JP2013193885A - セメント系硬化体及びセメントモルタル又はコンクリートの養生方法 - Google Patents

セメント系硬化体及びセメントモルタル又はコンクリートの養生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】養生効果によるコンクリート強度を充分に発現し、吸水防止性および収縮低減性を高めることで表面のひび割れに対する抵抗性も備えたセメント系硬化体並びにセメントモルタル又はコンクリートの養生方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)と、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られるアルコキシシラン誘導体(B)を含有するコンクリート用養生剤が表面から表層に含浸されてなるセメント系硬化体並びに該養生剤を用いるセメントモルタル又はコンクリートの養生方法。
1CO−O−R2 (1)
(式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、その全脂肪酸残基中、炭
素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が3〜40質量%、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であり、そして炭素原子数16〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜10質量%の割合であり、R2は炭素原子数1〜8
のアルキル基を表す。)
3O−(AO)n−H (2)
(式中、R3は炭素原子数が1〜18の炭化水素基を表し、AOは炭素原子数2〜4のオ
キシアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、脂肪酸エステル混合物及びアルコキシシラン誘導体を含有するコンクリート用養生剤を使用したセメント系硬化体並びに該養生剤を用いたセメントモルタル又はコンクリートの養生方法に関し、詳細には、セメント系硬化体の打設後、表面からの水分の浸入および逸散を防止し、乾燥収縮の低減と耐久性の改善を図り、さらに長期にわたって劣化の防止を目指したセメント系硬化体並びにセメントモルタル又はコンクリートの養生方法に関する。
セメント系硬化体が所要の強度および耐久性を発揮できる緻密な構造を持つためには、水和進行過程の初期段階で十分な養生を実施し、収縮低減を図ることが必要である。このため、日本建築学会の「JASS 5」では養生期間、方法および乾燥収縮量が規定され
ており、セメント系硬化体の打設後の急激な乾燥を防ぐために湿潤養生が必要不可欠である。
養生方法には、コンクリートに水分を供給する方法(水中養生、湛水養生、散水養生、湿布養生など)と、水分の逸散を防止する方法(被膜養生、シート養生など)がある。水中養生や湛水養生は最も有効な湿潤養生であるが、実際の構造物で行うのは困難な場合が多い。一方、被膜養生は、コンクリート表面に被膜養生剤を散布または塗布して表面に膜を作り、水分の外部への蒸発を防止して水和を進める方法である。
上記被膜養生剤としては、ポリマーやワックスを有機溶剤に溶かした溶剤タイプと、水中に乳化させた水性タイプがあり、種々の養生剤が提案されている(特許文献1乃至3)。
養生剤の代表的なものとしてパラフィン系の養生剤(特許文献2等)があり、パラフィン系養生剤は、コンクリートやモルタルの水分の蒸発を防ぐ養生効果に優れ、安全性が高い。また、ブリーディングが無く、粘性が高い高強度コンクリートの仕上げ作業を容易にし、プラスチックひび割れを抑制する効果がある。
またセメント系硬化体は、打設直後だけでなく、長期間経過時の乾燥防止も重要である。これは、硬化体が長期にわたり乾燥を受けると、収縮によって部材のひずみが生じ、やがては部材面でのひび割れ発生、漏水等によるコンクリート構造物の劣化を促進し、ひいては構造的欠陥に繋がるおそれがあるためである。また乾燥による劣化以外にも、例えばアルカリ骨材反応、塩害といったセメント系硬化体の劣化現象が挙げられるが、これらの劣化現象は硬化体内部への水分浸入により促進されるものである。
上記劣化現象の防止策として、例えば特許文献4には、脂肪酸エステルを用いた撥水剤組成物が提案されている。特許文献5には、飽和脂肪酸エステルのエマルジョンが乾燥抑制剤として適用されている。また、シラン系化合物からなる耐久性向上剤も種々提案されている。例えば、特許文献6には撥水性を有するアルキルポリシロキサンを内添した成形体が提案されており、更に特許文献7にはアルキルアルコキシシランをコンクリート表面に含浸させて撥水性を付与する方法が提案されている。また、乾燥収縮の低減と水分の浸入を防止する表面含浸剤として、特許文献8にオルガノアルコキシシランとグリコールエーテル系界面活性剤の混合物が提案されている。また、特許文献9には、長期に渡って防水性を維持し、乾燥収縮の低減する剤としてテトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体が提案されている。
特開平5−208879号公報 特開平11−21184号公報 特開2004−244255号公報 特開平7−69696号公報 特開2008−273765号公報 特開昭58−2252号公報 特開平2−16186号公報 特開平3−93680号公報 国際公開第04/108628号パンフレット
しかしながら、前述した従来のパラフィン系養生剤は、養生剤塗布後に仕上げ材を施工する場合、付着強度が低下し、仕上げ材の剥がれ・ひび割れ・浮き等の発生が懸念される。したがって、パラフィン系養生剤塗布後に仕上げ材を施工する場合には、サンダー掛けによる下地研磨や高圧洗浄などで養生剤の除去を行うことが必要とされている。
