JP2013210619A - レジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)式(I)で表される基を有する樹脂、ノボラック樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有するレジスト組成物を、基板上に塗布して、塗膜を形成する工程;(2)(1)で得られた塗膜に露光する工程;(3)(2)で得られた露光後の塗膜を、加熱処理を行わずに現像する工程;を含むレジストパターンの製造方法。
(式中、R1は、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、あるいは水素原子を表す。R2及びR3は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R2とR3とは互いに結合し、これらがそれぞれ結合する炭素原子及び酸素原子とともに環を形成してもよく、R1とR2とは互いに結合し、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
【選択図】なし
Description
〔1〕 (1)式(I)で表される基を有する樹脂、ノボラック樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有するレジスト組成物を、基板上に塗布して、塗膜を形成する工程;
(式(I)中、
R1は、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、あるいは水素原子を表す。
R2及びR3は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
R2とR3とは互いに結合し、これらがそれぞれ結合する炭素原子及び酸素原子とともに環を形成してもよく、R1とR2とは互いに結合し、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
(2)(1)で得られた塗膜に露光する工程;
(3)(2)で得られた露光後の塗膜を、加熱処理を行わずに現像する工程;
を含むレジストパターンの製造方法。
〔2〕 式(I)で表される基が、式(II)又は式(III)で表される基である〔1〕記載のレジストパターンの製造方法。
〔3〕 式(I)で表される基を有する樹脂が、式(IV)又は式(V)で表される重合単位を有する樹脂である〔1〕又は〔2〕記載のレジストパターンの製造方法。
(式(IV)及び式(V)中、
R4a及びR4bは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R1、R2及びR3は上記と同じ意味を表す。)
〔4〕 式(I)で表される基を有する樹脂、ノボラック樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有するレジスト組成物。
(式(I)中、
R1は、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、あるいは水素原子を表す。
R2及びR3は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
R2とR3とは互いに結合し、これらがそれぞれ結合する炭素原子及び酸素原子とともに環を形成してもよく、R1とR2とは互いに結合し、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
〔5〕 前記樹脂は、
R1が水素原子、R2がメチル基、R3がエチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基又はオクタデシル基である式(I)で表される基を有する樹脂である〔1〕記載のレジストパターンの製造方法。
〔6〕 前記レジスト組成物が、さらに、アルカリ可溶性樹脂を含有する〔1〕〜〔3〕及び〔5〕のいずれか一つ記載のレジストパターンの製造方法。
〔7〕 前記アルカリ可溶性樹脂が、ヒドロキシスチレン由来の重合単位を有する樹脂、(メタ)アクリル酸エステル由来の重合単位を有する樹脂及びポリアルキレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである〔6〕記載のレジストパターンの製造方法。
〔8〕 前記(1)で形成される塗膜の厚さが3μm以上である〔1〕〜〔3〕及び〔5〕〜〔7〕のいずれか一つ記載のレジストパターンの製造方法。
〔9〕 前記基板の前記レジスト組成物を塗布する面が、銅又は銅合金からなる〔1〕〜〔3〕及び〔5〕〜〔8〕のいずれか一つ記載のレジストパターンの製造方法。
さらに、本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
脂肪族炭化水素基は、鎖式及び環式の双方を含み、特に定義しない限り、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基が組み合わせられたものをも包含する。また、これら脂肪族炭化水素基は、その一部に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいが、飽和の基(脂肪族飽和炭化水素基)が好ましい。
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち2価のものとしては、アルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が挙げられる。アルカンジイル基の具体例は、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等である。
