JP2002088244A - 硬化性組成物、光学材料用組成物、光学材料、液晶表示装置、透明導電性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
硬化性組成物、光学材料用組成物、光学材料、液晶表示装置、透明導電性フィルムおよびその製造方法Info
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Abstract
係数が小さく、光学的透明性が高く、さらに強靭性を有
する硬化性組成物、光学用材料、その製造方法、および
それを用いた液晶表示装置を提供すること。 【解決手段】 (A)成分として、SiH基と反応性を
有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個
有する脂肪族系有機化合物、(B)成分として、1分子
中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、およ
び(C)成分として、ヒドロシリル化触媒、を含有する
硬化性組成物。この硬化性組成物をあらかじめ混合し、
組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結
合とSiH基の一部または全部を反応させることによっ
て硬化させて光学用材料とすること。
Description
し、詳しくは、高い耐熱性を有し、光学的透明性が高
く、さらに強靭性を有する光学材料が得られる硬化性組
成物に関する。
材料、例えば、液晶表示装置に使用する部材;携帯情報
端末、カーナビゲーションなどの入力デバイスとして好
適に使用される透明導電性フィルム;軽量薄型化の要求
の強い携帯電話、携帯情報端末、パーソナルコンピュー
タなどのディスプレイとして好適に使用されるプラスチ
ックフィルム液晶表示装置が製造され得る。
としては、複屈折率が低く、光弾性係数が小さく、光学
的透明性の高い材料が使用される。また、液晶表示装置
用等の材料の場合には、製造プロセス上使用する材料に
は高い耐熱性が必要である。こういった要求を満足する
材料として従来ガラス等が使用されてきた。
は、一般に薄いフィルム状あるいは細いチューブやロッ
ド状で使用されるが、近年の市場要求に従い、より薄い
フィルム状、あるいはより細いチューブまたはロッド状
での使用が必要になってきている。しかし、従来使用さ
れてきたガラスは強度的に脆い性質を有しているため、
使用範囲に限界が生じてきている。
るが、例えば熱可塑性樹脂の場合は、一般に高い耐熱性
を発現させるために芳香族骨格をその分子内に導入する
と、複屈折率が高くなり光弾性係数が大きくなるため、
高い耐熱性と光学的性能の両立が困難である。また熱硬
化性樹脂の場合は、従来知られている熱硬化性樹脂は一
般に着色しており、光学材料用途には向かない。さら
に、一般に極性を有しており光学的性能発現にも不利で
ある。
用する場合)透明導電性フィルムは、透明であり、且つ
導電性を有するプラスチックフィルムであり、光と電気
が関与する技術分野において利用される機能性フィルム
である。そして、最近のエレクトロニクス化の進展に伴
い、透明導電性フィルムが用いられる部品、機器の軽量
化、小型化、低コスト化、デザインの自由度、高性能化
が求められており、従来用途、新規用途ともに、透明導
電性フィルムにもさらなる高機能化が求められている。
求められるが、液晶表示や、光記録などの用途において
は複屈折などの光学特性も重要視される。従来、透明導
電性フィルムとしてはポリエステル(以下、PETと略
称する)フィルムやポリカーボネート(以下、PCと略
称する)フィルムを基材とし、金属薄膜やITOなどの
半導体薄膜を表面に形成されたものが知られる。
ィルムについては、PETフィルムが製造中の延伸操作
により分子配向したものとなるため、光学異方性が大き
くなり、複屈折が劣る。また、PCフィルムを基材とし
た透明導電性フィルムに関しては、PCが分子内にベン
ゼン環のような分極率の大きい基を持つため、大きな分
極率異方性を示し、複屈折を生じやすい。
は、それぞれ長所と短所を有するのが実情であり、近年
の高度化、複雑化した要求を必ずしも満足させるべきも
のとは言い難い。 (硬化性組成物を液晶表示装置の構成材料に使用する場
合)近年、液晶表示装置は、より薄膜化、より軽量化、
より大型化、任意の形状化、曲面表示対応等の高度な要
求がある。特に携帯電話や電子手帳やペン入力機器等の
身につけて携帯する機器の利用の拡大につれて、従来の
ガラス基板に代わってプラスチックを基板とする液晶表
示パネルが検討され、一部で実用化され始めた。たとえ
ば、光学異方性のないポリエーテルスルホン(以下、P
ESと略称する)、ポリカーボネート(PC)フィルム
基板がある。
異方性がないか配慮できること、耐熱性、耐溶剤性、ガ
スバリア性、表面平坦性、寸法安定性、透光性を備えて
いることなどの要求項目を満たす必要がある。上述のPE
Sは0.1mm厚み以上に形成すると基板のリターデー
ションが増大する。基板のリターデーションが増大する
と液晶表示装置全体としてのリターデーションも増大し
色付き現象などが生じ、液晶表示装置の表示品位に悪影
響を及ぼす。また、PESは耐熱性が最大150℃のた
めに、液晶表示装置の構成材料の低温焼成化が必要とな
る。また、上述のPCも0.1mm厚み以上に形成する
と基板のリターデーションが増大し、PESと同様の問
題が生じる。
耐熱性を有し、複屈折率が低く、光弾性係数が小さく、
光学的透明性が高く、さらに強靭性を有する硬化性組成
物を提供することである。
用いて、光学的透明性が高く、強靭性を有する光学材
料、その製造方法、およびそれを用いた液晶表示装置を
提供することである。
れた透明導電性フィルムを提供することにある。
めに本発明者らは鋭意研究の結果、SiH基と反応性を
有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個
含有する有機化合物と、1分子中に少なくとも2個のS
iH基を含有するケイ素化合物を必須成分として含有す
る硬化性組成物を用いることにより、上記課題を解決で
きることを見出し、本発明に至った。
(A)成分として、SiH基と反応性を有する炭素−炭
素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する脂肪族系
有機化合物、(B)成分として、1分子中に少なくとも
2個のSiH基を含有する化合物、および(C)成分と
して、ヒドロシリル化触媒、を含有し、そのことによ
り、上記目的が達成される。
まれる炭素−炭素二重結合が、ビニル基又はアリル基で
ある。
1,2−ポリブタジエン、水添ビスフェノールAジアリル
エーテル、4−ビニルシクロヘキセンまたは1,2,4−ト
リビニルシクロヘキサンである。
組成物が用いられる。
用フィルムである。
用プラスチックセルである。
混合し、上記(A)成分に含まれる炭素−炭素二重結合
と、上記(B)成分に含まれるSiH基の一部または全
部を反応させることによって硬化させてなる。
性組成物を混合する工程、および上記(A)成分に含ま
れる炭素−炭素二重結合と、上記(B)成分に含まれる
SiH基の一部または全部を反応させる工程、を包含す
る。
用いられる。
性組成物を硬化することによって得られた硬化物からな
る透明性フィルムと、該透明性フィルムの少なくとも一
つの表面に設けられた透明導電層と、を有する。
は、上記透明導電性フィルムを、成形型によって作製す
ることを包含する。
研磨されたガラス製である。
テンレス製研磨板である。
を溶液流延法によって作製する工程を包含する。
置は、一対のプラスチックフィルム基板間に液晶層を介
在したプラスチックフィルム液晶表示装置において、上
記基板の一方又は両方が、上記硬化性組成物を硬化する
ことによって得られる。
ーツイステッドネマテイック型である。
する上記基板を成形型によって作製する。
ラス製である。
テンレス製研磨板である。
使用されるプラスチックフィルム基板を、流延法によっ
て作製する工程を包含する。
て説明する。
素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する脂
肪族系の有機化合物である。
の有機系骨格としては、その構成元素としてC、H、
N、O、S、ハロゲンのみを含む骨格であることが好ま
しい。有機系骨格として、例えば、ポリシロキサン−有
機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフト
コポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)
を含むものを用いた場合には、ガス透過性が高くなり易
く水蒸気あるいは酸素の透過に伴う液晶材料の劣化が発
生したり、表面にコーティングする場合にコーティング
材の接触角が大きくなりコーティング材がはじかれて薄
膜コーティングができなくなる、いわゆる「はじき」の
問題が発生する場合がある。
と、その骨格に共有結合によって(場合によっては2価
