JP5205785B2 - 透明フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、新規な透明性、耐熱性に優れた透明フィルムに関するものである。
液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの基板には一般にガラス基板が用いられているが、割れやすい、比重が大きい、柔軟性および加工性に乏しい等の課題がある。透明樹脂からなるプラスチックフィルムが使用できれば、薄肉軽量化、耐衝撃性向上、フレキシブル性付与など様々なメリットが考えられる。しかしながら、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示素子用プラスチックフィルムには、高い耐熱性や優れた光学特性など厳しい特性が要求される。
これは液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの製造工程において、薄膜トランジスタ(以下、TFT)の形成工程、パネルの張り合わせ工程、配向膜形成工程、透明電極形成工程などで、150℃から200℃以上の高いプロセス温度が必要なためである。またディスプレイの表示特性に対する要求も年々厳しくなっている事から、表示素子用プラスチックフィルムに対しても光線透過率、色調などに対して厳しい要求がある。特に液晶ディスプレイでは、プラスチックフィルムの位相差が表示むらや色調などの表示品質に大きな影響を与えることからフィルムの位相差が特に厳しい項目となっている。ポリエーテルサルフォン(PES)はガラス転移温度が220℃と耐熱性に優れる透明樹脂であるが、表示素子用プラスチックフィルムとしては耐熱性が十分ではなく、薄黄色から茶色に着色していること、光弾性定数が大きくわずかな応力や歪により位相差を生じること、位相差の波長依存性が大きいなど光学的な特性にも多くの課題がある。
我々はフマル酸ジエステル樹脂からなるディスプレイ用プラスチック基板が優れた耐熱性および良好な光学特性を有することを開示している(例えば特許文献1参照。)。しかしながら当該プラスチック基板の熱線膨張係数の改善などが課題であった。
特開2005−97544号公報
本発明の目的は、光学特性および耐熱性に優れ、かつ熱線膨張係数が小さく高温での剛性の改良された透明フィルム、特に表示素子用プラスチック基板用フィルムを提供する事にある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの少なくとも片側に特定のハードコート層が設けられている透明フィルムが上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの少なくとも片側に、平均粒子径が400nm以下である無機粒子1〜95重量%と有機成分99〜5重量%からなる組成物を硬化してなるハードコート層が設けられていることを特徴とする透明フィルムに関するものである。
以下、本発明の透明フィルムについて詳細に説明する。
本発明におけるフマル酸ジエステル系樹脂は、フマル酸エステルの重合体が挙げられ、その中でも一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるフマル酸ジエステル系樹脂が好ましい。
Figure 0005205785
(式中、RおよびRは炭素数3〜12である分岐アルキル基又は環状アルキル基を示す。)
ここで、フマル酸ジエステル残基単位のエステル置換基であるR、Rは、それぞれ独立して、炭素数3〜12の分岐アルキル基又は環状アルキル基であり、フッ素,塩素などのハロゲン基、エーテル基、エステル基若しくはアミノ基で置換されていても良く、炭素数3〜12の分岐アルキル基としては、例えばイソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数3〜12の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、その中でも耐熱性、機械特性に優れた透明フィルムとなることからイソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、特に耐熱性、機械特性のバランスに優れた透明フィルムとなることからイソプロピル基が好ましい。
具体的な一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位としては、例えばフマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−s−ブチル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基、フマル酸ジ−s−ペンチル残基、フマル酸ジ−t−ペンチル残基、フマル酸ジ−s−ヘキシル残基、フマル酸ジ−t−ヘキシル残基、フマル酸ジシクロプロピル残基、フマル酸ジシクロペンチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が挙げられ、その中でもフマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−s−ブチル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基、フマル酸ジシクロペンチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基が好ましく、特にフマル酸ジイソプロピル残基が好ましい。
一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上から成るフマル酸ジエステル系樹脂としては、実質的には一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上、他の単量体からなる残基単位50モル%以下からなるフマル酸ジエステル系樹脂であり、他の単量体からなる残基単位としては、例えばスチレン残基、α−メチルスチレン残基等のスチレン類残基;アクリル酸残基;アクリル酸メチル残基、アクリル酸エチル残基、アクリル酸ブチル残基、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基等のアクリル酸エステル類残基;メタクリル酸残基;メタクリル酸メチル残基、メタクリル酸エチル残基、メタクリル酸ブチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基等のメタクリル酸エステル類残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基等のビニルエステル類残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基;エチレン残基、プロピレン残基等のオレフィン類残基、等の1種又は2種以上を挙げることができる。
そして、フマル酸ジステル系樹脂としては、一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位が50モル%以上が好ましく、特に70モル%以上であることが好ましく、さらに耐熱性及び機械特性に優れた透明フィルムとなることからフマル酸ジエステル残基単位が80モル%以上、90モル%以上であることが好ましい。
