JP2013206968A - 光半導体パッケージ用タブレット成形金型及びその金型を用いたタブレットの製造方法 - Google Patents

光半導体パッケージ用タブレット成形金型及びその金型を用いたタブレットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反射率が求められる光半導体用パッケージを製造する過程で、白色系熱硬化性樹脂組成物をタブレット状に賦形する際、タブレットが着色汚染しないタブレット成形金型を提供すること。
【解決手段】熱硬化性成分と白色顔料及び無機充填材とを含む熱硬化性樹脂組成物をタブレット成形するための金型であり、前記熱硬化性樹脂組成物と接触する部分の硬度がロックウェルCスケールで65以上で且つ表面粗さがRz0.8以下であることにより上記課題を解決することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、タブレットを成形するための金型に関するものであり、更に詳しくは、光半導体パッケージに用いられる熱硬化性樹脂組成物をタブレット状に賦形するためのタブレット成形金型およびその金型を用いたタブレットの製造方法に関するものである。
従来、発光ダイオードとしてはパッケージを用いた表面実装タイプのものが製造されているが、そのパッケージ用材料としては、セラミック、ポリアミド樹脂あるいはポリエステル樹脂等が主として用いられている。セラミックは光線反射率が低く発光ダイオードとしての光取り出し効率が低下してしまうという欠点がある。 ポリアミド樹脂は耐光劣化により着色するという欠点がある。 ポリエステル樹脂をパッケージ用材料として用いた場合には、耐熱性が十分でないために耐はんだリフロー性に乏しく、工業的な適用性に制限があるという問題がある。
これらの問題を解決するため、熱硬化性樹脂に無機充填材および白色顔料を配合してなる熱硬化性樹脂組成物が報告されている(特許文献1、特許文献2)。
熱硬化性樹脂に無機充填材および白色顔料を配合してなる熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体パッケージ製造方法は、トランスファー成形機で成形するのが一般的である。具体的には、熱硬化性樹脂組成物を、成形機のポットに装填し、金型内にリードフレームをセットし、プランジャーでポット内の熱硬化性組成物を加熱された金型へ押し込むことにより金型キャビティー内に充填し、所定時間硬化させることにより半導体のパッケージが得られる。
熱硬化性樹脂組成物をダイと呼ばれる臼金型とパンチと呼ばれる杵金型でプレス成形することによりタブレットが得られるが、この得られたタブレットが着色しまうという問題があった。
特開2008−112977号公報 特開2009−155415号公報 特開2002−1733号公報
本発明は、上記を鑑み、熱硬化性樹脂組成物をタブレットに成形する際、タブレットへの着色を防止する光半導体パッケージ用タブレット成形金型及びその金型を用いたタブレットの製造方法を提供することを目的とする。
タブレットが着色してしまうという問題があったことは既述の通りである。
熱硬化性組成物をタブレット状に賦形するには、ダイと呼ばれる臼金型とパンチと呼ばれる杵金型を用いてプレス成形してタブレットを作成している。
上記課題を解決するために発明者らは鋭意検討の結果、その着色の原因が熱硬化性樹脂組成物に含まれている白色顔料や、無機充填材成分がタブレット成形金型を削りその粉末が混入すること、また白色顔料がタブレット成形時に金型との摩擦により粉砕されことがタブレットの着色の原因であることを見出し、本発明の光半導体パッケージ用タブレット成形金型及びその金型を用いたタブレット製造方法の発明に至ったものである。
すなわち本発明は以下の構成をなす。
(1).熱硬化性成分と白色顔料、無機充填材とを含む熱硬化性樹脂組成物をタブレット成形するための金型であり、前記熱硬化性樹脂組成物と接触する部分の硬度がロックウェルCスケールで65以上で且つ表面粗さがRz0.8以下であることを特徴とする光半導体パッケージ用タブレット成形金型である。
(2).前記金型の熱硬化性樹脂組成物と接する部分の材質が、超硬合金であることを特徴とする光半導体タブレット成形金型である。
(3).前期熱硬化性成分が、(A)SiH基と反応性を有する炭素―炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する少なくとも1種類の化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する少なくとも1種類の化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(F)SiH基もしくはSiH基と反応性を有する炭素―炭素不飽和結合を1分子中に少なくとも2個含有するシリコーン化合物を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物をタブレット状に成形するための光半導体パッケージ用タブレット成形金型。
(4).光半導体パッケージ用タブレット成形金型を用いてプレス圧力が7MPa以上40MPa以下で成形することを特徴とするタブレット製造方法である。
