JP2000080239A - 透明導電性フィルム - Google Patents
透明導電性フィルムInfo
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Abstract
優れた透明導電性フィルムを提供する。 【解決手段】a)マレイミド・オレフィン共重合体1〜
99重量%、b)アクリロニトリル単位を21〜45重
量%含むアクリロニトリル・スチレン共重合体99〜1
重量%よりなる樹脂組成物からなる透明性フィルムの少
なくとも一つの表面に透明導電層が設けられていること
を特徴とする透明導電性フィルムを製造し、用いる。
Description
フィン系共重合体及びアクリロニトリル・スチレン共重
合体よりなる樹脂組成物からなる透明性フィルムに透明
導電膜を被覆した、透明性、耐熱性、及び機械特性に優
れる透明導電性フィルムに関するものである。
つ導電性を有するプラスチックフィルムであり、光と電
気が関与する技術分野において利用される機能性フィル
ムである。そして、最近のエレクトロニクス化の進展に
伴い、透明導電性フィルムが用いられる部品、機器の軽
量化、小型化、低コスト化、デザインの自由度、高性能
化が求められており、従来用途、新規用途ともに、透明
導電性フィルムにもさらなる高機能化が求められてい
る。透明導電性フィルムには、高光線透過率が求められ
るが、液晶表示や、光記録などの用途においては複屈折
などの光学特性も重要視される。また、耐熱性や表面硬
度、ガス透過性、耐薬品性などの性能が求められるケー
スも少なくない。従来、透明導電性フィルムとしてはポ
リエステル(PET)フィルムやポリカーボネート(P
C)フィルムを基材とし、金属薄膜やITOなどの半導
体薄膜を表面に形成されたものが知られる。PETフィ
ルムを基材とした透明導電性フィルムについては、PE
Tフィルムが製造中の延伸操作により分子配向したもの
となるため、光学異方性が大きくなり、複屈折が劣る。
また、PCフィルムを基材とした透明導電性フィルムに
関しては、PCが分子内にベンゼン環のような分極率の
大きい基を持つため、大きな分極率異方性を示し、複屈
折を生じやすいばかりでなく、表面硬度、耐薬品性にも
劣る。また、ポリアリレート(PAR)フィルムやポリ
エーテルサルフォン(PES)フィルムを基材とした透
明導電性フィルムに関しては、非常に優れた耐熱性を有
するが、着色が強く、非常に高価であるといった問題が
ある。このように、従来の透明導電性フィルムは、それ
ぞれ長所と短所を有するのが実情であり、近年の高度
化、複雑化した要求を必ずしも満足させるべきものとは
言い難い。
特性、耐熱性、機械特性及び表面平滑性に優れた透明導
電性フィルムを提供することにある。
に鑑み鋭意検討した結果、マレイミド・オレフィン系共
重合体及び特定の組成からなるアクリロニトリル・スチ
レン共重合体よりなる樹脂組成物からなる透明性フィル
ムに透明導電膜を形成させた透明導電性フィルムが、上
記目的を満たすことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
分(I)が40〜60モル%、構成成分(II)が60
〜40モル%であり、数平均分子量が1×103以上5
×106以下であるマレイミド・オレフィン共重合体1
〜99重量%、b)アクリロニトリル単位を21〜45
重量%含むアクリロニトリル・スチレン共重合体99〜
1重量%よりなる樹脂組成物からなる透明性フィルムの
少なくとも一つの表面に透明導電層が設けられているこ
とを特徴とする透明導電性フィルムに関するものであ
る。
からなるマレイミド・オレフィン共重合体は、例えば、
マレイミド類とオレフィン類とのラジカル共重合反応に
より得ることができる。構成成分(I)を与える化合物
としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i
−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N
−i−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、
N−t−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミ
ド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−シクロプロピル
マレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミド等のマレイミド類が例示され、耐熱
性、機械特性、及び透明性の点から特にN−メチルマレ
