JP2013193884A - コンクリート用稠密層形成剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】養生効果によるコンクリート強度を充分に発現し、吸水防止性および収縮低減性を高めることで表面のひび割れに対する抵抗性も備えたコンクリート用稠密層形成剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)を含有するコンクリート用稠密層形成剤。
1CO−O−R2 (1)
(式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、R2は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。該R1COは、その全脂肪酸残基中、長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割
合が20〜90質量%、長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が5〜80質量%である、脂肪酸残基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、脂肪酸エステル混合物を含有するコンクリート用稠密層形成剤に関し、詳細には、セメント硬化体の表面状態を改質し、水分の浸入および逸散を防止することによってセメント硬化体の乾燥収縮を低減するとともに硬化体の耐久性を向上し、長期にわたって劣化を防止することができるコンクリート用稠密層形成剤に関する。
硬化コンクリートは水とセメントとの反応よりなる水硬性組成物であり、その硬化過程において硬化体中では水和に伴う水分の化学的損失が起こる一方、表層では暴露環境による乾燥を受け、水分の物理的損失が生じる。一般的には適切な養生等により硬化体中に水分を保持することによって長期にわたり強度が増進するが、硬化体外部への水分逸散はセメント硬化体の強度発現の妨げとなり、さらには初期ひび割れの主要因ともなりうる。また、長期にわたり乾燥を受けたセメント硬化体は、収縮によって部材のひずみが生じ、やがては部材面でのひび割れ発生、漏水等によるコンクリート構造物の劣化を促進し、ひいては構造的欠陥に繋がるおそれがある。乾燥による劣化以外のセメント硬化体の劣化現象としては、例えばアルカリ骨材反応、塩害が挙げられるが、これらの劣化現象は硬化体内部への水分浸入により促進されるものである。このような観点により、コンクリート構造物の劣化防止には、硬化体に対して短期及び長期にわたって乾燥抑制と水分侵入防止(吸水防止)の両方の効果を満足に発揮せしめることが求められる。
上記劣化現象の防止策として、例えば特許文献1には、脂肪酸エステルを用いた撥水剤組成物が提案されている。特許文献2には、飽和脂肪酸エステルのエマルジョンが乾燥抑制剤として適用されている。
また、シラン系化合物からなる耐久性向上剤としては、例えば、特許文献3には撥水性を有するアルキルポリシロキサンを内添した成形体が提案されており、更に特許文献4にはアルキルアルコキシシランをコンクリート表面に含浸させて撥水性を付与する方法が提案されている。また、乾燥収縮の低減と水分の浸入を防止する表面含浸剤として、特許文献5にオルガノアルコキシシランとグリコールエーテル系界面活性剤の混合物が提案されている。また、特許文献6には、乾燥収縮低減性を向上させる剤としてテトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体が提案されている。
特開平7−69696号公報 特開2008−273765号公報 特開昭58−2252号公報 特開平2−16186号公報 特開平3−93680号公報 国際公開第04/108628号パンフレット
これまで提案されてきた脂肪酸エステル化合物を用いたコンクリートの耐久性向上剤は、上述の文献に示されているように、硬化体の乾燥抑制による圧縮強度の増進や撥水性の付与等を主目的とするものであった。しかしながら、これらの技術は打設後短期間での劣化防止能には優れているものの、防水効果が経時で低下するなど、材齢28日以上の長期の耐久性確保においては未だ改善の余地があった。また、近年の土木建築構造物の長寿命
化に加え、コンクリートのひび割れ防止の一手段としての収縮低減の需要も多い。
また、硬化体表面に塗布する塗料型の養生剤における高機能化という点において、従来は塗膜の表面の改質のみが着目され、コンクリートの表層から内部に渡って含浸させ、硬化体そのものを物理的性状を改質する技術については、未だ改善の余地があった。
このように、従来提案されている耐久性向上剤や撥水剤、乾燥収縮低減剤等では、短期的な乾燥抑制や、硬化体表面の撥水性付与など、劣化現象の要因に対して個別の対応にとどまっており、硬化体の短期及び長期にわたって乾燥抑制及び水分侵入防止(吸水防止)の両面を改良するべく工夫されたコンクリート硬化体向け薬剤は提案されていない。
本発明は、養生効果によるコンクリート硬化体の強度を充分に発現し、吸水防止性および収縮低減性を高めることで表面のひび割れに対する抵抗性も備え、さらには炭酸ガスや塩化物イオンの侵入を抑制してこれらによるコンクリート劣化を低減できる、新たなコンクリート硬化体向け薬剤として、コンクリート用稠密層形成剤を提供することにある。
本発明者等は上記課題について検討し、研究を進めた結果、特定の構成を有する脂肪酸エステル混合物をセメント硬化体に適用することにより、硬化時・硬化後のコンクリート収縮を抑制し、コンクリート硬化体の強度発現を増進し、硬化後の経時的な使用を経て発生する乾燥収縮の低減や吸水防止性を長期に渡って維持できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)を含有するコンクリート用稠密層形成剤に関する。
2CO−O−R3 (1)
(式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、R2は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。該R1COは、その全脂肪酸残基中、長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割