アシル基としては、アセチル基(C2)、プロピオニル基(C3)、ブチリル基(C4)、バレリル基(C5)、ヘキサノイル基(C6)、ヘプタノイル基(C7)、オクタノイル基(C8)、デカノイル基(C10)及びドデカノイル基(C12)等のアルキル基とカルボニル基とが結合したもの並びにベンゾイル基(C7)等のアリール基とカルボニル基とが結合したものが挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基及びイソブチリルオキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基(C6)、ナフチルオキシ基(C10)、アントリルオキシ基(C14)、ビフェニルオキシ基(C12)、フェナントリルオキシ基(C14)及びフルオレニルオキシ基(C13)等のアリール基と酸素原子とが結合したものが挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基は、典型的には、アリール基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基(C6)、ナフチル基(C10)、アントリル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)等が挙げられる。2価の芳香族炭化水素基は例えば、ここに例示したアリール基から、さらに水素原子1個と取り去ったアリーレン基を挙げることができる。
(1)式(I)で表される基を有する樹脂(以下、場合により「樹脂(A)」という。)、ノボラック樹脂(以下、場合により「ノボラック樹脂(N)」という)、酸発生剤(以下、場合により「酸発生剤(B)」という。)及び溶剤(以下、場合により「溶剤(D)」という。)を含有するレジスト組成物(以下、場合により「本レジスト組成物」という。)を、基板上に塗布して、塗膜を形成する工程;
(式(I)中、
R1は、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、あるいは水素原子を表す。
R2及びR3は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
R1とR2とは互いに結合し、それらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
(2)(1)で得られた塗膜を露光する工程;
(3)(2)で得られた露光後の塗膜を、加熱処理を行わずに現像する工程。
工程(1)は、本レジスト組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程である。
本レジスト組成物は、樹脂(A)、ノボラック樹脂(N)、酸発生剤(B)及び溶剤(D)を含有し、さらに必要に応じて、後述のアルカリ可溶性樹脂(以下、場合により「アルカリ可溶性樹脂(C)」という。)やその他の成分を含有してもよい。本レジスト組成物は、特に、本製造方法に用いられるレジスト組成物として有用である。
樹脂(A)は式(I)で表される基(以下、場合により「基(I)」という。)を有する。
(式(I)中、
R1は、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、あるいは水素原子を表す。
R2及びR3は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
R2とR3とは互いに結合し、これらがそれぞれ結合する炭素原子及び酸素原子とともに環を形成してもよく、R1とR2とは互いに結合し、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
さらに、基(I)において、R1とR2とが互いに結合して形成する環としては、例えば、式(KA−1)〜(KA−7)で表される環が挙げられる。該環が式(KA−4)で表される環である場合、基(I)は下記式で表される基となる(なお、R3は上記と同義である)。
(式(IV)及び式(V)中、
R4a及びR4bは、水素原子又はメチル基を表し、R1、R2及びR3は上記と同じ意味を表す。)
R4bは、メチル基が好ましい。
式(IV)又は(V)に含まれる−O−C(R1)(R2)−O−R3で表される基としては、すでに例示した式(I)で表される基の具体例と同じものが挙げられる。
重合単位(IV)は、式(IV−1)で表される重合単位であることが好ましい。
[式(1)中、
Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
La1及びLa2は、それぞれ独立に、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−で表される基を表し、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。
Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基のうち、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であり、この炭素数の上限以下の範囲で、すでに例示したものと同じものを含む。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基はそれぞれ独立に、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜8の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
[式(a1−3)中、
Ra9は、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、又は−COORa13で表される基を表し、Ra13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Ra10、Ra11及びRa12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表すか、或いはRa10及びRa11は互いに結合して環を形成している。該脂肪族炭化水素基及に含まれる水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
(式(a2−0)中、