またこれまで提案されてきた脂肪酸エステル化合物やアルコキシシラン類を用いたコンクリートの耐久性向上剤は、上述の文献に示されているように、硬化体の乾燥抑制による圧縮強度の増進や撥水性の付与等を主目的とするものであった。しかしながら、これらの技術は打設後短期間での劣化防止能には優れているものの、防水効果が経時で低下するなど、材齢28日以上の長期の耐久性確保においては未だ改善の余地があった。また、近年の土木建築構造物の長寿命化に加え、コンクリートのひび割れ防止の一手段としての収縮低減の需要も多い。
また、硬化体表面に塗布する塗料型の養生剤における高機能化という点において、従来は塗膜の表面の改質のみが着目され、コンクリートの表層から内部に渡って含浸させ、硬化体そのものを物理的性状を改質する技術については、未だ改善の余地があった。
本発明は、養生効果によるセメント系硬化体の強度を充分に発現し、吸水防止性および収縮低減性に優れ、表面のひび割れ発生に対する抵抗性も備え、さらには炭酸ガスや塩化物イオンの侵入を抑制してこれらによるコンクリート劣化を低減できる、セメント系硬化体並びにセメントモルタル及びコンクリートの養生方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題について検討し、研究を進めた結果、特定の構成を有する脂肪酸エステル混合物とアルコキシシラン誘導体を含有する養生剤をセメント系硬化体に適用することにより、硬化後のコンクリート収縮を抑制し、コンクリート硬化体の強度発現を増進し、硬化後の経時的な使用を経て発生する乾燥収縮の低減や吸水防止性を長期に渡って維持できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)と、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られるアルコキシシラン誘導体(B)を含有するコンクリート用養生剤が表面から表層に含浸されてなるセメント系硬化体に関する。
1CO−O−R2 (1)
(式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、その全脂肪酸残基中、炭
素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が3〜40質量%、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であり、そして炭素原子数16〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜10質量%の割合であり、R2は炭素原子数1〜8
のアルキル基を表す。)
3O−(AO)n−H (2)
(式中、R3は炭素原子数が1〜18の炭化水素基を表し、AOは炭素原子数2〜4のオ
キシアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
また本発明は、下記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)と、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られるアルコキシシラン誘導体(B)を含有するコンクリート用養生剤をセメント系硬化体表面に施工することを特徴とする、セメントモルタル又はコンクリートの養生方法に関する。
1CO−O−R2 (1)
(式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、その全脂肪酸残基中、炭
素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が3〜40質量%、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であり、そして炭素原子数16〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜10質量%の割合であり、R2は炭素原子数1〜8
のアルキル基を表す。)
3O−(AO)n−H (2)
(式中、R3は炭素原子数が1〜18の炭化水素基を表し、AOは炭素原子数2〜4のオ
キシアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
前記セメント系硬化体並びに前記セメントモルタル又はコンクリートの養生方法において、一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R1COは、その全
脂肪酸残基中、炭素原子数18の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が10質量%未満、炭素原子数18の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、そして炭素原子数18の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であることがより好ましい。
本発明によれば、高い圧縮強度を有し、乾燥収縮が低減され、また長期にわたって乾燥の防止と防水性が維持されたセメント系硬化体を提供することができる。しかも本発明によれば、表面からの炭酸ガスや塩化物イオンの侵入をも抑制した硬化体となるため、これらの侵入によるコンクリート劣化防止に寄与できる硬化体を提供できる。
また本発明のセメントモルタル又はコンクリートの養生方法を適用することにより、適用初期には硬化体の乾燥を防止し強度発現を促進するとともに収縮をも低減し、長期にわたって硬化体の乾燥を防止しつつ防水性を維持することができる。
