JP2003010999A - 錠剤成形用の臼および杵 - Google Patents

錠剤成形用の臼および杵

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JP2003010999A JP2001191759A JP2001191759A JP2003010999A JP 2003010999 A JP2003010999 A JP 2003010999A JP 2001191759 A JP2001191759 A JP 2001191759A JP 2001191759 A JP2001191759 A JP 2001191759A JP 2003010999 A JP2003010999 A JP 2003010999A
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    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/06Platens or press rams
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 錠剤成形にかかる臼及び杵の腐食及び錆の発
生を防止し、錠剤成形の生産性の向上を図る。 【解決手段】 打錠機1に装着して原料物質を充填する
臼孔2bを貫通している錠剤成形用の臼2と、原料物質
を圧縮成形する上杵3と下杵4の成形部5、6をジルコ
ニア系セラミックで形成する。ジルコニア系セラミック
は、錠剤成形にかかる所要の剛性を確保しており、材質
的に腐食や錆が発生せず、耐摩耗性や表面も平滑である
ためメンテナンス等にかかる手間が低減され生産性も向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は錠剤成形用の臼およ
び杵に関し、詳しくは、錠剤成形用の臼および杵の材質
に特定のセラミック材を用いて錠剤成形に係る作業性の
向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、粉末等の原料物質を圧縮し
て、医薬用、農薬用、食料用、工業用等の錠剤を成形す
るには、金属製の臼及び杵(上杵及び下杵)を装着した
打錠機を用いて生産されることがほとんどである。上記
臼は、成形する錠剤形状に応じた臼孔を貫通させてお
り、臼孔の下方より下杵の先端の成形部を挿入した状態
で原料物質を充填し、上方より上杵を下降させて上杵先
端の成形部で原料物質を圧縮成形した後、上昇させ、錠
剤を成形している。
【0003】錠剤成形において、上杵は高速上下動を繰
り返し、打錠機に対する杵の摺動部分には捻れ荷重がか
かると共に圧縮時には高荷重が付加されるため、上記臼
及び杵の材質には、これらの荷重に耐えうる種々の金属
材料が用いられている。例えば、特開平7−8540号
では、SKS2やSKD11等の工具綱を用いることが
開示されており、また、耐腐食性等を向上させるために
クロムメッキ等の表面処理を行われることも多い。さら
には、特開11−158571号では、コバルト、クロ
ム、タングステン、炭素等を含有する焼結合金からなる
臼及び杵が開示されており、特開2001−62595
号では、Ni−Cr−Al系合金からなる臼及び杵が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】SKS2等の工具綱か
らなる臼及び杵では、錠剤の原料物質が表面活性剤や塩
分を含んでいると、表面に腐食や錆が発生し、また、圧
縮荷重等に対する強度も不足することがあり、連続的に
安定した錠剤の成形ができない問題がある。さらに、生
産する錠剤の種類を変更する品種切替の際は、変更前の
原料物質が変更後の原料物質に混入しないよう臼及び杵
の表面を洗浄することになるが、工具綱は表面粗さも大
きいことが多く、表面に付着した原料物質の粉末を落と
しにくい上、付着した原料物質によっては洗浄時に腐食
や錆を促進してしまうおそれもある。このような問題に
対応するために、保管時等には、臼及び杵に油成分の塗
布を行う等の防錆処理を行うと共に、使用時には表面を
清掃洗浄しているため、工具綱製の臼及び杵の使用は非
常に手間がかかる問題がある。
【0005】一方、クロムメッキ等の表面処理を行った
臼及び杵では、上記した問題は幾分軽減されるが、杵の
高速な上下動や種々の荷重を受ける錠剤成形に伴う過酷