イミドが好ましい。さらに、これら化合物は1 種または
2種以上組み合わせて用いることができる。
は、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル
−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン等のオレフ
ィン類が例示でき、このうち耐熱性、機械特性、及び透
明性の点から特にイソブテンが好ましい。また、これら
化合物は1種または2種以上組み合わせて用いることが
できる。構成成分1の含有量は、共重合体全体の40〜
60モル%であり、耐熱性及び機械特性の点から45〜
55モル%が好ましい。構成成分(I)が60モル%を
越える場合には得られるフィルムは脆くなり、40モル
%未満の場合では得られるフィルムの耐熱性が低下する
ため好ましくない。
例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、及び乳化
重合法のいずれもが採用可能である。得られるフィルム
の透明性、色調の点から特に沈殿重合法が好ましい。
サイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化
物、または、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニト
リル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメ
チル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等の
アゾ系開始剤が挙げられる。
は、ベンゼン、シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチル
ホルムアミド、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール等が挙げられる。特に、沈殿重合に用いられる溶媒
としては、芳香族系溶媒とアルコールの混合溶媒が好ま
しい。
宜設定することができるが、一般的には40〜150℃
の範囲で行うことが好ましい。
は、無水マレイン酸とオレフィン類との共重合により得
られる樹脂をアンモニア、アルキルアミンを用いて、後
イミド化することによっても得ることができる。
水マレイン酸・イソブテン共重合体を溶融状態またはメ
タノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール
溶媒などの一級アミンと100〜350℃の温度で反応
させることにより製造することができる。ここで、生成
する共重合体の数平均分子量(Mn)はゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ(GPC)により求めることが
できる。マレイミド・オレフィン共重合体の分子量は1
×103以上5×106以下、特に機械特性と成形性のバ
ランスの点から1×104以上1×106以下のものが好
ましい。分子量が5×106を越える場合には、得られ
るフィルムの表面性が悪くなり、1×103未満の場合
には、得られるフィルムが脆くなる傾向にある。
チレン共重合体のアクリロニトリル含量は、組成全体の
21〜45重量%が好ましい。この範囲を外れるとマレ
イミド・オレフィン共重合体とアクリロニトリル・スチ
レン共重合体との相溶性が低下するため、得られるフィ
ルムは不透明になり、また耐熱性も低下するため好まし
くない。
重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体の割合
は、1:99〜99:1(重量%)、加工性と耐熱性の
バランスの点から10:90〜90:10(重量%)、
特に50:50〜90:10(重量%)が好ましい。マ
レイミド・オレフィン共重合体が1重量%未満の場合に
は、フィルムの耐熱性が低下するため好ましくない。ま
た、マレイミド・オレフィン共重合体が99重量%を越
える場合には、アクリロニトリル・共重合体の熱劣化が
生じ易くなり、あるいは得られるフィルムに表面荒れが
発生するため好ましくない。
優れ、特に光学的に等方性であるがため、複屈折が低い
といった特徴を有する。複屈折とは、非等方性材料に入
射した光が互いに垂直な振動方向を持つ二つの光波に分
かれる現象であり、光学材料としては複屈折を生じな
い、つまり光学的に等方性であることが望まれる。本発
明における透明性フィルムは、正の複屈折を有するマレ
イミド・オレフィン共重合体、及び負の複屈折を有する
アクリロニトリル・スチレン共重合体からなり、お互い