本発明におけるフマル酸ジエステル系樹脂は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×10以上のものが好ましく、特に機械特性に優れ、製膜時の加工性に優れた透明フィルムとなることから2×10以上5×10以下であることが好ましい。
本発明におけるフマル酸ジエステル系樹脂の製造方法としては、該フマル酸ジエステル系樹脂が得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよく、例えばフマル酸ジエステル類、場合によっては他の単量体を併用しラジカル重合を行うことにより製造することができる。この際のフマル酸ジエステル類としては、例えばフマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−s−ブチル、フマル酸ジ−t−ブチル、フマル酸ジ−s−ペンチル、フマル酸ジ−t−ペンチル、フマル酸ジ−s−ヘキシル、フマル酸ジ−t−ヘキシル、フマル酸ジシクロプロピル、フマル酸ジシクロペンチル、フマル酸ジシクロヘキシル等が挙げられ、他の単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等のメタクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等の1種又は2種以上を挙げることができる。
また、ラジカル重合法を行う際の重合法としては、公知の重合法で行うことが可能であり、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法のいずれもが採用可能である。
ラジカル重合法を行う際の重合開始剤としては、tert−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物やアゾ系開始剤が挙げられる。
そして、溶液重合法又は沈殿重合法において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒;シクロヘキサン;ジオキサン;テトラヒドロフラン;アセトン;メチルエチルケトン;ジメチルホルムアミド;酢酸イソプロピル;水等が挙げられ、これらの混合溶媒も挙げられる。
また、ラジカル重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明におけるフマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの製造方法としては、前記フマル酸ジエステル系樹脂を溶液キャスト法、溶融キャスト法等の方法によりフィルム化することにより製造出来る。溶液キャスト法は、フマル酸ジエステル系樹脂をテトラヒドロフラン等の溶媒に溶解した溶液(以下、ドープと称する。)を支持基板上に流延した後、加熱等により溶媒を除去しフィルムを得る方法である。また、溶融キャスト法は、フマル酸ジエステル系樹脂を押出機内で溶融し、Tダイのスリットからフィルム状に押出した後、ロールやエアーなどで冷却しつつ引き取る成形法である。
フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みは、10〜400μmであることが好ましく、より好ましくは20〜200μmであり、更に好ましくは30〜150μmの範囲である。
本発明における無機粒子としては、例えばコロイダルシリカ微粒子等のシリカ系粒子、炭酸カルシウム等の炭酸塩、酸化チタン等の金属酸化物系粒子などが挙げられ、その中でも表面修飾の容易さや入手しやすさからシリカ系粒子が好ましく、特に粒子径の制御が容易であることからコロイダルシリカ微粒子が好ましい。無機粒子の平均粒子径は400nm以下であり、好ましくは300nm以下、特に好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。平均粒子径が400nmを超える場合には得られる透明フィルムの透明性が低下する。
また、無機粒子として好ましく用いるコロイダルシリカ微粒子は、平均粒子径が1〜400nmの範囲の無水ケイ酸の超微粒子を、水または有機溶媒に分散させた状態のものである。このようなコロイダルシリカ微粒子は、公知の方法で製造することもできるが市販もされている。
ここで、無機粒子としては、透明フィルムにおける分散性や強度などの点で重合性不飽和基によって表面処理されていることが好ましく、該重合性不飽和基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基などが挙げられ、特に反応性が高く、生産性に優れることから(メタ)アクリロイル基が好ましい。
無機粒子の表面処理方法は特に制限はなく、特に重合性不飽和基を有する有機シラン化合物を用いる表面処理方法が好ましく、該表面処理方法としては、例えば無機粒子と重合性不飽和基を有する有機シラン化合物を混合した後、加水分解触媒を加え、常温または加熱下で攪拌する方法などで行われる。ここで無機粒子中の分散触媒と縮合反応で生じる水を常圧または減圧下で共沸留出させ縮合反応を行う。この際、反応を促進させる目的で、水、酸、塩基、塩等の触媒を用いてもよい。このようにして、表面修飾した無機粒子を得ることができる。
表面処理方法に用いる重合性不飽和基を有する有機シラン化合物としては、特に限定はなく、公知のものを使用することができる。この具体例としては、例えばスチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、ビニルトリス(3−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。また、これらの化合物のエポキシ基やグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加したシラン化合物、アミノ基に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個有する化合物をマイケル付加したシラン化合物、アミノ基やメルカプト基に(メタ)アクリロイルオキシ基およびイソシアネート基を有する化合物を付加したシラン化合物、イソシアネート基に(メタ)アクリロイルオキシ基および水酸基を有する化合物を付加したシラン化合物等も用いることができる。これらの中でも3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランから選択されるシラン化合物は反応性が優れる点で特に好ましい。
本発明おける有機成分としては、例えば重合性基を有する有機化合物が挙げられ、該重合性基を有する有機化合物としては、例えば(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物、スチリル基を有する有機化合物、ビニル基を有する有機化合物等のラジカル重合性基を有する有機化合物;エポキシ基を有する有機化合物、オキセタン基を有する有機化合物等のイオン重合性基を有する有機化合物が挙げられる。この中でも反応性の高さ、生成する硬化物の熱的な安定性からラジカル重合性基有する有機化合物が好ましく、特に生産性の点から(メタ)アクリロイル基有する有機化合物が好ましい。ここで、有機化合物とは、例えばウレタン、エポキシ、ポリエステル、(メタ)アクリレート等が挙げられる。
