JP4499339B2 - 硬化性組成物、硬化物およびそれらの製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性組成物に関するものであり、更に詳しくは高い反応性を有するために容易に製造でき、貯蔵安定性が良好であり、かつ低粘度で作業性に優れる硬化性組成物、それを硬化させてなる硬化物、およびそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有する化合物と、SiH基を含有する化合物とからなる硬化性組成物が種々提案されている。それらの中で、環内に炭素−炭素二重結合を有する化合物を用いた部分反応物も提案されている(特開平1−126336号公報、特開平5−295270号公報)。ただし、環内の炭素−炭素二重結合は一般的にヒドロシリル化反応性が低いため、製造のために多量のヒドロシリル化触媒を必要としたり、反応温度として高温が必要とされたりするため、その製造は必ずしも容易ではない。
【0003】
また、ヒドロシリル化反応性の高いアリル基等の炭素−炭素二重結合を有する化合物を用いた部分反応物も提案されている(特開2001−98248号公報)。ただし、アリル基等がヒドロシリル化反応性が高いために得られた部分反応物が保存中にさらに反応しやすいため、一般に貯蔵安定性が良くない。
【0004】
一方、炭素−炭素二重結合を含有する化合物と、SiH基を含有する化合物との相溶性を向上させるため、SiH基を含有する化合物として、炭素−炭素二重結合を含有する化合物とSiH基を含有するポリシロキサン類との反応物を使用することも提案されている(特許第2978526号公報、特開2001−89485号公報)。ただし、炭素−炭素二重結合を含有する化合物とSiH基を含有するポリシロキサン類との反応物は含有する炭素−炭素二重結合のほぼ全てを反応させるため、一般に高粘度となりやすくそれを用いて作成した硬化性組成物の作業性が悪くなりやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、容易に製造でき、貯蔵安定性が良好であり、かつ低粘度で作業性に優れる硬化性組成物、それを硬化させてなる硬化物、およびそれらの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために本発明者らは鋭意研究の結果、ヒドロシリル化反応性が比較的高い基と、ヒドロシリル化反応性が比較的低い基との両者を含有する化合物を用いて、ヒドロシリル化反応性が比較的高い基を選択的にあらかじめヒドロシリル化反応させて硬化性組成物とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。尚、上記説明は本発明の思想を説明するものであり、本発明を限定するものではない。
すなわち、本発明は、
【0007】
4−ビニルシクロヘキセン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、テトラヒドロフタル酸ジアリルおよびテトラヒドロフタル酸ビスアリロキシエチルエステルからなる群から選択される少なくとも1種(A)と、下記一般式(II)
【0008】
【化11】
【0009】
(式中、R 2 は炭素数1〜6の炭化水素基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサン(B)と、をヒドロシリル化触媒(C)の存在下に部分的にヒドロシリル化反応させて得られる、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合およびSiH基を含有する硬化性化合物(請求項1)であり、
【0010】
(A)成分中の一般式(I)
【0011】
【化12】
(式中R 1 は水素原子を表す。)で表される一価の基あるいは/および下記式
【0012】
【化13】
【0013】
で表される二価の基の50%以上がヒドロシリル化反応しており、かつ
(A)成分中の下記式
【0014】
【化14】
【0015】
で表されSiH基と反応性を有する二価の基の50%未満がヒドロシリル化反応している請求項1に記載の硬化性化合物(請求項2)であり、
【0016】
硬化性化合物中に含まれるSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合のモル数(X)と、硬化性化合物中に含まれるSiH基のモル数(Y)との比が、3≧Y/X≧0.3である請求項1あるいは2に記載の硬化性化合物(請求項3)であり、
【0017】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性化合物、および、ヒドロシリル化触媒、を含有する、硬化性組成物(請求項4)である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
((A)成分)
まず、本発明における(A)成分について説明する。
【0019】
(A)成分は、下記一般式(I)
【0020】
【化18】
(式中R1は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される一価の基あるいは/および下記式
【0021】
【化19】
で表される二価の基を1分子中に少なくとも1個含有し、かつ下記式
【0022】
【化20】
で表され、かつSiH基と反応性を有する二価の基を1分子中に少なくとも1個含有する有機化合物である。
【0023】
有機化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むものであることが好ましい。シロキサン単位を含むものの場合は、ガス透過性やはじきの問題がある。
【0024】
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
【0025】
(A)成分の有機化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
【0026】
有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
【0027】
また有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0028】
(A)成分の下記一般式(I)
【0029】
【化21】
(式中R1は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される一価の基あるいは/および下記式
【0030】
【化22】
で表される二価の基としては特に限定されないが、よりヒドロシリル化反応性が高く硬化性組成物の製造が容易になりやすいという点においては、下記一般式(I)
【0031】
【化23】
(式中R1は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される一価の基であることが好ましく、下記式
【0032】
【化24】
で表される一価の基であることがより好ましい。
【0033】
(A)成分の有機化合物の例としては、4−ビニルシクロヘキセン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、テトラヒドロフタル酸ジアリル、テトラヒドロフタル酸ビスアリロキシエチルエステル、オクタ−5−エニルビニルジメチルシラン等が挙げられる。
【0034】
(A)成分としては、耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.001mol以上含有するものが好ましく、1gあたり0.005mol以上含有するものがより好ましく、0.008mol以上含有するものがさらに好ましい。
【0035】
(A)成分としては、力学的耐熱性が高いという観点および原料液の糸引き性が少なく成形性、取扱い性が良好であるという観点からは、分子量が900未満のものが好ましく、700未満のものがより好ましく、500未満のものがさらに好ましい。
【0036】
