JP2020125418A - 樹脂組成物およびそれを用いた光学フィルム - Google Patents

樹脂組成物およびそれを用いた光学フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】位相差特性および波長依存性に優れた光学フィルムを提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるフマル酸エステル系重合体80重量%以上、及びシリコーン樹脂を0.1重量%以上20重量%以下含有する樹脂組成物。(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜12である直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6である環状アルキル基を示す)【選択図】なし

Description

本発明は光学材料として好適な樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しくは、樹脂組成物ならびに位相差特性、波長依存性、寸法安定性に優れる光学フィルムに関する。
本発明は、負の複屈折を有し、位相差特性、波長依存性等の寸法安定性に優れた光学フィルム、特に液晶表示素子用の光学フィルムに関するものである。
液晶ディスプレイは、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、スマートフォン、コンピュータ用モニター、ノートパソコン、テレビまで幅広く使用されている。
液晶ディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられており、特に位相差フィルムは正面や斜めから見た場合のコントラストの向上、色調の補償等大きな役割を果たしている。従来の位相差フィルムとしては、ポリカーボネートや環状ポリオレフィンが使用されており、これらの高分子はいずれも正の複屈折を有する高分子である。ここで、複屈折の正負は以下に示すように定義される。
延伸等で分子配向した高分子フィルムの光学異方性は、フィルムを延伸した場合のフィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした屈折率楕円体で表すことができる。
つまり、負の複屈折を有する高分子の一軸延伸では延伸軸方向の屈折率が小さく(進相軸:延伸方向)、正の複屈折を有する高分子の一軸延伸では延伸軸方向と直交する軸方向の屈折率が小さい(進相軸:延伸方向と直交方向)。
また、面内位相差(Re)は、進相軸方向と直交方向の屈折率(ny)−進相軸方向の屈折率(nx)にフィルムの厚みを掛けた値として表される。
多くの高分子は正の複屈折性を有する。負の複屈折を有する高分子としてはアクリル樹脂やポリスチレンがあるが、アクリル樹脂は位相差の発現性が小さく、光学補償フィルムとしての特性は十分でない。ポリスチレンは、室温領域での光弾性係数が大きくわずかな応力で位相差が変化するなど位相差の安定性の課題、位相差の波長依存性が大きいといった光学特性上の課題、更に耐熱性が低いといった実用上の課題があり現状用いられていない。
ここで位相差の波長依存性とは、位相差が測定波長に依存して変化することを意味し、波長450nmで測定した位相差(R450)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比R450/R550として表すことができる。一般に芳香族構造の高分子ではこのR450/R550が大きくなる傾向が強く、低波長領域でのコントラストや視野角特性が低下する。
負の複屈折を示す高分子の延伸フィルムはフィルムの厚み方向の屈折率が高く、従来にない光学補償フィルムとなるため、例えばスーパーツイストネマチック型液晶(STN−LCD)や垂直配向型液晶(VA−LCD)、面内配向型液晶(IPS−LCD)、反射型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイなどのディスプレイの視角特性の補償用の光学補償フィルムや偏光板の視角を補償するための光学補償フィルムとして有用であり、負の複屈折を有する光学補償フィルムに対して市場の要求が強い。
正の複屈折を有する高分子を用いてフィルムの厚み方向の屈折率を高めたフィルムの製造方法が提案されている。ひとつは高分子フィルムの片面または両面に熱収縮性フィルムを接着し、その積層体を加熱延伸処理して、高分子フィルムの厚み方向に収縮力をかける処理方法(例えば特許文献1〜3参照)である。また、高分子フィルムに電場を印加しながら面内に一軸延伸する方法が提案されている(例えば特許文献4参照)。
また、負の光学異方性を有する微粒子と透明性高分子からなる光学補償フィルムが提案されている(例えば特許文献5参照)。
また、液晶性高分子フィルムを塗布し、ホメオトロピック配向させた光学補償フィルムあるいは光学補償層が提案されている(例えば特許文献6参照。)。さらに、ポリビニルナフタレンやポリビニルビフェニルなどの芳香族ポリマーを塗布した光学補償膜が提案されている(例えば特許文献7、非特許文献1参照)。さらにポリビニルカルバゾール系高分子を用いた光学フィルムが提案されている(例えば特許文献8参照)。
また、フマル酸エステル系樹脂からなる光学フィルムが提案されている。(例えば特許文献9参照)
特許2818983号公報 特開平05−297223号公報 特開平05−323120号公報 特開平06−088909号公報 特開2005−156862号公報 特開2002−333524号公報 特開2006−221116号公報 特開2001−91746号公報 特開2008−64817号公報
日本レオロジー学会誌Vol22、No.2、129−134(1994)
しかし、特許文献1〜4において提案された方法は、製造工程が非常に複雑になるため生産性に劣るといった課題がある。また位相差の均一性などの制御も従来の延伸による制御に比べると著しく難しくなる。またベースフィルムとしてポリカーボネートを使用した場合には室温での光弾性定数が大きく、わずかな応力により位相差が変化するなど位相差の安定性にも課題がある。更に位相差の波長依存性が大きいなどの課題を抱えている。