本発明の光半導体パッケージ用タブレット成形金型を用いれば、熱硬化性樹脂組成物をタブレットに成形する際、タブレットへの着色を防止することができる。
本発明に係るタブレット成形金型の臼金型上下金型を模式的に示す図である。 本発明に係るタブレット成形金型よりタブレットを取り出した状態を模式に示す図である。
以下本発明について詳細に説明する。
(タブレット金型)
タブレット成形金型は、熱硬化性成分と(D)白色顔料、(E)無機充填材とを含む熱硬化性樹脂組成物をタブレット状に成形するための金型である。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物のタブレット成形金型の実施形態を図1に示す。
1,2は杵金型、3は臼金型である。臼状内に熱硬化性組成物を所定量充填し、杵金型でプレスして賦形した後、下杵金型を上昇させてタブレットを取り出す。
タブレット金型の熱硬化性樹脂組成物と接触する部分の硬度は、ロックウェルCスケールで65以上であり、68以上であることがこのましく、70以上であることがよりこのましく、75以上であることがさらに好ましい。
これより低硬度であると硬質白色顔料や無機充填材がプレス時の摩擦力により金属面を削り、着色汚染する可能性がある。
また、マイクロビッカース硬度で、3000以下が好ましく、2500以下がさらに好ましい。プレス成形した時に、硬度が高すぎるために、杵金型と臼金型の隙間に熱硬化性樹脂組成物が入り込み、摩擦力により、白色顔料が破砕や変形しやすく、着色する可能性が高いためである。
また、成形金型の熱硬化性樹脂組成物と接する部分の表面粗さはRz0.8以下が好ましい。さらにRz0.6以下が好ましい。これより粗いと金属表面の凹凸の凸部がプレス時に擦り削られて着色汚染の可能性が高いためである。
また、研磨コストの観点からRz0.1以上が好ましい。
ロックウェルCスケール硬度はJIS Z2245に従って測定された硬度である。表面粗さRzは、JIS B 0601に従って測定された値であり、最大高さである。タブレット成形金型の熱硬化性樹脂組成物に接触する部分の材質は、上記硬度と表面粗さを満足するものであれば、特に問わないが、耐磨耗性、靭性のバランスがとれた超硬合金が好ましく、WC基超硬合金がより好ましい。また、表面粗さRzを0.8以下にするために、内面を研磨材で研磨仕上げするのが好ましい。SKD11に代表される合金工具鋼は、広く金型材料に使用されているが、ロックウェル硬度Cスケールで60程度と硬度不足により、金型が削れてタブレットの着色汚染の原因になり好ましくない。また、合金工具鋼に窒化クロムや窒化チタンなどの被膜を形成させて硬度を上げる方法も広く用いられているが、被膜厚みが数μm以下の薄膜のため、短寿命で、部分的に削れたり、着色したりすることがある。硬度だけでは充分ではなく、タブレット金型の熱硬化性樹脂と接する部分の表面粗さも重要である。表面粗さRzが1μm以上であると、杵金型でプレスする際、熱硬化性組成物は臼金型内面にプレス荷重に相当する圧力で押し付けられて、接触面を擦りながら賦形されるため、金型接触面の凹凸の凸部が削りとる力が働き、その結果タブレットが着色汚染される。
タブレット成形時のプレス圧力は7MPa以上40MPa以下が好ましい。7MPa以下であると、タブレットの強度が不足し、例えば落下衝撃に対して変形や、割れが発生しやすくなる。熱硬化性組成物は若干の粘着性を有しており、40MPaを超えるプレス荷重で成形を続けると、杵金型の押圧面に熱硬化性組成物が付着、堆積し、定期的に除去する必要があり、生産性が低下するという懸念がある。
10MPa以上、30MPa以下が更に好ましい。
熱硬化性成分と(D)白色顔料、(E)無機充填材とを含む熱硬化性樹脂組成物をタブレット状に成形するための金型であるが、以下に各成分について説明する。
((D)成分)
(D)成分の白色顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナなどが挙げられる。耐久性向上、媒体との親和性向上のため、あるいは、粒子形状の崩れを防止するなどの目的で、無機化合物、有機化合物で表面処理する場合がある。
(D)成分の量としては、特に限定されないが、得られる硬化物の反射率を低下させないために、熱硬化性樹脂組成物全体に占める(D)成分の量が10重量%以上であることが、好ましい。
((E)成分)
(E)成分は無機充填材であり、(D)成分として使用される白色顔料とは異なる。(E)成分は、得られる硬化物の強度や硬度を高くしたり、線膨張率を低減化したりする効果を有する。
(E)成分としては特に限定されないが、例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機充填材、アルミナ、ジルコン、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の半導体封止材の充填材として一般に使用あるいは/および提案されている無機充填材等を挙げることができる。なかでも、硬化反応を阻害し難く、線膨張係数の低減化効果が大きく、リードフレームとの接着性が高くなりやすいという観点からは、シリカ系無機充填材が好ましい。さらに、成形性、電気特性等の物性バランスがよいという点において溶融シリカが好ましく、パッケージの熱伝導性が高くなり易く放熱性の高いパッケージ設計が可能になるという点においては結晶性シリカが好ましい。より放熱性が高くなり易いという点ではアルミナが好ましい。その他、補強効果が高くパッケージの強度が高くなり易いという点においてはガラス繊維、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウムが好ましい。これら無機充填材は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