(A)成分としては、他の成分との均一な混合、および良好な作業性を得るためには、粘度としては23℃において1000ポイズ未満のものが好ましく、300ポイズ未満のものがより好ましく、30ポイズ未満のものがさらに好ましい。粘度はE型粘度計によって測定することができる。
【0037】
(A)成分としてはその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0038】
(A)成分は、単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
((B)成分)
次に、(B)成分であるSiH基を有する化合物について説明する。
【0039】
本発明の(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物である。
【0040】
(B)成分については1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に制限がなく、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
【0041】
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましく、(A)成分との相溶性が良いという観点からは、さらに、下記一般式(II)
【0042】
【化25】
(式中、R2は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0043】
一般式(II)で表される化合物中の置換基R2は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
【0044】
一般式(II)で表される化合物としては、入手容易性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
【0045】
(B)成分の分子量は特に制約はなく任意のものが好適に使用できるが、より流動性を発現しやすいという観点からは低分子量のものが好ましく用いられる。具体的には、分子量が50〜100,000のものが好ましく、50〜1,000のものがより好ましく、50〜700のものがさらに好ましい。
【0046】
(B)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
【0047】
(B)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンを、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であってもよい。この場合硬化性組成物を製造する際、(A)成分との相溶性が良くなりやすい。
((A)成分と(B)成分の混合)
(A)成分と(B)成分の組合せについては(A)成分の例として挙げたものおよびそれらの各種混合物/(B)成分の例として挙げたものおよびそれらの各種混合物、の各種組み合わせを挙げることができる。
【0048】
(A)成分と(B)成分の混合比率は、必要な強度を失わない限りは特に限定されないが、(B)成分中のSiH基の数(Y)の(A)成分中の炭素−炭素二重結合の数(X)に対する比において、好ましい範囲の下限はY/X≧0.3、より好ましくはY/X≧0.5、さらに好ましくはY/X≧0.7であり、好ましい範囲の上限は3≧Y/X、より好ましくは2≧Y/X、さらに好ましくは1.5≧Y/Xである。好ましい範囲からはずれた場合には十分な強度が得られなかったり、熱劣化しやすくなる場合がある。
((C)成分)
次に(C)成分であるヒドロシリル化触媒について説明する。
【0049】
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
【0050】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
【0051】
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0052】
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(B)成分のSiH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限は(B)成分のSiH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
【0053】
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。(混合)
(A)成分、(B)成分、(C)成分の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、封止材の中間原料の貯蔵安定性が良好になりやすいという点においては、(A)成分に(C)成分を混合したものと、(B)成分を混合する方法が好ましい。(B)成分に(C)成分を混合したものに(A)成分を混合する方法をとる場合は、(C)成分存在下あるいは/および非存在下において(B)成分が環境中の水分と反応性を有するため、貯蔵中等に変質することもある。
(添加剤)
(硬化遅延剤)
本発明の硬化性組成物にはの保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
【0054】
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
【0055】
硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10-1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は103モル、より好ましくは50モルである。
【0056】
また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(接着性改良剤)
本発明の組成物には、接着性改良剤を添加することもできる。接着性改良剤としては一般に用いられている接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、エポキシ化合物、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
【0057】
カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
【0058】
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
【0059】
シランカップリング剤の添加量としては種々設定できるが、[(A)成分+(B)成分]100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは0.5重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0060】
エポキシ化合物としては、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。
【0061】
エポキシ化合物の添加量としては種々設定できるが、[(A)成分+(B)成分]100重量部に対しての好ましい添加量の下限は1重量部、より好ましくは3重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0062】
また、これらのカップリング剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物等は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0063】