な条件によりメッキ層が剥離したり、また、メッキ層表
面に生じる微細なピンホールから腐食が生じるなどし
て、上記腐食や錆に対する問題を完全に解決できない。
その上、剥離したメッキ層の微小片等が錠剤に混入する
おそれもあり錠剤の品質に及ぼす影響を避けるため、生
産開始初期の錠剤は除去して製品として出荷しないよう
にする必要もあり、生産性を向上できない問題がある。
【0006】さらに、コバルト等を含有する焼結合金か
らなる臼と杵では、腐食等に対し特に問題が生じないも
のの、結晶ムラによる錆の発生や焼結合金特有のガスに
よるピンホールが生じると共に、基本的に金属材料であ
ることから加工精度の限界等により、臼孔内径や杵の成
形部外径の公差精度に限界が生じ、通常の加工より精密
に行っても、約±30μmの公差域が生じる。このよう
な公差域精度では、臼と杵の適切なクリアランスを確保
できにくく、原料粉末が微粉末になればクリアランスの
隙間に原料粉末が付着したり咬み込むことがあり、その
上、成形された錠剤にクリアランス分のカケが生じるこ
ともあり安定した品質の錠剤の生産を確保できない問題
がある。また、このような焼結合金からなる臼及び杵
も、表面粗さは小さくないため、表面の微細な凹凸に原
料物質の粉末が付着しやすく洗浄等に手間がかかる上、
成形された錠剤の臼孔からの離型性も良好でない問題が
ある。
【0007】さらに、Ni−Cr−Al系合金からなる
臼及び杵では、表面の腐食や錆の発生が工具綱製の臼及
び杵に比べておさえられているが、完全に発生しないわ
けではないため防錆処理や表面洗浄等を怠ることができ
ず、依然として手間がかかり、生産性を向上できない問
題が存在している。
【0008】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
ものであり、錠剤成形に対する強度を確保した上で、腐
食や錆を根本的に発生しないようにして錠剤の生産性を
向上することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するた
め、本発明は、原料物質を充填する臼孔を貫通している
錠剤成形用の臼において、少なくとも原料物質と接触す
る上記臼孔周囲は、ジルコニア系セラミックで形成して
いることを特徴とする錠剤成形用の臼を提供している。
このように錠剤成形用の臼をジルコニア系セラミックか
ら形成すると、セラミック自体には腐食や錆が生じない
ため、臼に関する腐食、錆の問題は根本的に解消し、腐
食等に要する処理も不必要となり、臼に係るメンテナン
ス等の手間を大幅に低減できる。
【0010】また、臼には錠剤成形時において、摩擦係
数が小さいため杵の摺動部に付加されるセラミックが苦
手とする捻れ荷重等は付加されず、一様方向の荷重がか
かるのみなので、上記のようなジルコニア系セラミック
で、錠剤成形に対する所要の剛性を確保でき、成形時の
圧力や衝撃力による破壊を防止できる。なお、臼は臼孔
周囲だけでなく臼全体を上記セラミックで形成する方が
形成しやすいので好適である。
【0011】さらに、上記臼孔は、開口縁にテーパ状の
勾配を付けることが好ましい。臼を上記セラミックで形
成すると、金属材料に比べて錠剤の臼孔に対する離型性
は向上するが、上記のような勾配を付けると、一段と錠
剤が抜けやすくなると共に、杵との整合性も向上でき安
定して連続生産できる。なお、上記セラミック製の臼は
種々の金属製の杵に対しても適用可能である。
【0012】上記ジルコニア系セラミックは、構成する
粒子の平均粒子径を、0.3μm以上0.7μm以下の
範囲にすると共に、表面粗さを中心線平均粗さ(Ra)
で0.03μm以上0.07μm以下の範囲にすること
が好ましい。一般のジルコニュウム系のセラミックは、
平均粒子径が約2.0μmであるのに対し、本発明のジ
ルコニア系セラミックは、平均粒子径を上記のような小
径として、一段と表面を緻密且つ平滑にでき優れた離型
性を確保できる。さらに、平均粒子径が小さいことから
表面粗さも小さくでき、原料粉末の付着を防止して洗浄
性も良好にできる。
【0013】また、上記ジルコニア系セラミックは、酸
化イットリウムを4.00から5.50重量%、過酸化
ナトリウムを0.01から0.02重量%の範囲で含ん
でおり、特に酸化イットリウムを約5.01重量%、過
酸化ナトリウムを約0.014重量%を含む場合が強度
的にも最も安定する。上記成分以外にも酸化アルミニウ
ム、二酸化ケイ素、酸化鉄(III)等を微量含んでい