合が20〜90質量%、長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が5〜80質量%である、脂肪酸残基を示す。)
前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R1COは、その
全脂肪酸残基中、長鎖飽和脂肪酸残基の割合が0〜40質量%、長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜90質量%、長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が5〜80質量%、そして長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜15質量%であることが好ましい。
また一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R1COは、その
全脂肪酸残基中、炭素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が3〜40質量%、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜50質量%、炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が10〜40質量%、そして炭素原子数16〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜10質量%であることが好ましい。
さらに前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R2COは
、その全脂肪酸残基中、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、そして炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であることがさらに好ましい。
特に、前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R2COは
、その全脂肪酸残基中、炭素原子数18の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が10質量%以下、炭素原子数18の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、そして炭素原子数18の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%であることが好ましい。
また、本発明において、前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)は、40〜200のヨウ素価を有するものであることが好ましい。
さらに本発明は、上記式(1)で表される脂肪酸エステル混合物に加え、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアル
キレン化合物を反応させることによって得られるアルコキシシラン誘導体(B)を含有する、コンクリート用稠密層形成剤に関する。
3O−(AO)n−H (2)
(式中、R3は炭素原子数が1〜18の炭化水素基を表し、AOは炭素原子数2〜4のオ
キシアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
前記アルコキシシラン誘導体(B)は、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物をアルコキシポリオキシアルキレン基(その全体中、オキシアルキレン基の付加モル数2乃至6のものが90質量%以上を占める)で変性したアルコキシシラン誘導体(B)であることが好ましい。
そして本発明は、前記コンクリート用稠密層形成剤、並びに、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、減水剤、AE剤、起泡剤、消泡剤、養生剤、撥水剤、凝結促進剤及び凝結遅延剤からなる群から選択される少なくとも一種の他のコンクリート添加剤を含有することを特徴とする、セメント混和剤にも関する。
本発明のコンクリート用稠密層形成剤は、従来提案されている耐久性向上剤等で改良される短期的な乾燥抑制などの限られた性能向上にとどまらず、硬化体の短期及び長期にわたって乾燥抑制及び水分侵入防止(吸水防止)の両面を満足に改良する新たなコンクリート硬化体向け薬剤であり、本稠密層形成剤をセメント硬化体等に適用することにより、適用初期にはセメント硬化体の乾燥を防止し強度発現を促進するとともに収縮をも低減し、長期にわたってセメント硬化体の乾燥を防止しつつ防水性を維持することができる。しかも本発明のコンクリート用稠密層形成剤は、硬化体表面からの炭酸ガスや塩化物イオンの侵入をも抑制でき、これらの侵入によるコンクリート劣化防止に寄与できる。
また本発明のコンクリート用稠密層形成剤は、コンクリート外装などの広い面積に適用する場合においても、適用箇所で性能の差を生ずることがなく、乾燥防止と防水の均一性に優れたものとすることができる。
図1は、吸水防水性能試験で使用した試験板の正面図(図1(A))及びガラス器具を設置した側面図(図1(B))を示す図である。 図2は、吸水防水性能試験で使用した試験板を屋外放置するための試験板設置枠の正面図(図2(A))、側面図(図2(B))及び斜視図(図2(C))である。
以下、本発明について更に詳しく説明する。なお本発明のコンクリート用稠密層形成剤とは後述するように、コンクリート表層において該形成剤により緻密な層が形成され、コンクリート表層の水分(湿り気)を適度な状態保つ役割を担う薬剤を指す。
[(A)一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物]
本発明のコンクリート用稠密層形成剤(以下、単に稠密層形成剤とも称する)に用いられる(A)脂肪酸エステルは下記一般式(1)で表される脂肪酸エステルである。
