JP2003268239A - 封止剤、半導体等の封止方法、半導体装置の製造方法、および半導体装置 - Google Patents

封止剤、半導体等の封止方法、半導体装置の製造方法、および半導体装置

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JP2003268239A JP2002075292A JP2002075292A JP2003268239A JP 2003268239 A JP2003268239 A JP 2003268239A JP 2002075292 A JP2002075292 A JP 2002075292A JP 2002075292 A JP2002075292 A JP 2002075292A JP 2003268239 A JP2003268239 A JP 2003268239A
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克哉 大内
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雅幸 藤田
Manabu Tsumura
学 津村
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正仁 井手
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い接着性を示し、低粘度、低温速硬化性であ
り実用性の高い封止剤、それによって電子部品、電気回
路、電気接点あるいは半導体を封止する電子部品、電気
回路あるいは半導体等の封止方法あるいは半導体装置の
製造方法、およびそれによって半導体が封止されてなる
半導体装置を提供すること。 【解決手段】(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭
素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化
合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含
有する化合物、(D)接着付与剤、を必須成分として含
有することを特徴とする封止剤とすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は封止剤に関するもの
であり、更に詳しくは高い接着性を示し、低粘度、低温
速硬化性であり実用性の高い封止剤、それによって電子
部品、電気回路、電気接点あるいは半導体を封止する電
子部品、電気回路あるいは半導体等の封止方法あるいは
半導体装置の製造方法、およびそれによって半導体が封
止されてなる半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】封止剤、特に半導体用の封止剤として
は、多官能エポキシ化合物、フェノールノボラック系硬
化剤、無機質充填剤を主成分としたエポキシ樹脂組成物
が、広く用いられている。また、近年、半導体パッケー
ジの小型化要求等に伴い、TAB封止、フリップチップ
接続用のアンダーフィル封止等をはじめとして液状の封
止剤が用いられるようになっており、これら液状封止剤
には主としてエポキシ化合物、酸無水物系硬化剤、無機
質充填剤を主成分としたエポキシ樹脂組成物が、広く用
いられている。これらの封止剤に要求される基本的な特
性は、はんだリフロー等の熱履歴によっても部品に不具
合を生じさせない耐熱性、接着性等である。
【0003】一般にエポキシ樹脂組成物は硬化に高温、
長時間を要し、半導体パッケージ等の製造が困難であり
製造サイクルが長くなることがあるが、製造を容易にし
サイクルを速くして製造コストを軽減するために、低温
速硬化性が要求されている。また、液状封止剤では半導
体の大型化、高密度化による流動性のさらなる向上等に
よる狭い隙間への高速浸透性が求められている。
【0004】上記したような低温速硬化性、高速浸透性
を改良するため、エポキシ樹脂において種々の改良が提
案されている(特開平5−222270号公報、特開平
6−5743号公報、特開平6−206982号公報、
特開平7−165876号公報、特開平9−31161
号公報、特開平9−246435号公報、特開平10−
101906号公報、特開平11−21421号公報、
特開平11−92549号公報、特開平11−1400
69号公報、特開平11−255864号公報、特開平
11−256012号公報、特開平11−269250
号公報、特開2000−3982号公報、特開2000
−7891号公報、特開2000−53844号公報、
特開2000−63630号公報)。
【0005】一方で、一般に硬化性が速いヒドロシリル
化反応を硬化反応に用いた硬化性組成物も提案されてい
る(特開昭50−100、特開平9−291214、特
開平1−126336、特開平5−295270)。
【0006】さらに、封止剤には高い接着性が要求され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高い接着性を示し、低粘度、低温速硬化性であり実
用性の高い封止剤、それによって電子部品、電気回路、
電気接点あるいは半導体を封止する電子部品、電気回路
あるいは半導体等の封止方法あるいは半導体装置の製造
方法、およびそれによって半導体が封止されてなる半導
体装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明者らは鋭意研究の結果、(A)SiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくと
も2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくと
も2個のSiH基を含有する化合物、(D)接着付与
剤、を必須成分として含有することにより、上記課題を
解決できることを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、(A)SiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくと
も2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくと
も2個のSiH基を含有する化合物、(C)ヒドロシリ
ル化触媒、(D)接着付与剤、を必須成分として含有す
ることを特徴とする封止剤(請求項1)であり、(D)
成分が、分子中にエポキシ基を含有する化合物である、
請求項1に記載の封止剤(請求項2)であり、さらに
(E)成分としてシラノール縮合触媒を含有する、請求
項2に記載の封止剤(請求項3)であり、(E)成分の
シラノール縮合触媒が、ボロン系化合物あるいは/およ
びアルミニウム系化合物あるいは/およびチタン系化合
物である請求項3に記載の封止剤(請求項4)であり、
さらに(F)成分としてカルボン酸類あるいは/および
酸無水物類を含有する、請求項2乃至4のいずれか一項
に記載の封止剤(請求項5)であり、半導体を封止する
ために用いられる請求項1乃至5のいずれか一項に記載
の封止剤(請求項6)であり、請求項6に記載の封止剤
からなるアンダーフィル(請求項7)であり、請求項1
乃至5のいずれか1項に記載の封止剤によって電子部
品、電気回路、あるいは電気接点を封止することを特徴
とする電子部品、電気回路、電気接点の封止方法(請求
項8)であり、請求項6に記載の封止剤あるいは請求項
7に記載のアンダーフィルによって半導体を封止するこ
とを特徴とする半導体の封止方法(請求項9)であり、
請求項6に記載の封止剤あるいは請求項7に記載のアン
ダーフィルによって半導体を封止することを特徴とする
半導体装置の製造方法(請求項10)であり、請求項6
に記載の封止剤あるいは請求項7に記載のアンダーフィ
ルによって半導体が封止されてなる半導体装置(請求項
11)である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 ((A)成分)まず、本発明における(A)成分につい
て説明する。
【0011】(A)成分はSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する
有機化合物であれば特に限定されない。有機化合物とし
てはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシ
ロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン
単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素
としてC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むもので
あることが好ましい。シロキサン単位を含むものの場合
は、ガス透過性やはじきの問題がある。
【0012】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在
してもよい。
【0013】(A)成分の有機化合物は、有機重合体系
の化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
【0014】有機重合体系化合物としては例えば、ポリ
エーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリ
カーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、
ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール
−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミ
ド系の化合物を用いることができる。
【0015】また有機単量体系化合物としては例えば、
フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレ
ン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭
化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が
挙げられる。
【0016】(A)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一
般式(III)
【0017】
【化1】 (式中R3は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示
される基が反応性の点から好適である。また、原料の入
手の容易さからは、
【0018】
【化2】 示される基がが特に好ましい。
【0019】(A)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合としては、下記一般式(IV)
【0020】
【化3】 (式中R4は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示
される脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点か
ら好適である。また、原料の入手の容易さからは、
【0021】
【化4】 示される脂環式の基が特に好ましい。
【0022】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合は(A)成分の骨格部分に直接結合していてもよ
く、2価以上の置換基を介して共有結合していても良
い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基
であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、
N、O、S、およびハロゲンのみを含むものが好まし
い。これらの置換基の例としては、
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】 が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ
以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換
基を構成していてもよい。
【0025】以上のような骨格部分に共有結合する基の
例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリ
ル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオ
キシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリル
フェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキ
シ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4
−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)
エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル
基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメ
チル)プロピル基、
【0026】
【化7】 が挙げられる。
【0027】(A)成分の具体的な例としては、ジアリ
ルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプ
ロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリア
リルエーテル、1,1,2,2,−テトラアリロキシエ
タン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4
−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純
度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100
%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロ
ペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、
およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン
(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2
比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールの
アリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】 の他、従来公知のエポキシ樹脂のグルシジル基の一部あ
るいは全部をアリル基に置き換えたもの等が挙げられ
る。
【0030】(A)成分としては、上記のように骨格部
分とアルケニル基とに分けて表現しがたい、低分子量化
合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の
具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエ
ン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シク
ロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジ
エン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエ
ン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物
系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の
置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
【0031】(A)成分としては、耐熱性をより向上し
得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素
−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.001mo
l以上含有するものが好ましく、1gあたり0.005
mol以上含有するものがより好ましく、0.008m
ol以上含有するものがさらに好ましい。
【0032】(A)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり少なく
とも2個あればよいが、力学強度をより向上したい場合
には2を越えることが好ましく、3個以上であることが
より好ましい。(A)成分のSiH基と反応性を有する
炭素−炭素二重結合の数が1分子内当たり1個以下の場
合は、(B)成分と反応してもグラフト構造となるのみ
で架橋構造とならない。
【0033】(A)成分としては反応性が良好であると
いう観点からは、1分子中にビニル基を1個以上含有し
ていることが好ましく、1分子中にビニル基を2個以上
含有していることがより好ましい。また貯蔵安定性が良
好となりやすいという観点からは、1分子中にビニル基
を6個以下含有していることが好ましく、1分子中にビ
ニル基を4個以下含有していることがより好ましい。
【0034】(A)成分としては、力学的耐熱性が高い
という観点および原料液の糸引き性が少なく成形性、取
扱い性が良好であるという観点からは、分子量が900
未満のものが好ましく、700未満のものがより好まし
く、500未満のものがさらに好ましい。
【0035】(A)成分としては、他の成分との均一な
混合、および良好な作業性を得るためには、粘度として
は23℃において1000ポイズ未満のものが好まし
く、300ポイズ未満のものがより好ましく、30ポイ
ズ未満のものがさらに好ましい。粘度はE型粘度計によ
って測定することができる。
【0036】(A)成分としては、着色特に黄変の抑制
の観点からはフェノール性水酸基および/あるいはフェ
ノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少な
いものが好ましく、フェノール性水酸基および/あるい
はフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まな
いものが好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基
とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等に例
示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示
し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェノール
性水酸基の水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル
基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ
基等のアシル基等により置換された基を示す。
【0037】また、複屈折率が低い、光弾性係数が低い
等のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好
であるという観点からは、芳香環の(A)成分中の成分
重量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重
量%以下のものがより好ましく、30重量%以下のもの
がさらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環
を含まないものである。
【0038】得られる硬化物の着色が少なく、光学的透
明性が高く、耐光性が高いという観点からは、(A)成
分としてはビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエ
ン、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテ
ル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが好まし
く、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテ
ル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが特に好ま
しい。
【0039】(A)成分としてはその他の反応性基を有
していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキ
シ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシ
ル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシ
シリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している
場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやす
く、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性が
より高くなりうるという点からは、これらの官能基のう
ちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱
性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平
均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0040】(A)成分は、単独もしくは2種以上のも
のを混合して用いることが可能である。
【0041】(A)成分としては、耐熱性および透明性
が高いという観点からは、下記一般式(I)
【0042】
【化10】 (式中R1は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、そ
れぞれのR1は異なっていても同一であってもよい。)
で表される化合物が好ましい。
【0043】上記一般式(I)のR1としては、得られ
る硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点から
は、炭素数1〜20の一価の有機基であることが好まし
く、炭素数1〜10の一価の有機基であることがより好
ましく、炭素数1〜4の一価の有機基であることがさら
に好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、
ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリ
シジル基、
【0044】
【化11】 等が挙げられる。
【0045】上記一般式(I)のR1としては、得られ
る硬化物の各種材料との接着性が良好になりうるという
観点からは、3つのR1のうち少なくとも1つがエポキ
シ基を一つ以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であ
ることが好ましく、
【0046】
【化12】 で表されるエポキシ基を1個以上含む炭素数1〜50の
一価の有機基であることがより好ましい。これらの好ま
しいR1の例としては、グリシジル基、
【0047】
【化13】 等が挙げられる。
【0048】上記一般式(I)のR1としては、得られ
る硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観
点からは、2個以下の酸素原子を含みかつ構成元素とし
てC、H、Oのみを含む炭素数1〜50の一価の有機基
であることが好ましく、炭素数1〜50の一価の炭化水
素基であることがより好ましい。これらの好ましいR 1
の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル
基、アリル基、グリシジル基、
【0049】
【化14】 等が挙げられる。
【0050】上記一般式(I)のR1としては、反応性
が良好になるという観点からは、3つのR1のうち少な
くとも1つが
【0051】
【化15】 で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有
機基であることが好ましく、下記一般式(III)
【0052】
【化16】 (式中R3は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表
される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基
であることがより好ましく、3つのR1のうち少なくと
も2つが下記一般式(V)
【0053】
【化17】 (式中R5は直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の
有機基を表し、R6は水素原子あるいはメチル基を表
す。)で表される有機化合物(複数のR5およびR6はそ
れぞれ異なっていても同一であってもよい。)であるこ
とがさらに好ましい。
【0054】上記一般式(V)のR5は、直接結合ある
いは炭素数1〜48の二価の有機基であるが、得られる
硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、
直接結合あるいは炭素数1〜20の二価の有機基である
ことが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜10の二
価の有機基であることがより好ましく、直接結合あるい
は炭素数1〜4の二価の有機基であることがさらに好ま
しい。これらの好ましいR5の例としては、
【0055】
【化18】 等が挙げられる。
【0056】上記一般式(V)のR5としては、得られ
る硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観
点からは、直接結合あるいは2つ以下の酸素原子を含み
かつ構成元素としてC、H、Oのみを含む炭素数1〜4
8の二価の有機基であることが好ましく、直接結合ある
いは炭素数1〜48の二価の炭化水素基であることがよ
り好ましい。これらの好ましいR5の例としては、
【0057】
【化19】 が挙げられる。
【0058】上記一般式(V)のR6は、水素原子ある
いはメチル基であるが、反応性が良好であるという観点
からは、水素原子が好ましい。
【0059】ただし、上記のような一般式(I)で表さ
れる有機化合物の好ましい例においても、SiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくと
も2個含有することは必要である。耐熱性をより向上し
得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素
−炭素二重結合を1分子中に3個以上含有する有機化合
物であることがより好ましい。
【0060】以上のような一般式(I)で表される有機
化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシア
ヌレート、
【0061】
【化20】 等が挙げられる。
【0062】また、(B)成分と良好な相溶性を有する
という観点、および(A)成分の揮発性が低くなり得ら
れる封止剤からのアウトガスの問題が生じ難いという観
点からは、(A)成分の例として上記したような、Si
H基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に
少なくとも2個含有する有機化合物から選ばれた1種以
上の化合物と、SiH基を有する鎖状及び/又は環状オ
ルガノポリシロキサン(β)との反応物も好ましい。
((β)成分)(β)成分は、SiH基を有する鎖状及
び/又は環状のポリオルガノシロキサンである。
【0063】具体的には、例えば
【0064】
【化21】
【0065】
【化22】 が挙げられる。
【0066】ここで、SiH基と反応性を有する炭素−
炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機
化合物との相溶性が良くなりやすいという観点から、下
記一般式(II)
【0067】
【化23】 (式中、R2は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜
10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも
3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが
好ましい。
【0068】一般式(II)で表される化合物中の置換
基R2は、C、H、Oから構成されるものであることが
好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチ
ル基であることがさらに好ましい。
【0069】入手容易性等から、1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサンであることが好まし
い。
【0070】上記したような各種(β)成分は単独もし
くは2種以上のものを混合して用いることが可能であ
る。 (SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分
子中に少なくとも2個含有する有機化合物と(β)成分
の反応)次に、本発明の(A)成分として、SiH基と
反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なく
とも2個含有する有機化合物と(β)成分をヒドロシリ
ル化反応して得ることができる化合物を用いる場合の、
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子
中に少なくとも2個含有する有機化合物と(β)成分と
のヒドロシリル化反応に関して説明する。
【0071】尚、SiH基と反応性を有する炭素−炭素
二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合
物と(β)成分をヒドロシリル化反応すると、本発明の
(A)成分を含む複数の化合物の混合物が得られること
があるが、そこから(A)成分を分離することなく混合
物のままで用いて本発明の硬化性組成物を作成すること
もできる。
【0072】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と
(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合の、SiH
基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少
なくとも2個含有する有機化合物と(β)成分の混合比
率は、特に限定されないが、反応中のゲル化が抑制でき
るという点においては、一般に、混合するSiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくと
も2個含有する有機化合物中のSiH基との反応性を有
する炭素−炭素二重結合の総数(X)と、混合する
(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、X/Y
≧2であることが好ましく、X/Y≧3であることがよ
り好ましい。また(A)成分の(B)成分との相溶性が
よくなりやすいという点からは、10≧X/Yであるこ
とが好ましく、5≧X/Yであることがより好ましい。
【0073】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と
(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合には適当な
触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば次のような
ものを用いることができる。白金の単体、アルミナ、シ
リカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させ
たもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデ
ヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例え
ば、Pt(CH2=CH22(PPh32、Pt(CH2
=CH22Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例
えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt
[(MeViSiO)4m)、白金−ホスフィン錯体
(例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34)、白
金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OP
h)34、Pt[P(OBu)34)(式中、Meはメ
チル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェ
ニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニ
ルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)
触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3
159601号及び3159662号明細書中に記載さ
れた白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lam
oreaux)の米国特許第3220972号明細書中
に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。更
に、モディック(Modic)の米国特許第35169
46号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合
体も本発明において有用である。
【0074】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23
RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdC
2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられ
る。
【0075】これらの中では、触媒活性の点から塩化白
金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン
錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用し
てもよく、2種以上併用してもよい。
【0076】触媒の添加量は特に限定されないが、十分
な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低
く抑えるため好ましい添加量の下限は、(β)成分のS
iH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10
-6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のS
iH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10
-2モルである。
【0077】また、上記触媒には助触媒を併用すること
が可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリ
ン系化合物、ジメチルマレエート等の1、2−ジエステ
ル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン
等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫
黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が
挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒ
ドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下
限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、
好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは1
0モルである。
【0078】反応させる場合のSiH基と反応性を有す
る炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有
する有機化合物、(β)成分、触媒の混合の方法として
は、各種方法をとることができるが、SiH基と反応性
を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2
個含有する有機化合物に触媒を混合したものを、(β)
成分にを混合する方法が好ましい。SiH基と反応性を
有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個
含有する有機化合物、(β)成分の混合物に触媒を混合
する方法だと反応の制御が困難である。(β)成分と触
媒を混合したものにSiH基と反応性を有する炭素−炭
素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化
合物を混合する方法をとる場合は、触媒の存在下(β)
成分が混入している水分と反応性を有するため、変質す
ることがある。
【0079】反応温度としては種々設定できるが、この
場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは
50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、よ
り好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に