る。なお、臼は上記成分の粒子を約1300℃から18
00℃の範囲で焼結して形成し、10GPa以上16G
Pa以下の範囲のビッカース硬さを有し耐摩耗性等を向
上できる。なお、ビッカース硬さが13GPa前後、R
aが約0.05μmの時、耐摩耗性や結晶の方位性が最
もバランス良くなるので好適である。
【0014】一方、本発明は、原料物質を圧縮する錠剤
成形用の杵において、少なくとも原料物質と接触する成
形部をジルコニア系セラミックで形成していることを特
徴とする錠剤成形用の杵を提供している。このように少
なくとも杵の成形部もジルコニア系セラミックで形成す
ると、杵の成形部に関しても、腐食、錆の問題は根本的
に解消できる。なお、杵全体を上記セラミックで形成す
るようにしてもよいが、錠剤成形時に杵にかかる捻れ荷
重や圧縮荷重等を考慮して、打錠機に対して上下に摺動
する摺動部は従来と同様に、工具綱等の金属材で形成
し、先端の成形部のみを上記セラミックで成形すること
が好ましい。
【0015】即ち、成形部は臼の臼孔に挿入されるた
め、成形時にかかる荷重も垂直方向の圧縮荷重が大部分
となり、上記のようなセラミックは、圧縮荷重に対して
は充分な剛性があるので、成形部に上記のようなセラミ
ックを用いても、成形時の圧縮加重の衝撃による破壊も
生じることなく錠剤を成形できる。よって、打錠機に装
着されて摺動する棒状の摺動部を金属材で形成すると共
に、該摺動部に上記成形部を接着あるいは圧入で一体に
することが好ましい。このように、杵を摺動部に接着剤
による接着あるいは圧入で、容易に低コストで成形部の
みがセラミックの杵を形成できる。なお、圧入する場合
は、摺動部に設ける成形部の取付箇所の寸法は、成形部
に対して規定の圧入寸法に設定すると共に、摺動部全体
を加熱して取付箇所を膨張させた状態で杵を嵌合した
後、常温にすることで、杵を打ち付けることなく摺動部
へ確実に圧入し、杵として一体化できる。
【0016】上記杵のジルコニア系セラミックも、上記
臼と同様、構成する粒子の平均粒子径を、0.3μm以
上0.7μm以下の範囲にすると共に、表面粗さを中心
線平均粗さ(Ra)で0.03μm以上0.07μm以
下の範囲にすることが好ましい。ジルコニア系セラミッ
クは、他のアルミナ系等のセラミックに対して曲げ強度
が高く、約20℃でアルミナ系セラミックに対して約3
倍の曲げ強度を有する。よって、杵は成形時に曲げ荷重
が付加されることもあるため、ジルコニア系セラミック
で形成することにより強度的にも好適となる。なお、上
記セラミック製の杵も金属製の臼に適用可能である。
【0017】上記臼及び杵は一対の組みにして、打錠機
に装着し錠剤を成形すると、成形した錠剤をスムーズに
離型でき、また、原料物質が塩分等を含んでも腐食や錆
の発生も防止でき、メンテナンスや準備にかかる手間を
大幅に低減して生産性の効率化を図れる。また、表面が
平滑なので原料物質の粉末の付着も少なく洗浄性及び乾
燥性も優れ、成形する錠剤の品種切替も容易に行える。
【0018】また、上記臼の臼孔内径と上記杵の成形部
外径の各公差域は、±1.0μmから±10.0μm以
下の範囲であることが好ましい。臼孔と杵の成形部は、
セラミックに適した研磨を施すことで、公差域も金属材
料からなる臼と杵に比べて大幅に高めることができ、ジ
ルコニア系セラミックの臼と杵を一対の組みを成した場
合、最高の±1.0μmの公差域を確保でき、原料物質
の咬み込み、付着や錠剤のカケを殆ど解消できる。
【0019】なお、臼と杵は、上記ジルコニア系セラミ
ック以外にも、構成する粒子の平均粒子径を、2.0μ
m以上4.0μm以下の範囲にすると共に、表面粗さを
中心線平均粗さ(Ra)で0.1μm以上0.3μm以
下の範囲のアルミナ系セラミックで形成してもよい。一
般のアルミナ系のセラミックの平均粒子径は約10.0
μmであるが、上記平均粒子径を有する粒子を用いるこ
とで、粒子間に原料物質の粉末等が入り込むことも防止
でき、表面を緻密で平滑にして表面の密着性を悪化さ
せ、成形した錠剤の良好な離型性を確保できる。また、
表面粗さを上記のように平滑にすると、原料物質の粉末
が付着しにくくなり、洗浄性も向上し生産する錠剤の種
類を変更する際の品種切替等にかかる手間も低減でき
る。
【0020】上記アルミナ系セラミックは、酸化アルミ
ニウムを93.00から99.75重量%、酸化マグネ
シウムを0.04から0.35重量%、二酸化ケイ素を
0.02から1.10重量%、過酸化ナトリウムを0.