((A)成分)
(A)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する化合物であれば特に限定されない。
((A)成分の骨格)
(A)成分の骨格としてはシロキサンであってもよい。この場合、具体的にはビニル基を有するシロキサン化合物、ポリシロキサンを例示することができ、例えば、
n(CH2=CH)mSiO(4-n-m)/2
(式中、Rは水素原子、水酸基、メチル基あるいはフェニル基から選ばれる基であり、n、mは0≦n<4、0<m≦4、0<n+m≦4を満たす数)で表される化合物であり、より具体的には、末端基あるいは側鎖基としてビニル基を有するポリジメチルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンや、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサンなどを挙げることができる。
(B成分)
(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物である。
(B)成分については1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に制限がなく、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
((C)成分)
(C)成分はヒドロシリル化触媒である。
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH22(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)34、Pt[P(OBu)34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。。
((F)成分)
(F)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも1個含有するシリコーン化合物である。(F)成分を用いることにより(E)成分の無機充填材と混合した場合に、より小さな線膨張係数を有する硬化物を与える硬化性樹脂組成物とすることができる。
(F)成分のシリコーン化合物は、実質的にその骨格がSi−O−Si結合で形成されている化合物であり、直鎖状、環状、分枝状、部分ネットワークを有するもの等種々のものが用いられる。
(A)成分、(B)成分、(C)成分、(F)成分は、液状であり、これらの混合液を作成する。必要に応じ硬化遅延剤を添加混合する。次に(C)成分、(D)成分は、粉体状であり、これを均一に混合する。上記混合液に、混合した粉体を少量ずつ加えて攪拌混練する。更に、ロールなどを用いて、混練することにより均一な熱硬化性組成物が得られる。
次に、図1に示すような成形金型を用いて、熱硬化性樹脂組成物をプレス成形することによりタブレットが得られる。
(合成例1)
5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1800g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1440gを入れ、120℃のオイルバス中で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート200g、トルエン200g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mlの混合液を50分かけて滴下した。得られた溶液をそのまま6時間加温、攪拌した後、未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンを減圧留去した。1H−NMRの測定によりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応した以下の構造を有するものであることがわかった。
(合成例2)
