JPH0937705A - 製菓用油脂組成物及び菓子類の製造方法 - Google Patents

製菓用油脂組成物及び菓子類の製造方法

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JPH0937705A
JPH0937705A JP7195471A JP19547195A JPH0937705A JP H0937705 A JPH0937705 A JP H0937705A JP 7195471 A JP7195471 A JP 7195471A JP 19547195 A JP19547195 A JP 19547195A JP H0937705 A JPH0937705 A JP H0937705A
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英徳 尾方
Toru Kajimura
徹 梶村
Yoshifumi Okumura
佳史 奥村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 菓子類の流通過程や保存中における油脂のマ
イグレーション及びそれによって生じる焼き菓子類の白
色化現象、チョコレート類の軟化、ブルーム現象を抑制
し得る、焼き菓子練り込み用油脂、スプレー用油脂、チ
ョコレート用油脂及びクリーム用油脂等に適した製菓用
油脂組成物、並びに該製菓用油脂組成物を使用した菓子
類の製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の製菓用油脂組成物は、トリグリ
セリドの1位と3位に結合している脂肪酸残基を構成す
る脂肪酸が炭素数16以上の同一の飽和脂肪酸であり、
2位に結合している脂肪酸残基を構成する脂肪酸が炭素
数16以上の飽和脂肪酸であるトリグリセリド0.1〜
20重量%及びトランス酸15重量%以上を含有するこ
とを特徴とする。また、本発明の菓子類の製造方法は、
菓子類の原料配合物に、上記製菓用油脂組成物を含有さ
せることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製菓用油脂組成物
及び菓子類の製造方法に関するものであり、詳しくは、
菓子類の流通過程や保存中における油脂のマイグレーシ
ョン及びそれによって生じる焼き菓子類の白色化現象、
チョコレート類の軟化、ブルーム現象を抑制し得る、焼
き菓子練り込み用油脂、スプレー用油脂及びクリーム用
油脂等に適した製菓用油脂組成物、並びに該製菓用油脂
組成物を使用した菓子類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からクッキー、ビスケット等の焼き
菓子類と、ナッツ類等やチョコレート、クリーム類等と
を組み合わせた複合菓子類においては、流通過程や保存
中に焼き菓子類の表面が白い粉をふき斑点状になる白色
化現象がしばしば発生し、また、チョコレートの軟化、
ブルーム現象を伴う場合がある。この様な現象は、その
メカニズムが未だ明確にはされていないが、各油脂製品
間中の油分中の特定成分のマイグレーションとそれに伴
う油脂結晶の成長によって引き起こされるものと推定さ
れている。
【0003】上記のマイグレーションを抑制するための
手段としては、一つは菓子類の製造方法によるものが考
えられ、例えば、ビスケット類の焼成後の冷却をより速
やかに行う事によりマイグレーションを抑制する事が可
能であるという事実は広く知られている。
【0004】また、上記のマイグレーションを抑制する
試みは、上記の製造方法によるもの以外にも、特に菓子
類に使用する油脂の側面から盛んに行われており、従来
この様な現象を抑制するための方法として、次の様な提
案がなされている。例えば、特公昭61−47491号
公報には、ビスケット中の油脂の構成脂肪酸中のトラン
ス酸含量が30%以上で特定の固体脂含量を有し、且
つ、該油脂の固体脂含量とチョコレート中の油脂の固体