07から0.09重量%の範囲で含んでおり、これら以
外に酸化鉄(III)、酸化ホウ素、二酸化チタン等を微
量含むことが好適である。これら成分の粒子を約130
0℃から1800℃の範囲で焼結すれば、アルミナ系セ
ラミック性の臼や杵を形成でき、14GPa以上22G
Pa以下の範囲のビッカース硬さを有し耐摩耗性の向上
及び高精度なクリアランス寸法も確保した上で、安定し
た錠剤の生産を実現できる。
【0021】また、一対の臼及び杵を上記のようなセラ
ミックで形成する場合、基本的に臼及び杵をジルコニア
系あるいはアルミナ系のいずれのセラミックで形成して
もよいが、アルミナ系セラミックとジルコニア系セラミ
ックの強度等に関する特性の違いを考慮すれば、臼及び
杵の両方をジルコニア系セラミックで形成することが最
も好適で、耐久性等を重視する場合は、臼と杵間に硬度
の差を生じさせ、臼にアルミナ系セラミック、杵にジル
コニア系セラミックを用いることが好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる
錠剤成形用の臼及び杵を装着した打錠機1あり、臼2
は、打錠機1の定盤1aに埋設された状態で保持装着さ
れている。また、杵は上下の二本の棒形状の上下杵3、
4からなり、上杵3は打錠機1の上杵挿通部1bに挿通
状態で保持されると共に上端の頭部3aを上杵ガイドレ
ール1cと接触させ、下杵4は打錠機1の下杵挿通部1
dに挿通状態で保持されると共に下端の頭部4aを下杵
ガイドレール1eと接触させている。
【0023】臼2は、図2(A)(B)にも示すよう
に、略短円柱形状で、高さ方向における外周面の中央に
は、打錠機1への保持用となる窪部2aを設けており、
また、上下面2c、2dの中央箇所には臼孔2bを垂直
方向に貫通させている。臼孔2bの内径寸法は、成形す
る錠剤の外径に応じて設定しており、本実施形態では6
mmにし、内周面をセラミック用の研磨加工をすること
で公差域も±1.0μmと高精度にしている。臼孔2b
の上下面2c、2dにおける開口縁2e、2fには、テ
ーパ状の勾配を付けており、勾配の角度は、15°から
20°程度が好ましく、本実施形態では0.8mmの深
さで20°の勾配を付けている。
【0024】臼2は、全体がジルコニア系セラミックで
形成されており、全体の寸法は所要の剛性を確保できる
ように上下面2c、2dの外径を約30mm、高さを約
22mmに設定している。ジルコニア系セラミックは、
酸化イットリウムを5.01重量%、過酸化ナトリウム
を0.014重量%、酸化アルミニウム、二酸化ケイ
素、酸化鉄(III)等を微量含んでおり、これらの成分
からなる粒子は、平均粒子径を0.5μmに揃えて、約
1100℃から約1300℃で焼結し、ジルコニア系セ
ラミック製の臼2を形成している。
【0025】このように形成した臼2の表面は、ビッカ
ース硬さで13GPaを有し、表面粗さは中心線平均粗
さ(Ra)で0.05μmを確保し、従来の金属製の臼
に比べて、緻密且つ平滑で耐摩耗性も向上している。ま
た、セラミック製であるため、錠剤の原料物質が金属材
料に対して腐食や錆を促進させる塩分等を含んでいて
も、臼2自体には腐食や錆は皆無であり、洗浄によって
も腐食等は生じていない。
【0026】一方、上杵3は、図3(A)にも示すよう
に、打錠機1の上杵挿通部1bに挿通される摺動部3b
及び頭部3aは工具綱で形成すると共に、原料物質と接
触する先端の棒状の成形部5は臼2と同様のジルコニア
系セラミックで形成している。成形部5は先端部分5a