以上の置換基を介して)結合していてかつSiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合を有する基(アルケニ
ル基)とに分けて表した場合、アルケニル基は分子内の
どこに存在してもよい。
は、脂肪族系のものであれば特に限定はなく有機重合体
骨格または有機単量体骨格を用いればよい。本明細書に
おいて、脂肪族系とは芳香族系有機化合物を除く意味で
使用し、従って、脂環式化合物を含めるものとする。
ル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボ
ネート系、飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリアミド系、ポリイミド系の骨格を用いることが
できる。
炭化水素系、脂環式系およびこれらの混合物が挙げられ
る。
基と反応性を有するものであれば特に制限されないが、
下記一般式(I)
合、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよ
い。)で示されるアルケニル基が反応性の点から好適で
ある。また、原料の入手の容易さからは、
一般式(II)
合、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよ
い。)で示されるアルケニル基が反応性の点から好適で
ある。また、原料の入手の容易さからは、
(A)成分の骨格部分に共有結合していても良く、2価
以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば
特に制限はないが、構成元素としてC、H、N、O、
S、ハロゲンのみを含むものが好ましい。この理由は、
前記(A)成分の構成元素として、C、H、N、O、
S、ハロゲンのみを含む骨格であることが好ましい理由
と同じである。これらの置換基の例としては、
以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換
基を構成していてもよい。
例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリ
ル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオ
キシ)プロピル基、2−(アリルオキシ)エチル基、
2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−ア
リルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロ
ピル基、
分とアルケニル基とに分けて表現しがたい、低分子量化
合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の
具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエ
ン、デカジエンなどの脂肪族鎖状ポリエン化合物系;シ
クロペンタジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペン
タジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン
などの脂肪族環状ポリエン化合物系;ビニルシクロペン
テン、ビニルシクロヘキセンなどの置換脂肪族環状オレ
フィン化合物系、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンな
どの脂環式系などが挙げられる。
どの、α、ω−ジエン系化合物の場合は、硬化物が脆
く、力学特性に劣り易くなるので好ましくない。
ン構造を含まないものが好ましい。内部オレフィン構造
を含む場合には、内部オレフィン構造がヒドロシリル化
硬化反応後にも未反応で残り易く、このために耐光劣化
性が低くなりやすい。この場合、内部オレフィン構造と
は、
原子ではない置換基であり、かつR3,R4のいずれか一
方あるいは両方が水素原子ではない置換基である構造を
いう。
り向上し得るという観点から、SiH基と反応性を有す
る炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.00
1mol以上含有するものであればよいが、さらに、1
gあたり0.005mol以上含有するものが好まし
く、0.008mol以上含有するものが特に好まし
い。具体的な例としては、ブタジエン、イソプレン、ビ
ニルシクロヘキセン、シクロペンタジエン、ジシクロペ
ンタジエン、シクロヘキサジエン、デカジエン、ジアリ
ルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテ
ル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、および
それらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1,2比率
10〜100%のもの、好ましくは1,2比率50〜1
00%のもの)、
応性を有する炭素−炭素二重結合の数は、1分子当たり
少なくとも2個あればよいが、耐熱性をより向上し得る
という観点から、2を越えることが好ましく、3個以上
であることがより好ましく、4個以上であることが特に
好ましい。(A)成分に含まれている、SiH基と反応
性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子内当たり1
個以下の場合は、(B)成分と反応してもグラフト構造
となるのみで架橋構造とならない。(A)成分として
は、他の成分との均一な混合、および良好な作業性を得
るためには100℃以下の温度において流動性があるも
のが好ましく、線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は
特に制約はないが、50〜100,000の任意のもの
が好適に使用できる。分子量が100,000を超える
と、一般に原料が高粘度となり作業性に劣るとともに、
アルケニル基とSiH基との反応による架橋の効果が発
現し難い。
に、(A)成分の有機化合物中の、SiH基と反応性を
有する炭素−炭素二重結合のうちの少なくとも1個はビ
ニル基であることが好ましく、少なくとも2個がビニル
基であることがさらに好ましい。
るために、(A)成分の有機化合物中の、SiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合のうちの少なくとも1
個はアリル基であることが好ましく、少なくとも2個が
アリル基であることがさらに好ましい。
ましい(A)成分の具体例として1,2−ポリブタジエ
ン、水添ビスフェノールAジアリルエーテル、4−ビニ
ルシクロヘキセン、シクロペンタジエンまたは1,2,4−
トリビニルシクロヘキサンを挙げることができる。 ((B)成分)次に、(B)成分である1分子中に少な
くとも2個のSiH基を有するケイ素化合物について説
明する。
物については特に制限がなく、例えば国際公開WO96
/15194に記載される化合物で、1分子中に少なく
とも2個のSiH基を有するものなどが使用できる。
中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状、及び/又
は、環状ポリオルガノシロキサンが好ましく、(A)成
分との相溶性が良いという観点から、さらに、下記一般
式(III)
10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも
2個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが
好ましい。なお、一般式(III)で表される化合物中
の置換基R2としては、工業的な入手性が高いという観
点から、C、H、Oから構成されるものであることが好
ましく、炭化水素基であることがより好ましい。
するためには、(B)成分は、1分子中に少なくとも2
個のSiH基を含有する鎖状及び/又は環状ポリオルガ
ノシロキサン(以降(D)成分という)と、炭素−炭素
二重結合を有する有機化合物から選ばれた1種以上の化
合物(以降(E)成分という)との反応物であることが
好ましい。この場合、過剰量の(D)成分と比較的少量
の(E)成分とのヒドロシリル化反応により、SiH基
を有する化合物((B)成分)が得られる。
高くし得るという観点からは、(E)成分の好ましい具
体例として、ノボラックフェノールのアリルエーテルお
よびビスフェノールAジアリルエーテル、2、2’−ジ
アリルビスフェノールA、ジアリルフタレート、フタル
酸のビス(2−アリルオキシエチル)エステル、スチレ
ン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。(E)成分
の有機化合物は、単独もしくは2種以上のものを混合し
て用いることが可能である。
くは2種以上のものを混合して用いることが可能であ
る。
混合比率は、必要な強度を失わない限りは特に限定され
ないが、一般に上記(A)成分中のSiH基と反応性を