の複屈折を打ち消しあっているため、複屈折が小さいの
である。
旨を越えない範囲で、その他ポリマー、界面活性剤、高
分子電解質、カーボンブラック、カーボンファイバー、
導電性錯体、無機フィラー、シリカ、アルミナ、ゼオラ
イト、顔料、染料、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、アンチブロッキング剤、滑剤等が加えられていても
よい。
ィルムの少なくとも一つの表面に、金属薄膜、半導体薄
膜、あるいは多層薄膜などの透明導電膜を被覆させるこ
とによって製造するものであり、全表面、片方の面等、
特に限定されるものではない。金属薄膜としては、ニッ
ケル、チタン、クロム、銀、亜鉛、アルミニウム、銅、
金、パラジウムなど、半導体薄膜としては、例えばス
ズ、テルル、カドミウム、モリブデン、タングステン、
フッ素等を不純物として添加した酸化インジウム、酸化
カドミウム、及び酸化スズ、不純物としてアルミニウム
を添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙
げられる。特に、酸化スズを2〜15重量%含有した酸
化インジウム(ITO)の半導体薄膜が透明性、導電性
に優れており、好ましく用いられる。誘電体/金属/誘
電体にて構成される多層薄膜としては、酸化チタン/金
/酸化チタンなどが例として挙げられる。
が好ましく、5nm未満では均一に膜を形成することが
困難であり、200nmを越えると透明性が低下するだ
けでなく、耐屈曲性が悪くなるといった問題がある。
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーディング法、イオンビームスパッタリング法などが挙
げられる。
ィルムの製造方法としては、キャスティング法(溶液流
延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法などの
公知公用の方法が挙げられる。キャスティング法に用い
られる溶媒類としては、クロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタンなどの塩素系溶媒、トルエン、キシレン、及び
これらの混合溶媒などの芳香族系溶媒、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブ
タノールなどのアルコール系溶媒、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン、テトラ
ハイドロフラン、アセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、
シエチルエーテルなどを用いることができ、成形装置と
してはドラム式キャスティングマシン、バンド式キャス
ティングマシン、スピンコーターなどが使用できる。溶
融押出法としては、Tダイ法、及びインフレーション法
が挙げられる。また、得られたフィルムは延伸法により
延伸フィルムとしてもよく、採用できるニ軸延伸法とし
てテンター法、チューブ法、一軸延伸法として水槽延伸
法、輻射延伸法、熱風加熱法、熱板過熱法、ロール加熱
法などが挙げられる。
00μmであり、より好ましくは30〜200μmであ
る。フィルム厚みが10μm未満の場合は、機械特性が
低下し、500μmを超える場合には、可撓性に問題が
生じる。
ヤー性、耐傷つき性、耐薬品性等の機能を付与する目的
にて、薄膜が塗工されたものであってもよい。すなわ
ち、各種の熱可塑性樹脂、アミノ基、イミノ基、エポキ
シ基、シリル基などを有する熱硬化性樹脂、アクリロイ
ル基、メタクリロイル基、ビニル基などを有する放射線
硬化型樹脂、あるいはこれら樹脂の混合物に重合禁止
剤、ワックス類、分散剤、顔料、溶剤、染料、可塑剤、
紫外線吸収剤、無機フィラー等を加え、グラビアロール
コーティング法、マイヤーバーコーティング法、リバー
スロールコーティング法、ディップコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カレンダーコーティング
法、スキーズコーティング法、キスコーティング法、フ
ァンテンコーティング法、スプレーコーティング法、ス
ピンコーティング法等の方法により塗工することができ
る。さらに、塗工後、必要に応じて放射線照射による硬
化、または加熱による熱硬化を行わせて硬化薄膜層とす
ることができる。また、印刷を行う際にはグラビア方
式、オフセット方式、フレキソ方式、シルクスクリーン
方式などの方法を用いることができる。また、ガスシー
ル性等を付与する目的から、アルミニウム、ケイ素、マ
グネシウム、亜鉛等を主成分とする金属酸化物層を有し
