JP2013199988A - 変速機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価な構成でリニアソレノイドの単品交換が可能な給電電流制御装置を用いた変速機制御装置を提供する。
【解決手段】リニアソレノイド107nは電磁コイル71nとラベル抵抗72nが一体化されて構成され、ラベル抵抗72nは電磁コイル71nに対する給電電流対調整油圧出力特性に関する標準特性と現品特性との相違に基づく補正係数に対応した抵抗値となっており、コントロールモジュール120Mには、電磁コイル71nに対する指令電流対出力電流特性に関する特性バラツキを補正するデータが調整ツールを用いて予め格納されており、運転開始時にはラベル抵抗72nの抵抗値を読取って、適用されたリニアソレノイドに応じた出力電流を供給して目標とする調整油圧を得るようにした。
【選択図】図3

Description

この発明は、車両に搭載される変速機を制御する変速機制御装置、特に、変速機制御装置における給電電流に対応した調整油圧出力を発生する複数のリニアソレノイドと当該リニアソレノイドに対する給電電流制御装置の改良に関するものである。
周知のように、車両に搭載される変速機の変速段を決定するための変速機制御装置は、変速段を決定するためにギアシフトレバーの選択位置と車速とアクセルペダルの踏込み度合とに応動して選択給電され給電電流に対応した調整油圧出力を発生する複数のリニアソレノイドと、当該リニアソレノイドに対する前述の給電電流を制御する給電電流制御装置とによって構成される変速機制御装置を備える。
変速機制御装置は、変速機に内蔵された複数のリニアソレノイドとの組合せ調整が必要であることから変速機と一体不可分のシステムとして構築され、変速機制御装置と変速機とを結合した機電一体化が行われている。例えば、特許文献1において、従来例として引用された図16に示す変速機制御装置では、複数のリニアソレノイド121を一括制御する集中型の制御装置である電子制御ユニット122は、一つのマイクロコンピュータ123と、複数のリニアソレノイドと、これ等のリニアソレノイドに個別に対応した複数の駆動制御装置124とによって構成され、変速機の製造ステップにおいて、温度依存特性を有するリニアソレノイド121の温度補正を行なうために、対応する駆動制御装置124の特性パラメータの調整作業を行うことが記載されている。
また、この特許文献1の図6では、リニアソレノイド3とリニアソレノイド制御回路4とを一体化して構成した複数のリニアソレノイドモジュール1を備え、各リニアソレノイドモジュール1における分散型の制御装置であるリニアソレノイド制御回路4は、電子制御ユニット62内の一つのマイクロプロセッサ63の出力ポートに夫々接続されている。各リニアソレノイドモジュール1の製造ステップにおいては、一体化されたリニアソレノイド3とリニアソレノイド制御回路4とを組合せた状態での特性調整パラメータが、リニアソレノイド制御回路4内の特性パラメータ記憶素子6(特許文献1の図1参照)に書込まれる。これにより、変速機の製造ステップにおいては、リニアソレノイド3とリニアソレノイド制御回路4との組合せ毎の特性パラメータの調整作業が不要となるように構成されている。
特開2010−242806号公報
(1)従来技術の課題の説明
特許文献1に記載された従来の変速制御装置におけるリニアソレノイドモジュール1は、リニアソレノイド3とリニアソレノイド制御回路4とを一体化したものであって、この組み合わせ状態においてリニアソレノイド3の温度依存特性を補正するための調整が行なわれているので、変速機全体の組合せ段階では複数のリニアソレノイド4に対応した調整作業が不要となる。しかし、リニアソレノイド単体、又はリニアソレノイド制御回路単体の何れかに異常が発生した場合に、一方だけを交換しようとするとリニアソレノイドモジュールとしての組合せ調整を行って特性パラメータ記憶素子に対する記憶情報の書替え作業が必要となり、保守交換現場に高価な調整設備と調整作業ができる技術者が必要となる課題がある。従って、実態としてはリニアソレノイドとリニアソレノイド制御回路とを一体として交換をせざるを得ないので、交換部品価格が高くて不経済であるとともに、省資源に逆行することとなる課題がある。
(2)この発明の目的の説明
この発明の第一の目的は、リニアソレノイドの単品異常又は給電電流制御装置側の単品異常が発生して、どちらかを良品に交換しようとした場合に、両者の組合せ再調整が不要となるように取扱性を改善したリニアソレノイド及びこれに適した給電電流制御装置を用いた変速機制御装置を提供することである。
また、この発明の第二の目的は、前述の第一の目的を達成するために発生するコストアップを極力抑制して、取扱性改善の効用を損なわないようにすることである。
更に、この発明の第三の目的は、信号配線の短絡や天絡・地絡事故に対して異常事態が波及するのを防止するための保護機能を付加しやすい副次的な効果を持つ変速機制御装置を提供することである。
この発明による変速機制御装置は、
車両用変速機に内蔵された油圧調整弁に作用して、給電電流に対応した調整油圧出力を発生する複数のリニアソレノイドと、前記各リニアソレノイドに対する前記給電電流を制御する給電電流制御装置とを備えた変速機制御装置であって、
前記リニアソレノイドは、電磁コイルと、当該リニアソレノイドの動作特性に関する個体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータとなる抵抗値を有するラベル抵抗と、が一体化されて構成されており、
前記給電電流制御装置は、車載バッテリと複数の前記リニアソレノイドの全体又は個々のリニアソレノイドとの間に接続された給電用開閉素子の出力電圧である給電電圧と、前記車載バッテリから給電される定電圧電源の出力電圧である制御電圧によって動作する駆動回路と、コントロールモジュールと、前記駆動回路に内蔵され前記リニアソレノイドの他端に個別に直列接続された制御用開閉素子とを備え、
前記駆動回路は、前記ラベル抵抗に通電して、当該ラベル抵抗の抵抗値を測定するための測定回路を備え、
前記コントロールモジュールは、前記制御用開閉素子の導通状態を制御するための指令信号を発生するマイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリと、当該プログラムメモリの一部領域若しくは当該プログラムメモリが分割して設けられた不揮発性のデータメモリと、前記制御電圧が基準電圧として印加される多チャンネルAD変換器とを包含し、
前記プログラムメモリは、補正制御定数格納手段とラベル抵抗読出変換手段となる制御プログラムを備え、
前記補正制御定数格納手段は、外部接続された調整ツールと協働して、前記駆動回路における電流制御定数を測定し、回路部品の個体バラツキ変動があっても、目標電流に合致した給電電流を得るための補正係数を算出して、当該補正係数を前記プログラムメモリ又は前記データメモリに格納し、
前記ラベル抵抗読出変換手段は、前記測定回路から前記ラベル抵抗に流入する測定電流と、前記ラベル抵抗に印加された測定電圧との比率によって前記ラベル抵抗の抵抗値を算出し、前記算出された抵抗値に基づいて前記リニアソレノイドの個体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータを算出又は選択決定して、前記データメモリ又は前記RAMメモリに格納するように動作し、当該動作が電源スイッチが投入された運転開始時に実行されるように構成され、前記リニアソレノイドが保守交換されても、交換されたリニアソレノイドに付加されたラベル抵抗の抵抗値に応動して給電電流が制御される、
ことを特徴とするものである。
この発明による変速機制御装置によれば、給電電流制御装置の製造出荷段階にあっては基準サンプルとなるリニアソレノイドを用いて制御装置としての調整作業を行い、リニアソレノイドの製造出荷段階にあってはリニアソレノイドの動作特性の固体バラツキを補正するためのラベル抵抗の一体化組付け作業を行っておけば、両者を組立てる車両製造段階や、市場においてリニアソレノイド又は給電電流制御装置の保守交換を行ったときに、両者の組合せ調整を行う必要がないので、組立て及び保守交換が容易な変速機制御装置が得られる効果がある。
又、この発明による変速機制御装置によれば、リニアソレノイド内にはパラメータデータを記憶するためのICメモリが内蔵されておらず、ラベル抵抗の抵抗値を読み出すことによって簡単にリニアソレノイドの固体バラツキ変動を識別することができ、これによりリニアソレノイドと給電電流制御装置との間の配線本数の増加を抑制して、経済性を高めることができる効果がある。
更に、この発明による変速機制御装置によれば、給電電流制御装置に設けられたマイクロプロセッサは、給電電流の制御を行なっていない期間においてラベル抵抗の読出しを行うようにすることで、マイクロプロセッサの制御負担を軽減して、安価なマイクロプロセッサを使用することができる効果がある。
又、この発明による変速機制御装置によれば、ラベル抵抗は定電圧電源から測定回路となる給電抵抗を介して給電されることで、各部の測定電圧は同じ定電圧電源の出力電圧を基準電圧として動作する多チャンネルAD変換器を介してデジタル変換されているので、ラベル抵抗の抵抗値を精確に測定して、制御精度を向上することができる効果がある。
又、この発明による変速機制御装置によれば、電磁コイルの両端に設けられた給電用開閉素子と制御用開閉素子及び多チャンネルAD変換器に入力された測定信号を用いれば、信号配線の短絡や天絡・地絡事故に対する保護機能を手軽に付加することができて、安全性が向上する効果がある。
この発明の実施の形態1による変速機制御装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態1による変速機制御装置における給電電流制御装置を、ギアボックスへ取り付け状態で示す断面図である。 この発明の実施の形態1による変速機制御装置における駆動回路部の回路図である。 この発明の実施の形態1による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの模式簡略断面図である。 この発明の実施の形態1による変速機制御装置におけるラベル抵抗を構成するラダー回路図である。
この発明の実施の形態1による変速機制御装置におけるラベル抵抗の抵抗値の決定方法を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態1による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの調整作業を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による変速機制御装置における給電電流制御装置の調整動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による変速機制御装置の運転動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態2による変速機制御装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態2による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの外観図である。 この発明の実施の形態2による変速機制御装置における駆動回路部の回路図である。 この発明の実施の形態2による変速機制御装置における駆動回路部の変形形例を示す回路図である。 この発明の実施の形態2による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの調整作業を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による変速機制御装置における給電電流制御装置の調整動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による変速機制御装置の運転動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態3による変速機制御装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態3による変速機制御装置における駆動回路部の回路図である。 この発明の実施の形態3による変速機制御装置におけるラベル抵抗を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による変速機制御装置における圧力対電流特性の近似直線を示す特性線図である。 この発明の実施の形態3による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの調整作業を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3による変速機制御装置における給電電流制御装置の調整動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3による変速機制御装置の運転動作を示すフローチャートである。
実施の形態1.
(1)詳細な説明
以下、この発明の実施の形態1による変速機制御装置について説明する。図1は、発明の実施の形態1による変速機制御装置の全体構成図である。図1において、エンジンルームに設置されたエンジン制御装置110Uと、車両用変速機のギアボックス107の外壁に固定された給電電流制御装置120Uとは、互いに協働してギアボックス107に内蔵されたリニアソレノイド107a〜107nに対する給電電流の制御を行なうように構成されている。この実施の形態1にあっては、1台の給電電流制御装置120Uと例えば4〜6個のリニアソレノイド107a〜107nによって集中制御形式の変速機制御装置100が構成されている。
車体グランド端子101に負端子が接続されている車載バッテリ102の正端子は、図示していない電源リレーの出力接点103を介して、エンジン制御装置110Uと給電電流制御装置120Uに対してバッテリ電圧Vbを供給するように構成されている。前述の電源リレーは、図示していない電源スイッチが閉路されたことによって付勢され、一旦電源リレーの出力接点103が閉路してエンジン制御装置110Uが動作を開始すると、エンジン制御装置110Uが発生する自己保持指令信号によって付勢状態が保持されて、電源スイッチが開路されても付勢状態が持続し、エンジン制御装置110Uと給電電流制御装置120Uが動作停止処理を完了した時点で自己保持指令信号が解除され、電源リレーが消勢されて出力接点103が開路するように構成されている。
エンジン制御装置110Uに入力されている第一のセンサ群104は、例えばアクセルペダルの踏込み度合を検出するアクセルポジションセンサ、エンジンの吸気弁開度を検出するスロットルポジションセンサ、吸気量を測定するエアーフローセンサ、排気ガスセンサ、エンジン回転センサ、クランク角センサ、電源スイッチ、エンジンの始動指令スイッチなどのアナログ又はオン/オフスイッチセンサ、或いは手動指令スイッチなどを含み、
これ等のセンサ群の一部については、給電電流制御装置120Uにも直接入力されるか、又は通信回線109を介して送信されるように構成されている。
エンジン制御装置110Uが発生する出力信号に応動する電気負荷群105は、例えば燃料噴射用電磁弁、点火コイル(ガソリンエンジンの場合)、吸気弁開度制御用モータ、始動用電動機などを含む。給電電流制御装置120Uに入力される第二のセンサ群106は、例えば変速機のシフトレバーの選択位置を示すシフトレバースイッチ、車速センサを含み、これらの信号の一部はエンジン制御装置110Uにも直接入力されるか、又は通信回線109を介して送信されるように構成されている。
エンジン制御装置110Uの内部には、車載バッテリ102から電源リレーの出力接点103を介して給電されて例えばDC5[V]の安定化された制御電圧Vccを発生する定電圧電源110aが設けられて、コントロールモジュール(ECM)110Mや図示していないインタフェース回路を含む各部に給電するように構成されている。コントロールモジュール110Mは、演算処理装置であるマイクロプロセッサ(CPU)111と、演算処理用のRAMメモリ(RMEM)112、例えばフラッシュメモリである不揮発性のプログラムメモリ(PMEM)113、不揮発性のデータメモリ(DMEM)114、多チャンネルAD変換器(ADC)115、直並列変換器(SIF)116が互いにバス接続されて構成されている。
車載バッテリ102から直接給電される定電圧電源110bは、電源リレーの出力接点103が開路されている状態でRAMメモリ112に書込みされているデータが消失しないようにバックアップするためのものであり、RAMメモリ112に書込みされているデータのうち、重要データについては図示していない電源スイッチが開路されて、電源リレーの出力接点103が遅延閉路している期間にデータメモリ114へ転送格納されるように構成されている。
なお、マイクロプロセッサ111は、プログラムメモリ113と協働して、アクセルペダルの踏込み度合に応じてスロットル弁開度を制御し、吸気量に比例した燃料の供給を行うとともに、ガソリンエンジンの場合であればエンジン回転速度と燃料噴射量に応じて点火コイルの断続制御を行なうように構成されている。又、変速機の変速段を切換えるときには、エンジン回転速度がなだらかに変化するように給電電流制御装置120Uと協調しながら燃料噴射量を調整するように構成されている。
給電電流制御装置120Uの内部には、車載バッテリ102から電源リレーの出力接点103を介して給電されて例えばDC5[V]の安定化された制御電圧Vccを発生する定電圧電源120aが設けられており、コントロールモジュール(TCM)120Mや後述の駆動回路部170a〜170nに給電するように構成されている。コントロールモジュール120Mは、マイクロプロセッサ(CPU)121と、演算処理用のRAMメモリ(RMEM)122、例えばフラッシュメモリである不揮発性のプログラムメモリ(PMEM)123、不揮発性のデータメモリ(DMEM)124、多チャンネルAD変換器(ADC)125、直並列変換器(SIF)126が互いにバス接続されて構成されている。直並列変換器126は、前述のエンジン制御装置110Uに於けるコントロールモジュール110Mの直並列変換器116と通信回線109を介して互いにシリアル接続されている。
車載バッテリ102から電源リレーの出力接点103を介して給電される給電用開閉素子120cは、マイクロプロセッサ121が発生する給電開始指令によって閉路して給電電圧Vbbを発生して、後述の駆動回路170a〜170nに給電するように構成されている。第二のセンサ群106から入力された信号は、入力インタフェース回路160を介してマイクロプロセッサ121に入力され、リニアソレノイド107a〜107nは、それぞれ後述の駆動回路部170a〜170nを介してマイクロプロセッサ121から給電制御されるように構成されている。油温センサ180は、リニアソレノイド107a〜107nが収納されているギアボックス107内の作動油の温度を検出するためのものであり、この実施の形態1では給電電流制御装置120U内に直接設けられている。
なお、データメモリ114、124としては、1バイト単位で電気的に容易に読書が行える不揮発性のメモリを使用するとよいが、プログラムメモリ113、123がブロック単位で電気的に一括消去が行えるフラッシュメモリである場合には、特定のブロックをデータメモリ114、124として使用することも可能である。
又、プログラムメモリ113、123に対しては、図示していないプログラムツール、又は後述の調整ツール190が接続されている状態でプログラムの書き替えが行われ、これ等のツールを接続していない状態では読み出しのみが可能であって書き替え処理は行えないように構成されている。しかし、データメモリ114、124に対しては、例えプログラムメモリ113、123の一部領域であっても、格納されているブロックが異なっていれば、ツールが接続されていなくてもマイクロプロセッサ111、121によって読み出し、書き込みを自由に行うことができるものである。但し、フラッシュメモリの場合には消去可能回数に制限があるので、運転中にRAMメモリ112、122に書き込みされていたデータは電源スイッチを開路した直後にデータメモリ114、124へ転送格納するのが一般的である。
次に、給電電流制御装置120Uの構成について説明する。図2は、この発明の実施の形態1による変速機制御装置における給電電流制御装置を、ギアボックスへ取り付け状態で示す断面図である。図2において、給電電流制御装置120Uは、一対の回路基板81a、81bが夫々外側表面に接着固定されたコ字型の方形中空パイプ83と、回路基板81a、81bに搭載された回路部品82a、82bと、温度センサ180とが封止樹脂80によって一体成形されて構成されている。なお、コ字型の方形中空パイプ83は、図2の紙面の左裏位置から右裏位置に延長され、右端位置で紙面の裏面から表面に直交貫通延長され、紙面の右表位置から左表位置へ延長されていて、その左端部と右端部が封止樹脂80から露出するように構成されている。
給電電流制御装置120Uは、ギアボックス107の外壁90の外面に、一対の取付足91、92を介してねじ止め固定され、保護カバー93によって保護されている。一方の取付足92には、コ字型の方形中空パイプ83の一方の開口端と連通するギアオイルの流入配管94と、他方の開口端と連通するギアオイルの流出配管95が設けられ、方形中空パイプ83の一対の開口端はパッキン96を介して取付足92に固定されている。方形中空パイプ83に当接している温度センサ180は、方形中空パイプ83を循環するギアオイルの温度を測定するように構成されている。
次に、駆動回路部について説明する。図3は、この発明の実施の形態1による変速機制御装置における駆動回路部の回路図で、図1に於ける複数の駆動回路部170a〜170nのうち、170nを代表して示し、且つこの駆動回路部170nに対応するリニアソレノイド107nも同時に示している。その他の駆動回路部、及びそれらに対応するリニアソレノイドも同様の構成である。図3において、リニアソレノイド107nは、電磁コイル71nとラベル抵抗72nによって構成されており、例えば数Ωの低抵抗である電磁コイル71nは上流側端子Cと下流側端子Bとの間に接続され、数KΩ以上の高抵抗であるラベル抵抗72nは下流側端子Bとグランド端子Aとの間に接続されている。
リニアソレノイド107nに給電する駆動回路部170nは、給電用開閉素子120cとリニアソレノイド107nの上流側端子Cとの間に接続された逆流防止ダイオード13nと、回路グランド位置に接続された制御用開閉素子10nと、当該制御用開閉素子10nと下流側端子Bとの間に接続された数mΩの微小抵抗である電流検出抵抗15nと、転流ダイオード14nによって主回路が構成され、転流ダイオード14nは、電磁コイル71nと電流検出抵抗15nとの直列回路に対して並列接続されている。
なお、給電用開閉素子120cと制御用開閉素子10nが閉路されると、給電用開閉素子120cと電磁コイル71nと電流検出抵抗15nと制御用開閉素子10nを通じて電磁コイル71nに対して励磁電流が供給され、電流検出抵抗15nの両端電圧は励磁電流の大きさに比例した値となるように構成されている。ここで、制御用開閉素子10nが開路すると、電磁コイル71nに流れていた励磁電流は転流ダイオード14nを介して還流減衰し、電流検出抵抗15nの両端電圧は還流減衰する励磁電流の大きさに比例した値となるように構成されている。
一方、給電用開閉素子120cが閉路され、制御用開閉素子10nが開路されているときには、給電用開閉素子120cと電磁コイル71nとラベル抵抗72nとグランド回路を介して電磁コイル71nに対して漏洩電流が流れることになるとともに、給電抵抗19nを介して定電圧電源120aの出力回路へ流入する漏洩電流が発生することになるが、電磁コイル71nの抵抗値に比べてラベル抵抗72nや給電抵抗19nの抵抗値は十分に大きな値となっていて、リニアソレノイド107nが誤動作しないように構成されている。
なお、車載バッテリ102の交換時に正負の極性を誤って接続されたような場合を想定すると、給電用開閉素子120cや制御用開閉素子10nが逆方向に導通し、転流ダイオード14nを介して電源短絡が発生する危険性があり、これを防止するのが逆流防止ダイオード13nの役割である。これは、給電用開閉素子120cや制御用開閉素子10nを図示した接合型トランジスタにより構成する代わりに、電界効果型トランジスタにより構成した場合でも同様である。