1CO−O−R2 (1)
(式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、R2は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。該R1COは、その全脂肪酸残基中、長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割
合が20〜90質量%、長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が5〜80質量%である、脂肪酸残基を示す。)
上記R1COは、好ましくは、その全脂肪酸残基中、長鎖飽和脂肪酸残基の割合が0〜
40質量%、長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜90質量%、長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が5〜80質量%、そして長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜15質量%
である。
上記R1COにおいて、炭素原子数12〜24の長鎖飽和脂肪酸残基としては、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、ペンタシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸及びリグノセリン酸等由来の脂肪酸残基が挙げられる。
炭素原子数12〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸等由来の脂肪酸残基が挙げられる。
炭素原子数12〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基としては、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、等由来の脂肪酸残基が挙げられる。
炭素原子数12〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基としては、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸等由来の脂肪酸残基が挙げられる。
上記R1COは、より好ましくは炭素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基及び炭素
原子数16〜24の長鎖モノ、長鎖ジ、又は長鎖トリ不飽和脂肪酸残基であり、前記長鎖飽和脂肪酸残基:前記長鎖モノ不飽和脂肪酸残基:前記長鎖ジ不飽和脂肪酸残基:前記長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合は、3〜40質量%:20〜50質量%:10〜40質量%:0〜10質量%であることが好ましい。
より好ましくはR1COは、前記長鎖モノ不飽和脂肪酸残基:前記長鎖ジ不飽和脂肪酸
残基が30〜50質量%:20〜40質量%の割合を有することが好ましく、例えば前記長鎖飽和脂肪酸残基:前記長鎖モノ不飽和脂肪酸残基:前記長鎖ジ不飽和脂肪酸残基:前記長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合は同5〜30質量%:30〜50質量%:20〜40質量%:0〜10質量%、例えば同5〜20質量%:35〜50質量%:25〜40質量%:0〜10質量%、あるいは同5〜15質量%:40〜50質量%:30〜40質量%:0〜10質量%とすることができる。
そして前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R2COは
、その全脂肪酸残基中、炭素原子数18の長鎖飽和脂肪酸残基が10質量%以下、炭素原子数18の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基が30〜50質量%、そして炭素原子数18の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基が20〜40質量%の割合を有することが最も好ましい。
上記R2において、炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基又はn−オクチル基である直鎖アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖アルキル基等が挙げられる。
中でもメチル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基が最も好ましい。
また前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)は、40〜200のヨウ素価を有することが好ましく、特に40〜180、さらには80〜120のヨウ素価を有することが好ましい。
[(B)アルコキシシラン誘導体]
本発明のコンクリート用稠密層形成剤には、前記(A)脂肪酸エステル混合物に加え、(B)アルコキシシラン誘導体を含有し得る。前記(B)アルコキシシラン誘導体は、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られるものである。
3O−(AO)n−H (2)
(式中、R3は炭素原子数が1〜18の炭化水素基を表し、AOは炭素原子数2〜4のオ
キシアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
上記アルコキシシランとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類等を用いることができる。これらのうち、本発明においては入手容易性、取扱性等の観点からテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランの使用が特に好ましい。