脂含量との差が20℃で35%以下である油脂が記載さ
れている。また、特開昭64−60325号公報には、
必須成分として魚硬化油を20%以上とSFI値が20
℃で50%以上、30℃で30%以上である植物性油脂
を20%以上含有した油脂組成物であって、該油脂組成
物のSFI値が20℃で30〜55%、30℃で10〜
30%、40℃で5%以下の油脂組成物が記載されてい
る。また、特開平4−66045号公報には、80℃で
溶解したあと、30℃に移して60分後のSFC値が前
記24時間後のSFC値に対して70%以上であること
を特徴とする油脂組成物が記載されている。更には、特
開昭63−126457号公報には、トリグリセリドを
構成する3個の脂肪酸の残基の内、少なくとも1個が炭
素数20〜24の飽和脂肪酸から構成される残基である
2飽和1不飽和型混酸基トリグリセリドを10%以上含
有する油脂及び該油脂を使用した複合菓子類の製造方法
が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のマイグレーショ
ンは、液状油脂と固体油脂との濃度勾配を緩衝しようと
する油脂の作用であろうと考えられ、この作用を完全に
抑えることは非常に困難なことである。上述した種々の
方法により、程度問題としてマイグレーションを原因と
した焼き菓子類の白色化現象、チョコレート類の軟化、
ブルーム現象が改善されてきていることは疑い得ない
が、未だ満足出来る物や方法が無いのが現状である。
【0006】従って、本発明の目的は、菓子類の流通過
程や保存中における油脂のマイグレーション及びそれに
よって生じる焼き菓子類の白色化現象、チョコレート類
の軟化、ブルーム現象を抑制し得る、焼き菓子練り込み
用油脂、スプレー用油脂、チョコレート用油脂及びクリ
ーム用油脂等に適した製菓用油脂組成物、並びに該製菓
用油脂組成物を使用した菓子類の製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、トリグリセリドに結合している脂肪酸残
基を構成する脂肪酸が該結合の位置に応じて特定の脂肪
酸であるトリグリセリド及びトランス酸を含有する製菓
用油脂組成物、並びに該製菓用油脂組成物を使用した菓
子類の製造方法が、上記目的を達成し得ることを知見し
た。
【0008】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、トリグリセリドの1位と3位に結合している脂肪酸
残基を構成する脂肪酸が炭素数16以上の同一の飽和脂
肪酸であり、2位に結合している脂肪酸残基を構成する
脂肪酸が炭素数16以上の飽和脂肪酸であるトリグリセ
リド0.1〜20重量%及びトランス酸15重量%以上
を含有することを特徴とする製菓用油脂組成物を提供す
るものである。
【0009】また、本発明は、菓子類の原料配合物に、
上記製菓用油脂組成物を含有させることを特徴とする菓
子類の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、先ず、本発明の菓子用油脂
組成物について詳述する。本発明の製菓用油脂組成物
は、トリグリセリドの1位と3位に結合している脂肪酸
残基を構成する脂肪酸が炭素数16以上の同一の飽和脂
肪酸であり、2位に結合している脂肪酸が炭素数16以
上の飽和脂肪酸であるトリグリセリド、及びトランス酸
を含有するものである。ここで、上記トリグリセリドの
1位と3位に結合している脂肪酸残基を構成する脂肪酸
の炭素数が16未満であるか又は同一のものでないと、
マイグレーション抑制効果が得られない。また、上記の
2位に結合している脂肪酸残基を構成する脂肪酸の炭素
数が16未満であると、マイグレーション抑制効果が得
られない。
【0011】また、上記トリグリセリドの1位、2位及
び3位に結合している脂肪酸残基を構成する脂肪酸の炭
素数16以上の飽和脂肪酸としては、具体的には、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等を挙