前述のコントロールモジュール120Mの中のマイクロプロセッサ121は、制御指令信号PWMを発生し、その出力論理が「H」レベルになると駆動抵抗11nを介してベース電流を供給して制御用開閉素子10nが閉路し、出力論理が「L」レベルになると、制御用開閉素子10nはベース端子とエミッタ端子間に接続された開路安定抵抗12nによって確実に開路されるように構成されている。
電流検出抵抗15nの両端電圧は、差動増幅器16nによって増幅され、アナログ入力ポートAD1nを介して多チャンネルAD変換器125に入力されるように構成されている。温度センサ17nは、電流検出抵抗15nの直近位置に配置され、直列抵抗18nを介して制御電圧Vccが印加される。温度センサ17nの両端電圧は、アナログ入力ポートAD3nを介して多チャンネルAD変換器125に入力されるように構成されている。
給電抵抗19nの一端には制御電圧Vccが印加され、他端は電流検出抵抗15nの下流端又は上流端を介してリニアソレノイド107nの下流側端子Bに接続されており、給電用開閉素子120cと制御用開閉素子10nとが開路しているときには給電抵抗19nを介してラベル抵抗72nに給電され、ラベル抵抗72nの両端電圧は入力抵抗28nとアナログ入力ポートAD2nを介して多チャンネルAD変換器125に入力されている。なお、給電用開閉素子120cが閉路され、制御用開閉素子10nが開路しているときには、リニアソレノイド107nの下流側端子Bの電圧はバッテリ電圧Vbとほぼ等しい電圧となり、多チャンネルAD変換器125の入力電圧が過大となるのを避けるために、クリップダイオード29nによって定電圧電源120aの出力端に還流するように構成されている。
入力抵抗28nは、定電圧電源120aの出力電圧の変動に影響を与えない高抵抗であるが、多チャンネルAD変換器125の入力抵抗は更に大きな値であって、入力抵抗28nの影響を受けないでラベル抵抗72nの両端電圧を入力することができるように構成されている。
図1及び図3において、コントロールモジュール120Mの中のマイクロプロセッサ121は、まず入力インタフェース回路160に入力されたギアシフトスイッチとアクセルペダルの踏込み度合と車速に応動して変速段を決定し、複数のリニアソレノイド107a〜107nの何れに通電するのかの選択決定を行い、選択された例えばリニアソレノイド107nに対して目標油圧信号を生成する。続いて、マイクロプロセッサ121は、目標油圧信号に対応した目標電流信号を生成するが、これは前述の選択決定により併用される例えばリニアソレノイド107nの油圧対電流特性に依存して決定されるものであって、後述するラベル抵抗72nによって基準となる油圧対電流特性に対する固体バラツキ変動の補正パラメータが告知されるように構成されている。又、油温の変化に対応した油圧対電流特性の変動特性についてはプログラムメモリ123に格納されており、温度センサ180によって検出された油温に応動して基準となる油圧対電流特性の補正が行なわれるように構成されている。
目標電流が定まると、この目標電流を設定信号とし、差動増幅器16nの出力信号を実測信号とし、目標電流である設定信号と実測信号とが合致するように制御指令信号PWMを発生し、制御用開閉素子10nのベースに与える。
一方、プログラムメモリ123には基準温度25℃に於ける温度センサ17nの基準抵抗値と、温度センサ17nの標準温度係数のデータテーブル、及び電流検出抵抗15nの基準抵抗値と標準温度係数のデータテーブルが格納されている。なお、ここでいう標準温度係数は、基準温度25℃に於ける基準抵抗R25と測定温度Tにおける抵抗値Rtとの比率の標準値であり、実際の温度係数は個々の部品によって変動するが、適用された温度センサ17nと電流検出抵抗15nは温度係数のバラツキの少ない高精度部品が使用されていて、この温度係数は標準特性を適用するように構成されている。
しかし、適用された温度センサ17nと電流検出抵抗15nは、温度係数のバラツキの少ない高精度部品が使用されているとしても、温度係数及び基準抵抗R25がともにバラツキ変動のないものを選択するのは不経済であり、実態としては基準抵抗R25には看過できない固体バラツキ変動が残されている。そこで、この個体バラつき変動を校正することが調整ツール190の役割の一つとなっている。
給電電流制御装置120Uの製造出荷検査ステップにおいて、給電電流制御装置120Uに対してシリアル接続される調整ツール190には、温度センサ17nの近傍温度を測定するデジタル温度計191と、電流検出抵抗15nに流れる電流を測定するデジタル電流計192とが接続されている。
先ずは、給電用開閉素子120cと制御用開閉素子10nを開路し、電流検出抵抗15nによる発熱が発生しない常温環境Ta(≒25℃)においてアナログ入力ポートAD3nの入力電圧AD3nを測定し、後述の算式によって温度センサ17nの抵抗値R17nを算出し、基準抵抗R25との比率R17n/R25によって補正係数を算出してデータメモリ124に格納する。但し、測定された常温環境が基準温度25℃に比べて相当に乖離しているときには、データテーブルから環境温度Taにおける抵抗値Raを算出し、比率R17n/Raを補正係数とするように構成されており、環境温度Taはデジタル温度計191で計測された値が利用される。
続いて、マイクロプロセッサ121は、例えば電磁コイル71nの定格電流である所定の目標電流を設定し、所定のバッテリ電圧Vbにおいて給電用開閉素子120cを閉路して制御用開閉素子10nを開閉制御したときに、デジタル電流計192で測定された電流と目標電流とが合致するように電流検出抵抗15nに対する補正係数を算出して、これをプログラムメモリ123又はデータメモリ124に格納する。
これによって、電流検出抵抗15nの抵抗値が設計基準値に対して誤差をもっていたり、差動増幅器16nによる増幅回路に含まれる入力抵抗のバラツキ変動による制御誤差が補正され、電流検出抵抗15nの基準温度における抵抗値のバラツキ変動や、環境温度及び自己発熱に伴う電流検出抵抗15nの抵抗値の変動があっても、目標電流に略合致した給電電流を得ることができる。
なお、厳密にいえば電磁コイル71nの抵抗値はその温度によって変化するので、その変化特性を加味すれば電流制御誤差をさらに低減し、目標電流の急変に即応する電流制御が行えることになる。要は、目標電流に対応して精確な励磁電流を供給するための調整作業は、標準サンプルとしてのリニアソレノイドがあれば可能であって、リニアソレノイドの固体変動バラツキによって励磁電流が変化しないように調整することができるということが肝要である。
次に、図1に示すリニアソレノイド107a〜107nの構成について説明する。図4は、この発明の実施の形態1による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの模式簡略断面図である。図4は、複数のリニアソレノイド107a〜107nのうちの一つであるリニアソレノイド107nを示しているが、その他のリニアソレノイドも同様の構成となっている。
図4において、リニアソレノイド107nは、ヨーク41の内部に装着された巻枠42を備え、巻枠42には電磁コイル71nが巻回されている。電磁コイル71nの電磁力によって吸引されるプランジャ43aと油圧調整弁であるリリーフ弁43bは一体化され、スプリング44によって図の下方向に押圧されているが、電磁コイル71nに通電するとその電磁力によってプランジャ43aはスプリング44の押圧力に抗して図の上方へ移動するように構成されている。
ヨーク41の開口端には封止樹脂50によって一体成形された回路基板51と当該回路基板51に搭載されたラベル抵抗72nが設けられ、封止樹脂50の端面には後述する複数個の窓穴52が設けられている。又、電磁コイル71nおよびラベル抵抗72nに対する前述の上流側端子Cと下流側端子Bは、結合コネクタ53を介して外部に引き出されるように構成されており、図3に示すグランド端子Aは、コネクタを経由しないでヨーク41に接続されている。
一方、ヨーク41に対して一体取り付けされている円筒部45aには、可動のリリーフ弁43bと対向する固定弁46が設けられている。又、配管部48aには図示していない油圧ポンプから所定の圧力の作動油49bが図の右方向に圧送され、図示していない油圧シリンダによって変速機内の油圧クラッチ又は油圧ブレーキを係合又は離脱させるように構成されている。
配管部48aに設けられた開口壁48bは、円筒部45aの外周に嵌入し、オーリング47によってシールされている。円錐形の開口部を有する固定弁46とリリーフ弁43bとの間に間隙が発生すると、作動油49bの一部は弁間隙と円筒部45aに設けられた開口部45bに至るリリーフ流路である調整流路49aを通してギアボックス107内に流出するように構成されている。
ここに示されたリニアソレノイド107nは、電磁コイル71nに通電していないときに、スプリング44によってリリーフ弁43bが閉鎖方向に押圧されるノーマルクローズタイプのものであって、
油圧×開弁面積=スプリングの押圧力−電磁推力
の関係が成立し、
スプリングの押圧力=ばね定数×(初期圧縮寸法+開弁移動寸法)
の関係が成立する。従って、電磁コイル71nの励磁電流を決定すれば油圧が決定され、励磁電流を大きくすれば開弁寸法が大きくなって油圧が低下する関係となるように構成されている。
リニアソレノイド107nの油圧対電流特性は図6において後述するが、標準的なリニアソレノイドの油圧対電流特性に対し、個々のリニアソレノイド107a〜107nには固体バラツキ変動があり、その要因の第一は、スプリング44の圧縮寸法に対する押圧力のバラツキ変動である。個体バラツキ変動の第二の要因は、ヨーク41の磁気抵抗の変動による電磁推力の変動である。その他、油温の影響を受ける変動要因としては、油温が上昇すると作動油の粘度が低下して、少ない開弁寸法であっても多量の作動油が排出されるので油圧が低下することである。又、プランジャ43aの摺動抵抗も油温の影響を受け、低温時には摺動抵抗が大きくなる。
以上述べたリニアソレノイドの油圧対電流特性の変動要因については、図示していないノーマルオープンタイプの場合でも同様である。なお、ノーマルオープンタイプの場合には、スプリングによってリリーフ弁が開弁方向に押圧され、[油圧×開弁面積=電磁推力−スプリングの押圧力]の関係が成立し、[スプリングの押圧力=ばね定数×(初期圧縮寸法−開弁移動寸法)]の関係が成立する。従って、電磁コイルの励磁電流を決定すれば油圧が決定され、励磁電流を大きくすれば開弁寸法が小さくなって油圧が上昇する関係となるように構成されている。
ノーマルクローズ、又はノーマルオープンの何れの場合であっても、油圧対電流特性の標準特性に対し、個々のリニアソレノイドのバラツキ変動をどのようにしてラベル抵抗72nによって表現するかが重要な課題であり、油温に対する油圧の変動特性は標準データとして予めプログラムメモリ123に格納しておくことができる。
次に、図3および図4に示すラベル抵抗72nの構成について説明する。図5は、この発明の実施の形態1による変速機制御装置におけるラベル抵抗を構成するラダー回路図である。図5は、複数のリニアソレノイド107a〜107nのうちの一つであるリニアソレノイド107nにおけるラベル抵抗72nを示しているが、その他のリニアソレノイドにおけるラベル抵抗も同様の構成となっている。
図5において、ラベル抵抗72nは、複数個の第一の抵抗78nが順次直列接続され、当該直列接続回路の始点及び終点位置と複数の第一の抵抗78nの相互の接続点位置には、第一の抵抗78nの2倍の抵抗値を有する第二の抵抗79nの一端が夫々接続されるとともに、当該第二の抵抗79nの各他端は、短絡/開放端子H1〜H10を介して選択的に接続されるように構成されてなるラダー回路により構成されている。
なお、短絡/開放端子H1〜H10は、複数の第一の抵抗78nと第二の抵抗79nを密閉封止する前述の封止樹脂50の窓穴52に配置されている。ここで、短絡/開放端子H1を短絡すると、この短絡端子H1によって接続された第二の抵抗79nと終端の第二の抵抗79nとが並列接続され、その合成抵抗は第一の抵抗78nの抵抗値と等しくなり
、これが終端位置の第一の抵抗78nと直列接続されるので、次段の短絡/開放端子H2の図の右側には第二の抵抗79nが一個だけ接続されているのと等価になる。
このような回路構成にしておくと、短絡/開放端子H1〜H10の任意の組合せで端子を短絡したときに、その組合せによってラベル抵抗72nとしての合成抵抗が変化する。即ち、図の左位置の短絡/開放端子H1〜H10を短絡したことによるラベル抵抗72nの変化は、右位置の短絡/開放端子H1〜H10を短絡したことによるラベル抵抗72nの変化よりも大きく、上位ビットとして位置づけられるように構成されている。
なお、ラベル抵抗72nの調整作業として短絡/開放端子H1〜H10の一部又は全部の短絡は半田によって短絡され、場合によっては全てが開放状態とされ、この調整作業が終わると封止樹脂50の窓穴52にはシール材が注入されるように構成されている。
次に、図5に示すように構成されたラベル抵抗の抵抗値の決定方法について説明する。図6は、この発明の実施の形態1による変速機制御装置におけるラベル抵抗の抵抗値の決定方法を説明するための説明図である。図6の(A)は、油温が基準となる所定の温度であるときの、多数のリニアソレノイドの平均的な圧力対電流特性である標準特性線図を示したものであり、縦軸はリニアソレノイドによって得られた調整油圧の値であり、横軸は電磁コイルに対する給電電流の値である。図6の(A)に示す標準特性線図における特性曲線は、油圧調整が行なわれる帯域の直線部分を示しており、給電電流をさらに減少させると、調整油圧はオイルポンプによる圧送油圧に相等する所定の最大油圧に漸増して上限飽和するように構成されている。
又、給電電流をさらに増加させると、リリーフ弁43bの最大開口面積とリリーフ流路である調整流路49aの配管抵抗によって定まる所定の最小油圧に漸減して下限飽和するように構成されている。図示された線形部分は、実線で示す折線を構成する一対の直線600a、600bによって近似され、この折線はさらに最小自乗法によって相対誤差を最小にした点線で示す一本の直線600cによって近似することができる。ここで、給電電流の値がA0であるときの、近似直線600cによって定まる調整油圧をP0とし、近似直線600cの勾配をθ0とする。プログラムメモリ123又はデータメモリ124には、調整油圧P0と電流値A0と勾配θ0と、各電流値における近似直線600cと折線を構成する一対の直線600a、600bとの差分値ΔPが、データテーブルとして格納されている。
図6の(B)は、調整出荷対象となっている特定のリニアソレノイドに関して測定された油圧対電流特性である個体特性線図であり、この個体特性線図による特性は、実線で示す折線を構成する一対の直線601a、601bによって近似され、この折線はさらに最小自乗法によって相対誤差を最小にした点線で示す一本の直線601cによって近似されている。ここで、給電電流の値がA0であるときの、近似直線601cによって定まる調整油圧をPとし、近似直線601cの勾配をθとする。この場合に電流値に対する一次調整係数はP/P0となり、直線勾配に関する一次勾配係数はθ/θ0となる。
図6の(C)は、図6の(A)で示された標準特性線図に対して、上述した一次調整係数と一次勾配係数による補正を行った一次調整特性線図であり、この一次調整特性線図による直線602cと図6の(B)の直線601cは同一の直線であるのに対し、折線を構成する一対の直線602a、602bは、図6の(B)の折線を構成する一対の直線601a、601bとは異なっている。即ち、一対の直線602a、602bは、直線602c(=直線601c)に対して、図6の(A)の直線600cと一対の直線600a、600bとの差分値ΔPを代数加算したものとなっている。
図6の(D)は、図6の(B)の折線を構成する一対の直線601a、601bと、図6の(C)の折線を構成する一対の直線602a、602bとの、相対誤差が最小となるように一次調整係数P/P0と一次勾配係数θ/θ0を微増又は微減して誤差計算を行い、最小誤差となったときに二次調整係数P1/P0、二次勾配係数θ1/θ0を決定するように構成されている。従って、図6の(B)の個体特性線図で示された一対の直線601a、601bと、図6の(D)で示された一対の直線603a、603bとの、相対誤差は最小となっており、このような一対の直線603a、603bを得る特性は、直線603cで代表される。
このようにして得られた二次調整係数P1/P0と二次勾配係数θ1/θ0は、後述の要領でラベル抵抗72nの抵抗値として表現され、ラベル抵抗72nの抵抗値を読取ったマイクロプロセッサ121は、その抵抗値を二次調整係数P1/P0と二次勾配係数θ1/θ0に読換えてプログラムメモリ123又はデータメモリ124に格納するように構成されている。
図6の(E)は、ラベル抵抗のビット割付の一例を示す一覧表を示しており、ラベル抵抗72nの短絡/開放端子H1〜H10の下位6ビット(H1〜H6)は二次調整係数P1/P0の値に対応して短絡又は開放されるように構成されている。この一覧表では最上位ビットH10は常に論理「1」となって短絡/開放端子H10は開放されるように構成されている。下位5ビット(H1〜H5)は、二次調整係数P1/P0を「0.95」〜「1.04」の10段階で設定するためのものとなっている。短絡/開放端子H6は、常に論理「0」の短絡端子とされ、上位ビット群と下位ビット群を明確に識別できるように構成されている。上位3ビット(H9〜H7)は、二次勾配係数θ1/θ0の値を「0.97」〜「1.04」の8段階で設定するためのものとなっている。
なお、このような設定を行った場合には、短絡/開放端子に対する設定2進値が大きくなるほどラベル抵抗72nの開放端子が多くなって合成抵抗値は大きくなるが、その特性は非線形折線状態となる。しかし、測定された抵抗値から所定のデータテーブルによって短絡/開放端子が短絡されているか開放されているかを推定することができるものである。
なお、多チャンネルAD変換器125の分解能が10ビット精度である場合に、図3のアナログ入力ポートAD2nには給電抵抗19nとラベル抵抗72nによって分圧された電圧が入力されるので、ラベル抵抗72nの下限調整値を給電抵抗19n以上の値にしておけば、アナログ入力ポートAD2nの入力電圧は制御電圧Vccの1/2の値が確保でき、この場合には多チャンネルAD変換器125は9ビット精度の分解能に相等したAD変換器と看做すことができる。このような理由で、ラベル抵抗72nの短絡/開放端子は9ビット分を有効としたものであるが、多チャンネルAD変換器として分解能が12ビット精度のものを使用すれば、調整係数や勾配係数の選択範囲をさらに拡大することが可能となる。
(2)作用・動作の詳細な説明
以下、前述のように構成されたこの発明の実施の形態1による変速機制御装置の動作について説明する。図7は、この発明の実施の形態1による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの調整作業を示すフローチャートであって、リニアソレノイドの出荷調整作業を示している。図7において、ステップ700aは出荷調整作業の前段階である実験測定のステップであって、このステップ700aではリニアソレノイド107nを変速機内に装着し、例えば25℃の基準温度となる油温環境において電磁コイル71nに大小さまざまな励磁電流を供給して、この励磁電流に対応した調整油圧の値を油圧計によって測定する。
複数のリニアソレノイド107a〜107nによって同様の測定を行ない、複数の測定データを平均化することにより、図6の(A)で示した標準特性線図が得られる。この標準特性線図から、図6の(A)における近似直線600cを特定する(A0、P0、θ0)と、折線を構成する一対の直線600a、600bと近似直線600cとの差分値ΔPのデータが得られる。但し、A0は電磁コイル71nの定格電流の例えば50%の値である所定の給電電流であり、P0は給電電流A0に対応した平均的な調整油圧であり、θ0は平均的な近似直線600cの勾配である。又、各給電電流Aに対応した差分値ΔPの代わりに、一対の直線600a、600bの夫々の近似直線に関する算式データを作成してもよい。
次に、標準特性に近い特性を持つ標準サンプルに関し、油温を例えば−25℃又は+75℃の低温と高温に調整し、この低温又は高温状態で圧力対電流特性を測定し、低温特性線図と高温特性線図とを得る。この低温特性線図と高温特性線図によって、標準特性線図の場合と同様の近似直線と差分値のデータを作成し、油温によって(A0、P0、θ0)ΔPがどのように変化するのかの変化率に関するデータテーブルを作成する。このようにして作成された特性データは給電電流制御装置の設計部門に伝達されて、プログラムメモリ123又はデータメモリ124の中に予め格納しておく。
ステップ700bは、個々のリニアソレノイドの出荷調整作業の開始ステップであり、続くステップ701において被調整現品を変速機に相当する検査設備に設置する。このとき検査設備の油温は基準温度としておく。続くステップ702では、図6の(B)に示す一対の直線601a、601bで示された圧力対電流特性を測定して、近似直線601c
を特定するデータ(A0、P、θ)を作成する。
続くステップ703において、図6の(B)の近似直線601cと同一の近似直線である図6の(C)の近似直線602cに対して、図6の(A)の差分値ΔPを代数加算して一対の直線602a、602bを作成し、図6の(B)の一対の直線601a、601bと、図6の(C)の一対の直線602a、602bとの相対誤差が最小となる近時直線603cを算出する。
続くステップ704は、図6の(D)における近似直線603cを特定するデータ(A0、P1、θ1)から二次調整係数P1/P0、二次勾配係数θ1/θ0を算出する。続くステップ705では、図6の(E)の一覧表に基づいて、ラベル抵抗72nの短絡/開
放端子の半田付けを行い、続くステップ706において封止樹脂50の窓穴52にシール材を充填することによって、ステップ710において調整作業が終了する。
次に、図1に示す給電電流制御装置120Uの調整動作について説明する。図8は、この発明の実施の形態1による変速機制御装置における給電電流制御装置の調整動作を示すフローチャートである。図8において、ステップ800は、給電電流制御装置120Uの出荷調整作業の開始ステップである。続くステップ801は、図3に示すとおり温度計と電流計を接続した調整ツール190を給電電流制御装置120Uに接続するとともに、給電電流制御装置120U内の駆動回路170nに対して標準サンプルとなるリニアソレノイドを接続するステップである。
続くステップ802は、標準サンプルとして駆動回路170nに接続されたリニアソレノイドに設けられているラベル抵抗の値を読み出して、所定の抵抗値が読出せるかどうかを判定するステップであり、所定の抵抗値の読出しができればYESの判定を行ってステップ803へ移行し、その読出しが行えないときにはNOの判定を行ってステップ811へ移行する。なお、ラベル抵抗72nの抵抗値R72nは、図3のアナログ入力ポートAD2nに入力されたラベル抵抗72nの両端電圧Vad2のデジタル変換値を、ラベル抵抗72nに流れている電流値で割った値として算出される。ラベル抵抗72nに流れている電流値は、制御電圧Vccの値からラベル抵抗72nの両端電圧Vad2を減じた電圧を給電抵抗19nの抵抗値R19nで割って得られるものである。
ステップ803では、読出されたラベル抵抗の抵抗値から二次調整係数と二次勾配係数を分離し、続くステップ804では、ステップ803で抽出された二次調整係数と二次勾配係数とがいずれも「1.0」の標準係数となっているかどうかを判定し、標準係数になっていればYESの判定を行ってステップ805へ移行し、標準係数になっていなければNOの判定を行ってステップ811へ移行して、ラベル抵抗72nの読出し機能が正常であるかどうかの検査を行なう。
ステップ805では調整ツール190から入力された環境温度情報と、アナログ入力ポートAD3nに入力された温度センサ17nの両端電圧によって、温度センサ17nに対する校正係数を算出する。温度センサ17nの抵抗値R17nはアナログ入力ポートAD3nに入力された温度センサ17nの両端電圧Vad3のデジタル変換値を、油温センサ17nに流れる電流で割った値として算出され、温度センサ17nに流れている電流値は制御電圧Vccの値から温度センサ17nの両端電圧Vad3を減じた電圧を直列抵抗18nの抵抗値R18nで割って得られるものである。
