JP2009046594A - 透明フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フマル酸ジエステル系樹脂および平均粒子径が200nm以下であるコロイダルシリカ等の球状無機粒子からなることを特徴とする透明フィルムであり、該球状無機粒子は、有機シラン化合物、もしくは(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基等の重合性基を含む有機化合物によって表面処理されていることが好ましい。
【選択図】なし
Description
ここで、一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位のエステル置換基であるR1、R2は、それぞれ独立して、炭素数3〜12の分岐アルキル基又は環状アルキル基であり、フッ素,塩素などのハロゲン基;エーテル基、エステル基若しくはアミノ基で置換されていても良く、炭素数3〜12の分岐アルキル基としては、例えばイソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数3〜12の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、特に耐熱性、機械特性に優れた透明フィルムとなることからイソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、特に耐熱性、機械特性のバランスに優れた透明フィルムとなることからイソプロピル基が好ましい。
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、HLC−802A)を用い、クロロホルムを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算から求めた。
作製したフィルムの全光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名NDH2000)を使用して測定した。また、400nm光線透過率は、可視紫外分光光度計(日本分光製、UVIDEC−650)を使用して測定した。
フィルムを無加重下10℃から220℃まで、5℃/min.で昇降温させた時の2回目の昇降温での膨張係数の測定値の平均を線膨張係数とした。
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた30Lのオートクレーブに、ポリビニルアルコール(分子量2,000、けん化度80%)24g、蒸留水15.6kg、フマル酸ジイソプロピル7.4kgおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート50gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、300rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコ中の重合物を濾別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することによりフマル酸ジエステル系樹脂を得た(収率:68%)。1H−NMR測定により、得られたフマル酸ジエステル系樹脂は、フマル酸ジイソプロピル残基単位100(モル%)であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂の数平均分子量は152、000であった。
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、ポリビニルアルコール(分子量2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル137.5g(0.687モル)、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル2.5g(0.015モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:82%)。1H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=96/4(モル%)であるフマル酸ジエステル系樹脂であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂の数平均分子量は47,000であった。
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた5リットルの4ツ口フラスコに、球状無機粒子としてイソプロパノールシリカゾル(コロイダルシリカ微粒子)(SiO2濃度;30重量%、粒子径;20nm、日産化学工業(株))2,000重量部と、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコン(株))160重量部を計量し、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水100重量部を徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。反応後トルエン500重量部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。次に、トルエン1,000重量部を追加し、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行なった。得られた分散液は固形分濃度65重量%であった。
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた5リットルの4ツ口フラスコに、球状無機粒子としてイソプロパノールシリカゾル(コロイダルシリカ微粒子)(SiO2濃度;30重量%、粒子径;180nm、日産化学工業(株))2,000重量部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東京化成製)200重量部を計量し、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水100重量部を徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。反応後トルエン500重量部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。次に、トルエン1,000重量部を追加し、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行なった。得られた分散液は固形分濃度70重量%であった。
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた5リットルの4ツ口フラスコに、球状無機粒子としてイソプロパノールシリカゾル(コロイダルシリカ微粒子)(SiO2濃度;30重量%、粒子径;350nm、日産化学工業(株))2,000重量部と、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、(東芝シリコン(株))160重量部を計量し、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水100重量部を徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。反応後トルエン500重量部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。次に、トルエン1,000重量部を追加し、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行なった。得られた分散液は固形分濃度65重量%であった。
合成例1により得られたフマル酸ジエステル系樹脂80重量部を、合成例3で得られた球状無機粒子のトルエン分散液(固形分:65重量%)31重量部とテトラヒドロフラン389重量部からなる溶液に溶解し、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.3重量部とビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.9重量部を添加し、支持基板上に流延し、50℃で5分乾燥後、更に120℃で10分乾燥した。得られたフィルムの組成はフマル酸ジエステル系樹脂80重量%、球状無機粒子20重量%であった。得られたフィルムの厚みは80μmであり、全光線透過率は91%、ヘーズ0.7であったことから、透明性に優れるフィルムであった。また、200℃で1時間加熱した後に、劣化や着色は見られず耐熱性に優れていた。線膨張係数は74ppm/℃であった。
合成例1により得られたフマル酸ジエステル系樹脂70重量部を、合成例3で得られた球状無機粒子のトルエン分散液(固形分:65重量%)46重量部とテトラヒドロフラン384重量部からなる溶液に溶解し、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.3重量部とビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.9重量部を添加し、支持基板上に流延し、50℃で5分乾燥後、更に120℃で10分乾燥した。得られたフィルムの組成はフマル酸ジエステル系樹脂70重量%、球状無機粒子30重量%であった。得られたフィルムの厚みは75μmであり、全光線透過率は91%、ヘーズ0.7であったことから、透明性に優れるフィルムであった。また、200℃で1時間加熱した後に、劣化や着色は見られず耐熱性に優れていた。線膨張係数は65ppm/℃であった。
合成例2により得られたフマル酸ジエステル系樹脂50重量部に対し、合成例4で得られた球状無機粒子のトルエン分散液(固形分:70重量%)71重量部とテトラヒドロフラン379重量部からなる溶液に溶解し、光カチオン開始剤であるジフェニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸0.5重量部、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.3重量部とビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.9重量部を添加し、支持基板上に流延し、50℃で5分乾燥後、更に120℃で10分乾燥した。
合成例1により得られたフマル酸ジエステル系樹脂100重量部をテトラヒドロフラン400重量部に溶解し、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.3重量部とビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.9重量部を添加し、支持基板上に流延し、50℃で5分乾燥後、更に120℃で10分乾燥した。得られたフィルムの組成はフマル酸ジエステル系樹脂100重量%であった。得られたフィルムの厚みは80μmであり、全光線透過率は93%、ヘーズ0.3であったことから、透明性に優れるフィルムであった。
合成例1により得られたフマル酸ジエステル系樹脂80重量部を合成例5で得られた球状無機粒子のトルエン分散液(固形分:65重量%)31重量部とテトラヒドロフラン389重量部からなる溶液に溶解し、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.3重量部とビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.9重量部を添加し、支持基板上に流延し、50℃で5分乾燥後、更に120℃で10分乾燥した。得られたフィルムの組成はフマル酸ジエステル系樹脂80重量%、球状無機粒子20重量%であった。得られたフィルムの厚みは85μmであり、全光線透過率は85%、ヘーズ22.7であった。
Claims (10)
- フマル酸ジエステル系樹脂および平均粒子径が200nm以下である球状無機粒子からなることを特徴とする透明フィルム。
- フマル酸ジエステル系樹脂30〜99重量%および球状無機粒子70〜1重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の透明フィルム。
- 球状無機粒子が有機化合物によって表面処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明フィルム。
- 球状無機粒子がシリカ系粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の透明フィルムからなる架橋透明フィルム。
- フィルム厚みが10〜400μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の透明フィルム。
- 全光線透過率が85%以上、ヘーズが2.0以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透明フィルム。
- 熱線膨張係数が80ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の透明フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の透明フィルムからなることを特徴とするカラーフィルター用プラスチック基板、薄膜トランジスタアレイ用プラスチック基板、タッチパネル用透明導電性プラスチック基板、太陽電池用透明プラスチック基板。
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