JP2006206919A - 硬化性組成物、硬化物およびその製造方法 - Google Patents

硬化性組成物、硬化物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接着性に優れ、高い透明性を有する硬化物、または靭性が高く、高い透明性を有する硬化物を与える硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、並びに、(E)シラノール縮合触媒を含有する硬化性組成物。当該硬化性組成物を硬化させてなる硬化物により封止された発光ダイオード。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物、その硬化物、その硬化物の製造方法、及びその硬化物により封止された発光ダイオードに関するものである。
発光ダイオード(LED)封止用材料をはじめとする光学用材料としては、近年使用環境の変化に伴い、光学的透明性が高いばかりでなく、高い接着性を有する材料が求められている。接着性が低い場合、LEDパッケージと封止樹脂界面で剥離が発生する。剥離の発生により輝度の低下や、また接着性が著しく低い場合は封止樹脂がパッケージから外れる可能性があり製品の信頼性に関る問題となる。例えば表面実装タイプのLEDではプラスチック、セラミックス、銀等のパッケージ構成材料との接着性が良好であることも望まれている。
一方、発光ダイオード(LED)封止用材料をはじめとする光学用材料としては、近年使用環境の変化に伴い、光学的透明性が高いばかりでなく、高い靭性を有する材料についても求められている。封止樹脂の靭性が低い場合、例えばLEDパッケージ実装時のはんだリフローにおいてクラックが発生するといった問題が発生する。また、高温から低温への変化等の使用環境の変化に耐え切れずクラックが発生するといった問題が発生する。
従来、付加型反応硬化型(ヒドロシリル化)シリコーンにおいて、エポキシ基及びアルコキシ基がケイ素原子に結合した有機ケイ素化合物と有機アルミニウム化合物を含有した硬化性組成物が良好な密着性を示し、粘着シート、加工布等に応用する技術が提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、この技術で得られる材料は、硬度、タック性、光学特性の観点から透明光学材料用途、特に発光ダイオード用途としては向いていない。また、付加型反応硬化型(ヒドロシリル化)液状組成物にエポキシ樹脂及びアルミニウム化合物を添加し接着性を向上させる技術が提案されている(特許文献3)。しかしながら、得られた硬化物の透明性については開示されておらず、光学材料用途、特に発光ダイオード用途に関しては何ら開示されていなかった。
また、縮合反応硬化型シリコーンにおいて、建造物目地部のシーリング材として使用する場合に、ほう酸エステルを添加することにより目地深さが浅い場合でも被着体との良好な接着性を発現できることが開示されている(特許文献4)。しかしながらこの系は室温硬化であり、加熱硬化での効果発現や、反応形式が異なる付加反応型の系に適応した場合の効果発現に関しては何ら開示されていなかった。
一方、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する脂肪族系有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒を含有する硬化性組成物が知られている(特許文献5)。この硬化性組成物を硬化させてなる硬化物は光学材料として好適に使用することが出来る。しかしながら、光学材料用途としてフィルム、例えばレンズといった成形体、封止材料といった用途においては、光学特性のほかに材料の長期信頼性の点から高い力学特性が求められる。ここで硬化物の架橋密度が高いと材料が脆くなり引っ張り特性が低下するといった問題があった。
また、トリアリルイソシアヌレートを成分として含有する硬化性組成物も提案されている(特許文献6、特許文献7)。特許文献6に記載の硬化性組成物は得られる硬化物のガラス転移温度が低く、耐熱性の観点で十分でない。特許文献7には、硬化性組成物から得られた硬化物の透明性については開示されておらず、また硬化物の靭性制御に関する方策については何ら開示されていなかった。
特開平08−183934号 特開平05−140459号 特許第3354973号 特開昭59−155483号 WO01−81475 特開昭50−100号 特開平09−291214号
従って、第一の本発明の目的は、接着性に優れかつ高い透明性を有する硬化物を与える硬化性組成物、及び/又は、接着性に優れ、靭性が高くかつ高い透明性を有する硬化物を与える硬化性組成物;該硬化性組成物を硬化させてなる硬化物;該硬化物の製造方法;並びに、該硬化物を用いた発光ダイオードを提供することである。第二の本発明及び第三の本発明の目的は、靭性が高くかつ高い透明性を有する硬化物を与える硬化性組成物、該硬化性組成物を硬化させてなる硬化物、及び、該硬化物の製造方法を提供することである。第四の本発明の目的は、接着性に優れかつ高い透明性を有する硬化物を用いた発光ダイオード、及び/又は、接着性に優れ、靭性が高くかつ高い透明性を有する硬化物を用いた発光ダイオードを提供することである。
すなわち第一の本発明は、
(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、
(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、
(C)ヒドロシリル化触媒、
(D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、並びに、
(E)シラノール縮合触媒
を含有することを特徴とする硬化性組成物に関する(請求項1)。
第一の本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
(E)成分が、有機アルミニウム化合物及び/又はほう酸エステルである、請求項1記載の硬化性組成物(請求項2)。
(D)成分が、分子中にエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基及びカルバメート基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基と加水分解性ケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1又は2記載の硬化性組成物(請求項3)。
(D)成分が、分子中にエポキシ基と加水分解性ケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1又は2記載の硬化性組成物(請求項4)。
(E)成分が、アルミニウムキレート化合物及び/又はアルミニウムアルコラート化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項5)。
(E)成分が、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート及びアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)からなる群より選ばれる少なくとも1種類である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項6)。
(E)成分が、ほう酸トリノルマルオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリエチル及びほう酸トリメチルからなる群より選ばれる少なくとも1種類である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項7)。
(A)成分が、下記一般式(I)
Figure 2006206919
(式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)で表される化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項8)。
(A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項9)。
(A)成分として、下記一般式(II)
Figure 2006206919
(式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)で表される化合物を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項10)。
(A)成分として、さらにトリアリルイソシアヌレートを含有する、請求項10記載の硬化性組成物(請求項11)。
が、水素原子、又は、炭素数1〜50の一価の有機基である、請求項10又は11記載の硬化性組成物(請求項12)。
(A)成分の20重量%以上を、一般式(II)で表される化合物が占める、請求項10〜12のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項13)。
一般式(II)で表される化合物はジアリルモノグリシジルイソシアヌレートである、請求項11〜13のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項14)。
(B)成分が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物である、請求項14記載の硬化性組成物(請求項15)。
(B)成分が、下記一般式(III)
Figure 2006206919
(式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)で表される化合物と1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物、及び/又は、下記一般式(IV)
Figure 2006206919
(式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表し、それぞれのRは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物と1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を含有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項16)。
及びRが、水素原子、又は、炭素数1〜50の一価の有機基である、請求項16記載の硬化性組成物(請求項17)。
(B)成分が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの反応物、及び/又は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモノアリルジグリシジルイソシアヌレートの反応物を含有する、請求項16記載の硬化性組成物(請求項18)。
(B)成分として、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの反応物、及び/又は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモノアリルジグリシジルイソシアヌレートの反応物のみを含有する、請求項16記載の硬化性組成物(請求項19)。
(A)成分がトリアリルイソシアヌレートである、請求項16〜19のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項20)。
(A)成分が、トリアリルイソシアヌレートとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの混合物である、請求項16〜19のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項21)。
また第一の本発明は、請求項1〜21のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物でもある(請求項22)。
さらに第一の本発明は、請求項1〜21のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることを特徴とする、硬化物の製造方法でもある(請求項23)。
第二の本発明は、
(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、
(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、及び、
(C)ヒドロシリル化触媒
を含有する硬化性組成物であって、
(A)成分として、下記一般式(II)
Figure 2006206919
(式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)で表される化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物に関する(請求項24)。
第二の本発明の好適な態様は以下のとおりである。
(A)成分として、さらにトリアリルイソシアヌレートを含有する、請求項24記載の硬化性組成物(請求項25)。
が、水素原子、又は、炭素数1〜50の一価の有機基である、請求項24又は25記載の硬化性組成物(請求項26)。
(A)成分の20重量%以上を、一般式(II)で表される化合物が占める、請求項24〜26のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項27)。
一般式(II)で表される化合物がジアリルモノグリシジルイソシアヌレートである、請求項25〜27のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項28)。
(B)成分が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物である、請求項28記載の硬化性組成物(請求項29)。
また第二の本発明は、請求項24〜29のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物でもある(請求項30)。
さらに第二の本発明は、請求項24〜29のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることを特徴とする、硬化物の製造方法でもある(請求項31)。
第三の本発明は、
(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、
(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、及び、
(C)ヒドロシリル化触媒
を含有する硬化性組成物であって、
(B)成分が、下記一般式(III)
Figure 2006206919
(式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)で表される化合物と1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物、及び/又は、下記一般式(IV)
Figure 2006206919
(式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表し、それぞれのRは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物と1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物に関する(請求項32)。
第三の本発明の好適な態様は以下のとおりである。
及びRが、水素原子、又は、炭素数1〜50の一価の有機基である、請求項32記載の硬化性組成物(請求項33)。
(B)成分が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの反応物、及び/又は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモノアリルジグリシジルイソシアヌレートを含有する、請求項32記載の硬化性組成物(請求項34)。
(B)成分として、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの反応物、及び/又は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモノアリルジグリシジルイソシアヌレートの反応物のみを含有する、請求項32記載の硬化性組成物(請求項35)。
(A)成分がトリアリルイソシアヌレートである、請求項32〜35のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項36)。
(A)成分が、トリアリルイソシアヌレートとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの混合物である、請求項32〜35のいずれか1項に記載の硬化性組成物(請求項37)。
また第三の本発明は、請求項32〜37のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物でもある(請求項38)。
さらに第三の本発明は、請求項32〜37のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることを特徴とする、硬化物の製造方法(請求項39)。
以下、本発明を詳細に説明する。
<第一の本発明>
まず第一の本発明の(A)成分について説明する。
(A)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物であれば特に限定されない。上記有機化合物としては、ポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマー等の、シロキサン単位(Si−O−Si)を含む化合物以外のものが好ましく、構成元素としてC、H、N、O、S及びハロゲン以外の元素を含まない化合物がより好ましい。シロキサン単位を含む化合物の場合は、ガス透過性やはじきの問題がある。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
(A)成分は、単独で用いても良いし、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。
(A)成分の化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系の化合物に分類できる。
有機重合体系化合物としては特に限定されないが、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物等が挙げられる。
有機単量体系化合物としては特に限定されないが、例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系;鎖状、環状等の脂肪族炭化水素系;複素環系の化合物;これらの混合物等が挙げられる。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(V)
Figure 2006206919
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。上記一般式(V)で示される基のうち、原料の入手の容易さから、
Figure 2006206919
で示される基が特に好ましい。
さらに、(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(VI)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
Figure 2006206919
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。2つのRは同じであってもよいし異なっていてもよい。)このうち、原料の入手の容易さから、下記式で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
Figure 2006206919
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(A)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していてもよい。上記2価以上の置換基としては特に限定されないが、炭素数0〜10の置換基が好ましく、構成元素としてC、H、N、O、S及びハロゲン以外の元素を含まない置換基がより好ましい。上記2価以上の置換基の例としては、
Figure 2006206919
Figure 2006206919
が挙げられる。また、例示した2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
(A)成分の骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2,2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2,2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
Figure 2006206919
が挙げられる。
(A)成分の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、それらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1,2比率10〜100%のもの、好ましくは1,2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
Figure 2006206919
Figure 2006206919
エポキシ樹脂のグリシジル基の一部あるいは全部をアリル基に置き換えたもの等が挙げられる。
(A)成分としては、骨格部分と炭素−炭素二重結合とに分けて表現しがたい、低分子量化合物も用いることができる。上記低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
(A)成分としては、耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.001mol以上含有するものが好ましく、0.005mol以上含有するものがより好ましく、0.008mol以上含有するものがさらに好ましい。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の個数は、1分子当たり少なくとも2個あればよいが、力学強度をより向上したい場合には2個を越えることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。ただし(A)成分が種々の化合物の混合物であり、各化合物の上記炭素−炭素二重結合の個数が同定できない場合には、上記混合物全体に関して1分子あたりの上記炭素−炭素二重結合の平均個数を求め、それを、(A)成分の上記炭素−炭素二重結合の個数とする。(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子内当たり1個以下の場合は、(B)成分と反応してもグラフト構造となるのみで架橋構造とならない。
(A)成分としては反応性が良好であるという観点からは、1分子中にビニル基を1個以上含有していることが好ましく、1分子中にビニル基を2個以上含有していることがより好ましい。また貯蔵安定性が良好となりやすいという観点からは、1分子中にビニル基を6個以下含有していることが好ましく、1分子中にビニル基を4個以下含有していることがより好ましい。
(A)成分としては、力学的耐熱性が高いという観点、並びに、原料液の糸引き性が少なく、成形性及び取扱い性が良好であるという観点からは、分子量が900未満のものが好ましく、700未満のものがより好ましく、500未満のものがさらに好ましい。