具体的な(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物としては、例えばウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、モノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、モノ及びジ(メタ)アクリルアミド等の単〜多官能(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のイソシアネート化合物と;ポリエチレングリコール(繰返し単位数:6〜20)、ポリプロピレングリコール(繰返し単位数:6〜20)、ポリブチレングリコール(繰返し単位数:6〜20)1−メチルブチレングリコール(繰り返し単位数:6〜20)、ポリテトラメチレングリコール(繰返し単位数:6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アルキレン(炭素数:2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(繰返し単位数:2〜10)ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、フタル酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール(炭素数4〜6の脂肪族骨格)等のジオール化合物と;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させたウレタン(メタ)アクリレート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のイソシアネート化合物や、それらの多量体に;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加したウレタン(メタ)アクリレート;1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカンヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、デカリンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等のイソシアネート化合物の単量体または多量体に;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加したウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル化合物に(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに得られる硬化物の機械物性を調整する目的で、分子内に1〜2個のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物を、必要に応じて適宜含有させてもよい。該ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば各種のアルキルモノ、あるいはポリアルコールから誘導されるエステル型モノ、およびジ(メタ)アクリレート;モノ、およびジ(メタ)アクリルアミド類;ビニルエーテル化合物;ビニルエステル化合物;その他ビニル系化合物;アリル化合物等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸等の多塩基酸類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、カプロラクタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA等の多価アルコール類;および(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応で得られるポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルフォリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。
ジ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(繰返し単位数:5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(繰返し単位数:5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール(繰返し単位数:3〜16)、ジ(メタ)アクリル酸ポリ(1−メチルブチレングリコール)(繰返し単位数:5〜20)、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのジ(メタ)アクリレートや、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
また、モノおよびジ(メタ)アクリルアミド類の具体例としては、例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。
具体的なスチリル基を有する有機化合物としては、例えばウレタンスチレート、エポキシスチレート、ポリエステルスチレート等が挙げられる。
具体的なビニル基を有する有機化合物としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等が挙げられる。
具体的なエポキシ基を有する有機化合物としては、例えばエポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス−(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン、3、4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’、4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、1,2:8,9ジエポキシリモネン等が挙げられる。
具体的なオキセタン基を有する化合物としては、例えばキシリレンジオキセタン等が挙げられる。
これらの中でも有機成分としては、(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
これらは、一種を単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
本発明における無機粒子と有機成分の割合は、無機粒子1〜95重量%、有機成分99〜5重量%であり、好ましくは無機粒子10〜80重量%、有機成分90〜20重量%であり、特に無機粒子40〜70重量%、有機成分60〜30重量%が好ましい。無機粒子が1重量%未満の場合には、透明フィルムの熱膨張係数の改善効果が低下し、無機粒子が95重量%を超える場合には透明フィルムにおけるハードコート層の強度が低下する。
