JP2013197394A - 磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパー - Google Patents

磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパー Download PDF

Info

Publication number
JP2013197394A
JP2013197394A JP2012064202A JP2012064202A JP2013197394A JP 2013197394 A JP2013197394 A JP 2013197394A JP 2012064202 A JP2012064202 A JP 2012064202A JP 2012064202 A JP2012064202 A JP 2012064202A JP 2013197394 A JP2013197394 A JP 2013197394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
fluid
magnetic fluid
magnetic powder
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012064202A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6313923B2 (ja
Inventor
Isamu Otsuka
勇 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012064202A priority Critical patent/JP6313923B2/ja
Publication of JP2013197394A publication Critical patent/JP2013197394A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6313923B2 publication Critical patent/JP6313923B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】流体特性の長期安定性に寄与し、かつ、磁性流体に適した高い磁気特性を有する磁性流体用磁性粉末、長期安定性と優れた流体特性とを有する磁性流体、および減衰力を長期にわたって正確に制御可能なダンパーを提供すること。
【解決手段】ダンパー1は、シリンダー2と、このシリンダー2の天井部21を貫通し、シリンダー2内に延伸するよう設けられたピストンロッド31と、ピストンロッド31の下端に設けられたピストン3と、シリンダー2内に収納された磁性流体10と、を有している。また、ダンパー1には、磁性流体10に磁界を付与する磁界形成手段が設けられている。また、磁性流体10は、Crと、M(MはSiおよびAlの少なくとも一方)と、を含み、残部がFeおよび不可避元素で構成されており、Crの含有率が0.5質量%以上13質量%以下であり、かつ、Mの含有率が0.5質量%以上13質量%以下である磁性粉末を含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパーに関するものである。
磁性流体は、表面を界面活性剤で覆われた強磁性材料の磁性粒子やフェライト粒子を、液状の分散媒中に分散させてなる機能性流体である。このような磁性流体では、たとえ磁性粒子やフェライト粒子が磁化しても、各粒子同士が凝集することなく、分散状態が維持される。このため、磁性流体全体が磁性を帯びた液体のように振る舞うことができる。
また、磁性流体には、外部磁界に応じて、その粘度や流動性を変化させる性質がある。このため、この性質を利用し、減衰力を自在に変化させることができるダンパー(緩衝器)が実用化されている。
このような減衰力可変ダンパーは、一般に、磁性流体を貯留するシリンダーと、シリンダー内を摺動するピストンと、磁性流体に磁界を付与する磁界形成手段と、を有している。磁界形成手段によって磁性流体に付与される磁界の強度を調整することにより、磁性流体の粘度や流動性等の流体特性を変化させることができる。磁性流体の流体特性が変化すると、ピストンがシリンダー内を摺動する際の抵抗が変化し、ダンパーの減衰力を制御することができる。
かかる特性を利用して、減衰力可変ダンパーは、例えば、路面の状態に応じて、最適な減衰力を選択することができる自動車用のショックアブソーバーとして利用することができる。
減衰力可変ダンパーに用いる磁性流体としては、表面を界面活性剤等で被覆した、主に鉄とフェライトの混合物を含む粒子を、ヒマシ油のような植物油の誘導体に分散してなる磁性流体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、減衰力可変ダンパーが衝撃を吸収する動作を繰り返すと、磁性流体にはピストンやシリンダーによる外力(例えば、せん断力等)が継続的に付与される。ところが、特許文献1に記載されたような磁性流体では、繰り返し外力が加わることによって、粒子が破壊したり欠損したりするという問題がある。磁性流体中の粒子が破壊または欠損すると、磁性流体の流体特性が変化してしまい、減衰力可変ダンパーの減衰力特性に意図しない変化が生じることとなる。
さらに、粒子表面と界面活性剤との間に鉄の水酸化物が発生することにより、界面活性剤の剥離や界面活性剤の劣化が生じる。これにより、粒子が凝集し易くなり、均一な粒子分散が困難となって、流体特性に影響を及ぼす。
また、フェライトのような飽和磁束密度が比較的低い材料では、外部磁界の変化に対して、磁性流体における流体特性の変化に著しく時間を要することがある。この場合、減衰力特性の変化を高い精度で制御することが困難となる。
なお、同様の課題解決を目指すものとして、特許文献2には、Fe−Cr系合金で構成された磁性粒子を含む磁性流体が開示されているが、この磁性流体においても上記課題を十分に解決するには至っていない。
特表2004−511094号公報 特開2008−282929号公報
本発明の目的は、流体特性の長期安定性に寄与し、かつ、磁性流体に適した高い磁気特性を有する磁性流体用磁性粉末、長期安定性と優れた流体特性とを有する磁性流体、および減衰力を長期にわたって正確に制御可能なダンパーを提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の磁性流体用磁性粉末は、Crと、M(MはSiおよびAlの少なくとも一方)と、を含み、残部がFeおよび不可避元素で構成されており、
Crの含有率が0.5質量%以上13質量%以下であり、かつ、Mの含有率が0.5質量%以上13質量%以下であることを特徴とする。
これにより、Crの含有率とMの含有率の最適化を図ることによって、流体特性の長期安定性に寄与し、かつ、磁性流体に適した高い磁気特性を有する磁性流体用磁性粉末が得られる。
本発明の磁性流体用磁性粉末では、Crの含有率をaとし、Mの含有率をbとしたとき、b/aは0.05以上12以下であることが好ましい。
これにより、Crによる耐候性の向上とMによる透磁率の向上とをバランスよく両立させることができる。
本発明の磁性流体用磁性粉末では、Siの含有率が1質量%以上12質量%以下であることが好ましい。
これにより、磁性粉末の透磁率を高めることができ、かつ、磁性粉末の比抵抗を高め磁性粉末に発生する誘導電流を低減することができるので、透磁率の向上と渦電流損失の低減とを両立することができる。
本発明の磁性流体用磁性粉末では、Alの含有率が1質量%以上6質量%以下であることが好ましい。
これにより、磁性粉末の透磁率を高めることができ、かつ、磁性粉末の比抵抗を高め磁性粉末に発生する誘導電流を低減することができるので、透磁率の向上と渦電流損失の低減とを両立することができる。
本発明の磁性流体用磁性粉末では、平均粒径が1μm以上20μm以下であることが好ましい。
これにより、磁性流体における流体特性の最適化を図ることのできる磁性流体用磁性粉末が得られる。
本発明の磁性流体用磁性粉末では、酸素含有率が質量比で100ppm以上10000ppm以下であることが好ましい。