また、特許文献5で得られる光学補償フィルムは、負の光学異方性を有する微粒子を添加することにより負の複屈折を有する光学補償フィルムであり、製造方法の簡便化及び経済性の観点から、微粒子を添加する必要のない光学補償フィルムが求められている。特許文献6に記載の方法では液晶性高分子を均一にホメオトロピック配向させることが難しいという課題がある。また、特許文献7、8に記載の方法では、得られる膜が割れやすいことや位相差の波長依存性が大きいといった課題がある。また非特許文献1に記載されているようにガラス域の光弾性係数が高く位相差が安定しないといった課題がある。
特許文献9で得られる位相差フィルムは、位相差特性、波長依存性等の光学特性に優れてはいるものの、高温での耐久性が要求される偏光板と使用する場合、加熱時の寸法安定性に課題があり、寸法安定性の改善が望まれていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学フィルムとして用いることで位相差特性、波長依存性および寸法安定性に優れる樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の別の目的として、フィルム状に成形した際に、原料の樹脂に対して寸法安定性を付与できる添加剤を提供するにもある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の重合体および特定のシリコーン樹脂を含有する樹脂組成物が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基を含むフマル酸エステル系重合体を80重量%以上99.9重量%以下、下記一般式(2)で示されるシリコーン樹脂を0.1重量%以上20重量%以下含有する樹脂組成物に関するものである。
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜12である直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6である環状アルキル基からなる群の1種を示す)
(式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、フェニル基、または炭素数1〜12のアルキル基、アシルオキシ基、若しくはアルコキシ基からなる群の1種を示す。ここで、a+b+c+d=1である。)
また、本発明の別の態様として、前記一般式(2)で示されるシリコーン樹脂を含む寸法安定化剤を挙げることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、下記一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基を含むフマル酸エステル系重合体を80重量%以上99.9重量%以下、下記一般式(2)で示されるシリコーン樹脂を0.1重量%以上20重量%以下含有する。
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜12である直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6である環状アルキル基からなる群の1種を示す)
(式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、フェニル基、または炭素数1〜12のアルキル基、アシルオキシ基、若しくはアルコキシ基からなる群の1種を示す。ここで、a+b+c+d=1である。)。
ここで、一般式(1)のフマル酸エステル残基単位のエステル置換基であるR、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基であり、フッ素、塩素などのハロゲン基;エーテル基;エステル基若しくはアミノ基で置換されていても良く、例えばエチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等の1種又は2種以上が挙げられ、特に耐熱性、機械特性に優れた光学補償フィルムとなることからイソプロピル基、エチル基、n−ブチル、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等であることが好ましく、特に耐熱性、機械特性のバランスに優れた光学補償フィルムとなることからイソプロピル基が好ましい。
本発明におけるフマル酸エステル系重合体は、一般式(1)により示される残基単位以外の残基単位を含む共重合体であってもよく、また、一般式(1)により示される残基単位のみを有する重合体であってもよい。好ましくは、フマル酸エステル系重合体は一般式(1)により示される残基単位のみを有する重合体である。
一般式(1)により示されるフマル酸エステル残基単位としては、具体的にはフマル酸ジメチル残基、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−tert−ブチル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジ−sec−ブチル残基、フマル酸イソブチル残基、フマル酸ジペンチル残基、フマル酸ジイソペンチル残基、フマル酸ジ−sec−イソアミル残基、フマル酸ジネオペンチル残基、フマル酸ジ−tert−ペンチル残基、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル残基、フマル酸ジシクロプロピル残基、フマル酸ジシクロブチル残基、フマル酸ジシクロペンチル残基及びフマル酸ジシクロヘキシル残基等の1種又は2種以上が挙げられ、その中でもフマル酸ジエチル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル残基、フマル酸ジ−n−オクチル残基等が好ましく、特にフマル酸ジイソプロピル残基が好ましい。
本発明で用いるフマル酸エステル系重合体が共重合体である場合、一般式(1)により示されるフマル酸エステル残基の割合は30モル%以上であることが好ましく、特に得られる光学補償フィルムが耐熱性、機械特性に優れることから、50モル%以上であることが好ましく、さらに70モル%以上であることが好ましい。また、一般式(1)により示されるフマル酸エステル残基の割合は100%以下であることが好ましい。