図1は、吸水防水性能試験で使用した試験板の正面図(図1(A))及びガラス器具を設置した側面図(図1(B))を示す図である。 図2は、吸水防水性能試験で使用した試験板を屋外放置するための試験板設置枠の正面図(図2(A))、側面図(図2(B))及び斜視図(図2(C))である。
本発明は特定の構成を有する脂肪酸エステル混合物とアルコキシシラン誘導体を含有するコンクリート用養生剤をセメント系硬化体に適用することを特徴とする。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
[コンクリート用養生剤]
<(A)一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物>
本発明において、コンクリート用養生剤に用いられる(A)脂肪酸エステルは下記一般
式(1)で表される脂肪酸エステルである。
1CO−O−R2 (1)
(式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、その全脂肪酸残基中、炭
素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が3〜40質量%、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であり、そして炭素原子数16〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜10質量%の割合であり、R2は炭素原子数1〜8
のアルキル基を表す。)
上記R1COにおいて、炭素原子数12〜24の脂肪酸残基としては炭素原子数12〜
24の長鎖飽和脂肪酸残基、炭素原子数12〜24の長鎖モノ、長鎖ジ、又は長鎖トリ不飽和脂肪酸残基などが挙げられる。なお吸水防止性及び収縮低減性の観点より、上記R1
COは、より好ましくは、その全脂肪酸残基中、炭素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基及び炭素原子数16〜24の長鎖モノ、長鎖ジ、又は長鎖トリ不飽和脂肪酸残基を多く含むことが好ましい。
炭素原子数12〜24の長鎖飽和脂肪酸残基としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸及びリグノセリン酸等由来の脂肪酸残基が挙げられる。
炭素原子数12〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸等由来の脂肪酸残基が挙げられる。
炭素原子数12〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基としては、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、等由来の脂肪酸残基が挙げられる。炭素原子数12〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基としては、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸等由来の脂肪酸残基が挙げられる。
特に上記R1COはその全脂肪酸残基中、より好ましくは、炭素原子数18の長鎖飽和
脂肪酸残基の割合が10質量%未満、炭素原子数18の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、そして炭素原子数18の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であることが好ましい。
上記R2において、炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基又はn−オクチル基である直鎖アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖アルキル基等が挙げられる。
中でもメチル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基が最も好ましい。
<(B)アルコキシシラン誘導体>
本発明において、コンクリート用養生剤に用いられる(B)アルコキシシラン誘導体は、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られるものである。
3O−(AO)n−H (2)
(式中、R3は炭素原子数が1〜18の炭化水素基を表し、AOは炭素原子数2〜4のオ
キシアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
上記アルコキシシランとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテ
トラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類等を用いることができる。これらのうち、本発明においては入手容易性、取扱性等の観点からテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランの使用が特に好ましい。
アルコキシシランの加水分解物/重縮合物は、例えば、アルコキシシランの所定量を水、メタノール、エタノール、酢酸エチル等の水もしくは有機溶媒に溶解し、そのまま加熱あるいは所定量の酸もしくは塩基を添加して部分的に加水分解させることにより調製することができる。通常、重合度は2〜10が好ましい。
前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物において、R3は炭素原子数