(A)成分としては、他の成分との均一な混合、および良好な作業性を得るためには、粘度が23℃において100Pa・s未満のものが好ましく、30Pa・s未満のものがより好ましく、3Pa・s未満のものがさらに好ましい。粘度はE型粘度計によって測定することができる。
(A)成分としては、着色(特に黄変)の抑制の観点からは、フェノール性水酸基およびフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸基およびフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものがより好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基とは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは、上記フェノール性水酸基の水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換した基を示す。
複屈折率が低い、光弾性係数が低い等のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好であるという観点からは、(A)成分は、芳香環の(A)成分中の成分重量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものがさらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を含まないものである。
得られる硬化物の着色が少なく、光学的透明性が高く、耐光性が高いという観点からは、(A)成分としてはビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが好ましく、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが特に好ましい。
(A)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合以外の反応性基を有していてもよい。上記反応性基としては特に限定されないが、例えば、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。上記反応性基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、上記反応性基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、上記反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
(A)成分としては、耐熱性および透明性が高いという観点から、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006206919
(式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)
上記一般式(I)のRとしては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、炭素数1〜20の一価の有機基が好ましく、炭素数1〜10の一価の有機基がより好ましく、炭素数1〜4の一価の有機基がさらに好ましい。好ましいRの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
Figure 2006206919
等が挙げられる。
得られる硬化物の各種材料との接着性が良好になりうるという観点からは、上記一般式(I)の3つのRのうち少なくとも1つが、エポキシ基を一つ以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、
Figure 2006206919
で表されるエポキシ基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましい。上記エポキシ基を一つ以上含む炭素数1〜50の一価の有機基としては、グリシジル基、
Figure 2006206919
が好ましい。
上記一般式(I)のRとしては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、2個以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H、N及びO以外の元素を含まない炭素数1〜50の一価の有機基が好ましく、2個以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H及びO以外の元素を含まない炭素数1〜50の一価の有機基がより好ましく、炭素数1〜50の一価の炭化水素基がさらに好ましい。これらの好ましいRの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
Figure 2006206919
等が挙げられる。
反応性が良好になるという観点からは、上記一般式(I)の3つのRのうち少なくとも1つが、
Figure 2006206919
で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、3つのRのうち少なくとも1つが、下記一般式(VII)
Figure 2006206919
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましく、3つのRのうち少なくとも2つが、下記一般式(VIII)
Figure 2006206919
(式中Rは直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基を表し、Rは水素原子あるいはメチル基を表す。複数のRおよびRはそれぞれ異なっていても同一であってもよい。)で表される有機基であることがさらに好ましい。
上記一般式(VIII)のRは、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基であるが、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、直接結合あるいは炭素数1〜20の二価の有機基が好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜10の二価の有機基がより好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜4の二価の有機基がさらに好ましい。なかでも好ましいRの例としては、
Figure 2006206919
等が挙げられる。
上記一般式(VIII)のRとしては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、直接結合、あるいは、2つ以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H及びO以外の元素を含まない炭素数1〜48の二価の有機基が好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の炭化水素基がより好ましい。なかでも好ましいRの例としては、
Figure 2006206919
が挙げられる。
上記一般式(VIII)のRは、水素原子あるいはメチル基であるが、反応性が良好であるという観点からは、水素原子が好ましい。
ただし、上記一般式(I)で表される有機化合物においても、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有することは必要である。耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に3個以上含有する有機化合物であることがより好ましい。
上記一般式(I)で表される有機化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、
Figure 2006206919
等が挙げられる。接着性向上のためには、(A)成分としてはトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
(A)成分としては、力学的特性の向上という観点から、下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006206919
(式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)
ヒドロシリル化合物反応可能な官能基とは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素不飽和結合や、SiH基のことをいう。
は、水素原子、又は、上記官能基を持たない有機基であれば特に限定されないが、水素原子又は炭素数1〜50の一価の有機基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜20の一価の有機基がより好ましく、水素原子又は炭素数1〜10の一価の有機基がさらに好ましい。具体的には、炭化水素基、エポキシ構造を有する有機基等が挙げられる。
上記一般式(II)で表される化合物としては特に限定されないが、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
Figure 2006206919
上記一般式(II)で表される化合物としては、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノエチルイソシアヌレート、ジアリルモノプロピルイソシアヌレート、ジアリルモノフェニルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレートが好ましい。なかでも、力学特性と接着性が両立可能な点から、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが特に好ましい。
力学的特性と接着性のバランスの観点から、一般式(II)で表される化合物は他の種類の(A)成分と混合して使用することが好ましく、その場合、(A)成分の20重量%以上を、一般式(II)で表される化合物が占めることがより好ましい。
接着性向上と耐光性を両立させるためには、(A)成分は、トリアリルイソシアヌレートとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの混合物が好ましい。混合比は任意に設定出来るが、上記目的達成のためにはトリアリルイソシアヌレート/アリルモノグリシジルイソシアヌレート(モル比)=9/1〜1/9が好ましく、8/2〜2/8がさらに好ましく、7/3〜3/7が特に好ましい。
次に第一の本発明の(B)成分について説明する。
(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に限定されない。例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましい。具体的には
Figure 2006206919
Figure 2006206919
が挙げられる。なかでも、(A)成分との相溶性がよいという観点からは、下記一般式(IX)
Figure 2006206919
(式中、R10は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンがより好ましい。
一般式(IX)で表される化合物中の置換基R10は、構成元素としてC、H及びO以外の元素を含まない置換基が好ましく、炭化水素基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
一般式(IX)で表される化合物としては、入手容易性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
(B)成分の分子量は特に制約はなく任意のものが好適に使用できるが、より流動性を発現しやすいという観点から、低分子量のものが好ましく用いられる。この場合、好ましい分子量の下限は50であり、好ましい分子量の上限は100,000、より好ましくは1,000、さらに好ましくは700である。
(B)成分は単独で用いてもよいし、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。
(A)成分と良好な相溶性を有するという観点、及び、(B)成分の揮発性が低くなり、得られる組成物からのアウトガスの問題が生じ難いという観点からは、(B)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン(β)を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物が好ましい。
((α)成分)
(α)成分としては、上記した(A)成分である、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物(α1)を用いることもできる。(α1)成分を用いると、得られる硬化物の架橋密度が高くなり力学強度が高い硬化物となりやすい。
また(α)成分としては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物(α2)を用いることもできる。(α2)成分を用いると、得られる硬化物が低弾性となりやすい。
(α2)成分としては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物であれば特に限定されないが、(B)成分が(A)成分と相溶性がよくなるという点においては、有機化合物が好ましく、ポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマー等の、シロキサン単位(Si−O−Si)を含む化合物以外のものがより好ましく、構成元素としてC、H、N、O、S及びハロゲン以外の元素を含まない化合物がさらに好ましい。
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
(α2)成分の化合物は、重合体系の化合物と単量体系の化合物に分類できる。
重合体系化合物としては特に限定されないが、例えば、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物等が挙げられる。
単量体系化合物としては特に限定されないが、例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系;鎖状、環状等の脂肪族炭化水素系;複素環系の化合物;シリコン系の化合物;これらの混合物等が挙げられる。
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(V)
Figure 2006206919
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。上記一般式(V)で示される基のうち、原料の入手の容易さから、
Figure 2006206919
で示される基が特に好ましい。
さらに、(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(VI)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
Figure 2006206919
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。2つのRは同じであってもよいし異なっていてもよい。)このうち、原料の入手の容易さからは、下記式で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
Figure 2006206919
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(α2)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していてもよい。上記2価以上の置換基としては特に限定されないが、炭素数0〜10の置換基が好ましく、(B)成分が(A)成分と相溶性がよくなりやすいという点においては、構成元素としてC、H、N、O、S及びハロゲン以外の元素を含まない置換基がより好ましい。上記2価以上の置換基の例としては、
Figure 2006206919
Figure 2006206919
が挙げられる。また、例示した2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
(α2)成分の骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2,2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2,2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
Figure 2006206919
が挙げられる。
(α2)成分の具体的な例としては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニアレン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等の鎖状脂肪族炭化水素系化合物類、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレン、エチリデンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、カンフェン、カレン、α−ピネン、β−ピネン等の環状脂肪族炭化水素系化合物類、スチレン、α−メチルスチレン、インデン、アリルベンゼン、4−フェニル−1−ブテン等の芳香族炭化水素系化合物類、アルキルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の脂肪族系化合物類、1,2−ジメトキシ−4−アリルベンゼン、o−アリルフェノール等の芳香族系化合物類、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の置換イソシアヌレート類、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等のシリコン化合物等が挙げられる。
さらに、(α2)成分として、片末端アリル化ポリエチレンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系樹脂;片末端アリル化ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;片末端アリル化ポリブチルアクリレート、片末端アリル化ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;等の片末端にビニル基を有するポリマーあるいはオリゴマー類等も挙げることができる。
構造は線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はなく種々のものを用いることができる。分子量分布も特に制限ないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
(α2)成分のガラス転移温度が存在する場合はこれについても特に限定はなく種々のものが用いられるが、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においてはガラス転移温度は100℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、0℃以下がさらに好ましい。好ましいポリマー又はオリゴマーの例としてはポリブチルアクリレート等が挙げられる。逆に得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、ガラス転移温度は100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましく、170℃以上が最も好ましい。ガラス転移温度は動的粘弾性測定においてtanδが極大を示す温度として求めることができる。
(α2)成分としては、得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、炭化水素化合物であることが好ましい。この場合好ましい炭素数の下限は7であり、好ましい炭素数の上限は10である。
(α2)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合以外の反応性基を有していてもよい。上記反応性基としては特に限定されないが、例えば、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。上記反応性基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、上記反応性基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、上記反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。具体的にはモノアリルジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、アリロキシエチルメタクリレート、アリロキシエチルアクリレート、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(α)成分は単独で用いてもよいし、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。
((β)成分)
(β)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンである。具体的には、
Figure 2006206919
Figure 2006206919
が挙げられる。
(α)成分との相溶性が良くなりやすいという観点から、下記一般式(IX)
Figure 2006206919
(式中、R10は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
一般式(IX)で表される化合物中の置換基R10は、構成元素としてC、H及びO以外の元素を含まない置換基が好ましく、炭化水素基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
一般式(IX)で表される化合物としては、入手容易性等から、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
(β)成分は単独で用いてもよいし、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。
(B)成分としては、力学的特性の向上という観点から、下記一般式(III)
Figure 2006206919
(式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)と1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物、及び/又は、下記一般式(IV)
Figure 2006206919
(式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表し、それぞれのRは同一であっても異なっていてもよい。)と1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物が好ましい。
ヒドロシリル化合物反応可能な官能基とは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素不飽和結合や、SiH基のことをいう。
及びRは、水素原子、又は、上記官能基を持たない有機基であれば特に限定されないが、水素原子又は炭素数1〜50の一価の有機基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜20の一価の有機基がより好ましく、水素原子又は炭素数1〜10の一価の有機基がさらに好ましい。具体的には、炭化水素基、エポキシ構造を有する有機基等が挙げられる。