本発明における無機粒子と有機成分からなる組成物の製造方法としては、例えば無機粒子と有機成分を混合攪拌することにより製造することができる。
本発明の透明フィルムにおけるハードコート層は、無機粒子と有機成分からなる組成物を硬化してなるものであり、該ハードコート層の製造方法としては、例えば無機粒子および有機成分からなる組成物を活性エネルギー線の照射および/または加熱によりラジカル重合して硬化してなるハードコート層を製造することができる。
ラジカル重合する際には、重合開始剤を用いることが好ましく、該重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の光重合開始剤;メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の熱重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤は、生産性や保存安定性などの製造加工面、着色などの品質面を考慮して選択され、特に生産性に優れることから光重合開始剤が好ましく用いられる。
また、活性エネルギー線の種類としては、例えば電子線、紫外線、赤外線、可視光線等の公知の活性エネルギー線が挙げられる。それらの中でも、汎用性が高く、装置のコストや生産性に優れることから、紫外線を利用することが好ましい。その紫外線を発生させる光源としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高周波誘導水銀ランプ等が適している。
活性エネルギー線の照射による硬化時の雰囲気下は、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下であっても、空気雰囲気下であってもよい。それらの中でも、簡便で低コストであることから、空気雰囲気下であることが好ましい。
硬化条件についても特に制限されるものではなく、例えば活性エネルギー線を用いた場合、照射量を0.01〜10J/cmの範囲内の値とするのが好ましく、0.1〜5J/cmの範囲内の値とするのがより好ましく、0.3〜3J/cmの範囲内の値とするのが特に好ましい。また、加熱して硬化させる場合には、30〜200℃の範囲内の温度で1〜180分間加熱するのが好ましく、50〜180℃の範囲内の温度で2〜120分間加熱するのがより好ましく、80〜150℃の範囲内の温度で5〜60分間加熱するのがさらに好ましい。
本発明のハードコート層として市販のハードコート剤を用いることもできる。無機粒子を含有する市販のハードコート剤としては、例えばJSR製ハードコート剤デソライト、三菱レイヨン製ハードコート剤レイクイーン、荒川化学工業製ハードコート剤コンポラセン、株式会社アデカ製ハードコート剤アデカナノハイブリッドシリコーンFX−Vなどが挙げられる。
本発明のハードコート層は少なくともフマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの少なくとも片側、好ましくは両側に設けられ、該ハードコート層の厚みは1〜50μmが好ましく、特に好ましくは3〜30μm、さらに好ましくは5〜25μmである。
本発明の透明フィルムは、フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの少なくとも片側にハードコート層が設けられているフィルムであり、該透明フィルムの製造方法としては、例えばフマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムに、無機粒子と有機成分からなる組成物を塗布して塗膜を形成した後、活性エネルギー線の照射および/または加熱によりラジカル重合することにより、フマル酸ジエステルからなるフィルムに、無機粒子と有機成分からなる組成物を硬化してなるハードコート層が設けられている透明性フィルムを製造することができる。
塗布する際には、粘度調整の他、分散安定性、さらには基材との密着性およびハードコート層の平滑性、均一性などの面から、有機溶剤を用いることが好ましい。該有機溶剤としては特に限定されるものではなく、例えばアルコール系、炭化水素系、ケトン系、エーテル系、エステル系、多価アルコール誘導体系、ハロゲン化炭化水素系等の有機溶剤から選ばれる少なくとも1種以上を挙げることができる。有機溶剤の具体例としては、例えばイソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、高沸点芳香族溶剤等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;エチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル、酢酸メトキシプロピル、酢酸エトキシエチル等のエステル系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノール、メトキシプロピルアセテート、メトキシブタノール、エチルジグリコール等の多価アルコール誘導体系溶剤等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
該有機溶剤を使用する場合、塗布後、硬化を行う前に溶剤を揮発させることが好ましい。その手法としては特に限定されるものではなく、自然乾燥のほか、赤外線乾燥または熱風炉による乾燥等公知の手段を用いて、20〜120℃で1〜60分間の熱処理を行うことができる。
本発明の透明フィルムにおけるフマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムとハードコート層の厚みの関係はフマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みをd1、ハードコート層の厚みをd2とした場合のd2/(d1+d2)が、0.01以上0.8以下が好ましく、特に0.05以上0.5以下、更に0.07以上0.3以下が好ましい。
本発明の透明フィルムは、全光線透過率が85%以上が好ましく、特に好ましくは90%以上であり、また波長400nmでの光線透過率は80%以上が好ましく、特に好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。また、ヘーズは2.0以下が好ましく、特に好ましくは1.0以下である。
また、透明フィルムの位相差は面内位相差が10nm以下が好ましく、特に好ましくは5nm以下であり、また面内の位相差むらが5nm以下であることが好ましい。また、透明フィルムの厚みは均一であることが望ましく、厚みむらは10μm以下が好ましく、特に好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
透明フィルムの熱線膨張係数は、65ppm/℃以下が好ましく、特に60ppm/℃以下、更に50ppm以下が好ましい。