また、本発明においてはカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、さらにシラノール縮合触媒を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。このようなシラノール縮合触媒としては特に限定されないが、アルミニウム系化合物および/あるいはチタン系化合物が好ましい。シラノール縮合触媒となるアルミニウム系化合物としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、sec−ブトキシアルミニウムジイソフロポキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシド類:、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミキレートM(川研ファインケミカル製、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムキレート類等が例示でき、取扱い性の点からアルミニウムキレート類がより好ましい。シラノール縮合触媒となるチタン系化合物としては、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類:チタンテトラアセチルアセトナート等のチタンキレート類:オキシ酢酸やエチレングリコール等の残基を有する一般的なチタネートカップリング剤が例示できる。
【0064】
シラノール縮合触媒を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/およびエポキシ化合物エポキシ化合物100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0065】
また、これらのシラノール縮合触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0066】
また、本発明においては接着性改良効果をさらに高めるために、さらにシラノール源化合物を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。ここでいうシラノール源化合物とはシラノール基あるいは加水分解等によりシラノール基を生成する基を含有する化合物のことをいう。
【0067】
このようなシラノール源としては、例えばトリフェニルシラノール、ジフェニルジヒドロキシシラン等のシラノール化合物、ジフェニルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン類等を挙げることができる。
【0068】
シラノール源化合物を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/およびエポキシ化合物エポキシ化合物100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0069】
また、これらのシラノール源化合物は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0070】
本発明においてはカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、カルボン酸類あるいは/および酸無水物類を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。このようなカルボン酸類、酸無水物類としては特に限定されないが、
【0071】
【化26】
2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、水素化メチルナジック酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの単独あるいは複合酸無水物が挙げられる。
【0072】
これらのカルボン酸類あるいは/および酸無水物類のうち、ヒドロシリル化反応性を有し硬化物からの染み出しの可能性が少なく得られる硬化物の物性を損ない難いという点においては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するものが好ましい。好ましいカルボン酸類あるいは/および酸無水物類としては、例えば、
【0073】
【化27】
テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸およびそれらの単独あるいは複合酸無水物等が挙げられる。
【0074】
カルボン酸類あるいは/および酸無水物類を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/およびエポキシ化合物エポキシ化合物100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは10重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0075】
また、これらのカルボン酸類あるいは/および酸無水物類は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(熱硬化性樹脂)
本発明の硬化性組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱硬化性樹脂を添加することも可能である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂等が例示されるがこれに限定されるものではない。これらのうち、接着性等の実用特性に優れるという観点から、エポキシ樹脂が好ましい。
【0076】
エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させるものが挙げられる。これらのエポキシ樹脂あるいは硬化剤はそれぞれ単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
【0077】
熱硬化性樹脂の添加量としては特に限定はないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好ましくは30重量%である。添加量が少ないと、接着性等目的とする効果が得られにくいし、添加量が多いと脆くなりやすい。
【0078】
これらの熱硬化性樹脂は単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
【0079】
熱硬化樹脂は樹脂原料あるいは/および硬化させたものを、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱硬化性樹脂を(A)成分あるいは/および(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態あるいは/および混合状態としてもよい。
【0080】
熱硬化性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
本発明の硬化性組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
【0081】
熱可塑性樹脂としては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/およびSiH基を有していてもよい。得られる硬化物がより強靭となりやすいという点においては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/およびSiH基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0082】
熱可塑性樹脂としてはその他の架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0083】
熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定はないが、(A)成分や(B)成分との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
【0084】
