WO2022209841A1 - 冷菓用油性食品 - Google Patents

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Abstract

冷菓用途において、従来になかった特徴的な食感を付与する油性食品の提供を課題とする。 HLB3以下のショ糖脂肪酸エステルと糖類を含有し、固形分の粒度を特定以上のサイズにすることで、品質不良が改善された新食感の冷菓用油性食品が得られる。

Description

冷菓用油性食品
 本発明は、新しい食感を有する冷菓用油性食品に関する。
 アイスクリーム等の冷菓製品には、風味バラエティ化や水分移行防止、食感付与のため、チョコレート類などの油性食品でコーティング(被覆)することがあり、市場において高い人気のある商品である。それ故に、より一層消費者の新たな要求に応える必要があり、さらに魅力のある商品にするためにさまざまなバラエティ化が試みられている。
 しかしながら、さまざまなバラエティ化を試みるものの、現状では被覆する油性食品の風味バラエティ化や、汎用性の高いミルクチョコレート等にナッツや焼菓子などの可食物を付着させることが一般的であり、そのような検討がなされている(特許文献1)。しかし、それ以上の食感が異なる油性食品は提供できていない。
 新しい食感を提供する手段の一つとして、油性食品中の固形分の粒子径を調整する方法が考えられる。一般的な油性食品は、その固形分を一定の粒径以下に粉砕する工程を含み、なめらかな食感を有している。一方で粉砕工程を最低限にすることで、粒子そのものの食感を感じるシャリシャリとした食感を得ることが可能である。このシャリシャリした食感は、前述したナッツなどの可食物が部分的に存在する油性食品とは異なるものである。
 シャリシャリ食感(以後シャリ感とする)の実現には、常温領域では、油性食品としてグレーズコーティングと呼ばれる素材を用いることができる。これらはシャリ感に加えて、一般的に知られるフォンダン、アイシングといった糖ベースのものよりも、パンにコーティングしたときのべたつきが軽減されるとして使用されている(特許文献2)。
 常温下において、シャリ感を有し、かつ高い耐熱性と口溶けを両立した油性食品の記載がある(特許文献3)。この発明を冷菓に活用すれば、冷凍下でも口溶け良好でシャリ感のある新しい素材が生み出せるのではないかと期待された。
特開2014-187919号公報 国際公開第2000/076328号 国際公開第2006/080416号
 本発明は、冷菓用途において、従来になかったシャリシャリとした特徴的な新食感を付与する油性食品の提供を課題とする。
 冷菓にグレーズコーティングを応用するために発明者らが検討した結果、水分が混入することによる増粘現象が、特許文献1にあるような従来知られるミルクチョコレート等よりも顕著であることが判明した。特許文献2,3にはそれらの言及はなく、冷菓にグレーズコーティングを応用するには、増粘を抑制することが新たな課題であると確認された。
 つまり、本発明において、当初課題であった従来にない特徴的な食感を付与する冷菓用油性食品を提供する目的のためには、水分混入による増粘やそれに付随する品質不良を解決することが具体的な課題であると新たに明らかになった。
 背景技術を参考に、発明者らは鋭意検討をおこなったが、特徴的な食感としてシャリ感を得られるグレーズコーティングを冷菓に用いるための具体的な課題が何であるか不明確な状態であった。油性食品は油の連続層に糖やカカオ、乳製品などが分散した組成であり、実質的に水を含まない。しかし、油性食品でコーティングした冷菓の製造工程は、アイスクリームバーや氷菓など「芯材」にあたる低温に冷やした食品を油性食品中に直接浸漬するなどしてその表面に油性食品をコーティングして製造される場合が多く、その際、冷菓から微量の水分が油性食品の中に混入することは避けられない。この水分により次第に油性食品が増粘し、均一なコーティングが困難となる可能性はある。とはいえ、従来知られるミルクチョコレート等では工業的に生産する際は、常に水分が混入していない新たな油性食品が供給されるために、大きな問題は発生していない。さらに、グレーズコーティングは、常温下で喫食される焼き菓子やベーカリー素材には利用されている。そのため、冷菓に応用することも比較的容易であると考えられた。
 本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、