本発明の透明フィルムは、大気雰囲気下における湿気や酸化によるディスプレイの劣化を保護するために、少なくとも一層以上のガスバリア層を積層してなる積層体とすることも可能である。該ガスバリア層としては、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化タンタル、アルミ膜などの無機物層;ポリビニルアルコール、ポリオレフィンなどの有機膜層が挙げられる。ガスバリア層の厚みは無機膜の場合は1〜1000nmが好ましく、特に好ましくは10〜300nmであり、有機層の場合には0.1〜100μmが好ましく、特に好ましくは1〜50μmである。これらガスバリア層は有機層と無機層を積層化、多層化する事も出来る。ガスバリア層は、蒸着、スパッタ、PECVD、CatCVD、コーティングやラミネーティングなど公知の手法により形成することができる。透明フィルムとガスバリア層の間にプライマー処理をすることもできる。
本発明の透明フィルムは、熱安定性あるいは光安定性を向上させる目的で酸化防止剤あるいは光安定剤を含んでいてもよい。該酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ラクトン酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤、その他酸化防止剤が挙げられる。また、該光安定剤としては、例えばヒンダートアミン系光安定剤等が挙げられる。これら酸化防止剤あるいは光安定剤はそれぞれ単独で用いてもよく、それぞれを併用して用いても良い。
また、本発明の透明フィルムは、液晶化合物の劣化防止などの目的で、紫外線吸収剤を含んでいてもよく、該紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエートなどの紫外線吸収剤を必要に応じて添加することもできる。これら紫外線吸収剤は一種類以上組み合わせて用いることもできる。
さらに、本発明の透明フィルムは、発明の主旨を越えない範囲で、その他ポリマー、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、無機フィラー、顔料、染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等が加えられていてもよい。
本発明の透明フィルムは、偏向板保護フィルム、位相差フィルム、タッチパネルフィルム、フラットパネルディスプレイ用フィルム基板、太陽電池用フィルム基板、カラーフィルター用プラスチック基板、薄膜トランジスタアレイ用プラスチック基板、タッチパネル用透明導電性プラスチック基板、太陽電池用透明プラスチック基板として使用でき、その中でも特にカラーフィルター用プラスチック基板、薄膜トランジスタアレイ用プラスチック基板、タッチパネル用透明導電性プラスチック基板、太陽電池用透明プラスチック基板として使用することが好ましい。
本発明の透明フィルムは、透明性、耐熱性に優れるものであり、各種光学フィルム用途に適し、特に液晶表示素子用ディスプレイ用フィルム基板として適したものである。
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。断りのない限り用いた試薬は市販品を用いた。
なお、実施例により用いた分析・評価方法を以下に示す。
〜フマル酸ジエステル系樹脂の組成〜
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(H−NMR)スペクトル分析より求めた。
〜数平均分子量の測定〜
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、HLC−802A)を用い、クロロホルムを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算から求めた。
〜透明性の評価方法〜
作製したフィルムの全光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名NDH2000)を使用して測定した。また、400nmでの光線透過率は、可視紫外分光光度計(日本分光製、UVIDEC−650)を使用して測定した。
〜フィルムの位相差の測定〜
全自動複屈折計(王子計測機器株式会社製、商品名KOBRA−21ADH)を用い測定した。
〜熱線膨張係数の測定〜
フィルムを無加重下10℃から220℃まで、5℃/min.で昇降温させた時の2回目の昇降温での膨張係数の測定値の平均を線膨張係数とした。
合成例1(フマル酸ジエステル系樹脂の製造例1)
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた30Lのオートクレーブに、ポリビニルアルコール(分子量2,000、けん化度80%)24g、蒸留水15.6kg、フマル酸ジイソプロピル7.4kgおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート50gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、300rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコ中の重合物を濾別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することによりフマル酸ジエステル系樹脂を得た(収率:68%)。H−NMR測定により、得られたフマル酸ジエステル系樹脂は、フマル酸ジイソプロピル残基単位100(モル%)であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂の数平均分子量は152、000であった。
合成例2(フマル酸ジエステル系樹脂の製造例2)
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、ポリビニルアルコール(分子量2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル137.5g(0.687モル)、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル2.5g(0.015モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することによりフマル酸ジエステル系樹脂を得た(収率:82%)。H−NMR測定により、得られたフマル酸ジエステル系樹脂は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=96/4(モル%)であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂の数平均分子量は47,000であった。
合成例3(フィルム製造例1)
合成例1により得られたフマル酸ジエステル系樹脂100部を400部のテトラヒドロフランに溶解し20重量%溶液とし、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.5部とビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト1.0部を添加し、支持基板上に流延し、50℃で5分乾燥後、更に120℃で10分乾燥した。厚み100μm、厚みむらが2μmのロールフィルムを作製した。
合成例4(フィルム製造例2)