Ra30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一でも異なっていてもよい。)
Ra31のアルコキシ基の具体例は、炭素数1〜6の範囲で、すでに例示したものを含む。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
式(a2−1)中、
La3は、酸素原子又は*−O−(CH2)k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。)で表される基を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定重合単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
[式(a3−1)中、
La4は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−2)中、
La5は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra19は、水素原子又はメチル基を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
Ra22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−3)中、
La6は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
Ra23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は同一でも異なっていてもよい。]
La4〜La6は、それぞれ独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2)k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子及び、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
Ra18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。なお、p1が2である場合、2つのRa21は互いに同一でも異なっていてもよく、q1が2である場合、2つのRa22は互いに同一でも異なっていてもよく、r1が2である場合、2つのRa23は互いに同一でも異なっていてもよい。
酸安定重合単位(a2−0)を誘導するモノマーを用いて、樹脂(A)に酸安定重合単位(a2−0)を導入する場合、該モノマーにあるフェノール性ヒドロキシ基を例えば、酸又は塩基で脱保護可能な保護基で予め保護したモノマーを用いて樹脂(A)を重合反応を行うことが好ましい。重合後の樹脂を脱保護処理して、該モノマーに由来する重合単位の保護基を脱離することにより、酸安定重合単位(a2−0)を有する樹脂(A)を製造できる。ただし、脱保護処理は、重合単位(I)や重合単位(a1)を著しく損なわないように、塩基を用いて行うことが好ましい。塩基で脱保護する保護基としては、例えば、アセチル基等が挙げられる。
例えば、R1が水素原子、R2がメチル基、R3がエチル基である重合単位(IV)を含む樹脂(A)を製造する場合、上記の方法で予め酸安定重合単位(a2−0)を有する樹脂を製造し、次いで酸安定重合単位(a2−0)が有するヒドロキシ基に、エチルビニルエーテルを反応させることにより、当該樹脂を得ることができる。
重合単位(IV)又は重合単位(V)を有する樹脂(A)は例えば、特許第3030672号公報、特開平5−88367号公報に記載された方法により製造できる。
ノボラック樹脂は、フェノール化合物とアルデヒドとを触媒の存在下に縮合させて得られる樹脂である。フェノール化合物としては、例えば、フェノール;o−、m−又はp−クレゾール;2,3−、2,5−、3,4−又は3,5−キシレノール;2,3,5−トリメチルフェノール;2−、3−又は4−tert−ブチルフェノール;2−tert−ブチル−4−又は5−メチルフェノール;2−、4−又は5−メチルレゾルシノール;2−、3−又は4−メトキシフェノール;2,3−、2,5−又は3,5−ジメトキシフェノール;2−メトキシレゾルシノール;4−tert−ブチルカテコール;2−、3−又は4−エチルフェノール;2,5−又は3,5−ジエチルフェノール;2,3,5−トリエチルフェノール;2−ナフトール;1,3−、1,5−又は1,7−ジヒドロキシナフタレン;キシレノールとヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合により得られるポリヒドロキシトリフェニルメタン化合物等が挙げられる。これらのフェノール化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノールが好ましい。
酸発生剤は、光又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。レジスト分野において用いられる酸発生剤は、通常、非イオン性酸発生剤とイオン性酸発生剤とに分類される。本レジスト組成物に含有される酸発生剤(B)はイオン性酸発生剤であっても、非イオン性酸発生剤であっても、これらの組み合わせであってもよい。イオン性酸発生剤としては、例えば、有機オニウム塩等が挙げられ、非イオン性酸発生剤としては、例えば、ハロゲン含有有機化合物、ジアゾケトン化合物、有機スルホン化合物及び有機スルホン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種等が挙げられる。
(式中、
P1、P2及びP3は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。
a、b及びcは、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。aが2以上のとき、複数のP1は互いに同一又は相異なり、bが2以上のとき、複数のP2は互いに同一又は相異なり、cが2以上のとき、複数のP3は互いに同一又は相異なる。