が1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基としては炭素原子数1〜30のアルキル基;フェニル基、アルキルフェニル基、アルキルフェニル基で置換されたフェニル基、及びナフチル基等のベンゼン環を有する炭素原子数6〜18の芳香族基;並びにオレイル基、リノレイル基等の炭素原子数2乃至18のアルケニル基が挙げられ、中でも炭素原子数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
炭素原子数1〜30のアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、1−ヘプチルデシル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖アルキル基が挙げられる。これらのうち、炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましく、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基がより好ましく、n−ブチル基が最も好ましい。
前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物において、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を示し、具体的にはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基が挙げられる。nはアルキレンオキサイドの付加モル数であって、0〜20の整数を表す。nが2以上の場合、オキシアルキレン基は同一のものであっても異なるものであってもよい。(AO)nが2種以上のアルキレンオキシ基から構成される場
合は、ブロック付加、ランダム付加のいずれであってもよいが、ブロック付加であることが好ましく、特に水素原子に連結する末端がエチレンオキシ基であることがより好ましい。
前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物の具体例としては、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが挙げられる。
上記アルコキシシラン誘導体は、例えば前記アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物とを反応容器に仕込み、加熱して生成するアルコールを留去しながらエステル交換反応を行うことにより得ることができる。反応温度は通常50〜150℃程度である。また、上記のエステル交換反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒を使用することができる。また、前記
アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物の反応比率は前記アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物中のアルコキシ基の1当量に対し、上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物が0.3〜1当量であれば好ましく、0.5〜1当量であればより好ましい。
本発明で使用するコンクリート用養生剤において、(A)脂肪酸エステル混合物と(B)アルコキシシラン誘導体の配合割合は、質量比で5〜95:95〜5の範囲内で使用でき、より好ましくは20〜95:80〜5、50〜95:50〜5、70〜95:30〜5、最も好ましくは70〜90:30〜10にて使用することができる。
本発明で使用するコンクリート用養生剤において、前記(A)脂肪酸エステル混合物と(B)アルコキシシラン誘導体に加え、水硬性組成物に一般に使用されるその他の成分を含んでいても良い。他に含まれ得るその他の成分としては、汎用的に使用される防水剤、耐水剤、撥水剤、消泡剤、養生剤、収縮低減剤が挙げられる。これら併用されるその他の成分の配合比は、質量比で前記(A)脂肪酸エステル混合物と(B)アルコキシシラン誘導体の総質量:併用されるその他の成分の総質量=50:50〜99:1の割合で、好ましくは70:30〜99:1である。
[セメント系硬化体 及び セメントモルタル又はコンクリートの養生方法]
本発明においてセメント系硬化体とは、セメント類に細骨材及び水を混合したセメントモルタル或いは更に粗骨材を配合したコンクリートの硬化体であり、各種混和材料から選ばれる1種又は2種以上を更に配合したものでもよい。
本発明に用いられるセメント類としては、水硬性を有するものであればよく、例えば、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、エコセメント、高炉セメントやフライアッシュセメント等の混合セメント、アルミナセメント、太平洋セメント(株)製「スーパージェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント(株)製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、半水石膏、高炉スラグ等の潜在水硬性物質が挙げられ、これらから選ばれる一種又は二種以上を用いることができる。
