JP6338327B2 - 硬化性樹脂組成物、該組成物を硬化させてなる硬化物 - Google Patents
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Description
以上のように、高い耐熱性、耐光性を有し、かつ、光半導体素子を封止する際のハンドリング性が良好な材料の開発が望まれていた。
1).(A)ポリシロキサン組成物、(B)無機フィラー、(C)多官能アクリレートおよび/または多官能メタクリレート、(D)ヒドロシリル化触媒からなる硬化性樹脂組成物。
記載の硬化性樹脂組成物。
(A−1)アルケニル基および/またはヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン変性体、
(A−2)前記(A−1)成分とヒドロシリル化可能なヒドロシリル基および/またはアルケニル基を2個以上有する硬化剤。
本発明におけるポリシロキサン組成物(A)は、特に限定されないが、後述のヒドロシリル化触媒を用いてヒドロシリル化反応で硬化することができる樹脂であればよい。このようなポリシロキサン組成物(A)としては、例えばアルケニル基を有する化合物とヒドロシリル基を有する化合物を含む組成物が挙げられ、その構造は直鎖状、分岐鎖状、環状、三次元架橋構造、および多面体構造を有するものであればいずれであってもよい。
SiO4/2(1)
で表される4官能性の構造単位からなる三次元網目構造を主構造とし、その主構造の末端を、一般式(2)、(3)
R1R2 2SiO1/2(2)
R2 3SiO1/2(3)
(式中、R1はアルケニル基または水素原子、R2はアルケニル基および水素原子以外の置換または非置換の一価の炭化水素基であり、各々同一であっても異なっていても良い。)で表される1官能性の構造単位で封鎖した構造を有し、なおかつ、その主構造の末端が一般式(2)で少なくとも2つ封鎖された構造を有するものが例示される。
[R8SiO3/2]x[R9SiO3/2]y
(x+yは6〜24の整数;xは1以上の整数、yは0または1以上の整数;R8はアルケニル基またはヒドロシリル基、もしくは、アルケニル基またはヒドロシリルを有する基;R9は、任意の有機基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)
で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物が例示される。
さらには、式
[AR4 2SiO−SiO3/2]a[R5 3SiO−SiO3/2]b
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aは、アルケニル基またはヒドロシリル基;R4は、アルキル基またはアリール基;R5は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)
で表されるシロキサン単位から構成される多面体構造ポリシロキサン系化合物が例示される。
本発明におけるアルケニル基および/またはヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)は、分子骨格内にアルケニル基および/またはヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物であれば、特に限定されないが、具体的に例えば、アルケニル基および/またはヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物に対して、前記ポリシロキサン系化合物とヒドロシリル化反応可能なヒドロシリル基および/またはアルケニル基を有する化合物を変性して得ることが可能である。本発明において得られる多面体構造ポリシロキサン変性体は、ハンドリング性、成形加工性の観点から、温度20℃で液状とすることが好ましい。
[XR3 2SiO−SiO3/2]a[R4 3SiO−SiO3/2]b
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Xは一般式(4)あるいは(5)で表される基;R3は、アルキル基またはアリール基、;R4は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、水素原子、または、他の多面体構造ポリシロキサンと連結している基)で表されるシロキサン単位から構成される多面体構造ポリシロキサン変性体が例示される。ここで、aは平均して1以上、好ましくは2以上であることが好ましく、また、bは、0または1以上の整数である。a+bは6〜24の整数、好ましくは、6〜12の整数である。
以下、反応可能な官能基を有するシロキサン単位
[XR3 2SiO−SiO3/2]
について詳細に説明する。
また、本発明の(A−1)のうちアルケニル基およびヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン変性体とは、反応性官能基を有する基Xとして、式(4)あるいは式(5)の構造を有し、アルケニル基とヒドロシリル基を少なくとも1つずつ含有する変性体であれば特に限定はないが、mは1〜7の整数であることが好ましく、nは2〜4の整数であることが好ましい。
[R4 3SiO−SiO3/2]
について説明する。
本シロキサン単位は、本発明における多面体構造ポリシロキサン変性体および得られる硬化物の物性調整を行うためのユニットである。本シロキサン単位は、実質的に、反応可能な置換基を含有しないため、架橋密度の調整、皮膜性、レベリング性、脆さ改善などが可能となる。
本発明における多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)としては、耐熱性、耐光性、ハンドリング性の観点から、後述の有機変性された多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)´であることが好ましい。