アルコキシシランの加水分解物/重縮合物は、例えば、アルコキシシランの所定量を水、メタノール、エタノール、酢酸エチル等の水もしくは有機溶媒に溶解し、そのまま加熱あるいは所定量の酸もしくは塩基を添加して部分的に加水分解させることにより調製することができる。通常、重合度は2〜10が好ましい。
前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物において、R3は炭素原子数
が1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基としては炭素原子数1〜30のアルキル基;フェニル基、アルキルフェニル基、アルキルフェニル基で置換されたフェニル基、及びナフチル基等のベンゼン環を有する炭素原子数6〜18の芳香族基;並びにオレイル基、リノレイル基等の炭素原子数2乃至18のアルケニル基が挙げられ、中でも炭素原子数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
炭素原子数1〜30のアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、1−ヘプチルデシル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖アルキル基が挙げられる。これらのうち、炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましく、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基がより好ましく、n−ブチル基が最も好ましい。
前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物において、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を示し、具体的にはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基が挙げられる。nはアルキレンオキサイドの付加モル数であって、0〜20の整数を表す。nが2以上の場合、オキシアルキレン基は同一のものであっても異なるものであってもよい。(AO)nが2種以上のアルキレンオキシ基から構成される場
合は、ブロック付加、ランダム付加のいずれであってもよいが、ブロック付加であることが好ましく、特に水素原子に連結する末端がエチレンオキシ基であることがより好ましい。
前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物の具体例としては、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール
モノメチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが挙げられる。
上記(B)アルコキシシラン誘導体において、前記アルコキシシラン又はその加水分解物に対して前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られる化合物は、例えば下記式(3)で表される。
4 m−Si−(OR54-m (3)
上記式(3)中、
mは0乃至3の数を表し、
4は、mが1を表す場合、あるいは、mが2又は3を表す場合にはそれぞれ独立して、
炭素原子数1乃至4のアルキル基、ビニル基、3−グリシドキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、フェニル基又は3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基を表し、
5は、mが3を表す場合には−(AO)n−OR3基を表し、mが0乃至2を表す場合にはそれぞれ独立して、炭素原子数1乃至4のアルキル基又は−(AO)n−OR3基を表
し、但しR5のうち少なくとも1つは−(AO)n−OR3基を表し、
3、AO及びnは上記式(2)で定義されたものと同じ意味を表す。
また、上記(B)アルコキシシラン誘導体において、前記アルコキシシランの重縮合物に対して前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られる化合物は、例えば下記式(4)で表される。
(R6)(R7)(R8)Si−[O−Si(R9)(R10)]p−R11 (4)
上記式(4)中、
6〜R11は、それぞれ独立して、炭素原子数1乃至4のアルキル基、炭素原子数1乃至
4のアルコキシ基、ビニル基、3−グリシドキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、−(AO)n−OR3基を表
し、但し、R6〜R10のうち少なくとも1つは−(AO)n−OR3基を表し、pは自然数を表し、
3、AO及びnは上記式(2)で定義されたものと同じ意味を表す。
なお、前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物全体のうち、nが1以下のものの割合と、nが10以上のものの割合が、該化合物全体の質量に基づいてそれぞれ5質量%以下、好ましくはそれぞれ4質量%以下、特に好ましくはそれぞれ3質量%以下であるものを用いることが望ましい。上記アルコキシシラン誘導体をコンクリート用稠密層形成剤の一成分として使用したとき、nが1以下のものの割合が高いと、化合物の疎水性が高くなるため水分の保持性能が低下し、結果として乾燥質量減少率が高くなってしまう。一方nが10以上のものの割合が高いと、化合物中のポリオキシアルキレン基が占める割合が高くなるため親水性が高くなり、結果として吸水防止性が低下してしまう。
特に、収縮低減効果と防水性の点で、nが2乃至6のものの割合が90質量%以上であることが好ましく、nが2乃至4のものの割合が90質量%以上であることがより好ましく、nが3のものの割合が90質量%以上であることが最も好ましい。