前述のコンクリート用養生剤を、硬化したセメント系硬化体(セメントモルタル又はコンクリート硬化体)の表面に施工することにより、該養生剤が硬化体表面から表層に含浸され、本発明のセメント系硬化体を得ることができる。具体的にはセメント系硬化体の仕上げ時の仕上げ補助として、または、セメント系硬化体の硬化脱型後、硬化体に前述のコンクリート用養生剤を施工する。該コンクリート用養生剤の施工方法は、セメント系硬化体の表面に施工できる方法であれば特に限定されるものではなく、散布、塗布、吹付け、噴霧等で行うことが可能であり、ローラ、刷毛又はブラシ等による塗布、噴霧器等による噴霧等のように、セメント系硬化体の表面に均一に施工できるものが好ましい。
前記コンクリート用養生剤をセメント系硬化体に対して塗布する際、通常その表面に対して50〜300g/m2程度を使用する。50gより少ないと、仕上げ時のスムーズな
コテ均し及び水分の逸散防止効果が得られにくくなる虞があり、300gを超えると過剰な量で付着強度の低下が懸念される。また、対象となるセメント系硬化体としてはモルタルおよびコンクリートのいずれも含まれる。
本発明のセメント系硬化体は、硬化初期において乾燥が抑制され強度発現が促進されるとともに収縮をも低減された硬化体となり、また、長期にわたって乾燥が抑制され且つ防水性が維持された硬化体とすることができる。そして本発明のセメントモルタル又はコンクリートの養生方法を適用することにより、適用初期には硬化体の乾燥を抑制し強度発現を促進するとともに収縮をも低減し、長期にわたって硬化体の乾燥を抑制しつつ防水性を維持することが可能となる。
上述の効果(高い強度、収縮低減性及び吸水防止性の向上)が得られる理由は明らかではないが、養生剤に不飽和結合の数が異なる脂肪酸エステルを組み合わせて脂肪酸エステル混合物の形態として用いることにより、硬化体表面に配列したときに各々の分子間立体反発を緩和し、緻密な層を形成しているものと推察される。これが高い養生効果と吸水防止性に寄与し、さらには炭酸ガスや塩化物イオンの侵入抑制にも貢献しているものと推察される。
またアルコキシシラン誘導体は、親水性と疎水性のバランスが最適化された構造を有し、セメント系硬化体表面から数cm内部までの表層部分へと浸透するのに適した構造となっている。そのため、該誘導体が硬化体の表層部分における水分保持に寄与し、前述の脂肪酸エステル混合物が有する外部からの水分の浸入防止と高い養生効果の実現と相まって、セメント系硬化体の乾燥抑制と防水性の維持、さらには炭酸ガスや塩化物イオンの侵入抑制における相乗効果の発現につながると推察される。
次に、実施例に基づいて本発明をより詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[コンクリート用養生剤]
<脂肪酸エステル混合物>
以下の実施例及び比較例で使用した式(1)R1CO−O−R2で表される脂肪酸エステル混合物の組成を表1に示す。
Figure 2013193885
[アルコキシシラン誘導体]
以下の実施例で使用したアルコキシシラン誘導体を以下の手順にて調製した。なお文中、アルコキシシランに対するポリオキシアルキレン化合物(以降、ポリアルキレングリコールとも称する)のモル比率とは、アルコキシシラン構造中のアルコキシ基1モルに対するポリオキシアルキレン化合物の仕込みモル比である。
(製造例1:アルコキシシラン誘導体(化合物B−1)の製造方法)
撹拌機、温度計、コンデンサー、留出物回収槽及び窒素導入管を備え付けた反応容器にテトラエトキシシラン401部、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル(ポリエチレングリコールの繰り返し単位の平均が3であるもの)1593部(アルコキシシランに対するモル比率:4)及びトリエチルアミン5部を仕込んだ。反応器内を窒素気流下とし、140℃まで2時間かけて昇温後、同温にて7時間撹拌し、生成するエタノールを留出
させながら反応させた。反応の終点はエタノールの回収量により判断し、淡黄色液体(化合物B−1)1569部(収率95%)を得た。
(製造例2:アルコキシシラン誘導体(化合物B−2)の製造方法)
トリエチルアミンの仕込み量、装置および製造手順は製造例1に従い、テトラエトキシシラン317部、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルのかわりにポリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(ポリエチレングリコールの繰り返し単位の平均が3であるもの)1601部(アルコキシシランに対するモル比率:4)を用いて、化合物B−2(1560部、収率95%)を得た。
(製造例3:アルコキシシラン誘導体(化合物B−3)の製造方法)
トリエチルアミンの仕込み量、装置および製造手順は製造例1に従い、テトラエトキシシランのかわりにエトキシシラン重縮合物(平均重合度5)1087部、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル(ポリエチレングリコールの繰り返し単位の平均が3であるもの)908部(アルコキシシランに対するモル比率:3)を用いて、化合物B−3(1707部、収率95%)を得た。
上記脂肪酸エステル混合物:混合物A−1、比較混合物C−1及びC−2、並びに、上記調製したアルコキシシラン誘導体:化合物B−1〜B−3を用いて後述の表3に示す実施例及び比較例の養生剤とし、以下の手順にて製造したフレッシュコンクリートの硬化体に適用し、各種性能を評価した。なお比較例1として養生剤を使用していない硬化体(ブランク)も合わせて評価した。
[試験用フレッシュコンクリートの製造]
コンクリートの仕様は呼び強度30MPaとし、スランプ:8±2.5cm、空気量:4.5±1.5%とした。試験用コンクリートの配合を表2に示す。練り混ぜ方法は、公称容量1m3の水平二軸強制練りミキサを用いて、各バッチのコンクリート製造量を0.