Z-は、有機対イオンを表す。)
P6及びP7は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜10のシクロアルキル基を表すか、P6とP7とが互いに結合して、それらが結合する硫黄原子とともに炭素数3〜7の環を形成する。該環を構成するメチレン基は、カルボニル基、酸素原子又は硫黄原子に置き換わっていてもよい。
P8は水素原子を表し、P9は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基又は置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表すか、或いは、P8とP9とが互いに結合してこれらが結合している炭素原子とともに環を形成する。
Z-は、有機対イオンを表す。)
有機対イオン(Z-)の具体例の第1は、式(X)で表されるアニオンである。
[式中、
Q1〜Q5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ホルミル基(−CHO)、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜16のアルコキシ基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、ヒドロキシ基、ニトロ基又は式(XI)
(式中、
Rb1は、炭素数1〜16の直鎖状アルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わっていてもよい。
Cy1は、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表す。)
で示される基を表す。]
炭素数6〜12のアリール基の具体例は、炭素数がこの範囲においてすでに例示したもの、さらにアリール基に含まれる水素原子の一部がアルキル基又はアルコキシ基等に置換され、その炭素数が12以下のものである。例えば、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基、クロロベンジル基、メトキシベンジル基等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキルチオ基としては、すでに例示した炭素数1〜4のアルキル基と硫黄原子とが組み合わさったものであり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基及びブチルチオ基等が挙げられる。
炭素数1〜4個のアルキルスルホニル基としては、すでに例示した炭素数1〜4のアルキル基とスルホニル基とが組み合わさったものであり、具体的には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基及びブチルスルホニル基等が挙げられる。
Rb1の直鎖状アルカンジイル基としては、例えば、式(a−1)〜式(a−7)でそれぞれ表される基が挙げられる。また、酸素原子又は硫黄原子を含む直鎖状アルカンジイル基としては、例えば、式(a−8)〜式(a−15)でそれぞれ表される基が挙げられる。
中でも、Rb1は、無置換の炭素数1〜8の直鎖状アルカンジイル基(例えば、式(a−1)〜式(a−7)でそれぞれ表される基)が好ましい。
Cy1は、シクロヘキシル基[式(b−4)]、2−ノルボルニル基[式(b−21)]、2−アダマンチル基[式(b−23)]又は1−アダマンチル基[式(b−24)]が好ましい。
(式中、
Q6は、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基、置換基を有していてもよいナフチル基又は置換基を有していてもよいアントリル基を表す。)
ナフチル基及びアントリル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基等が挙げられる。
(式中、
Q7及びQ8は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基、又は、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。)
Q7とQ8とは、それぞれ異なる基であってもよいが、同じ基であることが好ましい。
R10のペルフルオロアルキル基は、置換基を有していないことが好ましい。
R10の芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。
式(VIII)で表される酸発生剤としては、例えば、以下に示すものが挙げられる。
(式(XIII)中、
R20は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシル基を示す。
R21は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で中断されていてもよい。)
(式(XIV)中、
R30は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で中断されていてもよい。)
(式(XV)中、
R40、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシル基を表す。
Z1−は無機酸イオン又は有機酸イオンを示す。)
式(XIII)で表される酸発生剤は市販品を用いてもよく、例えば、みどり化学(株)製、PAI−101、PAI−106、PAI−1001及びPAI−1008等を挙げることができる。
式(XIV)で表される酸発生剤は市販品を用いてもよく、例えば、BASFジャパン(株)製 Irgacure(登録商標) PAG103、Irgacure(登録商標) PAG108、Irgacure(登録商標) PAG121等が挙げられる。
本レジスト組成物が含有する溶剤は、樹脂(A)、ノボラック樹脂(N)、酸発生剤(B)及び後述するアルカリ可溶性樹脂(C)等の種類並びにその量に応じ、さらに後述する本製造方法の形成工程において、基板上に本レジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