アルキレンオキサイドの付加モル数が2〜6程度のポリオキシアルキレンアルキルエーテルをアルカリ触媒を使用して得ようとした場合、通常付加モル数は分布を有するため、付加モル数が1以下のものが少なからず生成する。従って、その場合何らかの低減処理が必要になるが、その割合を低減させるには従来公知の方法が利用可能である。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの製造後に未精製の反応液を蒸留することにより、それらの含有割合を低減させることができる。また、炭素数1〜18の一価アルコールに
対して酸触媒や複合金属酸化物等の存在下アルキレンオキサイドを付加することで、蒸留等の分別操作を経ずに直接得ることもできる。
上記アルコキシシラン誘導体は、例えば前記アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物とを反応容器に仕込み、加熱して生成するアルコールを留去しながらエステル交換反応を行うことにより得ることができる。反応温度は通常50〜150℃程度である。また、上記のエステル交換反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒を使用することができる。また、前記アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物の反応比率は前記アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物中のアルコキシ基の1当量に対し、上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物が0.3〜1当量であれば好ましく、0.5〜1当量であればより好ましい。
[コンクリート用稠密層形成剤]
本発明のコンクリート用稠密層形成剤において、前記(A)脂肪酸エステル混合物に加えて(B)アルコキシシラン誘導体を使用する場合、(A)脂肪酸エステル混合物と(B)アルコキシシラン誘導体の配合割合は、質量比で5〜95:95〜5の範囲内で使用でき、より好ましくは20〜95:80〜5、50〜95:50〜5、70〜95:30〜5、最も好ましくは70〜90:30〜10にて使用することができる。
本発明のコンクリート用稠密層形成剤において、前記(A)脂肪酸エステル混合物と(B)アルコキシシラン誘導体の他に含まれ得るその他の成分としては、汎用的に使用される防水剤、耐水剤、撥水剤、消泡剤、養生剤、収縮低減剤が挙げられる。例えば、シリコーン、ポリシロキサン、脂肪油、脂肪酸および/またはそのアルキルエステル等の疎水性化合物、パラフィンワックスエマルジョンに代表されるエマルジョン類、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、具体的には炭素原子数1ないし18のアルキル基またはアルケニル基を有し、炭素原子数2ないし4のアルキレンオキシドの平均付加モル数が1ないし50モルのポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル類;炭素原子数1ないし8のアルキレン基またはアルケニル基を有し、炭素原子数2ないし4のアルキレンオキシドの平均付加モル数が1ないし50モルのポリオキシアルキレングリコール類;或いは、炭素原子数1ないし8のアルキル基またはアルケニル基を有し、炭素原子数2ないし4のアルキレンオキシドの平均付加モル数が1〜50モルのポリオキシアルキレンジアルキルエーテル類、ポリブテン、ポリイソブチレンなどに代表される炭化水素系高分子化合物などが挙げられる。これら併用されるその他の成分の配合比は、質量比で前記(A)脂肪酸エステル混合物の質量又は(A)脂肪酸エステル混合物と(B)アルコキシシラン誘導体の総質量:併用されるその他の成分の総質量=50:50〜99:1の割合で、好ましくは70:30〜99:1である。
本発明のコンクリート用稠密層形成剤は、後述するように主としてセメント組成物の硬化後、その表面に塗布または含浸させることによって効果を発現するが、あらかじめセメント類に配合して使用することもできる。使用されるセメント類としては、特に限定はなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、超速硬ポルトランドセメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、自硬性セメント、石灰スラグセメント、高炉セメント、高硫酸塩スラグセメント、フライアッシュセメント、キーンスセメント、ポゾランセメント、アルミナセメント、ローマンセメント、白セメント、マグネシアセメント、水滓セメント、カルシウムアルミネート、シリカセメント、シリカフュームセメント、ジェットセメント、エコセメント、石膏、或いは、市販品の一例として太平洋セメント(株)製「スーパージェットセメント(商品名)」、住友大阪セメント(株)製「ジェットセメント(商品
名)」等の超速硬セメント、さらに、半水石膏、高炉スラグ等の潜在水硬性物質等が挙げられる。これらセメント類は一種単独で、又はこれらから選ばれる一種又は二種以上を混合して使用することができる。また、これらのセメントに、砂、小石、石灰等を配合したコンクリート(コンクリート製品、生コンクリート、軽量コンクリート)やモルタルに、本発明のコンクリート用稠密層形成剤を用いることができる。
本発明のコンクリート用稠密層形成剤の使用態様は特に限定されず、従来公知のコンクリート改質剤と同様の使用態様、例えば、硬化あるいは半硬化したセメント硬化体表面に塗布(或いは散布・吹付け・噴霧等)して含浸させる態様が挙げられる。また本稠密層形成剤は、硬化体表面に塗布する以外にも、セメント類の練り水に添加して使用する態様、セメント類を混練しながらそこに添加する態様、シリカ等の吸油性粉体に吸収させて固体状とし、それをセメント類に添加する態様等も適用可能である。
本発明のコンクリート用稠密層形成剤をセメント硬化体に対して塗布する場合、通常その表面に対して50〜300g/m2程度を使用する。また、あらかじめセメント類と配
合して用いる場合は、セメント質量に対して0.1〜10質量%が好ましい。但しコンクリートの材料、配合条件により異なるので本発明のコンクリート用稠密層形成剤の添加量はこれに限定されるものではない。