本発明で用いるフマル酸エステル系重合体として、具体的に、例えばフマル酸ジイソプロピル重合体、フマル酸ジ−n−ブチル重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジメチル共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−オクチル共重合体等が挙げられ、その中でも特にフマル酸ジイソプロピル重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−オクチル共重合体が好ましい。
本発明における、フマル酸エステル系重合体は、少なくともフマル酸ジイソプロピルを残基単位として有する共重合体であることが好ましい。この場合、フマル酸ジイソプロピル残基単位の構成比率は70モル%以上、さらには80モル%以上であることが好ましい。これにより耐熱性、位相差特性に優れた光学補償フィルムとなる。
また、本発明の樹脂組成物を構成するフマル酸エステル系重合体には、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、その他の単量体残基を含有していても良く、該その他の単量体残基としては、例えばスチレン残基、α−メチルスチレン残基等のスチレン類残基;アクリル酸残基;アクリル酸メチル残基、アクリル酸エチル残基、アクリル酸ブチル残基、アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸テトラヒ残基ドロフルフリル残基等のアクリル酸エステル類残基;メタクリル酸残基;メタクリル酸メチル残基、メタクリル酸エチル残基、メタクリル酸ブチル残基、メタクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基等のメタクリル酸エステル類残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基等のビニルエステル類残基;メチルビニルエーテル残基、エチルビニルエーテル残基、ブチルビニルエーテル残基等のビニルエーテル残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基;エチレン残基、プロピレン残基等のオレフィン類残基;等の1種又は2種以上を挙げることができる。
フマル酸エステル系重合体は、特に機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×10〜5×10のものであることが好ましく、さらに好ましくは5×10〜5×10またさらに好ましくは8×10〜5×10である。
本発明の樹脂組成物を構成するフマル酸エステル系重合体の製造方法としては、フマル酸エステル系重合体が得られる限り、特に制限はなく、例えばフマル酸エステル類のラジカル重合を行うことにより製造することができる。
また、用いるラジカル重合法としては、公知の重合方法で行うことが可能であり、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれもが採用可能である。
ラジカル重合法を行う際の重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられる。
そして、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;シクロヘキサン;ジオキサン;テトラヒドロフラン(THF);アセトン;メチルエチルケトン;ジメチルホルムアミド;酢酸イソプロピル;水等が挙げられ、これらの混合溶媒も挙げられる。
また、ラジカル重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40℃以上150℃以下の範囲で行うことが好ましい。
本発明における懸濁重合方法としては、公知のラジカル懸濁重合法を採用可能であり、水性媒体を用いる限り特に制限はない。また、水性媒体としては、特に制限はなく、例えば、水、工業用水、イオン交換水、蒸留水等を挙げることができる。
本発明の懸濁重合反応において一般的に用いられる分散剤を使用することが可能であり、該分散剤に特に制限はなく、公知の分散剤を使用することができ、例えば、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系分散剤;メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロースヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系分散剤;りん酸カルシウム等の無機化合物等を挙げることができ、その中でも懸濁重合がより安定することから、セルロース系分散剤が好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがさらに好ましい。
本発明のフマル酸エステル系重合体の製造方法における水性媒体、単量体、分散剤、油溶性ラジカル重合開始剤の配合割合は、所望するフマル酸エステル系重合体の品質により適宜選択することが可能であり、その中でもより生産効率に優れたフマル酸エステル系重合体の製造方法となることから、水性媒体100重量部に対し、単量体50重量部以上150重量部以下、分散剤0.01重量部以上20重量部以下、油溶性ラジカル重合開始剤0.001重量部以上5重量部以下として用いることが好ましい。
本発明における懸濁重合反応装置としては、特に制限はなく、公知の装置を使用することができ、例えば、撹拌翼、温度調整装置等を備えたグラスライニング(GL)、ステンレス(SUS)製等の反応釜等を挙げることができる。また、撹拌翼については、例えば、パドル翼、4枚パドル翼、アンカー翼、3枚後退翼、6枚タービン翼、ブルーマージン翼等を挙げることができる。
本発明に係る樹脂組成物は、一般式(2)で示されるシリコーン樹脂を含有することにより、フィルム状に成形して用いる場合、高温下においても寸法安定性に優れたものになることを特徴とする。