塩基性化合物(E)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。塩基性化合物(E)は、本発明のレジスト組成物においてはクエンチャーとして用いられる。クエンチャーは、露光により酸発生剤から発生する酸を捕捉する作用を有する化合物である。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミン;第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(E)としては、好ましくは、式(E1)〜式(E8)のいずれかで表される化合物及びアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましくは式(E1)で表される化合物及びアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、さらに好ましくはアンモニウム塩である。
[式(E1−1)中、Rc2及びRc3は、上記と同じ意味を表す。
Rc4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は同一又は相異なる。]
Rc9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜7のアシル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は同一又は相異なる。]
Rc14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に、0〜3の整数を表し、o3が2以上のとき、複数のRc14は同一又は相異なり、p3が2以上のとき、複数のRc15は同一又は相異なる。
Lc1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上のとき、複数のRc18は同一又は相異なり、r3が2以上のとき、複数のRc19は同一又は相異なり、s3が2以上のとき、複数のRc20は同一又は相異なる。
Lc2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
アシル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
式(E3)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(E4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
式(E5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
式(E6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
式(E7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
式(E8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられる。
本レジスト組成物は、上述の成分に加え、アルカリ可溶性樹脂(C)を含有してもよい。ここでいう「アルカリ可溶性樹脂」とは、アルカリ水溶液、好ましくは、工程(3)で用いられる現像液(詳細は後述)に溶解し得る樹脂である。ただし、樹脂(A)及びノボラック樹脂(N)は、アルカリ可溶性樹脂(C)には含まれない。
(メタ)アクリル酸等のカルボキシ基含有モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート類。
本レジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の構成成分(以下、場合により「その他の成分」という。)を含有していてもよい。その他の成分としては、レジスト分野で広く用いられている添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料等が挙げられる。本レジスト組成物に、その他の成分を含有させる場合、当該成分の種類に応じて、適切な含有量を定めることができる。
本レジスト組成物は、樹脂(A)、ノボラック樹脂(N)、酸発生剤(B)及び溶剤(D)、必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂(C)、塩基性化合物(E)及びその他の成分を混合することで調製することができる。かかる混合において、その混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂等の種類や溶剤(D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。混合後の混合物を、孔径0.01〜50μm程度のフィルターを用いてろ過してもよい。このようなろ過を行うことで、本レジスト組成物は、基板上に塗布したときの塗布均一性が向上する。
ノボラック樹脂(N)の含有率は、樹脂の総量に対して、好ましくは10質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上60質量%以下である。
アルカリ可溶性樹脂(C)を含む場合、その含有率は、樹脂の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上35質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上30質量%以下である。
ここで、樹脂の総量とは、樹脂(A)、ノボラック樹脂(N)及びアルカリ可溶性樹脂(C)の合計量をいう。