これにより、磁気特性と耐候性とを高度に両立し得る磁性流体用磁性粉末が得られる。
本発明の磁性流体は、本発明の磁性流体用磁性粉末と、
前記磁性流体用磁性粉末の粒子表面を覆う界面活性剤と、
前記磁性流体用磁性粉末を分散させる液相分散媒と、を有することを特徴とする。
これにより、流体特性の長期安定性に寄与し、かつ、高い磁気特性を有する磁性流体用磁性粉末を含んでいるので、長期安定性と優れた流体特性とを有する磁性流体が得られる。
本発明の磁性流体では、前記磁性流体用磁性粉末の含有率が50〜95質量%であることが好ましい。
これにより、流動性に優れるとともに、外部磁界の変化に対して十分な応答性を示す磁性流体が得られる。
本発明の磁性流体では、前記界面活性剤は、オレイン酸塩を主成分とするものであることが好ましい。
これにより、安定性に優れた磁性流体が得られる。
本発明の磁性流体では、前記液相分散媒は、炭化水素系オイル、シリコーン系オイルまたはフッ素系オイルを主成分とするものであることが好ましい。
これにより、耐久性に優れた磁性流体が得られる。
本発明のダンパーは、本発明の磁性流体を貯留するシリンダーと、
該シリンダー内を摺動し、前記シリンダー内の空間を2つに仕切るピストンと、
一端が前記ピストンに接続され、他端が前記シリンダーの外部に位置するピストンロッドと、
前記シリンダー内に貯留された前記磁性流体に及ぶように磁界を形成する磁界形成手段と、を有し、
磁界の作用によって前記磁性流体の流体特性を変化させることにより、減衰力を制御し得ることを特徴とする。
これにより、減衰力を長期にわたって正確に調整することができるダンパーが得られる。
本発明のダンパーでは、前記ピストンに形成され、前記2つの空間と互いに連通する流路を有し、
前記磁界形成手段が前記流路近傍に設けられており、前記流路を通過する前記磁性流体に及ぶように磁界を形成して流体特性を変化させることにより、減衰力を制御し得ることが好ましい。
これにより、磁性流体の粘度をより厳密に調整することができ、減衰力を長期にわたって正確に調整することができるダンパーが得られる。
本発明のダンパーの実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すダンパーの一部を拡大して示す部分拡大図である。 図1に示すダンパーの動作を説明するための図である。 図1に示すダンパーの動作を説明するための図である。
以下、本発明の磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパーについて、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
[ダンパー]
まず、本発明のダンパーについて説明する。
図1は、本発明のダンパーの実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すダンパーの一部を拡大して示す部分拡大図、図3および図4は、図1に示すダンパーの動作を説明するための図である。なお、以下の説明では、図1ないし図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すダンパー1は、上下端が閉塞した円筒状のシリンダー2と、シリンダー2の外部からシリンダー2の天井部21を貫通し、シリンダー2内に延伸するよう設けられたピストンロッド31と、このピストンロッド31の下端に設けられ、シリンダー2内を上下に摺動するピストン3とを有している。また、シリンダー2内には、磁性流体10が収納されている。
このようなダンパー1は、ピストンロッド31の上端部に接続された部材と、シリンダー2の下端部に接続された部材との間で伸縮するように動作する。例えば、ピストンロッド31の上端部が自動車の車体に接続され、シリンダー2の下端部が車輪または車軸に接続されている場合、車体と車輪(車軸)との間隔が伸縮する際に、ダンパー1に伸縮力が付与される。
ダンパー1では、各部材間に加わった伸縮力に伴ってピストン3が摺動するが、この摺動の際、ピストン3には、前述の伸縮力を緩和する方向に磁性流体10から抵抗力が付与される。その結果、ピストン3は、各部材間に加わった伸縮力を緩和し、減衰させる緩衝器として機能する。
また、ダンパー1は、ピストン3内に設けられ、シリンダー2内に収納された磁性流体10に対して磁界を付与するコイル4と、コイル4に電圧を印加する電源回路5とを有している。すなわち、コイル4と電源回路5とにより、磁性流体10に磁界を付与する磁界形成手段が構成されている。
ここで、磁性流体10では、後に詳述するが、磁界の有無や強度に応じてその流体特性(粘度、流動性等)が変化する。このため、前述の磁界形成手段による磁界の有無や強度を適宜設定することにより、磁性流体10の流体特性を調整することができる。このような特性を利用することにより、ダンパー1は、その減衰力を制御し得る減衰力可変ダンパーとなる。
以下、ダンパー1の各部について詳述する。
図1に示すシリンダー2は2層構造(複筒式)になっており、外側の外筒22と内側の内筒23とで構成されている。
また、内筒23の内側の空間は、ピストン3の上方のロッド側室2aと、ピストン3の下方のピストン側室2bとに分けられている。
さらに、ピストン側室2bの下方には、内筒23の内側の空間を仕切るように設けられたベースバルブ24を介して、第1リザーバ室25が設けられている。
ベースバルブ24には、ベースバルブ24を貫通するオリフィス241が設けられており、このオリフィス241を介してピストン側室2bと第1リザーバ室25とが連通している。
また、外筒22と内筒23との間の空間は、第2リザーバ室26である。なお、第1リザーバ室25と第2リザーバ室26とは、内筒23の下端部を介して隣接している。
また、内筒23の第1リザーバ室25と第2リザーバ室26とを隔てる部分には、この部分を貫通するオリフィス231が設けられており、このオリフィス231を介して、第1リザーバ室25と第2リザーバ室26とが連通している。
シリンダー2は、機械的特性および耐油性に優れた材料、例えば各種金属材料で構成されている。また、本実施形態ではシリンダー2が非磁性材料で構成されているのが好ましい。本実施形態では、磁界を発生させるコイル4がピストン3に設けられているため、シリンダー2が非磁性材料で構成されていることにより、ピストン3の周辺以外の部分で、磁性流体10に磁界が付与されるのが抑制または防止される。このため、シリンダー2の全体において、磁性流体10の流体特性を均一にすることができる。
ここで、磁性流体10は、表面を界面活性剤で覆われた磁性粒子を、液相分散媒に分散させてなるものであり、それ全体が磁性を帯びた液体のように振る舞う。なお、磁性流体10については、後に詳述する。
ピストンロッド31は、剛性の高い棒状部材で構成されており、シリンダー2の天井部21の中央部を貫通して、シリンダー2の内外に延伸している。
ピストン3は、円柱状の部材で構成されており、その外側面がシリンダー2の内筒23の内壁面に摺接している。このピストン3により、前述したように、内筒23の内側の空間が、ロッド側室2aとピストン側室2bとに仕切られている。
また、ピストン3を貫通するように、2つのオリフィス32、33が設けられている。この各オリフィス32、33により、ロッド側室2aとピストン側室2bとが連通している。
また、ピストン3の上面のうち、オリフィス32の上端開口部付近には、弁体34が設けられている。この弁体34は、オリフィス32の上端開口部を塞いで、オリフィス32を磁性流体10が流通できない状態(閉状態)と、オリフィス32の上端開口部を開放し、オリフィス32を磁性流体10が流通可能な状態(開状態)と、をとり得るよう構成されている。また、この弁体34は、磁性流体10のピストン側室2bからロッド側室2aへ向かう流れを通過させ、その逆向きの流れを遮断する機能を有する一方向弁になっている。なお、図1および図2は、開状態の弁体34を示している。