上記一般式(III)で表される化合物としては特に限定されないが、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
Figure 2006206919
このうち、力学特性と接着性が両立可能な点から、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが特に好ましい。
上記一般式(IV)で表される化合物としては特に限定されないが、例えば、下記の化合物等が例示される。
Figure 2006206919
このうち、力学特性と接着性が両立可能な点から、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートが特に好ましい。
上記一般式(III)で表される化合物とヒドロシリル化反応させる、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物としては、上述したものが挙げられる。
上記一般式(IV)で表される化合物とヒドロシリル化反応させる、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する化合物としては、鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンが好ましく、具体的には、下記に示した構造の化合物が挙げられる。
Figure 2006206919
Figure 2006206919
上記一般式(IV)で表される化合物との相溶性が良くなりやすいという観点から、上記一般式(IX)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
(α)成分と(β)成分の反応物である(B)成分の例としては、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、アリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、α−メチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノメチルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノエチルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノプロピルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノフェニルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノベンジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジメチルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジエチルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジプロピルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジベンジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物等を挙げることができる。耐熱性、耐光性の点から、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物が好ましい。高靭性、高透明性の点から、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物が好ましい。高靭性、接着性の点から、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物が好ましい。
((α)成分と(β)成分の反応)
(B)成分として、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を用いる場合の、(α)成分と(β)成分とのヒドロシリル化反応に関して説明する。
尚、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応すると、本発明の(B)成分を含む複数の化合物の混合物が得られることがあるが、そこから(B)成分を分離することなく混合物のままで用いて本発明の硬化性組成物を作製することもできる。
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合の(α)成分と(β)成分の混合比率は、特に限定されないが、得られる(B)成分と(A)成分とのヒドロシリル化による硬化物の強度を考えた場合、(B)成分のSiH基が多い方が好ましいため、混合する(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2であることが好ましく、Y/X≧3であることがより好ましい。また(B)成分の(A)成分との相溶性がよくなりやすいという点からは、10≧Y/Xであることが好ましく、5≧Y/Xであることがより好ましい。
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合には適当な触媒を用いてもよい。触媒としてはヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH=CH(PPh、Pt(CH=CHCl)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt[(MeViSiO))、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh、Pt(PBu)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)、Pt[P(OBu))(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒等が挙げられる。更に、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)、RhCl、RhAl、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。上記触媒は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため、好ましい添加量の下限は、(β)成分のSiH基1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のSiH基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。
上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1,2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、上記触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は10−2モル、より好ましくは10−1モルであり、好ましい添加量の上限は10モル、より好ましくは10モルである。
反応させる場合の(α)成分、(β)成分及び触媒の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(α)成分に触媒を混合したものを、(β)成分に混合する方法が好ましい。(α)成分と(β)成分の混合物に触媒を混合する方法の場合、反応の制御が困難である。(β)成分と触媒を混合したものに(α)成分を混合する方法をとる場合は、触媒の存在下(β)成分が混入している水分と反応性を有するため、変質することがある。
反応温度としては種々設定できるが、好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
(α)成分と(β)成分を反応させた後に、溶媒、未反応の(α)成分及び/又は(β)成分を除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる(B)成分が揮発分を有さないため(A)成分との硬化の場合に揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては、例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケイ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げられる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは60℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
(A)成分と(B)成分の混合比率は、必要な強度を失わない限り特に限定されないが、(B)成分中のSiH基の数(Y)の(A)成分中の炭素−炭素二重結合の数(X)に対する比が、3.0≧Y/X≧0.5であることが好ましく、2.5≧Y/X≧0.7であることがより好ましく、2.0≧Y/X≧0.8であることがさらに好ましく、1.80≧Y/X≧0.9であることが特に好ましい。3.0<Y/Xの場合は、十分な硬化性が得られず十分な強度が得られない場合があり、Y/X<0.7の場合は、炭素−炭素二重結合が過剰となり着色の原因となり得る。
次に第一の本発明の(C)成分について説明する。
(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH=CH(PPh、Pt(CH=CHCl)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt[(MeViSiO))、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh、Pt(PBu)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)、Pt[P(OBu))(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒等が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
白金化合物以外のヒドロシリル化触媒の例としては、RhCl(PPh)、RhCl、RhAl、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。上記ヒドロシリル化触媒は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため、好ましい添加量の下限は、(B)成分のSiH基1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限は(B)成分のSiH基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。
次に第一の本発明の(D)成分について説明する。
(D)成分はシランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物である。
上記シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性ケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある官能基としては特に限定されないが、取扱い性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基及びカルバメート基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性ケイ素基としては特に限定されないが、取扱い性の点から、アルコキシシリル基が好ましく、反応性の点から、メトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
シランカップリング剤の添加量としては特に限定されず、種々設定できるが、[(A)成分+(B)成分]100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは0.5重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れにくく、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
エポキシ基含有化合物としては特に限定されないが、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2′−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させるもの;ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の臭素化エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;芳香族カルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応物、芳香族カルボン酸の水素添加物とエピクロルヒドリンとの反応物等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ウレタン変性エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
Figure 2006206919
等の脂環式系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート;ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル類;ヒダントイン型エポキシ樹脂;石油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化物等が挙げられる。エポキシ化合物又は必要により硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ基含有化合物の添加量としては特に限定されず、種々設定できるが、[(A)成分+(B)成分]100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは0.5重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れにくく、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
シランカップリング剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。エポキシ基含有化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、シランカップリング剤とエポキシ基含有化合物を併用してもよい。
次に第一の本発明の(E)成分について説明する。
(E)成分であるシラノール縮合触媒としては、加水分解性ケイ素基の縮合反応の触媒活性があるものであれば特に限定されないが、なかでも、接着性の向上及び/又は安定化が可能な点から、有機アルミニウム化合物、ほう酸エステル、チタン系化合物が好ましい。硬化時及び高温下での着色性が低い点から、有機アルミニウム化合物、ほう酸エステルがより好ましく、ほう酸エステルが特に好ましい。
シラノール縮合触媒の使用量としては特に限定されず、種々設定できるが、(D)成分100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れにくく、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
上記有機アルミニウム化合物としては特に限定されないが、例えば、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリノルマルプロポキシアルミニウム、sec−ブトキシアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド等のアルミニウムアルコラート化合物;ナフテン酸、ステアリン酸、オクチル酸、安息香酸等の有機酸のアルミニウム塩;アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミキレートM(川研ファインケミカル製、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド)等のアルミニウムキレート化合物等が挙げられる。反応性、基材との接着性・密着性の観点から、アルミニウムキレート化合物及びアルミニウムアルコラート化合物が好ましく、ヒドロシリル化硬化反応との相性から、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)がより好ましい。
上記ほう酸エステルとしては特に限定されないが、下記一般式(X)又は(XI)で示される化合物が好ましい。
B(OR11 (X)
B(OCOR11 (XI)
(式中R11は炭素数1〜48の有機基(好ましくは、構成元素としてC、H及びO以外の元素を含まない基、より好ましくは、炭化水素基)を表し、複数のR11は同一であってもよいし異なっていてもよい。)
ほう酸エステルの具体例として、ほう酸トリ−2−エチルヘキシル、ほう酸トリノルマルオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリメチル、ほう素メトキシエトキサイド等が挙げられる。
入手性の点から、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリノルマルブチルが好ましく、ほう酸トリメチルがさらに好ましい。
硬化時の揮発性を抑制出来る点から、ほう酸トリノルマルオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう素メトキシエトキサイドが好ましく、ほう酸トリノルマルオクタデシル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリフェニル、ほう酸トリノルマルブチルがさらに好ましい。
揮発性の抑制、作業性の点から、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピルが好ましく、ほう酸トリノルマルブチルがさらに好ましい。
高温下での着色性が低い点から、ほう酸トリエチルが好ましく、ほう酸トリメチルがさらに好ましい。
上記チタン系化合物としては特に限定されないが、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類;チタンテトラアセチルアセトナート等のチタンキレート類;オキシ酢酸やエチレングリコール等の残基を有する一般的なチタネートカップリング剤等が挙げられる。
(E)成分は単独でも用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に第一の本発明における任意成分について説明する。
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、シラノール源化合物;カルボン酸類及び/又は酸無水物類;硬化遅延剤;熱硬化性樹脂;熱可塑性樹脂;充填剤;老化防止剤;ラジカル禁止剤;紫外線吸収剤;接着性改良剤等を含有してもよい。
本発明の硬化性組成物にシラノール源化合物を配合して、接着性改良効果をさらに高め、接着性のより一層の向上及び/又は安定化を図ることができる。上記シラノール源化合物としては特に限定されないが、例えば、トリフェニルシラノール、ジフェニルジヒドロキシシラン等のシラノール化合物、ジフェニルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン類等を挙げることができる。
シラノール源化合物を用いる場合の使用量は特に限定されず、種々設定できるが、(D)成分100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れにくく、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
上記シラノール源化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物にカルボン酸類及び/又は酸無水物類を配合して、(D)成分による効果を高め、接着性のより一層の向上及び/又は安定化を図ることができる。上記カルボン酸類及び酸無水物類としては特に限定されないが、例えば、
Figure 2006206919
2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、水素化メチルナジック酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、これらの単独あるいは複合酸無水物等が挙げられる。
上記カルボン酸類及び酸無水物類のうち、ヒドロシリル化反応性を有し硬化物からの染み出しの可能性が少なく、得られる硬化物の物性を損ない難いという点においては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するものが好ましい。好ましいカルボン酸類及び酸無水物類としては、例えば、
Figure 2006206919
テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、それらの単独あるいは複合酸無水物等が挙げられる。
上記カルボン酸類及び/又は酸無水物類を用いる場合の使用量は特に限定されず、種々設定できるが、(D)成分100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは10重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れにくく、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
上記カルボン酸類及び/又は酸無水物類は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物には、保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を配合することができる。硬化遅延剤としては特に限定されないが、例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、硫黄含有化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ブチン、2−ヒドロキシ−2−フェニル−3−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、ジメチルマレエート等のマレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリフェニルホスフィン等のトリオルガノホスフィン類、ジオルガノホスフィン類、オルガノホスホン類、トリオルガノホスファイト類等が例示される。硫黄含有化合物としては、単体硫黄、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
上記硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレエート、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが好ましい。
上記硬化遅延剤の添加量は特に限定されず、種々設定できるが、ヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10−1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は10モル、より好ましくは50モルである。