有する炭素−炭素二重結合の数のモル数(X)と、上記
(B)成分中のSiH基の数のモル数(Y)との比が、
2≧Y/X≧0.5であることが好ましく。Y/X>
2、あるいは0.5>Y/Xの場合は、十分な硬化性が
得られず、充分な強度が得られない場合があり、耐熱性
も低くなりうる。 (ヒドロシリル化触媒)次に(C)成分であるヒドロシ
リル化触媒について説明する。
ル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例え
ば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック
などの担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、
塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどとの
錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=
CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2C
l2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt
(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeV
iSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、P
t(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファ
イト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P
(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチ
ル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、
mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カ
ールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュ
ビー(Ashby)の米国特許第3159601号およ
び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水
素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の
米国特許第3220972号明細書中に記載された白金
アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック
(Modic)の米国特許第3516946号明細書中
に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明にお
いて有用である。
は、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl2O3、
RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdC
l2・2H2O、NiCl2、TiCl4などが挙げられ
る。
金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン
錯体などが好ましい。また、これらの触媒は単独で使用
してもよく、2種以上併用してもよい。
な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低
く抑えるために、SiH基1モルに対して、10-1〜1
0-8モルの範囲が好ましく、より好ましくは、10-2〜
10-6モルの範囲である。
が可能であり、例としてトリフェニルホスフィンなどの
リン系化合物、ジメチルマレエートなどの1,2−ジエス
テル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチ
ンなどのアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄な
どの硫黄系化合物、トリエチルアミンなどのアミン系化
合物などが挙げられる。助触媒の添加量は特に限定され
ないが、触媒1モルに対して、10-2〜102モルの範
囲が好ましく、より好ましくは10-1〜10モルの範囲
である。 (添加剤等)さらに本発明の硬化性組成物の保存安定性
を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化
反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用する
ことができる。
含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、
窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などが挙
げられ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和
結合を含有する化合物として、プロパギルアルコール
類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類などが
例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフ
ォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフ
ォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類などが例
示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカ
プタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾ
チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイドなどが例
示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜
3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒド
ラジンなどが例示される。スズ系化合物としては、ハロ
ゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズなどが例
示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペル
オキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキ
シド、過安息香酸t−ブチルなどが例示される。
好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾ
ール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ
−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
ドロシリル化触媒1molに対し、10-1〜103モル
の範囲が好ましく、より好ましくは1〜50モルの範囲
である。
種組み合わせのものが使用できるが、耐熱性が良好であ
るという観点から、組成物を硬化させて得られる硬化物
のTgが50℃以上となるものが好ましく、100℃以
上となるものがさらに好ましく、150℃以上となるも
のが特に好ましい。
ラーを添加してもよい。無機フィラーを添加すると、組
成物の流動性の防止、材料の高強度化に効果がある。無
機フィラーとしては光学特性を低下させない、微粒子状
なものが好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶
融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカや疎水性
超微粉シリカ、タルク、硫酸バリウムなどを挙げること
ができる。
る目的で、種々の樹脂を添加することも可能である。樹
脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスル
ホン樹脂、ポリアリレート樹脂、エポキシ樹脂、シアナ
ート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びポ
リエステル樹脂などが例示されるがこれに限定されるも
のではない。
剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難
燃剤、界面活性剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止
剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、酸化