本発明における、前記一般式(2)で示されるシリコーン樹脂は、寸法安定化剤として使用することができる。
一般式(2)で示されるシリコーン樹脂は、a+b+c+d=1という条件を満足することを特徴とする。シリコーン樹脂において、位相差特性が優れるため、(c+d)が、0.2以上1.0以下であることが好ましく、0.4以上1.0以下であることが特に好ましい。さらに、該シリコーン樹脂は、(a+b)が0.8以下であり、かつ、(c+d)が、0.2以上1.0以下であることが好ましい。
本発明において、該シリコーン樹脂のa、b、c、およびdは、29Si−NMR分光により定量的に決定することができる。
本発明において、該シリコーン樹脂のR、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、フェニル基、または炭素数1〜12のアルキル基、アシルオキシ基、若しくはアルコキシ基からなる群の1種を示す。これらの中でも、耐湿性能が優れるため、水素、ヒドロキシ基、フェニル基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、メトキシ基からなる群の1種が好ましく、ヒドロキシ基、フェニル基、メチル基、イソプロピル基、メトキシ基からなる群の1種がさらに好ましい。
本発明において、具体的なシリコーン樹脂としては、例えば、RSN−249(ダウコーニング社、Si結合したメチル及びフェニル基を有する固体フレークヒドロキシル機能性シリコーン樹脂、Si結合したOH基の含有量5wt% 、モル比Ph/Me:0.7/1、Mw:5,696 g/mol、a:0.02、b:0.56、c:0.44、d:0)、RSN−217(ダウコーニング社、Si結合したフェニル基を有する液体ヒドロキシル機能性シリコーン樹脂、Si結合したOH基の含有量6wt% 、Mw:1,426 g/mol、a:0、b:0.48、c:0.52、d:0)、YR−3370(モメンティブパフォーマンスマテリアルズホールディングス社、Si結合したメチル基を有する固体フレークヒドロキシル機能性シリコーン樹脂、Si結合したOH基の含有量2wt% 、Mw:8,250 g/mol、a:0、b:0.08、c:0.92、d:0)、KR−220L(信越化学工業株式会社、Si結合したメチル基を有する固体フレークヒドロキシル機能性シリコーン樹脂、Si結合したOH基の含有量6wt% 、Mw:3,234 g/mol、a:0.00、b:0.27、c:0.73、d:0)が挙げられる。なお、これらのシリコーン樹脂の構造パラメータ(a、b、c及びd)については、29Si−NMRにより定量的に決定される。
本発明のシリコーン樹脂は、寸法安定性向上、機械的性質向上、位相差安定性の観点から、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が100〜40,000であることが好ましく、100〜10,000以内であることがさらに好ましく、100〜5,000であることが特に好ましい。
本発明のシリコーン樹脂は、当該技術分野で周知の方法に従い加水分解による重縮合により、一般式SiXR’4−qの前駆体から生成することができる。ここで、Xは加水分解性置換基を示し、例えば、ハロゲン、好ましくは塩素、アルコキシ基、アシルオキシ基等が挙げられる。qは、前駆体の官能性を定義する数を示し、1〜4の範囲の整数である。R’は、非加水分解性置換基である。加水分解による重縮合の詳細は、例えば、“UllmannsEncyklopadiedertechnischenChemie,VerlagChemie,4thed.,vol.21,pp.511−541”に記載されている。
本発明の樹脂組成物におけるシリコーン樹脂の割合は、フマル酸エステル系重合体100重量部に対して0.01重量%以上20重量%以下であり、寸法安定性および位相差特性が優れるため、好ましくは0.1重量%以上15重量%以下であり、さらに好ましくは0.3重量%以上10重量%以下である。本発明において、シリコーン樹脂の割合が0.01重量%以上であることにより、高温環境時、寸法安定性が向上する。また、20重量%以下であることにより、本発明の特徴である位相差特性に優れた光学フィルムを得ることができる。
これらのシリコーン樹脂は1種でもよく、2種以上混合して使用してもよい。
本発明の光学フィルムの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、溶液キャスト法、溶融キャスト法等の方法によりフィルム化することおよび、該フィルムを少なくとも一軸以上で延伸することにより製造することができる。
溶液キャスト法は、フマル酸エステル系重合体を溶媒に溶解した溶液(以下、「ドープ」と称する。)を支持基板上に流延した後、加熱等により溶媒を除去しフィルムを得る方法である。その際ドープを支持基板上に流延する方法としては、例えばTダイ法、ドクターブレード法、バーコーター法、ロールコーター法、リップコーター法等が用いられる。特に、工業的にはダイからドープをベルト状又はドラム状の支持基板に連続的に押し出す方法が最も一般的である。用いられる支持基板としては、例えばガラス基板;ステンレスやフェロタイプ等の金属基板;ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等のプラスチック基板などが挙げられる。溶液キャスト法において、高い透明性を有し、且つ厚み精度、表面平滑性に優れたフィルムを製膜する際には、ドープの溶液粘度は極めて重要な因子であり、700〜30,000cpsが好ましく、特に1,000〜10,000cpsであることが好ましい。また、溶融キャスト法とは、フマル酸エステル系重合体を押出機内で溶融し、Tダイのスリットからフィルム状に押出した後、ロールやエアーなどで冷却しつつ引き取る成形法である。
そして、得られたフィルムを、一軸又は二軸に延伸することにより位相差が制御された光学フィルムとすることが可能である。一軸延伸方法としては、例えば自由幅一軸延伸、テンターにより延伸する方法、ロール間で延伸する方法などが挙げられ、ニ軸延伸方法としては、例えばテンターにより延伸する方法、チューブ状に膨らませて延伸する方法などがある。