てもよく、金属酸化物層は真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法により
形成される。
可能である。積層化させる方法としては、公知公用のい
かなる方法を用いてもよく、例えば、ヒートシール法、
インパルスシール法、超音波接合法、高周波接合法など
の熱接合方法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネ
ート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、
無溶剤接着ラミネート法、サーマルラミネート法、共押
出法等のラミネート加工方法などが挙げられる。積層化
させるフィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂フ
ィルム、ポリビニルアルコール樹脂フィルム、セルロー
ス樹脂フィルム、ポリフッ化ビニル樹脂フィルム、ポリ
塩化ビニリデン樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル樹
脂フィルム、ナイロン樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂
フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、アセテート樹
脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリカーボネー
トフィルム、ポリアクリレートフィルム等が挙げられ
る。
ては、以下のものが挙げられる。
表示装置(位相差フィルム、偏光フィルム、プラスチッ
ク液晶セル)、エレクトロルミネッセンス、エレクトロ
クロミック、電気泳動表示、プラズマディスプレイパネ
ル、フィールド・エミッションディスプレイ、バックラ
イト用拡散フィルム、カラーフィルター 記録分野:静電記録基板、OHP、第2原図、スライド
フィルム、マイクロフィルム、X線フィルム 光・磁気メモリー分野:サーモ・プラスチック・レコー
ディング、強誘電体メモリー、磁気テープ、IDカー
ド、バーコード 帯電防止分野分野:メータ類の窓、テレビのブラウン
管、クリーンルーム窓、半導体包装材料、VTRテー
プ、フォトマスク用防塵フィルム 電磁波遮蔽分野:計測器、医療機器、放射線検出器、I
C部品、CRT、液晶表示装置 光電変換素子分野:太陽電池の窓、光増幅器、光センサ
ー 熱線反射分野:窓(建築、自動車等)、白熱電球、調理
オーブンの窓、炉の覗き窓、選択透過膜 面状発熱体分野:デフロスタ、航空機、自動車、冷凍
庫、保育器、ゴーグル、医療機器、液晶表示装置 電子部品・回路材料分野:コンデンサー、抵抗体、薄膜
複合回路、リードレスLSIチップキャリアの実装 電極分野:ペーパーバッテリー用電極 光透過フィルター分野:紫外線カットフィルター、紫外
線透過フィルター、紫外線透過可視光吸収フィルター、
色分解フィルター、色温度変換フィルター、ニュートラ
ルデンシティフィルター、コントラストフィルター、波
長校正フィルター、干渉フィルター、赤外線透過フィル
ター、赤外線カットフィルター、熱線吸収フィルター、
熱線反射フィルター ガス選択透過性膜分野:酸素/窒素分離膜、二酸化炭素
分離膜、水素分離膜 電気絶縁分野:絶縁粘着テープ、モーターのスロットラ
イナ、変圧機の相間絶縁 高分子センサー分野:光センサー、赤外線センサー、音
波センサー、圧力センサー 表面保護分野:液晶表示装置、CRT、家具、システム
キッチン、自動車内外装 その他分野:通電熱転写、プリンターリボン、電線ケー
ブルシールド、漏水防止フィルム
発明は実施例に限定されるものではない。
ーション・クロマトグラフィー(GPC、東ソー株式会
社製 HLC−802A)を用い、ポリスチレン換算に
より求めた。生成ポリマーの組成は、主として元素分
析、1H−NMR測定により決定した。得られたポリマ
ーのガラス転移温度は、DSC(セイコー電子工業株式
会社製 DSC200)を用いて、昇温速度10℃/分
で測定した。全光線透過率はASTM D1003(1
996年)に従い測定した。複屈折はエリプソメーター
を用いて測定した。ヤング率はASTM、及び引張破断
強度についてはASTM D882(1996年)に従
い測定した。表面粗さ(平滑性)はJISB0601
(1996年)に従い測定した。
た30lオートクレーブにN−メチルマレイミド1.2
kg、t−ブチルパーオキシネオデカノエート8g及び
トルエンとメタノールの混合溶媒(1:1重量比)15
lを仕込み、窒素で数回パージした後、イソブテン8.