HLB3以下のショ糖脂肪酸エステルと糖類を含有し、固形分の粒度を特定以上のサイズにすることで、増粘やそれに付随する固着などの品質不良が改善された新食感の冷菓用油性食品が得られること、さらに好ましくはデキストリン類を含有させることを見出し、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明は、
(1)HLB3以下のショ糖脂肪酸エステル及び糖類を含み、固形分粒度が50μm以上、油分25~70重量%の冷菓用油性食品、
(2)デキストリン類を含有する(1)の冷菓用油性食品、 
(3)該ショ糖脂肪酸エステルの主要構成脂肪酸が炭素数16以上の不飽和脂肪酸である(1)または(2)に記載の冷菓用油性食品、
(4)レシチンの含量が0.05重量%以下の(1)または(2)に記載の冷菓用油性食品、
(5)レシチンの含量が0.05重量%以下であって、該ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸が炭素数16以上の不飽和脂肪酸である(2)に記載の冷菓用油性食品 。
(6)(3)~(5)いずれか一つに記載の油性食品を被覆した冷菓、
(7)(1)~(5)いずれか一つに記載の油性食品を被覆、練り込み又は滴下する、冷菓への新食感付与方法、 
である。
 本発明により、従来にないシャリシャリとした新食感を付与でき、増粘だけでなく、固着が抑制された、冷菓用油性食品を提供することができる。
 以下、本発明を詳細に説明する。
(冷菓用油性食品)
 本発明でいう冷菓用油性食品は、冷菓生地の表面をコーティングあるいはカバリングするための油性食品であり、油脂が連続相で糖類等を分散相として含有する実質的に水を含まない食品素材である。代表的なものとしてはアイスコーティングチョコレート類であるが、全国チョコレート業公正取引協議会、チョコレート利用食品公正取引協議会で規定されるチョコレート、準チョコレート、チョコレート利用食品だけでなく、油脂類を必須成分とし、糖類、粉乳類、ココアバター、果汁粉末、果実粉末、呈味材、乳化剤、香料、着色料等の副原料を任意の割合で配合したものである油脂加工食品を含むものとする。
また、ここで言う冷菓は冷菓用油性食品を組み合わせる低温の食品素材であれば特に限定はされない。一例としては冷凍した果実、アイスクリームバーや氷菓が挙げられる。
(糖類)
 冷菓用油性食品は上記の通り連続相の油脂以外に糖類等が分散相として配合されている必要がある。糖類としては、特に限定はされないが蔗糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、トレハロース、粉末マルトース等が挙げられる。その中でも蔗糖を主成分としたものが好ましく、一例としては粉糖、黒砂糖、白砂糖、赤砂糖、和三盆、白双糖、中双糖、グラニュー糖、上白糖、三温糖が挙げられる。
糖類の好ましい配合量は、下限値が好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上である。上限値が好ましくは74重量%以下、より好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは65重量%以下である。多い方が甘みの強い油性食品が得られるが、近年は多岐にわたる風味を求められる傾向があり、甘さを抑えた品質を求められることもある。
 油脂以外の固形分としては、糖類の固形分中の比率は、下限値が好ましくは13重量%以上、より好ましくは20重量%以上である。
適当な糖を適当な量含有する事により、甘さや風味が良好な冷菓用油性食品を調製することができる。
(ショ糖脂肪酸エステル)
 本発明の油性食品には、HLB3以下のショ糖脂肪酸エステルを含有する。水分添加による増粘抑制に効果があるだけでなく、さらに増粘抑制に効果を発揮するデキストリン類を配合することによって生じる固着という品質不良を改善することができる。好ましい配合量は0.05~0.8重量%、さらに好ましくは0.1~0.7重量%、より好ましくは0.2~0.6重量%である。