防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線
遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金
属不活性化剤、物性調整剤などを本発明の目的および効
果を損なわない範囲において添加することができる。 (硬化性組成物の混合および成形方法)本発明の硬化性
組成物は、あらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部また
は全部を反応させることによって硬化させて光学材料と
することができる。
て、(A)、(B)、(C)各成分それぞれの必要量を
一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反
応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混
合した後反応条件の制御や、(1分子中に反応性の比較
的高い官能基と比較的低い官能基が混在する化合物を用
いた場合には)各々の官能基の反応性の差を利用するこ
とにより組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステー
ジ化)させてから成形などの処理を行いさらに硬化させ
る方法をとることもできる。これらの方法によれば成形
時の粘度調整が容易となる。
法をとることができるが、(A)成分に(C)成分を混
合したものと、(B)成分を混合する方法が好ましい。
(A)成分と(B)成分との混合物に(C)成分を混合
する方法であると反応の制御が困難なことがある。
(B)成分に(C)成分を混合したものに、(A)成分
を混合する方法をとる場合は、(C)成分の存在下
(B)成分が水分と反応性を有するため、貯蔵中などに
変質することもある。
けで反応させることもできるし、加熱して反応させるこ
ともできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得
られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好
ましい。
ば30〜300℃の温度が適用でき、100〜250℃
がより好ましく、150〜200℃がさらに好ましい。
反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長
くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやす
い。
に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよ
い。
常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもでき
る。
に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えば
フィルム状、シート状、チューブ状、ロッド状、塗膜
状、バルク状などの形状とすることができる。
方法をはじめとして種々の方法をとることができる。例
えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー
成形法、コーティング法、RIM法などの成形方法を適
用することができる。成形型は研磨ガラス、硬質ステン
レス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフ
タレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用する
ことができる。また、成形型との離型性を向上させるた
めポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレン
フィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用する
ことができる。
できる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のため
に組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧な
どにより脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する
処理などを適用することもできる。
そのままフィルムなどに成形することも可能であるが、
該組成物を有機溶剤に溶解してワニスとすることも可能
である。使用できる溶剤は特に限定されるものではな
く、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサ
ン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラ
ン、1, 4−ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエー
テル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロ
ロエタンなどのハロゲン系溶媒を好適に用いることがで
きる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることも
できる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量は、用い
る反応性(A)成分1gに対し、0.001〜10 m
Lの範囲で用いるのが好ましく、0.5〜5mLの範囲
で用いるのがさらに好ましく、1〜3mLの範囲で用い
るのが特に好ましい。使用量が少ないと、低粘度化など
の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用
量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラックなどの問
題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用
価値が低下する。 (用途)本発明の組成物は、あらかじめ混合し、組成物
中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とS
iH基の一部または全部を反応させることによって硬化
させて光学材料とすることができる。
物として用いることができる。ここで言う光学材料と
は、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光
をその材料中を通過させる用途に用いる材料一般を示
す。
おける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位
相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィ
ルムなどの液晶用フィルムなどの液晶表示装置周辺材料
である。また、次世代フラットパネルディスプレイとし
て期待されるカラーPDP(プラズマディスプレイ)の
封止剤、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジ
ング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材
料、接着剤、またLED表示装置に使用されるLED素
子のモールド材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラ
ス代替材料、接着剤、またプラズマアドレス液晶(PA
LC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズ
ムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接
着剤、偏光子保護フィルム、また有機EL(エレクトロ
ルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保
護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またフィー
ルドエミッションディスプレイ(FED)における各種
フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス
代替材料、接着剤である。
ク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−
R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディス
ク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレ
ンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤などである。
ズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、