この弁体34は、シリンダー2に対してピストン3が摺動し、これに伴って発生する、ピストン3に対する磁性流体10の相対的な流れを駆動力として開閉する。なお、弁体34が閉状態から開状態へと移行するためには、磁性流体10が所定の速さより速く流れることによって、弁体34に所定の大きさ以上の圧力を付与する必要がある。したがって、弁体34は、ピストン3が所定の速さ以上の速さで摺動するときにのみ、開状態をとり得るよう構成されている。このような弁体34により、ダンパー1では、ピストン3の摺動速度が低速のときと高速のときとで減衰力を異ならせることができる。
ピストン3の内部には、リング状のコイル4が設けられている。また、コイル4の外側面の一部は、各オリフィス32、33に臨んでいる。
また、コイル4には、前述したように電源回路5が接続されている。そして、コイル4に電圧を印加すると、コイル4の周囲に、図2に磁力線(破線)として示すような磁界が発生する。
コイル4は、リング状の磁心と、磁心の周囲に巻き回された導線とを有する。なお、磁心と導線とは、磁心表面や導線表面に形成された樹脂製被覆層により電気的に絶縁されている。また、導線の両端が、それぞれ電源回路5に接続されている。このようなコイル4および電源回路5により、磁界形成手段が構成されている。
また、図示しないが、電源は、コイル4に印加する電圧を調整する変圧回路を有している。この変圧回路によれば、コイル4に印加する電圧を変えることができ、コイル4が発生する磁界の強度を変えることができる。
磁心を構成する材料としては、例えば、純鉄、Fe−Si系合金、Fe−Cr系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co系合金、アモルファス金属、ソフトフェライトのような各種軟磁性材料等を用いることができる。また、これらの軟磁性材料は、例えば、積層体、圧粉成形体等の形態で、磁心を構成している。
なお、図1では、ピストン3の内部にコイル4が設けられているが、コイル4の設置箇所は、特に限定されず、例えば、シリンダー2の外筒22や内筒23、ベースバルブ24等に設けられていてもよく、これらの中の複数箇所に併設されていてもよい。
また、図1では、ピストン3に設けられた2つのオリフィス32、33に対して、1つのコイル4を用いて磁界を付与しているが、それぞれ個別のコイルを用いて磁界を付与するようにしてもよい。この場合、各コイルの動作を独立して制御することにより、ダンパー1の減衰力を、より細かく厳密に制御することができる。
次に、図1に示すダンパー1の作用(動作)について説明する。
まず、ダンパー1の圧縮過程について説明する。
ここでは、図3(a)に示すように、ダンパー1が伸長した状態を初期状態とする。
初期状態にあるダンパー1において、ダンパー1の上端部に接続された上部材8と下端部に接続された下部材9との間の距離を縮めようとする外力が加わると、それに伴って、図3(b)に示すように、ピストン3がシリンダー2内を下方に摺動する。このとき、ピストン側室2b内の磁性流体10の一部が、ピストン3に押されてオリフィス241を通過し、第1リザーバ室25に押し出される。また、それに伴って、第1リザーバ室25に充填されていた磁性流体10は、各オリフィス231、231を通過して、第2リザーバ室26へと押し出される。さらに、ピストン側室2b内の磁性流体10の一部は、オリフィス33を通過して、ロッド側室2aへと移動する。
このようにして、上部材8と下部材9との間の圧縮力の一部が、ピストン3の摺動の駆動力や、磁性流体10の流れの駆動力へと変換されることにより、ダンパー1に吸収される。その結果、前記圧縮力を緩和・減衰させることができる。
また、ピストン3の摺動速度が所定の速度以上になると、弁体34が閉状態から開状態となり、オリフィス231にも磁性流体10の流れが形成される。この流れの形成により、ピストン3の摺動速度がこの所定の速度以上になったとき、減衰の程度を変化させることができる。
ここで、ピストン側室2b内の磁性流体10の一部が、各オリフィス32、33を通過している際に、電源回路5によりコイル4に電圧を印加し、図3(c)に磁力線(破線)として示すような磁界を発生させた場合について説明する。磁界が付与されると、各オリフィス32、33中の磁性流体10では、例えば、磁力線に沿って磁性流体10中の磁性粒子(金属粒子)が配列する。
磁性粒子が図3(c)のように配列すると、この磁性粒子が、各オリフィス32、33を流れる磁性流体10の流れを妨げることとなり、磁性流体10の粘度が上昇する。その結果、ダンパー1の減衰力が増大することとなる。このようにして、コイル4および電源回路5を用いて、各オリフィス32、33を流れる磁性流体10の流体特性を変化させることができ、ダンパー1の減衰力を変化させることができる。また、シリンダー2に比べて細径の各オリフィス32、33において、磁性流体10に磁界を付与することにより、磁性流体10の粘度をより厳密に調整することができる。
次に、ダンパー1の伸長過程について説明する。
ここでは、図4(d)に示すように、ダンパー1が圧縮された状態を初期状態とする。
初期状態にあるダンパー1において、上部材8と下部材9との間の距離を広げようとする外力が加わると、それに伴って、図4(e)に示すように、ピストン3がシリンダー2内を上方に摺動する。このとき、ロッド側室2a内の磁性流体10の一部が、ピストン3に押されてオリフィス33を通過し、ピストン側室2bに押し出される。また、ピストン側室2bの体積が増大するのに伴い、第1リザーバ室25内の磁性流体10の一部が、オリフィス241を通過し、ピストン側室2bに流れ込む。さらに、第2リザーバ室26内の磁性流体10の一部は、各オリフィス231、231を通過して、第1リザーバ室25内に流れ込む。
このようにして、上部材8と下部材9との間の伸長力の一部が、ピストン3の摺動の駆動力や、磁性流体10の流れの駆動力へと変換されることにより、ダンパー1に吸収される。その結果、前記伸長力を緩和・減衰させることができる。
ここで、圧縮過程と同様にして、オリフィス33を流れる磁性流体10に対して磁界を付与すると、オリフィス33を流れる磁性流体10の流体特性を変化させることができ、ダンパー1の減衰力を変化させることができる。
以上のような圧縮過程と伸長過程とを連続的に行うことにより、ダンパー1は、上部材8と下部材9との間に発生する伸長力および圧縮力を、それぞれ緩和させることができる。
[磁性流体および磁性粉末]
次に、上述したようなダンパー1に用いることができる磁性流体(本発明の磁性流体)10および磁性流体10に含まれる磁性粉末(本発明の磁性流体用磁性粉末)について説明する。
本発明の磁性流体は、磁性粉末と、その粒子表面を覆う界面活性剤と、この磁性粉末を分散させる液相分散媒と、を有している。
磁性流体では、界面活性剤の作用により、磁界がないときの磁性粒子同士の凝集が防止される。このため、たとえ磁性粒子が磁化したり帯電したりしても、磁性粒子が液相分散媒中に分散した状態が維持されることとなる。このため、磁性流体は、それ全体が磁性を帯びた液体のように振る舞うことができる。前述したように、ダンパー1では、付与される磁界の有無や強度に応じて、磁性流体の流体特性が変化することを利用して、その減衰力が調整可能になっている。
ここで、従来の磁性流体では、磁性粒子として、カルボニル鉄のような鉄の粒子や、フェライト粒子等が用いられていた。
ところが、ダンパーのような可動部品中に磁性流体を用いた場合、ダンパーが伸縮を繰り返すたびに、磁性流体にはピストンやシリンダーによる外力(例えば、せん断力等)が継続的に付与される。ところが、従来の磁性流体では、含まれる磁性粒子が液相分散媒中の水分や外気と接触することによって容易に酸化してしまう現象が多く認められた。この酸化が進行すると、磁性粒子の機械的特性が低下するため、磁性粒子の破壊・欠損を招くこととなる。その結果、磁性流体の流体特性が不本意に変化してしまい、ダンパーの減衰力が不安定になったり、本来の減衰力から逸脱してしまったりすることとなる。
また、カルボニル鉄粒子等は、保磁力が比較的大きい。このため、外部磁界の変化に対して、磁性流体の流体特性の変化が遅れるという問題もあった。このため、ダンパー1の減衰力を高い精度で制御することができなかった。
さらに、フェライト粒子等は、飽和磁束密度が低いため、磁性流体中において外部磁界に対する磁化が弱くなり、磁化力を十分に得ることができなかった。