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好ましくは30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなりやすいし、多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなりやすい。
【0085】
熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
【0086】
熱可塑性樹脂は(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を(A)成分あるいは/および(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態あるいは/および混合状態としてもよい。
【0087】
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
(充填材)
本発明の組成物には充填材を添加してもよい。
【0088】
充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系充填材、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、無機バルーン等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用あるいは/および提案されている充填材等を挙げることができる。
【0089】
充填材としては、封止する半導体や電子材料へダメージを与え難いという観点からは、低放射線性であることが好ましい。
【0090】
充填材は適宜表面処理してもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、カップリング剤による処理等が挙げられる。
【0091】
この場合のカップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
【0092】
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
【0093】
その他にも充填材を添加する方法が挙げられる。例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明の組成物に添加して、組成物中あるいは組成物の部分反応物中で反応させ、組成物中で充填材を生成させる方法も挙げることができる。
【0094】
以上のような充填材のうち硬化反応を阻害し難く、線膨張係数の低減化効果が大きいという観点からは、シリカ系充填材が好ましい。
【0095】
充填材の平均粒径としては、封止材の狭い隙間への浸透性が良好となりやすいという点においては、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
【0096】
充填材の粒径50μm以上の粒子の割合としては、封止材の狭い隙間への浸透性が良好となりやすいという点においては、1重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であることがより好ましい。
【0097】
充填材の粒径分布については、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、24μm以上の粒子が15重量%以上かつ1μm以下の粒子が3重量%以上となるようにしてもよい。
【0098】
充填材の平均粒子径、充填材の粒径50μm以上の粒子の割合はレーザー法マイクロトラック粒度分析計を用いて測定することができる。
【0099】
充填材の比表面積についても、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、4m2/g以上、4m2/g以下、10m2/g以下等、任意に設定できる。
【0100】
比表面積はBET法モノソーブ比表面積測定装置によって測定できる。
【0101】
充填材のガラス化率についても、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、97%以上等、任意に設定できる。
【0102】
充填材の形状としては、封止材の粘度が低くなりやすい観点からは、球状の充填材であることが好ましい。
【0103】
充填材は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0104】
充填材の添加量はとくに限定されないが、線膨張係数の低減化効果が高く、かつ組成物の流動性が良好であるという観点から、好ましい添加量の下限は全組成物中の30重量%、より好ましくは50重量%であり、好ましい添加量の上限は全組成物中の80重量%、より好ましくは70重量%である。
【0105】
充填材の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、組成物の中間原料の貯蔵安定性が良好になりやすいという点においては、(A)成分に(C)成分および充填材を混合したものと、(B)成分を混合する方法が好ましい。(B)成分に(C)成分あるいは/および充填材を混合したものに(A)成分を混合する方法をとる場合は、(C)成分存在下あるいは/および非存在下において(B)成分が環境中の水分あるいは/および充填材のと反応性を有するため、貯蔵中等に変質することもある。
(老化防止剤)
本発明の硬化性組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、一般に用いられている老化防止剤、たとえばクエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
【0106】
また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(ラジカル禁止剤)
本発明の硬化性組成物にはラジカル禁止剤を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。
【0107】
また、これらのラジカル禁止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(紫外線吸収剤)
本発明の硬化性組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。
【0108】
また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、その他、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、イオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
(溶剤)
本発明の硬化性組成物は溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
【0109】
溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。
【0110】
使用する溶媒量は適宜設定できるが、用いる硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
【0111】
これらの、溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
(硬化性組成物の製造)
本発明の硬化性組成物は、あらかじめ混合し(A)成分と、(B)とを、(C)成分の存在下に部分的にヒドロシリル化反応させることによって製造することができる。
【0112】
反応させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、製造が容易であるという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
【0113】