8m3×1バッチとし、まずセメントと細骨材をミキサへ投入し10秒練り、その後練り
混ぜ水、混和剤と粗骨材を投入して120秒間練り混ぜ、その後排出し、以降の試験の供した。
Figure 2013193885
[養生剤を用いたコンクリート試験評価]
<コンクリートの圧縮強度試験>
前記の手順にて作製したフレッシュコンクリートで、圧縮強度試験用の供試体(φ10cm×20cm)を作製し、圧縮強度試験を行った。供試体は作製の翌日に脱型し、供試体全面(上面、底面、側面)に表3に示す各養生剤を均一に塗布(150g/m2)し、
温度20℃、湿度60%の環境下にて気中養生を行った。圧縮強度試験はJIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)に準拠し、改質剤塗布後、材齢7日及び材齢28日における圧縮強度を測定した。結果を表3に示す。
<乾燥質量減少率、長さ変化率>
前記の手順にて作製したフレッシュコンクリートで、乾燥質量減少率ならびに長さ変化率測定用のコンクリート供試体(縦10cm×横10cm×高さ40cm)を作製し、乾燥質量減少率の測定を行った。供試体は材齢3日で脱枠し、脱枠直後に作製したコンクリート供試体上面に表3に示す各養生剤を塗布(150g/m2)したのち、供試体の質量
を測定し、乾燥質量減少率の基点とした。またモールドゲージ方法にて供試体の寸法を測定し、これを長さ変化率の基準値とした。以降供試体を温度20℃、湿度60%の条件にて保管し、材齢28日における乾燥質量減少率および長さ変化率を後述の式を用いて算出した。
ここで、乾燥質量減少率の値が小さい供試体ほど、供試体中の水分逸散を抑制できていることを意味する。また長さ変化率の値は、養生剤を塗布していない供試体(比較例1)の長さ変化率の値より小さいほど、供試体の乾燥収縮を抑制していることを意味する。結果を表3に示す。
《乾燥質量減少率》
乾燥質量減少率(%)={[試験後の供試体の質量−試験前の供試体の質量]/[試験前の供試体の質量]}×100
《長さ変化率》
長さ変化率(10-6)=[試験後の各供試体の長さ(mm)−試験前の供試体の長さ(mm)]/[試験前の供試体の長さ(mm)]
<吸水防止性能試験>
前記手順にして作製したフレッシュコンクリートで試験板(縦1,000mm×横1,000mm×厚さ100mm、図1参照)を作製し、吸水防止性能の測定に適用した。表3に示す各養生剤を試験板表面に塗布(150g/m2)した後、該試験板を単管パイプ
で組み立てた試験板設置枠を用いて屋外放置した(図2参照)。
材齢28日の時点で、試験板1表面の6箇所に太さの異なる2つの円柱が組み合わさってできた漏斗形状のガラス器具2を粘着剤3を用いて設置(接着)した(図1(B)参照)。なおこのガラス器具2の試験板1と接する太い円柱部分の径2aは27mmφ、この太い円柱部分の長さ2cは40mm、細い円柱部分の径2bは12mmφ、細い円柱部分の長さ2dは115mmである。図1(A)にガラス器具の接着箇所(試験点):上部A点〜C点、下部D〜F点を示す。設置したガラス器具2の内部をイオン交換水で満たし、パラフィン製フィルムでガラス器具2の開口部2−1を覆い密封した。試験点A〜Fのそれぞれにつき、48時間経過後のイオン交換水の吸水量を測定し、上部試験点(A点〜C点)と、下部試験点(D点〜E点)のそれぞれの単位面積(1cm2)当たりの吸水量の
平均値(単位吸水量)を求めた。結果を表3に示す。
なお、吸水防止性能は、養生剤を塗布していないブランクの試験板(比較例1)と比較して、単位吸水量の値が少ないほど、供試体中への水分浸入を抑制できていることを意味する。さらに、上部と下部の単位吸水量の値が同等であるものは、所定の性能が均一に得られていることを示している。
<炭酸ガスの浸透抑制性能試験>
前記手順にして作製したフレッシュコンクリートでJIS A 1153(コンクリートの促進中性化試験方法)に準拠して試験体(10×10×20cm)を作製し、試験体全面(上面、底面、側面)に表3に示す各緻密層形成剤を均一に塗布(150g/m2
し、各試験体を温度20℃、湿度60%の条件にて保管した。材齢1週間経過後、温度20℃、湿度60%、CO2濃度5%促進養生を行い、JIS A 1152(コンクリー
トの中性化深さの測定方法)に準拠し、試験体の28日後の中性化深さ(炭酸ガス浸透性)を測定した。
<塩化物イオン浸透抑制性能試験>
前記手順にして作製したフレッシュコンクリートで試験体(10×10×40cm)を作製し、試験体全面(上面、底面、側面)に表3に示す各緻密層形成剤を均一に塗布(150g/m2)し、各試験体を温度20℃、湿度60%の条件にて保管した。材齢1週間
経過後より、各試験体を40℃の5%NaCl水溶液を3日間噴霧したのち、4日間湿度60%で乾燥させるという塩水噴霧乾湿繰り返しサイクルを1ヶ月間継続し、JIS A
1171(ポリマーセメントモルタルの試験方法)に準拠し、28日後の塩分浸透深さを測定した。
Figure 2013193885