反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高い
と実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、
必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させて
もよい。
【0080】反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々
設定できる。
【0081】ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用して
もよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害し
ない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示す
れば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭
化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキ
サン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエ
ーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジ
クロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることが
できる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いること
もできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。
使用する溶媒量も適宜設定できる。
【0082】その他、反応性を制御する目的等のために
種々の添加剤を用いてもよい。
【0083】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と
(β)成分を反応させた後に、溶媒あるいは/および未
反応のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を
1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物あるいは
/および(β)成分を除去することもできる。これらの
揮発分を除去することにより、得られる(A)成分が揮
発分を有さないため(B)成分との硬化の場合に揮発分
の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除
去する方法としては例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケ
イ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げら
れる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ま
しい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であ
り、より好ましくは60℃である。高温で処理すると増
粘等の変質を伴いやすい。
【0084】以上のような、SiH基と反応性を有する
炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有す
る有機化合物と(β)成分の反応物である(A)成分の
例としては、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反
応物、ビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジビニルベン
ゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロ
キサンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,
7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ト
リアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメ
チルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグ
リシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメ
チルシクロテトラシロキサンの反応物、等を挙げること
ができる。((B)成分)次に、(B)成分であるSi
H基を有する化合物について説明する。
【0085】本発明の(B)成分は、1分子中に少なく
とも2個のSiH基を含有する化合物である。
【0086】(B)成分については1分子中に少なくと
も2個のSiH基を含有する化合物であれば特に制限が
なく、例えば国際公開WO96/15194に記載され
る化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有
するもの等が使用できる。
【0087】これらのうち、入手性の面からは、1分子
中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は
環状オルガノポリシロキサンが好ましく、(A)成分と
の相溶性が良いという観点からは、さらに、下記一般式
(II)
【0088】
【化24】 (式中、R2は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜
10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも
2個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが
好ましい。
【0089】一般式(II)で表される化合物中の置換
基R2は、C、H、Oから構成されるものであることが
好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチ
ル基であることがさらに好ましい。
【0090】一般式(II)で表される化合物として
は、入手容易性の観点からは、1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
【0091】(B)成分の分子量は特に制約はなく任意
のものが好適に使用できるが、より流動性を発現しやす
いという観点からは低分子量のものが好ましく用いられ
る。具体的には、分子量が50〜100,000のもの
が好ましく、50〜1,000のものがより好ましく、
50〜700のものがさらに好ましい。
【0092】(B)成分は単独もしくは2種以上のもの
を混合して用いることが可能である。
【0093】(A)成分と良好な相溶性を有するという
観点、および(B)成分の揮発性が低くなり得られる封
止剤からのアウトガスの問題が生じ難いという観点から
は、(B)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭
素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物
(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有す
る鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン(β)
を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物で
あることが好ましい。 ((α)成分)ここで(α)成分は上記した(A)成分
である、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合
を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と同じ
もの(α1)も用いることができる。(α1)成分を用
いると得られる硬化物の架橋密度が高くなり力学強度が
高く信頼性の高い封止剤となりやすい。
【0094】その他、SiH基と反応性を有する炭素−
炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物(α
2)も用いることができる。(α2)成分を用いると得
られる硬化物が低弾性となりやすく、低応力により信頼
性の高い封止剤となりやすい。 ((α2)成分)(α2)成分としては、SiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有
する有機化合物であれば特に限定されないが、(B)成
分が(A)成分と相溶性がよくなるという点において
は、化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポ
リマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのよ
うなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものでは
なく、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロ
ゲンのみを含むものであることが好ましい。
【0095】(α2)成分のSiH基と反応性を有する
炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子
内のどこに存在してもよい。
【0096】(α2)成分の化合物は、重合体系の化合
物と単量体系化合物に分類できる。
【0097】重合体系化合物としては例えば、ポリシロ
キサン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリ
レート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽
和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド
系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂
系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
【0098】また単量体系化合物としては例えば、フェ
ノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等
の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水
素系:複素環系の化合物、シリコン系の化合物およびこ
れらの混合物等が挙げられる。
【0099】(α2)成分のSiH基と反応性を有する
炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記
一般式(III)
【0100】
【化25】 (式中R3は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示
される基が反応性の点から好適である。また、原料の入
手の容易さからは、
【0101】
【化26】 示される基が特に好ましい。
【0102】(α2)成分のSiH基と反応性を有する
炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(IV)
【0103】
【化27】 (式中R4は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示
される脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点か
ら好適である。また、原料の入手の容易さからは、
【0104】
【化28】 示される脂環式の基が特に好ましい。
【0105】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合は(α2)成分の骨格部分に直接結合していてもよ
く、2価以上の置換基を介して共有結合していても良
い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基
であれば特に限定されないが、(B)成分が(A)成分
と相溶性がよくなりやすいという点においては、構成元
素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含
むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
【0106】
【化29】
【0107】
【化30】 が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ
以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換
基を構成していてもよい。
【0108】以上のような骨格部分に共有結合する基の
例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリ
ル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオ
キシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリル
フェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキ
シ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4
−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)
エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル
基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメ
チル)プロピル基、
【0109】
【化31】 が挙げられる。
【0110】(α2)成分の具体的な例としては、プロ
ペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1
−ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニア
レン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−
1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、
2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等のような鎖状
脂肪族炭化水素系化合物類、シクロヘキセン、メチルシ
クロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレ
ン、エチリデンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサ
ン、カンフェン、カレン、αピネン、βピネン等のよう
な環状脂肪族炭化水素系化合物類、スチレン、αメチル
スチレン、インデン、フェニルアセチレン、4−エチニ
ルトルエン、アリルベンゼン、4−フェニル−1−ブテ
ン等のような芳香族炭化水素系化合物、アルキルアリル
エーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル
類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコー
ルモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソ
ラン−2−オン等の脂肪族系化合物類、1,2−ジメト
キシ−4−アリルベンゼン、o−アリルフェノール等の
芳香族系化合物類、モノアリルジベンジルイソシアヌレ
ート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の置
換イソシアヌレート類、ビニルトリメチルシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等の
シリコン化合物等が挙げられる。さらに、片末端アリル
化ポリエチレンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピ
レンオキサイド等のポリエーテル系樹脂、片末端アリル
化ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、片末端アリル
化ポリブチルアクリレート、片末端アリル化ポリメチル
メタクリレート等のアクリル系樹脂、等の片末端にビニ
ル基を有するポリマーあるいはオリゴマー類等も挙げる
ことができる。
【0111】構造は線状でも枝分かれ状でもよく、分子
量は特に制約はなく種々のものを用いることができる。
分子量分布も特に制限ないが、混合物の粘度が低くなり
成形性が良好となりやすいという点においては、分子量
分布が3以下であることが好ましく、2以下であること
がより好ましく、1.5以下であることがさらに好まし
い。
【0112】(α2)成分のガラス転位温度が存在する
場合はこれについても特に限定はなく種々のものが用い
られるが、得られる硬化物が強靭となりやすいという点
においては、ガラス点移転温度は100℃以下であるこ
とが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、
0℃以下であることがさらに好ましい。好ましい樹脂の
例としてはポリブチルアクリレート樹脂等が挙げられ
る。逆に得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点に
おいては、ガラス転位温度は100℃以上であることが
好ましく、120℃以上であることがより好ましく、1
50℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上
であることが最も好ましい。ガラス転位温度は動的粘弾
性測定においてtanδが極大を示す温度として求める
ことができる。
【0113】(α2)成分としては、得られる硬化物の
耐熱性が高くなるという点においては、炭化水素化合物
であることが好ましい。この場合好ましい炭素数の下限
は7であり、好ましい炭素数の上限は10である。
【0114】(α2)成分としてはその他の反応性基を
有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポ
キシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキ
シル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキ
シシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有してい
る場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりや
すく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性
がより高くなりうるという点からは、これらの官能基の
うちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐
熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を
平均して1分子中に1個以上有していることが好まし
い。具体的にはモノアリルジグリシジルイソシアヌレー
ト、アリルグリシジルエーテル、アリロキシエチルメタ
クリレート、アリロキシエチルアクリレート、ビニルト
リメトキシシラン等が挙げられる。
【0115】上記のような(α2)成分としては単一の
ものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用い
てもよい。 ((β)成分)(β)成分は、1分子中に少なくとも2
個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガ
ノシロキサンである。
【0116】具体的には、例えば
【0117】
【化32】
【0118】
【化33】 が挙げられる。
【0119】ここで、(α)成分との相溶性が良くなり
やすいという観点から、下記一般式(II)
【0120】
【化34】 (式中、R2は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜
10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも
3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが
好ましい。
【0121】一般式(II)で表される化合物中の置換
基R2は、C、H、Oから構成されるものであることが
好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチ
ル基であることがさらに好ましい。
【0122】入手容易性等から、1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサンであることが好まし
い。
【0123】上記したような各種(β)成分は単独もし
くは2種以上のものを混合して用いることが可能であ
る。 ((α)成分と(β)成分の反応)次に、本発明の
(B)成分として、(α)成分と(β)成分をヒドロシ
リル化反応して得ることができる化合物を用いる場合
の、(α)成分と(β)成分とのヒドロシリル化反応に
関して説明する。
【0124】尚、(α)成分と(β)成分をヒドロシリ
ル化反応すると、本発明の(B)成分を含む複数の化合
物の混合物が得られることがあるが、そこから(B)成
分を分離することなく混合物のままで用いて本発明の硬
化性組成物を作成することもできる。
【0125】(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化
反応させる場合の(α)成分と(β)成分の混合比率
は、特に限定されないが、得られる(B)成分と(A)
成分とのヒドロシリル化による硬化物の強度を考えた場
合、(B)成分のSiH基が多い方が好ましいため、一
般に混合する(α)成分中のSiH基との反応性を有す
る炭素−炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)
成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2で
あることが好ましく、Y/X≧3であることがより好ま
しい。また(B)成分の(A)成分との相溶性がよくな
りやすいという点からは、10≧Y/Xであることが好
ましく、5≧Y/Xであることがより好ましい。
【0126】(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化
反応させる場合には適当な触媒を用いてもよい。触媒と
しては、例えば次のようなものを用いることができる。
白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の
担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白
金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白
金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH22
(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2)、白金−
ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2Si
OSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSi
O)4m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(P
Ph34、Pt(PBu34)、白金−ホスファイト錯
体(例えば、Pt[P(OPh)34、Pt[P(OB
u)34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、
Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、
整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシ
ュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー
(Ashby)の米国特許第3159601号及び31
59662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合
体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特
許第3220972号明細書中に記載された白金アルコ
ラート触媒が挙げられる。更に、モディック(Modi
c)の米国特許第3516946号明細書中に記載され
た塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用で
ある。
【0127】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23
RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdC
2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられ
る。
【0128】これらの中では、触媒活性の点から塩化白
金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン
錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用し
てもよく、2種以上併用してもよい。
【0129】触媒の添加量は特に限定されないが、十分
な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低
く抑えるため好ましい添加量の下限は、(β)成分のS
iH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10
-6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のS
iH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10
-2モルである。ここここ また、上記触媒には助触媒を
併用することが可能であり、例としてトリフェニルホス
フィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1、
2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体
の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン
系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定さ
れないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好まし
い添加量の下限は、10-2モル、より好ましくは10-1
モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より
好ましくは10モルである。
【0130】反応させる場合の(α)成分、(β)成
分、触媒の混合の方法としては、各種方法をとることが
できるが、(α)成分に触媒を混合したものを、(β)
成分にを混合する方法が好ましい。(α)成分、(β)
成分の混合物に触媒を混合する方法だと反応の制御が困
難である。(β)成分と触媒を混合したものに(α)成
分を混合する方法をとる場合は、触媒の存在下(β)成
分が混入している水分と反応性を有するため、変質する
ことがある。
【0131】反応温度としては種々設定できるが、この
場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは
50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、よ
り好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に
反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高い
と実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、
必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させて
もよい。
【0132】反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々
設定できる。
【0133】ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用して
もよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害し
ない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示す
れば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭
化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキ
サン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエ
ーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジ
クロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることが
できる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いること
もできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。
使用する溶媒量も適宜設定できる。
【0134】その他、反応性を制御する目的等のために
種々の添加剤を用いてもよい。
【0135】(α)成分と(β)成分を反応させた後
に、溶媒あるいは/および未反応の(α)成分あるいは
/および(β)成分を除去することもできる。これらの
揮発分を除去することにより、得られる(B)成分が揮
発分を有さないため(A)成分との硬化の場合に揮発分
の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除
去する方法としては例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケ
イ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げら
れる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ま
しい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であ
り、より好ましくは60℃である。高温で処理すると増
粘等の変質を伴いやすい。
【0136】以上のような、(α)成分と(β)成分の
反応物である(B)成分の例としては、ビスフェノール
Aジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシ
クロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセン
と1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサ
ンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペ
ンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
の反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
の反応物、アリルグリシジルエーテルと1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、αメ
チルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテ
トラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソ
シアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテ
トラシロキサンの反応物、等を挙げることができる。 ((A)成分と(B)成分の混合)(A)成分と(B)
成分の組合せについては(A)成分の例として挙げたも
のおよびそれらの各種混合物/(B)成分の例として挙
げたものおよびそれらの各種混合物、の各種組み合わせ
を挙げることができる。
【0137】(A)成分と(B)成分の混合比率は、必
要な強度を失わない限りは特に限定されないが、(B)
成分中のSiH基の数(Y)の(A)成分中の炭素−炭
素二重結合の数(X)に対する比において、好ましい範
囲の下限はY/X≧0.3、より好ましくはY/X≧
0.5、さらに好ましくはY/X≧0.7であり、好ま
しい範囲の上限は3≧Y/X、より好ましくは2≧Y/
X、さらに好ましくは1.5≧Y/Xである。好ましい
範囲からはずれた場合には十分な強度が得られなかった
り、熱劣化しやすくなる場合がある。 ((C)成分)次に(C)成分であるヒドロシリル化触
媒について説明する。
【0138】ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリ
ル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例え
ば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック
等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩
化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯
体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=C
22(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2)、
白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe
2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSi
O)4m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(P
Ph34、Pt(PBu34)、白金−ホスファイト錯
体(例えば、Pt[P(OPh)34、Pt[P(OB
u)34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、
Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、
整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシ
ュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー
(Ashby)の米国特許第3159601号および3
159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複
合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国
特許第3220972号明細書中に記載された白金アル
コラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Mo
dic)の米国特許第3516946号明細書中に記載
された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有
用である。
【0139】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23
RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdC
2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられ
る。
【0140】これらの中では、触媒活性の点から塩化白
金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン
錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用し
てもよく、2種以上併用してもよい。
【0141】触媒の添加量は特に限定されないが、十分
な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低
く抑えるため好ましい添加量の下限は、(B)成分のS
iH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10
-6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のS
iH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10
-2モルである。
【0142】また、上記触媒には助触媒を併用すること
が可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリ
ン系化合物、ジメチルマレエート等の1、2−ジエステ
ル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン
等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫
黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が
挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒ
ドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下
限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、
好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは1
0モルである。 ((D)成分)次に、本発明の(D)成分である接着付
与剤について説明する。
【0143】接着付与剤としては一般に用いられている
接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、エポキシ化
合物、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジ
ンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチ
ルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチ
ルスチレン、芳香族ポリイソシアネート等を挙げること
ができる。
【0144】カップリング剤としては例えばシランカッ
プリング剤が挙げられる。シランカップリング剤として
は、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性
のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば
特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、
取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル
基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル
基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能
基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ
基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分
解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシ
リル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、
エトキシシリル基が特に好ましい。
【0145】好ましいシランカップリング剤としては、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4
-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルト
リエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキ
シシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3
−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリ
ロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチ
ルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキ
シシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等の
メタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシ
ラン類が例示できる。
【0146】シランカップリング剤の添加量としては種
々設定できるが、[(A)成分+(B)成分]100重
量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、
より好ましくは0.5重量部であり、好ましい添加量の
上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。
添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多
いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0147】エポキシ化合物としては、例えば、ノボラ
ックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ
樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオ
キシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカ
ーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−ス
ピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−
ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)
アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビス
グリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレー
ト、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリ
ルモノグリシジルイソシアヌレート等を挙げることがで
きる。
【0148】エポキシ化合物の添加量としては種々設定
できるが、[(A)成分+(B)成分]100重量部に
対しての好ましい添加量の下限は1重量部、より好まし
くは3重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量
部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ない
と接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性
に悪影響を及ぼす場合がある。
【0149】また、これらのカップリング剤、シランカ
ップリング剤、エポキシ化合物等は単独で使用してもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0150】これらの接着付与剤の内、接着性付与効果
が高いという点においては分子内にエポキシ基を含有す
る化合物が好ましい。エポキシ基を含有する化合物の例
としては、上記した、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能
基を有するアルコキシシラン類や、ノボラックフェノー
ル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシク
ロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエー
テル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘ
キシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレー
ト、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,
4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、
1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエ
ステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリル
ジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジ
ルイソシアヌレート等のようなエポキシ化合物等が挙げ
られる。 ((E)成分)次に(E)成分であるシラノール縮合触
媒について説明する。
【0151】本発明においてはカップリング剤やエポキ
シ化合物の効果を高めるために、さらにシラノール縮合
触媒を用いることができ、接着性の向上および/あるい
は安定化が可能である。このようなシラノール縮合触媒
としては特に限定されないが、ボロン系化合物あるいは
/およびアルミニウム系化合物あるいは/およびチタン
系化合物が好ましい。シラノール縮合触媒となるボロン
系化合物としては、トリメトキシボラン、トリエトキシ
ボラン、トリイソプロポキシボラン、トリブトキシボラ
ン、トリフェノキシボラン等のボロンアルコキシド類が
例示できる。シラノール縮合触媒となるアルミニウム系
化合物としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、
sec−ブトキシアルミニウムジイソフロポキシド、ア
ルミニウムトリsec−ブトキシド等のアルミニウムア
ルコキシド類:、エチルアセトアセテートアルミニウム
ジイソプロポキシド、アルミニウムトリス(エチルアセ
トアセテート)、アルミキレートM(川研ファインケミ
カル製、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソ
プロポキシド)、アルミニウムトリス(アセチルアセト
ネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス
(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムキレート
類等が例示でき、取扱い性の点からアルミニウムキレー
ト類がより好ましい。シラノール縮合触媒となるチタン
系化合物としては、テトライソプロポキシチタン、テト
ラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類:チタ
ンテトラアセチルアセトナート等のチタンキレート類:
オキシ酢酸やエチレングリコール等の残基を有する一般
的なチタネートカップリング剤が例示できる。
【0152】シラノール縮合触媒を用いる場合の使用量
は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/および
エポキシ化合物エポキシ化合物100重量部に対しての
好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは
1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、
より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接
着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪
影響を及ぼす場合がある。
【0153】また、これらのシラノール縮合触媒は単独
で使用してもよく、2種以上併用してもよい。 ((F)成分)次に(F)成分であるカルボン酸類ある
いは/および酸無水物類について説明する。
【0154】本発明においてはエポキシ基を含有する化
合物の効果を高めるために、カルボン酸類あるいは/お
よび酸無水物類を用いることができ、接着性の向上およ
び/あるいは安定化が可能である。このようなカルボン
酸類、酸無水物類としては特に限定されないが、
【0155】
【化35】 2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカ
ルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ
フタル酸、メチルハイミック酸、ノルボルネンジカルボ
ン酸、水素化メチルナジック酸、マレイン酸、アセチレ
ンジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、
安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、フタル酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンカルボン
酸、ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの単独ある
いは複合酸無水物が挙げられる。
【0156】これらのカルボン酸類あるいは/および酸
無水物類のうち、ヒドロシリル化反応性を有し硬化物か
らの染み出しの可能性が少なく得られる硬化物の物性を
損ない難いという点においては、SiH基と反応性を有
する炭素−炭素二重結合を含有するものが好ましい。好
ましいカルボン酸類あるいは/および酸無水物類として
は、例えば、
【0157】
【化36】 テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸お
よびそれらの単独あるいは複合酸無水物等が挙げられ
る。
【0158】カルボン酸類あるいは/および酸無水物類
を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリン
グ剤あるいは/およびエポキシ化合物エポキシ化合物1
00重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重
量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量
の上限は50重量部、より好ましくは10重量部であ
る。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量
が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0159】また、これらのカルボン酸類あるいは/お
よび酸無水物類は単独で使用してもよく、2種以上併用
してもよい。 (混合)(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)
成分の混合の方法としては、各種方法をとることができ
るが、封止材の中間原料の貯蔵安定性が良好になりやす
いという点においては、(A)成分に(C)成分および
(D)成分を混合したものと、(B)成分を混合する方
法が好ましい。(B)成分に(C)成分あるいは/およ
び(D)成分を混合したものに(A)成分を混合する方
法をとる場合は、(C)成分存在下あるいは/および非
存在下において(B)成分が環境中の水分あるいは/お
よび(D)成分のと反応性を有するため、貯蔵中等に変
質することもある。 (添加剤) (硬化遅延剤)本発明の封止剤にはの保存安定性を改良
する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の
反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することが
できる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有
する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素
含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げら
れ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合
を含有する化合物として、プロパギルアルコール類、エ
ン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示され
る。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィ
ン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォ
ン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。
有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、
ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾー
ル、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。
窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキ
ルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が
例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一ス
ズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機
過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジク
ミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香
酸t−ブチル等が例示される。
【0160】これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良
好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾ
ール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ
−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
【0161】硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、
使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい
添加量の下限は10-1モル、より好ましくは1モルであ
り、好ましい添加量の上限は103モル、より好ましく
は50モルである。
【0162】また、これらの硬化遅延剤は単独で使用し
てもよく、2種以上併用してもよい。 (接着性改良剤)また、本発明においては接着性付与効
果をさらに高めるために、さらにシラノール源化合物を
用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定
化が可能である。このようなシラノール源としては、例
えばトリフェニルシラノール、ジフェニルジヒドロキシ
シラン等のシラノール化合物、ジフェニルジメトキシシ
ラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン等のアルコキシシラン類等を挙げることができる。
【0163】シラノール源化合物を用いる場合の使用量
は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/および
エポキシ化合物エポキシ化合物100重量部に対しての