反応温度としては種々設定できるが、好ましい温度の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度の上限は300℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと反応の実施が困難となりやすい。
【0114】
反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
【0115】
反応時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が均一な硬化性組成物が得られやすいという点において好ましい。
【0116】
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。
【0117】
また、反応させた後に、さらに揮発分を除去してもよい。揮発分の除去は常圧あるいは減圧状態において室温下あるいは加熱下に保持することによってできる。また、エバポレータや薄膜蒸発装置によって除去しても良い。
【0118】
さらに、反応させた後に、(C)成分であるヒドロシリル化触媒を除去してもよい。ヒドロシリル化触媒の除去は、例えば、シリカ、シリカゲル、アルミナ、イオン交換樹脂、活性炭、ケイ酸アルミニウム、タルク、活性白土、セライト、ゼオライト等と攪拌処理、カラム処理する方法、又は中性乃至弱酸性の水溶液で水洗する方法等が挙げられる。
【0119】
貯蔵安定性をさらに改良するために、反応後に上記した硬化遅延剤を添加してもよい。
【0120】
部分的に反応させる場合の、反応率については、種々設定できるが、(A)成分中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合のヒドロシリル化反応率として好ましい反応率の下限は20%、より好ましくは40%であり、好ましい反応率の上限は80%、より好ましくは60%である。反応率が低い場合には得られる硬化性組成物が非相溶となりやすく、揮発分を除去した後の製品取得率が低くなりやすい。また、反応率が高い場合には得られる硬化性組成物が高粘度となり作業性が悪くなりやすい。
【0121】
この場合反応率は以下のように求められる。硬化性組成物のNMR測定によりSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合に直接結合した各水素原子の積分値を求め、それらを合計することによりSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数(M)とする。同じく硬化性組成物のNMR測定によりヒドロシリル化反応によって生成したシリル基のα位に結合した水素原子の積分値を求め、それらを合計することによりSiH基と反応した炭素−炭素二重結合の数(N)とする。これらより(N/(M+N))×100を計算して反応率(%)とする。(硬化性組成物性状)
本発明の硬化性組成物としては、(A)成分由来の一般式(I)
【0122】
【化28】
(式中R1は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される一価の基あるいは/および下記式
【0123】
【化29】
で表される二価の基の50%以上がヒドロシリル化反応しいることが好ましく、80%以上がヒドロシリル化反応していることがより好ましい。反応しているものの割合が低いと貯蔵安定性が悪くなりやすい。
【0124】
また、(A)成分由来の下記式
【0125】
【化30】
で表され、かつSiH基と反応性を有する二価の基の50%未満がヒドロシリル化反応していることが好ましく、20%未満がヒドロシリル化反応していることがより好ましい。反応しているものの割合が高いと得られる硬化性組成物の粘度が高くなりやすく作業性が悪くなりやすい。
【0126】
これらの場合の反応しているものの割合は上記反応率の場合と同様にして測定することができる。
【0127】
硬化性組成物中に含まれるSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合のモル数(X)と、硬化性組成物中に含まれるSiH基のモル数(Y)との比については、好ましい比率の上限は3≧Y/X、より好ましくは2≧Y/X、さらに好ましくは1.5≧Y/Xであり、好ましい比率の下限はY/X≧0.3、より好ましくはY/X≧0.5、さらに好ましくはY/X≧0.7である。比率が高いあるいは低いと十分に硬化できず、硬化物の耐熱性、力学特性が低下しやすい。
【0128】
本発明の硬化性組成物としては、作業性が良好であるという点においては、硬化性組成物の粘度として、23℃において1Pa・s以下であることが好ましく、0.4Pa・s以下であることがより好ましく、0.1Pa・s以下であることがさらに好ましく、0.05Pa・s以下であることが特に好ましい。
【0129】
粘度の温度依存性(チクソ性)についても種々のものが使用できる。
【0130】
粘度はE型粘度計によって測定することができる。
【0131】
硬化性組成物の硬化性については、任意に設定できるが、120℃におけるゲル化時間が600秒以内であることが好ましく、150秒以内であることがより好ましい。また、150℃におけるゲル化時間が60秒以内であることが好ましく、30秒以内であることがより好ましい。硬化性が遅い場合には硬化性組成物としての作業性が悪くなる。逆に速い場合には貯蔵安定性が悪くなりやすい場合もある。
【0132】
この場合のゲル化時間は、以下のようにして調べられる。設定温度に調整したホットプレート上に厚み50μmのアルミ箔を置き、その上に硬化性組成物100mgを垂らしてゲル化するまでの時間を測定してゲル化時間とする。
(硬化)
本発明の硬化性組成物は、あらかじめ混合し硬化性組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部およびを反応させることによって硬化させて、硬化物を得ることができる。
【0133】
硬化性組成物を反応させて硬化させる場合において、(A)、(B)、(C)各成分の必要量を一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混合した後反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用により組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ化)させてから成形等の処理を行いさらに硬化させる方法をとることもできる。これらの方法によれば成形時の粘度調整が容易となる。
【0134】
硬化させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
【0135】
硬化温度としては種々設定できるが、好ましい温度の下限は30℃、より好ましくは100℃であり、好ましい温度の上限は300℃、より好ましくは200℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやすい。
【0136】
硬化は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。
【0137】
硬化時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。
【0138】
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。場合によって発生する揮発分を除きやすい、細部への充填性が良好であるという点においては、減圧状態で硬化させることが好ましい。
【0139】
硬化性組成物が使用される製造工程において、硬化性組成物中へのボイドの発生および硬化性組成物からのアウトガスによる工程上の問題が生じ難いという観点においては、硬化中の重量減少が5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
【0140】