また、磁性流体用に特化したFe−Cr系合金粉末やFe−B系合金粉末も提案されているが、これらも磁性流体として使用されたときの長期安定性と優れた流体特性との両立という観点おいて十分とは言えなかった。
そこで、本発明の磁性流体では、磁性粉末として、Crと、M(MはSiおよびAlの少なくとも一方)と、を含み、残部がFeおよび不可避元素で構成されているものであって、Crの含有率が0.5質量%以上13質量%以下であり、かつ、Mの含有率が0.5質量%以上13質量%以下であるものを用いることとした。このような磁性粉末は、粒子表面に酸化物被膜、具体的にはCrやMに由来する酸化物被膜を有するものとなる。この酸化物被膜は、化学的に安定であるとともに、粒子表面に界面活性剤を吸着させた場合に吸着力を高め得るものとなる。このため、本発明に係る磁性粉末は、優れた流体特性を長期にわたって安定的に維持する磁性流体の実現に適したものとなる。
特にCrは、Feが酸化するよりも先に酸化するため、酸化鉄の発生を抑えつつ化学的に安定な酸化クロムを生じさせる。酸化クロムは特に高い化学的安定性および機械的安定性を有していることから、磁性粉末の耐候性の向上と界面活性剤の吸着力の向上とを高度に両立させることができる。また、磁性粉末の耐候性が向上することにより、機械的特性も長期にわたって維持されることとなり、磁性粉末の粒子が破壊、欠損してしまうのを防止することができる。
なお、Mとは、Si単独、Al単独、またはSiとAlの双方のいずれかを指すものであり、Mの含有率とは、Siの含有率、Alの含有率、またはSiの含有率とAlの含有率の合計のいずれかを指すものである。
また、界面活性剤については後に詳述するが、粒子表面から界面活性剤が脱落してしまうと、磁性流体中において粒子同士が凝集し易くなり、流体特有の性質が失われることとなる。
なお、Crの含有率は、好ましくは1質量%以上11.5質量%以下とされ、より好ましくは1.5質量%以上10.5質量%以下とされる。
また、Mの含有率は、好ましくは1.5質量%以上10.5質量%以下とされ、より好ましくは2.5質量%以上7.5質量%以下とされる。
一方、Siは、Feとともに合金を形成することにより磁性粉末の透磁率を高めることに寄与する。また、Siを前記範囲内で添加することにより、磁性粉末の比抵抗が高くなるため、磁性粉末に発生する誘導電流を低減し、渦電流損失を低減し得る。さらには、Siを前記範囲内で添加することにより、磁性粉末の保磁力も低下するため、磁性粉末は優れた軟磁性を示すものとなる。これにより、透磁率が高くかつ渦電流損失の小さい磁性粉末が得られる。このような磁性粉末を含む磁性流体は、例えば磁心としての機能を備えた磁性流体として好適に用いられる。
また、磁性流体以外の用途、例えば圧粉磁心や磁気遮蔽シート等にも好適に用いられる。
Siの含有率は1質量%以上12質量%以下であるのが好ましく、1.5質量%以上10質量%以下であるのがより好ましく、2.5質量%以上8.5質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上記のSiを添加する効果がより顕著なものとなる。
また、AlもSiと同様、Feとともに合金を形成することにより磁性粉末の透磁率を高めることに寄与する。また、Alを前記範囲内で添加することにより、磁性粉末の比抵抗が高くなるため、磁性粉末に発生する誘導電流の低減に寄与する。これにより、透磁率が高くかつ渦電流損失の小さい磁性粉末が得られる。このような磁性粉末を含む磁性流体は、例えば磁心としての機能を備えた磁性流体として好適に用いられる。
さらに、Alは、Crと同様、粒子表面において化学的に安定な酸化物被膜を形成する。したがって、磁性粉末の耐候性をさらに高めるとともに、界面活性剤の吸着力も向上し、磁性流体の長期安定性の向上が図られる。
Alの含有率は1質量%以上6質量%以下であるのが好ましく、1.5質量%以上5.5質量%以下であるのがより好ましく、2.5質量%以上5質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上記Alを添加する効果がより顕著なものとなる。
以上のように、MがSi単独である場合には、磁性粉末において特に透磁率の向上が図られ、MがAl単独である場合には、磁性粉末において特に耐候性の向上が図られ、MがSiとAlの双方である場合には、磁性粉末において透磁率の向上と耐候性の向上とを両立させることができる。なお、本発明に係る磁性粉末では、Crを必須で含むことから、そもそも高い耐候性を有している。よって、磁性流体の用途や使用環境等に応じてMの組成を適宜選択することにより、最適な磁性流体を実現することができる。
また、Crの含有率をaとし、Mの含有率をbとしたとき、b/aは0.05以上12以下であるのが好ましく、0.3以上10以下であるのがより好ましく、0.5以上8以下であるのがさらに好ましい。これにより、Crによる耐候性の向上とMによる透磁率の向上とをバランスよく両立させることができる。
なお、MがSiとAlの双方を指す場合、SiとAlの比率(質量比)は1:9以上9:1以下であるのが好ましく、2:8以上8:2以下であるのがより好ましく、3:7以上7:3以下であるのがさらに好ましい。SiとAlの比率を前記範囲内に設定することで、磁性粉末の靭性が著しく低下することが防止され、磁性粉末が破壊、欠損し難くなる。
Feは、本発明に係る磁性粉末の主成分である。Feは、この磁性粉末のうち、CrやM以外の残部を占めている。したがって、この磁性粉末の磁気特性はこのFeの影響が支配的になる。
また、本発明に係る磁性粉末は、さらに不可避的に混入する不可避元素を含んでいてもよい。この不可避元素は磁性粉末の原料あるいは磁性粉末の製造時に意図せず混入するものである。具体的には、B(ホウ素)、C(炭素)、O(酸素)、N(窒素)等が挙げられる。なお、不可避元素を含む場合、その含有率は0.5質量%未満であるのが好ましく、0.3質量%以下であるのがより好ましい。
また、本発明に係る磁性粉末は、さらに、P(リン)、S(硫黄)およびMn(マンガン)のうちの少なくとも1種からなる補助剤を含んでいてもよい。このような補助剤は、磁性粉末の硬度を高めることができる。このため、これらの補助剤を含む磁性粉末は、耐摩耗性に優れたものとなり、破壊・欠損の発生をさらに確実に防止し得るものとなる。
また、これらの補助剤は、磁性粉末を構成する磁性材料の融点を下げることができる。このため、磁性材料の溶融する際の加熱温度が同じであれば、溶融金属(溶湯)の粘性を下げることができる。その結果、例えば後述するアトマイズ法のような溶融金属を粉末化する方法で磁性粉末を製造する場合には、溶融金属の粘性が下がることによって、異形状が少なく粒径の揃った磁性粉末が得られる点で有用である。また、このような磁性粉末は、破壊、欠損し難くかつ流動性が高くなる等の利点を有するため、磁界に対する応答性に優れ、流体としての特性が長期にわたって安定的に維持される磁性流体の実現に寄与するものとなる。
磁性粉末におけるP、Sの含有率は、それぞれ、好ましくは0.01〜0.5質量%程度、より好ましくは0.05〜0.3質量%程度とされる。これにより、磁性粉末の脆性が著しく増大してしまうのを防止しつつ、硬度を高めることができる。また、磁性粒子の磁気特性を損なうことなく、磁性材料の温度を十分に下げることができ、異形状が少なくかつ粒径の揃った磁性粒子を確実に得ることができる。
また、Mnの含有率は、好ましくは0.1〜2質量%程度、より好ましくは0.3〜1.5質量%程度とされる。これにより、磁性粒子の硬度を高めることができる。また、補助剤としてSを比較的多く含んでいる場合には、磁性粒子の高温脆性が増大する場合があるが、Mnを前記範囲内の割合で含有していることにより、MnS(硫化マンガン)が生成し、この高温脆性を抑制することができる。したがって、SとMnとを併用することにより、磁性粒子の破壊・欠損を生じ難く、長期にわたって特に安定した流体特性を示す磁性流体が得られる。