好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは
1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、
より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接
着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪
影響を及ぼす場合がある。
【0164】また、これらのシラノール源化合物は単独
で使用してもよく、2種以上併用してもよい。 (熱硬化性樹脂)本発明の封止剤には特性を改質する等
の目的で、種々の熱硬化性樹脂を添加することも可能で
ある。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シアネー
トエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ウ
レタン樹脂、ビスマレイミド樹脂等が例示されるがこれ
に限定されるものではない。これらのうち、接着性等の
実用特性に優れるという観点から、エポキシ樹脂が好ま
しい。
【0165】エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラッ
クフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキ
シシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカー
ボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピ
ロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジ
オキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ア
ジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグ
リシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモ
ノグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化
メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させ
るものが挙げられる。これらのエポキシ樹脂あるいは硬
化剤はそれぞれ単独で用いても、複数のものを組み合わ
せてもよい。
【0166】熱硬化性樹脂の添加量としては特に限定は
ないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5
重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使
用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好まし
くは30重量%である。添加量が少ないと、接着性等目
的とする効果が得られにくいし、添加量が多いと脆くな
りやすい。
【0167】これらの熱硬化性樹脂は単独で用いても、
複数のものを組み合わせてもよい。
【0168】熱硬化樹脂は樹脂原料あるいは/および硬
化させたものを、(A)成分あるいは/および(B)成
分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕
して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合
する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がよ
り透明になりやすいという点においては、(A)成分あ
るいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として
混合することが好ましい。この場合も、熱硬化性樹脂を
(A)成分あるいは/および(B)成分に直接溶解させ
てもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、
その後溶媒を除いて均一な分散状態あるいは/および混
合状態としてもよい。
【0169】熱硬化性樹脂を分散させて用いる場合は、
平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の
下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は1
0μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散
であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬
化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいとい
う観点からは粒子径の変動係数が10%以下であること
が好ましい。 (熱可塑性樹脂)本発明の封止剤には特性を改質する等
の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能で
ある。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることが
できるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体
あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダ
ム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチル
メタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッ
ツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチ
ルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、
あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系
樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノール
A、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフ
ェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネ
ート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製
APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等
を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を
開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加
物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製
APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONE
X、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミド
の共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば
東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス
(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレ
ン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジ
オール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸
類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル
等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET
等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹
脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、E
PDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定さ
れるものではない。
【0170】熱可塑性樹脂としては、分子中にSiH基
と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/および
SiH基を有していてもよい。得られる硬化物がより強
靭となりやすいという点においては、分子中にSiH基
と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/および
SiH基を平均して1分子中に1個以上有していること
が好ましい。
【0171】熱可塑性樹脂としてはその他の架橋性基を
有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポ
キシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキ
シル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキ
シシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が
高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均し
て1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0172】熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定
はないが、(A)成分や(B)成分との相溶性が良好と
なりやすいという点においては、数平均分子量が100
00以下であることが好ましく、5000以下であるこ
とがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となり
やすいという点においては、数平均分子量が10000
以上であることが好ましく、100000以上であるこ
とがより好ましい。分子量分布についても特に限定はな
いが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやす
いという点においては、分子量分布が3以下であること
が好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5
以下であることがさらに好ましい。
【0173】熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定は
ないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5
重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使
用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好まし
くは30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化
物が脆くなりやすいし、多いと耐熱性(高温での弾性
率)が低くなりやすい。
【0174】熱可塑性樹脂としては単一のものを用いて
もよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
【0175】熱可塑性樹脂は(A)成分あるいは/およ
び(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよ
いし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶
かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる
硬化物がより透明になりやすいという点においては、
(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一
な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱
可塑性樹脂を(A)成分あるいは/および(B)成分に
直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合し
てもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態あるい
は/および混合状態としてもよい。
【0176】熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、
平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の
下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は1
0μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散
であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬
化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいとい
う観点からは粒子径の変動係数が10%以下であること
が好ましい。 (充填剤)本発明の封止剤には充填剤を添加することも
できる。
【0177】充填材としては各種のものが用いられる
が、例えば、石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無
水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シ
リカ等のシリカ系充填材、窒化ケイ素、銀粉、アルミ
ナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭
素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケ
イソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸バリウム、無機バルーン等の無機
充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の
充填材として一般に使用あるいは/および提案されてい
る充填材等を挙げることができる。
【0178】充填材としては、封止する半導体や電子材
料へダメージを与え難いという観点からは、低放射線性
であることが好ましい。
【0179】充填材は適宜表面処理してもよい。表面処
理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処
理、シリコーン処理、カップリング剤による処理等が挙
げられる。
【0180】この場合のカップリング剤の例としては、
シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリン
グ剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と
加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合
物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基
としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル
基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート
基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも
1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、
エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好まし
い。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からア
ルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシ
シリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
【0181】好ましいシランカップリング剤としては、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4
-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルト
リエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキ
シシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3
−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリ
ロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチ
ルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキ
シシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等の
メタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシ
ラン類が例示できる。
【0182】その他にも充填材を添加する方法が挙げら
れる。例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン、ハ
ロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいは
オリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコ
キシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明の組
成物に添加して、組成物中あるいは組成物の部分反応物
中で反応させ、組成物中で充填材を生成させる方法も挙
げることができる。
【0183】以上のような充填材のうち硬化反応を阻害
し難く、線膨張係数の低減化効果が大きいという観点か
らは、シリカ系充填材が好ましい。
【0184】充填材の平均粒径としては、封止材の狭い
隙間への浸透性が良好となりやすいという点において
は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下で