合成例1により得られたフマル酸ジエステル系樹脂100部を400部のテトラヒドロフランに溶解し20重量%溶液とし、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.5部とビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト1.0部を添加し、合成例3と同様に溶液キャスト法により厚み80μm、厚みむらが2μmのフィルムを作製した。
合成例5(フィルム製造例3)
合成例2により得られたフマル酸ジエステル系樹脂100部に対し、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸1.5部、テトラヒドロフラン400部を混合し、20重量%溶液とした。さらに該溶液にペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.35部、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト1.05部を添加した溶液とした。
得られた溶液を、バーコーターを用いて支持基板上に流延し、次いで100℃で加熱して溶媒を除去し、水銀ランプにて光を10分間照射し、厚み140μm、厚みむらが2μmのフィルムを作製した。
合成例6(無機粒子の表面処理1)
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた5リットルの4ツ口フラスコに、無機粒子としてイソプロパノールシリカゾル(コロイダルシリカ微粒子)(SiO濃度;30重量%、平均粒子径;20nm、日産化学工業(株))2,000部と、重合性基としてメタアクリロイル基を有する3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコン(株))160部を計量し、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水100部を徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。反応後トルエン500部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。次に、トルエン1,000部を追加し、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行なった。得られた分散液は固形分濃度65重量%、粘度55cpsであった。
合成例7(無機粒子の表面処理2)
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた5リットルの4ツ口フラスコに、無機粒子としてイソプロパノールシリカゾル(コロイダルシリカ微粒子)(SiO濃度;30重量%、平均粒子径;300nm、日産化学工業(株))2,000部と、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコン(株))160部を計量し、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水100部を徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。反応後トルエン500部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。次に、トルエン1,000部を追加し、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行なった。得られた分散液は固形分濃度65重量%、粘度55cpsであった。
合成例8(無機粒子の表面処理3)
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた5リットルの4ツ口フラスコに、無機粒子としてイソプロパノールシリカゾル(SiO濃度;30重量%、平均粒子径;450nm、日産化学工業(株))2,000部と、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコン(株))160部を計量し、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水100部を徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。反応後トルエン500部を追加し、アルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。次に、トルエン1,000部を追加し、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を行なった。得られた分散液は固形分濃度65重量%、粘度55cpsであった。
実施例1
合成例6で得られた重合性不飽和基によって表面処理がなされたシリカ粒子(固形分:65%)100部、有機成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:カヤラッドDPHA;日本化薬(株)社製)23.3部、トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機(株)社製)20部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:Irg−184、チバスペシャルティケミカルズ社製)1部を混合攪拌して組成物(無機粒子60重量%、有機成分40重量%)を得た。得られた組成物にメチルエチルケトン(MEK)100部を加え、合成例3で作製したロールフィルムにコーターで塗布して塗膜を形成し、60℃/80℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し(照射量300mJ/cm)、フマル酸ジエステルからなるフィルムに、硬化してなる厚さ5μmのハードコート層が設けられているフィルムを得た。フィルム裏面にも同様に5μmのハードコート層を形成した。
フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みをd1、ハードコートの厚み(両面の合計厚み)をd2とした場合のハードコート層とフマル酸エステルフィルムの厚みの比:d2/(d1+d2)は0.09であった。
得られたフィルムの全光線透過率は91%、波長400nmでの光線透過率90%、ヘーズ0.6、フィルムの面内位相差は2nmであったことから、透明性に優れる透明フィルムであった。また、線膨張係数は45ppm/℃であった。
実施例2