ファインダーカバー、受光センサー部である。また、ビ
デオカメラの撮影レンズ、ファインダーである。またプ
ロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封
止剤、接着剤などである。光センシング機器のレンズ用
材料、封止剤、接着剤、フィルムなどである。
イッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の
封止剤、接着剤などである。光コネクタ周辺の光ファイ
バー材料、フェルール、封止剤、接着剤などである。光
受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、LED素子
の封止剤、接着剤などである。光電子集積回路(OEI
C)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、
接着剤などである。光ファイバー分野では、装飾ディス
プレイ用照明・ライトガイドなど、工業用途のセンサー
類、表示・標識類など、また通信インフラ用および家庭
内のデジタル機器接続用の光ファイバーである。
LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材
料である。
プリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕
コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部
品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキ
オイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、
内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動
車ランプ、ガラス代替品である。また、鉄道車輌用の複
層ガラスである。また、航空機の構造材の靭性付与剤、
エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コ
ートである。
バー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池
周辺材料である。農業用では、ハウス被覆用フィルムで
ある。次世代の光・電子機能有機材料としては、有機E
L素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−
光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太
陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止
剤、接着剤などである。 (硬化性組成物を液晶表示装置に用いる場合の詳細)上
記光学材料を用いて液晶表示装置を製造することができ
る。
セル、偏光板、位相差板、偏光子保護フィルムなどの液
晶用フィルムとして使用し、通常の方法によって液晶表
示装置を製造すればよい。 (光学材料として透明導電性フィルムに使用する場合の
詳細)本発明における透明導電性フィルムとは、上記
(A)〜(C)成分を必須成分として構成される硬化性
組成物からなる透明フィルムの少なくとも一つの表面に
透明導電層が設けられているフィルムであり、厚み・外
観・形状等特に限定されるものではない。
ィルムの少なくとも一つの表面に、金属薄膜、半導体薄
膜、あるいは多層薄膜などの透明導電膜を被覆させるこ
とによって製造するものであり、全表面、片方の面等、
特に限定されるものではない。
ロム、銀、亜鉛、アルミニウム、銅、金、パラジウムな
ど、半導体薄膜としては、例えばスズ、テルル、カドミ
ウム、モリブデン、タングステン、フッ素等を不純物と
して添加した酸化インジウム、酸化カドミウム、及び酸
化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜
鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。特に、
酸化スズを2〜15重量%含有した酸化インジウム(I
TO)の半導体薄膜が透明性、導電性に優れており、好
ましく用いられる。誘電体/金属/誘電体にて構成され
る多層薄膜としては、酸化チタン/金/酸化チタンなど
が例として挙げられる。
が好ましく、5nm未満では均一に膜を形成することが
困難な場合があり、200nmを越えると透明性が低下
したり、耐屈曲性が悪くなることがある。
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーディング法、イオンビームスパッタリング法などが挙
げられる。
ィルムの製造方法としては、従来の熱硬化性樹脂の成形
方法をはじめとして種々の方法をとることができる。
テンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテ
レフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用
することができる。また、成形型との離型性を向上させ
るためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカー
ボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチ
レンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、
ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用
することができる。
ヤー性、耐傷つき性、耐薬品性等の機能を付与する目的
にて、薄膜が塗工されたものであってもよい。
基、イミノ基、エポキシ基、シリル基などを有する熱硬
化性樹脂、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
基などを有する放射線硬化型樹脂、あるいはこれら樹脂
の混合物に重合禁止剤、ワックス類、分散剤、顔料、溶
剤、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、無機フィラー等を加
えたものを、グラビアロールコーティング法、マイヤー
バーコーティング法、リバースロールコーティング法、
ディップコーティング法、エアーナイフコーティング
法、カレンダーコーティング法、スキーズコーティング
法、キスコーティング法、ファンテンコーティング法、
スプレーコーティング法、スピンコーティング法等の方
法により塗工することができる。さらに、塗工後、必要
に応じて放射線照射による硬化、または加熱による熱硬
化を行わせて硬化薄膜層とすることができる。また、印
刷を行う際にはグラビア方式、オフセット方式、フレキ
ソ方式、シルクスクリーン方式などの方法を用いること
ができる。また、ガスシール性等を付与する目的から、
アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、亜鉛等を主成分
とする金属酸化物層を有してもよく、金属酸化物層は真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、プラズマCVD法により形成される。
可能である。積層化させる方法としては、公知公用のい
かなる方法を用いてもよく、例えば、ヒートシール法、
インパルスシール法、超音波接合法、高周波接合法など
の熱接合方法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネ
ート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、
無溶剤接着ラミネート法、サーマルラミネート法、共押
出法等のラミネート加工方法などが挙げられる。積層化
させるフィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂フ
ィルム、ポリビニルアルコール樹脂フィルム、セルロー
ス樹脂フィルム、ポリフッ化ビニル樹脂フィルム、ポリ
塩化ビニリデン樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル樹
脂フィルム、ナイロン樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂
フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、アセテート樹
脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリカーボネー
トフィルム、ポリアクリレートフィルム等が挙げられ
る。
ては、以下のものが挙げられる。 表示装置分野:メンブレンスイッチ、液晶表示装置(位
相差フィルム、偏光フィルム、プラスチック液晶セ
ル)、エレクトロルミネッセンス、エレクトロクロミッ