また、(A−1)成分に対して、硬化剤(A−2)成分と、必要に応じて、硬化遅延剤等の添加剤を加えることにより、本発明におけるポリシロキサン組成物(A)を得ることができる。
本発明における有機変性された多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)´は、後述のヒドロシリル化触媒の存在下、アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)および/または環状オレフィン化合物(d)を、ヒドロシリル基を有する化合物(b)とヒドロシリル化反応させることにより得られる。
本発明における多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)´は、式
[XR3 2SiO−SiO3/2]a[R4 3SiO−SiO3/2]b
[a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;R3は、アルキル基またはアリール基;R4は、アルケニル基、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基、Xは、下記一般式(6)あるいは一般式(7)のいずれかの構造を有し、Xが複数ある場合は一般式(6)あるいは一般式(7)の構造が異なっていても良くまた一般式(6)あるいは一般式(7)の構造が混在していても良い。
−[CH2]l−R5 (8)
(lは0以上の整数;R5は有機ケイ素化合物および/または環状オレフィン化合物を含有する基);Rは、アルキル基またはアリール基}]
で表されるシロキサン単位から構成される多面体構造ポリシロキサン系化合物である。
また、多面体構造ポリシロキサン変性体変性体(A−1)´は、得られる硬化物の強度や硬度、さらには、耐熱性・耐光性等の観点から、分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基を有することが好ましい。
本発明におけるアルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)は、分子中にアルケニル基を有する、多面体骨格を有するポリシロキサンであれば、特に限定はない。具体的に、例えば、以下の式
[R6SiO3/2]x[R7SiO3/2]y
(x+yは6〜24の整数;xは1以上の整数、yは0または1以上の整数;R6はアルケニル基、または、アルケニル基を有する基;R7は、任意の有機基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)
で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物を好適に用いることができ、さらには、式
[AR3 2SiO−SiO3/2]a[R4 3SiO−SiO3/2]b (9)
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aは、アルケニル基;R3は、アルキル基またはアリール基;R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)
で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物が好ましいものとして例示される。
R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基である。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が例示され、また、アリール基としては、フェニル基、トリル基等のアリール基が例示される。本発明におけるR4としては、耐熱性・耐光性の観点から、メチル基が好ましい。
本発明で用いるヒドロシリル基を有する化合物(b)は、分子中に1個以上のヒドロシリル基を有していれば特に制限はないが、得られる多面体構造ポリシロキサン変性体の透明性、耐熱性、耐光性の観点から、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であることが好ましく、さらには、ヒドロシリル基を有する環状シロキサンあるいは直鎖状ポリシロキサンであることが好ましい。特にガスバリア性の観点からは、環状シロキサンであることが好ましい。
これら(b)成分である、ヒドロシリル基を有する化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)はヒドロシリル基を有する化合物(b)のヒドロシリル基と反応する。(c)成分を用いることで、得られる硬化物の弾性率を低下させることができ、耐冷熱衝撃性を向上させることができる。
これら(c)成分である、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における(d)成分は、1分子中に炭素−炭素2重結合を1個有する環状オレフィン化合物であればよく、この炭素−炭素2重結合は、ビニレン基、ビニリデン基、アルケニル基のいずれであってもよい。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が例示されるが、耐熱性・耐光性の観点から、ビニル基が好ましい。
また、本発明における(d)成分は、平均分子量が1000以下であることが(b)成分との反応性の観点から好ましい。このような環状オレフィン化合物として、脂肪族環状オレフィン化合物、置換脂肪族環状オレフィン化合物等が挙げられる。
これら、1分子中にアルケニル基を1個有する環状オレフィン化合物(d)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
1分子中にアルケニル基を1個有する環状オレフィン化合物(d)の添加量は、後述のヒドロシリル基を有する化合物(b)のヒドロシリル基1個あたり、(d)成分のアルケニル基の数が、0.01〜0.5個になるように用いることが好ましい。添加量が少ないと、得られる硬化物の耐冷熱衝撃性が低下する場合があり、添加量が多いと、得られる硬化物に硬化不良が生じる場合がある。