また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の硬化性組成物には、特性を改質する等の目的で、熱硬化性樹脂を配合してもよい。上記熱硬化性樹脂としては特に限定されないが、例えば、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂の添加量としては特に限定はないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好ましくは30重量%である。添加量が少ないと、接着性等目的とする効果が得られにくいし、添加量が多いと脆くなりやすい。
上記熱硬化性樹脂は単独で用いてもよい、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
上記熱硬化性樹脂を本発明の硬化性組成物に配合する場合には、熱硬化性樹脂の樹脂原料及び/又は硬化させたものを、(A)成分及び/又は(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分及び/又は(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱硬化性樹脂を(A)成分及び/又は(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態及び/又は混合状態としてもよい。
熱硬化性樹脂を分散させる場合、その平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物には、特性を改質する等の目的で、熱可塑性樹脂を配合してもよい。上記熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートと他のモノマーとのランダム、ブロック又はグラフト共重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体、ブチルアクリレートと他のモノマーとのランダム、ブロック又はグラフト共重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂;ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等);ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、その水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等);エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等);ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類又はジエチレングリコール等のジオール類と、テレフタル酸、イソフタル酸等のフタル酸類又は脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等);ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等;天然ゴム、EPDM等のゴム状樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合及び/又はSiH基を有していてもよい。得られる硬化物がより強靭となりやすいという点においては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合及び/又はSiH基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂はその他の架橋性基を有していてもよい。上記架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
上記熱可塑製樹脂の分子量としては特に限定はないが、(A)成分や(B)成分との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10,000以下であることが好ましく、5,000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10,000以上であることが好ましく、100,000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
上記熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好ましくは30重量%である。添加量が少ないと、得られる硬化物が脆くなりやすいし、多いと、耐熱性(高温での弾性率)が低くなりやすい。
熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、複数のものを併用してもよい。
上記熱可塑性樹脂を本発明の硬化性組成物に配合する場合には、(A)成分及び/又は(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分及び/又は(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を(A)成分及び/又は(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態及び/又は混合状態としてもよい。
熱可塑性樹脂を分散させる場合、その平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物には充填材を配合してもよい。
上記充填材としては特に限定されないが、例えば、石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系充填材、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、無機バルーン等の無機充填材;エポキシ系等の従来のモールド部材の充填材として一般に使用及び/又は提案されている充填材等を挙げることができる。
充填材としては、封止する半導体や電子材料へダメージを与え難いという観点からは、低放射線性のものが好ましい。
充填材は適宜表面処理したものであってもよい。表面処理としては特に限定されないが、例えば、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、カップリング剤による処理等が挙げられる。
上記カップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性ケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては特に限定されないが、取扱い性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基及びカルバメート基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性ケイ素基としては特に限定されないが、取扱い性の点から、アルコキシシリル基が好ましく、反応性の点から、メトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
本発明の硬化性組成物に充填材を配合する方法としては、本発明の組成物に充填剤を混合する方法以外に、例えば、アルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明の組成物に添加して、組成物中あるいは組成物の部分反応物中で反応させ、組成物中で充填材を生成させる方法も挙げることができる。
上記充填材のうち、硬化反応を阻害し難く、線膨張係数の低減化効果が大きいという観点からは、シリカ系充填材が好ましい。
上記充填材の平均粒径としては、モールド部材の狭い隙間への浸透性が良好となりやすいという点においては、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。充填材中の粒径が50μm以上の粒子の割合としては、モールド部材の狭い隙間への浸透性が良好となりやすいという点においては、1重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であることがより好ましい。充填材の平均粒子径及び充填材中の粒径が50μm以上の粒子の割合は、レーザー法マイクロトラック粒度分析計を用いて測定することができる。
上記充填材の粒径分布については、エポキシ系等の従来のモールド部材の充填材として使用及び/又は提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、24μm以上の粒子が15重量%以上かつ1μm以下の粒子が3重量%以上となるようにしてもよい。
上記充填材の比表面積についても、エポキシ系等の従来のモールド部材の充填材として使用及び/又は提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、4m/g以上、4m/g以下、10m/g以下等、任意に設定できる。比表面積はBET法モノソーブ比表面積測定装置によって測定できる。
上記充填材のガラス化率についても、エポキシ系等の従来のモールド部材の充填材として使用及び/又は提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、97%以上等、任意に設定できる。
上記充填材の形状としては、モールド部材の粘度が低くなりやすい観点からは、球状の充填材であることが好ましい。
上記充填材は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記充填材の添加量は特に限定されないが、線膨張係数の低減化効果が高く、かつ組成物の流動性が良好であるという観点から、好ましい添加量の下限は全組成物中の30重量%、より好ましくは50重量%であり、好ましい添加量の上限は全組成物中の80重量%、より好ましくは70重量%である。
上記充填材の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、組成物の中間原料の貯蔵安定性が良好になりやすいという点においては、(A)成分に(C)成分および充填材を混合したものに(B)成分を混合する方法が好ましい。(B)成分に(C)成分及び/又は充填材を混合したものに(A)成分を混合する方法をとる場合は、(C)成分の存在下及び/又は非存在下において(B)成分が環境中の水分及び/又は充填材と反応性を有するため、貯蔵中等に変質することもある。
本発明の硬化性組成物には老化防止剤を配合してもよい。老化防止剤としては特に限定されず、一般に用いられている老化防止剤、例えばクエン酸、リン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。硫黄系老化防止剤としては特に限定されないが、例えば、メルカプタン類、メルカプタンの塩類;スルフィドカルボン酸エステル類、ヒンダードフェノール系スルフィド類等のスルフィド類;ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。上記老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物にはラジカル禁止剤を配合してもよい。ラジカル禁止剤としては特に限定されないが、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤;フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N′−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。上記ラジカル禁止剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物には紫外線吸収剤を配合してもよい。紫外線吸収剤としては特に限定されないが、例えば、2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。上記紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物には、接着性改良剤を配合してもよい。接着性改良剤としては特に限定されないが、例えば、一般に用いられている接着剤、カップリング剤、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
(蛍光体)
本発明の硬化性組成物には、蛍光体を配合しても良い。これにより、発光素子から放出される光を吸収し、波長変換を行い、発光素子の色調と異なる色調を有する発光ダイオードを提供することができるからである。
発光ダイオードに使用される蛍光体は、主に、青色に発光する蛍光体、緑色に発光する蛍光体、黄色に発光する蛍光体、赤色に発光する蛍光体の少なくともいずれか1以上の蛍光体を使用することができる。これらの蛍光体は、本発明に係る硬化性組成物中に投入し、ほぼ均一になるまで混合する。この混合物を、発光素子の周辺部に載置する。この蛍光体は、発光素子から放出される光を吸収し、波長変換を行い、発光素子の光と異なる波長の光を放出する。これにより、発光素子から放出される光の一部と、蛍光体から放出される光の一部と、が混合して、白色を含む多色系の発光ダイオードを作製することができる。
上述のような青色に発光する蛍光体、緑色に発光する蛍光体、黄色に発光する蛍光体、赤色に発光する蛍光体には、種々の蛍光体がある。
緑色に発光する蛍光体として、例えば、SrAl:Eu、YSiO:Ce,Tb、MgAl1119:Ce,Tb、SrAl1225:Eu、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)Ga:Euなどがある。
青色に発光する蛍光体として、例えば、Sr(POCl:Eu、(SrCaBa)(POCl:Eu、(BaCa)(POCl:Eu、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)Cl:Eu,Mn、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)(POCl:Eu,Mnなどがある。
緑色から黄色に発光する蛍光体として、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦括されたイットリウム・ガドリニウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット酸化物蛍光体、及び、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・ガリウム・アルミニウム酸化物蛍光体などがある(いわゆるYAG系蛍光体)。具体的には、Ln12:R(Lnは、Y、Gd、Laから選ばれる少なくとも1以上である。Mは、Al、Caの少なくともいずれか一方を含む。Rは、ランタノイド系である。)、(Y1−xGa(Al1−yGa12:R(Rは、Ce、Tb、Pr、Sm、Eu、Dy、Hoから選ばれる少なくとも1以上である。0<R<0.5である。)を使用することができる。
赤色に発光する蛍光体として、例えば、YS:Eu、LaS:Eu、Y:Eu、GdS:Euなどがある。
但し、緑色、青色、黄色、赤色等に発光する蛍光体は、上記の蛍光体に限定されず、種々の蛍光体を使用することができる。
本発明の組成物には、以上の成分以外に、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、イオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を、本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
本発明の硬化性組成物は溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤としては特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。なかでも、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。
溶媒の使用量は特に限定されず、適宜設定できるが、硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
上記溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
本発明の硬化性組成物には、種々の発光ダイオード特性改善のための添加剤を配合してもよい。上記添加剤としては特に限定されないが、例えば、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体等の蛍光体;特定の波長を吸収するブルーイング剤等の着色剤;光を拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、石英ガラス等の酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の無機あるいは有機拡散材;ガラス、アルミノシリケート等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ボロン等の金属窒化物等の熱伝導性フィラー等を挙げることができる。
発光ダイオード特性改善のための添加剤は均一に含有させてもよいし、含有量に傾斜を付けて含有させてもよい。上記添加剤含有樹脂部は、発光面前面のモールド部材用の樹脂を型に流した後、引き続いて、上記添加剤を含有させた樹脂を流し発光面後方のモールド部材として形成させることができる。また、モールド部材形成後、リード端子を表裏両面からテープを張り付けることによって覆い、この状態でリードフレーム全体を上記添加剤含有樹脂を溜めたタンク内に発光ダイオードのモールド部材の下半分を浸漬した後、引き上げて乾燥させ上記添加剤含有樹脂部を形成させてもよい。
第一の本発明の硬化性組成物は、各成分をあらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによって硬化させて硬化物とすることができる。
混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(A)成分、(C)成分及び(E)成分を混合したものと、(B)成分及び(D)成分を混合したものとを混合する方法が好ましい。(A)成分と(B)成分との混合物に(C)成分を混合する方法では反応の制御が困難である。(B)成分と(C)成分及び/又は(E)成分を混合したものは、(C)成分及び/又は(E)成分の存在下で(B)成分と水分との反応が促進されることから、貯蔵中などに変質することもあり好ましくない。
組成物を反応させて硬化させる場合において、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)各成分それぞれの必要量を一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混合した後反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用により組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ化)させてから成形などの処理を行いさらに硬化させる方法をとることもできる。これらの方法によれば成形時の粘度調整が容易となる。
硬化させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
反応温度としては特に限定されず、種々設定できるが、好ましい温度の下限は30℃であり、より好ましくは100℃であり、さらに好ましくは150℃である。好ましい温度の上限は300℃であり、より好ましくは250℃であり、さらに好ましくは200℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやすい。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間も種々設定できる。
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。
硬化させて得られる光学用材料の形状も用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えば、フィルム状、シート状、チューブ状、ロッド状、塗膜状、バルク状などの形状とすることができる。
成形する方法も従来の熱硬化性樹脂の成形方法をはじめとして種々の方法をとることができる。例えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー成形法、コーティング法、RIM法などの成形方法を適用することができる。成形型は研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。また、成形型との離型性を向上させるため、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用することができる。
成形時に必要に応じ各種処理を施すこともできる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のために組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧などにより脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する処理などを適用することもできる。
本発明の硬化性組成物は種々の光学材料に適用可能である。本発明における光学材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光をその材料中に通過させる用途に用いる材料一般を示す。特に限定されないが、例えば、カラーフィルター保護膜、TFT平坦化膜、基板材料等の液晶表示装置に用いられる材料;モールド部材、ダイボンド剤等の発光ダイオード(LED)に用いられる材料が挙げられる。なお本明細書におけるモールド部材は、モールド剤、又は、封止剤のことも含む概念である。
液晶ディスプレイ分野における基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、偏光子保護フィルム、カラーフィルター等;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
LED表示装置に使用されるLED素子のモールド部材、LEDのモールド部材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
カラーPDP(プラズマディスプレイ)の反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料等;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。プラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、偏光子保護フィルム;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。フィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダー;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。プロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。光センシング機器のレンズ用材料、各種フィルム;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。光受動部品、光回路部品では、レンズ、導波路;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイド等、工業用途のセンサー類、表示・標識類等、通信インフラ用及び家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバー;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