合成例6で得られた重合性不飽和基によって表面処理がなされたシリカ粒子(固形分:65%)100部、有機成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:カヤラッドDPHA;日本化薬(株)社製)25部、トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機(株)社製)30部、アクリル酸イソボルニル(大阪有機(株)社製)5部、アクリル酸4−ヒドロキシエチル5部、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカル製、商品名ダロキュア1173)1部、酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカル製、商品名Irganox1010)1.4部を混合攪拌して組成物(無機粒子50重量%、有機成分50重量%)を得た。得られた組成物にメチルエチルケトン(MEK)100部を加え、合成例3で作製したロールフィルムにコーターで塗布して塗膜を形成し、60℃/80℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し(照射量220mJ/cm)、フマル酸ジエステルからなるフィルムに、硬化してなる厚さ5μmのハードコート層が設けられているフィルムを得た。フィルム裏面にも同様に5μmのハードコート層を形成した。
フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みをd1、ハードコートの厚み(両面の合計厚み)をd2とした場合のハードコート層とフマル酸エステルフィルムの厚みの比:d2/(d1+d2)は0.09であった。
得られたフィルムの全光線透過率は91%、波長400nmでの光線透過率90%、ヘーズ0.5、フィルムの面内位相差は2nmであったことから、透明性に優れる透明フィルムであった。また、線膨張係数は51ppm/℃であった。
実施例3
合成例6で得られた重合性不飽和基によって表面処理がなされたシリカ粒子(固形分:65%)100部、有機成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:カヤラッドDPHA;日本化薬(株)社製)23.3部、トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機(株)社製)20部、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカル製、商品名ダロキュア1173)1部を混合攪拌して組成物(無機粒子60重量%、有機成分40重量%)を得た。得られた組成物にメチルエチルケトン(MEK)100部を加え、合成例4で作製したロールフィルムにコーターで塗布して塗膜を形成し、60℃/80℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し(照射量300mJ/cm)、フマル酸ジエステルからなるフィルムに、硬化してなる厚さ10μmのハードコート層が設けられているフィルムを得た。フィルム裏面にも同様に10μmのハードコート層を形成した。
フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みをd1、ハードコートの厚み(両面の合計厚み)をd2とした場合のハードコート層とフマル酸エステルフィルムの厚みの比:d2/(d1+d2)は0.2であった。
得られたフィルムの全光線透過率は92%、波長400nmでの光線透過率90%、ヘーズ0.7、フィルムの面内位相差は1nmであったことから、透明性に優れる透明フィルムであった。また、線膨張係数は39ppm/℃であった。
実施例4
合成例7で得られた重合性不飽和基によって表面処理がなされたシリカ粒子(固形分:65%)10部、有機成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:カヤラッドDPHA;日本化薬(株)社製)53.5部、トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機(株)社製)70部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:Irg−184、チバスペシャルティケミカルズ社製)1.5部を混合攪拌して組成物(無機粒子5重量%、有機成分95重量%)を得た。得られた組成物にメチルエチルケトン(MEK)100部を加え、合成例5で作製したロールフィルムにコーターで塗布して塗膜を形成し、60℃/80℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し(照射量300mJ/cm)、フマル酸ジエステルからなるフィルムに、硬化してなる厚さ5μmのハードコート層が設けられているフィルムを得た。フィルム裏面にも同様に5μmのハードコート層を形成した。
フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みをd1、ハードコートの厚み(両面の合計厚み)をd2とした場合のハードコート層とフマル酸エステルフィルムの厚みの比:d2/(d1+d2)は0.07であった。
得られたフィルムの全光線透過率は91%、波長400nmでの光線透過率90%、ヘーズ1.6、フィルムの面内位相差は2nmであったことから、透明性に優れる透明フィルムであった。また、線膨張係数は63ppm/℃であった。
実施例5
合成例6で得られた重合性不飽和基によって表面処理がなされたシリカ粒子(固形分:65%)200部、有機成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:カヤラッドDPHA;日本化薬(株)社製)7.4部、トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機(株)社製)7部、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカル製、商品名ダロキュア1173)1部、酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカル製、商品名Irganox1010)1.4部を混合攪拌して組成物(無機粒子90重量%、有機成分10重量%)を得た。得られた組成物にメチルエチルケトン(MEK)100部を加え、合成例3で作製したロールフィルムにコーターで塗布して塗膜を形成し、60℃/80℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し(照射量220mJ/cm)、フマル酸ジエステルからなるフィルムに、硬化してなる厚さ5μmのハードコート層が設けられているフィルムを得た。フィルム裏面にも同様に5μmのハードコート層を形成した。
フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みをd1、ハードコートの厚み(両面の合計厚み)をd2とした場合のハードコート層とフマル酸エステルフィルムの厚みの比:d2/(d1+d2)は0.09であった。
得られたフィルムの全光線透過率は91%、波長400nmでの光線透過率90%、ヘーズ0.5、フィルムの面内位相差は2nmであったことから、透明性に優れる透明フィルムであった。また、線膨張係数は35ppm/℃であった。
これら実施例1〜5で得られた透明フィルムは、カラーフィルター用プラスチック基板、TFTアレイ用プラスチック基板、タッチパネル用透明導電性プラスチック基板、太陽電池用透明プラスチック基板に適したものであった。
比較例1
ハードコート層を用いず合成例3で作製したフィルムについて実施例1と同様の評価を行った。フィルムの全光線透過率は93%、波長400nmでの光線透過率91%、ヘーズ0.4、フィルムの面内位相差は2nmと光学特性に優れるが、ハードコート層を用いなかったことから線膨張係数は95ppm/℃と大きいものであった。