延伸する際の光学フィルムの厚みは、光学部材の薄膜化への適合性および延伸処理のし易さの観点から、10μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上180μm以下がさらに好ましく、30μm以上150μm以下が特に好ましい。
その延伸条件としては、厚みむらが発生し難く、機械的特性、光学的特性に優れる光学フィルムとなることから、延伸温度は50℃以上200℃以下が好ましく、特に好ましくは80℃以上180℃以下であり、延伸倍率は1.01〜3倍が好ましく、特に好ましくは1.01〜2倍である。
本発明の樹脂組成物を用いた光学フィルムは、フィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと垂直方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合に、nx≦ny<nzの関係にあり、450nmの光で測定した位相差と550nmの光で測定した位相差の比(R450/R550)が1.1以下であることを特徴とする光学フィルムであり、前記nx≦ny<nzの関係を満たすことによりIPS−LCD等の視野角補償性能の優れた光学フィルムとなるものである。
また、本発明の樹脂組成物を用いた光学フィルムがより光学特性に優れたフィルムとなることから、下記式(1)により示される波長550nmで測定した面内位相差(Re)が0〜300nmであることが好ましく、さらに0〜290nmであることが好ましく、特に0〜280nmであることが好ましい。
Re=(ny−nx)×d (1)
(ここで、dはフィルムの厚みを示す。)
また、光学フィルムと偏光板を積層し一体化されてなる円偏光フィルムとして用いる際の面内位相差(Re)は、0〜280nmが好ましい。円偏光フィルムは、反射型液晶ディスプレイの補償フィルムの他、有機ELディスプレイなどの反射防止フィルム、輝度向上フィルムなどにも有用である。
また、本発明の光学フィルムは、下記式(2)により示される波長550nmで測定した面外位相差(Rth)が−30〜−300nmであることが好ましく、さらに好ましくは−50〜−300nmであり、特に好ましくは−80〜−300nmである。
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (2)
本発明の樹脂組成物はシリコーン系樹脂を含有することによって寸法安定性に優れたものとなり、高熱環境下でも高い寸法安定性が要求される偏光板用途などにも有用である。本発明の樹脂組成物を用いた光学フィルムの40〜85℃における線膨張係数は寸法安定性向上のため、15.0×10−5/℃以下であることが好ましい。ここで線膨張係数は、JIS K 7197に従い、任意の温度範囲における試験片の平均線膨張係数として測定される値であるが、本発明では40℃〜85℃の温度範囲における値とする。
また、延伸によって得られる光学フィルムの厚みは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10μm以上80μm以下であり、特に好ましくは10μm以上60μm以下の範囲である。
本発明の光学フィルムは、フィルム成形時又はフィルム自体の熱安定性を高めるために酸化防止剤が配合されていることが好ましい。該酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、その他酸化防止剤が挙げられ、これら酸化防止剤はそれぞれ単独又は併用して用いても良い。そして、相乗的に酸化防止作用が向上することからヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用して用いることが好ましく、その際には例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤100重量部に対してリン系酸化防止剤を100〜500重量部で混合して使用することが特に好ましい。また、酸化防止剤の添加量としては、本発明のフマル酸エステル系重合体100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、特に0.5〜1重量部が好ましい。
さらに、紫外線吸収剤として、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエートなどの紫外線吸収剤を必要に応じて配合していてもよい。
本発明の光学フィルムは、発明の主旨を越えない範囲で、その他ポリマー、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、無機フィラー、顔料、染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等が配合されたものであってもよい。
本発明の光学フィルムは、偏光板と積層して円あるいは楕円偏光板として用いることもできるし、さらに、ポリビニルアルコール/沃素等からなる偏光子と積層し偏光板とすることもできる。また、本発明の光学フィルム同士又は他の光学フィルムと積層することもできる。
本発明の樹脂組成物を用いた光学フィルムは、液晶ディスプレイのコントラストや視角特性の補償フィルムや反射防止フィルムとして有用である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、断りのない限り用いた試薬は市販品を用いた。
なお、実施例により示す諸物性は、以下の方法により測定した。
<数平均分子量の測定>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名:C0−8011(カラムGMHHR―Hを装着))を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
<重合体の解析>
重合体の構造解析は核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名:JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(H−NMR)スペクトル分析より求めた。
<シリコーン樹脂の構造解析>