ク、電気泳動表示、プラズマディスプレイパネル、フィ
ールド・エミッションディスプレイ、バックライト用拡
散フィルム、カラーフィルター、 記録分野:静電記録基板、OHP、第2原図、スライド
フィルム、マイクロフィルム、X線フィルム、 光・磁気メモリー分野:サーモ・プラスチック・レコー
ディング、強誘電体メモリー、磁気テープ、IDカー
ド、バーコード、 帯電防止分野分野:メータ類の窓、テレビのブラウン
管、クリーンルーム窓、半導体包装材料、VTRテー
プ、フォトマスク用防塵フィルム、 電磁波遮蔽分野:計測器、医療機器、放射線検出器、I
C部品、CRT、液晶表示装置、 光電変換素子分野:太陽電池の窓、光増幅器、光センサ
ー、 熱線反射分野:窓(建築、自動車等)、白熱電球、調理
オーブンの窓、炉の覗き窓、選択透過膜、 面状発熱体分野:デフロスタ、航空機、自動車、冷凍
庫、保育器、ゴーグル、医療機器、液晶表示装置、 電子部品・回路材料分野:コンデンサー、抵抗体、薄膜
複合回路、リードレスLSIチップキャリアの実装、 電極分野:ペーパーバッテリー用電極、 光透過フィルター分野:紫外線カットフィルター、紫外
線透過フィルター、紫外線透過可視光吸収フィルター、
色分解フィルター、色温度変換フィルター、ニュートラ
ルデンシティフィルター、コントラストフィルター、波
長校正フィルター、干渉フィルター、赤外線透過フィル
ター、赤外線カットフィルター、熱線吸収フィルター、
熱線反射フィルター、 ガス選択透過性膜分野:酸素/窒素分離膜、二酸化炭素
分離膜、水素分離膜、 電気絶縁分野:絶縁粘着テープ、モーターのスロットラ
イナ、変圧機の相間絶縁、 高分子センサー分野:光センサー、赤外線センサー、音
波センサー、圧力センサー、 表面保護分野:液晶表示装置、CRT、家具、システム
キッチン、自動車内外装、 その他分野:通電熱転写、プリンターリボン、電線ケー
ブルシールド、漏水防止フィルム。
が、本発明は以下によって限定されるものではない。 (合成例1:ビスフェノールAジアリルエーテル(BP
A−AE)の合成)1Lの3つ口フラスコに、撹拌装
置、冷却管をセットした。このフラスコに、ビスフェノ
ールA114g、炭酸カリウム145g、アリルブロマ
イド140g、アセトン250mLを入れ、60℃で1
2時間撹拌した。上澄み液をとり、分液ロートで水酸化
ナトリウム水溶液により洗浄し、その後水洗した。油層
を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、エバポレーターで溶
媒を留去したところ、淡黄色の液体126gが得られ
た。1H−NMRにより、ビスフェノールAのOH基が
アリルエーテル化したビスフェノールAジアリルエーテ
ルであることがわかった。収率は82%であり純度は9
5%以上であった。 (合成例2:BPA−AE変性体の合成)1Lの4つ口
フラスコに、攪拌装置、冷却管、滴下漏斗をセットし
た。このフラスコにトルエン150g、白金ビニルシロ
キサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)
15.6μL、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサン500gを加えてオイルバス中で70℃に加
温、攪拌した。合成例1で製造したビスフェノールAジ
アリルエーテル64gをトルエン40gで希釈して滴下
漏斗から滴下した。同温で60分攪拌後放冷し、ベンゾ
チアゾール4.74mgを添加した。未反応の1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエン
を減圧留去し、やや粘ちょうな液体を得た。1H−NM
Rによりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサンのSiH基の一部がビスフェノールAジア
リルエーテルと反応したもの(部分反応物Aと称す)で
あることがわかった。 (合成例3:水添ビスフェノールAジアリルエーテル
(HBPA−AE)の合成)500mLの4つ口フラスコ
に、攪拌装置、冷却管をセットした。このフラスコに下
式
49g、50wt%水酸化ナトリウム水溶液243g、
臭化テトラn−ブチルアンモニウム3.54g、塩化ア
リル20.5g、キシレン16.0mLを入れ、窒素下
で60℃で5時間、次いで70℃で4時間加熱撹拌し
た。分液ロートで油層を分離し、1N塩酸50mLで1
回、水200mLで4回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱
水した。60〜70℃にてエバポレーターで溶媒を留去
したところ、淡黄色の液体が得られた。1H−NMRに
より、水添ビスフェノールAのOH基がアリルエーテル
化した水添ビスフェノールAジアリルエーテルであるこ
とがわかった。 (実施例1:PB/シロキサン)1,2−ポリブタジエン
(日本曹達社製B−1000)1.27gと、1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.20gと、
白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として
0.25wt%含有)10μLとを混合して本発明の組
成物とした。
し、オーブン中で50℃から120℃まで5時間かけて
昇温し透明フィルムを得た。このものを2枚のガラス板
にはさみ、窒素気流下(20mL/分)150℃で3時
間加熱硬化させた。得られた材料は目視で均一透明であ
り、強靭性を有していた。 (実施例2:PB/シロキサン)1,2−ポリブタジエン
(日本曹達社製B−1000)5.08gと、1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサン4.80gと、
白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として
0.25wt%含有)40μLとを混合して本発明の組
成物とした。
ポリイミドフィルムを離型フィルムとして用いて充填
し、75℃で30分、110℃で30分、さらに150
℃で12時間加熱硬化させた。得られた材料は目視で均
一かつ無色透明であった。 (実施例3:PB+VCH/シロキサン)1,2−ポリブタ
ジエン(日本曹達社製B−1000)1.27gと4−
ビニルシクロヘキセン1.08g、1,3,5,7−テトラメ
チルシクロテトラシロキサン2.40gと、白金ビニル
シロキサン錯体のキシレン溶液(白金として0.25w
t%含有)20μLとを混合して本発明の組成物とし
た。
し、オーブン中で50℃から120℃まで5時間かけて
昇温し透明フィルムを得た。このものを2枚のガラス板
にはさみ、窒素気流下(20mL/分)150℃で3時
間加熱硬化させた。得られた材料は目視で均一透明であ
り、強靭性を有していた。 (実施例4:TVC/BPA−AE変性体)1,2,4−ト
リビニルシクロヘキサン(デグサヒュルス社製)1.0
9gと、合成例2で得られたBPA-AE変性体2.6
3gと、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白
金として0.25wt%含有)20μLとを混合して本
発明の組成物とした。このものを直径6.7cmの軟膏
缶に流延し、オーブン中で50℃から120℃まで5時
間かけて昇温し透明フィルムを得た。このものを2枚の
ガラス板にはさみ、窒素気流下(20mL/分)200
℃で2時間加熱硬化させた。得られた材料は目視で均一
透明であり、強靭性を有していた。 (実施例5:VCH/BPA−AE変性体)4−ビニル
シクロヘキセン(東京化成社製)2.63gと、合成例
2で得られたBPA-AE変性体2.63gと、白金ビ
ニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として0.3
wt%含有)30.2μLとを混合して本発明の組成物
とした。このものを直径6.7cmの軟膏缶に流延し、
オーブン中で50℃から120℃まで5時間かけて昇温
し透明フィルムを得た。このものを2枚のガラス板には
さみ、窒素気流下(20mL/分)200℃で2時間加
熱硬化させた。得られた材料は目視で均一微黄色透明固
体であり、強靭性を有していた。 (実施例6:PB/BPA−AE変性体)1,2−ポリブ
タジエン(日本曹達社製B−1000)6.23gと、
合成例2で得られたBPA-AE変性体14.0gと、
白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として
0.15wt%含有)147μLとを混合して本発明の
組成物とした。
時間脱泡した後、PETフィルムを離型フィルムとして
用い、バーコーターを用いて厚み0.2mmにてキャス
トした。窒素雰囲気中で、100℃で30分、引き続き
120℃で15時間加熱硬化させた。目視で均一透明な
フィルムが得られた。 (実施例7:TVC/BPA−AE変性体)1,2,4−ト
リビニルシクロヘキサン(デグサヒュルス社製)6.2
3gと、合成例2で得られたBPA-AE変性体14.