2Lオートクレーブにトルエン720g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン240gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温50℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル171g、トルエン171g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.049gの混合液を90分かけて滴下した。滴下終了後にジャケット温を60℃に上げて40分反応、1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。トリアリルイソシアヌレート17g、トルエン17gの混合液を滴下した後、ジャケット温を105℃に上げて、トリアリルイソシアヌレート66g、トルエン66g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.033gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から4時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は0.8%だった。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンとアリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体およびトランス体))が合計5,000ppm以下となるまで減圧留去し、無色透明の液体を得た。1H−NMRの測定によりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がアリルグリシジルエーテル及びトリアリルイソシアヌレートと反応したものであり平均的に以下の構造を有するものであることがわかった。
(a+b=3、c+d=3、e+f=3、a+c+e=3.5、b+d+f=5.5)
(配合例1〜2)
表1の内容に従って各成分を配合して組成物A〜Bを調製した。
表2に記載した各成分の配合量に従って、合計約100gになるように秤取り、下記の要領にて本発明の硬化性樹脂組成物を調製した。
別途調製した表1に記載の組成物A、B、および(F)成分の混合液をカップ状の容器に秤取り、あらかじめ混合しておいた(D)成分および(E)成分の混合粉体を少量ずつ加えてプラスチック製スパチュラで混練した。得られた硬化性樹脂組成物はやや湿った粉状であったが、丸棒状の冶具にて押し延ばした後、折り重ねて再度押し延ばす作業を繰り返すと、徐々に湿潤化してきて、やや湿った粉状〜粘土状の性状となって均一化した。上記の方法で均一化が難しい粉体状の場合は、乳鉢ですり潰して均一化した。
ここで用いた(D)成分、(E)成分、(F)成分、離型剤、硬化遅延剤は下記の通りである。
(D)成分:ルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製)PC−3
(E)成分:球状シリカ(龍森製)MSR2212TN
(F)成分:PDV2331(Gelest製、両末端ビニルのジフェニルジメチルシリコーン)
離型剤:和光純薬工業製ステアリン酸カルシウム
硬化遅延剤:アルドリッチ社製1−エチニル−1−シクロヘキサノール
(実施例1)
図1示した形状の臼金型上下杵金型であり、熱硬化性組成物と接触する部分、つまり臼金型の内面及び杵金型の押圧面の材質がWC基超硬合金のタブレット成形金型を用いた。次いで臼金型の内面をダイヤモンド研磨材で磨いた。金型表面の硬度はロックウェルCスケールで76.6、表面粗さはRz0.6であった。臼金型の寸法は、内径Φ13mm、外径Φ40mm、高さ60mmのものを用いた。上記熱硬化性樹脂組成物5gを計量し、この臼型内に装填し、150kgの荷重で杵金型を押圧し、タブレットを成形した。成形したタブレットを目視で観察評価した結果、タブレットに着色汚染は見られなかった。
(実施例2)
実施例1と同形状で、熱硬化性組成物と接触する部分の材質が高速度鋼(ハイス鋼)製のタブレット成形金型を用い、実施例1と同じく臼金型内面を手磨きした。硬度はロックウェルCスケールで65、表面粗さはRz0.6であった。実施例1と同様の方法でタブレットを成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、タブレットの着色汚染は見られなかった。
(実施例3)
実施例1と同形状で、熱硬化性組成物と接触する部分を窒化クロムコーティング処理したタブレット成形金型を用い、実施例1と同じく臼金型内面を手磨きした。硬度はマイクロビッカースで2800、表面粗さはRz0.6であった。実施例1と同様の方法でタブレットを成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、タブレットの着色汚染は見られなかった。
(実施例4)
実施例1と同形状、同材質のタブレット成形金型を用い、実施例1と同じく臼金型内面を手磨きした。硬度はロックウェルCスケールで76.6、表面粗さはRz0.8であった。実施例1と同様の方法でタブレットを成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、タブレットの着色汚染は見られなかった。
(実施例5)
実施例1と同形状、同材質のタブレット成形金型を用い、より細かい粒子の研磨材で臼金型内面を手磨きした。硬度はロックウェルCスケールで76.6、表面粗さはRz0.1であった。実施例1と同様の方法でタブレットを成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、タブレットの着色汚染は見られなかった。
(比較例1)