本発明のコンクリート用稠密層形成剤は、他のセメント用添加剤と混和し、所謂セメント混和剤の形態として使用することもできる。配合され得る他のセメント用添加剤としては、養生剤、離型剤、消泡剤、収縮低減剤、表面美観向上剤、撥水剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、コンクリート用塗料、表面補修材等が挙げられる。これらのほか、増粘剤、膨張材、防錆剤、有機繊維、無機繊維、有機ポリマー、顔料など、セメント組成物に通常用いる種々の混和材料を使用できる。
本発明のコンクリート用稠密層形成剤は、セメント硬化体等に適用することにより、適用初期にはセメント硬化体の乾燥を抑制し強度発現を促進する所謂養生剤としての働きを有するとともに収縮をも低減し、長期にわたってセメント硬化体の乾燥を抑制しつつ防水性を維持することができる。すなわち本発明の稠密層形成剤は、コンクリート表面の細孔から表層部分に浸透して、コンクリート硬化体を構成するセメントや骨材のわずかな空隙に行き渡り、空隙を閉鎖してコンクリート表層部分に稠密な層を形成してコンクリート表層からの水分の出入りを遮り、コンクリート表層の湿り気を過少(乾燥)或いは過多(吸水)とすることなく適度な湿り気に調節する役割を担う、新たなコンクリート硬化体向け薬剤である。
本発明のコンクリート用稠密層形成剤がコンクリート表層の湿り気の調節効果に優れる理由の一つとして、稠密層形成剤に不飽和結合の数が異なる脂肪酸エステルを組み合わせて脂肪酸エステル混合物の形態として用いることにより、硬化体表層に浸透して脂肪酸エステルが配列する際に各々の分子間相互作用を緩和でき、これにより脂肪酸エステルの配列がより緻密なものとなり、上述の稠密な層を形成しているものと推察される。そしてこれによりコンクリート表層の湿り気を適切なものに保つことができ、結果、高い養生効果と吸水防止性に寄与し、さらには炭酸ガスや塩化物イオンの侵入抑制にも貢献しているものと推察される。
さらにアルコキシシラン誘導体は、親水性と疎水性のバランスが最適化された構造を有し、セメント硬化体表面から数cm内部までの表層部分へと浸透するのに適した構造となっている。アルコキシシラン誘導体をさらに添加することにより、該誘導体が前述の脂肪酸エステル同様に硬化体の表層部分に浸透し、ここで該誘導体は加水分解してシリケートとなり、硬化体内部の空隙に存在する水や水酸化カルシウムと反応してゲルを形成し、これが水分保持に寄与するとともに、空隙の閉鎖そしてコンクリート表層部分における稠密な層形成にも寄与するとみられる。そのため、前述の脂肪酸エステル混合物が有する外部
からの水分の浸入防止と高い養生効果の実現と相まって、コンクリート表層における適度な湿り気を有する環境の実現、そしてセメント硬化体の乾燥防止と防水性の維持、さらには炭酸ガスや塩化物イオンの侵入抑制における相乗効果の発現につながると推察される。
次に、実施例に基づいて本発明をより詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[脂肪酸エステル混合物]
以下の実施例及び比較例で使用した式(1)R1CO−O−R2で表される脂肪酸エステル混合物の組成を表1に示す。
Figure 2013193884
[アルコキシシラン誘導体]
以下の実施例で使用したアルコキシシラン誘導体を以下の手順にて調製した。なお文中、アルコキシシランに対するポリオキシアルキレン化合物(以降、ポリアルキレングリコールとも称する)のモル比率とは、アルコキシシラン構造中のアルコキシ基1モルに対するポリオキシアルキレン化合物の仕込みモル比である。
(製造例1:アルコキシシラン誘導体(化合物B−1)の製造方法)
撹拌機、温度計、コンデンサー、留出物回収槽及び窒素導入管を備え付けた反応容器にテトラエトキシシラン401部、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル(ポリエチレングリコールの繰り返し単位の平均が3であるもの)1593部(アルコキシシランに対するモル比率:4)及びトリエチルアミン5部を仕込んだ。反応器内を窒素気流下とし、140℃まで2時間かけて昇温後、同温にて7時間撹拌し、生成するエタノールを留出
させながら反応させた。反応の終点はエタノールの回収量により判断し、淡黄色液体(化合物B−1)1569部(収率95%)を得た。
(製造例2:アルコキシシラン誘導体(化合物B−2)の製造方法)
トリエチルアミンの仕込み量、装置および製造手順は製造例1に従い、テトラエトキシシラン317部、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルのかわりにポリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(ポリエチレングリコールの繰り返し単位の平均が3であるもの)1601部(アルコキシシランに対するモル比率:4)を用いて、化合物B−2(1560部、収率95%)を得た。
(製造例3:アルコキシシラン誘導体(化合物B−3)の製造方法)
トリエチルアミンの仕込み量、装置および製造手順は製造例1に従い、テトラエトキシシランのかわりにエトキシシラン重縮合物(平均重合度5)1087部、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル(ポリエチレングリコールの繰り返し単位の平均が3であるもの)908部(アルコキシシランに対するモル比率:3)を用いて、化合物B−3(1707部、収率95%)を得た。
上記脂肪酸エステル混合物:混合物A−1〜A−8、比較混合物C−1及びC−2、並びに、上記調製したアルコキシシラン誘導体:化合物B−1〜B−3を用いて後述の表3に示す実施例及び比較例の稠密層形成剤とし、以下の手順にて製造したフレッシュコンクリートの硬化体に適用し、各種性能を評価した。なお比較例1として稠密層形成剤を使用していない硬化体(ブランク)も合わせて評価した。
[試験用フレッシュコンクリートの製造]
コンクリートの仕様は呼び強度30MPaとし、スランプ:8±2.5cm、空気量:4.5±1.5%とした。試験用コンクリートの配合を表2に示す。練り混ぜ方法は、公称容量1m3の水平二軸強制練りミキサを用いて、各バッチのコンクリート製造量を0.