0gと、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白
金として0.15wt%含有)147μLとを混合して
本発明の組成物とした。
時間脱泡した後、PETフィルムを離型フィルムとして
用い、バーコーターを用いて厚み0.2mmにてキャス
トした。窒素雰囲気中で、100℃で30分、引き続き
120℃で15時間加熱硬化させた。目視で均一透明な
フィルムが得られた。 (実施例8:VCH/シロキサン)4−ビニルシクロヘ
キセン(東京化成社製)7.0gと、1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサン7.8gと、白金ビニル
シロキサン錯体のキシレン溶液(白金として0.5wt
%含有)10.0μLとを混合して本発明の組成物とし
た。得られた材料は目視で均一かつ無職透明であった。 (実施例9:HBPA−AE/BPA−AE変性体)合
成例3で製造したHBPA−AE 1.2gと、合成例
2で製造したBPA-AE変性体(合成例2で示したよ
うにBPA-AE変性体は本発明の(C)成分としての
白金ビニルシロキサン錯体を含有している )1.0g
とを混合して本発明の組成物とした。
し、オーブン中で50℃で2時間、80℃で4時間、1
20℃で1時間、150℃で19時間加熱硬化させた。
得られた材料は目視で均一かつ微黄色透明であった。 (比較例1)帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂C
−1400(平均分子量37000)を用いてフィルム
(厚み:100μm)を作製し光学特性を評価した。 (比較例2)帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂C
−1400(平均分子量37000)を用いてフィルム
(厚み:3mm)を作製し光学特性を評価した。 (測定例)実施例1〜3、比較例1、2で得られた試料
について光学特性を評価した。 リターデーション:フィルムから20mm×20mmの
サイズで試験片を切り出した。温度25℃、湿度50%
において、オーク製作所製顕微偏光分光光度計(波長5
15nm)を用いて各試験片について無荷重の場合の角
位相を測定し、次式よりリターデーション値を求めた。 リターデーション=(角位相−90)/180×515 全光線透過率:フィルムから30mm×30mmのサイ
ズで試験片を切り出した。温度23℃、湿度50%にお
いて、日本電色工業製濁度計300Aを用いて測定し
た。
ム液晶表示基板用材料はポリカーボネートフィルムと比
較して、低複屈折を持ち、高全光線透過率である優れた
性能を有する。
いることによって表示品位が高い液晶表示装置が作製出
来る。 (実施例10)実施例1と同じ組成物を、約1torr
の減圧下で1時間脱泡した後、結晶化PETフィルムを
離型フィルムとして用い、0.3mm厚のシリコーンゴ
ムをスペーサーとして用いて150℃の温度で1時間3
kg/cm2の圧力でプレス成形した。得られた材料は
実施例1で得た材料と同様の性状を有していた。 (実施例11)実施例1と同じ組成物を、約1torr
の減圧下で1時間脱泡した後、PETフィルムを離型フ
ィルムとして用い、バーコーターを用いてキャストし
た。100℃で30分、引き続き120℃で15時間加
熱硬化させた。膜厚180μmの目視均一透明なフィル
ムが得られた。 (実施例12)1.2−ポリブタジエン(日本曹達社製
B−1000)6.23gと、合成例2で製造したBP
A−AE変性体(合成例2で示したようにBPA−AE
変性体は本発明の(C)成分としての白金ビニルシロキ
サン錯体を含有している)14.48gとを混合して本
発明の組成物とした。このものを、隙間を170μmに
設定したバーコーターを用いてPETフィルム上に流延
し、オーブン中で100℃で30分、次いで120℃で
15時間加熱し、厚み112μmの透明フィルムを得
た。
ンジウムスズ(ITO)膜をスパッタリング法により以
下のように形成させた。スパッタ装置としてShima
duSputtering System HSM−4
21を用い、ターゲットには酸化インジウム90重量%
と酸化スズ10重量%からなる酸化インジウムスズを用
いた。上記透明性フィルムをスパッタ装置にセットした
後、室温下、2.1×10-5Torrの圧力まで排気
し、次いで、アルゴンを導入してスパッタリングを行っ
た結果、膜厚100nmの透明導電膜が形成され、この
表面抵抗値は119Ω/□であった。
にセットした後、250℃の温度下、3.6×10-5T
orrの圧力まで排気し、次いで、アルゴンを導入して
スパッタリングを行った結果、膜厚100nmの透明導
電膜が形成され、この表面抵抗値は69Ω/□であっ
た。 (実施例13)本発明の液晶表示装置は、例えば以下の
ようなものである。
晶表示装置基板用材料を用いて作製出来るプラスチック
フィルム液晶表示装置1の構成を示す断面図である。
の透光性を有する透明基板2、3を有しており、各透明
基板2、3の外側の表面に、液晶層内へ酸素や水蒸気な
どのガスが進入することを防ぐガスバリア層4、5が形
成されている。このガスバリア層4、5は、使用環境に
応じ、より耐通気性が要求される場合に適宜形成される