げることができる。
【0012】上記トリグリセリドの含有量は、組成物
中、0.1〜20重量%(以下、単に「%」という)、
好ましくは0.3〜10%、更に好ましくは0.5〜5
%である。該含有量が0.1%未満であると、油脂の結
晶状態を調製することができないためマイグレ−ション
抑制効果がなく、20%を超えると、得られる油脂組成
物が硬すぎる。
【0013】また、上記トランス酸の含有量は、15%
以上、好ましくは30%以上である。該含有量が15%
未満であると、油脂の結晶が粗大化しやすいためマイグ
レ−ション抑制効果が得られない。
【0014】本発明の製菓用油脂組成物の主成分となる
油脂としては、上述した必須成分(上記トリグリセリド
及び上記トランス酸)が上記の範囲で組成物中に含有し
ていれば、特に制限されないが、例えば、カカオ脂、パ
−ム油、菜種油、サル脂等のトリグリセリドの1,3位
に結合している脂肪酸残基を構成する脂肪酸の炭素数が
同一である比率の高い油脂の硬化油やエステル交換油等
を単独で用いたり、これらと大豆油、綿実油、パ−ム核
油、ヤシ油、コ−ン油、米油、魚油、牛脂、豚脂等やこ
れらの硬化油、エステル交換油の1種または2種以上を
混合したものを用いることもできる。
【0015】本発明の製菓用油脂組成物には、本発明の
目的の範囲内で所望により、例えば、乳化剤、呈味物質
等を配合することもできる。上記乳化剤としては、例え
ば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。上記呈味物
質としては、例えば、砂糖、粉糖、食塩、シロップ、カ
カオマス、ココアパウダー、粉乳、香料等が挙げられ
る。
【0016】本発明の製菓用油脂組成物は、例えば、以
下の様にして得ることができる。本発明の製菓用油脂組
成物を菓子練り込み用油脂又はクリーム用油脂として使
用する場合には、該製菓用油脂組成物は、マーガリン又
はショートニングの形態とする。該マーガリンは、油相
と水相とを別々に調整し、常法に従い、乳化、冷却可塑
化し、必要に応じて乳化剤、粉乳、酸化防止剤、香料、
呈味成分を使用して製造することができる。また、該シ
ョートニングは、油脂原料を配合し、常法に従い冷却可
塑化し、必要に応じて乳化剤、粉乳、酸化防止剤、香
料、呈味成分を使用して製造することができる。また、
本発明の製菓用油脂組成物をスプレー用油脂又はフライ
用油脂として使用する場合には、該フライ用油脂は、油
脂を配合し、必要に応じて乳化剤、酸化防止剤等を使用
して製造することができ、また、該フライ用油脂は、油
脂を配合し、必要に応じてシリコン等の消泡剤を添加し
て製造することができる。
【0017】また、本発明の製菓用油脂組成物は、小麦
粉、油脂、砂糖及び水を主成分としたクッキ−やビスケ
ット等の焼き菓子の製造の際に練り込み用油脂、スプレ
ー用油脂として使用したり、フライまたはロ−ストした
ナッツ類をチョコレ−トまたはクリ−ムに埋没させた菓
子のチョコレ−ト用油脂やクリ−ム用油脂として使用し
たり、焼き菓子にチョコレ−ト、クリ−ム類をエンロ−
ピング、サンド若しくは注入した菓子用の練り込み用油
脂やチョコレ−ト用油脂やクリ−ム用油脂として、また
フライ菓子のフライ用油脂として、これらの菓子類を製
造する際に使用することができるものである。
【0018】次に、本発明の菓子類の製造方法について
詳述する。本発明の菓子類の製造方法は、菓子類の原料
配合物に、上述した本発明の製菓用油脂組成物を含有さ
せることを特徴とし、具体的には、菓子類の原料配合物
に、本発明の製菓用油脂組成物としての練り込み用油
脂、スプレー用油脂、チョコレート用油脂、クリーム用
油脂、フライ用油脂等を含有させて、クッキーやビスケ
ット等の焼き菓子、フライまたはローストしたナッツ類
をチョコレートまたはクリームに埋没させた菓子、焼き
菓子にチョコレート、クリ−ム類をエンロ−ピング、サ
ンドまたは注入した菓子、フライ菓子等の菓子類を製造