のみ少し径を太くして錠剤成形時の臼孔2b内周との接
触面積を低減し接触摩擦をおさえており、本実施形態で
は、外部に現れる成形部5の長さを24mm、先端部分
5aの長さを2.5mm、外径を5mmにし、中間部分
5bの外径は4.5mmに設定している。なお、先端部
分5aの外径寸法は、セラミック用研磨加工により±
1.0μmの公差域を確保している。
【0027】工具綱からなる摺動部3bと、ジルコニア
系セラミック製の成形部5は圧入で一体化しており、摺
動部3bの先細の先端箇所には圧入取付用の圧入穴3c
を穿孔し、一方、成形部5も圧入部分5cを中間部分5
bより延在している。圧入穴3c及び圧入部分5cの各
径寸法は、通常の圧入寸法に設定しており、圧入時は、
摺動部3bを加熱して圧入穴3cを膨張させた状態で成
形部5の圧入部分5cを挿入嵌合した後、摺動部3bを
冷却等で常温にすることで圧入穴3cが元の寸法に戻
り、成形部5を打ち込むことなく取り付けている。な
お、圧入以外には、圧入穴3c及び圧入部分5cの各径
寸法を、所要寸法に設定して接着剤で一体化するように
してもよく、また、上杵3自体に捻り荷重等が付加され
にくい場合等は、上杵全体をジルコニア系セラミックで
形成するようにしてもよい。
【0028】図3(B)に示す下杵4も基本的に上杵3
と同様で、工具綱からなる頭部4b及び摺動部4bを形
成し、上記ジルコニア系セラミック製の成形部6を一体
化している。成形部6は臼孔2b内で原料物質を圧縮す
るため、軸線方向の長さを短くすると共に摺動部4bの
先端に鍔部4dを設けている。なお、圧入あるいは接着
で摺動部4bと成形部6を一体化するのも上杵3と同様
である。
【0029】臼2と、上杵3及び下杵4を組み合わせて
一対の組みにして、打錠機1に装着し、粉末、粒体、ゲ
ル状物等の原料物質より各種錠剤を形成している。具体
的には、図1に示すように下杵4の成形部6を臼孔2b
内へ所要寸法挿入すると共に、臼孔2b内に原料物質G
を充填している。上記状態で、上杵3を下降し成形部5
を臼孔2b内へ挿入すると共に下杵4も上昇させ、臼孔
2b内で原料物質Gを上杵3及び下杵4で圧縮成形して
いる。この圧縮成形の際、臼2には上下方向の圧縮荷重
を受けて原料物質が外方へ膨れようとするため、臼孔2
bより法線方向で外方へ向かう一様な荷重を受けること
になるが、臼2自体は定盤部1aに保持装着されると共
に荷重も一様方向なので、割れ等の不具合が生じていな
い。
【0030】一方、上下杵3、4の成形部5、6には垂
直方向の圧縮荷重のみなので、充分耐えうることができ
不具合は生じていない。なお、上下杵3、4の摺動部3
b、4bには上杵及び下杵挿通部1b、1dとの接触等
により捻り荷重等が付加される場合があるが、挿通部3
b、4bは、工具綱からなる金属製なので支障無く上下
動している。また、臼孔2bの内周面及び成形部5、6
の外周面が従来の金属製の臼、杵に比べて、平滑である
上、寸法精度も高いため原料物質の噛み込み、カケ等は
発生していない。
【0031】圧縮成形後は、上下杵3、4を上昇して、
臼孔2bから成形した錠剤を取り出しているが、平滑な
臼孔2bの内周面により成形した錠剤の離型性は良好で
あり、スムーズに臼孔2bより抜け出している。以降、
上記内容を繰り返して、錠剤を連続して成形している
が、臼孔2bの内周及び成形部5、6の外周は、所要硬
度を確保して耐摩耗性があるため、接触による削れも少
なく安定した生産が可能であり、さらに、従来のメッキ
した臼、杵のようにメッキ層が剥離するおそれもないた