調整ツール190から入力された環境温度Taが基準温度(例えば25℃)に合致していれば、基準温度における温度センサ17nの基準抵抗R170と算出された抵抗値R17nとの比率が補正係数となるものである。調整ツール190から入力された環境温度Taが基準温度(例えば25℃)に合致していなければ、算出された抵抗値R17nを所定の温度係数に基づいて基準温度に換算した換算抵抗値を用いるか、又は温度センサ17nの基準抵抗R170を所定の温度係数に基づいて環境温度Taに換算した換算抵抗を用いて補正係数を算出することができる。
なお、ステップ805では、温度センサ17nの基準抵抗R170の値と、例えば「−25℃」の低温状態と「+75℃」の高温状態における標準サンプルに関する抵抗値の値がプログラムメモリ123に格納されていることを確認する。
次に、ステップ806は、例えばDC14[V]である所定の給電電圧Vbbのもとで、調整ツール190から例えば電磁コイル71nの定格電流である所定の目標電流Isを設定して電磁コイル71nに通電するステップであり、通電開始時点での電流検出抵抗15nの環境温度はまだ電流検出抵抗15nの自己発熱による温度上昇がないので、調整ツール190から入力された環境温度と同じ値となっている。
続くステップ807は、アナログ入力ポートAD1nに入力された電流検出抵抗15nの両端電圧V15nに比例する電圧のデジタル変換値である監視電圧Vfnの値と、調整
ツール190から入力された電磁コイル71nへの実際の給電電流Ifnの値と、差動増幅器16nの増幅率Gから電流検出抵抗15nの抵抗値[R15n=V15n/Ifn=(Vfn/G)/Ifn]を算出する。ここで、目標電流Isnに対して実測電流Ifnが小さいとすれば、抵抗値R15n又は増幅率Gが大きすぎることを意味しており、実測電流Ifnが目標電流Isnよりも大きいとすれば、抵抗値R15n又は増幅率Gが小さすぎることを意味している。
続くステップ808は、監視電圧Vfnに関する補正係数[α=Ifn/Isn]、又は目標電流Isnに対する補正係数[β=Isn/Ifn]のどちらかを算出し、プログラムメモリ123又はデータメモリ124に格納する補正制御定数格納手段となるステップである。
続くステップ809は、給電電流制御装置120Uの中の全ての駆動回路170a〜170nに関して、ステップ808による補正制御定数α又はβの算出記憶が完了したかどうかを判定し、未完了であればNOの判定を行って、次の調整対象駆動回路に対して標準サンプルとなるリニアソレノイドを接続してステップ802へ復帰し、全ての駆動回路170a〜170nの調整が完了すればYESの判定を行って調整完了ステップ810へ移行する判定ステップである。
ステップ811は、ステップ802、ステップ804がNOの判定を行ったときに、調整ツール190に対して異常報知を行って調整完了ステップ810へ移行するステップである。
次に、この発明の実施の形態1による変速機制御装置の運転動作に行いて説明する。図9は、この発明の実施の形態1による変速機制御装置の運転動作を示すフローチャートである。図9において、ステップ900は、図示していない電源スイッチを閉路して、図1における電源リレーを付勢し出力接点103が閉路して、エンジン制御装置110Uと給電電流制御装置120Uに給電するステップである。続くステップ901は、エンジン制御装置110U内の定電圧電源110aが所定の制御電圧Vccを発生することによってマイクロプロセッサ111が動作を開始するステップである。
ステップ911は、給電電流制御装置120U内の定電圧電源120aが所定の制御電圧Vccを発生することによってマイクロプロセッサ121が動作を開始するステップである。ステップ901に続くステップ902は、電源スイッチが閉路してから初回に実行される制御フローであるかどうかを、図示していないフラグメモリの動作状態によって判定し、初回動作であればYESの判定を行ってステップブロック903へ移行し、初回動作でなければNOの判定を行ってステップ904へ移行する判定ステップである。ステップブロック903は、RAMメモリ112の初期化設定を行うとともに、電源リレーに対する自己保持指令信号を発生してステップ904へ移行するステップである。
ステップ904は、給電電流制御装置120U側のマイクロプロセッサ121との間で相互に交信を行う直並列変換器116に設けられたバッファメモリに対して、読出と更新書込を行うステップである。ステップ904は、後述のステップブロック905の中で適時に実行されるように構成されている。続くステップブロック905は、第一のセンサ群104の動作状態と、ステップ904によってマイクロプロセッサ121から受信した入力信号の動作状態と、プログラムメモリ113に格納されている入出力制御プログラムの内容に応動して、第一の電気負荷群105を駆動制御するステップである。
なお、ステップブロック905においては、アクセルペダルの踏込み度合とエンジン回転速度に応じたエンジンの出力トルクを発生するように、スロットル弁開度の制御、燃料噴射量の制御、ガソリンエンジンであれば点火時期の制御を行うものであり、変速機の変速段の切換え過渡状態ではエンジン回転速度が円滑に上昇又は下降するように給電電流制御装置120Uとの間で同調制御が行われるように構成されている。
続くステップ906は、ステップブロック905の中で定期的に実行され、図示していない電源スイッチが閉路されているかどうかを判定するステップであり、電源スイッチが依然として閉路されていればNOの判定を行って動作終了ステップ910へ移行し、電源スイッチが開路されていればYESの判定を行ってステップブロック907へ移行する。
ステップブロック907は、給電電流制御装置120Uに対して電源スイッチが開路されたことを通報するとともに、ステップブロック905の実行過程でRAMメモリ112に書込みされていた学習情報や異常発生情報などの重要データをデータメモリ114に転送保存し、給電電流制御装置120Uから電源遮断容認信号を受信したことによってステップ908へ移行するステップである。
ステップ908では、ステップブロック903で発生した自己保持指令信号を解除することによって電源リレーが消勢され、出力接点103が開路してエンジン制御装置110Uと給電電流制御装置120Uへの給電が停止される。但し、エンジン制御装置110U内では、車載バッテリ102から直接給電されている定電圧電源110bによってRAMメモリ112の一部領域には電源供給が持続するように構成されている。動作終了ステップであるステップ910では、他の制御プログラムを実行して、所定の時間内にはステップ901へ復帰する。ステップ901からステップ910は、繰返し実行されるように構成されている。
ステップ911に続くステップ912は、電源スイッチが閉路してから初回に実行される制御フローであるかどうかを図示していないフラグメモリの動作状態によって判定し、初回動作であればYESの判定を行ってステップ913へ移行し、初回動作でなければNOの判定を行ってステップ916へ移行する判定ステップである。ステップ913は、図8のステップ802と同様に、駆動回路170nに実際に接続されたリニアソレノイド107nに設けられているラベル抵抗72nの値を読み出して、所定の抵抗値が読出せるかどうかを判定するステップであり、読出しができればYESの判定を行ってステップ914へ移行し、読出しが行えないときにはNOの判定を行ってステップ918へ移行する。
なお、ラベル抵抗72nの抵抗値R72nは、図3のアナログ入力ポートAD2nに入力されたラベル抵抗72nの両端電圧Vad2のデジタル変換値を、ラベル抵抗72nに流れている電流値で割った値として算出される。ラベル抵抗72nに流れている電流値は、制御電圧Vccの値からラベル抵抗72nの両端電圧Vad2を減じた電圧を給電抵抗19nの抵抗値R19nで割って得られるものである。
ステップ914では、読出されたラベル抵抗の抵抗値から二次調整係数と二次勾配係数を分離し、続くステップ915では、ステップ914で抽出された二次調整係数と二次勾配係数に基づいて図6の(D)で示された一対の直線603a、603bによる圧力対電流特性のデータテーブルを作成してからステップ916へ移行するステップである。
ステップ916は、エンジン制御装置110U側のマイクロプロセッサ111との間で
相互に交信を行う直並列変換器126に設けられたバッファメモリに対して、読出と更新書込を行うステップであり、このステップ916は、後述のステップブロック917nの中で適時に実行されるように構成されている。
続くステップブロック917nは、ステップ9171からステップ9174によって構成された負帰還制御ブロックとして構成されている。ステップ9171は、第二のセンサ群106から入力されたギアシフトセンサ、車速センサ、アクセルポジションセンサの動作状態に応動して、例えば4〜6個のリニアソレノイドのうちの1〜2個のリニアソレノイドに対して目標油圧を選択設定するとともに、ステップ915によって生成されたデータテーブルを参照して基準の油温における目標油圧に対応した目標電流に換算し、更にはプログラムメモリ123又はデータメモリ124に予め格納されている圧力対電流の温度特性データと、温度センサ180によって検出された油温に基づいて現状油温に対応した目標電流に補正する一次補正目標電流Isnの設定手段となるステップである。
続くステップ9172は、電流検出抵抗15nの温度を検出するための温度センサ17nの抵抗値R17nを算出し、プログラムメモリ123に予め格納されている温度センサ17nの抵抗対温度特性から現状温度における抵抗値R17nと基準温度における抵抗値との比率である補正係数γを算出するステップである。
なお、温度センサ17nの抵抗値R17nは、図3のアナログ入力ポートAD3nに入力された温度センサ17nの両端電圧Vad3のデジタル変換値を、温度センサ17nに流れている電流値で割った値として算出される。温度センサ17nに流れている電流値は、制御電圧Vccの値から温度センサ17nの両端電圧Vad3を減じた電圧を直列抵抗18nの抵抗値R18nで割って得られるものである。
続くステップ9173は、駆動回路170nで発生する制御誤差を補正するためのステップであり、ステップ9171で決定された一次補正目標電流Isnを更に補正した二次補正目標電流Isnn=βγIsnを設定するか、又は電流検出抵抗15nの両端電圧に比例したアナログ入力電圧Vad1のデジタル変換値である監視電圧Vfnを補正した補正監視電圧Vfnn=αVfn/γを生成するように構成されている。なお、補正係数α、βは、図8のステップ808で算出記憶された補正係数である。
続くステップ9174は、負帰還制御手段となるステップであり、二次目標電流Isnnを目標電流とし、検視電圧Vfnを負帰還信号として制御信号PWMを発生して制御用開閉素子10nをデューティ制御することによって一次目標電流Isnが得られるように構成されている。なお、ステップ9174において、一次目標電流Isnを目標電流とし、補正監視電圧Vfnnを負帰還信号として制御信号PWMを発生して制御用開閉素子10nをデューティ制御するようにしても一次目標電流Isnが得られるように構成されている。
続くステップ918は、電磁コイル71nに対する正負の給電配線が電源線に対して混触する正線天絡・負線天絡異常や、グランド回路に対して混触する正線地絡・負線地絡異常や、正負の給電配線が相互に混触する負荷短絡異常の有無を検出する配線異常検出手段となるステップであり、異常が検出されるとYESの判定を行ってステップ919aへ移行し、異常が検出されなければNOの判定を行ってステップ919bへ移行する。
なお、正線地絡異常は、給電用開閉素子120cが閉路されていて、制御用開閉素子10nが開路されているときにアナログ入力ポートAD2nの入力電圧が過小であるか、又は制御用開閉素子10nが閉路されているときにアナログ入力ポートAD1nの入力電圧が過小であることによって検出される。
また、負線天絡異常は、制御用開閉素子10nが閉路されたときにアナログ入力ポートAD1nの入力電圧が過大であること、又は制御用開閉素子10nと給電用開閉素子120cが共に開路しているときにアナログ入力ポートAD2nの入力電圧が過大であることによって検出される。
また、負荷短絡異常は、給電用開閉素子120cと制御用開閉素子10nが共に閉路されたときにアナログ入力ポートAD1nの入力電圧が過大であることによって検出される。
更に、正線天絡異常は、給電用開閉素子120cが開路されていて、制御開閉素子10nが開路されているときにアナログ入力ポートAD2nの入力電圧が過大であるか、又は制御用開閉素子10nが閉路したときにアナログ入力ポートAD1nの入力電圧がゼロとなっていないことによって検出される。
また、負線地絡異常は、給電用開閉素子120cが閉路されていて、制御開閉素子10nが開路されているときにアナログ入力ポートAD2nの入力電圧が過小であるか、又は制御開閉素子10nが閉路されているときにアナログ入力ポートAD1nの入力電圧が過小であることによって検出される。
ステップ919aでは、給電用開閉素子120c及び制御用開閉素子10nの閉路指令を解除して異常報知を行って動作終了ステップ920へ移行する。ステップ919bでは、全てのリニアソレノイド107a〜107nの配線異常検出と一部のリニアソレノイドに対する油圧設定とが完了したかどうかを判定し、未完了であればNOの判定を行ってステップ916へ復帰し、完了であればYESの判定を行って動作終了ステップ920へ移行する。動作終了ステップ920では、他の制御プログラムを実行し、所定の時間内には動作開始ステップ911に復帰して、後続ステップを繰返し実行するように構成されている。
(3)実施の形態1の変形例
以上の説明において、マイクロプロセッサ121は、目標油圧に対応した目標電流を設定し、電流検出抵抗15nによって検出された実測電流の値が目標電流に合致するようにマイクロプロセッサ121が負帰還制御を行なうように構成されていたが、マイクロプロセッサ121は、単に目標電流の設定のみを行い、駆動回路170n内に設けられた負帰還制御回路に対して目標電流に比例した設定電圧を供給し、電流検出抵抗15nの両端電圧を増幅して得られる監視電圧を負帰還信号としてPID制御を行なって、制御用開閉素子10nをデューティ制御することも可能である。この場合には制御誤差の補正を行うために監視電圧の補正を行うのは困難であるから、マイクロプロセッサ121によって二次補正を行った目標電流による設定電圧を発生するようにすればよい。
なお、電流検出抵抗15nは、電磁コイル71nの正線側に設けてもよいし、制御用開閉素子10nの下流位置に設けるようにしてもよい。また、給電用開閉素子120cや制御用開閉素子10nは、接合型トランジスタに代わって電界効果型トランジスタを使用し、短絡保護機能を内蔵したインテリジェントパワートランジスタを使用することもできる。
また、ラベル抵抗72nは、後述するレーザトリミングによって調整されたラベル抵抗76n(後述の実施の形態3における図19参照)を用いることもできる。ラベル抵抗72n、76nの抵抗値の測定回路となる給電抵抗19nに代わって、給電用開閉素子120cから定電流制御回路を介してラベル抵抗72n、76nに測定電流を供給するようにしてもよい。なお、ラベル抵抗72n、76nの一端を電磁コイル71nの一端に接続したくない場合には、独立した2端子を設けて駆動回路170nと接続するようにしてもよい。
一方、図9のラベル抵抗読出変換手段となるステップ915は、電源投入直後に毎回実行されるので、適用現品対応の圧力対電流特性のデータテーブルはRAMメモリ122に格納し、不揮発性のデータメモリ124に転送保存する必要はない。しかし、ステップ915の実行タイミングとして車載バッテリ102の端子が脱着された後の初回の電源スイッチ投入時にラベル抵抗読出変換手段を実行するようにした場合には、不揮発性のデータメモリ124に転送保存しておく必要がある。
図8のステップ808で示された補正制御定数格納手段は、負帰還制御における比例ゲインの個体バラツキ変動を補正するためのものであるが、望ましくは次のような第一、第二の付加補正手段を追加すれば、電流制御精度を更に高めることができる。即ち、第一の付加補正手段は、目標電流対実測電流との非線形補正を行うために、大中小の3種類の目標電流に対応した実測電流を測定し、補間演算によって目標電流の大きさに対応した補正係数α又はβを算出できるようにすることである。また、第二の付加補正手段は、一次補正目標電流Isnを漸増させたときに、電流計192による実測電流Ifが「0」を越えた瞬間の一次補正目標電流の値をバイアス補正値δとして算出し、二次補正目標電流にはこのバイアス補正値δを加算しておくことによって、より高精度な電流制御を行なうものである。また、このバイアス補正値δは、電磁コイル71nに対する平均印加電圧によって変動するので、給電電圧Vbbと制御用開閉素子10nの通電デューティとの積に応動してバイアス補正値δを補正するのが最も理想的である。
その他、油温を検出するための温度センサ180は、ギアボックス107の内部に搭載し図8で示した給電電流制御装置120Uの出荷調整の段階で、基準の油温における温度センサ180の抵抗値を測定して、基準抵抗値に対する校正係数を測定しておくステップを付加することができる。
その他、給電用開閉素子120cは、給電電流制御装置120Uの外部に設けられた給電用電磁リレーの出力接点であってもよい。
(4)実施形態1の要点と特徴
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態1による変速機制御装置は、車両用変速機に内蔵された油圧調整弁に作用して、給電電流に対応した調整油圧出力を発生するリニアソレノイド107a〜107nと、当該リニアソレノイドに対する給電電流制御装置120Uを備えた変速機制御装置100であって、前記リニアソレノイドは電磁コイル71nと当該リニアソレノイドの動作特性に関する個体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータとなる抵抗値を有するラベル抵抗72n(若しくは76n)とが一体化されていて、前記給電電流制御装置120Uは、車載バッテリ102と複数の前記リニアソレノイド107a〜107nの全体又は個々のリニアソレノイド107a〜107nとの間に接続された給電用開閉素子120cの出力電圧である給電電圧Vbbと、前記車載バッテリ102から給電される定電圧電源120aの出力電圧である制御電圧Vccによって動作する駆動回路170a〜170nと、コントロールモジュール120Mと、前記駆動回路170a〜170nに内蔵され前記リニアソレノイド107a〜107nの他端に個別に直列接続された制御用開閉素子10nとを備え、前記駆動回路170a〜170nは前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)に通電して、当該ラベル抵抗の抵抗値を測定するための測定回路19nを備えるとともに、前記コントロールモジュール120Mは前記制御用開閉素子10nの導通状態を制御するための指令信号を発生するマイクロプロセッサ121と、当該マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリ123と、当該プログラムメモリの一部領域であるか又は分割して設けられた不揮発性のデータメモリ124と、前記制御電圧Vccが基準電圧として印加された多チャンネルAD変換器125とを包含している。
前記プログラムメモリ123は、補正制御定数格納手段808とラベル抵抗読出変換手段915となる制御プログラムを備え、前記補正制御定数格納手段808は、外部接続された調整ツール190と協働して、前記駆動回路170a〜170nにおける電流制御定数を測定し、回路部品の個体バラツキ変動があっても、目標電流に合致した給電電流を得るための補正係数を算出して、当該補正係数を前記プログラムメモリ123又は前記データメモリ124に格納し、前記ラベル抵抗読出変換手段915は、前記測定回路19nから前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)に流入する測定電流と、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)に印加された測定電圧との比率によって前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)の抵抗値を算出し、算出された抵抗値に基づいて前記リニアソレノイド107a〜107nの固体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータを算出又は選択決定して、前記データメモリ124又は前記RAMメモリ122に格納し、前記ラベル抵抗読出変換手段915は、電源スイッチが投入された運転開始時に実行され、前記リニアソレノイド107a〜107nが保守交換されても、交換されたリニアソレノイドに付加されたラベル抵抗の抵抗値に応動して給電電流が制御されるように構成されている。
前記ラベル抵抗72nは、複数個の第一の抵抗78nを順次直列接続し、当該直列接続回路の始点及び終点位置と、前記複数の第一の抵抗78nの相互の接続点位置には、前記第一の抵抗78nの2倍の抵抗値を有する第二の抵抗79nを接続するとともに、当該第二の抵抗79nの各他端は短絡/開放端子を介して選択的に接続されたラダー回路を構成しており、前記短絡/開放端子は前記複数の第一の抵抗78nと第二の抵抗79nを密閉
封止する封止樹脂50の窓穴52に配置されている。
以上のとおり、ラダー回路を構成するラベル抵抗の短絡/開放端子は、封止樹脂の窓穴部から短絡接続を行うことができるように構成されている。従って、ラベル抵抗の密閉実装後の後処理によって、高精度な抵抗値を有するラベル抵抗に調整することができる特徴がある。
前記コントロールモジュール120Mによって測定された前記ラベル抵抗72n(若し
くは76n)のデジタル変換値は、上位ビット群と下位ビット群に分割されて使用され、
前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)の上位ビット群と下位ビット群のいずれか一方は前記リニアソレノイド107a〜107nの所定電流に対応した圧力と基準となる圧力との比率である調整係数を選択する第一のパラメータであり、他方は電流対油圧特性の勾配と標準勾配との比率である勾配係数を選択する第二のパラメータとなっている。
以上のとおり、リニアソレノイドに設けられた一つのラベル抵抗によって、調整係数と勾配係数の特性補正係数が識別できるように構成されている。従って、適用されたリニアソレノイドの電流対圧力特性に適応して、指令された目標油圧に対応した目標電流を給電電流制御装置側で精確に設定することができる特徴がある。
前記給電電流制御装置120Uと前記リニアソレノイド107a〜107nとは、グランド回路となる共通の導電性部材に取付固定されていて、前記電磁コイル71nの上流側端子C側は前記給電用開閉素子120cを介して前記車載バッテリ102の正端子に接続されているとともに、下流側端子B側には前記制御用開閉素子10nが接続され、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)の一端は前記電磁コイル71nの下流側端子Bに接続されているとともに、他端はグランド端子Aに接続されており、前記駆動回路170nは、前記定電圧電源120aから前記下流側端子Bを介して前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)に給電する前記測定回路となる給電抵抗19nを備え、前記給電用開閉素子120cと前記制御用開閉素子10nが開路すると、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)には前記給電抵抗19nを介して前記定電圧電源120aから制御電圧Vccが印加されるとともに、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)の両端電圧はアナログ入力ポートAD2nを介して前記多チャンネルAD変換器125に入力されている。
前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)の抵抗値R72n(若しくはR76n)は、前記給電抵抗19nの抵抗値をR19nとし、前記アナログ入力ポートAD2nへの入力電圧をVad2としたときに、下記の式(1)に基づいて前記マイクロプロセッサ121によって算出されるものである。