なお、本発明に係る磁性粉末は、酸素含有率が質量比で100ppm以上10000ppm以下であるのが好ましく、150ppm以上8500ppm以下であるのがより好ましい。酸素含有率を前記範囲内に抑えることにより、磁性粉末は、磁気特性と耐候性とを高度に両立し得るものとなる。すなわち、酸素含有率が前記下限値を下回る場合には、磁性粉末の粒子に形成される酸化物被膜の厚さが薄いまたは均一に形成されていない等の理由から磁性粉末の耐候性が低下するおそれがあり、一方、酸素含有率が前記上限値を上回る場合には、酸化物被膜が厚くなり過ぎ、その分磁気特性が低下するおそれがある。
磁性粉末中の酸素含有率は、例えば、原子吸光分析装置、ICP発光分光分析装置、酸素窒素同時分析装置等により測定することができる。
本発明に係る磁性粉末の平均粒径は、1〜20μm程度であるのが好ましく、1.5〜15μm程度であるのがより好ましい。これにより、磁性流体において、流体特性の最適化を図ることができる。すなわち、磁性粉末の平均粒径が前記下限値を下回った場合、磁性流体の粘度が小さくなり過ぎたり、外部磁界に応じて磁性流体の粘度が変化する際に、その変化量を十分に確保できないおそれがある。一方、磁性粉末の平均粒径が前記上限値を上回った場合、磁性流体の粘度が大きくなり過ぎたり、破壊・欠損を生じ易くなるおそれがある。
なお、平均粒径は、レーザー回折法により、質量基準で累積量が50%になるときの粒径として求められる。
また、磁性粉末の粒度分布は、できるだけ狭いのが好ましい。具体的には、磁性粉末の平均粒径が前記範囲内であれば、最大粒径が50μm以下であるのが好ましく、45μm以下であるのがより好ましい。磁性粉末の最大粒径を前記範囲内に制御することにより、磁性粉末の粒度バラツキを抑制し、流動性に優れた磁性流体が得られる。
なお、上記の最大粒径とは、累積質量が99.9%となるときの粒径のことをいう。
また、磁性粉末の粒子の短径をS[μm]とし、長径をL[μm]としたとき、S/Lで定義されるアスペクト比の平均値は、0.4〜1程度であるのが好ましく、0.7〜1程度であるのがより好ましい。このようなアスペクト比の磁性粉末は、その形状が比較的球形に近くなるので、形状作用によって、より破壊・欠損し難くなる。このため、耐久性に優れた磁性粉末が得られる。なお、前述したように、磁性粉末の構成材料に各種補助剤を添加することによって、磁性粉末の粒子形状を球形に近づけることができる。すなわち、アスペクト比を1に近づけることができる。
なお、前記長径とは、粒子の投影像においてとりうる最大長さであり、前記短径とは、その最大長さに直交する方向の最大幅である。
また、このような磁性粉末は、前述したように軟磁性を示し、保磁力が小さいものが好ましい。具体的には、磁性粉末の保磁力は、10Oe(796A/m)以下であるのが好ましく、5Oe(398A/m)以下であるのがより好ましい。保磁力が前記範囲内にある磁性粉末は、磁界がないときに凝集が確実に防止されるものとなる。
また、磁性粉末の飽和磁束密度は、できるだけ大きければよいが、1.7T以上であるのが好ましく、1.9T以上であるのがより好ましい。磁性粉末の飽和磁束密度が前記範囲内であれば、外部磁界の変化に対して、流体特性の変化の応答性(即応性および変化量の大きさ)に優れた磁性流体が得られる。
また、磁性粉末の硬度もできるだけ大きい方がよいが、好ましくは、ビッカース硬度Hvが100以上とされ、より好ましくは、150以上とされる。このような硬度の磁性粉末は、その破壊・欠損が特に確実に防止される。
なお、本発明に係る磁性粉末は、いかなる方法で製造されたものでもよいが、例えば、アトマイズ法、粉砕法等の方法で製造されたものを用いることができる。
このうち、磁性粉末は、アトマイズ法で製造されたものが好ましい。アトマイズ法は、溶融物(溶湯)を、冷却媒(液体やガス等)に衝突させることにより粉末化する方法である。溶湯は、噴霧されたり、冷却媒と衝突させることにより、微細な液滴となるとともに、この液滴が冷却媒と接触することにより急速に冷却され固化する。この際、液滴は自然落下しつつ冷却されるため、自らの表面張力によって形状が球形化される。これにより、球形に近い形状をなし、かつ、異形状の粒子が少なくなるので、粒径の揃った磁性粉末を効率よく製造することができる。その結果、得られる磁性粉末のアスペクト比をより1に近づけることができる。
なお、アトマイズ法としては、例えば、水アトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法、ガスアトマイズ法、真空溶解ガスアトマイズ法、ガス−水アトマイズ法、超音波アトマイズ法等が挙げられる。
このうち、アトマイズ法としては、水アトマイズ法または高速回転水流アトマイズ法を用いるのが好ましい。これらのアトマイズ法によれば、冷却媒として比重の大きい媒体(例えば、水等)を用いるため、溶湯をより微細に分断することができる。これにより、平均粒径の小さい微細な磁性粉末を容易に製造することができる。
また、アトマイズ法において溶湯を冷却する際の冷却速度は、1×10℃/s以上であるのが好ましく、1×10℃/s以上であるのがより好ましい。このような急速な冷却により、溶湯の状態における原子配列、すなわち、各種の原子が均一に混じり合った状態が保存されたまま固化に至るので、磁性粉末の粒子間における組成比のバラツキが抑えられることとなる。その結果、均一で優れた流体特性を示す磁性流体が得られる。
また、磁性粉末は、焼鈍処理を施したものが好ましい。この焼鈍処理における加熱条件は、温度600〜1000℃×0.5〜10時間であるのが好ましく、温度700〜900℃×0.5〜2時間であるのがより好ましい。このような加熱条件で焼鈍処理を施すことにより、磁性粉末が焼鈍され、粉末製造時に生じた残留応力を緩和することができる。これにより、残留応力に伴う磁性粉末の亀裂・割れ等を確実に防止することができる。すなわち、焼鈍処理によって、磁性粉末が劣化に至るまでに許容される応力が拡大されることになるため、磁性粉末の耐久性を高めることができる。また、残留応力が緩和されることにより、磁性粒子同士の耐久性のバラツキを抑制することもできる。
次に、上述したような磁性粉末の粒子表面を覆う界面活性剤について説明する。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、オレイン酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩のような各種陰イオン(アニオン)界面活性剤、アミノ酸塩、第4級アンモニウム塩のような各種陽イオン(カチオン)界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステルのようなエステル型、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのようなエーテル型、脂肪酸ポリエチレングリコールのようなエステル・エーテル型等の各種非イオン(ノニオン)界面活性剤、アルキルベタインのような各種両性界面活性剤等が挙げられる。
特に、界面活性剤は、オレイン酸塩を主成分とするものが好ましい。オレイン酸塩は、磁性粉末の粒子表面に対して強固に結合するとともに、液相分散媒中における磁性粉末の分散性が高いものである。このため、界面活性剤としてオレイン酸塩を用いることにより、安定性に優れた磁性流体が得られる。
界面活性剤は、分子内に、親水性の部分と、疎水性の部分とを有するものである。例えば、磁性粉末を分散させる液相分散媒としてオイルを用いた場合、磁性粉末と液相分散媒との界面に沿って界面活性剤の分子が配列する。このとき、界面活性剤の分子の親水性部分が磁性粉末の粒子側に向かって配向し、疎水性部分は液相分散媒側に向かって配向する。
このような界面活性剤の作用により、磁性粉末は、磁界がないときには凝集することなく、液相分散媒中に安定的に分散することができる。そして、粒子表面が界面活性剤で覆われた磁性粉末と、この液相分散媒とにより、磁性流体が得られる。
また、液相分散媒としては、水のような水系分散媒、炭化水素系オイル、シリコーン系オイル、フッ素系オイル、エステル系オイル、エーテル系オイル等が挙げられる。
このうち、特に、炭化水素系オイル、シリコーン系オイルまたはフッ素系オイルを主成分とするものが好ましい。これらのオイルは、耐熱性および化学的な安定性に優れることから、磁性流体の液相分散媒として特に好適に用いられる。すなわち、耐久性に優れた磁性流体が得られる。