する方法である。
【0019】上記菓子類がクッキーやビスケット等の焼
き菓子の場合には、該焼き菓子は、薄力粉(小麦粉)、
砂糖、水、全卵、脱脂粉乳、食塩、重曹等からなる菓子
類の原料配合物に、上記製菓用油脂組成物を含有させて
得られる原料混合物を用いて、常法により得ることがで
きる。この際、上記製菓用油脂組成物は、練り込み用油
脂として用いられ、その含有量は、上記原料混合物中、
好ましくは1〜60%である。
【0020】更に、上記ビスケットは、スプレー用油脂
としての上記製菓用油脂組成物を用いて該ビスケットに
スプレーすることにより、スプレーしたビスケットとし
て製品とされる。上記スプレー用油脂の含有量は、上記
原料混合物に対して、好ましくは1〜30%である。
【0021】また、上記菓子類がフライまたはロースト
したナッツ類をチョコレートまたはクリームに埋没させ
た菓子の場合には、該菓子は、カカオマス、カカオパウ
ダー、砂糖、粉乳、香料、種々の呈味原料等からなる菓
子類の原料配合物に、上記製菓用油脂組成物を含有させ
て得られる原料混合物を用いて、常法によりチョコレー
トまたはクリームとし、次いで上記ナッツ類を埋没させ
ることにより得ることができる。この際、上記製菓用油
脂組成物は、チョコレート用油脂またはクリーム用油脂
として用いられ、その含有量は、上記原料混合物中、好
ましくは10〜90%である。
【0022】また、上記菓子類が焼き菓子にチョコレー
ト、クリ−ム類をエンロ−ピング、サンドまたは注入し
た菓子の場合には、該菓子は、カカオマス、カカオパウ
ダー、砂糖、粉乳、香料、種々の呈味原料等からなる菓
子類の原料配合物に、上記製菓用油脂組成物を含有させ
て得られる原料混合物を用いて、常法によりチョコレー
ト、クリーム類とし、次いで該チョコレート、クリーム
類を上記の焼き菓子にサンドまたは注入することにより
得ることができる。この際、上記製菓用油脂組成物は、
チョコレート用油脂またはクリーム用油脂として用いら
れ、その含有量は、上記原料混合物中、好ましくは10
〜90%である。
【0023】また、上記菓子類がフライ菓子の場合に
は、該フライ菓子は、小麦粉、砂糖、水、卵、粉乳、食
塩、膨張剤等からなる菓子類の原料配合物に、上記製菓
用油脂組成物を含有させて得られる原料混合物を用い
て、常法により得ることができる。この際、上記製菓用
油脂組成物は、フライ用油脂として用いられ、その含有
量は、上記原料混合物中、好ましくは1〜60%であ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0025】〔実施例1〕カカオ脂極度硬化油4.9重
量部、魚硬化油(融点36℃)60重量部、菜種硬化油
(融点30℃)35重量部、レシチン0.1重量部から
なる練り込み用油脂(製菓用油脂組成物)を製造した。
この油脂組成物は、トリグリセリドの1位と3位に結合
している脂肪酸残基を構成する脂肪酸が炭素数16以上
の同一の飽和脂肪酸であり、2位に結合している脂肪酸
残基を構成する脂肪酸が炭素数16以上の飽和脂肪酸で
あるトリグリセリド(以下、「成分」とする)2.2
%、及びトランス酸45.8%を含有するものであっ
た。
【0026】上記練り込み用油脂を使用し以下の配合で
常法によりクッキーを製造した。 ・薄力粉 100 重量部 ・練り込み用油脂 50 重量部 ・砂糖 40 重量部 ・水 15 重量部 ・全卵 10 重量部 ・脱脂粉乳 2 重量部 ・食塩 0.5重量部 ・重曹 0.5重量部 得られたクッキー(実施例1に係る製品)を、重量で3
倍量のチョコレート(カカオバター35%含有)中に表
面が見える程度に埋没させ、20℃/28℃(12時間
/12時間)のサイクルで放置テストを行いクッキーの
白色化状態を観察した。その結果を下記〔表1〕に示
す。
【0027】〔実施例2〕パーム極度硬化油18重量
部、パームオレイン硬化油(融点30℃)40重量部、
菜種硬化油(融点30℃)30重量部、菜種白絞油1