本発明で使用する、ショ糖脂肪酸エステルは構成脂肪酸の50%以上が炭素数16以上の不飽和脂肪酸であることが好ましく、より好ましくは結合する構成脂肪酸の60%以上が炭素数16以上の不飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルであることが好ましい。ショ糖脂肪酸エステルを構成する炭素数16以上の不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、エルカ酸などが挙げられる。これらの脂肪酸をショ糖脂肪酸エステルの主要構成脂肪酸とすることで、増粘抑制や固着抑制に効果を発揮する。これにより、本発明に係る冷菓用油性食品において、増粘や固着が抑えられた品質を実現する事ができる。
(デキストリン類)
 冷菓用油性食品の好ましい態様として、デキストリン類を配合することが好ましい。デキストリン類は澱粉を加水分解したものであり、その分解程度の指標であるDE値(Dextrose  Equivalent:デキストロース当量)により分類されるが、20以上は水あめ、20未満はマルトデキストリンとされる。さらに10以下をデキストリンと細分類することもある。
 本発明で用いるデキストリン類は、上述した澱粉を加水分解したもの全体を総称しており、デキストリン、粉あめ、澱粉分解物、マルトデキストリンなどを含む。望ましいDE値は、33以下であり、さらに好ましくは19以下であることが好ましい。DE値が大きすぎると固着が発生しがちとなる。また、デキストリン類はさらにDE値が4以上であることが好ましく、さらに好ましくは8以上であることが好ましい。DE値が小さすぎるとデキストリン類に特徴的な口腔内でのネチャつく食感になりやすくなる。
デキストリン類を配合する場合、配合中50重量%未満に調整することが好ましい。より好ましい配合量は45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下である。多すぎると物性面は改善するが、油性食品として食感にねちゃつきが発生し、求めるようなシャリ感が得られない。
 適当な量のデキストリンを配合することで、シャリ感が得られ、かつ増粘が抑制された油性食品が得られる。
(レシチン)
 本発明の冷菓用油性食品は、レシチンの含量が好ましくは0.05重量%以下である。
より好ましくは0.04重量%以下、さらに好ましくは0.03重量%以下である。一般的なチョコレートには0.1~1.0%程度含有するが、本発明の効果を発揮するためにはレシチン含有量は少ない方が好ましい。
(油分、油脂)
 本発明の冷菓用油性食品には、油脂の配合は必須であるが、その含有量は25~70重量%、好ましくは28~70重量%、より好ましくは30~68重量%である必要がある。下限を下回ると粘度が高くなり、流動性が低下するため被覆用途として用いる事が難しい。上限を上回ると固形分が不足して風味発現が悪く、油性感の強い品質になる。
 本発明の冷菓用油性食品で使用する油脂は冷菓用に用いることができれば特に限定はされない、原料として例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ脂、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物油脂、並びに、それら油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が例示できる。かかる油脂の融点は、冷菓への被覆に適度な固化速度と割れ耐性、表面のつやなど商品により目的とする機能が付与されるように、適宜選択すればよい。
(水分)
 本発明では冷菓用油性食品全量に対して水分は、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下、最も好ましくは1.5重量%以下が好ましい。油性食品に含まれる水分は、配合する原料由来である。本発明は、油性食品に水分が混入した場合に対応するものであるため、初発の水分が多少高くても水分混入時の粘度上昇は抑えられてはいるが、それでも付与した機能が無駄に存在する水分で削がれるため、望ましくは初発の水分は可能な限り低い方が望ましい。
 本発明の冷菓用油性食品で使用する油脂と糖、デキストリン類以外のその他の配合物としては、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー等の乳製品、カカオマス、ココアパウダー、調整ココアパウダー等のカカオ分、チーズ粉末、コーヒー粉末、果汁紛末等が例示できる。また、風味や色調調整のため、バニリンや香料、酸味料、色素類を適宜利用することができる。
(乳化剤)