め、成形された錠剤の安全性も確保できメンテナンス性
も向上している。
【0032】また、生産する錠剤の種類等を変更する品
種切替時においても、平滑な臼孔2bや成形部5、6の
周囲には、原料物質の付着も少なく、また、洗浄も容易
なため品種切替の手間も大幅に削減されている。さら
に、洗浄に対しても臼2及び上下杵3、4には腐食や錆
のおそれがないため、臼杵の管理等も容易に行える。
【0033】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、例えば、臼および上下杵のいずれかを
アルミナ系セラミックで形成し、硬度を相異させて耐久
性等を向上させるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】上記した説明より明らかなように、本発
明の錠剤成形用の臼および杵を用いると、材質的に腐食
及び錆の発生するおそれが皆無なため、従来行っていた
耐腐食等に係る処理が全て不要になり、臼及び杵の取扱
性及びメンテナンス性を大幅に向上できる。また、本発
明では、臼及び杵は、特定のジルコニア系セラミックか
ら形成しているので、錠剤成形に対する必要な剛性は確
保した上で、従来の金属製からなる臼及び杵に比べ耐摩
耗性に優れると共に表面が平滑となり、安定した錠剤の
成形を確保でき、成形した錠剤の臼孔からの離型性も良
好となり生産効率を向上できる。さらに、品種切替時の
洗浄も容易になる上、従来のようなメッキ層の剥離もな
いため錠剤の安全性も適切に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る臼と杵を装着した打錠機の概略
図である。
【図2】 錠剤成形用の臼であり、(A)は斜視図、
(B)は断面図である。
【図3】 (A)は、錠剤成形用の上杵の断面図、
(B)は錠剤成形用の下杵の断面図である。
【符号の説明】
1 打錠機 2 臼 2b 臼孔 3 上杵 4 下杵 5 成形部(上杵用) 6 成形部(下杵用)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料物質を充填する臼孔を貫通している
    錠剤成形用の臼において、 少なくとも原料物質と接触する上記臼孔周囲は、ジルコ
    ニア系セラミックで形成していることを特徴とする錠剤
    成形用の臼。
  2. 【請求項2】 上記ジルコニア系セラミックは、構成す
    る粒子の平均粒子径を、0.3μm以上0.7μm以下
    の範囲にすると共に、表面粗さを中心線平均粗さ(R
    a)で0.03μm以上0.07μm以下の範囲にする
    請求項1に記載の錠剤成形用の臼。
  3. 【請求項3】 原料物質を圧縮する錠剤成形用の杵にお
    いて、 少なくとも原料物質と接触する成形部をジルコニア系セ
    ラミックで形成していることを特徴とする錠剤成形用の
    杵。
  4. 【請求項4】 上記ジルコニア系セラミックは、構成す
    る粒子の平均粒子径を、0.3μm以上0.7μm以下
    の範囲にすると共に、表面粗さを中心線平均粗さ(R
    a)で0.03μm以上0.07μm以下の範囲にする
    請求項3に記載の錠剤成形用の杵。
JP2001191759A 2001-06-25 2001-06-25 錠剤成形用の臼および杵 Withdrawn JP2003010999A (ja)

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