実施例1と同形状で、熱硬化性組成物と接触する部分の材質が実施例と同じWC基超硬合金製のタブレット成形金型を用い、臼金型の内面の研磨を実施例1よりラフに手で磨いた。硬度はロックウェルCスケールで76.6、表面粗さはRz1.8であった。実施例1と同様の方法でタブレットを成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、タブレットの胴部に着色汚染が見られた。
(比較例2)
実施例1と同形状で、熱硬化性組成物と接触する部分の材質がダイス鋼SKD11製のタブレット成形金型を用い、臼金型の内面の研磨仕上げを行なった。硬度はロックウェルCスケールで60.0、表面粗さはRz0.6であった。実施例1と同様の方法でタブレットを成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、タブレットの胴部に着色汚染が見られた。
(比較例3)
実施例1と同形状で、熱硬化性組成物と接触する部分の材質がダイス鋼SKD11製のタブレット成形金型を用い、臼金型の内面の研磨仕上げを行なった。硬度はロックウェルCスケールで60.0、表面粗さはRz1.8であった。実施例1と同様の方法でタブレットを成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、タブレットの胴部に着色汚染が見られた。
(比較例4)
実施例1と同形状で、熱硬化性組成物と接触する部分の材質がダイス鋼SKD11の表面に窒化チタンコーティング処理を行なったタブレット成形金型を用いた。
硬度はロックウェルCスケールで64.0、表面粗さはRz0.6であった。実施例1と同様の方法でタブレットを繰り返し成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、500個目の成形でタブレットの胴部に着色汚染が見られた。
(比較例5)
表2に記載した(D)成分を抜いた以外は、実施例と同様に混合、混練実施し熱硬化性樹脂組成物を作成した。外観は半透明のクリーム色であった。
実施例1と同形状で、熱硬化性組成物と接触する部分の材質が実施例と同じWC基超硬合金製のタブレット成形金型を用い、臼金型の内面の研磨を実施例1よりラフに手で磨いた。硬度はロックウェルCスケールで76.6、表面粗さはRz1.8であった。実施例1と同様の方法でタブレットを成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、着色はほとんど見られなかった。(D)成分の白色顔料を含まないため、着色は目立たなかったが、光を反射せず光半導体用パッケージとして利用することはできない。
(参考例6)
実施例1と同形状で、ダイス鋼の表面を、物理的真空蒸着によりDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを実施し、研磨材で臼金型内面を手磨きした。硬度はマイクロビッカースで3200、表面粗さはRz0.6であった。実施例1と同様の方法でタブレットを連続成形し、タブレットを目視で観察評価した結果、500個成形の時点でタブレットの着色が見られた。
(参考例7)
実施例1と同様のタブレット成形金型を用い、プレス圧力を5MPaにした以外は実施例1と同じ条件でタブレット成形した。成形したタブレットを床面から1mの高さからコンクリートの床面へ落下させる試験を行い、タブレットを目視観察した結果、タブレットに亀裂が見られた。
(参考例8)
実施例1と同様のタブレット成形金型を用い、プレス圧力を50MPaにした以外は実施例1と同じ条件でタブレットを繰り返し成形した。その結果100回の成形で杵金型の押圧面に熱硬化性組成物の付着が見られた。

Claims (4)

  1. 熱硬化性成分と(D)白色顔料、(E)無機充填材とを含む熱硬化性樹脂組成物をタブレット成形するための金型であり、前記熱硬化性樹脂組成物と接触する部分の硬度がロックウェルCスケールで65以上で且つ表面粗さがRz0.8以下であることを特徴とする光半導体パッケージ用タブレット成形金型
  2. 前記金型の熱硬化性樹脂組成物と接する部分の材質が、超硬合金であることを特徴とする請求項1記載の光半導体タブレット成形金型
  3. 前期熱硬化性成分が、(A)SiH基と反応性を有する炭素―炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する少なくとも1種類の化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する少なくとも1種類の化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(F)SiH基もしくはSiH基と反応性を有する炭素―炭素不飽和結合を1分子中に少なくとも2個含有するシリコーン化合物を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物をタブレット状に成形するための請求項1または請求項2に記載の光半導体パッケージ用タブレット成形金型。
  4. 請求項1から3いずれか記載の光半導体パッケージ用タブレット成形金型を用いてプレス圧力が7MPa以上40MPa以下で成形することを特徴とするタブレット製造方法。
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