半導体集積回路周辺材料では、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料も挙げられる。
自動車・輸送機分野では、自動車用ヘッドランプ・テールランプ・室内ランプ等のランプ材料、ランプリフレクタ、ランプレンズ、外装板・インテリアパネル等の各種内外装品、ガラス代替品;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。鉄道車輌用の外装部品、ガラス代替品;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。航空機の外装部品、ガラス代替品;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
建築分野では、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
農業用では、ハウス被覆用フィルムも挙げられる。
次世代の光・電子機能有機材料としては、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子のモールド部材;それらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、モールド部材、接着剤等も挙げられる。
<第二の本発明>
第二の本発明の硬化性組成物は、(A)成分として、上記一般式(II)で表される化合物を含有する。第二の本発明の硬化性組成物において、(A)成分は、上記一般式(II)で表される化合物のみからなるものであってもよいし、上記一般式(II)で表される化合物以外に、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物を含有してもよい。上記有機化合物は、第一の本発明の(A)成分と同様である。
第二の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明と同じ(B)成分及び(C)成分を含有する。第二の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明と同じ(D)成分を含有してもよいし、含有しなくてもよい。第二の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明と同じ(E)成分を含有してもよいし、含有しなくてもよい。第二の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明と同じ任意成分を含有してもよいし、含有しなくてもよい。
第二の本発明の硬化性組成物は、各成分をあらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによって硬化させて硬化物とすることができる。
混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(A)成分及び(C)成分を混合したものと、(B)成分を混合する方法が好ましい。(A)成分と(B)成分との混合物に(C)成分を混合する方法だと反応の制御が困難である。(B)成分と(C)成分を混合したものは、(B)成分と水分との反応が促進されることから、貯蔵中などに変質することもあり好ましくない。
第二の本発明の硬化性組成物に関する硬化方法及び成形方法は第一の本発明の場合と同様である。
第二の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明の硬化性組成物と同じ用途に用いることができる。
<第三の本発明>
第三の本発明の硬化性組成物は、(B)成分として、上記一般式(III)で表される化合物と1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物、及び/又は、上記一般式(IV)で表される化合物と1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を含有する。第三の本発明の硬化性組成物において、(B)成分は、上記化合物のみからなるものであってもよいし、上記化合物以外に、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物を含有してもよい。上記1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物は、第一の本発明の(B)成分と同様である。
第三の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明と同じ(A)成分及び(C)成分を含有する。第三の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明と同じ(D)成分を含有してもよいし、含有しなくてもよい。第三の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明と同じ(E)成分を含有してもよいし、含有しなくてもよい。第三の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明と同じ任意成分を含有してもよいし、含有しなくてもよい。
第三の本発明の硬化性組成物に関する混合方法は、第二の本発明の場合と同様である。第三の本発明の硬化性組成物に関する硬化方法及び成形方法は第一の本発明の場合と同様である。
第三の本発明の硬化性組成物は、第一の本発明の硬化性組成物と同じ用途に用いることができる
<第四の本発明>
第四の本発明は、第一、第二及び第三の本発明の硬化性組成物により封止された発光ダイオードである。具体的な態様としては、発光素子と、該発光素子が配される外部電極が上面に形成された基板と、該基板上に接して設けられるモールド部材と、を備える発光ダイオードであって、前記基板と前記モールド部材との接触面を100%とした場合において、前記外部電極と前記モールド部材との接触面は50%〜90%であると共に、前記モールド部材が、第一の本発明の硬化性組成物である発光ダイオードである。
別の態様としては、発光素子と、該発光素子が配される底面と側壁とからなる開口部を有するパッケージと、前記開口部を封止するモールド部材と、を備える発光ダイオードであって、前記パッケージは、前記開口部底面において外部電極の一端部が露出するように成形樹脂にて一体成形されてなるものであり、前記開口部底面の面積を100%とした場合において、前記開口部底面にて露出される外部電極の占有面積は50〜90%であると共に、前記モールド部材が、第一の本発明の硬化性組成物である発光ダイオードである。
本発明の発光ダイオードは上記したような組成物によって発光素子を被覆することによって製造することができる。
上記発光素子としては特に限定されず、発光ダイオードに用いられ得る発光素子を用いることができる。例えば、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法といった各種方法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファー層を設けた基板上に半導体材料を積層して作製したもの等が挙げられる。
上記基板としては特に限定されないが、例えば、サファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。これらのうち、結晶性の良好なGaNを容易に形成でき、工業的利用価値が高いという観点からは、サファイアが好ましい。
積層される上記半導体材料としては特に限定されないが、例えば、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaN、InGaAlN、SiC等が挙げられる。これらのうち、高輝度が得られるという観点からは、窒化物系化合物半導体(InGaAlN)が好ましい。上記半導体材料は付活剤等を含んでいてもよい。
上記発光素子の構造としては特に限定されないが、例えば、MIS接合、pn接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合、ダブルへテロ構造等が挙げられる。また、単一あるいは多重量子井戸構造とすることもできる。
上記発光素子はパッシベーション層を設けていてもよいし、設けなくてもよい。
上記発光素子には従来知られている方法によって電極を形成することができる。
発光素子上の電極は種々の方法でリード端子等と電気接続できる。電気接続部材としては特に限定されないが、発光素子の電極とのオーミック性機械的接続性等がよいものが好ましく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、これらの合金等を用いたボンディングワイヤー等が挙げられる。銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂に充填した導電性接着剤等を用いることもできる。これらのうち、作業性が良好であるという観点からは、アルミニウム線又は金線が好ましい。
本発明においては、垂直方向の光度が1cd以上を示す発光素子が好ましい。垂直方向の光度が2cd以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果がより顕著であり、3cd以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果がさらに顕著である。
上記発光素子の発光出力としては特に限定されず、20mAにおいて1mW以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果が顕著であり、20mAにおいて4mW以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果がより顕著であり、20mAにおいて5mW以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果がさらに顕著である。
上記発光素子の発光波長は紫外域から赤外域まで特に限定されないが、主発光ピーク波長が550nm以下のものを用いた場合に本発明の効果が特に顕著である。上記発光素子は一種類を用いて単色発光させてもよいし、複数を用いて単色又は多色発光させてもよい。
本発明の発光ダイオードに用いられるリード端子としては特に限定されないが、ボンディングワイヤー等の電気接続部材との密着性、電気伝導性等が良好なものが好ましい。リード端子の電気抵抗としては特に限定されないが、300μΩ・cm以下が好ましく、より好ましくは3μΩ・cm以下である。上記リード端子の材料としては特に限定されないが、例えば、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅、これらに銀、ニッケル等をメッキしたもの等が挙げられる。上記リード端子は良好な光の広がりを得るために適宜光沢度を調整してもよい。
本発明の発光ダイオードは、第一の本発明の硬化性組成物によって上記発光素子を被覆することによって製造することができる。上記被覆とは、上記発光素子を直接封止するものに限らず、間接的に被覆する場合も含む。具体的には、上記発光素子を第一の本発明の硬化性組成物で直接従来用いられる種々の方法で封止してもよいし、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂やガラスで発光素子を封止した後に、その上あるいは周囲を第一の本発明の硬化性組成物で被覆してもよい。また、上記発光素子を第一の本発明の硬化性組成物で封止した後、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等でモールディング(封止ともいう)してもよい。これらの方法によって、屈折率や比重の差を利用してレンズ効果等の種々の効果を持たせることも可能である。
封止の方法としても各種方法を適用することができる。例えば、底部に発光素子を配置させたカップ、キャビティ、パッケージ凹部等に液状の組成物をディスペンサーその他の方法にて注入して加熱等により硬化させてもよいし、固体状あるいは高粘度液状の組成物を加熱する等して流動させ同様にパッケージ凹部等に注入してさらに加熱する等して硬化させてもよい。上記パッケージは種々の材料を用いて作製することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド樹脂等を挙げることができる。また、モールド型枠中に組成物をあらかじめ注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等を浸漬した後硬化させる方法も適用することができるし、発光素子を挿入した型枠中にディスペンサーによる注入、トランスファー成形、射出成形等により組成物による封止層を成形、硬化させてもよい。単に液状または流動状態とした組成物を発光素子状に滴下あるいはコーティングして硬化させてもよい。発光素子上に孔版印刷、スクリーン印刷、あるいはマスクを介して塗布すること等により硬化性樹脂を成形させて硬化させることもできる。あらかじめ板状、あるいはレンズ形状等に部分硬化あるいは硬化させた組成物を発光素子上に固定する方法によってもよい。さらには、発光素子をリード端子やパッケージに固定するダイボンド剤として用いることもできるし、発光素子上のパッシベーション膜として用いることもできる。また、パッケージ基板として用いることもできる。
被覆部分の形状も特に限定されず種々の形状をとることができる。例えば、レンズ形状、板状、薄膜状、特開平6−244458記載の形状等が挙げられる。これらの形状は組成物を成形硬化させることによって形成してもよいし、組成物を硬化した後に後加工により形成してもよい。
本発明の発光ダイオードは、種々のタイプとすることができ、例えば、ランプタイプ、SMDタイプ、チップタイプ等いずれのタイプでもよい。SMDタイプ、チップタイプのパッケージ基板としては、種々のものが用いられ、例えば、エポキシ樹脂、BTレジン、セラミック等が挙げられる。
本発明の発光ダイオードには種々の方式が適用できる。例えば、発光素子背面に光を反射あるいは集光する層を設ける方式、封止樹脂の黄変に対応して補色着色部を底部に形成させる方式、主発光ピークより短波長の光を吸収する薄膜を発光素子上に設ける方式、発光素子を軟質あるいは液状のモールド部材で封止した後周囲を硬質材料でモールディングする方式、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す蛍光体を含む材料で発光素子を封止した後周囲をモールディングする方式、蛍光体を含む材料をあらかじめ成形してから発光素子とともにモールドする方式、特開平6−244458に記載のとおりモールド部材を特殊形状として発光効率を高める方式、輝度むらを低減させるためにパッケージを2段状の凹部とする方式、発光ダイオードを貫通孔に挿入して固定する方式、発光素子表面に主発光波長より短い波長の光を吸収する薄膜を形成する方式、発光素子をはんだバンプ等を用いたフリップチップ接続等によってリード部材等と接続して基板方向から光を取出す方式等を挙げることができる。
本発明の発光ダイオードは従来公知の各種の用途に用いることができる。具体的には、バックライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト等を挙げることができる。
本発明の発光ダイオードに用いる硬化性組成物は、接着性に優れ、高い透明性を有する。また靭性が高く、高い透明性を有するため発光ダイオード用モールド部材として用いることが出来る。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
まず、(B)成分である1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物の合成例について記載する。
(合成例1)
5Lのセパラブルフラスコにトルエン1.8kg及び1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.44kgを加えて、内温が104℃になるように加熱した。そこに、トリアリルイソシアヌレート200g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mL及びトルエン200gの混合物を滴下した。120℃のオイルバス中で7時間加熱還流させた。1−エチニル−1−シクロヘキサノール1.7gを加えた。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。H−NMRによりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したもの(部分反応物B1と称す、SiH価:8.2mmol/g、アリル価:0.12mmol/g)であることがわかった。生成物は混合物であるが、本発明の(B)成分である下記のものを主成分として含有している。また、本発明の(C)成分である白金ビニルシロキサン錯体を含有している。
Figure 2006206919
(実施例1)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.75g、(E)成分としてアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)0.15g(川研ファインケミカル、商品名:ALCH−TR)を用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより厚さ約3mmの目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
(比較例1)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート1.0g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)1.49g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)7.5mgを用いた。上記(A)成分及び(C)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。上記混合物A液と(B)成分を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより厚さ約3mmの目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
(比較例2)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート1.0g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)1.49g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)7.5mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.125gを用いた。上記(A)成分及び(C)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。上記(B)成分及び(D)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより厚さ約3mmの目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
(測定例1)
実施例1、比較例1及び2で調製した一液混合物をアルミニウム板(A−1050P)に約20μmの塗膜を作製し、120℃で1時間加熱した。光学材料は無色透明であった。室温まで冷却後、JISK5400碁盤目テープ法に基づき付着性試験を行った(2mm角の碁盤目を25マス)。得られた結果を表1に示す。
(測定例2)
実施例1、比較例1及び2で得られた硬化物に対して、スガ試験機M6T型メタリングウェザーメーター(ブラックパネル温度120℃、照射強度:50MJ/m)を用いて耐熱耐光性試験を行い、試験前後の着色状態および470nm光線透過率を分光光度計(U−3300、日立)を用いて測定した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006206919
表1から、本発明の硬化性組成物は、接着性に優れており、熱・光劣化による着色がなく高耐熱耐光性を有していることが分かる。
(参考例1)
実施例1で作製したシート状硬化物を適当な形状に切断し、キャンタイプ用の金属キャップに設けた光透過用窓の部分に固定する。一方で、MOCVD(有機金属気相成長)法によりサファイア基板上に形成した、SiとZnがドープされたInGaN活性層をn型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブルへテロ構造の発光素子を用意する。続いて、この発光素子をキャンタイプ用の金属のステムに載置した後、p電極、n電極をそれぞれのリードにAu線でワイヤーボンディングする。これを上記のキャンタイプ用の金属キャップで気密封止する。この様にしてキャンタイプの発光ダイオードを作製することができる。
(参考例2)
洗浄したサファイア基板上にMOCVD(有機金属気相成長)法により、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成するバリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN層、バリア層となるGaN層(量子井戸構造)、発光層上にMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させる。エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いてAlを蒸着し、正負各電極をそれぞれ形成させる。出来上がった半導体ウエハーをスクライブラインを引いた後、外力により分割させ発光素子である発光素子を形成させる。
表面に銀でメッキされた鉄入り銅から構成されるマウントリードのカップ底面上に、ダイボンド樹脂としてエポキシ樹脂組成物を利用して上記発光素子をダイボンドする。これを170℃で75分加熱しエポキシ樹脂組成物を硬化させ発光素子を固定する。次に、発光素子の正負各電極と、マウントリード及びインナーリードとをAu線によりワイヤーボンディングさせ電気的導通を取る。
実施例1と同様にして調製した硬化性組成物を砲弾型の型枠であるキャスティングケース内に注入させる。上記の発光素子がカップ内に配置されたマウントリード及びインナーリードの一部をキャスティングケース内に挿入し100℃1時間の初期硬化を行う。キャスティングケースから発光ダイオードを抜き出し、窒素雰囲気下において120℃1時間で硬化を行う。これにより砲弾型等のランプタイプの発光ダイオードを作製することができる。
(参考例3)
実施例1に記載の方法で硬化性組成物を作製する。
エッチングにより一対の銅箔パターンをガラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワイヤーボンディングし電気的導通を取る。基板上にマスク兼側壁として貫通孔があいたガラスエポキシ樹脂をエポキシ樹脂により固定配置させる。この状態で真空装置内に配置させると共に発光素子が配置されたガラスエポキシ樹脂基板上に硬化性組成物をディスペンスし、貫通孔を利用したキャビティ内に硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。各発光ダイオードチップごとに分割させることでチップタイプ発光ダイオードを作製することができる。
(参考例4)
実施例1に記載の方法で硬化性組成物を作製する。
インサート成形によりPPS樹脂を用いてチップタイプ発光ダイオードのパッケージを形成させる。パッケージ内は、発光素子が配される開口部を備え、銀メッキした銅板を外部電極として配置させる。パッケージ内部で発光素子をエポキシ樹脂を用いてダイボンドして固定する。導電性ワイヤーであるAu線を発光素子の各電極とパッケージに設けられた各外部電極とにそれぞれワイヤーボンディングし電気的に接続させる。パッケージ開口部内にモールド部材として硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。この様にして、チップタイプ発光ダイオードを作製することができる。