R72n(若しくはR76n)
=Vad2/{(Vcc−Vad2)/R19n}
=R19n×(Vad2/Vcc)/{1−(Vad2/Vcc)}
・・・・・式(1)

前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)の最小抵抗は、前記電磁コイル71nの最大抵抗値よりも十分に大きな値であって、前記制御用開閉素子10nが開路しているときに、前記車載バッテリ102から前記給電用開閉素子120cと前記電磁コイル71nの上流側端子Cと当該電磁コイル71nと前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)を経由してグランド回路に至る漏洩電流によって前記リニアソレノイド107a〜107nが誤作動しない値に制限されており、前記給電抵抗19nの抵抗値R19nは、前記プログラムメモリ123又は前記データメモリ124に予め格納されている既知の固定定数と構成されている。
以上のとおり、ラベル抵抗の一端はグランド回路に接続されているとともに、ラベル抵抗の抵抗値は給電抵抗の抵抗値とアナログ入力ポートへの入力電圧に基づいてマイクロプロセッサによって算出されるように構成されている。従って、給電電流制御装置とリニアソレノイドとの間の直接配線は増加しないでラベル抵抗の読出しが行える特徴がある。また、ラベル抵抗測定回路内にはダイオードやトランジスタのような非線形抵抗素子が介在しておらず精確に抵抗値を測定することができる特徴がある。
前記電流検出抵抗15nの近傍には温度センサ17nが配置され、当該温度センサ17nは、直列抵抗18nを介して前記定電圧電源120aに接続されるとともに、前記温度センサ17n又は前記直列抵抗18nの両端電圧は、アナログ入力ポートAD3nを介して前記多チャンネルAD変換器125に入力され、前記調整ツール190は、前記マイクロプロセッサ121と協働して、前記温度センサ17nの測定環境温度における抵抗値を基準温度に換算した換算抵抗値であるか、又は当該換算抵抗値を基準抵抗値で割って得られる補正係数を算出して、前記プログラムメモリ123又は前記データメモリ124に格納し、前記電流検出抵抗15nの基準温度における抵抗値と温度上昇に伴う抵抗変動値を算出するための温度係数と、前記温度センサ17nの基準温度における抵抗値と温度上昇に伴う抵抗変動値を算出するための温度係数と、前記直列抵抗18nの抵抗値R18nとは既知の固定制御定数として予め前記プログラムメモリ113、又は前記データメモリ124に書込みされており、前記給電電流制御装置120Uの運転中においては、前記電流検出抵抗15nの近傍温度に基づいて、前記アナログ入力ポートAD1nに入力された電流検出値のデジタル変換値又は目標電流に対応した設定値を補正し、温度変化によって電流検出抵抗15nの変動が発生しても、目標とする給電電流が得られるように補正制御するように構成されている。
以上のとおり、電流検出抵抗の抵抗値が環境温度と自己発熱によって変化しても、電流検出抵抗の近傍に設置された温度センサを用いて抵抗温度を測定して、精確な電流検出を行うとともに、温度センサの温度検出特性の固体バラツキ変動に対する補正係数は調整運転時にデータメモリに格納されるように構成されている。従って、環境温度やリニアソレノイドに対する給電電流による電流検出抵抗の温度変化が発生しても、精確な電流制御が行える特徴がある。
前記電磁コイル71nに直列接続された電流検出抵抗15nの両端電圧に比例した第一の電圧信号、又は前記電磁コイル71nの一方の端子電圧に比例した第二の電圧信号は、前記コントロールモジュール120Mのアナログ入力ポートAD1n、AD2nに入力され、前記プログラムメモリ123は、配線異常検出手段918となる制御プログラムを包含し、前記マイクロプロセッサ121は、前記複数のアナログ入力ポートAD1n、AD2nに入力された電圧信号によって、前記リニアソレノイド107a〜107nへ接続される正負の配線の相互短絡異常、或いはどちらか一方の配線が電源線と混触する天絡異常又は車体と混触する地絡異常の発生を検出し、当該異常検出時には前記給電用開閉素子120cと制御用開閉素子10nに対する開路指令を発生するように構成されている。
以上のとおり、電磁コイルに流れる電流に比例した電圧、又は電磁コイルの一方又は他方の端子に印加されている電圧に比例した電圧とを監視して、リニアソレノイドに接続される正負の配線の相互短絡異常・天絡異常・地絡異常を検出し、給電用開閉素子及び制御用開閉素子を開路するように構成されている。従って、ラベル抵抗の抵抗値を測定するために必要とされた給電用開閉素子及び制御用開閉素子及び測定された電圧信号をそのまま活用して、異常発生状態が波及して焼損事故に発展するのを未然に防止することができる特徴がある。
前記給電電流制御装置120Uは、互いに分離して設置されたエンジン制御装置110Uと協働して、相互に入出力信号を交信するものであるとともに、当該給電電流制御装置120Uは、変速機の筐体外壁又は筐体内壁に設置されて、当該変速機の筐体内に設置された複数の前記リニアソレノイド107a〜107nは、コネクタを介して前記給電電流制御装置120Uと接続され、前記給電電流制御装置120Uは、また、給電対象となる前記リニアソレノイド107a〜107nを選択決定し、選択されたリニアソレノイドに対して目標油圧を設定し、設定された目標油圧を得るための指令信号を発生する一つのコントロールモジュール120Mと、それぞれの前記リニアソレノイド107a〜107nに対して駆動電流を供給する駆動回路170a〜170nとを備えている。
以上のとおり、エンジン制御装置と協働する給電電流制御装置は、コネクタ接続された複数のリニアソレノイドを一括制御するように構成されている。従って、エンジン制御装置と給電電流制御装置と複数のリニアソレノイドはそれぞれを自由に組合せて組立てたり、個別に保守交換を行うことができるとともに、複数のリニアソレノイドを一括制御する給電電流制御装置は全体として安価に構成することができ、エンジン制御装置の制御負担を軽減することができる特徴がある。
前記リニアソレノイド107a〜107nは、前記電磁コイル71nによる電磁力とスプリング44とによる反抗力とが作用するプランジャ43aによってリリーフ弁43bを開閉駆動し、所定油温において前記電磁コイル71nに対する給電電流に対応した所定油圧が得られるものであり、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)は所定の油温において、前記電磁コイル71nに対する給電電流の値と前記リリーフ弁43bによって減圧された作動油49bの圧力との現品特性と標準特性からの乖離を補正して、目標とする油圧に対応した給電電流を設定するための補正係数に対応した抵抗値を有するものであり、前記給電電流制御装置120U又は前記エンジン制御装置210Uの一方には、変速機内の油温を推定するための温度センサ180が接続され、前記プログラムメモリ123又は前記データメモリ124には変速機内の油温に対する前記作動油49bの圧力変動特性に関する標準データが予め格納されており、前記マイクロプロセッサ121は、前記温度センサ180によって推定された油温に対応して目標とする油圧を得るための給電電流の値を補正するように構成されている。
以上のとおり、反抗スプリング力と電磁推力との差分推力は、作動油の圧力と拮抗し、油温変化に応動して給電電流を補正して、一定の油圧が得られるように制御するように構成されている。従って、作動油の流動粘度によって同じ油圧であっても開弁量が変化するが、予め測定された標準的は油温対油圧特性に基づいて、実測温度に対応した給電電流の補正を行って、目標とする油圧に接近した油圧が得られる特徴がある。特に、基準温度における給電電流対油圧特性はリニアソレノイドに設けられたラベル抵抗によって固体バラツキ変動が補正され、目標電流対給電電流の電流制御特性の個体バラツキ変動は調整ツールによって予め補正され、運転中における目標油圧に対応した目標電流は油温に対応した油圧変動特性の標準データに基づいて補正され、個々の変動要因に対応して個別に補正を行うことによって、給電電流制御装置とリニアソレノイドの組合調整を不要にすることができるものである。
実施の形態2.
(1)構成の詳細な説明
次に、この発明の実施の形態2による変速機制御装置について説明する。図10は、この発明の実施の形態2による変速機制御装置の全体構成図である。以下の説明では、前述の実施の形態1における図1との相違点を中心にして説明する。なお、各図において同一符号は同一又は相等部分を示し、100番台の符号は200番台の符号に置直して相等部分を示している。
図10において、エンジンルームに設置されたエンジン制御装置210Uと、車両用変速機のギアボックス207の内部に固定された複数の給電電流制御装置220Ua〜220Unとは、互いに協働してギアボックス207に内蔵されたリニアソレノイド207a〜207nに対する給電電流の制御を行なうようになっており、この実施の形態2にあっては4〜6台の給電電流制御装置220Ua〜220Uaは4〜6個のリニアソレノイド207a〜207nと1対1で合体されて、それぞれが分散制御形式の変速機制御装置200a〜200nを構成している。車体グランド端子101に負端子が接続されている車載バッテリ102の正端子は、図示していない電源リレーの出力接点103を介してエンジン制御装置210Uと給電電流制御装置220Ua〜220Unに対してバッテリ電圧Vbを供給するように構成されている。
エンジン制御装置210Uに入力されている第一のセンサ群204は、図1のものにおける第一のセンサ群104と第二のセンサ群106を合併したものとなっており、例えばアクセルペダルの踏込み度合を検出するアクセルポジションセンサ、エンジンの吸気弁開度を検出するスロットルポジションセンサ、吸気量を測定するエアーフローセンサ、排気ガスセンサ、エンジン回転センサ、クランク角センサ、電源スイッチ、エンジンの始動指令スイッチなどのアナログ又はオン/オフスイッチセンサ、或いは手動指令スイッチなどに加えて、変速機のシフトレバーの選択位置を示すシフトレバースイッチ、車速センサなどを包含している。
エンジン制御装置210Uが発生する出力信号に応動する電気負荷群205は、例えば燃料噴射用電磁弁、点火コイル(ガソリンエンジンの場合)、吸気弁開度制御用モータ、始動用電動機などである。但し、エンジン制御装置210Uは、これ等のエンジン制御機能に加えて、図1における給電電流制御装置120Uの一部の機能を包含しており、ギアシフトレバーの選択位置とアクセルペダルの踏込み度合と車速に応動して通信回線209を介して給電電流制御装置220Ua〜220Unへ油圧指令信号を送信するように構成されている。
また、ギアボックス207内部に設けられた油温センサ280は、通信回線209を介してエンジン制御装置210Uへ一旦入力され、油温検出信号として給電電流制御装置220Ua〜220Unへ送信されるように構成されている。
エンジン制御装置210Uの内部には、車載バッテリ102から電源リレーの出力接点103を介して給電される定電圧電源210aと、車載バッテリ102から直接給電される定電圧電源210bと、給電電流制御装置220Ua〜220Unに対して給電電圧Vbbを供給する給電用開閉素子210c、及びコントロールモジュール210Mが搭載されている。コントロールモジュール210Mは、演算処理装置であるマイクロプロセッサ211と、演算処理用のRAMメモリ212、例えばフラッシュメモリである不揮発性のプログラムメモリ213、不揮発性のデータメモリ214、多チャンネルAD変換器215、直並列変換器216が互いにバス接続されて構成されている。
なお、マイクロプロセッサ211は、プログラムメモリ213と協働して、アクセルペダルの踏込み度合に応じてスロットル弁開度を制御し、吸気量に比例した燃料の供給を行うとともに、ガソリンエンジンの場合であればエンジン回転速度と燃料噴射量に応じて点火コイルの断続制御を行なうように構成されている。また、ギアシフトレバーの選択位置とアクセルペダルの踏込み度合と車速に応動して、通信回線209を介してリニアソレノイド207a〜207nに対する油圧指令信号を送信するとともに、温度センサ280による油温情報も送信し、変速機の変速段を切換えるときには、エンジン回転速度がなだらかに変化するように燃料噴射量を調整するように構成されている。
給電電流制御装置220Ua〜220Unの内部には、車載バッテリ102から電源リレーの出力接点103を介して給電されて例えばDC5[V]の安定化された制御電圧Vccを発生する定電圧電源220aが設けられて、コントロールモジュール220Ma〜220Mnや後述の駆動回路270a〜270nに給電するように構成されている。
次に、リニアソレノイド207nについてア説明する。図11は、この発明の実施の形態2による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの外観図である。図11において、前述の図4において詳述したヨーク41と同様に構成されたヨーク41には、取付足41aが設けられ、給電電流制御装置220Unに設けられた取付足41bとの間で相互にねじ止め固定されている。ヨーク41の開口端には封止樹脂50によって一体化されたラベル抵抗72nが設けられ、電磁コイル71nとラベル抵抗72nは、結合コネクタ53を介して給電電流制御装置220Unと接続されている。給電電流制御装置220Unとエンジン制御装置210Uは、配線コネクタ55を介して通信回線209によって相互に接続されている。その他の構成は、実施の形態1に於ける図4の構成と同様である。
次に、駆動回路部について説明する。図12は、この発明の実施の形態2による変速機制御装置における駆動回路部の回路図である。図12において、コントロールモジュール220Mnは、マイクロプロセッサ221と、演算処理用のRAMメモリ222、例えばフラッシュメモリである不揮発性のプログラムメモリ223、不揮発性のデータメモリ224、多チャンネルAD変換器225、直並列変換器226が互いにバス接続されて構成されている。直並列変換器226は、通信回線209を介してエンジン制御装置210U内の直並列変換器216と互いにシリアル接続されている。
なお、エンジン制御装置210U内にあって、車載バッテリ102から電源リレーの出力接点103を介して給電される給電用開閉素子210cは、エンジン制御装置210U側のマイクロプロセッサ211が発生する給電開始指令によって閉路して給電電圧Vbbを発生し、給電電流制御装置220Ua〜220Un内の駆動回路270a〜270nに給電するように構成されている。
リニアソレノイド207nは、給電ダイオード73nが直列接続された電磁コイル71nと、給電ダイオード73nに並列接続されたラベル抵抗72nによって構成されており、電磁コイル71nと給電ダイオード73nとの直列回路の一端は、上流側端子Cに接続され、他端は下流側端子Bと接続されている。
リニアソレノイド207nに給電する駆動回路270nにおいて、リニアソレノイド207nの下流側端子Bは、電流検出抵抗15nと逆流防止ダイオード13nと制御用開閉素子10nとの下流直列回路を介してグランド回路に接続され、上流側端子Cに接続された給電用開閉素子210cが閉路すると、リニアソレノイド207n内の給電ダイオード73nと電磁コイル71nとの直列回路と、上記下流直列回路を介して電磁コイル71nに対する給電回路が構成されるように構成されている。
なお、制御用開閉素子10nの上流に接続されている逆流防止ダイオード13nは、給電用開閉素子210cの上流位置に点線で図示したとおりに接続するようにしてもよい。転流ダイオード14nは、給電用開閉素子210cと給電ダイオード73nと電磁コイル71nと電流検出抵抗15nとの直列回路に対して並列接続されている。給電用開閉素子210cと制御用開閉素子10nが閉路されると、給電用開閉素子210cと給電ダイオード73nと電磁コイル71nと電流検出抵抗15nと逆流防止ダイオード13nと制御用開閉素子10nを通じて電磁コイル71nに対して励磁電流が供給され、電流検出抵抗15nの両端電圧は励磁電流の大きさに比例した値となっている。
ここで、制御用開閉素子10nが開路すると、電磁コイル71nに流れていた励磁電流は転流ダイオード14nを介して還流減衰し、電流検出抵抗15nの両端電圧は還流減衰する励磁電流の大きさに比例した値となる。
なお、車載バッテリ102の交換時に正負の極性を誤って接続されたような場合を想定すると、給電用開閉素子210cや制御用開閉素子10nが逆方向に導通し、転流ダイオード14nを介して電源短絡が発生する危険性があり、これを防止するのが逆流防止ダイオード13nの役割となっている。このことは給電用開閉素子210cが、図示した接合型トランジスタに代わって、電界効果型トランジスタにより構成されていても同様である。
コントロールモジュール220Mnの中のマイクロプロセッサ221は、制御指令信号PWMを発生し、その出力論理が「H」レベルになると駆動抵抗11nを介してベース電流を供給して制御用開閉素子10nが閉路し、出力論理が「L」レベルになると、制御用開閉素子10nはベース端子とエミッタ端子間に接続された開路安定抵抗12nによって確実に開路されるように構成されている。
電流検出抵抗15nの両端電圧は、差動増幅器16nによって増幅されて、アナログ入力ポートAD1nを介して多チャンネルAD変換器225に入力されるように構成されている。温度センサ17nは、電流検出抵抗15nの直近位置に配置され、直列抵抗18nを介して制御電圧Vccが印加されるようになっていて、温度センサ17nの両端電圧はアナログ入力ポートAD3nを介して多チャンネルAD変換器225に入力されるように構成されている。
ラベル抵抗72nの測定回路を構成する給電抵抗19nの一端には制御電圧Vccが印加され、他端は電流検出抵抗15nの下流端又は上流端を介してリニアソレノイド107nの下流側端子Bに接続されていて、給電用開閉素子210cと制御用開閉素子10nとが開路しているときには、給電抵抗19nと電磁コイル71nと分圧抵抗20n、21nを介してラベル抵抗72nに給電され、下流側端子Bに対する印加電圧は入力抵抗28nとアナログ入力ポートAD2nを介して多チャンネルAD変換器225に入力されている。
なお、給電用開閉素子210cが閉路され、制御用開閉素子10nが開路しているときには、下流側端子Bの電圧はバッテリ電圧Vbとほぼ等しい電圧となり、多チャンネルAD変換器225の入力電圧が過大となるのを避けるためにクリップダイオード29nによって定電圧電源220aの出力端に還流するように構成されている。
入力抵抗28nは、定電圧電源220aの出力電圧の変動に影響を与えない高抵抗であるが、多チャンネルAD変換器225の入力抵抗は更に大きな値であって、入力抵抗28nの影響を受けないで下流側端子Bの印加電圧を入力することができるように構成されている。
上流側端子Cとグランド回路との間に接続された分圧抵抗20n、21nのうち、下流側の分圧抵抗21nの両端電圧は、アナログ入力ポートAD4nを介して多チャンネルAD変換器225に入力されている。また、下流側の分圧抵抗21nには並列抵抗30nが並列トランジスタ31nを介して並列接続されている。並列トランジスタ31nは、上流側端子Cから定電圧ダイオード32nと駆動抵抗33nとの直列回路を介して通電付勢される。
しかし、上流側端子Cの電圧が制御電圧Vcc未満であるときには、定電圧ダイオード32nによって通電停止し、ベース端子とエミッタ端子間に接続された開路安定抵抗34nによって並列トランジスタ31nは確実に開路するように構成されている。従って、給電用開閉素子210cと制御用開閉素子10nが共に開路しているときには、制御電圧Vccは測定回路となる給電抵抗19nと電流検出抵抗15nと電磁コイル71nとラベル抵抗72nと分圧抵抗20n、21nとの直列回路に対して印加され、この場合には並列トランジスタ31nは開路状態となる。
一方、給電用開閉素子210cが閉路されているときには、並列トランジスタ31nは定電圧ダイオード32nと駆動抵抗33nを介して通電付勢され、並列抵抗30nが下流側の分圧抵抗21nに並列接続されて、アナログ入力ポートAD4nに過大な入力電圧が印加されないように構成されている。
コントロールモジュール220Mnの中のマイクロプロセッサ221は、エンジン制御装置210Uから送信された目標油圧信号に対応した目標電流信号を生成するが、これは併用されたリニアソレノイドの油圧対電流特性に依存して決定されるものであって、後述するラベル抵抗72nによって基準となる油圧対電流特性に対する固体バラツキ変動の補正パラメータが告知されるように構成されている。
また、油温の変化に対応した油圧対電流特性の変動特性についてはプログラムメモリ223に格納されており、温度センサ280によって検出された油温に応動して基準となる油圧対電流特性の補正が行なわれるように構成されている。目標電流が定まると、これを設定信号とし差動増幅器16nの出力信号を実測信号とし、設定信号と実測信号とが合致するように制御指令信号PWMを発生する。
