本のロールであったため、基準となる軸線はロール同士の中心を結んだ軸線であったが、本実施例ではロールが3本ある構成である。その場合は、粗しローラ400が当接されたロールと隣り合う、どちらか一方のロール中心と、粗しローラ400が当接されたロール中心を結んだ軸線のうち、粗しローラ400が当接しているロール側で作成した座標系を基準0とする。
図22Aのように、ステアリングロール132が所定角度γ1に傾動したとき、巻き付け角αの位置がニップR側にγ1移動することで、定着ベルト105の巻き付き角の境界点は+側にθ1(=γ1)移動する。このとき、粗しローラ400の軸線σは、実施例3と同様に−側にσ1移動する。したがって、β1はα1からθ1とσ1移動する分を除いた範囲となるため、式に当てはめるとβ1=α1+θ1−σ1と表せる。同様にβ2はβ2=α2+θ2−σ2と表せる。図22Bはステアリングロール132が所定角度γ2に傾動した場合を示している。
以上のことから、本実施例4の構成においては、β1=α1+θ1−σ1、β2=α2+θ2−σ2となるβ1、β2に対し、粗しローラ400の軸線σの角度δが、β1≦δ≦β2の関係を満たす範囲に配置されていることが必要となる。
これは実施例1〜3と同じ式であり、3本のローラで懸架されたベルトに設けられた揺動する張架ロール133に対しても、上述した関係式を用いれば良いことが分かる。
[実施例5]
次に、実施例5について説明する。図23は本実施例5の定着装置100の構成を説明する模式図である。実施例1および4で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一符号を付し、必要の無い限り重複する説明を省略する。
この構成は実施例4と同様に、3本のロール131、132、133で懸架された定着ベルト105の張架ロール133に対して定着ベルト105を介して粗しローラ400を当接させている。しかし、実施例4との違いは、張架ロール133は装置筐体の左右の上側板140にベアリングを介して回転可能に保持されていることである。また、このときの基準軸は実施例4と同様に作成すれば良い。
ステアリングロール132が所定角度γ1に傾動したとき、巻き付け角αの位置がニップR側に移動することで、定着ベルト105の巻き付き角の境界点は+側にθ1移動する。ただし、本実施例5のようにロール131、133が2本固定されている場合は、駆動ロール131側の巻き付け角αは移動せず、実施例1〜4のようにθ1=γ1とはならない。また、粗しローラ400の軸線σは、実施例1と同様に固定されたロールであるためσ1=0となる。したがって、β1はα1からθ1が移動する分を除いた範囲となるため、式に当てはめるとβ1=α1+θ1と表せる。
また、テンションロール132が所定角度γ2に傾動したときも、駆動ロール131側の巻き付け角αは動かない。したがってθ2=0となり、かつ粗しローラ400の軸線σは、固定されたロールであるためσ2=0となる。したがってβ2はニュートラル位置の巻き付け角のままなので、β2=α2と表せる。
以上のことから、本実施例5の構成においては、β1=α1+θ1、β2=α2となるβ1、β2に対し、粗しローラ400の軸線σの角度δが、β1≦δ≦β2の関係を満たす範囲に配置されていることが必要となる。
これは今まで述べてきた、β1=α1+θ1−σ1、β2=α2+θ2−σ2の式に対して、σ1=0、σ2=0、θ2=0を代入したものと同じである。したがって、3本のローラ131、132、133で懸架されたベルトに設けられた、固定式の張架ロール133に対しても、上述した関係式を用いれば良いことが分かる。
本実施例5によれば、定着ベルトを懸架する複数のロールのうち、ある任意のロールに対向して粗しローラを当接させる際、ステアリングロールの傾動により、粗しローラと定着ベルトの巻き付け角の相対位置関係が変化しても次の効果が得られる。即ち、粗しローラは定着ベルトが巻き付けられた範囲内に必ず当接することができる。それにより定着ベルト表層の表面粗さを均一に維持することが可能になり、記録材の光沢状態の均一性を保つことが可能となる。
そのための手段として、β1=α1+θ1−σ1、β2=α2+θ2−σ2となるβ1、β2に対し、粗しローラの軸線σの角度δが、β1≦δ≦β2の関係を満たす範囲に粗しローラを配置することで実現した。
実施例4、5においては、3本ロールのうち張架ロール133に当接する構成を説明したが、駆動ロール131やテンションロール132に当接させる際も、本発明を適用することが可能である。
また、本実施例では3本のロールで定着ベルトを懸架する構成までを述べたが、張架ロールの本数が増えても、本発明を適用することが可能である。また、本実施例では、定着ベルトに粗しローラを当接させる方法を述べたが、加圧ベルトを用いた定着装置の加圧ベルトに対して粗しローラを当接させる際も、本発明を適用することが可能である。