このような磁性流体における磁性粉末の含有率は、50〜95質量%程度であるのが好ましく、60〜90質量%程度であるのがより好ましい。これにより、流動性に優れるとともに、外部磁界の変化に対して十分な応答性を示す磁性流体が得られる。
以上、本発明の磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパーについて、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の磁性流体は、前述したダンパーに用いられる他、回転軸のシール部材、スピーカー、センサ等にも用いることができる。
また、磁性流体用磁性粉末は、磁性流体に用いられる他、その他の用途、例えば圧粉磁心、磁気遮蔽シート、磁気記録媒体といった軟磁性粉末が用いられたあらゆる磁性素子にも好適に用いられる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.ダンパーの製造
(実施例1)
[1]まず、以下の組成の原材料を高周波誘導炉で溶融するとともに、水アトマイズ法により粉末化して、磁性粉末を得た。次いで、目開き32μmの標準ふるいを用いて分級した。
<原材料の組成>
・Cr:0.5質量%
・Si:4.5質量%
・Fe:残部(不可避的に存在する微量元素を含む。)
なお、得られた金属粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、各磁性粒子が比較的球形に近い形をしていることがわかった。なお、100個の粒子におけるアスペクト比の平均値は0.8であった。
また、レーザー回折法により粒径を測定したところ、平均粒径10μm、最大粒径32μmであった。
次いで、得られた磁性粉末に対し、水素雰囲気下で、温度800℃×1時間の焼鈍処理を施した。
[2]次に、得られた磁性粉末の粒子表面をオレイン酸イオン(界面活性剤)で被覆するとともに、イソパラフィン(液相分散媒)中に分散させ、磁性流体を得た。
なお、磁性流体中の磁性粉末の含有率は、80質量%であった。
[3]次に、得られた磁性流体をダンパーのシリンダー内に注入し、ダンパーを作製した。
(実施例2〜22)
原材料の組成を、表1に示す組成に変更した以外は、それぞれ前記実施例1と同様にして磁性粉末を得るとともにダンパーを作製した。
なお、得られた磁性粉末の原材料の組成、平均粒径、酸素含有率および製造方法を、それぞれ表1に示す。
(比較例1〜8)
原材料の組成を、表1に示す組成に変更した以外は、それぞれ前記実施例1と同様にして磁性粉末を得るとともにダンパーを作製した。
なお、得られた磁性粉末の原材料の組成、平均粒径、酸素含有率および製造方法を、それぞれ表1に示す。
2.磁性粉末および磁性流体の評価
2.1 磁性粉末の磁気特性の評価
各実施例および各比較例で得られた磁性粉末について、それぞれ、単位質量当たりの飽和磁化の強さMm[emu/g]、単位質量当たりの残留磁化の強さMr[emu/g]および保磁力Hc[Oe]を測定した。測定結果を表1に示す。その結果、各実施例で得られた磁性粉末は、飽和磁化の強さが比較的大きく、残留磁化の強さが比較的小さく、保磁力が比較的小さいことが認められた。なお、磁化の強さの単位emu/gは4π×10−7Wb・m/kgである。また、保磁力の単位Oeは79.5775A/mである。
2.2 磁性流体の耐久性の評価
各実施例および各比較例で得られたダンパーについて、それぞれ、伸縮動作を1万回行った。
なお、伸縮動作をまず1000回行った時点で、シリンダー内から磁性流体を取り出し、磁性流体中の磁性粉末を走査型電子顕微鏡で観察した。
その後、取り出した磁性流体をシリンダー内に戻し、残る9000回の伸縮動作を行った。
そして、1万回の伸縮動作後、再び、シリンダー内から磁性流体を取り出し、磁性流体中の磁性粉末を走査型電子顕微鏡で観察した。
以上のようにして1000回の伸縮動作後の磁性粉末および1万回の伸縮動作後の磁性粉末について、それぞれの形状を以下の基準にしたがって評価することにより、磁性粉末の耐久性を評価した。
<耐久性の評価基準>
◎:磁性粉末の粒子の形状が評価前からほぼ変化していない
○:一部の磁性粉末の粒子に破壊・欠損が認められる
△:多数の磁性粉末の粒子に破壊・欠損が認められる
×:ほぼ全ての磁性粉末の粒子に破壊・欠損が認められる
次いで、伸縮動作後の磁性粉末に対し、JIS C 60068−2−3に規定の条件に準じた下記の条件で、高温高湿環境下における加速試験を行った。
<高温高湿加速試験の条件>
・温度 :40±2℃
・相対湿度:93+2 −3
・試験時間:4日
そして、試験後の磁性粉末に錆が発生しているか否かを、光学顕微鏡による観察に基づき、以下の評価基準にしたがって評価した。
<錆の有無の評価基準>
無:磁性粒子に錆の発生がほとんど認められない
有:多数の磁性粒子に錆の発生が認められる
以上、2.1および2.2の評価結果を表1に示す。
Figure 2013197394
表1から明らかなように、各実施例で得られた磁性流体では、耐久性の評価試験後においても形状変化がほとんど認められなかった。また、耐久性の評価試験後に高温高湿加速試験を行ったところ、各実施例で得られた磁性粉末では、錆の発生が認められなかった。したがって、各実施例で得られた磁性粉末は、耐久性、防錆力に優れたものであるといえる。
一方、各比較例で得られた磁性流体では、多数の磁性粒子に破壊・欠損が認められたものが多かった。なお、破壊・欠損の認められる磁性粉末では、その磁気特性が当初の特性から変化してしまうため、磁性流体全体の磁気特性も当初との特性から変化してしまうこととなる。すなわち、そのような磁性流体を用いたダンパーは、本来の緩衝性能から逸脱してしまうおそれがある。
また、磁性粒子の破壊・欠損が認められた磁性流体では、破壊・欠損が生じていない粒子が凝集している様子が認められた。これは、耐久性の評価試験に伴って粒子表面の酸化物被膜が失われ、それに伴って界面活性剤が脱落し、分散状態を維持できなくなったためと考えられる。
1……ダンパー 2……シリンダー 2a……ロッド側室 2b……ピストン側室 21……天井部 22……外筒 23……内筒 231……オリフィス 24……ベースバルブ 241……オリフィス 25……第1リザーバ室 26……第2リザーバ室 3……ピストン 31……ピストンロッド 32、33……オリフィス 34……弁体 4……コイル 5……電源回路 8……上部材 9……下部材 10……磁性流体

Claims (12)

  1. Crと、M(MはSiおよびAlの少なくとも一方)と、を含み、残部がFeおよび不可避元素で構成されており、
    Crの含有率が0.5質量%以上13質量%以下であり、かつ、Mの含有率が0.5質量%以上13質量%以下であることを特徴とする磁性流体用磁性粉末。
  2. Crの含有率をaとし、Mの含有率をbとしたとき、b/aは0.05以上12以下である請求項1に記載の磁性流体用磁性粉末。
  3. Siの含有率が1質量%以上12質量%以下である請求項1または2に記載の磁性流体用磁性粉末。
  4. Alの含有率が1質量%以上6質量%以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の磁性流体用磁性粉末。
  5. 平均粒径が1μm以上20μm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の磁性流体用磁性粉末。
  6. 酸素含有率が質量比で100ppm以上10000ppm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の磁性流体用磁性粉末。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の磁性流体用磁性粉末と、
    前記磁性流体用磁性粉末の粒子表面を覆う界面活性剤と、
    前記磁性流体用磁性粉末を分散させる液相分散媒と、を有することを特徴とする磁性流体。
  8. 前記磁性流体用磁性粉末の含有率が50〜95質量%である請求項7に記載の磁性流体。