一般式(2)におけるa、b、c、及びdは、29Si−NMR分光により定量的に決定した。該NMR実験はJEOL(JNM−ECZ400S/KI)を用いて実施した。サンプルは重クロロホルムに溶解し、緩和試薬として5mMのクロムアセチルアセトナトを添加してテフロン(登録商標)製NMR試料管(NORELL,TL−5−7)に装荷した。NMRデータは、室温(22℃)で、29Si共鳴周波数79.4MHzで取得した。29Si測定を、10μsで90°の励起パルス、10 秒の待ち時間(スキャンの間の時間)、及び取得の最中における400MHzのプロトンデカップリングを用いて実行した。各スペクトルは、4000 回のスキャンにより取得した。化学シフト(δ)は、テトラメチルシランを標準として較正した(δ=0ppm)。ピークの帰属については、特開2015−523434号の記載に従って実施した。
<光学フィルムの光線透過率およびヘーズの測定>
作成したフィルムの光線透過率およびヘーズの測定は、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。
<位相差特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用いて波長589nmの光を用いて光学補償フィルムの位相差特性を測定した。
<波長分散特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長450nmの光による位相差Re(450)と波長550nmの光による位相差Re(550)の比として光学フィルムの波長分散特性を測定した。
<線膨張係数の測定>
線膨張係数測定装置(自社製)を用い、室温から115℃まで2℃/分で昇温して、試験フィルムの各温度における変形量を測定した。そして、40℃〜85℃の温度範囲における変形量から、当該フィルムの線膨張係数を求めた。
合成例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル400.0g及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:77%)。得られたフマル酸ジイソプロピル重合体の数平均分子量は129,000であった。
合成例2
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル350.9g、フマル酸ジエチル49.1g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、14.0重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:75%)。
得られたフマル酸エステル系重合体の数平均分子量は138,000であった。H−NMR測定により、ポリマー粒子はフマル酸ジイソプロピル残基単位/フマ
ル酸ジエチル残基単位=86.7/13.3(モル%)であるフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル共重合体であることを確認した。
合成例3
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル340.5g、フマル酸ジ−n−ブチル59.5g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、17.6重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:76%)。
得られたフマル酸エステル系重合体の数平均分子量は117,000であった。H−NMR測定により、ポリマー粒子はフマル酸ジイソプロピル残基単位/フマ
ル酸ジ−n−ブチル残基単位=88.5/11.5(モル%)であるフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル共重合体であることを確認した。
合成例4
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル332.2g、フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)67.8g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、20.4重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:73%)。
得られたフマル酸エステル系重合体の数平均分子量は140,000であった。H−NMR測定により、ポリマー粒子はフマル酸ジイソプロピル残基単位/フマ
ル酸ビス(2−エチルヘキシル)残基単位=87.4/12.6(モル%)であるフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)共重合体であることを確認した。
合成例5
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル350.9g、フマル酸ジ−n−オクチル67.8g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、20.4重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:77%)。
得られたフマル酸エステル系重合体の数平均分子量は125,000であった。H−NMR測定により、ポリマー粒子はフマル酸ジイソプロピル残基単位/フマ
ル酸ジ−n−オクチル残基単位=87.2/12.8(モル%)であるフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−オクチル共重合体であることを確認した。
実施例1
合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル重合体100重量部に対してシリコーン樹脂RSN−217(ダウコーニング社)を3重量部配合し、トルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み50μmのフィルムを得た。
フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4787、ny=1.4788、nz=1.4825)から、得られたフィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは5.0nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−188nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、40℃〜85℃における線膨張係数は14.5×10−5/℃であった。
これらの結果から、得られたフィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、寸法安定性に優れることから光学フィルムに適したものであった。
実施例2
合成例2で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル共重合体100重量部に対してシリコーン樹脂YR−3370(モメンティブパフォーマンスマテリアルズホールディングス社)を3重量部配合し、トルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み40μmのフィルムを得た。
フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4812、ny=1.4813、nz=1.4856)から、得られたフィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは4.0nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−174nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、40℃〜85℃における線膨張係数は14.0×10−5/℃であった。
これらの結果から、得られたフィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、寸法安定性に優れることから光学フィルムに適したものであった。
実施例3
合成例3で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル共重合体100重量部に対してシリコーン樹脂KR−220L(信越化学工業株式会社)を3重量部配合し、トルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み45μmのフィルムを得た。
フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4798、ny=1.4799、nz=1.4838)から、得られたフィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは4.5nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−178nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、40℃〜85℃における線膨張係数は13.8×10−5/℃であった。
これらの結果から、得られたフィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、寸法安定性に優れることから光学フィルムに適したものであった。
実施例4
合成例4で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)共重合体100重量部に対してシリコーン樹脂RSN−217(ダウコーニング社)を10重量部配合し、トルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み40μmのフィルムを得た。
フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4798、ny=1.4799、nz=1.4838)から、得られたフィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは4.0nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−170nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、40℃〜85℃における線膨張係数は14.2×10−5/℃であった。
これらの結果から、得られたフィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、寸法安定性に優れることから光学フィルムに適したものであった。
実施例5
合成例5で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−オクチル共重合体に対してシリコーン樹脂RSN−217(ダウコーニング社)を3重量部配合し、トルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み50μmのフィルムを得た。得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。
フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4670、ny=1.4705、nz=1.4725)から、得られたフィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは182nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−168nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.02、40℃〜85℃における線膨張係数は13.2×10−5/℃であった。
これらの結果から、得られたフィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、寸法安定性に優れることから光学フィルムに適したものであった。