1.9重量部、レシチン0.1重量部からなる練り込み
用油脂(製菓用油脂組成物)を製造した。この油脂組成
物は、上記成分を6.7%、トランス酸を17.5%
含有するものであった。上記練り込み用油脂を使用し、
実施例1と同じ配合でクッキーを製造した。得られたク
ッキー(実施例2に係る製品)について、実施例1と同
様の放置テストを行った。その結果を下記〔表1〕に示
す。
【0028】〔実施例3〕菜種極度硬化油2重量部、大
豆硬化油(融点36℃)50重量部、パームオレイン硬
化油(融点30℃)47.9重量部、レシチン0.1重
量部からなる練り込み用油脂(製菓用油脂組成物)を製
造した。この油脂組成物は、上記成分を1.4%、ト
ランス酸を25.9%含有するものであった。上記練り
込み用油脂を使用し、実施例1と同じ配合でクッキーを
製造した。得られたクッキー(実施例3に係る製品)に
ついて、実施例1と同様の放置テストを行った。その結
果を下記〔表1〕に示す。
【0029】〔実施例4〕カカオ脂硬化油4.9重量
部、魚硬化油(融点30℃)20重量部、菜種硬化油
(融点36℃)75重量部、レシチン0.1重量部から
なる練り込み用油脂(製菓用油脂組成物)を製造した。
この油脂組成物は、上記成分を2.2%、トランス酸
を46.3%含有するものであった。上記練り込み用油
脂を使用し、実施例1と同じ配合でクッキーを製造し
た。得られたクッキー(実施例4に係る製品)につい
て、実施例1と同様の放置テストを行った。その結果を
下記〔表1〕に示す。
【0030】〔実施例5〕サル脂極度硬化油10重量
部、綿実硬化油(融点32℃)60重量部、菜種硬化油
(融点30℃)20重量部、大豆白絞油9.0重量部、
レシチン0.1重量部からなる練り込み用油脂(製菓用
油脂組成物)を製造した。この油脂組成物は、上記成分
を5.9%、トランス酸を36.8%含有するもので
あった。上記練り込み用油脂を使用し、実施例1と同じ
配合でクッキーを製造した。得られたクッキー(実施例
5に係る製品)について、実施例1と同様の放置テスト
を行った。その結果を下記〔表1〕に示す。
【0031】〔実施例6〕菜種極度硬化油25重量部、
菜種硬化油(融点25℃)50重量部、魚硬化油(融点
30℃)24.9重量部、レシチン0.1重量部からな
る練り込み用油脂(製菓用油脂組成物)を製造した。こ
の油脂組成物は、上記成分を17.1%、トランス酸
を27.5%含有するものであった。上記練り込み用油
脂を使用し、実施例1と同じ配合でクッキーを製造し
た。得られたクッキー(実施例6に係る製品)につい
て、実施例1と同様の放置テストを行った。その結果を
下記〔表1〕に示す。
【0032】〔比較例1〕大豆硬化油(融点36℃)8
5.9重量部、綿実油(融点36℃)14.0重量部、
レシチン0.1重量部からなる練り込み用油脂(製菓用
油脂組成物)を製造した。この油脂組成物は、上記成分
を0.07%、トランス酸を47.2%含有するもの
であった。上記練り込み用油脂を使用し、実施例1と同
じ配合でクッキーを製造した。得られたクッキー(比較
例1に係る製品)について、実施例1と同様の放置テス
トを行った。その結果を下記〔表1〕に示す。
【0033】〔比較例2〕カカオ脂極度硬化油4.9重
量部、パームオレイン硬化油(融点36℃)65重量
部、パームオレイン硬化油(融点30℃)30重量部、
レシチン0.1重量部からなる練り込み用油脂(製菓用
油脂組成物)を製造した。この油脂組成物は、上記成分
を2.2%、トランス酸を11.4%含有するもので
あった。上記練り込み用油脂を使用し、実施例1と同じ
配合でクッキーを製造した。得られたクッキー(比較例
2に係る製品)について、実施例1と同様の放置テスト
を行った。その結果を〔表1〕に示す。
【0034】〔実施例7〕カカオ脂極度硬化油3.9重
量部、菜種硬化油(融点36℃)96重量部、レシチン
0.1重量部からなるスプレー用油脂(製菓用油脂組成
物)を製造した。この油脂組成物は、上記成分を1.