  9. 前記界面活性剤は、オレイン酸塩を主成分とするものである請求項7または8に記載の磁性流体。
  10. 前記液相分散媒は、炭化水素系オイル、シリコーン系オイルまたはフッ素系オイルを主成分とするものである請求項7ないし9のいずれかに記載の磁性流体。
  11. 請求項7ないし10のいずれかに記載の磁性流体を貯留するシリンダーと、
    該シリンダー内を摺動し、前記シリンダー内の空間を2つに仕切るピストンと、
    一端が前記ピストンに接続され、他端が前記シリンダーの外部に位置するピストンロッドと、
    前記シリンダー内に貯留された前記磁性流体に及ぶように磁界を形成する磁界形成手段と、を有し、
    磁界の作用によって前記磁性流体の流体特性を変化させることにより、減衰力を制御し得ることを特徴とするダンパー。
  12. 前記ピストンに形成され、前記2つの空間と互いに連通する流路を有し、
    前記磁界形成手段が前記流路近傍に設けられており、前記流路を通過する前記磁性流体に及ぶように磁界を形成して流体特性を変化させることにより、減衰力を制御し得る請求項11に記載のダンパー。
JP2012064202A 2012-03-21 2012-03-21 磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパー Active JP6313923B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012064202A JP6313923B2 (ja) 2012-03-21 2012-03-21 磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012064202A JP6313923B2 (ja) 2012-03-21 2012-03-21 磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013197394A true JP2013197394A (ja) 2013-09-30
JP6313923B2 JP6313923B2 (ja) 2018-04-18

Family

ID=49395961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012064202A Active JP6313923B2 (ja) 2012-03-21 2012-03-21 磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6313923B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101563962B1 (ko) 2014-05-30 2015-10-28 주식회사 만도 Mr 댐퍼
JP2016021510A (ja) * 2014-07-15 2016-02-04 日立金属株式会社 磁心およびそれを用いたコイル部品
CN105917422A (zh) * 2014-01-14 2016-08-31 日立金属株式会社 磁芯以及使用磁芯的线圈部件
CN107299290A (zh) * 2017-06-27 2017-10-27 湖州知维技术服务有限公司 一种软磁粉末及其制备方法
CN108730399A (zh) * 2018-06-20 2018-11-02 安徽工程大学 减振系统
WO2019045100A1 (ja) * 2017-09-04 2019-03-07 Dowaエレクトロニクス株式会社 軟磁性粉末、Fe粉末又はFeを含む合金粉末の製造方法、軟磁性材料、並びに圧粉磁心の製造方法
CN109505917A (zh) * 2018-12-04 2019-03-22 重庆理工大学 基于磁控刚度与阻尼的隔振装置
JP2019044256A (ja) * 2017-09-04 2019-03-22 Dowaエレクトロニクス株式会社 Fe粉末又はFeを含む合金粉末の製造方法
KR20190044486A (ko) * 2017-10-20 2019-04-30 계명대학교 산학협력단 능동형 면진장치
JP2020015936A (ja) * 2018-07-24 2020-01-30 山陽特殊製鋼株式会社 磁性部材用粉末
JP2020076135A (ja) * 2018-11-09 2020-05-21 Jfeミネラル株式会社 金属粉末
WO2020188940A1 (ja) * 2019-03-19 2020-09-24 Dowaエレクトロニクス株式会社 軟磁性粉末、軟磁性粉末の熱処理方法、軟磁性材料、圧粉磁心及び圧粉磁心の製造方法
WO2022203009A1 (ja) * 2021-03-24 2022-09-29 株式会社栗本鐵工所 磁気粘性流体装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0297646A (ja) * 1988-09-30 1990-04-10 Riken Corp 高周波用コイル
JP2007027687A (ja) * 2005-06-15 2007-02-01 Daido Steel Co Ltd 低損失複合磁性シート
JP2007035826A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Nec Tokin Corp 複合磁性材料とそれを用いた圧粉磁心および磁性素子
JP2007134381A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Nec Tokin Corp 複合磁性材料、それを用いた圧粉磁心および磁性素子
JP2008240041A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Seiko Epson Corp 軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子
JP2008282929A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Seiko Epson Corp 磁性流体およびダンパー
JP2009252872A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Seiko Epson Corp 磁性流体およびダンパー

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0297646A (ja) * 1988-09-30 1990-04-10 Riken Corp 高周波用コイル
JP2007027687A (ja) * 2005-06-15 2007-02-01 Daido Steel Co Ltd 低損失複合磁性シート
JP2007035826A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Nec Tokin Corp 複合磁性材料とそれを用いた圧粉磁心および磁性素子
JP2007134381A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Nec Tokin Corp 複合磁性材料、それを用いた圧粉磁心および磁性素子
JP2008240041A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Seiko Epson Corp 軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子
JP2008282929A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Seiko Epson Corp 磁性流体およびダンパー
JP2009252872A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Seiko Epson Corp 磁性流体およびダンパー