あることがより好ましい。
【0185】充填材の粒径50μm以上の粒子の割合と
しては、封止材の狭い隙間への浸透性が良好となりやす
いという点においては、1重量%以下であることが好ま
しく、0.1重量%以下であることがより好ましい。
【0186】充填材の粒径分布については、エポキシ系
等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および
提案されているものをはじめ、各種設定できる。例え
ば、24μm以上の粒子が15重量%以上かつ1μm以
下の粒子が3重量%以上となるようにしてもよい。
【0187】充填材の平均粒子径、充填材の粒径50μ
m以上の粒子の割合はレーザー法マイクロトラック粒度
分析計を用いて測定することができる。
【0188】充填材の比表面積についても、エポキシ系
等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および
提案されているものをはじめ、各種設定できる。例え
ば、4m2/g以上、4m2/g以下、10m2/g以下
等、任意に設定できる。
【0189】比表面積はBET法モノソーブ比表面積測
定装置によって測定できる。
【0190】充填材のガラス化率についても、エポキシ
系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/およ
び提案されているものをはじめ、各種設定できる。例え
ば、97%以上等、任意に設定できる。
【0191】充填材の形状としては、封止材の粘度が低
くなりやすい観点からは、球状の充填材であることが好
ましい。
【0192】充填材は単独で使用してもよく、2種以上
併用してもよい。
【0193】充填材の添加量はとくに限定されないが、
線膨張係数の低減化効果が高く、かつ封止剤の流動性が
良好であるという観点から、好ましい添加量の下限は全
封止剤中の30重量%、より好ましくは50重量%であ
り、好ましい添加量の上限は全封止剤中の80重量%、
より好ましくは70重量%である。 (老化防止剤)本発明の封止剤には老化防止剤を添加し
てもよい。老化防止剤としては、一般に用いられている
老化防止剤、たとえばクエン酸やリン酸、硫黄系老化防
止剤等が挙げられる。硫黄系老化防止剤としては、メル
カプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン
酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類
を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボ
ン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホ
ニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メル
カプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリ
チオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられ
る。
【0194】また、これらの老化防止剤は単独で使用し
てもよく、2種以上併用してもよい。 (ラジカル禁止剤)本発明の封止剤にはラジカル禁止剤
を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、
2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BH
T)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止
剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルア
ミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミ
ン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェ
ニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げら
れる。
【0195】また、これらのラジカル禁止剤は単独で使
用してもよく、2種以上併用してもよい。 (紫外線吸収剤)本発明の封止剤には紫外線吸収剤を添
加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。
【0196】また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用
してもよく、2種以上併用してもよい。 (その他添加剤)本発明の封止剤には、その他、エポキ
シ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/お
よび提案されているものをはじめ、着色剤、離型剤、難
燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリ
ング剤、はじき防止剤、イオントラップ剤、チクソ性付
与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止
剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防
止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線
遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金
属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明
の目的および効果を損なわない範囲において添加するこ
とができる。 (溶剤)本発明の封止剤は溶剤に溶解して用いることも
可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものでは
なく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキ
サン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラ
ン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジ
エチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶
媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロ
エタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができ
る。
【0197】溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好まし
い。
【0198】使用する溶媒量は適宜設定できるが、用い
る硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は
0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLで
ある。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いるこ
との効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料
に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、また
コスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
【0199】これらの、溶媒は単独で使用してもよく、
2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。 (封止剤性状)本発明の封止剤としては上記したように
各種組み合わせのものが使用できるが、狭い隙間への充
填性が良好であるという点においては、封止剤の粘度と
しては、23℃において1000Pa・s以下であるこ
とが好ましく、10Pa・s以下であることがより好ま
しく、5.0Pa・s未満であることがさらにこのまし
く、1.0Pa・s以下であることが特に好ましく、
0.1以下であることが特に好ましい。また、同じ理由
で、100℃において10Pa・s以下であることが好
ましく、1.0Pa・s以下であることがより好まし
く、0.1Pa・s以下であることがさらに好ましい。
【0200】粘度の温度依存性(チクソ性)についても
種々のものが使用できる。
【0201】粘度はE型粘度計によって測定することが
できる。
【0202】隙間への浸透速度としては、23℃におけ
る50μmの隙間への浸透時間が600秒/cm以下で
あることが好ましく、120秒/cm以下であることが
より好ましい。また、23℃における25μmの隙間へ
の浸透時間が600秒/cm以下であることが好まし
く、180秒/cm以下であることがより好ましい。ま
た、60℃における50μmの隙間への浸透時間が12
0秒/cm以下であることが好ましく、60秒/cm以
下であることがより好ましい。また、60℃における2
5μmの隙間への浸透時間が180秒/cm以下である
ことが好ましく、120秒/cm以下であることがより
好ましい。また、100℃における50μmの隙間への
浸透時間が60秒/cm以下であることが好ましく、3
0秒/cm以下であることがより好ましい。また、10
0℃における25μmの隙間への浸透時間が120秒/
cm以下であることが好ましく、60秒/cm以下であ
ることがより好ましい。
【0203】隙間への浸透時間は下記の方法により測定
する。図1に示すように、ガラス板の上に2枚のアルミ
箔スペーサー(厚み50μmあるいは25μm)を15
mm隔てて並行に配置し、この間にまたがるように18
mm幅のカバーグラスを積載した後、粘着テープにより
ガラス板、アルミ箔スペーサー及びカバーグラスを固定
する。このようにしてガラス板、アルミ箔及びカバーグ
ラスにより15mm×18mm×50μmあるいは25
μmの空間を調製する。このものをホットプレート上に
静置して設定温度に調整した後、図1に示すように隙間
の一辺に封止剤を垂らしてからその一辺から1cmの位
置に浸透した封止剤が到達するまでの時間を測定して隙
間浸透時間とする。
【0204】封止剤の硬化性については、任意に設定で
きるが、120℃におけるゲル化時間が120秒以内で
あることが好ましく、60秒以内であることがより好ま
しい。また、150℃におけるゲル化時間が60秒以内
であることが好ましく、30秒以内であることがより好
ましい。また、100℃におけるゲル化時間が180秒
以内であることが好ましく、120秒以内であることが
より好ましい。硬化性が遅い場合には封止剤としての作
業性が悪くなる。逆に速い場合には貯蔵安定性が悪くな
りやすい場合もある。
【0205】この場合のゲル化時間は、以下のようにし
て調べられる。設定温度に調整したホットプレート上に
厚み50μmのアルミ箔を置き、その上に封止剤100
mgを垂らしてゲル化するまでの時間を測定してゲル化
時間とする。 (硬化)本発明の封止剤は、あらかじめ混合し硬化性組
成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合
とSiH基の一部または全部およびを反応させることに
よって硬化させて、半導体装置のための材料として用い
ることができる。
【0206】封止剤を反応させて硬化させる場合におい
て、(A)、(B)、(C)、(D)各成分の必要量を
一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反
応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混
合した後反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用に
より組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ
化)させてから成形等の処理を行いさらに硬化させる方
法をとることもできる。これらの方法によれば成形時の
粘度調整が容易となる。
【0207】硬化させる方法としては、単に混合するだ
けで反応させることもできるし、加熱して反応させるこ
ともできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得
られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好
ましい。
【0208】硬化温度としては種々設定できるが、好ま
しい温度の下限は30℃、より好ましくは100℃であ
り、好ましい温度の上限は300℃、より好ましくは2
00℃である。反応温度が低いと十分に反応させるため
の反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困
難となりやすい。
【0209】硬化は一定の温度で行ってもよいが、必要
に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよ
い。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温
度を上昇させながら反応させた方が歪のない均一な硬化
物が得られやすいという点において好ましい。
【0210】硬化時間も種々設定できるが、高温短時間
で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が
歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において
好ましい。
【0211】反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、
常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもでき
る。場合によって発生する揮発分を除きやすい、細部へ
の充填性が良好であるという点においては、減圧状態で
硬化させることが好ましい。
【0212】封止剤が使用される製造工程において、封
止剤中へのボイドの発生および封止剤からのアウトガス
による工程上の問題が生じ難いという観点においては、
硬化中の重量減少が5重量%以下であることが好まし
く、3重量%以下であることがより好ましく、1%以下
であることがさらに好ましい。
【0213】硬化中の重量減少は以下のように調べられ
る。熱重量分析装置を用いて封止剤10mgを室温から
150℃まで10℃/分の昇温速度で昇温して、減少し
た重量の初期重量の割合として求めることができる。
【0214】また、電子材料へのシリコーン汚染の問題
を起こし難いという点においては、この場合の揮発成分
中のSi原子の含有量が1%以下であることが好まし
い。 (硬化物性状)本発明の封止剤は、高伸びであり耐熱応
力性が高くなるという点においては、封止剤を硬化させ
て得られる硬化物の引張破断伸びが2%以上であること
が好ましく、3%以上であることがより好ましく、4%
以上であることがさらに好ましく、5%以上であること
が特に好ましく、10%以上であることが最も好まし
い。
【0215】引張破断伸びは、以下の方法で測定するこ
とができる。厚さ3mmの板状硬化物より6×55×3
mmの短冊を切り出し、r=1.0mm深さ1mmのU
ノッチを長辺方向の中央付近に両側より刻み図2のよう
な試験片とする。23℃50%RHの環境下に置かれた
オートグラフを用いて、チャック間距離を15mmと
し、試験片のUノッチ部がチャック間の中央付近になる
ようにその両端をチャックで挟み、1mm/分の速度で
引張り試験を行なう。このときの試験片が破断するまで
の変位をチャック間距離で除して引張破断伸びとする。
【0216】耐熱性が良好であるという観点からは、封
止剤を硬化させて得られる硬化物のTgが100℃以上
となるものが好ましく、150℃以上となるものがより
好ましい。
【0217】一方で、低応力であり、耐熱応力性が高い
という観点からは、封止剤を硬化させて得られる硬化物
のTgが100℃未満であるものが好ましく、80℃以
下であるものがより好ましい。この場合、Tgは以下の
ようにして調べられる。3mmx5mmx30mmの角
柱状試験片を用いて引張りモード、測定周波数10H
z、歪0.1%、静/動力比1.5、昇温側度5℃/分
の条件にて測定した動的粘弾性測定(アイティー計測制
御社製DVA−200使用)のtanδのピーク温度を
Tgとする。
【0218】また、封止剤として使用された場合に封止
した配線等にイオンマイグレーション等の問題が生じ難
く信頼性が高くなるという点においては、硬化物からの
抽出イオン含有量が10ppm未満であることが好まし
く、5ppm未満であることがより好ましく、1ppm
未満であることがさらに好ましい。
【0219】この場合、抽出イオン含有量は以下のよう
にして調べられる。裁断した硬化物1gを超純水50m
lとともにテフロン(R)製容器に入れて密閉し、121
℃、2気圧、20時間の条件で処理する。得られた抽出
液をICP質量分析法(横河アナリティカルシステムズ
社製HP−4500使用)によって分析し、得られたN
aおよびKの含有量の値を、用いた硬化物中の濃度に換
算して求める。一方同じ抽出液をイオンクロマト法(ダ
イオネクス社製DX−500使用、カラム:AS12−
SC)によって分析し、得られたClおよびBrの含有
量の値を、用いた硬化物中の濃度に換算して求める。以
上のように得られたNa、K、Cl、Brの硬化物中の
含有量を合計して抽出イオン含有量とする。 (封止対象)本発明の封止剤を用いて半導体、電子部
品、電子回路、あるいは電気接点を封止することができ
る。
【0220】半導体としては通常のシリコンをベースと
したもののみではなく、ガリウム、インジウム、ゲルマ
ニウム、亜鉛等種々の金属をベースとしたものを含む。
その他、有機半導体も含む。素子としてはトランジス
タ、抵抗、ダイオード等の他、発光ダイオード、半導体
レーザー等の発光素子や、各種センサー等の受光素子、
さらには太陽電池等も含む。また、メモリー、論理回路
などの各種IC、LSI等も含まれる。半導体の形状と
しても通常の平板状、ブロック状のものの他、薄膜状、
ボール状のもの(ボールセミコンダクター)のもの等も
含まれる。半導体大きさについても種々適用可能であ
り、例えば0.3mm角のような小さなものから、25
mm角あるいは100mm角のような大型のものでもよ
い。その他半導体上に設けられたパッシベーション膜等
の保護膜や、ハンダバンプ、金バンプ、アルミパッド等
の接続部位等についても適宜設定できる。
【0221】電子部品としてはライバックトランス、コ
ンデンサ等の他、自動車周辺電子部品、液晶周辺電子部
品、電池周辺電子部品、有機EL(エレクトロルミネッ
センス)周辺電子部品、光記録周辺電子部品等も含む。
自動車周辺電子部品としては、例えば、イグニッショ
ンコイル、燃料供給等の各種電子制御用の電子部品、計
器部品、照明部品等が挙げられる。液晶周辺電子部品と
しては、例えば、偏光子、カラーフィルター、TFTの
トランジスタ、透明導電膜、液晶等の他、液晶表示装置
も含まれる。電池周辺電子部品としては、例えば、太陽