 本発明の冷菓用油性食品は、HLB3以下のショ糖脂肪酸エステルの他に、粘度調整や油脂結晶性調整のために、レシチン以外の各種の乳化剤を含有することができる。乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが例示できる。
(冷菓油性食品の使用方法)
 本発明の冷菓用油性食品は主たる用途は被覆であるが、冷菓に対する組合せであれば特にその組合せ方法に限定はされない。一例では被覆以外で は流動状態のアイスクリームへの滴下や練り込み、線描き法等がある。中でも水分が混入しやすい浸漬による被覆が、芯材の冷凍状態の冷菓表面で結露した水分が直接チョコレ ートに混入するので特に本発明の効果が発揮されやすい。他の組合せ方法であっても冷菓は結露しやすく作業環境から油性食品への水分の混入が起こりやすいため、効果は得られる。
 組合せ条件としては、通常の冷菓用油性食品と同様に40~50℃の湯煎で、冷菓用油性食品を融解した後、品温40℃前後まで下げ冷菓と浸漬や塗布などの方法で組合せを行えばよい。
(粒度)
 粒度の測定方法は、油性食品メーカーでは比較的一般的である、マイクロメーターによる測定をもって本発明の粒度の規定に用いる。
 より具体的にはマイクロメーター(一例として株式会社ミツトヨ社製  商品名「デジマチック標準外側マイクロメーター  MDC-M」など)にて測定面に融解した油性食品を付着させ、測定面同士を近接させていく。油性食品の付着量は、測定時にマイクロメーター測定面の幅が狭まり、測定値が示された時点で油性食品が測定面よりはみ出す程度の量であり、少なくとも測定面に一様に分布する程度をもって測定する。量が少ないと測定面同士の空隙に十分な量の粒子が存在せず測定誤差が生じやすくなるので、測定面からはみ出さない場合は測定値として用いない。
 測定後、測定面を清浄な状態にして再度同様の手順で5回測定した。
 マイクロメーターの測定数値が50μm以上の粒子が多いほどシャリ感が得られる。本発明の好ましい粒度は50μm以上であり、より好ましくは60μm以上、さらに好ましくは70μm以上である。粒度が高いほどシャリ感を感じるが、被覆するために一定の流動性と被覆後の均一な組成を得るためには、粒度は0.5mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。0.5mm以上の粒子が多く存在すると、当該粒度の可食物の存在を認知しシャリ感とは異なる食感になる。
 以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。なお、例中、%及び部はいずれも重量基準を意味する。
<検討1>
 表1の配合に従い、以下の手順にて、冷菓用油性食品を作製した。
糖類等の固形分、油脂等に大豆レシチンを添加し、縦型ミキサーで混ぜ合わせて各検体を調製した。
 その後、それぞれの油性食品を40℃に温調、この時点での粘度を測定(水無添加時粘度)、次いで0.5重量%相当の水を添加して攪拌し、40℃に温調し粘度を測定(水添加時粘度)した。粘度の測定にはBM型粘度計を用い、3号ローター30rpmで測定した。
 別途対象となる油性食品を200gずつ500mlの蓋付き角缶に充填し、40℃のインキュベーターで3日間静置保存した。その後、100回振って混合した後、油性食品を抜き出し、缶内に残った固着物を確認した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
デキストリンA:マルトデキストリン試作品(DE値16~18)
大豆油;商品名「精製大豆油」 不二製油株式会社製
ヤシ油:商品名「精製ヤシ油」 不二製油株式会社製
 表1の記載にあるように、砂糖を用いた比較例1は、水を添加したときに粘度が非常に高くなった。デキストリンAを配合することで粘度上昇は改善されたが、40℃保管の際に回収しがたい固着物が底部に残った。
 新たな食感の冷菓用油性食品には、増粘を抑制しつつ、油性食品が溶解状態で保管される時の固着の改善が必要であることが明らかになった。
 使用時の水分混入による増粘を抑制すること、溶解状態で保管する時の固着を改善することを達成するために、以下の基準を設定した。
<水分混入による増粘の評価>
 検討1同様に、40℃に温調、0.5重量%相当の水を添加して攪拌し、再び40℃に温調し測定した粘度を以下のように評価する。
 粘度はBM型粘度計を用いて測定する。