樹脂の含有率(樹脂(A)とノボラック樹脂(N)とアルカリ可溶性樹脂(C)との総量)は、固形分の総量に対して、好ましくは80質量%以上99質量%以下である。尚、本明細書において「固形分」とは、本発明のレジスト組成物から溶剤(D)を除いた成分の合計を意味する。固形分及び本発明のレジスト組成物に含まれる各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
本レジスト組成物における溶剤(D)の含有率は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
工程(1)に用いられる基板としては、用途に応じて適宜設定でき、例えばセンサ、回路、トランジスタ等が形成されたシリコン、石英等のセラミック;高分子;金属等、あるいはこれらを組み合わせた基板が用いられる。
工程(1)における本レジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーター等、半導体の微細加工のレジスト材料塗布用として広く用いられている塗布装置によって行うことができる。
基板上に形成された塗膜は、工程(2)を行う前に、塗膜中に含まれる高揮発性成分(例えば、本レジスト組成物に含有されていた溶剤等)を十分除去して乾燥させることが好ましい。かかる乾燥は例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いた加熱手段(いわゆるプリベーク)、又は減圧装置を用いた減圧手段により、或いはこれらの手段を組み合わせて、塗膜から溶剤を蒸発させることにより行われる。加熱手段や減圧手段の条件は、本レジスト組成物に含まれる溶剤の種類等に応じて選択でき、例えば加熱手段を用いる場合の温度は50〜200℃程度が好ましい。加熱装置としてホットプレートを用いる場合は、ホットプレートの表面温度を前記の温度にして行う。また、減圧手段を用いる場合は、減圧乾燥機の中に、塗布膜が形成された基板を封入した後、該減圧乾燥機の内部圧力を1〜1.0×105Pa程度にすればよい。かくして基板上には、乾燥された塗膜が形成される。
上述のとおり、工程(2)は、工程(1)で得られた塗膜(好ましくは、乾燥後の塗膜)に露光する工程である。
露光は、レジスト分野で汎用の露光機を用いて行うことができる。この際には、所望する形状のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を介して露光が行われる。露光機の露光光源としては、製造しようとするレジストパターンの大きさ等に応じて選択すればよく、g線、i線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、固体レーザ(YAG又は半導体レーザ等)又は固体レーザからの光を波長変換した高調波レーザ光、電子線等種々の光又は放射線を放射するものを用いることができる。また、露光機は液浸露光機であってもよく、この場合の液浸媒体として例えば、超純水等が用いられる。
上述のとおり、工程(3)は、工程(2)で得られた露光後の塗膜を、加熱処理を行わずに現像する工程である。ここで「加熱処理を行わない」とは、露光後の塗膜を30℃以上の温度に保持しないことであり、好ましくは、レジストパターン製造に通常用いられる環境温度(例えば、クリーンルーム中の環境温度、具体的には23±5℃)に保持することを意味する。
背景技術で述べたとおり、化学増幅型レジスト組成物からレジストパターンを製造する場合、露光後の塗膜中に発生した活性種(例えば、H+)の拡散及び活性種による脱保護反応を促進するために、通常、ポストエクスポージャーベークと呼ばれる加熱処理が行われる。しかしながら、本発明者は、本レジスト組成物を用いた本製造方法によれば、かかるポストエクスポージャーベークを行うことなく、現像することにより、裾引きの発生が極めて抑制されたレジストパターンが得られることを見出した。
工程(3)でいう現像とは、工程(2)を経た塗膜を、現像液(好ましくはアルカリ現像液)と接触させることにより、露光部の塗膜を該アルカリ水溶液に溶解させて除去することである。未露光部は、上述のとおりアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶であるため、基板に残り、当該基板上にレジストパターンが製造される。
前記アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。さらに、該アルカリ現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。当該界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
本製造方法は例えば、バンプ形成に必要な厚膜のレジストパターンを製造することに適している。このバンプとは通常、以下の手順により形成される。
LSI素子等が加工されたウェハ上に、導電材料(シードメタル)を積層して導電層を形成した後、当該導電層が積層された(付された)ウェハの導電層表面上に所望のパターンからなるフォトレジスト膜を形成する。そして、この所望のパターンからなるレジストパターンを鋳型として、メッキにより導電材料を析出させて電極を形成してから、鋳型であるレジストパターンを除去する。
バンプ形成に用いられる基板としては、例えば、シリコンウェハ等が挙げられる。
導電層の形成に用いられる導電材料としては、例えば、銅(Cu)又は銅合金等が挙げられる。銅又は銅合金で導電層が形成された基板を用いた場合、低コストでバンプを形成でき、裾引きの発生がより一層抑制され、形状(断面形状)に優れたレジストパターンを製造することができるため、好ましい。かかる効果は、導電層の一部が金属酸化物等の絶縁材料となっていても発現される。なお、本レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよい。
基板と導電層との間には、SiO2等のバリア層が形成されていてもよい。