硬化中の重量減少は以下のように調べられる。熱重量分析装置を用いて硬化性組成物10mgを室温から150℃まで10℃/分の昇温速度で昇温して、減少した重量の初期重量の割合として求めることができる。
【0141】
また、電子材料へのシリコーン汚染の問題を起こし難いという点においては、この場合の揮発成分中のSi原子の含有量が1%以下であることが好ましい。
(硬化物性状)
耐熱性が良好であるという観点からは、硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物のTgが100℃以上となるものが好ましく、150℃以上となるものがより好ましい。
【0142】
一方で、低応力であり、耐熱応力性が高いという観点からは、硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物のTgが100℃未満であるものが好ましく、80℃以下であるものがより好ましい。
この場合、Tgは以下のようにして調べられる。3mmx5mmx30mmの角柱状試験片を用いて引張りモード、測定周波数10Hz、歪0.1%、静/動力比1.5、昇温側度5℃/分の条件にて測定した動的粘弾性測定(アイティー計測制御社製DVA−200使用)のtanδのピーク温度をTgとする。
(用途)
本発明の硬化性組成物、硬化物は各種の用途に使用できる。
【0143】
用途としてはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、光学材料、電子材料、封止剤、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
【0144】
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤も挙げられる。
【0145】
塗料、コーティング剤についても土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用、電子材料用等各種用途向けのものが挙げられる。
(光学材料)
光学材料としては、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザー等の光をその材料中を通過させる用途に用いる材料一般のものが挙げられる。
【0146】
例えば、カラーフィルター保護膜、TFT平坦化膜、基板材料のような液晶表示装置に用いられる材料や、封止剤、ダイボンド剤等の発光ダイオード(LED)に用いられる材料が挙げられる。
【0147】
さらに、液晶ディスプレイ分野における基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、偏光子保護フィルム、カラーフィルター等やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0148】
また、LED表示装置に使用されるLED素子のモールド剤、LEDの封止剤、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0149】
また、カラーPDP(プラズマディスプレイ)の反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料等やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。また、プラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、偏光子保護フィルムやそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。また、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。また、フィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0150】
その他、光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルムやそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0151】
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。また、ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダーやそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。また、プロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルムやそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。光センシング機器のレンズ用材料、各種フィルムやそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0152】
光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルールやそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0153】
光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイド等、工業用途のセンサー類、表示・標識類等、また通信インフラ用及び家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバーやそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0154】
半導体集積回路周辺材料では、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料も挙げられる。
【0155】
自動車・輸送機分野では、自動車用ヘッドランプ・テールランプ・室内ランプ等のランプ材料、ランプリフレクタ、ランプレンズ、外装板・インテリアパネル等の各種内外装品、ガラス代替品やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。また、鉄道車輌用の外装部品、ガラス代替品やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。また、航空機の外装部品、ガラス代替品やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0156】
建築分野では、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0157】
農業用では、ハウス被覆用フィルムも挙げられる。
【0158】
次世代の光・電子機能有機材料としては、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤やそれらに用いられる各種コーティング剤、保護膜、封止剤、接着剤等も挙げられる。
(電子材料)
電子材料としては、電気・電子用途一般に用いられる材料が挙げられる。
【0159】
例えば、半導体周辺材料、回路基板周辺材料、液晶等の表示装置周辺材料、各種電池周辺材料等の他、有機EL(エレクトロルミネッセンス)周辺材料、光通信、光回路周辺材料、光記録周辺材料等も含む。
【0160】