(3)その他の事項
1)実施例では、定着ベルト105に粗しローラ400を当接させる方法を述べたが、加圧ベルト120を用いた定着装置の加圧ベルトに対して粗しローラを当接させる際も、本発明を適用することが可能である。
2)加圧部材(対向部材)はローラ体にすることもできる。また、定着ベルト105や記録材との当接面である表面の摩擦係数が小さいパッドや板状部材などの非回転部材の形態のものにすることもできる。
3)本発明の画像処理装置は、実施例のような定着装置としての使用に限られない。記録材に一旦定着された或いは仮定着された画像(定着済み画像又は半定着画像)の光沢度などを改質する画像改質装置としても有効である。
4)ニップ部Nを形成するベルト105と加圧部材120は加圧で画像の定着や改質を行う部材であってもよい。
5)ベルト105や加圧部材120を加熱する場合の加熱手段は電磁誘導加熱に限られない。ハロゲンヒータなどの他の加熱手段を用いることもできる。駆動ロール(定着ローラ)131や加圧ロール(加圧ローラ)121の内部にハロゲンヒータなどの加熱手段を配設した内部加熱方式の装置構成とすることもできる。
6)画像形成装置の画像形成部は電子写真方式に限られない。静電記録方式や磁気記録方式の画像形成部であってもよい。また、転写方式に限られず、記録材に対して直接方式で未定着画像を形成する構成のものであってもよい。
100・・画像処理装置(定着装置)、105・・エンドレスのベルト(定着ベルト)、131・・駆動回転体(駆動ロール)、132・・ステアリング回転体(ステアリングロール)、120・・対向部材(加圧ベルト)、N・・ニップ部、400・・摺擦部材(粗しローラ)、S・・記録材、t・・画像、R・・粗しニップ

Claims (8)

  1. 表面に離型層を有し、記録材の画像担持面に対向するエンドレスのベルトと、前記ベルトを張架する複数の張架部材であって、少なくとも、前記ベルトを回転駆動する駆動回転体と、傾動されて前記ベルトの幅方向への寄り移動を制御するステアリング回転体と、を含む複数の張架部材と、画像を担持した記録材を挟持搬送しながら画像処理を行うためのニップ部を前記ベルトの表面との間で形成する対向部材と、前記ベルトの表面に当接して粗しニップを形成することで前記ベルトの表面状態を調整する回転可能な粗し部材と、を備えた画像処理装置であって、
    前記粗し部材は前記ベルトを介して前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体の回転中心に向かって付勢されており、
    前記粗し部材の回転中心と前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体の回転中心を結んだ軸線σの軸線上に形成される、前記粗し部材と前記ベルトとの当接によるニップを粗しニップRとし、
    前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体に巻き付けられた前記ベルトの巻き付け角をαとし、
    前記駆動回転体と前記ステアリング回転体の長手方向の軸線が水平に保持された状態で、前記駆動回転体と前記ステアリング回転体の回転中心を結んだ軸線で形成された座標系であって、前記粗し部材が前記ベルトを介して当接されている前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体を基準0とし、基準0から反時計回りに成す角度を+、時計回りに成す角度を−とし、
    前記基準0から、前記巻き付け角αの境界点までの角度をα1、α2とし、
    前記基準0から、前記粗し部材の当接範囲βの境界点までの角度をβ1、β2とし、
    前記基準0から、前記粗し部材の軸線σまでの角度を角度δとし、
    前記ステアリング回転体が、前記ベルトを幅方向の一方方向に寄り制御するために所定角度γ1に傾動したとき、前記ベルトが前記粗し部材の粗しニップRの方向に移動した角度をθ1、かつ前記粗し部材の軸線σが回転した角度をσ1とし、
    前記ステアリング回転体が、前記ベルトを幅方向の他方方向に寄り制御するために所定角度γ2に傾動したとき、前記ベルトが前記粗し部材の粗しニップRの方向に移動した角度をθ2、かつ前記粗し部材の軸線σが回転した角度をσ2としたとき、
    β1=α1+θ1−σ1、β2=α2+θ2−σ2となるβ1、β2に対し、前記角度δがβ1≦δ≦β2の関係を満たす範囲に配置されていることを特徴とする画像処理装置。