5lを仕込み、60℃で6時間反応を行った。得られた
粒子を遠心分離後乾燥した。収量は1.7kgであっ
た。
4.7重量%、H;7.8重量%、N;8.4重量%)
より、生成ポリマー中のマレイミド単位及びイソブテン
単位は、それぞれ50モル%であった。得られたポリマ
ーは、数平均分子量(Mn)95000であった。
例5 参考例で合成したN−メチルマレイミド・イソブテン共
重合体と表1に記載のアクリロニトリル含量の異なるア
クリロニトリル・スチレン共重合体をそれぞれ等量ずつ
振り混ぜ、30mmφ2軸押出機(株式会社日本製鋼所
製)により、溶融混練押出しを行い、ペレットとした。
そして、ラボプラストミル2軸押出機(東洋精機株式会
社製)にTダイスを接続させたTダイ押出機に得られた
ペレットを供給して成形し、厚み100μmのフィルム
を得た。引き続き、得られたフィルムに透明導電層とし
て、酸化インジウムスズ(ITO)膜をスパッタリング
法により以下のように形成させた。ターゲットには酸化
インジウム95重量%と酸化スズ5重量%からなる酸化
インジウムスズを用いた。そして、上記透明性フィルム
をスパッタ装置にセットした後、1.3mPaの圧力ま
で排気し、次いで、アルゴン/酸素=98.5体積%/
1.5体積%を導入して雰囲気圧力を0.27Paとし
た。そして、投入電力密度1W/cm2の条件下スパッ
タリングを行った結果、膜厚100nmの透明導電膜が
形成され、この表面抵抗値は150Ω/□であった。得
られた透明導電性フィルムの他の物性測定結果を表1に
示した。アクリロニトリル・スチレン共重合体のアクリ
ロニトリル含量が21〜45モル%の間では、得られる
フィルムは単一のガラス転移温度を示し、透明性に優れ
る。これは、両者がこの範囲で相溶性であることを示し
ている。これに対して、アクリロニトリル含量が21モ
ル%未満及び45モル%を越える場合には、得られるフ
ィルムは二つのガラス転移温度を有し、且つ得られるフ
ィルムは白濁したものであった。この範囲では両者が非
相溶性であることがわかる。比較例5は両者が非相溶性
であるにもかかわらず透明性が高いが、これは両者の屈
折率が近くなるための見かけ上の現象であり、得られる
フィルムの耐熱性は低くなった。
例7 参考例で合成したN−メチルマレイミド・イソブテン共
重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体(アクリ
ロニトリル含量30モル%)を表2に示した組成比で、
実施例1,実施例2の方法と同様にして溶融混練し、ペ
レット化した後、厚み100μmのフィルムに成膜し
た。そして、実施例1、実施例2の方法と同様にしてス
パッタリングにより、厚み100nmの透明導電膜を形
成させ、この表面抵抗値は150Ω/□であった。得ら
れた透明導電性フィルムの他の物性測定結果を表2に示
した。
明導電性フィルムは、耐熱性に優れ、良好な透明性、及
び小さい複屈折を有し、優れた機械特性を有することか
ら、エレクトロニクス分野をはじめとする高度、且つ複
雑な特性の求められる用途に用いることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】a)下に示す構成成分(I)が40〜60
モル%、構成成分(II)が60〜40モル%であり、
数平均分子量が1×103以上5×106以下であるマレ
イミド・オレフィン共重合体1〜99重量%、b)アク
リロニトリル単位を21〜45重量%含むアクリロニト
リル・スチレン共重合体99〜1重量%よりなる樹脂組
成物からなる透明性フィルムの少なくとも一つの表面に
透明導電層が設けられていることを特徴とする透明導電
性フィルム。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】請求項1に記載の透明性フィルムの厚みが
10〜500μmであることを特徴とする請求項1に記
載の透明導電性フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25218198A JP2000080239A (ja) | 1998-09-07 | 1998-09-07 | 透明導電性フィルム |
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---|---|---|---|
JP25218198A JP2000080239A (ja) | 1998-09-07 | 1998-09-07 | 透明導電性フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=17233627
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---|---|---|---|
JP25218198A Pending JP2000080239A (ja) | 1998-09-07 | 1998-09-07 | 透明導電性フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000080239A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002331576A (ja) * | 2001-05-11 | 2002-11-19 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 光学用フィルム |
JP2002338703A (ja) * | 2001-05-11 | 2002-11-27 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 透明フィルム |
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JP2007238800A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Teijin Chem Ltd | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2020175915A (ja) * | 2019-04-17 | 2020-10-29 | 清水建設株式会社 | 封入対象物の封入システム及び封入対象物の封入方法 |
-
1998
- 1998-09-07 JP JP25218198A patent/JP2000080239A/ja active Pending
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