一方、プログラムメモリ223には、基準温度25℃に於ける温度センサ17nの基準抵抗値と、温度センサ17nの標準温度係数のデータテーブル、及び電流検出抵抗15nの基準抵抗値と標準温度係数のデータテーブルが格納されている。
なお、ここでいう標準温度係数は、基準温度25℃に於ける基準抵抗R25と測定温度Tにおける抵抗値Rtとの比率の標準値であり、実際の温度係数は個々の部品によって変動するが、適用された温度センサ17nと電流検出抵抗15nは温度係数のバラツキは少ない高精度部品が使用されていて、この温度係数は標準特性を適用するようになっている。
しかし、適用された温度センサ17nと電流検出抵抗15nは、温度係数のバラツキの少ない高精度部品が使用されているとしても、温度係数及び基準抵抗R25がともにバラツキ変動のないものを選択するのは不経済であり、実態としては基準抵抗R25には看過できない個体バラツキ変動が残されている。これを校正するのが調整ツール290の一つの役割となっている。
給電電流制御装置220Unの製造出荷検査ステップにおいて、給電電流制御装置220Unに対してシリアル接続される調整ツール290には、温度センサ17nの近傍温度を測定するデジタル温度計291と、電流検出抵抗15nに流れる電流を測定するデジタル電流計292とが接続されている。また、給電用開閉素子210cの代替として出荷検査設備に設けられた給電用開閉素子(210c)は、調整ツール290によって開閉されるように構成されている。
先ずは、給電用開閉素子210cと制御用開閉素子10nを開路し、電流検出抵抗15nによる発熱が発生しない常温環境Ta(≒25℃)においてアナログ入力ポートAD3nの入力電圧AD3nを測定し、後述の算式によって温度センサ17nの抵抗値R17nを算出し、基準抵抗R25との比率R17n/R25によって補正係数を算出してデータメモリ124に格納する。
但し、測定された常温環境が基準温度25℃に比べて相等に乖離しているときには、データテーブルから環境温度Taに於ける抵抗値Raを算出し、比率R17n/Raを補正係数とするようになっており、環境温度Taはデジタル温度計191で計測された値が利用される。続いて、マイクロプロセッサ221は、例えば電磁コイル71nの定格電流である所定の目標電流を設定し、給電用開閉素子210cを閉路し制御用開閉素子10nを開閉制御したときに、デジタル電流計192で測定された電流と目標電流とが合致するように電流検出抵抗15nに対する補正係数を算出して、これをプログラムメモリ123又はデータメモリ124に格納する。
これによって、電流検出抵抗15nの抵抗値が設計基準値に対して誤差をもっていたり、差動増幅器16nによる増幅回路に含まれる入力抵抗のバラツキ変動による制御誤差が補正され、電流検出抵抗15nの基準温度における抵抗値のバラツキ変動や、環境温度及び自己発熱に伴う電流検出抵抗15nの抵抗値の変動があっても、目標電流に略合致した給電電流を得ることができる。
なお、厳密にいえば電磁コイル71nの抵抗値はその温度によって変化するので、その変化特性を加味すれば電流制御誤差をさらに低減し、目標電流の急変に即応する電流制御が行えることになる。要は、目標電流に対応して精確な励磁電流を供給するための調整作業は、標準サンプルとしてのリニアソレノイドがあれば可能であって、リニアソレノイドの固体変動バラツキによって励磁電流が変化しないように調整することができるということが肝要である。
(2)実施の形態2の変形例
次に、この発明の実施の形態2による変速制御装置の変形例について説明する。図13は、この発明の実施の形態2による変速機制御装置における駆動回路部の変形形例を示す回路図である。図13において、図12の場合との相違点を中心にして説明する。図13において、コントロールモジュール220Mnは、図12の場合と同様に構成されているが、リニアソレノイド207nは、給電ダイオード73nが直列接続された電磁コイル71nと、給電ダイオード73nに並列接続されたラベル抵抗72nと、電磁コイル71nと並列接続された転流ダイオード77nによって構成され、電磁コイル71nと給電ダイオード73nとの直列回路の一端は上流側端子Cに接続され、他端は下流側端子Bと接続されている。
一方、図12における電流検出抵抗15nに相等する電流検出抵抗27nには転流ダイオード14nが接続されておらず、その代替として転流ダイオード77nが使用されている。また、図12における逆流防止ダイオード13nは接続されておらず、給電ダイオード73nがその代替としての役割を持っている。
従って、給電用開閉素子210cと制御用開閉素子10nが閉路されると、給電用開閉素子210cと給電ダイオード73nと電磁コイル71nと電流検出抵抗27nと制御用開閉素子10nを通じて電磁コイル71nに対して励磁電流が供給され、電流検出抵抗27nの両端電圧は励磁電流の大きさに比例した値となっている。
ここで制御用開閉素子10nが開路すると、電磁コイル71nに流れていた励磁電流は転流ダイオード77nを介して還流減衰し、電流検出抵抗27nには転流ダイオード77nを介して還流減衰する励磁電流が流れない構成とされている。このため、出荷調整用の設備であるデジタル電流計292は、出荷調整用の標準サンプル品であるリニアソレノイド207nの電磁コイル71nの下流位置に仮端子を設けて接続するように構成されている。これにより、デジタル電流計292は、制御用開閉素子10nによってデューティ制御される電磁コイル71nの平均電流を直接測定することができる。しかし、差動増幅器16nを介してアナログ入力ポートAD1nに入力された電流検出抵抗27nの両端電圧の増幅値は、制御用開閉素子10nが閉路したときのみ発生し、制御用開閉素子10nが開路するとゼロになる。
マイクロプロセッサ221は、制御指令信号PWMのオン/オフデューティと、制御用開閉素子10nが閉路したときのアナログ入力ポートAD1nへの入力電圧によって、制御用開閉素子10nが開路しているときの電磁コイル71nの減衰電流を推定し、オン/オフ全期間における平均電流を算出するように構成されている。このように、転流ダイオード77nを電磁コイル71nに対して並列接続すると、電流検出抵抗27nによって電磁コイル71nの平均電流を直接測定できない問題点が発生する。しかし、車載バッテリ102の交換時に正負の極性を誤って接続されたような場合に、給電用開閉素子210cや制御用開閉素子10nが逆方向に導通しても、転流ダイオード77nによって電源短絡が発生せず、給電ダイオード73nによって逆流防止される特徴がある。これは、給電用開閉素子210cや制御用開閉素子10nを、図示した接合型トランジスタに代わって、電界効果型トランジスタを使用した場合でも同様である。
なお、ラベル抵抗72nは、図19で後述するレーザトリミング抵抗を用いたラベル抵抗76nを使用することもできる。また、給電用開閉素子210cは、エンジン制御装置210Uの外部に設けられた給電用電磁リレーの出力接点であってもよい。
(3)作用・動作の詳細な説明
次に、この発明の実施の形態2による変速機制御装置の動作について説明する。図14は、この発明の実施の形態2による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの調整作業を示すフローチャート、図15は、この発明の実施の形態2による変速機制御装置における給電電流制御装置の調整動作を示すフローチャート、図16は、この発明の実施の形態2による変速機制御装置の運転動作を示すフローチャートである。なお、図14乃至図16において、図7乃至図9と同一の動作を行うステップには同一符号を付しているとともに、異なる動作を行うステップには2000番台の符号を付している。以下の説明では、2000番台のステップの動作について説明する。
先ず、リニアソレノイドの出荷調整作業のフローチャートである図14において、リニアソレノイド207nが図12で示すように転流ダイオードを内蔵していない場合には、そのリニアソレノイドの出荷調整作業は図7の場合と全く同様である。しかし、リニアソレノイド207nが図13で示すように転流ダイオード77nを内蔵している場合には、圧力対電流特性を測定するときの電流計の接続位置が異なっており、実験設備における作業ステップ2700aでは、電流計の接続位置は図13で示すとおり電磁コイル71nの下流端に直接接続するように構成されている。しかし、出荷製品となるリニアソレノイドの場合には、ステップ2702において電磁コイル71nの下流端には電流計を接続することができないので、下流側端子Bの外部に接続し、電磁コイル71nに対する電流調整は開閉素子によるデューティ制御を行なわないで、印加電圧を増減させて調整し、転流ダイオード77nへの転流が発生しないようにしておく必要がある。
次に、図10の給電電流制御装置220Unの調整動作のフローチャートである図15において、リニアソレノイド207nが図12で示すように転流ダイオードを内蔵していない場合には、そのリニアソレノイドの出荷調整作業は図8の場合と全く同様である。但し、給電電流制御装置220Unには1台のリニアソレノイドしか接続されないので、図8におけるステップ809は除外されている。
しかし、リニアソレノイド207nが図13で示すように転流ダイオード77nを内蔵している場合には、圧力対電流特性を測定するときの電流計の接続位置が異なっており、給電電流制御装置220Unの出荷調整設備における作業ステップ2807では、電流計の接続位置は図13で示すとおり電磁コイル71nの下流端に直接接続するように構成されている。また、ステップ2808では監視電圧Vfnに関する補正係数α=Ifn/Isnではなく、目標電流Isnに対する補正係数β=Isn/Ifnを算出し、プログラムメモリ223又はデータメモリ224に格納する。これは監視電圧Vfnは制御用開閉素子10nが閉路しているときの値であって、制御用開閉素子10nが開路している期間を含めた平均値とはなっていないためである。
又、ラベル抵抗72nの抵抗値の読出しが行われるステップ2802では、転流ダイオード77nの有無に関わらずその読出し方法が図8の場合とは異なっている。ラベル抵抗72nの抵抗値R72nは、図12又は図13において給電用開閉素子210c及び制御用開閉素子10nを開路した状態で、ラベル抵抗72nに印加される電圧をラベル抵抗72nに流れる電流で割った商として算出される。
ラベル抵抗72nに印加される電圧は、アナログ入力ポートAD2nに対する入力電圧Vad2から分圧抵抗20n、21nの両端電圧を減じたものである。分圧抵抗20n、21nの両端電圧は、アナログ入力ポートAD4nに対する入力電圧Vad4に対し、分圧抵抗20n、21nによる分圧比の逆数を掛けた値と構成されている。ラベル抵抗72nに流れる電流は、アナログ入力ポートAD4nの入力電圧Vad4を下流側の分圧抵抗21nの抵抗値で割った値と構成されている。
尚、ラベル抵抗72nに流れている電流値は、制御電圧Vccの値からアナログ入力ポートAD2nに対する入力電圧Vad2を減じた電圧を給電抵抗19nの抵抗値R19nで割って得ることもできる。また、このようにして算出されたラベル抵抗72nの抵抗値R72nには電磁コイル71nの抵抗値が加算されていることになるが、電磁コイル71nの抵抗値はラベル抵抗72nの抵抗値に比べて微小であるため無視すればよく、厳密を期するならば電磁コイル71nの抵抗値を減算しておいてもよい。
次に、図10の制御装置全体の運転動作のフローチャートである図16において、エンジン制御装置210Uにおける入出力制御ステップであるステップ2905では、第一のセンサ群204の動作状態と、プログラムメモリ213に格納されている入出力制御プログラムの内容に応動して、第一の電気負荷群205を駆動制御するとともに、ギアシフトレバーの選択位置とアクセルペダルの踏込み度合と車速とに応じて変速段を決定し、複数のリニアソレノイド207a〜207nのいずれかに対する圧力設定指令信号を発生し、通信回線209を介して給電電流制御装置220Ua〜220Unのいずれかに送信する。
給電電流制御装置220Ua〜220Unの中の特定の給電電流制御装置220Unに関するステップ911〜ステップ920においては図9におけるステップ919bは除外されている。ステップ2913は、図15のステップ2802と同様に、リニアソレノイド107nに設けられているラベル抵抗72nの値を読み出して、所定の抵抗値が読出せるかどうかを判定するステップである。
ステップ29171〜ステップ29174によって構成されたステップブロック2917nにおいて、ステップ29171は、エンジン制御装置210Uから受信した目標油圧指令値に基づいて、ステップ915によって生成されたデータテーブルを参照して基準の油温における目標油圧に対応した目標電流に換算し、更にはプログラムメモリ223又はデータメモリ224に予め格納されている圧力対電流の温度特性データと、温度センサ280によって検出された油温に基づいて現状油温に対応した目標電流に補正する一次補正目標電流Isnの設定手段となるステップである。
続くステップ29172は、電流検出抵抗15nの温度を検出するための温度センサ17nの抵抗値R17nを算出し、プログラムメモリ223に予め格納されている温度センサ17nの抵抗対温度特性から現状温度における抵抗値R17nと基準温度における抵抗値との比率である補正係数γを算出するステップである。なお、温度センサ17nの抵抗値R17nの値は、図9のステップ9172の場合と同様に算出される。
続くステップ29173は、駆動回路270nで発生する制御誤差を補正するためのステップであり、ステップ29171で決定された一次補正目標電流Isnを更に補正した二次補正目標電流Isnn=βγIsnを設定する。なお、補正係数βは、図15のステップ2808で算出記憶された補正係数である。
続くステップ29174は、負帰還制御手段となるステップであり、二次目標電流Isnnを目標電流とし、検視電圧Vfnを負帰還信号として制御信号PWMを発生して制御用開閉素子10nをデューティ制御することによって一次目標電流Isnが得られるように構成されている。
続くステップ2918は、電磁コイル71nに対する正負の給電配線が電源線に対して混触する正線天絡・負線天絡異常や、グランド回路に対して混触する正線地絡・負線地絡異常や、正負の給電配線が相互に混触する負荷短絡異常の有無を検出する配線異常検出手段となるステップである。
配線異常の検出方法としては、図12と図13のいずれの場合も、アナログ入力ポートAD1nとアナログ入力ポートAD2nからの入力信号を用いた場合には図3の場合と同様である。但し、図12、図13の場合にはアナログ入力ポートAD1nとアナログ入力ポートAD4nからの入力信号を用いて、以下のとおり配線異常の検出を行うこともできる。
即ち、先ず、正線地絡異常は、給電用開閉素子210cが閉路されていているときに、アナログ入力ポートAD4nの入力電圧が過小であることによって検出される。又、負線天絡異常は、制御用開閉素子10nが閉路されたときにアナログ入力ポートAD1nの入力電圧が過大であること、又は制御用開閉素子10nと給電用開閉素子120cが共に開路しているときにアナログ入力ポートAD4nの入力電圧が過大であることによって検出される。また、負荷短絡異常は、給電用開閉素子210cと制御用開閉素子10nが共に閉路されたときにアナログ入力ポートAD1nの入力電圧が過大であることによって検出される。更に、正線天絡異常は、給電用開閉素子210cが開路されていて、アナログ入力ポートAD4nの入力電圧が過大であることによって検出される。又、負線地絡異常は、制御用開閉素子10nが閉路されていて、給電用開閉素子210cが閉路されているときにアナログ入力ポートAD1nの入力電圧が過小であることによって検出される。
(4)実施の形態2の要点と特徴
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態2による変速機制御装置は、車両用変速機に内蔵された油圧調整弁に作用して、給電電流に対応した調整油圧出力を発生するリニアソレノイド207a〜207nと、当該リニアソレノイドに対する給電電流制御装置220Ua〜220Unを備えた変速機制御装置200a〜200nであって、前記リニアソレノイドは、電磁コイル71nと当該リニアソレノイドの動作特性に関する個体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータとなる抵抗値を有するラベル抵抗72n(若しくは76n)とが一体化されていて、前記給電電流制御装置は、車載バッテリ102と複数の前記リニアソレノイドの全体又は個々のリニアソレノイドとの間に接続された給電用開閉素子210cの出力電圧である給電電圧Vbbと、前記車載バッテリ102から給電される定電圧電源220aの出力電圧である制御電圧Vccによって動作する駆動回路270a〜270nと、コントロールモジュール220Ma〜220Mnと、前記駆動回路に内蔵され前記リニアソレノイドの他端に個別に直列接続された制御用開閉素子10nとを備え、前記駆動回路は、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)に通電して、当該ラベル抵抗の抵抗値を測定するための測定回路19nを備えるとともに、前記コントロールモジュールは、前記制御用開閉素子10nの導通状態を制御するための指令信号を発生するマイクロプロセッサ221と、当該マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリ223と、当該プログラムメモリの一部領域であるか又は分割して設けられた不揮発性のデータメモリ224と、前記制御電圧Vccが基準電圧として印加された多チャンネルAD変換器225とを包含している。
前記プログラムメモリ223は、補正制御定数格納手段2808とラベル抵抗読出変換手段915となる制御プログラムを備え、前記補正制御定数格納手段2808は、外部接続された調整ツール290と協働して、前記駆動回路270a〜270nにおける電流制御定数を測定し、回路部品の個体バラツキ変動があっても、目標電流に合致した給電電流を得るための補正係数を算出して、当該補正係数を前記プログラムメモリ223又は前記データメモリ224に格納し、前記ラベル抵抗読出変換手段915は、前記測定回路19nから前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)に流入する測定電流と、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)に印加された測定電圧との比率によって前記ラベル抵抗72n(
若しくは76n)の抵抗値を算出し、算出された抵抗値に基づいて前記リニアソレノイド
の個体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータを算出又は選択決定して、前記データメモリ224又は前記RAMメモリ222に格納し、前記ラベル抵抗読出変換手段915は、電源スイッチが投入された運転開始時に実行され、前記リニアソレノイドが保守交換されても、交換されたリニアソレノイドに付加されたラベル抵抗の抵抗値に応動して給電電流が制御されるように構成されている。
前記リニアソレノイド207nの電磁コイル71nには、ラベル抵抗72n(若しくは76n)が並列接続された給電ダイオード73nが直列接続され、当該直列回路の一端は上流側端子Cと接続されるとともに、他端は下流側端子Bに接続されており、前記上流側端子C側は、前記給電用開閉素子210cを介して前記車載バッテリ102の正端子に接続されているとともに、前記下流側端子B側には、前記制御用開閉素子10nが接続され、前記駆動回路270nは、前記定電圧電源220aから前記下流側端子Bを介して前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)に給電する前記測定回路となる給電抵抗19nを備えるとともに、前記給電用開閉素子210cの出力側に接続された上流分圧抵抗20nと下流分圧抵抗21nを備え、前記給電用開閉素子210cと前記制御用開閉素子10nが開路すると、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)には前記給電抵抗19nと前記電磁コイル71nと前記上流と下流の分圧抵抗20n、21nとを介して前記定電圧電源220aから制御電圧Vccが印加されるとともに、前記給電抵抗19nの出力側の電圧と前記下流分圧抵抗21nの両端電圧は、それぞれアナログ入力ポートAD2n、AD4nを介して前記多チャンネルAD変換器225に入力されている。
前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)の抵抗値R72n(若しくはR76n)は、前記給電抵抗19nの抵抗値をR19nとし、上流、下流の分圧抵抗20n、21nの抵抗値をR20n、R21nとし、前記アナログ入力ポートAD2n、AD4nへの入力電圧をVad2、Vad4としたときに、下記の式(2)又は式(3)に基づいて前記マイクロプロセッサ221によって算出される。