表3に示すように、脂肪酸エステル混合物(A−1)とアルコキシシラン誘導体(B−1〜B−3)とを含有するコンクリート用養生剤を適用したセメント系硬化体(実施例1〜実施例3)は、養生剤を用いていないブランクの硬化体(比較例1)、並びに長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が多い脂肪酸エステル混合物(C−1)及び長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が多い脂肪酸エステル混合物(C−2)を含有する養生剤を適用した硬化体(比較例2及び比較例3)に比べ、圧縮強度が高く、乾燥質量減少率及び長さ変化率が低く、吸水防止性を示す単位吸水量の値も小さいとする結果となった。特に、比較例2及び比較例3の硬化体においては単位吸水量の上部と下部の値の差が大きいものの、実施例1〜3の硬化体は単位吸水量の上部と下部の値に殆ど差がないとする結果となり、本発明の硬化体が、適用した箇所(場所)によらず所定の性能が均一に得られた硬化体であるとする
結果となった。
さらに、上記コンクリート用養生材を適用した硬化体(実施例1〜実施例3)は、比較例の硬化体と比べ、いずれも炭酸ガスや塩化物イオンの浸透性(拡散性)も抑えられたものとなっているとする結果が得られた。
尚、実施例1〜実施例3は比較例1に比べて、圧縮強度が9〜10%向上しているが、これは、実施例1〜実施例3のセメント硬化体が比較例1のセメント硬化体と比べ、硬化体表層内部が緻密な構造となっていることを示唆するものであり、これにより炭酸ガスや塩化物イオンの浸透性(拡散性)の抑制につながったものとみられる。
1・・・試験板
2・・・ガラス器具
2−1・・・開口部
3・・・粘着剤

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)と、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られるアルコキシシラン誘導体(B)を含有するコンクリート用養生剤が表面から表層に含浸されてなるセメント系硬化体。
    1CO−O−R2 (1)
    (式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、その全脂肪酸残基中、炭
    素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が3〜40質量%、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であり、そして炭素原子数16〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜10質量%の割合であり、R2は炭素原子数1〜8
    のアルキル基を表す。)
    3O−(AO)n−H (2)
    (式中、R3は炭素原子数が1〜18の炭化水素基を表し、AOは炭素原子数2〜4のオ
    キシアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R1COは、その全
    脂肪酸残基中、炭素原子数18の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が10質量%未満、炭素原子数18の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、そして炭素原子数18の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%である、請求項1記載のセメント系硬化体。
  3. 下記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)と、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られるアルコキシシラン誘導体(B)を含有するコンクリート用養生剤をセメント系硬化体表面に施工することを特徴とする、セメントモルタル又はコンクリートの養生方法。
    1CO−O−R2 (1)
    (式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、その全脂肪酸残基中、炭
    素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が3〜40質量%、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であり、そして炭素原子数16〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜10質量%の割合であり、R2は炭素原子数1〜8
    のアルキル基を表す。)
    3O−(AO)n−H (2)
    (式中、R3は炭素原子数が1〜18の炭化水素基を表し、AOは炭素原子数2〜4のオ
    キシアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
  4. 前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R1COは、その全
    脂肪酸残基中、炭素原子数18の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が10質量%未満、炭素原子数18の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、そして炭素原子数18の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%である、請求項3記載のセメントモルタル又はコンクリートの養生方法。
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