 以下の増粘率をもって合否を判断する。
〇:(水添加時粘度)/(水無添加時粘度)が2.5以下
×:(水添加時粘度)/(水無添加時粘度)が2.5を超える
<保管時の固着量評価>
 事前実験で検討したように、油性食品を200gずつ500mlの蓋付き角缶に充填し、40℃のインキュベーターで3日間静置する。缶を100回振って混合した後、油性食品を抜き出し、缶内に残った固着量を計測する。
〇:固着量が9%以下。
×:固着量が9%を超える。
 以下の官能評価は、パネラー5人の官能評価にて行った。
<食感評価(シャリ感)>
○:特徴的なシャリ感がよく感じられる
△:シャリ感感じられるが、やや弱い
×:シャリ感とは異なる、ねちゃつきなどの食感が強く感じられる
<風味>
○:甘みと口溶けが良好
△:許容レベルであるが、甘みや口溶けの良さが感じにくい
×:油性感を強く感じる
<検討2>
 表2の配合に従い、検討1同様の以下手順にて、冷菓用油性食品を調製した。
糖等の固形分、油脂等に大豆レシチンまたはショ糖脂肪酸エステルを添加し、縦型ミキサーで混ぜ合わせて各検体を調製した。
 ショ糖脂肪酸エステルは構成脂肪酸が、不飽和脂肪酸であるエルカ酸を主体としたHLB2のものを使用した。(三菱ケミカルフーズ社製「リョートーシュガーエステルER-290」)
 粘度は、BM型粘度計の2号ローター30rpmで測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 大豆レシチンを添加した比較例4、5は増粘あるいは固着量に問題が生じたが、エルカ酸主体のショ糖脂肪酸エステルを添加した実施例1、2は増粘、固着ともに改善された良好な物性であった。また、シャリ感、風味ともに良好だった。固形分をデキストリンAにした比較例6は、増粘や固着は問題なかったが、ねちゃつきを感じ、シャリ感の弱いものであった。
<検討3>
 表3の配合に従い、検討1同様の以下手順にて、冷菓用油性食品を調製した。
糖等の固形分、油脂等にショ糖脂肪酸エステルを添加し、縦型ミキサーで混ぜ合わせて各検体を調製した。
 粘度は、BM型粘度計を用いて2号ローター30rpmで測定した。ただし、表3中※1は3号ローター12rpm、※2は3号ローター30rpmで測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 油分を調整することで、粘度が異なる検体を調製し、それぞれを評価した。油分が75重量%まで多くなると、増粘や固着の不具合はほとんど見られないが、シャリ感が弱まり、油性感を強く感じる品質になった。
<検討4>
 冷菓に被覆した評価を表4に記載する。-18℃に温度調整した市販の四角柱型アイスバー(商品名:バニラバー、株式会社ロッテ製、アイス部分の概形:23mm×23mm×73mm)を、加温融解して40℃に調整した油性食品を満たしたガラスビーカー内に木のスティック部分まで浸けて油性食品をコーティングし、風味および食感テストに供した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4に記載の通り、実施例1,2,3、7どれも従来の冷菓用油性食品とは異なる、新しい食感を得られた。
 本発明によって、従来にない新規な食感を有する、取扱いが平易な冷菓用油性食品を提供することができる。

Claims (7)

  1. HLB3以下のショ糖脂肪酸エステル及び糖類を含み、固形分粒度が50μm以上、油分25~70重量%の冷菓用油性食品。
  2. デキストリン類を含有する請求項1の冷菓用油性食品。
  3. 該ショ糖脂肪酸エステルの主要構成脂肪酸が炭素数16以上の不飽和脂肪酸である請求項1または2記載の冷菓用油性食品。
  4. レシチンの含量が0.05重量%以下の請求項1または2に記載の冷菓用油性食品。
  5. レシチンの含量が0.05重量%以下であって、該ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸が炭素数16以上の不飽和脂肪酸である請求項2に記載の冷菓用油性食品 。
  6. 請求項3~5いずれか一項に記載の油性食品を被覆した冷菓。
  7. 請求項1~5いずれか一項に記載の油性食品を被覆、練り込み又は滴下する、冷菓への新食感付与方法。
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