ものであり、ポリビニルアルコールなどによって形成さ
れる。
SiOXを150〜1000Åの膜厚に蒸着してアンダ
ーコート層6、7が形成され、さらにこの上に、ITO
(インジウム酸化錫)を膜厚約1500Åにスパッタ蒸
着して透明導電膜8、9が形成されている。さらにこの
上にトップコート層10、11およびポリイミドを約5
00Åになるようにスピンコートまたは印刷した配向膜
12、13が形成されている。
14を注入し、シール部材15で封止し、さらに外方側
表面に偏光板16、17を積層して液晶表示装置1が構
成される。
置基板用材料はリターデーションが微少であるため液晶
表示装置の表示品位が向上する。
屈折率が低く、光学的透明性が高く、さらに強靭性を有
する光学材料用に適した材料である。
ィルムは、リターデーションが低く、光学的透明性が高
いためエレクトロニクス分野をはじめとする高度、且つ
複雑な特性の求められる用途に用いることができる。
フィルム液晶表示装置基板用材料は、リターデーション
が低く、光学的透明性が高いためプラスチックフィルム
液晶表示装置用基板材料として好適である。
示装置基板用材料を用いて作製したプラスチックフィル
ム液晶表示装置の概略断面図である。
Claims (21)
- 【請求項1】 (A)成分として、SiH基と反応性を
有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個
有する脂肪族系有機化合物、 (B)成分として、1分子中に少なくとも2個のSiH
基を有する化合物、および (C)成分として、ヒドロシリル化触媒、 を含有する硬化性組成物。 - 【請求項2】 上記(A)成分に含まれる炭素−炭素二
重結合の少なくとも一個が、ビニル基又はアリル基であ
る請求項1に記載の硬化性組成物。 - 【請求項3】 上記(A)成分が、1,2−ポリブタジエ
ン、水添ビスフェノールAジアリルエーテル、4−ビニ
ルシクロヘキセンまたは1,2,4−トリビニルシクロヘキ
サンである請求項1又は2に記載の硬化性組成物。 - 【請求項4】 上記(A)成分が、水添ビスフェノール
Aジアリルエーテル、4−ビニルシクロヘキセンまたは
1,2,4−トリビニルシクロヘキサンである請求項1〜3
のいずれかの項に記載の硬化性組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の硬
化性組成物が、光学材料に用いられる光学材料用組成
物。 - 【請求項6】 上記光学材料が液晶用フィルムである請
求項5に記載の光学材料用組成物。 - 【請求項7】 上記光学材料が液晶用プラスチックセル
である請求項5に記載の光学材料用組成物。 - 【請求項8】 請求項5〜7のいずれか1項に記載の光
学材料用組成物を混合し、上記(A)成分に含まれる炭
素−炭素二重結合と、上記(B)成分に含まれるSiH
基の一部または全部を反応させることによって硬化させ
てなる光学材料。 - 【請求項9】 請求項5〜7のいずれか1項に記載の光
学材料用組成物を混合する工程、および上記(A)成分
に含まれる炭素−炭素二重結合と、上記(B)成分に含
まれるSiH基の一部または全部を反応させる工程、を
包含する光学材料の製造方法。 - 【請求項10】 請求項8に記載の光学材料を用いた液
晶表示装置。 - 【請求項11】 請求項1記載の硬化性組成物を硬化す
ることによって得られた硬化物からなる透明性フィルム
と、該透明性フィルムの少なくとも一つの表面に設けら
れた透明導電層と、を有する透明導電性フィルム。 - 【請求項12】 請求項11に記載の透明導電性フィル
ムを、成形型によって作製することを包含する透明導電
性フィルムの製造方法。 - 【請求項13】 上記成形型が、表面が研磨されたガラ
ス製である請求項12記載の透明導電性フィルムの製造
方法。 - 【請求項14】 上記成形型が、硬質ステンレス製研磨
板である請求項12記載の透明導電性フィルムの製造方
法。 - 【請求項15】 請求項11に記載の透明導電性フィル
ムを、溶液流延法によって作製することを包含する透明
導電性フィルムの製造方法。 - 【請求項16】 一対のプラスチックフィルム基板間に
液晶層を介在したプラスチックフィルム液晶表示装置に
おいて、 上記基板の一方又は両方が、請求項1記載の硬化性組成
物を硬化することによって得られるプラスチックフィル
ム液晶表示装置。 - 【請求項17】 上記液晶層がスーパーツイステッドネ
マテイック型である請求項16に記載のプラスチックフ
ィルム液晶表示装置。 - 【請求項18】 請求項16に記載の液晶表示装置に使
用する上記基板を成形型によって作製するプラスチック
フィルム液晶表示装置の製造方法。 - 【請求項19】 上記成形型が研磨ガラス製である請求
項18記載のプラスチックフィルム液晶表示装置の製造
方法。 - 【請求項20】 上記成形型が硬質ステンレス製研磨板
である請求項18記載のプラスチックフィルム液晶表示
装置の製造方法。 - 【請求項21】 上記液晶表示装置に使用されるプラス
チックフィルム基板を、流延法によって作製する工程を
包含する請求項18に記載のプラスチックフィルム液晶
表示装置の製造方法。
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