JP2013201990A - 製菓製パン用上掛け材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
製菓製パン用上掛け材において、油性感がなく風味発現が良好で、しかも上掛け後のツヤに優れ、上掛け材が透けてみえるという透けの問題がなく存在感のあるような、優れた食感と外観を併せ持つ製菓製パン用上掛け材を提供する。
【解決のための手段】
油脂及び糖を主成分として含み、油脂以外の固形分の粒子径が粒度分布において、30μm以下の粒子を30重量%以上、かつ90μm以上の粒子を10重量%以上含有するような微粒化工程を経て、製菓製パン用上掛け材を調製する。
【選択図】なし
Description
(1) 油脂及び糖を主成分として含み、油脂以外の固形分の粒子径が粒度分布において、30μm以下の粒子を30重量%以上、かつ90μm以上の粒子を10重量%以上含有することを特徴とする製菓製パン用上掛け材。
(2) 製菓製パン用上掛け材中の油脂が、25〜75重量%である(1)記載の製菓製パン用上掛け材。
(3) 製菓製パン用上掛け材中の糖が、25〜75重量%である(1)または(2)記載の製菓製パン用上掛け材。
(4) 油脂以外の固形分の粒子径が粒度分布において、30μm以下の粒子を30重量%以上、かつ90μm以上の粒子を10重量%以上含有するよう調製することを特徴とする、(1)〜(3)いずれか1記載の製菓製パン用上掛け材の製造方法。
である。
(油性感) ◎:油性感なくすっきり ○:わずかに油性感あり △:やや油性感あり ×:油性感強い
(風味発現の速さ) ◎:非常に早い ○:速い △:やや遅い ×:遅い
(ツヤ:上掛け固化後)◎:非常に良好 ○:良好 △:やや悪い ×:悪い
(透け:上掛け固化後)◎:透けなし ○:わずかに透けあり △:やや透けあり ×:透けあり
また、製菓製パン用上掛け材の粒度分布測定には、レーザー散乱回析法粒度分布測定装置 LS 13 320(BECKMAN COULTER株式会社製)を用いた。平均粒子径の測定には、マイクロメーター(株式会社ミツトヨ社製)を用いた。
市販の粉糖(粒度70〜200μm、株式会社有友商店製)60部に、50℃で融解した硬化パーム核油(融点36℃、不二製油株式会社製)25部、レシチン0.2部をミキサーで均一に混合してからロール掛けして、油脂以外の固形分の粒子径が粒度分布において、30μm以下の粒子を30重量%以上、かつ90μm以上の粒子を10重量%以上含有するよう微粒化した。その後、60℃で攪拌、混合してペースト状となってから、50℃で融解した硬化パーム核油(融点36℃)15部及びレシチン0.2部を添加、混合して平均粒子径が50μmの上掛け材Aを得た。得られた上掛け材Aの粒度分布は、30μm以下が38.2%、30〜90μmが43.1%、90μm以上が18.7%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Aを、市販のリングドーナッツ(水分30%、重量約30g)に上掛けした。上掛け方法は、品温約40℃の上掛け材を入れた浴槽にリングドーナツを逆様にしてその頭部を浸漬し、上掛け材約7.5gをリングドーナツの上部に上掛けした。上掛け材が固化後、袋に入れて密封包装し、20℃に1日保存した。その後、袋を開封して、官能評価を行ったところ、油性感がなく風味発現も良好であった。外観は、ツヤが良好で、わずかに透けのあるものであった。
油脂以外の固形分の平均粒子径が20μmとなるよう実施例1のロール掛け条件をより微粒化する条件に変更して、実施例1同様の手順で上掛け材Bを得た。得られた上掛け材Bの粒度分布は、30μm以下が78.0%、30〜90μmが18.4%、90μm以上が3.6%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Bを、実施例1同様にリングドーナツの上部に上掛け、固化後、同様の官能評価を行ったところ、油性感がやや強く、風味発現も遅いものであった。一方、ツヤは非常に良好で透けも全くないものであった。
実施例1においてロール掛けすることなく、実施例1同様の手順で上掛け材Cを得た。得られた上掛け材Cの粒度分布は、30μm以下が11.6%、30〜90μmが18.8%、90μm以上が69.6%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Cを、実施例1同様にリングドーナツの上部に上掛け、固化後、同様の官能評価を行ったところ、油性感なくスッキリした食感で風味発現も非常に速いものであった。一方、外観はツヤが悪く透けのあるものであった。
比較例1で調製した上掛け材B50部と比較例2で調製した上掛け材C50部を混合して、上掛け材Dを得た。得られた上掛け材Dの粒度分布は、30μm以下が31.6%、30〜90μmが13.7%、90μm以上が54.7%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Dを、実施例1同様にリングドーナツの上部に上掛け、固化後、同様の官能評価を行ったところ、油性感なくスッキリした食感で風味発現も非常に速いものであった。また、外観はツヤ良好でわずかに透けのあるものであった。
実施例1で調製した上掛け材A75部と比較例1で調製した上掛け材B25部を混合して、上掛け材Eを得た。得られた上掛け材Eの粒度分布は、30μm以下が56.2%、30〜90μmが32.1%、90μm以上が11.7%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Eを、実施例1同様にリングドーナツの上部に上掛け、固化後、同様の官能評価を行ったところ、油性感がなく風味発現も良好であった。外観は、ツヤが非常に良好で、透けのないものであった。