R72n(若しくはR76n)
={Vad2−Vad4×(R20n+R21n)/R21n}
/{(Vcc−Vad2)/R19n}
=R19n×{(Vad2/Vcc)−(Vad4/Vcc)
×(R20n+R21n)/R21n}
/(1−Vad2/Vcc)
・・・・・・・・・・・式(2)

R72n(若しくはR76n)
={Vad2−Vad4×(R20n+R21n)/R21n}
/(Vad4/R21n)
=R21n×Vad2/Vad4−(R20n+R21n)
・・・・・・・・・・・式(3)

但し、前記電磁コイル71nの抵抗値は、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)のデジタル変換値の最小単位の値よりも小さな値となっており、又、前記式(2)又は式(3)において適用される給電抵抗19nの抵抗値R19nと、前記上流と下流の分圧抵抗20n、21nの抵抗値R20n、R21nの値は、前記プログラムメモリ223又は前記データメモリ224に予め格納されている既知の固定定数となっている。
以上のとおり、リニアソレノイド内の電磁コイルには給電ダイオードが直列接続され、当該給電ダイオードにはラベル抵抗が並列接続されているとともに、給電用開閉素子の出力端には分圧抵抗が接続されており、ラベル抵抗の抵抗値は、給電抵抗の抵抗値と分圧抵抗の抵抗値と2点のアナログ入力ポートへの入力電圧に基づいてマイクロプロセッサによって算出されるように構成されている。従って、給電電流制御装置とリニアソレノイドとの間の直接配線は増加しないでラベル抵抗の読出しが行える特徴がある。また、ラベル抵抗測定回路内にはダイオードやトランジスタのような非線形抵抗素子が直列接続されておらず精確に抵抗値を測定することができる特徴がある。
前記駆動回路270nは、更に、前記給電用開閉素子210cが閉路したときに、前記下流分圧抵抗21nに対して並列抵抗30nを接続するための並列トランジスタ31nを備え、前記並列トランジスタ31nは、前記給電用開閉素子210cが開路していて、前記給電抵抗19nを介して前記制御電圧Vcc以下の電圧が印加されているときには閉路しないように構成されている。
以上のとおり、給電用開閉素子が開路している状態でラベル抵抗を測定するために設けられた分圧抵抗の下流側の抵抗には、給電用開閉素子が閉路されたときには並列抵抗が接続されて分圧比を小さくするように構成されている。従って、下流分圧抵抗の両端電圧を測定するアナログ入力ポートAD4nの入力信号は、運転中における給電電圧Vbbを常時監視するために兼用することができ、しかもラベル抵抗を測定するときには分圧比を大きくして検出感度を高めることができる特徴がある。
前記リニアソレノイド207a〜207nの上流側端子Cは、前記給電用開閉素子210cを介して前記車載バッテリ102の正端子に接続されているとともに、下流側端子Bは電流検出抵抗15nを介して前記制御用開閉素子10nに接続され、前記電磁コイル71nは、ラベル抵抗72n(若しくは76n)が並列接続された給電ダイオード73nと直列接続され、当該直列回路の一端は前記上流側端子Cに接続されるとともに、他端は前記下流側端子Bに接続されており、前記電流検出抵抗15nの両端電圧は差動増幅器16nとアナログ入力ポートAD1nを介して前記多チャンネルAD変換器225に入力されているとともに、前記給電ダイオード73nと前記電磁コイル71nと前記電流検出抵抗15nとの直列回路に対して、前記給電用開閉素子210cを介して並列接続された転流ダイオード14nを備え、前記マイクロプロセッサ221は、前記アナログ入力ポートAD1nに入力された給電電流の値を参照して、前記制御用開閉素子10nの開閉全期間における平均電流を算出し、当該平均電流が目標となる給電電流となるように前記制御用開閉素子10nの導通状態を制御するための指令信号を発生し、前記給電用開閉素子210又は前記制御用開閉素子15nには逆流防止ダイオード13nが直列接続されている。
以上のとおり、電磁コイルと電流検出抵抗との直列回路に対して給電用開閉素子を介して転流ダイオードが並列接続されるとともに、給電用開閉素子又は制御用開閉素子には逆流防止ダイオードが直列接続されている。従って、給電電流制御装置とリニアソレノイドとの間の直接配線は増加しないでラベル抵抗の読出しが行える特徴がある。
又、車載バッテリへの接続極性が誤って配線されたときに、給電用開閉素子と制御用開閉素子が逆導通して、転流ダイオードを介して電源短絡されるのを逆流防止ダイオードによって阻止することができるとともに、ラベル抵抗の測定時に転流ダイオードによってラベル抵抗が短絡されるのを防止することができる特徴がある。
又、ラベル抵抗測定回路内にはダイオードやトランジスタのような非線形抵抗素子が直列接続されておらず精確に抵抗値を測定することができる特徴がある。
前記リニアソレノイド207a〜207nの上流側端子Cは、前記給電用開閉素子210cを介して前記車載バッテリ102の正端子に接続されているとともに、下流側端子Bは、電流検出抵抗27nを介して前記制御用開閉素子10nに接続され、前記電磁コイル71nは、並列接続された転流ダイオード77nと直列接続された給電ダイオード73nを備え、当該直列回路の一端は前記上流側端子Cに接続されるとともに、他端は前記下流側端子Bに接続されており、前記ラベル抵抗72n(若しくは76n)は、前記給電ダイオード73nと並列接続されており、前記電流検出抵抗27nの両端電圧は、差動増幅器16nとアナログ入力ポートAD1nを介して前記多チャンネルAD変換器225に入力されているとともに、前記マイクロプロセッサ221は、前記制御用開閉素子10nが閉路しているときに前記アナログ入力ポートAD1nに入力された給電電流の値を参照して、前記制御用開閉素子10nが開路して前記電磁コイル71nの励磁電流が前記転流ダイオード77nを介して転流しているときの減衰励磁電流を推定し、開閉全期間における平均電流を算出し、目標となる給電電流となるように前記制御用開閉素子10nの導通状態を制御するための指令信号を発生するように構成されている。
以上のとおり、リニアソレノイド内の電磁コイルには転流ダイオードが並列接続されるとともに給電ダイオードが直列接続され、当該給電ダイオードにはラベル抵抗が並列接続されている。従って、給電電流制御装置とリニアソレノイドとの間の直接配線は増加しないでラベル抵抗の読出しが行える特徴がある。
又、車載バッテリへの接続極性を誤って配線されたときに、給電用開閉素子と制御用開閉素子が逆導通して、転流ダイオードを介して電源短絡されるのを給電ダイオードによって阻止することができるので、逆流防止ダイオードを外部に設ける必要がなく、回路部品の削減と余分な発熱を防止することができる特徴がある。
又、ラベル抵抗測定回路内にはダイオードやトランジスタのような非線形抵抗素子が直列接続されておらず精確に抵抗値を測定することができる特徴がある。
前記電流検出抵抗15n、27nの近傍には温度センサ17nが配置され、当該温度センサ17nは、直列抵抗18nを介して前記定電圧電源220aに接続されるとともに、前記温度センサ17n又は前記直列抵抗18nの両端電圧はアナログ入力ポートAD3nを介して前記多チャンネルAD変換器225に入力され、前記調整ツール290は、前記マイクロプロセッサ221と協働して、前記温度センサ17nの測定環境温度における抵抗値を基準温度に換算した換算抵抗値であるか、又は当該換算抵抗値を基準抵抗値で割って得られる補正係数を算出して、前記プログラムメモリ223又は前記データメモリ224に格納し、前記電流検出抵抗15n、27nの基準温度における抵抗値と温度上昇に伴う抵抗変動値を算出するための温度係数と、前記温度センサ17nの基準温度における抵抗値と温度上昇に伴う抵抗変動値を算出するための温度係数と、前記直列抵抗18nの抵抗値R18nとは既知の固定制御定数として予め前記プログラムメモリ223、又は前記データメモリ224に書込みされており、前記給電電流制御装置220Ua〜220Unの運転中においては、前記電流検出抵抗15n、27nの近傍温度に基づいて、前記アナログ入力ポートAD1nに入力された電流検出値のデジタル変換値又は目標電流に対応した設定値を補正し、温度変化によって電流検出抵抗15nの変動が発生しても、目標とする給電電流が得られるように補正制御するように構成されている。
前記電磁コイル71nに直列接続された電流検出抵抗15n、27nの両端電圧に比例した第一の電圧信号、又は前記電磁コイル71nの一方又は他方の端子電圧に比例した第二又は第三の電圧信号の内の複数の電圧信号は、前記コントロールモジュール220Ma〜220Maのアナログ入力ポートAD1n/AD2n/AD4nに入力され、前記プログラムメモリ223は、配線異常検出手段2918となる制御プログラムを包含し、前記マイクロプロセッサ221は、前記複数のアナログ入力ポートAD1n/AD2n/AD4nに入力された電圧信号によって、前記リニアソレノイド207a〜207nへ接続される正負の配線の相互短絡異常、或いはどちらか一方の配線が電源線と混触する天絡異常又は車体と混触する地絡異常の発生を検出し、当該異常検出時には前記給電用開閉素子210cと制御用開閉素子10nに対する開路指令を発生するように構成されている。
前記給電電流制御装置220Ua〜220Unは、変速機の筐体外に設置されたエンジン制御装置210Uと協働して、相互に入出力信号を交信するものであるとともに、前記エンジン制御装置210Uは、給電対象となる前記リニアソレノイド207a〜207nを選択決定し、選択されたリニアソレノイドに対して目標油圧を設定し、設定された目標油圧を前記給電電流制御装置220Ua〜220Mnに送信し、前記給電電流制御装置220Ua〜220Unは、また、複数の前記リニアソレノイド207a〜207nの夫々に対してコネクタ接続により一体化されて変速機の筐体内に設置され、前記エンジン制御装置210Uから指令された目標油圧を得るための指令信号を発生するコントロールモジュール220Ma〜220Mnと、前記リニアソレノイド207a〜207nに対して駆動電流を供給する駆動回路270a〜270nとを備えている。
以上のとおり、エンジン制御装置と協働する給電電流制御装置は、複数のリニアソレノイドのそれぞれと一体化されてコネクタ接続されている。従って、エンジン制御装置と複数の給電電流制御装置と複数のリニアソレノイドは夫々を自由に組合せて組立てたり、個別に保守交換を行うことができるとともに、複数のリニアソレノイドを個別制御して、市場トラブルが発生しやすい電流制御用のパワー回路を有する給電電流制御装置は保守単位として小型安価に構成することができる特徴がある。
また、複数の給電電流制御装置がそれぞれでマイクロプロセッサを包含して電流制御を行っているので、エンジン制御装置に対して過重な制御負担をかけない特徴がある。
前記リニアソレノイド207a〜207nは、前記電磁コイル71nによる電磁力とスプリング44とによる反抗力とが作用するプランジャ43aによってリリーフ弁43bを開閉駆動し、所定油温において前記電磁コイル71nに対する給電電流に対応した所定油圧が得られるものであり、前記ラベル抵抗72n、76nは、所定の油温において、前記電磁コイル71nに対する給電電流の値と前記リリーフ弁43bによって減圧された作動油49bの圧力との現品特性と標準特性からの乖離を補正して、目標とする油圧に対応した給電電流を設定するための補正係数に対応した抵抗値を有するものであり、前記給電電流制御装置220Ua〜220Un又は前記エンジン制御装置210Uの一方には、変速機内の油温を推定するための温度センサ280が接続され、前記プログラムメモリ223又は前記データメモリ224には変速機内の油温に対する前記作動油49bの圧力変動特性に関する標準データが予め格納されており、前記マイクロプロセッサ221は、前記温度センサ280によって推定された油温に対応して目標とする油圧を得るための給電電流の値を補正するように構成されている。
実施の形態3.
(1)構成の詳細な説明
次に、紺発明の実施の形態3位による変速機制御装置について説明する。図17は、この発明の実施の形態3による変速機制御装置の全体構成図である。以下、図17に基づいて前述の実施の形態1における図1及び実施の形態2における図10との相違点を中心にして説明する。なお、各図において、同一符号は同一又は相等部分を示し、実施の形態1における100番台、実施の形態2における200番台の符号は、実施の形態3では300番台の符号に置き直して夫々相等部分を示している。
図17において、エンジンルームに設置されたエンジン制御装置310Uと、車両用変速機のギアボックス307の内部に固定された複数の給電電流制御装置320Ua〜320Unとは、互いに協働してギアボックス307に内蔵されたリニアソレノイド307a〜307nに対する給電電流の制御を行なうように構成されている。この実施の形態3にあっては、4〜6台の給電電流制御装置320Ua〜320Uaは、4〜6個のリニアソレノイド307a〜307nと1対1で合体され、夫々が分散制御形式の変速機制御装置300a〜300nを構成している。車体グランド端子101に負端子が接続されている車載バッテリ102の正端子は、図示していない電源リレーの出力接点103を介してエンジン制御装置310Uと給電電流制御装置320Ua〜320Unに対してバッテリ電圧Vbを供給するように構成されている。
エンジン制御装置310Uに入力されている第一のセンサ群304は、図1における第一のセンサ群104と第二のセンサ群106を合併したものとなっており、例えばアクセルペダルの踏込み度合を検出するアクセルポジションセンサ、エンジンの吸気弁開度を検出するスロットルポジションセンサ、吸気量を測定するエアーフローセンサ、排気ガスセンサ、エンジン回転センサ、クランク角センサ、電源スイッチ、エンジンの始動指令スイッチなどのアナログ又はオン/オフスイッチセンサ、或いは手動指令スイッチなどに加えて、変速機のシフトレバーの選択位置を示すシフトレバースイッチ、車速センサなどを包含している。
エンジン制御装置310Uが発生する出力信号に応動する電気負荷群305は、例えば燃料噴射用電磁弁、点火コイル(ガソリンエンジンの場合)、吸気弁開度制御用モータ、始動用電動機などである。但し、エンジン制御装置310Uは、これ等のエンジン制御機能に加えて、図1における給電電流制御装置120Uの一部の機能を包含しており、ギアシフトレバーの選択位置とアクセルペダルの踏込み度合と車速に応動して通信回線309を介して油圧指令信号を送信するように構成されている。また、ギアボックス307内部に設けられた油温センサ380は通信回線309を介してエンジン制御装置310Uへ一旦入力され、油温検出信号として給電電流制御装置320Ua〜320Unへ送信されるように構成されている。
エンジン制御装置310Uの内部には、車載バッテリ102から電源リレーの出力接点103を介して給電される定電圧電源310aと、車載バッテリ102から直接給電される定電圧電源310bと、コントロールモジュール310Mが搭載されている。コントロールモジュール310Mは、演算処理装置であるマイクロプロセッサ311と、演算処理用のRAMメモリ312と、例えばフラッシュメモリである不揮発性のプログラムメモリ313と、不揮発性のデータメモリ314と、多チャンネルAD変換器315と、直並列変換器316とが互いにバス接続されて構成されている。
なお、マイクロプロセッサ311は、プログラムメモリ313と協働してアクセルペダルの踏込み度合に応じてスロットル弁開度を制御し、吸気量に比例した燃料の供給を行うとともに、ガソリンエンジンの場合であればエンジン回転速度と燃料噴射量に応じて点火コイルの断続制御を行なうように構成されている。
又、ギアシフトレバーの選択位置とアクセルペダルの踏込み度合と車速に応動して通信回線309を介してリニアソレノイド307a〜307nに対する油圧指令信号を発生するとともに、温度センサ380による油温情報を送信し、変速機の変速段を切換えるときには、エンジン回転速度がなだらかに変化するように燃料噴射量を調整するように構成されている。給電電流制御装置320Ua〜320Unの内部には、車載バッテリ102から電源リレーの出力接点103を介して給電されて、例えばDC5[V]の安定化された制御電圧Vccを発生する定電圧電源320aが設けられて、コントロールモジュール320Ma〜320Mnや後述の駆動回路370a〜370nに給電するように構成されている。又、給電電流制御装置320Ua〜320Unの内部には、駆動回路370a〜370nに対して給電電圧Vbbを供給する給電用開閉素子320cが設けられている。
次に、駆動回路部の詳細について説明する。図18は、この発明の実施の形態3による変速機制御装置における駆動回路部の回路図である。図18において、コントロールモジュール320Mnは、図12、図13の場合と同様に構成されているが、リニアソレノイド307nは、給電ダイオード73nが直列接続された電磁コイル71nと、給電ダイオード73nに並列接続されたラベル抵抗76nと、電磁コイル71nと並列接続された転流ダイオード77nと、電磁コイル71nの正端子側に接続され、電磁コイル71nの近傍温度を検出するための温度センサ75nと、電磁コイル71nの負端子側に接続された付加ラベル抵抗74nとによって構成され、給電ダイオード73nの正端は上流側端子Cに、電磁コイル71nの負端は下流側端子Bと接続されている。
又、温度センサ75nの他端は、接続端子Eを介して駆動回路370nに接続され、付加ラベル抵抗74nの他端は、付加接続端子Dを介して駆動回路370nに接続されている。一方、図12、図13に於ける電流検出抵抗15n、27nと差動増幅器16nと転流ダイオード14nが接続されておらず、転流ダイオード14nの代替として転流ダイオード77nが使用されている。又、図12における逆流防止ダイオード13nは接続されておらず、給電ダイオード73nがその代替としての役割を持っている。
従って、給電用開閉素子320cと制御用開閉素子10nが閉路されると、給電用開閉素子320cと給電ダイオード73nと電磁コイル71nと制御用開閉素子10nを通じて電磁コイル71nに対して下記の式(6)で示される励磁電流Icが供給される。

Ic=Kd×Vbb/Rt ・・・・・・・・式(6)

但し、Kdは、マイクロプロセッサ321が発生する指令信号PWMの通電デューティであって、制御用開閉素子10nの閉路時間/開閉周期に相当している。又、Rtは、電
磁コイル71nの抵抗値であり、温度センサ75nによって検出された近傍温度の値によって補正されるように構成されている。
ここで、制御用開閉素子10nが開路すると、電磁コイル71nに流れていた励磁電流は転流ダイオード77nを介して還流減衰し、下流側端子Bには転流ダイオード77nを介して還流減衰する励磁電流が流れない構成と構成されている。このため、出荷調整用の設備であるデジタル電流計392は、出荷調整用の標準サンプル品であるリニアソレノイド307nの電磁コイル71nの下流位置に仮端子を設けて接続するように構成されている。これにより、デジタル電流計392は、制御用開閉素子10nによってデューティ制御される電磁コイル71nの平均電流を直接測定することができる。
制御用開閉素子10nの駆動回路とアナログ入力ポートAD2nに対する接続関係と、分圧抵抗20n、21nとアナログ入力ポートAD4nとの接続関係及び並列トランジスタ31n回りの接続関係は、図12、図13の場合と同様である。温度センサ75nの負側端子をグランド回路に接続する直列抵抗26nの両端電圧はアナログ入力ポートAD5nを介して多チャンネルAD変換器325に入力されている。温度センサ75nの抵抗値R75nは、給電用開閉素子320cが閉路された運転中に測定されるものであり、抵抗値R75nは、温度センサ75nの両端電圧を温度センサ75nに流れる電流で割って得られる。
温度センサ75nの両端電圧は、給電電圧Vbbから給電ダイオード73nの順方向電圧とアナログ入力ポートAD5nに対する入力電圧AD5nを減じた値であって、給電電圧Vbbの値は、アナログ入力ポートAD4nに対する入力電圧を分圧抵抗20n、21nと並列抵抗30nによる合成分圧比で割った値として算出される。又、温度センサ75nに流れる電流は、アナログ入力ポートAD5nに対する入力電圧Vad5を直列抵抗26nの抵抗値R26nで割って得られるものである。
付加ラベル抵抗74nの負側端子をグランド回路に接続する直列抵抗22nと計測トランジスタ23nとの直列回路の両端電圧は、入力抵抗35nからアナログ入力ポートAD6nを介して多チャンネルAD変換器325に入力されており、アナログ入力ポートAD6nの入力端子は、クリップダイオード36nを介して定電圧電源320aの出力端子に接続されている。計測トランジスタ23nは、マイクロプロセッサ321が発生する計測指令信号SELの論理レベルが「H」のときにベース抵抗24nを介して閉路駆動され、論理レベル「L」のときにはベース端子とエミッタ端子間に接続された開路安定抵抗25nによって確実に開路するように構成されている。
付加ラベル抵抗74nの抵抗値R74nは、給電用開閉素子320cと制御用開閉素子10nが共に開路されていて、計測トランジスタ23nが閉路駆動されているときに測定されるようになっており、クリップダイオード36nは、給電用開閉素子320cが閉路され、制御用開閉素子10nが開路されているときに、アナログ入力ポートAD6nの入力電圧が過大となるのを防止するためのものとなっている。付加ラベル抵抗74nの抵抗値R74nは、付加ラベル抵抗74nの両端電圧を付加ラベル抵抗74nに流れる電流値で割って得られる。付加ラベル抵抗74nの両端電圧はアナログ入力ポートAD2nの入力電圧Vad2からアナログ入力ポートAD6nの入力電圧Vad6を減じたものであり、付加ラベル抵抗74nの電流はアナログ入力ポートAD6nの入力電圧Vad6を直列抵抗22nの抵抗値R22nで割った値となっている。
次に、ラベル抵抗の詳細について説明する。図19は、この発明の実施の形態3による変速機制御装置におけるラベル抵抗を示す構成図である。図19において、リニアソレノイド307n内のラベル抵抗76nと付加ラベル抵抗74nは、封止樹脂50によって一
体成形されたレーザトリミング抵抗によって構成されており、夫々に調整窓54a、54bから抵抗値の調整が行われるように構成されている。
なお、レーザトリミング抵抗は、幅X、長さY、厚さTの薄膜抵抗体であり、幅方向の切込み寸法をΔXとし、長さ方向の切込み寸法をΔYとすると、初期の抵抗値R0に対し切込みによって増加した増分抵抗値ΔRは下記の式(7)式によって算出される。

ΔR/R0=(ΔY/Y)×ΔX/(X−ΔX) ・・・・式(7)

従って、切込み寸法の調整により大幅な抵抗調整が行なえるとともに、微口径のレーザビームによって高精度の仕上がり抵抗を得ることができるものである。
図20は、この発明の実施の形態3による変速機制御装置における圧力対電流特性の近似直線を示す特性線図であって(A)は多数の供試サンプルの基準温度における平均的な圧力対電流特性、(B)は出荷現品となるリニアソレノイド307nの基準温度における圧力対電流特性、を夫々示している。
図20の(A)において、多数の供試サンプルの基準温度における平均的な圧力対電流特性は、一対の直線604a、604bによる折線特性で近似されており、一対の直線604a、604bの交点部分は所定の曲率半径で円弧補間されている。直線604aは第一のデータ(A10、P10、θ10)で特定され、直線604bは第二のデータ(A20、P20、θ20)によって特定される。但し、P10は給電電流がA10であるときの調整油圧、P20は給電電流がA20であるときの調整油圧、θ10、θ20は直線604a、604bの夫々の勾配である。
図20の(B)において、出荷現品となるリニアソレノイド307nの基準温度における圧力対電流特性つまり現品特性は、一対の直線605a、605bによる折線特性で近似されており、一対の直線605a、605bの交点部分は図20の(A)の標準特性で決
定された所定の曲率半径で円弧補間されている。直線605aは第一のデータ(A10、P1n、θ1n)で特定され、直線605bは第二のデータ(A20、P2n、θ2n)によって特定される。但し、P1nは給電電流がA10であるときの調整油圧、P2nは給電電流がA20であるときの調整油圧、θ1n、θ2nは直線605a、605bの夫々の勾配である。
従って、油圧の調整係数はP1n/P10、又はP2n/P20となり、勾配係数はθ1n/θ10又はθ2n/θ20となる。
(2)作用・動作の詳細な説明
以下、この発明の実施の形態3による変速機制御装置の動作について説明する。図21は、この発明の実施の形態3による変速機制御装置におけるリニアソレノイドの調整作業を示すフローチャート、図22は、この発明の実施の形態3による変速機制御装置における給電電流制御装置の調整動作を示すフローチャート、図23は、この発明の実施の形態3による変速機制御装置の運転動作を示すフローチャートである。なお、図21〜図23において、図7〜図9と同一の動作を行うステップには同一番号を付しているとともに、異なる動作を行うステップには3000番台の符号を付しり、以下の説明では3000番台のステップの動作について説明する。
先ず、リニアソレノイドの出荷調整作業のフローチャートである図21において、実験測定の段階である作業ステップ3700aでは、多数の供試サンプルについて、油温を基準温度として圧力対電流特性を測定して、図20の(A)で示した標準特性を作成する。このときの電流計392の接続位置は、図18に示すとおり、電磁コイル71nの負端子側に仮接続しておくものとする。
次に、標準特性に近い特性を持つ標準サンプルに関し、油温を例えば−25℃又は+75℃の低温と高温に調整し、この低温又は高温状態で圧力対電流特性を測定し、低温特性線図と高温特性線図とを得る。この低温特性線図と高温特性線図によって、標準特性線図の場合と同様の近似直線を作成し、油温によって調整油圧と直線勾配とがどのように変化するのかの変化率に関するデータテーブルを作成する。このようにして作成された特性データは、給電電流制御装置の設計部門に伝達されて、プログラムメモリ323又はデータメモリ324の中に予め格納しておく。
次に、出荷現品に関するステップ3702においては、圧力計と電流計により出荷現品の圧力対電流特性を測定するが、電磁コイル71nの下流端には電流計を接続することができないので、下流側端子Bの外部に接続し、電磁コイル71nに対する電流調整は開閉素子によるデューティ制御を行なわないで、印加電圧を増減させて調整し、転流ダイオード77nへの転流が発生しないようにしておく必要がある。
続くステップ3703では、図20の(B)の一対の直線605a、605bを作成し、続くステップ3704では一対の直線605a、605bを表現するための第一のデータ(A10、P1n、θ1n)と、第二のデータ(A20、P2n、θ2n)を算出する。続くステップ3705では、ラベル抵抗76nと付加ラベル抵抗74nの抵抗値を図6の(E)にならって調整し、続くステップ3706では調整窓54a、54bをシール材で封鎖する。
なお、ラベル抵抗の調整に当たっては、給電電流制御装置220Unによって読出された抵抗値を調整ツールの画面でデジタル表示しながら所定の抵抗値が得られるようにトリミングを行うように構成されている。
次に、給電電流制御装置320Unの調整動作のフローチャートである図22において、給電電流制御装置320Unには1台のリニアソレノイドしか接続されないので、図8におけるステップ809は除外されている。
図22において、ステップ3802では、リニアソレノイド307nに設けられているラベル抵抗76nと付加ラベル抵抗74nの抵抗値を読み出して、所定範囲の抵抗値が読出せるかどうかを判定し、YES判定の場合にラベル抵抗76nと付加ラベル抵抗74nの抵抗値が読み出される。続くステップ3803において一対の折線605a、605bの調整係数と勾配係数を分離する。続くステップ3804では、ステップ3803で分離された調整係数と勾配係数が標準係数であるか否か、つまり調整係数と勾配係数が所定範囲以外の異常値でないかどうかを判定する。続くステップ3805では、温度計391によって測定された電磁コイル71nの近傍温度に基づいて、温度センサ75nの基準温度における抵抗値の校正を行なうとともに、現在温度の抵抗値Rtを算出する。
続くステップ3806では、電流計392を図18で示すとおり電磁コイル71nの下流端に直接接続し、所定の給電電圧Vbbと所定の目標電流Isn=Icで、前述の式(6)によって制御用開閉素子10nをデューティ制御したときの電流計392による実測電流Ifnを測定し、続くステップ3808において補正係数β=Isn/Ifnを算出してプログラムメモリ323又はデータメモリ324に格納する。
なお、図8におけるステップ807については、ここでは電流検出抵抗が設けられていないので省略されている。
次に、この発明の実施の形態3による変速機制御装置の運転動作について説明する。図23は、この発明の実施の形態3による変速機制御装置の運転動作を示すフローチャートである。図23において、エンジン制御装置310Uにおける入出力制御ステップであるステップ3905では、第一のセンサ群304の動作状態と、プログラムメモリ313に格納されている入出力制御プログラムの内容に応動して、第一の電気負荷群305を駆動制御するとともに、ギアシフトレバーの選択位置とアクセルペダルの踏込み度合と車速とに応じて変速段を決定し、複数のリニアソレノイド307a〜307nの何れかに対する圧力設定指令信号を発生し、通信回線309を介して給電電流制御装置320Ua〜320Unの何れかに送信する。
なお、給電電流制御装置320Ua〜320Unの中の特定の給電電流制御装置320Unに関するステップ911〜ステップ920においては、図9におけるステップ919bは除外されている。
ステップ3913は、図22のステップ3802と同様に、リニアソレノイド307nに設けられているラベル抵抗76nと付加ラベル抵抗74nの抵抗値を読み出して、所定範囲の抵抗値が読出せるかどうかを判定するステップである。
ステップ39171〜ステップ39174によって構成されたステップブロック3917nにおいて、ステップ29171は、エンジン制御装置310Uから受信した目標油圧指令値に基づいて、ステップ915によって生成されたデータテーブルを参照して基準の油温における目標油圧に対応した目標電流に換算し、更にはプログラムメモリ323又はデータメモリ324に予め格納されている圧力対電流の温度特性データと、温度センサ380によって検出された油温に基づいて現状油温に対応した目標電流に補正する一次補正目標電流Isnの設定手段となるステップである。
続くステップ39172は、電磁コイル71nの近傍温度を検出するための温度センサ75nの抵抗値R75nを算出し、プログラムメモリ323に予め格納されている電磁コイル71nの抵抗対温度特性から現状温度における電磁コイル71nの抵抗値Rtと基準温度における抵抗値R0との比率である補正係数γ=Rt/R0を算出するステップである。続くステップ39173は、駆動回路370nで発生する制御誤差を補正するためのステップであり、前述の式(6)によりマイクロプロセッサ321が発生する制御指令信号PWMのデューティKdを、下記の式(8)によって決定するステップである。