電池基板、リチウムイオン電池、燃料電池等が挙げられ
る。有機EL(エレクトロルミネッセンス)周辺電子部
品としては、有機EL基板等が挙げられる。光記録周辺
電子部品としては、VD(ビデオディスク)、CD/C
D−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−R
AM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード
用等のディスク基板、発光部品、ピックアップレンズ、
受光部品等が挙げられる。
【0222】電気回路としては、リジッドプリント基
板、フレキシブルプリント基板、ビルドアップ基板の他
光電子回路等が挙げられる。
【0223】電気接点としては基板とケーブルの接続
点、ケーブルとケーブルの接続点あるいは基板同士の接
続点、基板と素子の接続点、ケーブルと素子の接続点な
どが挙げられる。 (封止方法)封止する方法もエポキシ系等の従来の封止
材の封止方法として使用あるいは/および提案されてい
るものをはじめ、種々の方法をとることができる。例え
ば、キャスティング、ポッティング、ディッピング、プ
レス、コーティング、あるいはスクリーン印刷によって
封止することもできるし、トランスファーモールドなど
のようにモールディング封止することもできる。また、
ディスペンスした後隙間に浸透させる方法(アンダーフ
ィル)によっても封止することができる。
【0224】封止時に必要に応じ各種処理を施すことも
できる。例えば、封止時に発生するボイドの抑制のため
に封止剤あるいは一部反応させた封止剤を遠心、減圧な
どにより脱泡する処理などを適用することもできるし、
封止した後に脱泡することもできる。
【0225】封止する際の圧力条件も種々設定でき、常
圧、減圧、加圧いずれの方法も適用できる。アンダーフ
ィル等隙間に浸透させる場合や、微細部位への浸透性を
高めたい場合等には減圧で実施することが有効であるこ
とがある。圧力は一定でもよいし、必要に応じて経時的
に連続あるいは段階的に変化させてもよい。
【0226】封止する場合の温度も種々設定できる。ア
ンダーフィル等隙間に浸透させる場合や、微細部位への
浸透性を高めたい場合等には加温状態で実施することが
有効であることがある。この場合例えば、50℃〜20
0℃の温度が適用できる。温度は一定でもよいし、必要
に応じて経時的に連続あるいは段階的に変化させてもよ
い。 (封止剤の具体例)以下に封止剤の具体的な例を挙げる
が、本発明の封止剤はこれに限定されるものではない。
【0227】半導体の封止剤としては、コンデンサ、ト
ランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LS
I、センサー等をキャスティング、ポッティング、ディ
ッピング、トランスファーモールド、コーティング、ス
クリーン印刷等で封止するための封止剤が挙げられ、よ
り具体的には発光ダイオード、IC、LSI、センサー
等のCOB、COF、TABといったポッティング封止
剤、フリップチップのアンダーフィル(キャピラリーフ
ロータイプおよびコンプレッションフロータイプ)、B
GA、CSP等のICパッケージ類実装時の封止剤(補
強用アンダーフィル)、スタックドIC用の封止剤、ウ
ェハレベルCSP用の封止剤等を挙げることができる。
その他、半導体前工程に使用されるパッシベーション
膜、ジャンクションコート膜、バッファコート膜等の各
種保護膜も半導体の封止剤の例である。
【0228】電子部品の封止剤としては、偏向板、カラ
ーフィルター、TFTのトランジスタ、透明導電膜、液
晶表示装置の保護コーティング剤や、セルに充填した液
晶の封止剤、太陽電池の保護コーティング剤、リチウム
イオン電池や燃料電池の封止剤、有機EL(エレクトロ
ルミネッセンス)の保護コーティング剤、光記録用光
源、受光素子のコーティング剤や封止剤、さらに自動車
の電子部品周辺の保護コーティング剤、封止剤も挙げら
れる。
【0229】電子回路の封止剤としては、リジッドプリ
ント基板、フレキシブルプリント基板材料、ビルドアッ
プ基板のソルダーレジスト、保護コーティング剤等が挙
げられる。
【0230】電気接点の封止剤としては、基板と素子や
基板と基板や基板とケーブル等の接点保護(コーティン
グ)剤、ジャンクションコーティング剤等が挙げられ
る。 (半導体装置)本発明の封止剤を用いて上記したような
方法によって半導体を封止することによって半導体装置
を製造することができる。この場合、本発明の封止剤を
上記したような用途に使用し、通常の方法によって半導
体装置を製造すればよい。
【0231】半導体装置とは、各種半導体を含む装置で
あり、例えば、一般にDIP、QFP、SOP、TSO
P、PGA、CSP、BGA、PIレジンやセラミック
やBTレジンやFR4等各種サブストレートを用いたF
CBGA、QFN、COB、COF、TAB、ウェハレ
ベルCSP、スタックドパッケージ、BCC、MCM、
SIP等と称されるの各種ICパッケージや、発光ダイ
オード部品、光センサー部品、およびそれらが搭載され
た基板、モジュール等が挙げられる。
【0232】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明は以下によって限定されるものではない。 (合成例1)5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下
漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1
800g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサン1440gを入れ、120℃のオイルバス中
で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート200
g、トルエン200g及び白金ビニルシロキサン錯体の
キシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44ml
の混合液を50分かけて滴下した。得られた溶液をその
まま6時間加温、攪拌した後、未反応の1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンを
減圧留去した。 1H−NMRによりこのものは1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH
基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したもの
であることがわかった(反応物Aと称する)。また、
1,2−ジブロモメタンを内部標準に用いて1H−NM
RによりSiH基の含有量を求めたところ、8.08m
mol/gのSiH基を含有していることがわかった。
生成物は混合物であるが、本発明の(B)成分である下
記のものを主成分として含有している。また、本発明の
(C)成分である白金ビニルシロキサン錯体を含有して
いる。
【0233】
【化37】 (合成例2)5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下
漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1
380g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサン1356gを入れ、105℃のオイルバス中
で加熱、攪拌した。ジアリルモノグリシジルイソシアヌ
レート300g、トルエン300g及び白金ビニルシロ
キサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)
1.36mlの混合液を30分かけて滴下した。得られ
た溶液をそのまま1時間加温、攪拌した後、未反応の
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
及びトルエンを減圧留去した。1H−NMRによりこの
ものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロ
キサンのSiH基の一部がジアリルモノグリシジルイソ
シアヌレートと反応したものであることがわかった(反
応物Bと称する)。また、1,2−ジブロモメタンを内
部標準に用いて1H−NMRによりSiH基の含有量を
求めたところ、8.73mmol/gのSiH基を含有
していることがわかった。生成物は混合物であるが、本
発明の(B)成分である下記のものを主成分として含有
している。また、本発明の(C)成分である白金ビニル
シロキサン錯体を含有している。
【0234】
【化38】 (合成例3)1Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、冷却
管、滴下漏斗をセットした。このフラスコにトルエン1
50g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白
金として3wt%含有)15.6μL、1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサン500gを加え
てオイルバス中で70℃に加温、攪拌した。ビスフェノ
ールAジアリルエーテル64gをトルエン40gで希釈
して滴下漏斗から滴下した。同温で60分攪拌後放冷
し、ベンゾチアゾール4.74mgを添加した。未反応
の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサ
ンおよびトルエンを減圧留去した。1H−NMRにより
このものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサンのSiH基の一部がビスフェノールAジアリ
ルエーテルと反応したものであることがわかった(反応
物Cと称する)。また、1,2−ジブロモメタンを内部
標準に用いて1H−NMRによりSiH基の含有量を求
めたところ、7.51mmol/gのSiH基を含有し
ていることがわかった。生成物は混合物であるが、本発
明の(B)成分である下記のものを主成分として含有し
ている。また、本発明の(C)成分である白金ビニルシ
ロキサン錯体を含有している。
【0235】
【化39】 (合成例4)1Lの四つ口フラスコに、磁気攪拌子、滴
下漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン
200g、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサン200gを入れ、窒素雰囲気下オイルバス中
で50℃に加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル
95.0g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液
(白金として3wt%含有)31.5μL、トルエン5
0gの混合物を滴下漏斗から、30分かけて滴下した。
1時間同温で加熱した後、未反応の1、3、5、7−テ
トラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減
圧留去した。1H−NMRによりこのものは1、3、
5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH
基の一部がアリルグリシジルエーテルとヒドロシリル化
反応したものであることがわかった(反応物Dと称す
る)。また、1,2−ジブロモメタンを内部標準に用い
1H−NMRによりSiH基の含有量を求めたとこ
ろ、6.63mmol/gのSiH基を含有しているこ
とがわかった。生成物は混合物であるが、本発明の
(B)成分である下記のものを主成分として含有してい
る。また、本発明の(C)成分である白金ビニルシロキ
サン錯体を含有している。
【0236】
【化40】 (実施例1〜10、比較例1)(A)成分としてSiH
基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少
なくとも2個含有する各種の有機化合物を用い、(B)
成分として合成例1〜5で合成した反応物A〜Eを用
い、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体を用
い、表に示した配合で封止剤を作成した。
【0237】これらの封止剤を用いて粘度、隙間浸透時
間、硬化中の重量減少、ゲル化時間、接着性を測定し
た。
【0238】これらの封止剤を軟膏缶に3mmの深さと
なるように入れ、表に示した硬化条件で段階的に加熱を
行い硬化物を得た。この硬化物を用いて引張破断伸び、
Tg、抽出イオン含有量を測定した。
【0239】
【表1】 粘度:E型粘度計によって23℃での粘度を測定した。
【0240】隙間浸透時間:アルミ箔スペーサーを2枚
のガラス板で挟み込んで、図1のように15mm幅で長
さ1.8cmの50μm厚みの隙間を作成した。このも
のをホットプレート上に静置して設定温度に調整した
後、隙間の一辺に封止剤を垂らしてから一辺から1cm
の位置に浸透した封止剤が到達するまでの時間を測定し
た。
【0241】硬化中の重量減少:熱重量分析装置を用い
て封止剤約10mgを室温から150℃まで10℃/分
の昇温速度で昇温して、減少した重量の初期重量の割合
として求めた。
【0242】ゲル化時間:設定温度に調整したホットプ
レート上に厚み50μmのアルミ箔を置き、その上に封
止剤約100mgを垂らしてゲル化するまでの時間を測
定した。
【0243】引張破断伸び:厚さ3mmの板状硬化物よ
り6×55×3mmの短冊を切り出し、r=1.0mm
深さ1mmのUノッチを長辺方向の中央付近に両側より
刻み図2のような試験片とした。23℃50%RHの環
境下に置かれたオートグラフを用いて、チャック間距離
を15mmとし、試験片のUノッチ部がチャック間の中
央付近になるようにその両端をチャックで挟み、1mm
/分の速度で引張り試験を行なった。このときの試験片
が破断するまでの変位をチャック間距離で除して引張破
断伸びとした。
【0244】硬化物のTg:3mmx5mmx30mm
の角柱状試験片を用いて引張りモード、測定周波数10
Hz、歪0.1%、静/動力比1.5、昇温側度5℃/
分の条件にて測定した動的粘弾性測定(アイティー計測
制御社製DVA−200使用)のtanδのピーク温度
により求めた。
【0245】抽出イオン含有量:裁断した硬化物約1g
を超純水50mlとともにテフロン(R)製容器に入れて
密閉し、121℃、2気圧、20時間の条件で処理し
た。得られた抽出液をICP質量分析法(横河アナリテ
ィカルシステムズ社製HP−4500使用)によって分
析し、得られたNaおよびKの含有量の値を、用いた硬
化物中の濃度に換算して求めた。一方同じ抽出液をイオ
ンクロマト法(ダイオネクス社製DX−500使用、カ
ラム:AS12−SC)によって分析し、得られたCl
およびBrの含有量の値を、用いた硬化物中の濃度に換
算して求めた。以上のように得られたNa、K、Cl、
Brの硬化物中の含有量を合計して抽出イオン含有量と
した。
【0246】接着性:作成した封止剤をガラス板上に1
00μmの厚みに塗布し、120℃/1時間の条件で加
熱硬化させた。得られた塗膜をJISK5400に規定
されている方法によって碁盤目テープ法で接着性を調べ
た。碁盤目としては1mm角の10x10のマスを用
い、剥がれたマスがあったものを×、全くはがれなかっ
たものを○とした。
【0247】また、これらの封止剤を隙間浸透時間測定
に用いた50μmの隙間に充填したものを、150℃の
熱風オーブン中で10分間加熱したところ硬化物となっ
た。
【0248】
【発明の効果】本発明の封止剤は高い接着性を有し、低
粘度、低温速硬化性であり封止剤として優れた特性を有
している。従って、これを用いて実用性の高い半導体装
置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る隙間への浸透時間の測定に用いる
冶具の斜視図である。
【図2】本発明に係る封止剤を硬化させて得られる硬化
物の引張破断伸びを測定するための試験片の斜視図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 (72)発明者 井手 正仁 大阪府摂津市鳥飼西5丁目2−23浩然寮D 202 Fターム(参考) 4J002 AF022 BK002 CC032 CD002 CP041 DA067 DE197 ED056 EF019 EF069 EF119 EF129 EH076 EH106 EU196 EY018 EZ007 FD149 FD342 GQ01 4M109 AA01 BA03 CA04 EA02 EB02 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB11 EB18 EC05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭
    素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化
    合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含
    有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)接着
    付与剤、を必須成分として含有することを特徴とする封
    止剤。
  2. 【請求項2】(D)成分が、分子中にエポキシ基を含有
    する化合物である、請求項1に記載の封止剤。
  3. 【請求項3】さらに(E)成分としてシラノール縮合触
    媒を含有する、請求項2に記載の封止剤。
  4. 【請求項4】(E)成分のシラノール縮合触媒が、ボロ
    ン系化合物あるいは/およびアルミニウム系化合物ある
    いは/およびチタン系化合物である請求項3に記載の封
    止剤。
  5. 【請求項5】さらに(F)成分としてカルボン酸類ある
    いは/および酸無水物類を含有する、請求項2乃至4の
    いずれか一項に記載の封止剤。
  6. 【請求項6】半導体を封止するために用いられる請求項
    1乃至5のいずれか一項に記載の封止剤。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の封止剤からなるアンダー
    フィル。
  8. 【請求項8】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の封
    止剤によって電子部品、電気回路、あるいは電気接点を
    封止することを特徴とする電子部品、電気回路、電気接
    点の封止方法。
  9. 【請求項9】請求項6に記載の封止剤あるいは請求項7
    に記載のアンダーフィルによって半導体を封止すること
    を特徴とする半導体の封止方法。
  10. 【請求項10】請求項6に記載の封止剤あるいは請求項
    7に記載のアンダーフィルによって半導体を封止するこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項6に記載の封止剤あるいは請求項
    7に記載のアンダーフィルによって半導体が封止されて
    なる半導体装置。
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