比較例1で調製した上掛け材B25部と比較例2で調製した上掛け材C75部を混合して、上掛け材Fを得た。得られた上掛け材Fの粒度分布は、30μm以下が23.0%、30〜90μmが18.3%、90μm以上が58.7%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Fを、実施例1同様にリングドーナツの上部に上掛け、固化後、同様の官能評価を行ったところ、油性感なくスッキリした食感で風味発現も非常に速いものであった。但し、外観はツヤに乏しく透けのあるものであった。
実施例1で調製した上掛け材A50部と比較例1で調製した上掛け材B50部を混合して、上掛け材Gを得た。得られた上掛け材Gの粒度分布は、30μm以下が65.3%、30〜90μmが25.8%、90μm以上が8.9%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Gを、実施例1同様にリングドーナツの上部に上掛け、固化後、同様の官能評価を行ったところ、油性感がやや強く、風味発現も遅いものであった。外観は、ツヤが非常に良好でわずかに透けのあるものであった。
実施例1で調製した上掛け材A50部と比較例2で調製した上掛け材C50部を混合して、上掛け材Hを得た。得られた上掛け材Hの粒度分布は、30μm以下が20.1%、30〜90μmが25.4%、90μm以上が54.5%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Hを、実施例1同様にリングドーナツの上部に上掛け、固化後、同様の官能評価を行ったところ、油性感がなく風味発現も良好であった。外観は、ツヤがやや悪くやや透けのあるものであった。
実施例1で調製した上掛け材A25部と比較例2で調製した上掛け材C75部を混合して、上掛け材Iを得た。得られた上掛け材Iの粒度分布は、30μm以下が14.9%、30〜90μmが17.4%、90μm以上が67.7%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Iを、実施例1同様にリングドーナツの上部に上掛け、固化後、同様の官能評価を行ったところ、油性感がなく風味発現も良好であった。外観は、ツヤに乏しく透けもあるものであった。
50℃で融解したカカオマス(油分55%)3.3部、ココアパウダー(油分11%)16部、砂糖28.7部に50℃品温のヤシ油(ヨウ素価9)22部及びレシチン0.2部を混合し、ロール掛けして、油脂以外の固形分の粒子径が粒度分布において、30μm以下の粒子を30重量%以上、かつ90μm以上の粒子を10重量%以上含有するよう微粒化した。その後、60℃で攪拌、混合してペースト状となってから、50℃品温のヤシ油10部と大豆油(ヨウ素価132)20部及びレシチン0.2部を添加、混合して平均粒子径49μmの上掛け材Jを得た。得られた上掛け材Jの粒度分布は、30μm以下が37.5%、30〜90μmが44.5%、90μm以上が18.0%であった。また、水分は1%であった。得られた上掛け材Jを50℃まで加温し、油脂結晶を完全に溶解した後、40℃まで冷却して一定温度に保持した。一方、市販のバニラバーアイス( 商品名: 雪印バニラバー( ロッテスノー株式会社製)ラクトアイス・無脂乳固形分9%、植物性脂肪分8%)を−18℃の冷凍庫から取り出し、速やかに50℃の上掛け材J中に浸漬して、1秒後に引き上げ、室温20℃の環境下で、チョコの表面が完全に固化するまで数十秒間保持した後、−30℃急速冷凍庫のなかで、一晩安定化させた。このようにして得られた上掛け済みバーアイスの風味、食感を評価したところ、油性感がなく風味発現も非常に良好であった。また。外観はツヤが良好で透けもほとんどないものであった。
油脂以外の固形分の平均粒子径が20μmとなるよう実施例4のロール掛け条件をより微粒化する条件に変更して、実施例4同様の手順で上掛け材Kを得た。得られた上掛け材Kの粒度分布は、30μm以下が76.2%、30〜90μmが18.9%、90μm以上が3.9%であった。また、水分は1%であった。調製した上掛け材Kを、実施例1同様にバーアイスに上掛けし、得られた上掛け済みバーアイスの風味、食感を評価したところ、油性感がやや強く、風味発現もやや遅いものであった。一方、ツヤは非常に良好で透けも全くないものであった。
Claims (4)
- 油脂及び糖を主成分として含み、油脂以外の固形分の粒子径が粒度分布において、30μm以下の粒子を30重量%以上、かつ90μm以上の粒子を10重量%以上含有することを特徴とする製菓製パン用上掛け材。
- 製菓製パン用上掛け材中の油脂が、25〜75重量%である請求項1記載の製菓製パン用上掛け材。
- 製菓製パン用上掛け材中の糖が、25〜75重量%である請求項1または請求項2記載の製菓製パン用上掛け材。
- 油脂以外の固形分の粒子径が粒度分布において、30μm以下の粒子を30重量%以上、かつ90μm以上の粒子を10重量%以上含有するよう調製することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の製菓製パン用上掛け材の製造方法。
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