Kd=β×Isn×Rt/Vbb=β×γ×Isn×R0/Vbb
・・・・式(8)

但し、給電電圧Vbbは、アナログ入力ポートAD4nの入力電圧をVad4、上流と下流の分圧抵抗20n、21nの抵抗値をR20n、R21n、並列抵抗30nの抵抗値をR30n、抵抗値R21nと抵抗値R30nの並列合成抵抗を(R21n//R30n)としたときに、下記の式(9)によって算出されるものである。

Vbb=Vad4×{R20n+R21n//R30n}
/(R21n//R30n) ・・・・式(9)

又、補正係数βは、ステップ3808で算出記憶された値である。
続くステップ39174では、式(8)及び式(9)に基づいて制御用開閉素子10nに対する制御指令信号PWMを発生してステップ3918へ移行する。ステップ3918は、電磁コイル71nに対する正負の給電配線が電源線に対して混触する正線天絡・負線天絡異常や、グランド回路に対して混触する正線地絡・負線地絡異常や、正負の給電配線が相互に混触する負荷短絡異常の有無を検出する配線異常検出手段となるステップである。
配線異常の検出方法は次のとおりである。先ず、正線地絡異常は、給電用開閉素子320cが閉路されていているときに、アナログ入力ポートAD4nの入力電圧が過小であることによって検出される。又、負線天絡異常は、制御用開閉素子10nと給電用開閉素子320cが共に開路しているときにアナログ入力ポートAD2nの入力電圧が過大であることによって検出される。又、負荷短絡異常は、制御用開閉素子10nと給電用開閉素子320cが共に閉路されたときにアナログ入力ポートAD2nの入力電圧が過大であるか、アナログ入力ポートAD4nの入力電圧が過小ことによって検出される。更に、正線天絡異常は、給電用開閉素子320cが開路されていて、アナログ入力ポートAD4nの入力電圧が過大であることによって検出される。又、負線地絡異常は、制御用開閉素子10nが開路されていて、給電用開閉素子320cが閉路されているときにアナログ入力ポートAD2nの入力電圧が過小であることによって検出される。
以上の説明では、油温を検出する温度センサ380をエンジン制御装置310Uに接続してエンジン制御装置310U内で初期校正を行なったうえで、運転中においてはエンジン制御装置310Uで油温の監視を行いながら給電電流制御装置320Ua〜320Unに送信するようにしている。しかし、温度センサ380は、ギアボックス307内において夫々の給電電流制御装置320Ua〜320Unに直接入力して、給電電流制御装置320Ua〜320Un内で初期校正を行なって使用することも可能である。これは、図10における温度センサ280の場合も同様である。
又、図12、図13における電流検出抵抗15n、27nに対する温度センサ17nや、図18における電磁コイル71nに対する温度センサ75nの設置部分が、ギアボックス207、307内の潤滑油に浸漬されている場合には、これ等の温度センサ17n、75nを用いて油温を間接的に推定することも可能である。この場合には、電流検出抵抗15n、27nや電磁コイル71nの自己発熱による温度上昇を推定し、現状検出温度から自己発熱による温度上昇分を減算して油温を推定すればよい。
又、図18において、給電ダイオード73nに並列接続されているラベル抵抗76nに代わって、図3で示したようにグランド回路に接続することも可能である。又、給電用開閉素子320cは、エンジン制御装置310Uの外部に設けられた給電用電磁リレーの出力接点であってもよい。
以上の説明では、補正係数として調整係数と勾配係数を用いるようにしたが、二つの比較座標点を決めて一対の調整係数を用いるようにしても一つの直線を特定することができる。また、調整係数や勾配係数は固体特性/標準特性の比率であって、標準特性に調整係
数や勾配係数を掛け合わせると固体特性が得られるとした。しかし、前記調整係数や勾配係数に代わって、個体特性から標準特性を減じた偏差値であるバイアス調整値又は勾配調整値を用い、これを標準特性に代数加算することによって固体特性を得ることもできる。例えば勾配係数をK=θn/θ0とし、標準傾斜角θ0が判っておれば、固体傾斜角はθ
n=K×θ0として算出される。同様に、勾配調整値をΔθ=θn−θ0とし、標準傾斜角θ0が判っておれば、固体傾斜角はθn=θ0+Δθ=θ0×(1+Δθ/θ0)とし
て算出され、偏差値Δθを加算することは係数として(1+Δθ/θ0)を掛けることに
相等する。従って、補正係数の概念はこれらの代数加算値を含むものとして表現したものとなっている。
(3)実施形態3の要点と特徴
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施形態3による変速機制御装置は、車両用変速機に内蔵された油圧調整弁に作用して、給電電流に対応した調整油圧出力を発生するリニアソレノイド307a〜307nと、当該リニアソレノイドに対する給電電流制御装置320Ua〜320Unを備えた変速機制御装置300a〜300nであって、前記リニアソレノイドは、電磁コイル71nと当該リニアソレノイドの動作特性に関する固体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータとなる抵抗値を有するラベル抵抗76n(若しくは72n)とが一体化されていて、前記給電電流制御装置は車載バッテリ102と複数の前記リニアソレノイドの全体又は個々のリニアソレノイドとの間に接続された給電用開閉素子320cの出力電圧である給電電圧Vbbと、前記車載バッテリ102から給電される定電圧電源320aの出力電圧である制御電圧Vccによって動作する駆動回路370a〜370nと、コントロールモジュール320Ma〜320Mnと、前記駆動回路に内蔵され前記リニアソレノイドの他端に個別に直列接続された制御用開閉素子10nとを備え、前記駆動回路は、前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)に通電して、当該ラベル抵抗の抵抗値を測定するための測定回路19nを備えるとともに、前記コントロールモジュールは前記制御用開閉素子10nの導通状態を制御するための指令信号を発生するマイクロプロセッサ321と、当該マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリ323と、当該プログラムメモリの一部領域であるか又は分割して設けられた不揮発性のデータメモリ324と、前記制御電圧Vccが基準電圧として印加された多チャンネルAD変換器325とを包含している。
前記プログラムメモリ323は、補正制御定数格納手段3808とラベル抵抗読出変換手段915となる制御プログラムを備え、前記補正制御定数格納手段3808は、外部接続された調整ツール390と協働して、前記駆動回路370a〜370nにおける電流制御定数を測定し、回路部品の固体バラツキ変動があっても、目標電流に合致した給電電流を得るための補正係数を算出して、当該補正係数を前記プログラムメモリ323又は前記データメモリ324に格納し、前記ラベル抵抗読出変換手段915は、前記測定回路19nから前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)に流入する測定電流と、前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)に印加された測定電圧との比率によって前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)の抵抗値を算出し、算出された抵抗値に基づいて前記リニアソレノイドの固体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータを算出又は選択決定して、前記データメモリ324又は前記RAMメモリ322に格納し、前記ラベル抵抗読出変換手段915は、電源スイッチが投入された運転開始時に実行され、前記リニアソレノイドが保守交換されても、交換されたリニアソレノイドに付加されたラベル抵抗の抵抗値に応動して給電電流が制御されるように構成されている。
前記ラベル抵抗76nは、封止樹脂50によって密閉封止されているとともに、当該封止樹脂に設けられた調整窓54aから抵抗値の調整が行なわれるレーザトリミング抵抗が使用されている。
以上のとおり、ラベル抵抗の抵抗値を測定しながら調整窓からレーザトリミングを行なうように構成されている。従って、ラベル抵抗の密閉実装後の後処理によって、高精度な抵抗値を有するラベル抵抗に調整することができる特徴がある。
前記コントロールモジュール320Ma〜320Mnによって測定された前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)のデジタル変換値は、上位ビット群と下位ビット群に分割されて使用され、前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)の上位ビット群と下位ビット群のいずれか一方は前記リニアソレノイド307a〜307nの所定電流に対応した圧力と基準となる圧力との比率である調整係数を選択する第一のパラメータであり、他方は電流対油圧特性の勾配と標準勾配との比率である勾配係数を選択する第二のパラメータと構成されている。
前記リニアソレノイド307nの電磁コイル71nにはラベル抵抗76n(若しくは72n)が並列接続された給電ダイオード73nが直列接続され、当該直列回路の一端は上流側端子Cと接続されるとともに、他端は下流側端子Bに接続されており、前記上流側端子C側は前記給電用開閉素子320cを介して前記車載バッテリ102の正端子に接続されているとともに、前記下流側端子B側には前記制御用開閉素子10nが接続され、前記駆動回路370nは、前記定電圧電源320aから前記下流側端子Bを介して前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)に給電する前記測定回路となる給電抵抗19nを備えるとともに、前記給電用開閉素子320cの出力側に接続された上流分圧抵抗20nと下流分圧抵抗21nを備え、前記給電用開閉素子320cと前記制御用開閉素子10nが開路すると、前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)には前記給電抵抗19nと前記電磁コイル71nと前記上流と下流の分圧抵抗20n、21nとを介して前記定電圧電源320aから制御電圧Vccが印加されるとともに、前記給電抵抗19nの出力側の電圧と前記下流分圧抵抗21nの両端電圧は、それぞれアナログ入力ポートAD2n、AD4nを介して前記多チャンネルAD変換器325に入力されている。
前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)の抵抗値R72n、R76nは、前記給電抵抗19nの抵抗値をR19nとし、上流、下流の分圧抵抗20n、21nの抵抗値をR20n、R21nとし、前記アナログ入力ポートAD2n、AD4nへの入力電圧をVad2、Vad4としたときに、式(2)又は式(3)に基づいて前記マイクロプロセッサ321によって算出されるものであり、

R76n(若しくはR72n)
={Vad2−Vad4×(R20n+R21n)/R21n}
/{(Vcc−Vad2)/R19n}
=R19n×{(Vad2/Vcc)−(Vad4/Vcc)
×(R20n+R21n)/R21n}
/(1−Vad2/Vcc)
・・・・・・・・・・・式(2)

R76n(若しくはR72n)
={Vad2−Vad4×(R20n+R21n)/R21n}
/(Vad4/R21n)
=R21n×Vad2/Vad4−(R20n+R21n)
・・・・・・・・・・・式(3)

但し、前記電磁コイル71nの抵抗値は、前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)のデジタル変換値の最小単位の値よりも小さな値となっており、又、前記式(2)又は式(3)において適用される給電抵抗19nの抵抗値R19nと、前記上流と下流の分圧抵抗20n、21nの抵抗値R20n、R21nの値は、前記プログラムメモリ323又は前記データメモリ324に予め格納されている既知の固定定数となっている。
前記電磁コイル71nの下流側端子Bと付加接続端子Dとの間には付加ラベル抵抗74nが接続されており、前記駆動回路370nは、前記定電圧電源320aと前記下流側端子Bとの間に接続された前記測定回路となる給電抵抗19nと、前記付加接続端子Dとグランド回路との間に接続された直列抵抗22nと計測トランジスタ23nを備えるとともに、前記駆動抵抗19nの出力側の電圧は、アナログ入力ポートAD2nを介して前記多チャンネルAD変換器325に接続され、前記付加接続端子Dとグランド回路間の電圧はアナログ入力ポートAD6nを介して前記多チャンネルAD変換器325に接続され、前記計測トランジスタ23nは、前記マイクロプロセッサ321が発生する計測指令信号SELによって開閉駆動される。前記付加ラベル抵抗74nの抵抗値R74nは、前記給電用開閉素子320cと制御用開閉素子10nを開路し、前記計測トランジスタ23nを閉路している状態で測定され、前記直列抵抗22nの抵抗値をR22nとし、前記アナログ入力ポートAD6nへの入力電圧をVad6としたときに、式(4)に基づいて前記マイクロプロセッサ321によって算出されるものであり、

R74n
=(Vad2−Vad6)/(Vad6/R22n)
=R22×(Vad2/Vad6−1) ・・・・・・・・式(4)

前記直列抵抗22nの抵抗値R22は、既知の固定制御定数として予め前記プログラムメモリ323、又は前記データメモリ324に書込みされており、前記給電電流制御装置320Unの運転中においては、前記給電用開閉素子320cは閉路され、前記計測トランジスタ23nは開路されている。
以上のとおり、リニアソレノイド内の電磁コイルには下流側端子に接続された付加ラベル抵抗を備え、当該付加ラベル抵抗の抵抗値は、給電用開閉素子と制御用開閉素子を開路し、計測トランジスタを閉路している状態で測定されるように構成されている。従って、運転中に電磁コイルに対する漏洩電流が発生せず、付加ラベル抵抗による電力損失が発生しないで、複数種類のパラメータデータを得ることができる特徴がある。又、付加ラベル抵抗測定回路内に介在する計測トランジスタは、小信号用で微小電圧降下となるので精確に抵抗値を測定することができる特徴がある。又、ラベル抵抗と付加ラベル抵抗を併用すると、電流対油圧特性を二本の折線で近似して、大電流領域における調整係数と勾配係数、小電流領域における調整係数と勾配係数を設定することによって、より精確な電流対圧力特性を得ることができる特徴がある。
前記駆動回路370nは、更に、前記給電用開閉素子320cが閉路したときに、前記下流分圧抵抗21nに対して並列抵抗30nを接続するための並列トランジスタ31nを備え、前記並列トランジスタ31nは、前記給電用開閉素子320cが開路していて、前記給電抵抗19nを介して前記制御電圧Vcc以下の電圧が印加されているときには閉路しないように構成されている。
前記給電ダイオード73nには前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)が並列接続さ
れているとともに、前記電磁コイル71nとの接続点には温度センサ75nの一端が接続され、当該温度センサ75nの他端は接続端子Eに接続され、前記駆動回路370nは、前記接続端子Eとグランド回路との間に接続された直列抵抗26nを備えるとともに、前記直列抵抗26nの両端電圧は、アナログ入力ポートAD5nを介して前記多チャンネルAD変換器325に接続され、前記温度センサ75nの抵抗値R75nは、前記給電用開閉素子320cが閉路して、給電電圧Vbbを発生している運転中に測定され、前記直列抵抗26nの抵抗値をR26nとし、前記給電ダイオード73nの順方向電圧降下をΔVd<<Vbbとし、前記アナログ入力ポートAD5nへの入力電圧をVad5とし、前記下流分圧抵抗21nと並列抵抗30nとの並列抵抗をR21n//R30nとし、
分圧比Kn=(R21n//R30n)/{R20+(R21n//R30n)}
としたときに、下記の式(5)に基づいて前記マイクロプロセッサ321によって算出されるものである。

R75n
=(Vbb−ΔVd−Vad5)/(Vad5/R26n)
≒(Vbb/Vad5−1)×R26n
=[{Vad4/Kn}/Vad5−1]×R26n ・・・・・・・・式(5)

前記分圧比Knの値と、前記直列抵抗26nの抵抗値R26nとは予め前記プログラムメモリ323、又は前記データメモリ324に書込みされており、前記温度センサ75nは、前記電磁コイル71nの近傍温度、又はリニアソレノイド307nの近傍の油温を測定するものである。
以上のとおり、リニアソレノイドは、運転中の油温又は電磁コイルの温度を検出することができる温度センサを内蔵している。従って、油温の変化に応動して目標電流を調整したり、電磁コイルの抵抗値を測定して電流制御におけるオフセット誤差を低減することができる特徴がある。
前記リニアソレノイド307a〜307nの上流側端子Cは、前記給電用開閉素子320cを介して前記車載バッテリ102の正端子に接続されているとともに、下流側端子Bは、前記制御用開閉素子10nに接続され、前記電磁コイル71nは、並列接続された転流ダイオード77nと直列接続された給電ダイオード73nを備え、当該直列回路の一端は前記上流側端子Cに接続されるとともに、他端は前記下流側端子Bに接続されており、前記給電ダイオード73nには前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)が並列接続されているとともに、前記電磁コイル71nとの接続点には温度センサ75nの一端が接続され、当該温度センサ75nの他端は接続端子Eに接続されている。
前記給電電流制御装置320Unの運転中においては、前記温度センサ75nによって前記電磁コイル71nの近傍温度を測定し、測定された近傍温度に基づいて電磁コイル71nの現状抵抗値を推定し、前記アナログ入力ポートAD4nに入力された信号電圧から給電電圧Vbbを推定し、推定された前記現状抵抗値と給電電圧Vbbから目標とする給電電流を得るための通電デューティを演算算出するか、又は所定のデータテーブルを用いて通電デューティを決定し、前記マイクロプロセッサ321は、当該通電デューティによって指令信号を発生して前記制御用開閉素子10nを開閉制御するように構成されている。
以上のとおり、リニアソレノイド内で転流ダイオードが並列接続された電磁コイルには給電ダイオードが直列接続され、当該給電ダイオードにはラベル抵抗が並列接続されているとともに、リニアソレノイドは電磁コイルの温度を検出するための温度センサを内蔵し、推定された電磁コイルの現状抵抗値と給電電圧に基づいて開閉素子の通電デューティを制御して、電磁コイルに対する給電電流が所定の目標電流となるようにオープンループ制御するように構成されている。従って、電流検出による負帰還制御方式に比べて給電電流のリップル変動が小さくなり、安定した給電電流が得られる特徴がある。又、車載バッテリへの接続極性を誤って配線されたときに、給電用開閉素子と制御用開閉素子が逆導通して、転流ダイオードを介して電源短絡されるのを給電ダイオードによって阻止することができるので、逆流防止ダイオードを外部に設ける必要がなく、回路部品の削減と余分な発熱を防止することができる特徴がある。
前記電磁コイル71nの一方又は他方の端子電圧に比例した第二又は第三の電圧信号の内の複数の電圧信号は、前記コントロールモジュール320Ma〜320Mnのアナログ入力ポートAD2n、AD4nに入力され、前記プログラムメモリ323は、配線異常検出手段3918となる制御プログラムを包含し、前記マイクロプロセッサ321は、前記複数のアナログ入力ポートAD2n、AD4nに入力された電圧信号によって、前記リニアソレノイド307a〜307nへ接続される正負の配線の相互短絡異常、或いはどちらか一方の配線が電源線と混触する天絡異常又は車体と混触する地絡異常の発生を検出し、当該異常検出時には前記給電用開閉素子320cと制御用開閉素子10nに対する開路指令を発生するように構成されている。
前記給電電流制御装置320Ua〜320Unは、変速機の筐体外に設置されたエンジン制御装置310Uと協働して、相互に入出力信号を交信するものであるとともに、前記エンジン制御装置310Uは、給電対象となる前記リニアソレノイド307a〜307nを選択決定し、選択されたリニアソレノイドに対して目標油圧を設定し、設定された目標油圧を前記給電電流制御装置320Ua〜320Unに送信し、前記給電電流制御装置320Ua〜320Unは、又、複数の前記リニアソレノイド307a、307nの夫々に対してコネクタ接続により一体化されて変速機の筐体内に設置され、前記エンジン制御装置310Uから指令された目標油圧を得るための指令信号を発生するコントロールモジュール320Ma〜320Mnと、前記リニアソレノイド307a〜307nに対して駆動電流を供給する駆動回路370a〜370nとを備えている。
前記リニアソレノイド307a〜307nは、前記電磁コイル71nによる電磁力とスプリング44とによる反抗力とが作用するプランジャ43aによってリリーフ弁43bを開閉駆動し、所定油温において前記電磁コイル71nに対する給電電流に対応した所定油圧が得られるものであり、前記ラベル抵抗76n(若しくは72n)は、所定の油温において、前記電磁コイル71nに対する給電電流の値と前記リリーフ弁43bによって減圧された作動油49bの圧力との現品特性と標準特性からの乖離を補正して、目標とする油圧に対応した給電電流を設定するための補正係数に対応した抵抗値を有するものであり、前記給電電流制御装置320Ua〜320Un又は前記エンジン制御装置310Uの一方には、変速機内の油温を推定するための温度センサ380が接続され、前記プログラムメモリ323又は前記データメモリ324には変速機内の油温に対する前記作動油49bの圧力変動特性に関する標準データが予め格納されており、前記マイクロプロセッサ321は、前記温度センサ380によって推定された油温に対応して目標とする油圧を得るための給電電流の値を補正するように構成されている。
10n 制御用開閉素子 170a〜170n 駆動回路
13n 逆流防止ダイオード 270a〜270n 駆動回路
14n、77n 転流ダイオード 370a〜370n 駆動回路
15n、27n 電流検出抵抗 190〜390 調整ツール
16n 差動増幅器 808、2808、3808 補正制御定数格納手段17n 温度センサ 915 ラベル抵抗読出変換手段
18n 直列抵抗 918、2918、3918 配線異常検出手段
19n 測定回路(給電抵抗)
20n 分圧抵抗(上流側)
21n 分圧抵抗(下流側) A グランド端子
22n 直列抵抗 AD1n〜AD6n アナログ入力ポート
23n 計測トランジスタ B 下流側端子
26n 直列抵抗 C 上流側端子
30n 並列抵抗 D 付加接続端子
31n 並列トランジスタ E 接続端子
43a プランジャ GND 回路グランド
43b リリーフ弁 Kn 分圧比
44 スプリング SEL 計測指令信号
49b 作動油 Vad1〜Vad6 入力電圧
50 封止樹脂 Vbb 給電電圧
52 窓穴 Vcc 制御電圧
54a、54b 調整窓
71n コイル
72n ラベル抵抗(ラダー形式)
73n 給電ダイオード
74n 付加ラベル抵抗
75n 温度センサ
76n ラベル抵抗(トリミング方式)
78n 第一の抵抗
79n 第二の抵抗
100 変速機制御装置
200a〜200n 変速機制御装置
300a〜300n 変速機制御装置
102 車載バッテリ
107〜307 ギアボックス
107a〜107n リニアソレノイド
207a〜207n リニアソレノイド
307a〜307n リニアソレノイド
110U〜310U エンジン制御装置
120U 給電電流制御装置
180〜380 温度センサ
220Ua〜220Un 給電電流制御装置
320Ua〜320Un 給電電流制御装置
120a〜320a 定電圧電源(制御電源)
120c、210c、320c 給電用開閉素子
120M コントロールモジュール
220Ma〜220Mn コントロールモジュール
320Ma〜320Mn コントロールモジュール
121〜321 マイクロプロセッサ
123〜323 プログラムメモリ
124〜324 データメモリ
125〜325 多チャンネルAD変換器