次に、本発明に用いる硬化剤について説明する。
アルケニル基の割合が少なすぎると、発泡等による外観不良が生じやすくなり、また、多すぎると、硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明における無機フィラーは、例えば、硬化性樹脂組成物の粘度および/またはチクソ性を調節する目的で用いることができる。さらに得られる硬化物の強度、硬度、弾性率、熱膨張率、熱伝導率、放熱性、電気的特性、光の反射率、難燃性、耐火性、およびガスバリア性等の諸物性を改善することができる。
(Po:飽和蒸気圧、Vm:単分子層吸着量、気体分子が固体表面で単分子層を形成した時の吸着量、C:吸着熱などに関するパラメータ(>0))
上式より単分子吸着量Vmを算出し、これにガス分子1個の占める断面積を掛けることにより、粒子の表面積を求めることができる。
無機フィラーの混合の順序としては、特に限定されないが、貯蔵安定性の観点から、ポリシロキサン組成物(A)中の、アルケニル基を有する成分に先に混ぜた後、ヒドロシリル基を有する成分を混合する方法が望ましい。また、ポリシロキサン組成物(A)の反応成分である、アルケニル基有する成分とヒドロシリル基を有する成分がよく混合され安定した成形物が得られやすいという点においては、ポリシロキサン組成物(A)中の、アルケニル基有する成分とヒドロシリル基を有する成分を先に混合したものに、向きフィラーを混合することが好ましい。
本発明における多官能アクリレートおよび/または多官能メタクリレート(C)は、前述の無機フィラー(B)と相互作用し、得られる硬化性樹脂組成物の粘度および/またはチクソ性を任意に調整することができる。
ポリシロキサン系化合物を硬化させる際には、ヒドロシリル化触媒を用いることができる。前記ヒドロシリル化触媒としては、特に制限はなく、任意のものを使用することができる。具体的に例示すると、白金−オレフィン錯体、塩化白金酸、白金の単体、担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕n};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(O
Bu)3〕4}(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
ヒドロシリル化反応の反応温度としては、30〜400℃、さらに好ましくは、40〜250℃であることが好ましい。
本発明における硬化性樹脂組成物は、上述のポリシロキサン組成物(A)、無機フィラー(B)、多官能アクリレートおよび/または多官能メタクリレート(C)、ヒドロシリル化触媒(D)から得ることができる。本発明における硬化性樹脂組成物は、液状樹脂組成物として取り扱うことが可能である。液状樹脂組成物とすることにより、型、パッケージ、基板等に、注入あるいは塗布して硬化させることで、用途に応じた成型体を容易に得ることができる。また本発明において、上記(A)〜(D)成分を混合する順序は特に限定されない。
本発明の硬化性樹脂組成物に熱および/または光を加えることで、硬化物を得ることができる。温度は、好ましくは、30〜400℃、さらに好ましくは50〜250℃である。硬化温度が高くなり過ぎると、得られる硬化物に外観不良が生じる傾向があり、低すぎると硬化が不十分となる。また、2段階以上の温度条件を組み合わせて硬化させてもよい。具体的には例えば、70℃、120℃、150℃の様に段階的に硬化温度を引き上げていくことで、良好な硬化物を得ることができ好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて光ラジカル発生剤および/または熱ラジカル開始剤などを任意で添加することができる。
また、これらのラジカル開始剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
硬化遅延剤は、本発明の硬化性樹脂組成物の保存安定性を改良あるいは、硬化過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整するための成分である。本発明においては、硬化遅延剤としては、ヒドロシリル化触媒による付加型硬化性樹脂組成物で用いられている公知のものが使用でき、具体的には脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらを単独使用、または2種以上併用してもよい。
接着性付与剤は本発明における硬化性樹脂組成物と基材との接着性を向上する目的で用いるものであり、その様な効果があるものであれば特に制限はないが、シランカップリング剤が好ましい例として例示できる。
シランカップリング剤の添加量としては、(A)成分と(B)成分の混合物100重量部に対して、0.05〜30重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜10重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明中の硬化性樹脂組成物は蛍光体を有してもよい。蛍光体は発光素子の発する光を吸収して異なる波長の光を発生するものであり、本発明の硬化性樹脂組成物に用いられる蛍光体としては、特に限定されず、一般的に公知の無機蛍光体や有機蛍光体を用いることができ、本発明の硬化性樹脂組成物が使用された半導体発光装置が必要とする発光色を得るために任意のものを選択することができる。具体的に、例えば、YAG系蛍光体、TAG系蛍光体、オルトシリケートアルカリ土類系蛍光体、α−サイアロン系蛍光体、β−サイアロン系蛍光体、カズン系蛍光体、ニトリドおよびオキシニトリド系蛍光体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら蛍光体は1種または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