比較例2
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:カヤラッドDPHA;日本化薬(株)社製)50部、トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機(株)社製)35部、アクリル酸イソボルニル(大阪有機(株)社製)10部、アクリル酸4−ヒドロキシエチル5部、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカル製、商品名ダロキュア1173)1部、酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカル製、商品名Irganox1010)1.4部を混合攪拌して組成物(無機粒子0重量%、有機成分100重量%)を得た。得られた組成物にメチルエチルケトン(MEK)100部を加え、合成例3で作製したロールフィルムにコーターで塗布して塗膜を形成し、60℃/80℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し(照射量300mJ/cm)、フマル酸ジエステルからなるフィルムに、硬化してなる厚さ5μmのハードコート層が設けられているフィルムを得た。フィルム裏面にも同様に5μmのハードコート層を形成した。
得られたフィルムの全光線透過率は91%、波長400nmでの光線透過率90%、ヘーズ0.6、フィルムの面内位相差は2nmと光学特性に優れるが、ハードコート層に無機粒子を用いなかったことから、線膨張係数は78ppm/℃と大きいものであった。
比較例3
合成例6で得られた重合性不飽和基によって表面処理がなされたシリカ粒子(固形分:65%)を用いて、比較例2と同様に混合攪拌して組成物(無機粒子100重量%、有機成分0重量%)を得た。得られた組成物にメチルエチルケトン(MEK)100部を加え、合成例3で作製したロールフィルムにコーターで塗布して塗膜を形成し、60℃/80℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し(照射量300mJ/cm)、フマル酸ジエステルからなるフィルムに、硬化してなる厚さ5μmのハードコート層が設けられているフィルムを得た。フィルム裏面にも同様に5μmのハードコート層を形成した。
フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みをd1、ハードコートの厚み(両面の合計厚み)をd2とした場合のハードコート層とフマル酸エステルフィルムの厚みの比:d2/(d1+d2)は0.09であった。
ハードコート層に有機成分を用いなかったことからハードコード層の強度が低下し、得られたフィルムの表面はクラックが入りハードコート層が剥離した。
比較例4
合成例8で得られた重合性不飽和基によって表面処理がなされたシリカ粒子(固形分:65%)100部、有機成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:カヤラッドDPHA;日本化薬(株)社製)23.3部、トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機(株)社製)20部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:Irg−184、チバスペシャルティケミカルズ社製)1部を混合攪拌して組成物(無機粒子60重量%、有機成分40重量%)を得た。得られた組成物にメチルエチルケトン(MEK)100部を加え、合成例3で作製したロールフィルムにコーターで塗布して塗膜を形成し、60℃/80℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯で紫外線を照射し(照射量300mJ/cm)、フマル酸ジエステルからなるフィルムに、硬化してなる厚さ5μmのハードコート層が設けられているフィルムを得た。フィルム裏面にも同様に5μmのハードコート層を形成した。
フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みをd1、ハードコートの厚み(両面の合計厚み)をd2とした場合のハードコート層とフマル酸エステルフィルムの厚みの比:d2/(d1+d2)は0.09であった。
得られたフィルムの全光線透過率は91%、波長400nmでの光線透過率90%、ヘーズ10.8、フィルムの面内位相差は2nmであった。
ハードコート層に用いる無機粒子の平均粒径が大きいことから、透明性に劣るフィルムであった。

Claims (9)

  1. 熱線膨張係数が65ppm/℃以下であり、フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの少なくとも片側に、平均粒子径が400nm以下である無機粒子1〜95重量%と有機成分99〜5重量%からなる組成物を硬化してなるハードコート層が設けられていることを特徴とする透明フィルム。
  2. フマル酸ジエステル系樹脂が、下記一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載の透明フィルム。
    Figure 0005205785
    (式中、RおよびRは炭素数3〜12である分岐アルキル基又は環状アルキル基を示す。)
  3. 無機粒子が重合性不飽和基によって表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明フィルム。
  4. 重合性不飽和基が(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする請求項3に記載の透明フィルム。
  5. 無機粒子がシリカ系粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明フィルム。
  6. 有機成分が少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明フィルム。
  7. フマル酸ジエステル系樹脂からなるフィルムの厚みが10〜400μmであり、ハードコート層の厚みが1〜50μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の透明フィルム。
  8. 全光線透過率が90%以上、波長400nmでの光線透過率が85%以上であり、ヘーズが2.0以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透明フィルム。
  9. 透明フィルムが、カラーフィルター用プラスチック基板、薄膜トランジスタアレイ用プラスチック基板、タッチパネル用透明導電性プラスチック基板、太陽電池用透明プラスチック基板であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透明フィルム。
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