メッキにより析出させる導電材料としては、例えば、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)及び銀(Ag)からなる群より選ばれる1種以上の金属、又は当該群から選ばれる1種以上の金属を含む合金、すなわち、金、銅、ニッケル、スズ、パラジウム及び銀からなる群より選ばれる1種以上の金属を含む導電材料を挙げることができる。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す「%」及び「部」は、特記ないかぎり質量基準である。
実施例において、化合物の構造は、質量分析(LC;Agilent製1100型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで下記条件により求めた値である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgel G4000HXL + TSKgel G2000HXL + guardcolumn(東ソー(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー(株)製)
樹脂の保護率とは、樹脂の全重合単位に対して、基(I)が導入された重合単位の含有割合のことをいい、1H−NMR法により、5.1〜5.5ppmのピーク面積と5.8〜7.2ppmのピーク面積の比から求めた。
ポリビニルフェノール(日本曹達(株)製「VP−15000」)20gをメチルイソブチルケトン240gに溶解し、エバポレーターで濃縮した。還流冷却管、攪拌器、温度計を備えた四つ口フラスコに、濃縮後の樹脂溶液及びp−トルエンスルホン酸2水和物0.003gを仕込み、20〜25℃に保持したまま、エチルビニルエーテル5.05gを10分間かけて滴下した。混合液を、同温度を保持したまま、2時間攪拌を継続した後、メチルイソブチルケトン200gで希釈しイオン交換水で分液洗浄を5回行った。洗浄終了後の有機層を、エバポレーターを用いて45gまで濃縮を行ったのち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150gを加えて、再度濃縮を行い、樹脂A1の溶液78g(固形分29%)を得た。得られた樹脂A1の重量平均分子量は22100、保護率は38.5%であった。樹脂A1は、下記の構造単位を有する。
ポリビニルフェノール(日本曹達(株)製「VP−15000」)34gをメチルイソブチルケトン408gに溶解し、エバポレーターで濃縮した。還流冷却管、攪拌器、温度計を備えた四つ口フラスコに、濃縮後の樹脂溶液及びp−トルエンスルホン酸2水和物0.004gを仕込み、20〜25℃に保持したまま、オクタデシルビニルエーテル27gを滴下した。混合液を、同温度を保持したまま、3時間攪拌を継続した後、イオン交換水51gで分液洗浄を4回行った。洗浄終了後の有機層を、エバポレーターを用いて113gまで濃縮を行ったのち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート316gを加えて、再度濃縮を行い、樹脂A2の溶液121g(固形分45%)を得た。得られた樹脂A2の重量平均分子量は21800、保護率は26.1%であった。樹脂A2は、下記の構造単位を有する。
ポリビニルフェノール(日本曹達(株)製「VP−15000」)32gをメチルイソブチルケトン384gに溶解し、エバポレーターで濃縮した。還流冷却管、攪拌器、温度計を備えた四つ口フラスコに、濃縮後の樹脂溶液及びp−トルエンスルホン酸2水和物0.048gを仕込み、20〜25℃に保ったまま、2−エチルヘキシルビニルエーテル22.5gを滴下した。反応液を20〜25℃を保ったまま、3時間攪拌を継続した後、イオン交換水48gで分液洗浄を4回行った。洗浄終了後の有機層を、エバポレーターを用いて113gまで濃縮を行ったのち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート316gを仕込んで再度濃縮を行い、樹脂A3の溶液127g(固形分34%)を得た。得られた樹脂A3の重量平均分子量は22100、保護率は46.4%であった。樹脂A3は、下記の構造単位を有する。
ポリビニルフェノール(日本曹達(株)製「VP−15000」)85gをメチルイソブチルケトン1020gに溶解し、エバポレーターで濃縮した。還流冷却管、攪拌器、温度計を備えた四つ口フラスコに、濃縮後の樹脂溶液及びp−トルエンスルホン酸2水和物4.96gを仕込み、20〜25℃に保ったまま、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン21.5gを滴下した。反応液を20〜25℃を保ったまま、3時間攪拌を継続した後、イオン交換水127gで分液洗浄を4回行った。洗浄終了後の有機層を、エバポレーターを用いて228gまで濃縮を行ったのち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート640gを仕込んで再度濃縮を行い、樹脂A5の溶液280g(固形分37%)を得た。得られた樹脂A5の重量平均分子量は15900、保護率は30.4%であった。樹脂A4は、下記の構造単位を有する。
攪拌器、還流冷却管、温度計を備えた四つ口フラスコに、ジオキサン118gを仕込み77℃まで昇温した。そこへメタクリル酸エチルシクロペンチル54.7g、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(共栄社化学(株)製「ライトエステル130MA」。
で表わされ、nが約9の化合物である。)29.8g、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール45.2g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.4gをジオキサン59gに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後、さらに同温度で10時間撹拌を継続した。冷却後、反応混合物を、メタノール130g及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート92gで希釈し、希釈した反応混合物を、水1440gに注ぐことにより、樹脂を沈殿させた。沈殿物をろ過した後、ろ過した沈殿物を、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート184gにより溶解し、その溶解液を、メタノール423g及び水918gの混合溶媒に注ぐことにより、再び樹脂を沈殿させた。得られた沈殿をプロピレングリコールメチルエーテルアセテートに溶解後、濃縮を行って濃度40%である樹脂A4の溶液を得た。得られた樹脂A5の重量平均分子量は160000であった。樹脂A5は、下記の構造単位を有する。