東京計器製 E型粘度計を用いた。測定温度23.0℃、EHD型48φ1倍コーンで測定した。チクソ性は下記計算式(1)
チクソ性=[0.5rpmにおける粘度(Pa・s)/5rpmにおける粘度(Pa・s)] (1)
を用いて計算した。
バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製 400MHz NMRを用いた。多面体構造ポリシロキサン変性体のSiH価は、多面体構造ポリシロキサン変性体とジブロモエタンの混合物を作り、そのNMR測定を行うことで、下記計算式(2)
SiH価(mol/kg)=[多面体構造ポリシロキサン変性体のSiH基に帰属されるピークの積分値]/[ジブロモエタンのメチル基に帰属されるピークの積分値]×4×[混合物中のジブロモエタン重量]/[ジブロモエタンの分子量]/[混合物中の多面体構造ポリシロキサン変性体重量] (2)
を用いて計算した。
合成したシリコーンの重量平均分子量は、東ソー製 HLC−8220GPC(カラム:TSKgel SuperHZM−N(4本)+同HZ1000(1本) 内径4.6mm×15cm、溶媒:トルエン、流速:0.35ml/min)により測定した。なお、市販シリコーンの重量平均分子量についてはカタログ値を参照した。
48%コリン水溶液(トリメチル−2ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)1803gにテトラエトキシシラン1459gを加え、室温で2時間激しく撹拌した。反応系内が発熱し、均一溶液になった段階で、撹拌を緩め、さらに12時間反応させた。次に、反応系内に生成した固形物に、メタノール1400mLを加え、均一溶液とした。
製造例1で得られたアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物であるテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン10.0gをトルエン20.0gに溶解させ、ビニルジフェニルメチルシラン6.67g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)0.50μLを加えた。このようにして得られた溶液を、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン8.17g、トルエン8.17gの溶液にゆっくりと滴下し、105℃で2時間反応させた。反応終了後、エチニルシクロヘキサノール2.8μl、マレイン酸ジメチル0.65μlを加え、トルエンと未反応成分を留去することにより、フェニル基を有する液状の多面体構造ポリシロキサン変性体24.2g(重量平均分子量:3200)を得た。
100mlプラカップに、ダウシリコーン社製フェニルシリコーン OE6630(A/B=1/4(wt/wt))のA剤1.0g、B剤4.0gを順に加えて混合し、そこに、日本アエロジル社製ヒュームドシリカ AEROSIL R972を樹脂に対して5部(0.25g)加えてセラミックロールで2回混練し、さらに、多官能アクリレートとしてHybrid Plastics社製の末端にメタクリル基を含有する多官能オクタシルセスキオキサン AcryloPOSS Cage Mixtureを、シリコーンとフィラーの混合物に対して1部(0.053g)加えて混合し、そのままThinky社製あわとり練太郎 ARV−310を用いて攪拌・脱泡を10分間行うことで、ポリシロキサン組成物を得た。得られたポリシロキサン組成物の粘度及びチクソ性を、東京計器製 E型粘度計を用いて測定し、その結果を表1に記載した。
ポリシロキサン組成物を構成するポリシロキサン系化合物として、ダウシリコーン社製メチルシリコーン JCR6140を使用した以外は、実施例1と同じ操作と評価を行い、組成物の粘度及びチクソ性を表1に記載した。
100mlプラカップに、製造例2で得られた多面体構造ポリシロキサン変性体5.0gと、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−1,5−ジビニルトリシロキサン1.59g、遅延剤、ヒドロシリル化触媒を順に加えて混合し、そこに、日本アエロジル社製ヒュームドシリカ AEROSIL R972を樹脂に対して5部(0.28g)加えてセラミックロールで2回混練し、さらに、多官能アクリレートとしてHybrid Plastics社製の末端にメタクリル基を含有する多官能オクタシルセスキオキサン AcryloPOSS Cage Mixtureを、シリコーンとフィラーの混合物に対して1部(0.059g)加えて混合し、そのままThinky社製あわとり練太郎 ARV−310を用いて攪拌・脱泡を10分間行うことで、本発明のポリシロキサン組成物を得た。得られたポリシロキサン組成物の粘度及びチクソ性を、東京計器製 E型粘度計を用いて測定し、その結果を表1に記載した。
多官能アクリレートとして共栄社化学社製トリメチロールプロパントリアクリレート ライトアクリレートTMP−Aを使用した以外は、実施例3と同じ操作と評価を行い、組成物の粘度及びチクソ性を表1に記載した。
100mlプラカップに、ダウシリコーン社製フェニルシリコーン OE6630(A/B=1/4(wt/wt))のA剤1.0g、B剤4.0gを順に加えて混合し、そこに、日本アエロジル社製ヒュームドシリカ AEROSIL R972を樹脂に対して5部(0.25g)加えてセラミックロールで2回混練し、そのままThinky社製あわとり練太郎 ARV−310を用いて攪拌・脱泡を10分間行うことで、ポリシロキサン組成物を得た。得られたポリシロキサン組成物の粘度及びチクソ性を、東京計器製 E型粘度計を用いて測定し、その結果を表1に記載した。
ポリシロキサン組成物を構成するポリシロキサン系化合物として、ダウシリコーン社製メチルシリコーン JCR6140を使用した以外は、比較例1と同じ操作と評価を行い、組成物の粘度及びチクソ性を表1に記載した。