(参考例5)
実施例1に記載の方法で組成物を作製する。
参考例5の発光ダイオードは、青色系に発光する発光素子と、該発光素子が配置される底面と側壁とからなる開口部を有するパッケージと、該開口部を封止するモールド部材と、を備える。このモールド部材には、実施例1に記載の方法で作製された組成物と、(Y0.8Gd0.2Al12:CeのYAG系蛍光体と、を用いる。この実施例1の組成物と、YAG系蛍光体とを均一に混合した後、この混合物を、発光素子を配置するパッケージの開口部内に注入する。この混合物を注入した後、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し硬化させた。これにより白色系に発光する発光ダイオードを作製した。
(比較参考例1)
参考例5の発光ダイオードと同一の方法により、本発明の硬化性組成物の代わりにエポキシ樹脂を用いて発光ダイオードの作製を行った。該エポキシ樹脂は、ダイセル化学工業株式会社製(セロキサイド2021P)30g、ジャパンエポキシレジン株式会社製(YX8000)70g、三新化学工業株式会社製(サンエイドSI−100L)1gを配合して使用した。このエポキシ樹脂と、上記組成のYAG系蛍光体を均一に混合した後、この混合物を、発光素子を配置するパッケージの開口部内に、注入する。エポキシ樹脂を注入した後、熱風乾燥機中で90℃/3時間、150℃/4時間加熱し硬化させた。これにより、比較参考例1の発光ダイオードを作製した。
従来、発光素子を保護するためのモールド部材には、エポキシ樹脂を用いて発光ダイオードを作製していた。該エポキシ樹脂は、接着性、光透過性、強度、硬度などの点で優れている。しかし、該エポキシ樹脂は、吸湿しやすいという性質を持つ。このため、発光素子を保護しているエポキシ樹脂の外部表面から水分が透過してくる。後述のように、このモールド部材からの透水は、パッケージの電極の腐食や、通電に伴う発光素子の発熱による発光素子の剥離などの問題を生じている。特に、発光ダイオードのリフロー実装時に、水蒸気爆発が起こり、剥離が生じ易かった。このように、樹脂封止型発光素子における耐湿性の問題は、極めて重要である。
(発光ダイオード駆動試験)
参考例5及び比較参考例1において作製された発光ダイオードを用いて、駆動試験を行った。表2は、参考例5の発光ダイオード及び比較参考例1の発光ダイオードを所定の条件の下、駆動試験を行った結果を示す。
Figure 2006206919
表面実装型のプラスチック・パッケージは、以下の問題を有している。表面実装型のプラスチック・パッケージを吸湿させた後、リフローを行うことにより、そのリフロー時に水蒸気爆発が起きる。この水蒸気爆発により、発光素子とパッケージとの界面に、剥離が生じる。この剥離により、発光素子とパッケージとの界面に隙間が生じる。通常、発光素子とパッケージとの界面に隙間がない状態では、発光素子を通電させたとき、発光素子から発生する熱がパッケージを介して放熱される。そのため、発光素子の劣化は、ほとんど生じない。これに対し、剥離により発光素子とパッケージとの界面に隙間が生じた場合では、発光素子を通電させたとき、発光素子から発生する熱がパッケージに十分伝達されない。そのため、発光素子から発生した熱が外部に放出されにくくなる。これによって、発光素子周辺の樹脂部の熱劣化が促進され光出力が低下する。また、剥離によって生じた隙間に水分や不純物が侵入し、発光素子を腐食させる。また、パッケージ・クラックがパッケージ表面まで達したり、パッケージが膨れて変形したりすると、外観不良となり、商品価値が失われる。
高温/多湿地域では、パッケージを大気中に放置しておくだけで、クラックを引き起こすに充分な量の水分を吸湿する。30℃/70%で168時間、発光ダイオードを放置、吸湿させた後、リフローを行い実装させた。その実装後、所定の温度及び湿度の下、発光ダイオードの駆動試験を行った。
発光ダイオードの駆動試験を概説すると、発光ダイオードを所定の温度及び湿度において、順方向電流をある一定量投下し、光出力と経過時間との関係を測定した。リフロー直後の光出力を測定し、該測定値を100%とした。次に、1000時間通電した時の光出力を測定し、その相対値を示す。この相対値が高いほど、長時間の保管及び駆動に耐えられることを示す。
まず、参考例5で得られた発光ダイオードと比較参考例1の発光ダイオードを、室温下において順方向電流を10mA投下し、1000時間経過後の光出力を測定した。その結果、参考例5の発光ダイオードが比較参考例1の発光ダイオードより、高い光出力を示した。また、参考例5の発光ダイオードは、光出力の低下を生じていなかった。
次に、参考例5で得られた発光ダイオードと比較参考例1の発光ダイオードを、室温下において順方向電流を20mA投下し、1000時間経過後の光出力を測定した。その結果、参考例5の発光ダイオードが比較参考例1の発光ダイオードより、高い光出力を示した。また、参考例5の発光ダイオードは、光出力の低下を生じていなかった。
次に、参考例5で得られた発光ダイオードと比較参考例1の発光ダイオードを、温度60℃、湿度90%の高温高湿下において順方向電流を10mA投下し、1000時間経過後の光出力を測定した。その結果、参考例5の発光ダイオードが比較参考例1の発光ダイオードより、高い光出力を示した。また、参考例5の発光ダイオードは、光出力の低下を生じていなかった。
次に、参考例5で得られた発光ダイオードと比較参考例1の発光ダイオードを、温度85℃の高温条件下において順方向電流を10mA投下し、1000時間経過後の光出力を測定した。参考例5の発光ダイオードは、光出力の低下を生じていなかった。
更に、参考例5で得られた発光ダイオードと比較参考例1の発光ダイオードを、温度85℃、湿度85%の高温高湿下において順方向電流を5mA投下し、1000時間経過後の光出力を測定した。その結果、参考例5の発光ダイオードが比較参考例1の発光ダイオードより、高い光出力を示した。また、参考例5の発光ダイオードは、光出力の低下を生じていなかった。
以上の試験結果から、本発明の発光ダイオードは、厳しい保管条件や実装条件、及び使用条件においても高い信頼性を維持することができることが分かる。
(実施例2)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリメチル150mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例3)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリノルマルブチル150mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例4)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリイソプロピル150mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例5)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリノルマルプロピル150mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(測定例3)
リード電極を持った幅2.5mm、長さ3mm、深さ2mmの樹脂製のパッケージに、実施例2〜5及び実施例1の硬化性組成物を充填し、60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱した。これらのパッケージについて熱衝撃試験を実施した。熱衝撃試験は、パッケージを5分間−40℃に曝した後、100℃に昇温し、5分間100℃に曝し、次いで−40℃に降温し5分間−40℃に曝すというサイクルを100回繰り返して行った。100サイクル終了後、実施例2〜5の硬化物により封止されたパッケージは、パッケージ底面、及び側面との接着性が良好であり、実施例1で得られる硬化物と同等の性能を示した。
(測定例4)
実施例2及び実施例1で得られた試料について引っ張り弾性率及び引っ張り伸びを評価した。試験片は厚さ3mmの板状硬化物より6×55×3mmの短冊を切り出し、r=1.0mm深さ1mmのUノッチを長辺方向の中央付近に両側より入れたものとした。測定は23℃50%RHの環境下に置かれたオートグラフを用いて、チャック間距離を15mmとし試験片のUノッチ部がチャック間の中央付近になるようにその両端をチャックで挟み1mm/分の速度で引っ張り試験を行った。得られた結果を表3に示す。
Figure 2006206919
表3から、(E)成分にほう酸エステルを用いた本発明の硬化物は高い引っ張り強度・伸びを有することが分かる。
(測定例5)
実施例2〜5及び実施例1で得られた試料について、初期及び180℃/24時間、190℃/24時間、200℃/24時間加熱後の波長470nmにおける光線透過率を評価した。測定装置は日立製作所製分光光度計U−3300を用いた。得られた結果を表4に示す。
Figure 2006206919
表4から、(E)成分にほう酸エステルを用いた本発明の硬化物は高温下での光線透過率の変化が小さいことが分かる。
(参考例6)
実施例2で作製したシート状硬化物を適当な形状に切断し、キャンタイプ用の金属キャップに設けた光透過用窓の部分に固定する。一方で、MOCVD(有機金属気相成長)法によりサファイア基板上に形成した、SiとZnがドープされたInGaN活性層をn型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブルへテロ構造の発光素子を用意する。続いて、この発光素子をキャンタイプ用の金属のステムに載置した後、p電極、n電極をそれぞれのリードにAu線でワイヤーボンディングする。これを上記のキャンタイプ用の金属キャップで気密封止する。この様にしてキャンタイプの発光ダイオードを作製することができる。
(参考例7)
洗浄したサファイア基板上にMOCVD(有機金属気相成長)法により、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成するバリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN層、バリア層となるGaN層(量子井戸構造)、発光層上にMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させる。エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いてAlを蒸着し、正負各電極をそれぞれ形成させる。出来上がった半導体ウエハーをスクライブラインを引いた後、外力により分割させ発光素子である発光素子を形成させる。
表面に銀でメッキされた鉄入り銅から構成されるマウントリードのカップ底面上に、ダイボンド樹脂としてエポキシ樹脂組成物を利用して上記発光素子をダイボンドする。これを170℃で75分加熱しエポキシ樹脂組成物を硬化させ発光素子を固定する。次に、発光素子の正負各電極と、マウントリード及びインナーリードとをAu線によりワイヤーボンディングさせ電気的導通を取る。
実施例2と同様にして調製した硬化性組成物を砲弾型の型枠であるキャスティングケース内に注入させる。上記の発光素子がカップ内に配置されたマウントリード及びインナーリードの一部をキャスティングケース内に挿入し100℃1時間の初期硬化を行う。キャスティングケースから発光ダイオードを抜き出し、窒素雰囲気下において120℃1時間で硬化を行う。これにより砲弾型等のランプタイプの発光ダイオードを作製することができる。
(参考例8)
実施例2に記載の方法で硬化性組成物を作製する。
エッチングにより一対の銅箔パターンをガラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワイヤボンディングし電気的導通を取る。基板上にマスク兼側壁として貫通孔があいたガラスエポキシ樹脂をエポキシ樹脂により固定配置させる。この状態で真空装置内に配置させると共に発光素子が配置されたガラスエポキシ樹脂基板上に硬化性組成物をディスペンスし、貫通孔を利用したキャビティ内に硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。各発光ダイオードチップごとに分割させることでチップタイプ発光ダイオードを作製することができる。
(参考例9)
実施例2に記載の方法で硬化性組成物を作製する。
インサート成形によりPPS樹脂を用いてチップタイプ発光ダイオードのパッケージを形成させる。パッケージ内は、発光素子が配される開口部を備え、銀メッキした銅板を外部電極として配置させる。パッケージ内部で発光素子をエポキシ樹脂を用いてダイボンドして固定する。導電性ワイヤーであるAu線を発光素子の各電極とパッケージに設けられた各外部電極とにそれぞれワイヤーボンディングし電気的に接続させる。パッケージ開口部内にモールド部材として硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。この様にして、チップタイプ発光ダイオードを作製することができる。
(実施例6)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリノルマルブチル150mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、170℃/30分間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例7)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリイソプロピル150mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、170℃/30分間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例8)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリノルマルプロピル150mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、170℃/30分間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(比較例3)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.06g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)95mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.75gを用いた。上記(A)成分及び(C)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、170℃/30分間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより透明な硬化物を得た。
(比較例4)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート30.0g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)44.7g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)224mgを用いた。上記(A)成分及び(C)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。上記(B)成分と1−エチニル−1−シクロヘキサノール224mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、170℃/30分間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより透明な硬化物を得た。
(測定例6)
実施例2及び実施例1で得られた硬化物をさらに170℃/10分間加熱した硬化物について、初期及び180℃/24時間、190℃/24時間、200℃/24時間加熱後の波長470nmにおける光線透過率を評価した。測定装置は日立製作所製分光光度計U−3300を用いた。得られた結果を表5に示す。
Figure 2006206919
表5から、(E)成分にほう酸エステルを用いた本発明の硬化物は高温下での光線透過率の変化が小さいことが分かる。
(測定例7)
パッケージの成形樹脂として熱硬化性部材中に高融点結晶が含有されてなる半結晶性ポリマー樹脂を主剤とする樹脂を用いて銀メッキ製のリードフレームをインサート成形した表面実装用樹脂パッケージに、実施例2〜5、実施例6〜8及び実施例1の硬化性組成物を充填し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、170℃/30分間加熱した。これらのパッケージについて熱衝撃試験を実施した。熱衝撃試験は、パッケージを5分間−40℃に曝した後、100℃に昇温し、5分間100℃に曝し、次いで−40℃に降温し5分間−40℃に曝すというサイクルを1000回繰り返して行った。1000サイクル終了後、実施例2〜5及び6〜8の硬化物により封止されたパッケージは、パッケージ底面、及び側面との接着性が良好であり、実施例1で得られる硬化物と同等の性能を示した。
(測定例8)
パッケージの成形樹脂として熱硬化性部材中に高融点結晶が含有されてなる半結晶性ポリマー樹脂を主剤とする樹脂を用いて銀メッキ製のリードフレームをインサート成形した表面実装用樹脂パッケージに、比較例3の硬化性組成物を充填し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、170℃/30分間加熱した。比較例3の硬化性組成物により充填されたパッケージは硬化終了後、樹脂とパッケージが全数の6割において側面剥離が観測された。さらに、これらのパッケージについて熱衝撃試験を実施した。熱衝撃試験は、パッケージを5分間−40℃に曝した後、100℃に昇温し、5分間100℃に曝し、次いで−40℃に降温し5分間−40℃に曝すというサイクルを1000回繰り返して行った。1000サイクル終了後、比較例3で得られる硬化物により封止されたパッケージはパッケージの底面、及び側面から硬化物が全て剥離していた。
(測定例9)
パッケージの成形樹脂として熱硬化性部材中に高融点結晶が含有されてなる半結晶性ポリマー樹脂を主剤とする樹脂を用いて銀メッキ製のリードフレームをインサート成形した表面実装用樹脂パッケージに、比較例4の硬化性組成物を充填し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、170℃/10分間加熱した。比較例4の硬化性組成物により充填されたパッケージは硬化終了後、樹脂とパッケージが全数の7割において側面剥離が観測された。
(E)成分にほう酸エステルを用いた本発明の硬化性組成物は測定例4および6より高い強度と伸びを有し、かつ高温下条件下で着色が少ない硬化物を提供できることがわかる。また測定例7よりLEDパッケージにおいて良好な接着性も有することがわかる。一方、測定例8および測定例9から、第一の本発明の効果を発現するためには、(D)成分と(E)成分のどちらか一方を使用するだけでは不充分であること、測定例7との比較により(D)成分と(E)成分を組み合わせて使用することが第一の本発明の効果発現には重要であることがわかった。
(参考例10)
本参考例では、一対の外部電極が上面に形成されたガラスエポキシ樹脂基板と該ガラスエポキシ樹脂基板上に設けられるモールド部材との接触面を100%とし、外部電極とモールド部材との接触面を75%と特定されてなる発光ダイオードを形成する。
本参考例の発光ダイオードは、モールド部材の接触面全体において外部電極との接触面の割合を50%以上90%以下と特定すると共に、前記モールド部材に、吸湿率の低い本発明の硬化性組成物を用いることにより、前記モールド部材底面との界面の密着性が強化され、厳しい使用環境下においても高い信頼性を維持することが可能な発光ダイオードが得られる。
近年、表面実装型発光ダイオードの使用が広まり、電気機器の小型化、高密度化が実現されている。このような表面実装型発光ダイオードは、クリームはんだが印刷された回路基板上に搭載され、これらを一括して赤外線加熱炉であるリフロー装置を通過することにより、前記クリームはんだを溶融固着させる。また、現在、環境問題から、使用するはんだ鉛が含有されていないことが好ましいとされており、このような鉛を有しないはんだの融点は非常に高く、発光ダイオードに要求される耐熱温度はさらに高まっている。
特に、発光ダイオードの場合、外部電極の表面には、載置される発光素子からの光を良好に外部へ取り出すため、光反射率の高い貴金属膜が形成されている。このような貴金属は、表面に酸化膜が形成されないため、樹脂成分との密着力が低いと考えられる。外部電極が上面に形成された樹脂基板と該樹脂基板上に設けられたモールド部材との接触面を100%とした場合において、前記外部電極と前記モールド部材との接触面が50%以上である場合、パッケージ開口部底面とモールド部材底面との密着力は乏しく、発光ダイオードに致命的機能を与える程の剥離が生じる傾向にある。
そこで、外部電極との接触性能を向上させることを目的とし、分子内に多数の水酸基を有する化学構造もしくは硬化後に水酸基を生成する化学構造を備えたエポキシ樹脂を用いることが考えられるが、エポキシ樹脂からなるモールド部材を具備する発光ダイオードを、温度環境の厳しい条件下においてリフローはんだ実装すると、モールド部材と外部電極との界面剥離が多発する傾向にある。
モールド部材の吸湿性が高い場合、外気と接しているモールド部材表面から吸湿された水分が内部の外部電極と接しているモールド部材底面まで拡散され、モールド部材と外部電極との界面に水分が介在すると考えられる。このため、外部電極とモールド部材との界面における密着性が良好な発光ダイオードであっても、前記界面に水分が介在する場合、高温にさらされることにより前記界面に存在する水分が水蒸気爆発を起こし、前記界面に剥離が生じると考えられる。これを抑制するためには、保管条件が厳しくならざるを得ない。
一方、モールド部材とパッケージとの剥離度合いは、上述の如くモールド部材と外部電極との接触面に依存するといえる。そこで、前記開口部底面において露出される外部電極の面積を可能な限り削減することで、モールド部材とパッケージとの密着性を高めることが考えられている。
しかしながら、外部電極の面積を極端に減少すると、放熱性が低下するため、出力の高い発光素子を信頼性高く載置することが困難となる。また、モールド部材との接触面において、外部電極よりも光反射率の小さい樹脂部の占有面積が大きくなると、モールド部材内部に配される発光素子の光取り出し効率が低下してしまう。また、外部電極の面積が小さくなると複数の発光素子を載置し導通を取ることは難しく、発光装置の多機能化が不可能になる。
本発明では、耐熱性、接着性良好、及び低い吸湿性を同時に満たす硬化性組成物の硬化物であるモールド部材を用いることにより、多機能化を損なわず高い信頼性を維持することが可能な発光ダイオードを提供することを可能とする。
(参考例11)
本参考例で用いられるパッケージが、底面と側壁とからなる開口部を備え、前記底面の面積を100%とした場合において、底面にて露出される外部電極の占有面積が75%である以外は、参考例10と同様にして発光ダイオードを形成すると、同様の効果が得られる。
本参考例の発光ダイオードは、モールド部材の接触面全体において外部電極との接触面の割合を50%以上90%以下と特定すると共に、前記モールド部材に、吸湿率の低い本発明の硬化性組成物を用いることにより、樹脂パッケージとモールド部材底面との界面の密着性が強化され、厳しい使用環境下においても高い信頼性を維持することが可能な発光ダイオードが得られる。
(参考例12)