攪拌器、還流冷却管、温度計を備えた四つ口フラスコに、2,5−キシレノール413.5g、サリチルアルデヒド103.4g、p−トルエンスルホン酸20.1g及びメタノール826.9gを仕込み、還流状態まで昇温し、4時間保温した。冷却後、メチルイソブチルケトン1320gを仕込み、留去物の量が1075g程度になるまで常圧蒸留を行った。蒸留後、m−クレゾール762.7g及び2−tert−ブチル−5−メチルフェノール29.0を加え、65℃まで昇温し、さらに37%ホルマリン678gを、混合物の温度が87℃になるように温調しながら、1.5時間かけて滴下した。87℃で10時間保温した後、メチルイソブチルケトン1115gを加え、イオン交換水で3回分液水洗を行った。洗浄終了後の有機層にメチルイソブチルケトン500gを加え、さらに、全量が3435gになるまで減圧濃縮を行った。得られた樹脂液にメチルイソブチルケトン3796gとn−ヘプタン4990gを加え60℃に昇温して1時間攪拌した後、分液を行い下層の粘調な樹脂を取り出した。取り出した樹脂にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3500gを加えて溶解し、1690gになるまで濃縮蒸留を行い、樹脂N1の溶液(固形分44%)を得た。得られた樹脂N1の重量平均分子量は7000であった。
〔レジスト組成物の調製〕
表1の各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.5μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。尚、樹脂の部数は固形分換算での値である。
A1:樹脂A1
A2:樹脂A2
A3:樹脂A3
A4:樹脂A4
A5:樹脂A5
N1:樹脂N1
N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン(アルドリッチ社製)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
表2の基板欄記載の基板に、レジスト組成物を乾燥後の膜厚が5μmとなるようにスピンコートした。塗布後、ホットプレートにて110℃で60秒間プリベークした。こうして基板上に形成された塗膜に、i−線ステッパー〔(株)ニコン製の“NSR−1755i7A”、NA=0.5〕を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、直ちに2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を3回行って、レジストパターン(ラインアンドスペースパターン)を得た。
現像後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、その結果を表2及び表3に示した。
露光後、ホットプレート上にて90℃で180秒間加熱処理を行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を3回行う以外はレジストパターンの製造1と同様の操作を行って、レジストパターン(ラインアンドスペースパターン)を得た。
得られたレジストパターンの線幅を走査型電子顕微鏡で測定し、10μmのラインアンドスペースパターンのライン幅とスペース幅とが1:1となる露光量を実効感度とし、i−線ステッパーの露光時間(msec)によって表2に表記した。
実効感度で得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、2.6μmのラインアンドスペースパターンが完全に分離したものを○、分離しなかったものを×で表2に表記した。
実効感度で得られた10μmのラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、パターンと基板とが接する部分において、裾引きが認められものを○、裾引きが認められるものを×で表2に表記した。
レジストパターンが形成された現像後の基板を120℃のホットプレート上にて、3分間ベークを行った。ベーク前後のレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、ベーク後にも形状変化が認められないものを○、形状が大きく変化したものを×とし、表2に表記した。
Claims (4)
- (1)式(I)で表される基を有する樹脂、ノボラック樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有するレジスト組成物を、基板上に塗布して、塗膜を形成する工程;
(式(I)中、
R1は、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、あるいは水素原子を表す。
R2及びR3は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
R2とR3とは互いに結合し、これらがそれぞれ結合する炭素原子及び酸素原子とともに環を形成してもよく、R1とR2とは互いに結合し、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
(2)(1)で得られた塗膜に露光する工程;
(3)(2)で得られた露光後の塗膜を、加熱処理を行わずに現像する工程;
を含むレジストパターンの製造方法。
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