  2. 表面に離型層を有し、記録材の画像担持面に対向するエンドレスのベルトと、前記ベルトを張架する複数の張架部材であって、少なくとも、前記ベルトを回転駆動する駆動回転体と、傾動されて前記ベルトの幅方向への寄り移動を制御するステアリング回転体と、張架回転体と、を含む複数の張架部材と、画像を担持した記録材を挟持搬送しながら画像処理を行うためのニップ部を前記ベルトの表面との間で形成する対向部材と、前記ベルトの表面に当接して粗しニップを形成することで前記ベルトの表面状態を調整する回転可能な粗し部材と、を備えた画像処理装置であって、
    前記粗し部材は前記ベルトを介して前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体もしくは前記張架回転体の回転中心に向かって付勢されており、
    前記粗し部材の回転中心と前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体もしくは前記張架回転体の回転中心を結んだ軸線σの軸線上に形成される前記粗し部材と前記ベルトとの当接によるニップを粗しニップRとし、
    前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体もしくは前記張架回転体に巻き付けられた前記ベルトの巻き付け角をαとし、
    前記駆動回転体と前記ステアリング回転体の長手方向の軸線が水平に保持された状態で、前記粗し部材を当接させた前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体もしくは前記張架回転体と、それと隣り合う前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体もしくは前記張架回転体の回転中心を結んだ軸線で形成された座標系であって、前記粗し部材が前記ベルトを介して当接されている前記駆動回転体もしくは前記ステアリング回転体もしくは前記張架回転体を基準0とし、基準0から反時計回りに成す角度を+、時計回りに成す角度を−とし、
    前記基準0から、前記巻き付け角αの境界点までの角度をα1、α2とし、
    前記基準0から、前記粗し部材の当接範囲βの境界点までの角度をβ1、β2とし、
    前記基準0から、前記粗し部材の軸線σまでの角度を角度δとし、
    前記ステアリング回転体が、前記ベルトを幅方向の一方方向に寄り制御するために所定角度γ1に傾動したとき、前記ベルトが前記粗し部材の粗しニップRの方向に移動した角度をθ1、かつ前記粗し部材の軸線σが回転した角度をσ1とし、
    前記ステアリング回転体が、前記ベルトを幅方向の他方方向に寄り制御するために所定角度γ2に傾動したとき、前記ベルトが前記粗し部材の粗しニップRの方向に移動した角度をθ2、かつ前記粗し部材の軸線σが回転した角度をσ2としたとき、
    β1=α1+θ1−σ1、β2=α2+θ2−σ2となるβ1、β2に対し、前記角度δが、β1≦δ≦β2の関係を満たす範囲に配置されていることを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記粗し部材は、前記ベルトを介して前記駆動回転体に当接することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記粗し部材は、前記ベルトを介して前記ステアリング回転体に当接することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  5. 前記粗し部材は、前記ベルトを介して前記ステアリング回転体と一体で回動可能に支持された状態で当接することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  6. 前記粗し部材を揺動可能に支持するとともに、前記ベルトを介して前記ステアリング回転体に向かって付勢する粗し部材支持手段を備え、前記粗し部材は前記ステアリング回転体の傾動に追従しながら当接することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  7. 前記粗し部材は、前記ベルトを介して前記張架回転体に当接することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  8. 前記粗し部材を揺動可能に支持するとともに、前記ベルトを介して前記張架回転体に向かって付勢する粗し部材支持手段を備え、前記粗し部材は前記張架回転体の傾動に追従しながら当接することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
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