パッケージ開口部の底面において、正の外部電極と負の外部電極との各端部が所定の間隔を隔てて露出しており、さらに各外部電極においてパッケージの成形樹脂が露出されてなる少なくとも一対の樹脂露出部が設けられている以外は、参考例11と同様にして発光ダイオードを形成する。このようなパッケージは、上記樹脂露出部を設けない場合と比較して、前記開口部を封止するモールド部材とパッケージとの接合強度を強くすることが出来る。また、その一対の露出部は、各外部電極の対向する一端面に垂直な中心線の軸に対して左右対称に設けられていることが好ましい。これにより発光装置の指向特性を左右対称とすることが出来る。また、この樹脂露出部は、外部電極に切り込み等を形成してその切り込み等の内部に成形樹脂が形成されてなるものであり、これにより、外部電極と成形樹脂とを強固に固定でき、これらの剥離も防止することが出来る。
(参考例13)
本参考例では熱硬化性部材中に高融点結晶が含有されてなる半結晶性ポリマー樹脂基板上にエッチングにより一対の銅箔パターンを形成させることによって、リード電極を持った基板を形成する以外は、参考例10と同様にして発光ダイオードを形成すると、さらに信頼性の高い発光ダイオードが得られる。なお、本明細書において、半結晶性ポリマー樹脂とは、結晶化度が10wt%〜60wt%であるポリマー樹脂のことをいう。本参考例で用いる半結晶性ポリマー樹脂は、融点280℃、ガラス転移温度100℃の結晶化度が25wt%である芳香族ポリフタルアミドである。このように、ガラス転移温度の低い樹脂からなるパッケージは、等方性材料であると共に吸湿率が低いため、熱応力によるモールド部材との剥離を抑制することが出来る。また、半結晶性ポリマー樹脂中に、目的に応じて種々の添加剤を含有することができる。例えば、反射性向上材料となる酸化チタン、機械的強度の向上剤となるガラス繊維、離型剤となるパラフィンワックス、難燃剤となる臭化剤を、好適に含有させることができる。
また、本参考例に限らず、少なくともモールド部材が設けられている表面を、従来から用いられている種々の洗浄方法にて洗浄した後にモールド部材を設けると、より各部材間の密着性を向上させることができる。
また、半結晶性ポリマー樹脂に対する液体の接触角は、液晶ポリマーに対するそれよりも小さく(接触角69.3)、半結晶性ポリマー樹脂の表面エネルギーは大きい。これにより、半結晶性ポリマー樹脂からなる固体表面は、液晶ポリマーからなる固体表面よりも本発明の硬化性組成物と濡れ性が良好であるといえる。このため、半結晶性ポリマーからなるパッケージと本発明の硬化性組成物からなるモールド部材との密着性は良好となる。例えば、モールド樹脂を充填し硬化工程における冷却時にパッケージとモールド樹脂との界面に剥離が発生する場合があるが、半結晶性ポリマーである芳香族ポリアミドでは結晶性ポリマーと比較して界面剥離は極めて少ない。
なお、モールド部材が接して設けられる樹脂基板もしくはパッケージとなる材料の接触角を測定するためには、共和界面化学(株)接触角計CA−X150型(液体試料は純水である)を用いることができる。
(参考例14)
本参考例ではパッケージの成形樹脂として熱硬化性部材中に高融点結晶が含有されてなる半結晶性ポリマー樹脂を主剤とする組成物を用いる以外は、参考例11と同様にして発光ダイオードを形成する。
本参考例で得られた発光ダイオードを、常温25℃下において順方向電流を40mA投下し、出力と経過時間との関係を測定すると、1000時間経過後においても出力の低下は生じない。さらに、85℃85%の高温高湿下において順方向電流を10mA投下し、出力と経過時間との関係を測定すると、700時間経過時点まで出力は維持される。1000時間経過時点においても相対出力は90%以上である。また、本参考例の発光ダイオードを実装基板にPbフリーの導電部材にて実装し、260℃下に約10秒間のリフロー工程を施すと、2サイクル、さらには3サイクルのリフロー工程を施しても、出力の低下は生じない。このように、本参考例の発光ダイオードは、厳しい保管条件や実装条件、および使用条件においても高い信頼性を維持することができる。
また、上記リフロー工程を1サイクル施した発光ダイオードのモールド部材表面を洗浄液にて洗浄した後、赤色染色浸透殺傷剤インク(NEW MICRO−CHECK (株)コーザイ)をスプレーし約3時間放置すると、モールド部材とパッケージ開口部に露出された外部電極との全接触面100%のうち、赤色に染色されている面積は50%未満である。これにより、本参考例の発光ダイオードは、上記リフロー工程においても致命的機能を受けるほどの剥離は生じておらず、高い信頼性を有しているといえる。
(参考例15)
パッケージの開口部内の外部電極上に、発光素子の半導体層を該半導体積層方向に挟んで設けられる一対の電極を具備する発光素子を導電部材を介して載置する以外は、参考例11と同様にして発光ダイオードを形成すると、参考例11と同様の効果が得られる。
外部電極と該外部電極上に載置された上記発光素子との界面の剥離は、該素子を覆うモールド部材の熱膨張に起因する。本参考例の如く、外部電極と該外部電極上に載置される発光素子との界面にて導通が取られている場合、前記界面の剥離は不灯につながる。しかしながら本参考例では、本発明の硬化性組成物とパッケージとを組み合わせることにより、モールド部材の熱膨張を抑制し、内部に配された発光素子と外部電極との剥離を防止することができる。
(参考例16)
前記パッケージの開口部内に露出された外部電極上に、前記発光素子と共に保護素子としてツェナーダイオードを載置した後、モールド部材を形成する以外は、参考例11と同様にして発光ダイオードを形成する。本参考例で用いられるパッケージは、開口部底面において露出される外部電極の面積は75%であり、外部電極上に複数個の素子を載置することが十分可能であると共に、本発明の硬化性組成物にて前記開口部内にモールド部材を形成することにより、前記外部電極と各素子との界面の密着性を維持することができる。これにより、発光素子と共に保護素子を載置することにより、さらに発光装置の信頼性を高めることができる。このようにして得られた発光ダイオードに、上記前処理および吸湿実験を行うと、参考例10と同様の効果が得られる。このように、本発明の発光ダイオードは、本参考例のように複数個の素子を載置しても各構成部材間に剥離が生じることなく高い信頼性を得ることができる。
(参考例17)
パッケージの開口部内に露出された外部電極上に、発光素子として前記発光素子の構成を有する青色発光LED、緑色発光LED、およびGaAs系半導体層を挟んで一対の電極が設けられてなる赤色発光LEDを載置する以外は、参考例10と同様にして発光ダイオードを形成すると、参考例10と同様の効果が得られる。このように、複数個の発光素子を有する発光ダイオードにおいて、特にそれぞれの発光色が補色関係にある場合、少なくとも1つの発光素子の導通が切れてしまうと、発光ダイオードの発光面にて観測される発光色が大きく変化してしまう。しかしながら、本参考例では、吸湿性が少なくかつ接着性に優れた本発明の硬化性組成物からなるモールド部材と、モールド部材との密着性を高めることが可能なパッケージを組み合わせることにより、前記GaAs系発光素子の底面側に設けられた電極と前記外部電極との導通接合界面の剥離を防止することができ、光学特性および信頼性に優れた発光ダイオードが得られる。
(比較参考例2)
エポキシ樹脂からなるモールド部材を形成する以外は、参考例14と同様にして発光ダイオードを形成し、参考例14と同様に常温25℃下において順方向電流を40mA投下し、出力と経過時間との関係を測定すると、経過時間と共に出力は低下し、1000時間経過時における相対出力は45%になる。さらに、85℃85%の高温高湿下において順方向電流を10mA投下し、出力と経過時間との関係を測定すると、600時間経過時における相対出力は60%、1000時間経過時点においては38%にまで低下する。また、本比較参考例2の発光ダイオードを実装基板にPbフリーの導電部材にて実装し、260℃下に約10秒間のリフロー工程を施すと、1サイクルのリフロー工程において相対出力は88%にまで減少する。また、2サイクル時点では82%にまで減少する。つまり、実装基板において主面側に比較参考例2の発光ダイオードを載置して第1リフローを施した後、背面側に他の発光装置もしくはヒートシンク等を装着し、第2リフローを施す、両面リフローを実施すると、比較参考例2の発光ダイオードの出力は大きく低下するといえる。このような出力の低下は、モールド部材とパッケージ開口部底面との剥離に起因するものであり、剥離部に発光素子からの光が閉じ込められ、光取り出し効果が低下すると共にモールド部材が局所的に劣化が促進されるためだと考えられる。
また、参考例14と同様にして上記リフロー工程を1サイクル施した発光ダイオードのモールド部材表面を洗浄液にて洗浄した後、赤色染色浸透殺傷剤インク(NEW MICRO−CHECK(株)コーザイ)をスプレーし約3時間放置すると、モールド部材とパッケージ開口部に露出された外部電極との全接触面100%すべてが赤色に染色される。これにより、比較参考例2の発光ダイオードは、モールド部材とパッケージ開口部底面とが完全に剥離しており、リフロー工程の熱処理により致命的機能を与えるに十分の損傷を受けているといえる。
(比較参考例3)
液晶ポリマーからなるモールド部材を形成する以外は、参考例14と同様にして発光ダイオードを形成すると、モールド部材とパッケージ開口部の側壁部分とは良好に密着しているが、モールド部材とパッケージの開口部の底面部分とは密着性が弱い。これは液晶ポリマーが異方性材料であることに起因していると考えられる。外部電極をインサート成形してなる樹脂パッケージは、外部電極を成型用金型に挿入し、成形樹脂注入ゲートより成形樹脂を流し込み外部電極と成形樹脂とを一体成形して得られる。この成形樹脂として異方性材料を用いると、成形樹脂の流動方向に結晶化が進むため、形成されたパッケージの結晶は、パッケージのX軸方向とY軸方向、つまり開口部の側壁と底面とでは異方性となる。本比較参考例におけるパッケージは、回路基板と対向する底面側に成形樹脂注入ゲートを有しているため、等方性材料であるモールド部材とパッケージ開口部の底面部分とは密着性が弱い。
(実施例9)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg及び下記に示されるエポキシ基含有化合物3.0g、並びに、(E)成分としてほう酸トリメチル150mgを用いた。
Figure 2006206919
上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、180℃/30分間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例10)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg及び下記に示されるエポキシ基含有化合物3.0g、並びに、(E)成分としてほう酸トリメチル150mgを用いた。
Figure 2006206919
上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間、180℃/30分間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(測定例10)
実施例9、10、比較例1及び2で調製した一液混合物をアルミニウム板(A−1050P)に約20μmの塗膜を作製し、120℃で1時間加熱した。光学材料は無色透明であった。室温まで冷却後、JISK5400碁盤目テープ法に基づき付着性試験を行った(2mm角の碁盤目を25マス)。得られた結果を表6に示す。
(測定例11)
実施例9、10、比較例1及び2で得られた硬化物をスガ試験機M6T型メタリングウェザーメーター(ブラックパネル温度120℃、照射強度:50MJ/m)を用いて耐熱耐光性試験を行い、試験前後の着色状態および470nm光線透過率を分光光度計(U−3300、日立)を用いて測定した。得られた結果を表6に示す。
Figure 2006206919
表6から、本発明の硬化性組成物は接着性に優れており、熱・光劣化による着色がなく高耐熱耐光性を有していることが分かる。
(実施例11)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート10.3g及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレート2.75g((A)成分の21重量%)、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)93mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)(川研ファインケミカル、商品名:ALCH−TR)310mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、1−エチニル−1−シクロヘキサノール93mg及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.55gをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例12)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート7.23g及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレート7.70g((A)成分の52重量%)、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)99mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)0.15g(川研ファインケミカル、商品名:ALCH−TR)329mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、1−エチニル−1−シクロヘキサノール99mg及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.64gをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例13)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート7.23g及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレート7.70g((A)成分の52重量%)、(B)成分として合成例1の反応物(B1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)99mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及びほう酸トリメチル164mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、1−エチニル−1−シクロヘキサノール99mg及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン822mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例14)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート6.06g及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレート9.67g((A)成分の61重量%)、(B)成分として合成例1の反応物(B1)18.07g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)103mgを用いた。上記(A)成分、(C)成分及びほう酸トリメチル171mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、1−エチニル−1−シクロヘキサノール103mg及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン857mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間連続して加熱し、180℃/30分後加熱し透明な硬質の成形体を得た。
(測定例12)
実施例11〜14で得られた試料について引っ張り弾性率及び引っ張り伸びを評価した。試験片は厚さ3mmの板状硬化物より6×55×3mmの短冊を切り出し、r=1.0mm深さ1mmのUノッチを長辺方向の中央付近に両側より入れたものとした。測定は23℃50%RHの環境下に置かれたオートグラフを用いて、チャック間距離を15mmとし、試験片のUノッチ部がチャック間の中央付近になるようにその両端をチャックで挟み、1mm/分の速度で引っ張り試験を行った。得られた結果を表7に示す。
Figure 2006206919
表7から、本発明の硬化物は高い引っ張り強度・伸びを有し、靭性が高いことが分かる。
(測定例13)
実施例11〜14で得られた試料について、初期及びキセノンウエザーメーターで70時間照射による耐光性評価を実施した。試験前後の波長470nmにおける光線透過率を評価した。評価装置はスガ試験機製スーパーキセノンウェザーメーター(降雨18分+照射1時間42分)、照射照度180W/m、ブラックパネル温度63℃、湿度50%の条件において70時間実施した。透過率測定装置は日立製作所製分光光度計U−3300を用いた。得られた結果を表8に示す。
Figure 2006206919
表8から、本発明の硬化物は優れた耐光性を有することが分かる。
(参考例18)
実施例14で作製したシート状硬化物を適当な形状に切断し、キャンタイプ用の金属キャップに設けた光透過用窓の部分に固定する。一方で、MOCVD(有機金属気相成長)法によりサファイア基板上に形成した、SiとZnがドープされたInGaN活性層をn型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブルへテロ構造の発光素子を用意する。続いて、この発光素子をキャンタイプ用の金属のステムに載置した後、p電極、n電極をそれぞれのリードにAu線でワイヤーボンディングする。これを上記のキャンタイプ用の金属キャップで気密封止する。この様にしてキャンタイプの発光ダイオードを作製することができる。
(参考例19)
洗浄したサファイア基板上にMOCVD(有機金属気相成長)法により、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成するバリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN層、バリア層となるGaN層(量子井戸構造)、発光層上にMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させる。エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いてAlを蒸着し、正負各電極をそれぞれ形成させる。出来上がった半導体ウエハーをスクライブラインを引いた後、外力により分割させ発光素子である発光素子を形成させる。
表面に銀でメッキされた鉄入り銅から構成されるマウントリードのカップ底面上に、ダイボンド樹脂としてエポキシ樹脂組成物を利用して上記発光素子をダイボンドする。これを170℃で75分加熱しエポキシ樹脂組成物を硬化させ発光素子を固定する。次に、発光素子の正負各電極と、マウントリード及びインナーリードとをAu線によりワイヤーボンディングさせ電気的導通を取る。
実施例14と同様にして調整した硬化性組成物を砲弾型の型枠であるキャスティングケース内に注入させる。上記の発光素子がカップ内に配置されたマウントリード及びインナーリードの一部をキャスティングケース内に挿入し100℃1時間の初期硬化を行う。キャスティングケースから発光ダイオードを抜き出し、窒素雰囲気下において120℃1時間で硬化を行う。これにより砲弾型等のランプタイプの発光ダイオードを作製することができる。
(参考例20)
実施例14に記載の方法で硬化性組成物を作製する。
エッチングにより一対の銅箔パターンをガラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワイヤボンディングし電気的導通を取る。基板上にマスク兼側壁として貫通孔があいたガラスエポキシ樹脂をエポキシ樹脂により固定配置させる。この状態で真空装置内に配置させると共に発光素子が配置されたガラスエポキシ樹脂基板上に硬化性組成物をディスペンスし、貫通孔を利用したキャビティ内に硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。各発光ダイオードチップごとに分割させることでチップタイプ発光ダイオードを作製することができる。
(参考例21)
実施例14に記載の方法で硬化性組成物を作製する。
インサート成形によりPPS樹脂を用いてチップタイプ発光ダイオードのパッケージを形成させる。パッケージ内は、発光素子が配される開口部を備え、銀メッキした銅板を外部電極として配置させる。パッケージ内部で発光素子をエポキシ樹脂を用いてダイボンドして固定する。導電性ワイヤーであるAu線を発光素子の各電極とパッケージに設けられた各外部電極とにそれぞれワイヤーボンディングし電気的に接続させる。パッケージ開口部内にモールド部材として硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。この様にして、チップタイプ発光ダイオードを作製することができる。
(参考例22)
実施例11に記載の方法で硬質の成形体を作製する。
参考例22の発光ダイオードは、青色系に発光する発光素子と、該発光素子が配置される底面と側壁とからなる開口部を有するパッケージと、該開口部を封止するモールド部材と、を備える。このモールド部材には、実施例11に記載の方法で作製された硬質の成形体と、(Y0.8Gd0.2Al12:CeのYAG系蛍光体と、を用いる。この実施例11の硬質の成形体と、YAG系蛍光体とを均一に混合した後、この混合物を、発光素子を配置するパッケージの開口部内に注入する。この混合物を注入した後、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し硬化させた。これにより白色系に発光する発光ダイオードを作製した。
(比較参考例4)
参考例22の発光ダイオードと同一の方法により、本発明の硬化性組成物の代わりにエポキシ樹脂を用いて発光ダイオードの作製を行った。該エポキシ樹脂は、ダイセル化学工業株式会社製(セロキサイド2021P)30g、ジャパンエポキシレジン株式会社製(YX8000)70g、三新化学工業株式会社製(サンエイドSI−100L)1gを配合して使用した。このエポキシ樹脂と、上記組成のYAG系蛍光体を均一に混合した後、この混合物を、発光素子を配置するパッケージの開口部内に、注入する。エポキシ樹脂を注入した後、熱風乾燥機中で90℃/3時間、150℃/4時間加熱し硬化させた。これにより、比較参考例4の発光ダイオードを作製した。
(接着性試験)
参考例22の発光ダイオードは、比較参考例4の発光ダイオードより、高い接着性を有していた。また、参考例22の発光ダイオードは、比較参考例4の発光ダイオードより高い熱衝撃性を有していた。
(合成例2)
5Lのセパラブルフラスコにトルエン1.38kg及び1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.36kgを加えて、内温が100℃になるように加熱した。そこに、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート300g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.36mL及びトルエン300gの混合物を滴下した。30minで滴下を終了した。滴下中、内温が109℃まで上昇した。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。H−NMRによりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと反応したもの(部分反応物B2と称す、SiH価:8.7mmol/g)であることがわかった。生成物は混合物であるが、本発明の(B)成分である下記のものを主成分として含有している。また、本発明の(C)成分である白金ビニルシロキサン錯体を含有している。