比較例1
合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み50μmのフィルムを得た。
フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4779、ny=1.4780、nz=1.4823)から、得られたフィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは5.0nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−218nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、40℃〜85℃における線膨張係数は18.0×10−5/℃であった。
これらの結果から、得られたフィルムは、寸法安定性に課題があった。
比較例2
合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル重合体100重量部に対してシリコーン樹脂RSN−217(ダウコーニング社)を30重量部配合し、トルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み50μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの外観は不透明なものであり、光学フィルムに適したものではなかった。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基を含むフマル酸エステル系重合体を80重量%以上99.9重量%以下、下記一般式(2)で示されるシリコーン樹脂を0.1重量%以上20重量%以下含有する樹脂組成物。
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜12である直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6である環状アルキル基からなる群の1種を示す)
    (式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、フェニル基、または炭素数1〜12のアルキル基、アシルオキシ基、若しくはアルコキシ基からなる群の1種を示す。ここで、a+b+c+d=1である。)
  2. フマル酸エステル系重合体が、前記一般式(1)で示されるフマル酸エステル残基単位30モル%以上を含む共重合体である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 一般式(1)で表されるフマル酸エステル残基が、フマル酸ジメチル残基、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−tert−ブチル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジ−sec−ブチル残基、フマル酸イソブチル残基、フマル酸ジペンチル残基、フマル酸ジイソペンチル残基、フマル酸ジ−sec−イソアミル残基、フマル酸ジネオペンチル残基、フマル酸ジ−tert−ペンチル残基、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル残基、フマル酸ジシクロプロピル残基、フマル酸ジシクロブチル残基、フマル酸ジシクロペンチル残基及びフマル酸ジシクロヘキシル残基から選ばれる少なくとも1種類以上のフマル酸エステル残基であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記一般式(2)で示されるシリコーン樹脂におけるR〜Rが、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、フェニル基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、またはメトキシ基からなる群の1種である請求項1乃至3いずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記一般式(2)で示されるシリコーン樹脂において、(a+b)が0.8以下であり、かつ、(c+d)が、0.2以上1.0以下である請求項1乃至4いずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の樹脂組成物を含み、フィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと垂直方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合に、nx≦ny<nzの関係にあり、波長450nmの光で測定した位相差と波長550nmの光で測定した位相差の比(R450/R550)が1.1以下である光学フィルム。
  7. 下記式(1)で示される波長550nmで測定した面内位相差(Re)が0〜300nmで、下記式(2)で示される面外位相差(Rth)が、−30〜−300nmである光学フィルム。
    Re=(ny−nx)×d (1)
    Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (2)
    (式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
  8. 40〜85℃における線膨張係数が15.0×10−5/℃以下である請求項7または8に記載の光学フィルム。
  9. 下記一般式(2)で示されるシリコーン樹脂を含む寸法安定化剤。
    (式中、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、フェニル基、または炭素数1〜12のアルキル基、アシルオキシ基、若しくはアルコキシ基からなる群の1種を示す。ここで、a+b+c+d=1である。)
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