半導体周辺材料としては、半導体前工程に使用される層間絶縁膜、レジスト、パッシベーション膜、ジャンクションコート膜、バッファコート膜等の各種保護膜、半導体後工程に使用されるダイボンド剤、ダイボンドフィルム、アンダーフィル、異方導電性接着剤(ACP)、異方導電性フィルム(ACF)、ダイオード・水晶振動子等の接続等に用いられる導電性接着剤、熱伝導性接着剤、封止剤の他、仮止め、固定用フィルム等が挙げられる。この場合半導体とは各種のものを含み、例えば、トランジスタ、ダイオード等の素子、半導体レーザー、発光ダイオード等の発光素子、光センサー等の受光素子、太陽電池、メモリー、論理回路等のIC、LSI等が挙げられる。具体的には、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSI、センサー等のダイボンド剤やポッティング、ディッピング、トランスファーモールド、コーティング、スクリーン印刷等による封止剤、IC、LSI類のCOB、COF、TAB等といったポッティング封止剤、フリップチップ等のアンダーフィル、BGA、CSP等のICパッケージ類実装時の封止剤(補強用アンダーフィル)、スタックドIC用のダイボンドフィルム、ウェハレベルCSP用の封止剤、ハンダ代替接続材料等を挙げることができる。
【0161】
回路基板周辺材料としては、例えば、片面・両面・多層のリジッドプリント基板・フレキシブルプリント基板材料・ビルドアップ基板や樹脂付き銅箔の層間絶縁材、基板と銅箔の接着剤、レジスト、ビアホールの穴埋め剤、基板の保護コーティング剤、基板と素子や基板と基板や基板とケーブル等の接点保護(コーティング)剤、ソルダーレジスト等が挙げられる。基板の用途としてもマザーボード用、BGA・CSP・MCM等のインターポーザー用の他、可動部分等の接続用や液晶接続用等の周辺部品も含まれる。また、メンブレンスイッチ等に用いられる導電ペーストも挙げられる。
【0162】
液晶等の表示装置周辺材料としては、例えば、基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム、反射防止フィルム、カラーフィルター、ブラックマトリックス、カラーフィルタ保護膜(平坦化膜)、TFTの保護膜(平坦化膜)等の液晶用フィルム、コーティング剤、接着剤等が挙げられる。また、次世代フラットパネルディスプレイとして期待されるカラーPDP(プラズマディスプレイ)の封止剤、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤が挙げられる。さらに、発光ダイオード表示装置に使用される発光素子のモールド材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤等が挙げれれる。その他、プラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム、フィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤等が挙げられる。
【0163】
各種電池周辺材料としては、例えば、太陽電池の基板材料、保護コーティング剤、封止剤、リチウムイオン電池、燃料電池等のセパレータ、封止剤、保護剤等が挙げられる。
【0164】
有機EL(エレクトロルミネッセンス)周辺材料としては、基板材料、各種保護コーティング剤、保護フィルム、接着剤等が挙げられる。
【0165】
光通信、光回路周辺材料としては、光電子集積回路、光スイッチ、光コネクタ等に用いられる基板材料、ファイバー材料、レンズ、導波路、封止剤、接着剤、フェルール等が挙げられる。
【0166】
光記録周辺材料としては、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用等のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤等が挙げられる。
【0167】
その他、次世代の光・電子機能有機材料として、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤等が挙げられる。
【0168】
さらに自動車の電子部品周辺の保護剤、コーティング剤、封止剤、接着剤等も挙げられる。
【0169】
その他、当該用途に用いられている他樹脂等への添加剤等も挙げられる。
(封止剤)
封止剤としては、半導体、電子部品、電子回路、あるいは電気接点の封止剤等が挙げられる。
【0170】
この場合、半導体としては通常のシリコンをベースとしたもののみではなく、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、亜鉛等種々の金属をベースとしたものを含む。その他、有機半導体も含む。素子としてはトランジスタ、抵抗、ダイオード等の他、発光ダイオード、半導体レーザー等の発光素子や、各種センサー等の受光素子、さらには太陽電池等も含む。また、メモリー、論理回路などの各種IC、LSI等も含まれる。半導体の形状としても通常の平板状、ブロック状のものの他、薄膜状、ボール状のもの(ボールセミコンダクター)のもの等も含まれる。半導体大きさについても種々適用可能であり、例えば0.3mm角のような小さなものから、25mm角あるいは100mm角のような大型のものでもよい。その他半導体上に設けられたパッシベーション膜等の保護膜や、ハンダバンプ、金バンプ、アルミパッド等の接続部位等についても適宜設定できる。
【0171】
電子部品としてはライバックトランス、コンデンサ等の他、自動車周辺電子部品、液晶周辺電子部品、電池周辺電子部品、有機EL(エレクトロルミネッセンス)周辺電子部品、光記録周辺電子部品等も含む。 自動車周辺電子部品としては、例えば、イグニッションコイル、燃料供給等の各種電子制御用の電子部品、計器部品、照明部品等が挙げられる。液晶周辺電子部品としては、例えば、偏光子、カラーフィルター、TFTのトランジスタ、透明導電膜、液晶等の他、液晶表示装置も含まれる。電池周辺電子部品としては、例えば、太陽電池基板、リチウムイオン電池、燃料電池等が挙げられる。有機EL(エレクトロルミネッセンス)周辺電子部品としては、有機EL基板等が挙げられる。光記録周辺電子部品としては、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用等のディスク基板、発光部品、ピックアップレンズ、受光部品等が挙げられる。
【0172】
電気回路としては、リジッドプリント基板、フレキシブルプリント基板、ビルドアップ基板の他光電子回路等が挙げられる。
【0173】
電気接点としては基板とケーブルの接続点、ケーブルとケーブルの接続点あるいは基板同士の接続点、基板と素子の接続点、ケーブルと素子の接続点などが挙げられる。
【0174】
封止する方法もエポキシ系等の従来の封止材の封止方法として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、種々の方法をとることができる。例えば、キャスティング、ポッティング、ディッピング、プレス、コーティング、あるいはスクリーン印刷によって封止することもできるし、トランスファーモールドなどのようにモールディング封止することもできる。また、ディスペンスした後隙間に浸透させる方法(アンダーフィル)によっても封止することができる。
【0175】
封止時に必要に応じ各種処理を施すこともできる。例えば、封止時に発生するボイドの抑制のために封止剤あるいは一部反応させた封止剤を遠心、減圧などにより脱泡する処理などを適用することもできるし、封止した後に脱泡することもできる。
【0176】
封止する際の圧力条件も種々設定でき、常圧、減圧、加圧いずれの方法も適用できる。アンダーフィル等隙間に浸透させる場合や、微細部位への浸透性を高めたい場合等には減圧で実施することが有効であることがある。圧力は一定でもよいし、必要に応じて経時的に連続あるいは段階的に変化させてもよい。
【0177】
封止する場合の温度も種々設定できる。アンダーフィル等隙間に浸透させる場合や、微細部位への浸透性を高めたい場合等には加温状態で実施することが有効であることがある。この場合例えば、50℃〜200℃の温度が適用できる。温度は一定でもよいし、必要に応じて経時的に連続あるいは段階的に変化させてもよい。
【0178】
以下に封止剤の具体的な例を挙げるが、本発明の封止剤用途はこれに限定されるものではない。
【0179】