Figure 2006206919
(合成例3)
1Lのセパラブルフラスコにトルエン0.2kg及び1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.2kgを加えて、内温が100℃になるように加熱した。そこに、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート234g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.50mL及びトルエン234gの混合物を滴下した。25minで滴下を終了した。滴下中、内温が106℃まで上昇した。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。H−NMRによりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がモノアリルジグリシジルイソシアヌレートと反応したもの(部分反応物B3と称す、SiH価:3.9mmol/g)であることがわかった。生成物は混合物であるが、本発明の(B)成分である下記のものを主成分として含有している。また、本発明の(C)成分である白金ビニルシロキサン錯体を含有している。
Figure 2006206919
(実施例15)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート6.68g及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレート7.11g、(B)成分として合成例2で得られた部分反応物(B2)18.87g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)98mg用いた。上記(A)成分、(C)成分及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)0.15g(川研ファインケミカル、商品名:ALCH−TR)327mgをあらかじめ混合、攪拌し、混合物A液を作製した。上記(B)成分、1−エチニル−1−シクロヘキサノール98mg及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.63gをあらかじめ混合、攪拌し、混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作製したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例16)〜(実施例23)
表9の配合表に基づき配合を実施し、実施例15と同一の条件で硬化を行うことにより透明な硬質の成形体を得た。
Figure 2006206919
(測定例14)
実施例15〜23で得られた試料について引っ張り弾性率及び引っ張り伸びを評価した。試験片は厚さ3mmの板状硬化物より6×55×3mmの短冊を切り出し、r=1.0mm深さ1mmのUノッチを長辺方向の中央付近に両側より挟んだものとした。測定は23℃50%RHの環境下に置かれたオートグラフを用いて、チャック間距離を15mmとし、試験片のUノッチ部がチャック間の中央付近になるようにその両端をチャックで挟み、1mm/分の速度で引っ張り試験を行った。得られた結果を表10に示す。
Figure 2006206919
表10から、本発明の硬化物は高い引っ張り強度・伸びを有し、靭性が高いことが分かる。
(測定例15)
実施例15〜23で得られた試料について波長470nmにおける光線透過率を測定した。透過率測定装置は日立製作所製分光光度計U−3300を用いた。得られた結果を表11に示す。
Figure 2006206919
表11から、本発明の硬化物は比較例で得られた硬化物と同等の高い光線透過率を有することが分かる。
(参考例23)
実施例15で作製したシート状硬化物を適当な形状に切断し、キャンタイプ用の金属キャップに設けた光透過用窓の部分に固定する。一方で、MOCVD(有機金属気相成長)法によりサファイア基板上に形成した、SiとZnがドープされたInGaN活性層をn型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブルへテロ構造の発光素子を用意する。続いて、この発光素子をキャンタイプ用の金属のステムに載置した後、p電極、n電極をそれぞれのリードにAu線でワイヤーボンディングする。これを上記のキャンタイプ用の金属キャップで気密封止する。この様にしてキャンタイプの発光ダイオードを作製することができる。
(参考例24)
洗浄したサファイア基板上にMOCVD(有機金属気相成長)法により、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成するバリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN層、バリア層となるGaN層(量子井戸構造)、発光層上にMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させる。エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いてAlを蒸着し、正負各電極をそれぞれ形成させる。出来上がった半導体ウエハーをスクライブラインを引いた後、外力により分割させ発光素子である発光素子を形成させる。
表面に銀でメッキされた鉄入り銅から構成されるマウントリードのカップ底面上に、ダイボンド樹脂としてエポキシ樹脂組成物を利用して上記発光素子をダイボンドする。これを170℃で75分加熱しエポキシ樹脂組成物を硬化させ発光素子を固定する。次に、発光素子の正負各電極と、マウントリード及びインナーリードとをAu線によりワイヤーボンディングさせ電気的導通を取る。
実施例15と同様にして調製した硬化性組成物を砲弾型の型枠であるキャスティングケース内に注入させる。上記の発光素子がカップ内に配置されたマウントリード及びインナーリードの一部をキャスティングケース内に挿入し100℃1時間の初期硬化を行う。キャスティングケースから発光ダイオードを抜き出し、窒素雰囲気下において120℃1時間で硬化を行う。これにより砲弾型等のランプタイプの発光ダイオードを作製することができる。
(参考例25)
実施例15に記載の方法で硬化性組成物を作製する。
エッチングにより一対の銅箔パターンをガラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワイヤボンディングし電気的導通を取る。基板上にマスク兼側壁として貫通孔があいたガラスエポキシ樹脂をエポキシ樹脂により固定配置させる。この状態で真空装置内に配置させると共に発光素子が配置されたガラスエポキシ樹脂基板上に硬化性組成物をディスペンスし、貫通孔を利用したキャビティ内に硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。各発光ダイオードチップごとに分割させることでチップタイプ発光ダイオードを作製することができる。
(参考例26)
実施例15に記載の方法で硬化性組成物を作製する。
インサート成形によりPPS樹脂を用いてチップタイプ発光ダイオードのパッケージを形成させる。パッケージ内は、発光素子が配される開口部を備え、銀メッキした銅板を外部電極として配置させる。パッケージ内部で発光素子をエポキシ樹脂を用いてダイボンドして固定する。導電性ワイヤーであるAu線を発光素子の各電極とパッケージに設けられた各外部電極とにそれぞれワイヤーボンディングし電気的に接続させる。パッケージ開口部内にモールド部材として硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。この様にして、チップタイプ発光ダイオードを作製することができる。
(参考例27)
実施例17に記載の方法で硬質の成形体を作製する。
参考例27の発光ダイオードは、青色系に発光する発光素子と、該発光素子が配置される底面と側壁とからなる開口部を有するパッケージと、該開口部を封止するモールド部材と、を備える。このモールド部材には、実施例17に記載の方法で作製された硬質の成形体と、(Y0.8Gd0.2Al12:CeのYAG系蛍光体と、を用いる。この実施例17の硬質の成形体と、YAG系蛍光体とを均一に混合した後、この混合物を、発光素子を配置するパッケージの開口部内に注入する。この混合物を注入した後、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し硬化させた。これにより白色系に発光する発光ダイオードを作製した。
(比較参考例5)
参考例27の発光ダイオードと同一の方法により、本発明の硬化性組成物の代わりにエポキシ樹脂を用いて発光ダイオードの作製を行った。該エポキシ樹脂は、ダイセル化学工業株式会社製(セロキサイド2021P)30g、ジャパンエポキシレジン株式会社製(YX8000)70g、三新化学工業株式会社製(サンエイドSI−100L)1gを配合して使用した。このエポキシ樹脂と、上記組成のYAG系蛍光体を均一に混合した後、この混合物を、発光素子を配置するパッケージの開口部内に、注入する。エポキシ樹脂を注入した後、熱風乾燥機中で90℃/3時間、150℃/4時間加熱し硬化させた。これにより、比較参考例5の発光ダイオードを作製した。
(発光ダイオード駆動試験)
参考例27及び比較参考例5において作製された発光ダイオードを用いて、駆動試験を行った。表12は、参考例27の発光ダイオード及び比較参考例5の発光ダイオードを所定の条件の下、駆動試験を行った結果を示す。
Figure 2006206919
30℃/70%で168時間、発光ダイオードを放置、吸湿させた後、リフローを行い実装させた。その実装後、所定の温度及び湿度の下、発光ダイオードの駆動試験を行った。
発光ダイオードの駆動試験を概説すると、発光ダイオードを所定の温度及び湿度において、順方向電流をある一定量投下し、光出力と経過時間との関係を測定した。リフロー直後の光出力を測定し、該測定値を100%とした。次に、1000時間通電した時の光出力を測定し、その相対値を示す。この相対値が高いほど、長時間の保管及び駆動に耐えられることを示す。
まず、参考例27の発光ダイオードと比較参考例5の発光ダイオードを、室温下において順方向電流を20mA投下し、1000時間経過後の光出力を測定した。その結果、参考例27の発光ダイオードが比較参考例5の発光ダイオードより、高い光出力を示した。また、参考例27の発光ダイオードは、光出力の低下を生じていなかった。
次に、参考例27の発光ダイオードと比較参考例5の発光ダイオードを、室温下において順方向電流を40mA投下し、1000時間経過後の光出力を測定した。その結果、参考例27の発光ダイオードが比較参考例5の発光ダイオードより、極めて高い光出力を示した。また、参考例27の発光ダイオードは、光出力の低下をほとんど生じていなかった。
次に、参考例27の発光ダイオードと比較参考例5の発光ダイオードを、室温下において順方向電流を60mA投下し、1000時間経過後の光出力を測定した。その結果、参考例27の発光ダイオードが比較参考例5の発光ダイオードより、極めて高い光出力を示した。
更に、参考例27の発光ダイオードと比較参考例5の発光ダイオードを、温度60℃、湿度90%の高温高湿下において順方向電流を20mA投下し、1000時間経過後の光出力を測定した。その結果、参考例27の発光ダイオードが比較参考例5の発光ダイオードより、極めて高い光出力を示した。また、参考例27の発光ダイオードは、光出力の低下をほとんど生じていなかった。
以上の試験結果から、本発明の発光ダイオードは、厳しい保管条件や実装条件、及び使用条件においても高い信頼性を維持することができることが分かる。
本発明の発光ダイオードに用いる硬化性組成物は、接着性に優れ、高い透明性を有する。また靭性が高く、高い透明性を有するため発光ダイオード用モールド部材として用いることが出来る。

Claims (39)

  1. (A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、
    (B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、
    (C)ヒドロシリル化触媒、
    (D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、並びに、
    (E)シラノール縮合触媒
    を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. (E)成分が、有機アルミニウム化合物及び/又はほう酸エステルである請求項1記載の硬化性組成物。
  3. (D)成分が、分子中にエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基及びカルバメート基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基と加水分解性ケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  4. (D)成分が、分子中にエポキシ基と加水分解性ケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  5. (E)成分が、アルミニウムキレート化合物及び/又はアルミニウムアルコラート化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. (E)成分が、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート及びアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)からなる群より選ばれる少なくとも1種類である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. (E)成分が、ほう酸トリノルマルオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリエチル及びほう酸トリメチルからなる群より選ばれる少なくとも1種類である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. (A)成分が、下記一般式(I)
    Figure 2006206919
    (式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)で表される化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. (A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. (A)成分として、下記一般式(II)
    Figure 2006206919
    (式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)で表される化合物を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. (A)成分として、さらにトリアリルイソシアヌレートを含有する、請求項10記載の硬化性組成物。
  12. が、水素原子、又は、炭素数1〜50の一価の有機基である、請求項10又は11記載の硬化性組成物。
  13. (A)成分の20重量%以上を、一般式(II)で表される化合物が占める、請求項10〜12のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  14. 一般式(II)で表される化合物はジアリルモノグリシジルイソシアヌレートである、請求項11〜13のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  15. (B)成分が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物である、請求項14記載の硬化性組成物。
  16. (B)成分が、下記一般式(III)
    Figure 2006206919
    (式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)で表される化合物と1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物、及び/又は、下記一般式(IV)
    Figure 2006206919
    (式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表し、それぞれのRは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物と1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を含有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  17. 及びRが、水素原子、又は、炭素数1〜50の一価の有機基である、請求項16記載の硬化性組成物。
  18. (B)成分が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの反応物、及び/又は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモノアリルジグリシジルイソシアヌレートの反応物を含有する、請求項16記載の硬化性組成物。
  19. (B)成分として、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの反応物、及び/又は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモノアリルジグリシジルイソシアヌレートの反応物のみを含有する、請求項16記載の硬化性組成物。
  20. (A)成分がトリアリルイソシアヌレートである、請求項16〜19のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  21. (A)成分が、トリアリルイソシアヌレートとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの混合物である、請求項16〜19のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
  23. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることを特徴とする、硬化物の製造方法。
  24. (A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、
    (B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、及び、
    (C)ヒドロシリル化触媒
    を含有する硬化性組成物であって、
    (A)成分として、下記一般式(II)
    Figure 2006206919
    (式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)で表される化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  25. (A)成分として、さらにトリアリルイソシアヌレートを含有する、請求項24記載の硬化性組成物。
  26. が、水素原子、又は、炭素数1〜50の一価の有機基である、請求項24又は25記載の硬化性組成物。
  27. (A)成分の20重量%以上を、一般式(II)で表される化合物が占める、請求項24〜26のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  28. 一般式(II)で表される化合物がジアリルモノグリシジルイソシアヌレートである、請求項25〜27のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  29. (B)成分が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物である、請求項28記載の硬化性組成物。
  30. 請求項24〜29のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
  31. 請求項24〜29のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることを特徴とする、硬化物の製造方法。
  32. (A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、
    (B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、及び、
    (C)ヒドロシリル化触媒
    を含有する硬化性組成物であって、
    (B)成分が、下記一般式(III)
    Figure 2006206919
    (式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表す。)で表される化合物と1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物、及び/又は、下記一般式(IV)
    Figure 2006206919
    (式中Rは、水素原子、又は、ヒドロシリル化反応可能な官能基を持たない有機基を表し、それぞれのRは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物と1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する化合物をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  33. 及びRが、水素原子、又は、炭素数1〜50の一価の有機基である、請求項32記載の硬化性組成物。
  34. (B)成分が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの反応物、及び/又は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモノアリルジグリシジルイソシアヌレートを含有する、請求項32記載の硬化性組成物。
  35. (B)成分として、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの反応物、及び/又は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモノアリルジグリシジルイソシアヌレートの反応物のみを含有する、請求項32記載の硬化性組成物。
  36. (A)成分がトリアリルイソシアヌレートである、請求項32〜35のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  37. (A)成分が、トリアリルイソシアヌレートとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの混合物である、請求項32〜35のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  38. 請求項32〜37のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
  39. 請求項32〜37のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることを特徴とする、硬化物の製造方法。
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