Claims (17)

  1. 車両用変速機に内蔵された油圧調整弁に作用して、給電電流に対応した調整油圧出力を発生する複数のリニアソレノイドと、前記各リニアソレノイドに対する前記給電電流を制御する給電電流制御装置とを備えた変速機制御装置であって、
    前記リニアソレノイドは、電磁コイルと、当該リニアソレノイドの動作特性に関する個体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータとなる抵抗値を有するラベル抵抗と、が一体化されて構成されており、
    前記給電電流制御装置は、車載バッテリと複数の前記リニアソレノイドの全体又は個々のリニアソレノイドとの間に接続された給電用開閉素子の出力電圧である給電電圧と、前記車載バッテリから給電される定電圧電源の出力電圧である制御電圧によって動作する駆動回路と、コントロールモジュールと、前記駆動回路に内蔵され前記リニアソレノイドの他端に個別に直列接続された制御用開閉素子とを備え、
    前記駆動回路は、前記ラベル抵抗に通電して、当該ラベル抵抗の抵抗値を測定するための測定回路を備え、
    前記コントロールモジュールは、前記制御用開閉素子の導通状態を制御するための指令信号を発生するマイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリと、当該プログラムメモリの一部領域若しくは当該プログラムメモリが分割して設けられた不揮発性のデータメモリと、前記制御電圧が基準電圧として印加される多チャンネルAD変換器とを包含し、
    前記プログラムメモリは、補正制御定数格納手段とラベル抵抗読出変換手段となる制御プログラムを備え、
    前記補正制御定数格納手段は、外部接続された調整ツールと協働して、前記駆動回路における電流制御定数を測定し、回路部品の個体バラツキ変動があっても、目標電流に合致した給電電流を得るための補正係数を算出して、当該補正係数を前記プログラムメモリ又は前記データメモリに格納し、
    前記ラベル抵抗読出変換手段は、前記測定回路から前記ラベル抵抗に流入する測定電流と、前記ラベル抵抗に印加された測定電圧との比率によって前記ラベル抵抗の抵抗値を算出し、前記算出された抵抗値に基づいて前記リニアソレノイドの個体バラツキ変動を補正するためのパラメータデータを算出又は選択決定して、前記データメモリ又は前記RAMメモリに格納するように動作し、当該動作が電源スイッチが投入された運転開始時に実行されるように構成され、
    前記リニアソレノイドが保守交換されても、交換されたリニアソレノイドに付加されたラベル抵抗の抵抗値に応動して給電電流が制御される、
    ことを特徴とする変速機制御装置。
  2. 前記ラベル抵抗は、
    順次直列接続された複数個の第一の抵抗と、
    前記第一の抵抗の抵抗値の2倍の抵抗値を有し、一端が、前記複数個の第一の抵抗が直列接続された直列回路の始点位置及び終点位置と前記複数の第一の抵抗の相互の接続点位置とに接続され、他端が、短絡若しくは開放端子を介して選択的に相互に接続され、前記複数個の第一の抵抗とともにラダー回路を構成する第二の抵抗と、
    を有し、
    前記短絡若しくは開放端子は、前記複数の第一の抵抗と前記複数の第二の抵抗とを密閉封止する封止樹脂の窓穴に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機制御装置。
  3. 前記ラベル抵抗は、封止樹脂により密閉封止されているとともに、当該封止樹脂に設けられた調整窓から抵抗値の調整を行ない得るレーザトリミング抵抗により構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の変速機制御装置。
  4. 前記コントロールモジュールによって測定された前記ラベル抵抗の抵抗値のデジタル変換値は、上位ビット群と下位ビット群に分割されて使用され、
    前記ラベル抵抗の上位ビット群と下位ビット群のうちの何れか一方は、前記リニアソレノイドの所定電流に対応した圧力と基準となる圧力との比率である調整係数を選択する第一のパラメータであり、他方は、電流対油圧特性の勾配と標準勾配との比率である勾配係数を選択する第二のパラメータである、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の変速機制御装置。
  5. 前記給電電流制御装置と前記リニアソレノイドとは、グランド回路となる共通の導電性部材に固定され、
    前記電磁コイルは、その上流側端子側が前記給電用開閉素子を介して前記車載バッテリの正端子に接続され、下流側端子側が前記制御用開閉素子に接続され、
    前記ラベル抵抗は、その一端が前記電磁コイルの下流側端子に接続され、他端が前記グランド端子に接続され、
    前記駆動回路は、前記定電圧電源から前記下流側端子を介して前記ラベル抵抗に給電する前記測定回路となる給電抵抗を備え、
    前記給電用開閉素子と前記制御用開閉素子が開路したとき、前記ラベル抵抗に前記給電抵抗を介して前記定電圧電源から前記制御電圧が印加されるとともに、前記ラベル抵抗の両端電圧がアナログ入力ポートAD2を介して前記多チャンネルAD変換器に入力され、
    前記制御電圧をVcc、前記ラベル抵抗の抵抗値をR72n(若しくはR76n)、前記給電抵抗の抵抗値をR19nとし、前記アナログ入力ポートAD2nへの入力電圧をVad2としたとき、前記ラベル抵抗の抵抗値R72n(若しくはR76n)は、下記の式(1)に基づいて前記マイクロプロセッサにより算出され、
    R72n(若しくはR76n)
    =Vad2/{(Vcc−Vad2)/R19n}
    =R19n×(Vad2/Vcc)
    /{1−(Vad2/Vcc)} ・・・・・式(1)
    前記ラベル抵抗の最小抵抗は、前記電磁コイルの最大抵抗値よりも大きな値であって、前記制御用開閉素子が開路しているときに、前記車載バッテリから前記給電用開閉素子と前記電磁コイルの上流側端子と当該電磁コイルと前記ラベル抵抗を経由してグランド回路に至る漏洩電流によって前記リニアソレノイドが誤作動しない値に制限されており、
    前記給電抵抗の抵抗値R19nは、前記プログラムメモリ又は前記データメモリに予め格納されている既知の固定定数である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の変速機制御装置。
  6. 前記リニアソレノイドの電磁コイルは、前記ラベル抵抗が並列接続された給電ダイオードに直列に接続され、
    当該電磁コイルと給電ダイオードとの直列回路の一端は、前記リニアソレノイドの上流側端子と接続され、他端は前記リニアソレノイドの下流側端子に接続され、
    前記上流側端子側は、前記給電用開閉素子を介して前記車載バッテリの正端子に接続され、前記下流側端子側は、前記制御用開閉素子に接続され、
    前記駆動回路は、前記定電圧電源から前記下流側端子を介して前記ラベル抵抗に給電する前記測定回路となる給電抵抗を備えるとともに、前記給電用開閉素子の出力側に接続された上流分圧抵抗と下流分圧抵抗を備え、
    前記給電用開閉素子と前記制御用開閉素子が開路したとき、前記ラベル抵抗に前記給電抵抗と前記電磁コイルと前記上流と下流の分圧抵抗とを介して前記定電圧電源から前記制御電圧が印加されるとともに、前記給電抵抗の出力側の電圧と前記下流分圧抵抗の両端電圧は、夫々アナログ入力ポートAD2n、AD4nを介して前記多チャンネルAD変換器に入力され、
    前記制御電圧をVcc、前記ラベル抵抗の抵抗値をR72n(R76n)、前記給電抵抗の抵抗値をR19n、上流分圧抵抗の抵抗値をR20n、下流分圧抵抗の抵抗値をR21n、前記アナログ入力ポートAD2nへの入力電圧をVad2、前記アナログ入力ポートAD4nへの入力電圧をVad4としたとき、前記ラベル抵抗抵抗値R72n(R76n)は、下記の式(2)又は式(3)に基づいて前記マイクロプロセッサにより算出され、
    R72n(若しくはR76n)
    ={Vad2−Vad4×(R20n+R21n)/R21n}
    /{(Vcc−Vad2)/R19n}
    =R19n×{(Vad2/Vcc)−(Vad4/Vcc)
    ×(R20n+R21n)/R21n}
    /(1−Vad2/Vcc) ・・・・・式(2)
    R72n(若しくはR76n)
    ={Vad2−Vad4×(R20n+R21n)/R21n}
    /(Vad4/R21n)
    =R21n×Vad2/Vad4−(R20n+R21n)
    ・・・・・式(3)
    前記電磁コイルの抵抗値は、前記ラベル抵抗のデジタル変換値の最小単位の値よりも小さな値であり、
    前記式(2)又は式(3)において適用される給電抵抗の抵抗値R19nと、前記上流分圧抵抗と下流分圧抵抗の抵抗値R20n、R21nの値は、前記プログラムメモリ又は前記データメモリに予め格納されている既知の固定定数である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の変速機制御装置。
  7. 前記電磁コイルの下流側端子と付加接続端子との間には、付加ラベル抵抗74nが接続され、
    前記駆動回路は、前記定電圧電源と前記下流側端子との間に接続された前記測定回路となる給電抵抗と、前記付加接続端子とグランド回路との間に接続された直列抵抗と計測トランジスタを備え、
    前記駆動回路の出力側の電圧は、アナログ入力ポートAD2nを介して前記多チャンネルAD変換器に接続され、
    前記付加接続端子とグランド回路間の電圧は、アナログ入力ポートAD6nを介して前記多チャンネルAD変換器に接続され、
    前記計測トランジスタは、前記マイクロプロセッサが発生する計測指令信号によって開閉駆動され、
    前記給電用開閉素子と制御用開閉素子を開路し、前記計測トランジスタを閉路している状態で測定された前記付加ラベル抵抗の抵抗値R74nは、前記直列抵抗の抵抗値をR22n、前記アナログ入力ポートAD6nへの入力電圧をVad6としたとき、下記の式(4)に基づいて前記マイクロプロセッサによって算出され、
    R74n=(Vad2−Vad6)/(Vad6/R22n)
    =R22×(Vad2/Vad6−1) ・・・・・式(4)
    前記直列抵抗の抵抗値R22は、既知の固定制御定数として予め前記プログラムメモリ、又は前記データメモリに書込みされており、
    前記給電電流制御装置の運転中において、前記給電用開閉素子は閉路され、前記計測トランジスタは開路されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の変速機制御装置。
  8. 前記駆動回路は、更に、前記給電用開閉素子が閉路したときに、前記下流分圧抵抗に対して並列抵抗を接続するための並列トランジスタを備え、
    前記並列トランジスタは、前記給電用開閉素子が開路していて、前記給電抵抗を介して前記制御電圧以下の電圧が印加されているときには閉路しないように構成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の変速機制御装置。
  9. 前記給電ダイオードは、前記ラベル抵抗が並列接続され、
    前記電磁コイルとの接続点は、温度センサの一端が接続され、当該温度センサの他端は接続端子に接続され、
    前記駆動回路は、前記接続端子とグランド回路との間に接続された直列抵抗を備え、
    前記直列抵抗の両端電圧は、アナログ入力ポートAD5nを介して前記多チャンネルAD変換器に接続され、
    前記給電用開閉素子が閉路して給電電圧Vbbを発生している運転中に測定された前記温度センサの抵抗値R75nは、前記直列抵抗の抵抗値をR26n、前記給電ダイオードの順方向電圧降下をΔVd<<Vbb、前記アナログ入力ポートAD5nへの入力電圧をVad5、前記下流分圧抵抗と並列抵抗との並列抵抗をR21n//R30n、分圧比Knを(R21n//R30n)
    /{R20+(R21n//R30n)}、としたとき、下記の式(5)に基づいて前記マイクロプロセッサによって算出されるものであり、
    R75n
    =(Vbb−ΔVd−Vad5)/(Vad5/R26n)
    ≒(Vbb/Vad5−1)×R26n
    =[{Vad4/Kn}/Vad5−1]×R26n ・・・・・式(5)
    前記分圧比Knの値と、前記直列抵抗の抵抗値R26nとは予め前記プログラムメモリ、又は前記データメモリに書込みされており、
    前記温度センサは、前記電磁コイルの近傍温度、又はリニアソレノイドの近傍の油温を測定するものである、
    ことを特徴とする請求項8に記載の変速機制御装置。
  10. 前記リニアソレノイドの上流側端子は、前記給電用開閉素子を介して前記車載バッテリの正端子に接続され、下流側端子は、前記制御用開閉素子に接続され、
    前記電磁コイルは、並列接続された転流ダイオードと直列接続された給電ダイオードを備え、
    前記転流ダイオードと前記給電ダイオードとの直列回路の一端は、前記上流側端子に接続され、他端は、前記下流側端子に接続され、
    前記給電ダイオードには、前記ラベル抵抗が並列接続され、
    前記電磁コイルとの接続点には、温度センサの一端が接続され、
    当該温度センサの他端は、接続端子に接続され、
    前記給電電流制御装置の運転中において、前記温度センサによって前記電磁コイルの近傍温度を測定し、前記測定された近傍温度に基づいて前記電磁コイルの現状抵抗値を推定し、前記アナログ入力ポートAD4nに入力された信号電圧から給電電圧Vbbを推定し、推定された前記現状抵抗値と給電電圧Vbbとから目標とする給電電流を得るための通電デューティを演算算出するか、又は所定のデータテーブルを用いて通電デューティを決定し、
    前記マイクロプロセッサは、当該通電デューティによって指令信号を発生して前記制御用開閉素子を開閉制御する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の変速機制御装置。
  11. 前記リニアソレノイドの上流側端子は、前記給電用開閉素子を介して前記車載バッテリの正端子に接続され、下流側端子は、電流検出抵抗を介して前記制御用開閉素子に接続され、
    前記電磁コイルは、前記ラベル抵抗が並列接続された給電ダイオードと直列接続され、 前記電磁コイルと前記給電ダイオードとの直列回路の一端は、前記上流側端子に接続され、他端は、前記下流側端子に接続されており、
    前記電流検出抵抗の両端電圧は、差動増幅器とアナログ入力ポートAD1nを介して前記多チャンネルAD変換器に入力され、
    前記給電ダイオードと前記電磁コイルと前記電流検出抵抗との直列回路に対して、前記給電用開閉素子を介して並列接続された転流ダイオードを備え、
    前記マイクロプロセッサは、前記アナログ入力ポートAD1nに入力された給電電流の値を参照して、前記制御用開閉素子の開閉全期間における平均電流を算出し、当該平均電流が目標となる給電電流となるように前記制御用開閉素子の導通状態を制御するための指令信号を発生し、
    前記給電用開閉素子又は前記制御用開閉素子には、逆流防止ダイオードが直列接続されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の変速機制御装置。
  12. 前記リニアソレノイドの上流側端子は、前記給電用開閉素子を介して前記車載バッテリの正端子に接続され、下流側端子は、電流検出抵抗を介して前記制御用開閉素子に接続され、
    前記電磁コイルに並列接続された転流ダイオードと直列接続された給電ダイオードを備え、
    前記転流ダイオードと前記給電ダイオードとの直列回路の一端は、前記上流側端子に接続され、他端は、前記下流側端子に接続され、
    前記ラベル抵抗は、前記給電ダイオードと並列接続されており、
    前記電流検出抵抗の両端電圧は、差動増幅器とアナログ入力ポートAD1nを介して前記多チャンネルAD変換器に入力され、
    前記マイクロプロセッサは、前記制御用開閉素子が閉路しているときに前記アナログ入力ポートAD1nに入力された給電電流の値を参照して、前記制御用開閉素子が開路して前記電磁コイルの励磁電流が前記転流ダイオードを介して転流しているときの減衰励磁電流を推定し、開閉全期間における平均電流を算出するとともに、目標となる給電電流となるように前記制御用開閉素子の導通状態を制御するための指令信号を発生する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の変速機制御装置。
  13. 前記電流検出抵抗の近傍には温度センサが配置され、
    前記温度センサは、直列抵抗を介して前記定電圧電源に接続され、
    前記温度センサ又は前記直列抵抗の両端電圧は、アナログ入力ポートAD3nを介して前記多チャンネルAD変換器に入力され、
    前記調整ツールは、前記マイクロプロセッサと協働して、前記温度センサの測定環境温度における抵抗値を基準温度に換算した換算抵抗値であるか、又は当該換算抵抗値を基準抵抗値で割って得られる補正係数を算出して、前記プログラムメモリ又は前記データメモリに格納し、
    前記電流検出抵抗の基準温度における抵抗値と温度上昇に伴う抵抗変動値を算出するための温度係数と、前記温度センサの基準温度における抵抗値と温度上昇に伴う抵抗変動値を算出するための温度係数と、前記直列抵抗の抵抗値R18nとは、既知の固定制御定数として予め前記プログラムメモリ、又は前記データメモリに書込みされており、
    前記給電電流制御装置の運転中において、前記電流検出抵抗の近傍温度に基づいて、前記アナログ入力ポートAD1nに入力された電流検出値のデジタル変換値又は目標電流に対応した設定値を補正し、温度変化によって電流検出抵抗の変動が発生しても、目標とする給電電流が得られるように前記補正を制御する、
    ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の変速機制御装置。
  14. 前記電磁コイルに直列接続された電流検出抵抗の両端電圧に比例した第一の電圧信号、又は前記電磁コイルの一方又は他方の端子電圧に比例した第二又は第三の電圧信号の内の複数の電圧信号は、前記コントロールモジュールのアナログ入力ポートに入力され、
    前記プログラムメモリは、配線異常検出手段となる制御プログラムを包含し、
    前記マイクロプロセッサは、前記複数のアナログ入力ポートに入力された電圧信号によって、前記リニアソレノイドへ接続される正負の配線の相互短絡異常、或いは何れか一方の配線が電源線と混触する天絡異常又は車体と混触する地絡異常の発生を検出し、当該異常検出時には前記給電用開閉素子と制御用開閉素子に対する開路指令を発生する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の変速機制御装置。
  15. 前記給電電流制御装置は、互いに分離して設置されたエンジン制御装置と協働して、相互に入出力信号を交信するものであり、変速機の筐体外壁又は筐体内壁に設置され、
    前記変速機の筐体内に設置された複数の前記リニアソレノイドは、コネクタを介して前記給電電流制御装置と接続され、
    前記給電電流制御装置は、給電対象となる前記リニアソレノイドを選択決定し、選択されたリニアソレノイドに対して目標油圧を設定し、設定された目標油圧を得るための指令信号を発生する一つのコントロールモジュールと、それぞれの前記リニアソレノイドに対して駆動電流を供給する駆動回路とを備えている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の変速機制御装置。
  16. 前記給電電流制御装置は、変速機の筐体外に設置されたエンジン制御装置と協働して、相互に入出力信号を交信するものであり、
    前記エンジン制御装置は、給電対象となる前記リニアソレノイドを選択決定し、選択されたリニアソレノイドに対して目標油圧を設定し、設定された目標油圧を前記給電電流制御装置に送信し、
    前記給電電流制御装置は、複数の前記リニアソレノイドの夫々に対してコネクタ接続により一体化されて前記変速機の筐体内に設置され、前記エンジン制御装置から指令された目標油圧を得るための指令信号を発生するコントロールモジュールと、前記リニアソレノイドに対して駆動電流を供給する駆動回路とを備えている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の変速機制御装置。
  17. 前記リニアソレノイドは、前記電磁コイルによる電磁力とスプリングとによる反抗力とが作用するプランジャによってリリーフ弁を開閉駆動し、所定油温において前記電磁コイルに対する給電電流に対応した所定油圧を得るものであり、
    前記ラベル抵抗は、所定の油温において、前記電磁コイルに対する給電電流の値と前記リリーフ弁によって減圧された作動油の圧力との現品特性と標準特性からの乖離を補正して、目標とする油圧に対応した給電電流を設定するための補正係数に対応した抵抗値を有するものであり、
    前記給電電流制御装置又は前記エンジン制御装置の一方には、変速機内の油温を推定するための温度センサが接続され、
    前記プログラムメモリ又は前記データメモリには、変速機内の油温に対する前記作動油の圧力変動特性に関する標準データが予め格納されており、
    前記マイクロプロセッサは、前記温度センサによって推定された油温に対応して目標とする油圧を得るための給電電流の値を補正する、
    ことを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の変速機制御装置。
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