半導体の封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSI、センサー等をキャスティング、ポッティング、ディッピング、トランスファーモールド、コーティング、スクリーン印刷等で封止するための封止剤が挙げられ、より具体的には発光ダイオード、IC、LSI、センサー等のCOB、COF、TABといったポッティング封止剤、フリップチップのアンダーフィル(キャピラリーフロータイプおよびコンプレッションフロータイプ)、BGA、CSP等のICパッケージ類実装時の封止剤(補強用アンダーフィル)、スタックドIC用の封止剤、ウェハレベルCSP用の封止剤等を挙げることができる。その他、半導体前工程に使用されるパッシベーション膜、ジャンクションコート膜、バッファコート膜等の各種保護膜も半導体の封止剤の例である。
【0180】
電子部品の封止剤としては、偏向板、カラーフィルター、TFTのトランジスタ、透明導電膜、液晶表示装置の保護コーティング剤や、セルに充填した液晶の封止剤、太陽電池の保護コーティング剤、リチウムイオン電池や燃料電池の封止剤、有機EL(エレクトロルミネッセンス)の保護コーティング剤、光記録用光源、受光素子のコーティング剤や封止剤、さらに自動車の電子部品周辺の保護コーティング剤、封止剤も挙げられる。
【0181】
電子回路の封止剤としては、リジッドプリント基板、フレキシブルプリント基板材料、ビルドアップ基板のソルダーレジスト、保護コーティング剤等が挙げられる。
【0182】
電気接点の封止剤としては、基板と素子や基板と基板や基板とケーブル等の接点保護(コーティング)剤、ジャンクションコーティング剤等が挙げられる。
【0183】
【実施例】
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(実施例1)
50mLの二口フラスコに、攪拌子、滴下漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン10g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン10gを入れ、窒素雰囲気下オイルバス中で50℃に加熱、攪拌した。4−ビニルシクロヘキセン8.1g、トルエン5g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)2.84μlの混合液を20分かけて滴下した。80℃まで昇温し、同温で30分間攪拌した。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンをエバポレータを用いて70℃の温度で減圧留去した。1H−NMRによりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部と4−ビニルシクロヘキセンのビニル基が反応したものであることがわかった(反応物Aと称する)。このものの1H−NMR測定によると、ビニル基に直接結合した水素原子は観測されず、全てのビニル基がヒドロシリル化反応していることがわかった。また、シクロヘキセニル基の炭素−炭素二重結合に直接結合した水素原子はほぼ100%残留しており、シクロヘキセニル基がヒドロシリル化反応することによって生成したシリル基のα位に結合した水素原子は観測されなかった。以上から、本硬化性組成物においては、4−ビニルシクロヘキセン由来のビニル基の100%がヒドロシリル化反応しており、4−ビニルシクロヘキセン由来のシクロヘキセニル基の0%がヒドロシリル化反応していることがわかる。また、1,2−ジブロモメタンを内部標準に用いて1H−NMRにより官能基の含有量を求めたところ、4.79mmol/gのSiH基を含有しており、4.48mmol/gのシクロヘキセニル基を含有していることがわかった。以上から、硬化性組成物中に含まれるSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合のモル数(X)と、硬化性組成物中に含まれるSiH基のモル数(Y)との比は、Y/X=1.07であることがわかる。
(比較例1)
4−ビニルシクロヘキセン8.1gのかわりにノルボルナジエン6.9gを用いた以外は実施例1と同様にして反応を実施したが、ヒドロシリル化反応が進行せず本発明の硬化性組成物は得られなかった。
(比較例2)
5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1800g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1440gを入れ、120℃のオイルバス中で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート200g、トルエン200g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mlの混合液を50分かけて滴下した。得られた溶液をそのまま6時間加温、攪拌した後、未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンを減圧留去した。1H−NMRによりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したものであることがわかった(反応物Bと称する)。また、1,2−ジブロモメタンを内部標準に用いて1H−NMRによりSiH基の含有量を求めたところ、8.08mmol/gのSiH基を含有していることがわかった。
(実施例2)
実施例1で製造した反応物Aをそのままで本発明の硬化性組成物として粘度変化を測定した。粘度はE型粘度計を用いて23℃における粘度を測定し、初期の粘度および23℃で24時間保管した後の粘度を測定した。その結果、初期の粘度は0.024Pa・sであり、23℃で24時間保管した後の粘度は0.030Pa・sであった。
(比較例3)
トリアリルイソシアヌレート10.0gと比較例2で製造した反応物B14.9gを混合して硬化性組成物とした。この組成物について(実施例2)と同様にして粘度変化を測定した。その結果、初期の粘度は0.49Pa・sであり、23℃で24時間保管した後の粘度は0.51Pa・sであった。
(実施例3)
実施例1で製造した反応物A5.0gに白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)58.1μlを配合して本発明の硬化性組成物とした。
【0184】
この硬化性組成物のゲル化時間を調べた。120℃に調整したホットプレート上に厚み50μmのアルミ箔を置き、その上に硬化性組成物100mgを垂らしてゲル化するまでの時間を測定した。得られたゲル化時間は130秒であった。
【0185】
この硬化性組成物を金属缶に深さ3mmとなるように入れて、熱風オーブン中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間の条件で段階昇温しながら硬化させた。得られたものは微黄色透明の硬質の硬化物であった。硬化物を3mmx5mmx30mmの角柱状に切り出し、引張りモード、測定周波数10Hz、歪0.1%、静/動力比1.5、昇温側度5℃/分の条件にて動的粘弾性測定を行った(アイティー計測制御社製DVA−200使用)。得られたtanδのピーク温度(Tg)は132℃であった。
【0186】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、容易に製造でき、貯蔵安定性が良好であり、かつ低粘度で作業性に優れる硬化性組成物である。
Claims (4)
- 硬化性化合物中に含まれるSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合のモル数(X)と、硬化性化合物中に含まれるSiH基のモル数(Y)との比が、3≧Y/X≧0.3であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の硬化性化合物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性化合物、および、ヒドロシリル化触媒、を含有する、硬化性組成物。
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