8%、トランス酸を49.2%含有するものであった。
以下の配合で常法により製造したビスケットに該スプレ
ー用油脂5%(対重量)をスプレーした。 ・薄力粉 100 重量部 ・練り込み用油脂 14 重量部 ・砂糖 25 重量部 ・水 24 重量部 ・全卵 26 重量部 ・重曹 1.5重量部 ・香料 0.5重量部 上記のスプレーしたビスケット(実施例7に係る製品)
を、重量で3倍量のチョコレート(カカオバター35%
含有)中に表面が見える程度に埋没させ、20℃/28
℃(12時間/12時間)のサイクルで放置テストを行
い、該スプレーしたビスケットの白色化状態を観察し
た。その結果を下記〔表2〕に示す。また、上記スプレ
ー用油脂(実施例7)を60℃に加熱し、その後20℃
へ24時間かけて冷却し、光学顕微鏡により該スプレー
用油脂の結晶状態を観察した。その結果を下記〔表3〕
に示す。
【0035】〔比較例3〕パームオレイン硬化油(融点
36℃)99.9重量部、レシチン0.1重量部からな
るスプレー用油脂(製菓用油脂組成物)を製造した。こ
の油脂組成物は、上記成分を0.05%、トランス酸
を15.5%含有するものであった。上記スプレー用油
脂を使用し、実施例7と同じ配合でスプレーしたビスケ
ットを製造した。該スプレーしたビスケット(比較例3
に係る製品)について、実施例7と同様の放置テストを
行った。その結果を下記〔表2〕に示す。また、上記ス
プレー用油脂(比較例3)を60℃に加熱し、その後2
0℃へ24時間かけて冷却し、光学顕微鏡により該スプ
レー用油脂の結晶状態を観察した。その結果を下記〔表
3〕に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】上記〔表1〕の結果から明らかなように、
比較例1に係るクッキーは、テスト開始後早期から表面
が全面白色化したのに対し、実施例1〜6に係るチョコ
レート複合菓子としての白色化が抑制され、4ヵ月間商
品価値を損なうことは無かった。また、比較例2に係る
クッキーは、比較例1に係るクッキーと比べれば良好な
状態を保ったが、実施例1〜6に係るクッキーと比較し
て白色化の抑制効果は弱いものであった。また、上記
〔表2〕の結果から明らかなように、製菓用油脂組成物
をスプレ−用油脂として使用した場合(実施例7,比較
例3)でも、練り込み用油脂として使用した場合(実施
例1〜6,比較例1〜2)と同様の結果であった。更
に、実施例7の製菓用油脂組成物は、比較例3の製菓用
油脂組成物よりも油脂結晶が微細化しやすいため、マイ
グレ−ションの抑制硬化が高かった。
【0040】
【発明の効果】本発明の製菓用油脂組成物(請求項1)
は、菓子類の流通過程や保存中における油脂のマイグレ
−ション及びそれによって生じる焼き菓子類の白色化現
象、チョコレ−ト類の軟化、ブル−ム現象の抑制された
ものである。また、本発明の菓子類の製造方法(請求項
2)によれば、菓子類の流通過程や保存中における油脂
のマイグレ−ション及びそれによって生じる焼き菓子類
の白色化現象、チョコレ−ト類の軟化、ブル−ム現象が
抑制された菓子類を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリグリセリドの1位と3位に結合して
    いる脂肪酸残基を構成する脂肪酸が炭素数16以上の同
    一の飽和脂肪酸であり、2位に結合している脂肪酸残基
    を構成する脂肪酸が炭素数16以上の飽和脂肪酸である
    トリグリセリド0.1〜20重量%及びトランス酸15
    重量%以上を含有することを特徴とする製菓用油脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 菓子類の原料配合物に、請求項1記載の
    製菓用油脂組成物を含有させることを特徴とする菓子類
    の製造方法。
JP19547195A 1995-07-31 1995-07-31 製菓用油脂組成物及び菓子類の製造方法 Expired - Lifetime JP3461062B2 (ja)

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