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105917422A (zh) * 2014-01-14 2016-08-31 日立金属株式会社 磁芯以及使用磁芯的线圈部件
JPWO2015108059A1 (ja) * 2014-01-14 2017-03-23 日立金属株式会社 磁心およびそれを用いたコイル部品
US9805855B2 (en) 2014-01-14 2017-10-31 Hitachi Metals, Ltd. Magnetic core and coil component using same
KR101563962B1 (ko) 2014-05-30 2015-10-28 주식회사 만도 Mr 댐퍼
JP2016021510A (ja) * 2014-07-15 2016-02-04 日立金属株式会社 磁心およびそれを用いたコイル部品
CN107299290A (zh) * 2017-06-27 2017-10-27 湖州知维技术服务有限公司 一种软磁粉末及其制备方法
KR20200050948A (ko) * 2017-09-04 2020-05-12 도와 일렉트로닉스 가부시키가이샤 연자성 분말, Fe 분말 또는 Fe를 포함하는 합금 분말의 제조 방법, 연자성 재료, 및 압분자심의 제조 방법
KR102428560B1 (ko) 2017-09-04 2022-08-02 도와 일렉트로닉스 가부시키가이샤 연자성 분말, Fe 분말 또는 Fe를 포함하는 합금 분말의 제조 방법, 연자성 재료, 및 압분자심의 제조 방법
JP2019044256A (ja) * 2017-09-04 2019-03-22 Dowaエレクトロニクス株式会社 Fe粉末又はFeを含む合金粉末の製造方法
JP2019077952A (ja) * 2017-09-04 2019-05-23 Dowaエレクトロニクス株式会社 軟磁性粉末、軟磁性材料、並びに圧粉磁心の製造方法
WO2019045100A1 (ja) * 2017-09-04 2019-03-07 Dowaエレクトロニクス株式会社 軟磁性粉末、Fe粉末又はFeを含む合金粉末の製造方法、軟磁性材料、並びに圧粉磁心の製造方法
CN110997184A (zh) * 2017-09-04 2020-04-10 同和电子科技有限公司 软磁性粉末、Fe粉末或含有Fe的合金粉末的制造方法、软磁性材料、以及压粉磁芯的制造方法
TWI782083B (zh) * 2017-09-04 2022-11-01 日商同和電子科技股份有限公司 軟磁性粉末、軟磁性粉末之製造方法、軟磁性材料暨壓粉磁心之製造方法
KR20190044486A (ko) * 2017-10-20 2019-04-30 계명대학교 산학협력단 능동형 면진장치
KR102128909B1 (ko) 2017-10-20 2020-07-08 계명대학교 산학협력단 능동형 면진장치
KR20200084827A (ko) * 2017-10-20 2020-07-13 계명대학교 산학협력단 능동형 자유진동이 가능한 진동감쇄 댐핑장치
KR102136568B1 (ko) 2017-10-20 2020-07-22 계명대학교 산학협력단 능동형 자유진동이 가능한 진동감쇄 댐핑장치
CN108730399B (zh) * 2018-06-20 2023-04-18 安徽工程大学 减振系统
CN108730399A (zh) * 2018-06-20 2018-11-02 安徽工程大学 减振系统
JP2020015936A (ja) * 2018-07-24 2020-01-30 山陽特殊製鋼株式会社 磁性部材用粉末
JP2020076135A (ja) * 2018-11-09 2020-05-21 Jfeミネラル株式会社 金属粉末
CN109505917B (zh) * 2018-12-04 2020-09-18 重庆理工大学 基于磁控刚度与阻尼的隔振装置
CN109505917A (zh) * 2018-12-04 2019-03-22 重庆理工大学 基于磁控刚度与阻尼的隔振装置
WO2020188940A1 (ja) * 2019-03-19 2020-09-24 Dowaエレクトロニクス株式会社 軟磁性粉末、軟磁性粉末の熱処理方法、軟磁性材料、圧粉磁心及び圧粉磁心の製造方法
JP2020152947A (ja) * 2019-03-19 2020-09-24 Dowaエレクトロニクス株式会社 軟磁性粉末、軟磁性粉末の熱処理方法、軟磁性材料、圧粉磁心及び圧粉磁心の製造方法
CN113518674A (zh) * 2019-03-19 2021-10-19 同和电子科技有限公司 软磁性粉末、软磁性粉末的热处理方法、软磁性材料、压粉磁芯和压粉磁芯的制造方法
JP7221100B2 (ja) 2019-03-19 2023-02-13 Dowaエレクトロニクス株式会社 軟磁性粉末、軟磁性材料及び圧粉磁心
CN113518674B (zh) * 2019-03-19 2023-09-08 同和电子科技有限公司 软磁性粉末、软磁性粉末的热处理方法、软磁性材料、压粉磁芯和压粉磁芯的制造方法
WO2022203009A1 (ja) * 2021-03-24 2022-09-29 株式会社栗本鐵工所 磁気粘性流体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6313923B2 (ja) 2018-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6313923B2 (ja) 磁性流体用磁性粉末、磁性流体およびダンパー
JP4893459B2 (ja) 磁性流体用金属粉末
KR102088534B1 (ko) 연자성 분말, 압분 자심 및 자성 소자
US6395193B1 (en) Magnetorheological compositions
JP5354101B2 (ja) 鉄族基軟磁性粉末材
US7217372B2 (en) Magnetorheological composition
JP5098764B2 (ja) 磁性流体およびダンパー
KR101865939B1 (ko) 자기유변 유체의 제조방법
JP5098763B2 (ja) 磁性流体およびダンパー
US11887762B2 (en) Soft magnetic metal powder, dust core, and magnetic component
JP5360126B2 (ja) 磁性流体およびダンパー
WO2021103466A1 (zh) 高磁导率低损耗软磁复合材料的制备方法及其磁环
JP2016174065A (ja) 扁平状軟磁性粉末およびその製造方法
JP2008255384A5 (ja)
JP5660099B2 (ja) 磁性流体用金属粉末
JP6164512B2 (ja) Fe基軟磁性金属粉体
JP2007522338A (ja) 冶金粉末組成物およびそれを使用する製品および方法
JP5660098B2 (ja) 磁性流体用金属粉末
JP2018170330A (ja) 軟磁性金属粉体
JP2014207288A (ja) 磁心用軟磁性材料、圧粉磁心およびコイル部材
TW201802262A (zh) 軟磁性金屬粉末及鐵粉芯
JP2007009288A (ja) 軟磁性合金粉末
WO2016194525A1 (ja) 圧粉磁心用混合粉末および圧粉磁心
JP6911294B2 (ja) 軟磁性金属粉末および圧粉磁心
CN108573799B (zh) 压粉磁芯

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170223

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170303

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20170707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6313923

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150