ポリシロキサン組成物を構成するポリシロキサン系化合物として、製造例2で得られた多面体構造ポリシロキサン変生体を使用した以外は、比較例1と同じ操作と評価を行い、組成物の粘度及びチクソ性を表1に記載した。
100mlプラカップに、製造例2で得られた多面体構造ポリシロキサン変性体5.0gと、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−1,5−ジビニルトリシロキサン1.59g、遅延剤、ヒドロシリル化触媒を順に加えて混合し、そこに、多官能アクリレートとしてHybrid Plastics社製の末端にメタクリル基を含有する多官能オクタシルセスキオキサン AcryloPOSS Cage Mixtureを、シリコーンに対して1部(0.056g)加えて混合し、そのままThinky社製あわとり練太郎 ARV−310を用いて攪拌・脱泡を10分間行うことで、ポリシロキサン組成物を得た。得られたポリシロキサン組成物の粘度及びチクソ性を、東京計器製 E型粘度計を用いて測定し、その結果を表1に記載した。
100mlプラカップに、製造例2で得られた多面体構造ポリシロキサン変性体5.0gと、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−1,5−ジビニルトリシロキサン1.59g、遅延剤、ヒドロシリル化触媒を順に加えて混合し、そのままThinky社製あわとり練太郎 ARV−310を用いて攪拌・脱泡を10分間行うことで、ポリシロキサン組成物を得た。得られたポリシロキサン組成物の粘度及びチクソ性を、東京計器製 E型粘度計を用いて測定し、その結果を表1に記載した。
また、シリコーン成分として製造例2で得られた多面体構造ポリシロキサン変性体、無機フィラーとしてAerosil R972、多官能アクリレートとして、AcryloPOSS Cage Moxtureを用いた場合(実施例3)に特に高い効果が得られることが分かる。
Claims (11)
- (A)(A−1)アルケニル基および/またはヒドロシリル基を有し、(メタ)アクリレート基を有さない多面体構造ポリシロキサン変性体、及び、
(A−2)前記(A−1)成分とヒドロシリル化可能なヒドロシリル基および/またはアルケニル基を2個以上有し、(メタ)アクリレート基を有さないシロキサン化合物からなる硬化剤
を含有するポリシロキサン組成物、
(B)無機フィラー、
(C)多官能アクリレートおよび/または多官能メタクリレート、
(D)ヒドロシリル化触媒
からなる硬化性樹脂組成物であって、
(A−1)成分が、アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、ヒドロシリル基を有する環状シロキサンまたはヒドロシリル基を有する直鎖状ポリシロキサン(b)と、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)および/または1分子中にアルケニル基を1個有する環状オレフィン化合物(d)とをヒドロシリル化反応することにより得られる有機変性された多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)´であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - (A)(A−1)アルケニル基および/またはヒドロシリル基を有し、(メタ)アクリレート基を有さない多面体構造ポリシロキサン変性体、及び、
(A−2)前記(A−1)成分とヒドロシリル化可能なヒドロシリル基および/またはアルケニル基を2個以上有し、(メタ)アクリレート基を有さないシロキサン化合物からなる硬化剤
を含有するポリシロキサン組成物、
(B)無機フィラー、
(C)多官能アクリレートおよび/または多官能メタクリレート、
(D)ヒドロシリル化触媒
からなる硬化性樹脂組成物であって、
(A−1)成分が、アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、ヒドロシリル基を有する環状シロキサンまたはヒドロシリル基を有する直鎖状ポリシロキサン(b)とのヒドロシリル化反応生成物であり、
多官能アクリレートおよび/または多官能メタクリレート(C)が、末端にアクリル基および/またはメタクリル基を含有する多官能オクタシルセスキオキサンであることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - (A)成分が温度20℃において、液状であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 無機フィラー(B)が金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 無機フィラー(B)がシリカであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 多官能アクリレートおよび/または多官能メタクリレート(C)が、末端にアクリル基および/またはメタクリル基を含有する多官能オクタシルセスキオキサンであることを特徴とする請求項1および3〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 光ラジカル開始剤および/または熱ラジカル開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 硬化遅延剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 接着性付与剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 蛍光体を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項の硬化性樹脂組成物より得られた硬化物。
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