8m3×1バッチとし、まずセメントと細骨材をミキサへ投入し10秒練り、その後練り
混ぜ水、混和剤と粗骨材を投入して120秒間練り混ぜ、その後排出し、以降の試験の供した。
Figure 2013193884
[稠密層形成剤を用いたコンクリート試験評価]
<コンクリートの圧縮強度試験>
前記の手順にて作製したフレッシュコンクリートで、圧縮強度試験用の供試体(φ10cm×20cm)を作製し、圧縮強度試験を行った。供試体は作製の翌日に脱型し、供試体全面(上面、底面、側面)に表3に示す各稠密層形成剤を均一に塗布(150g/m2
)し、温度20℃、湿度60%の環境下にて気中養生を行った。圧縮強度試験はJIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)に準拠し、改質剤塗布後、材齢7日及び材齢28日における圧縮強度を測定した。結果を表3に示す。
<乾燥質量減少率、長さ変化率>
前記の手順にて作製したフレッシュコンクリートで、乾燥質量減少率ならびに長さ変化率測定用のコンクリート供試体(縦10cm×横10cm×高さ40cm)を作製し、乾燥質量減少率の測定を行った。供試体は材齢3日で脱枠し、脱枠直後に作製したコンクリート供試体上面に表3に示す各稠密層形成剤を塗布(150g/m2)したのち、供試体
の質量を測定し、乾燥質量減少率の基点とした。またモールドゲージ方法にて供試体の寸法を測定し、これを長さ変化率の基準値とした。以降供試体を温度20℃、湿度60%の条件にて保管し、材齢28日における乾燥質量減少率および長さ変化率を後述の式を用いて算出した。
ここで、乾燥質量減少率の値が小さい供試体ほど、供試体中の水分逸散を抑制できていることを意味する。また長さ変化率の値は、稠密層形成剤を塗布していない供試体(比較例1)の長さ変化率の値より小さいほど、供試体の乾燥収縮を抑制していることを意味する。結果を表3に示す。
《乾燥質量減少率》
乾燥質量減少率(%)={[試験後の供試体の質量−試験前の供試体の質量]/[試験前の供試体の質量]}×100
《長さ変化率》
長さ変化率(10-6)=[試験後の各供試体の長さ(mm)−試験前の供試体の長さ(mm)]/[試験前の供試体の長さ(mm)]
<吸水防止性能試験>
前記手順にして作製したフレッシュコンクリートで試験板(縦1,000mm×横1,000mm×厚さ100mm、図1参照)を作製し、吸水防止性能の測定に適用した。表3に示す各稠密層形成剤を試験板表面に塗布(150g/m2)した後、該試験板を単管
パイプで組み立てた試験板設置枠を用いて屋外放置した(図2参照)。
材齢28日の時点で、試験板1表面の6箇所に太さの異なる2つの円柱が組み合わさってできた漏斗形状のガラス器具2を粘着剤3を用いて設置(接着)した(図1(B)参照)。なおこのガラス器具2の試験板1と接する太い円柱部分の径2aは27mmφ、この太い円柱部分の長さ2cは40mm、細い円柱部分の径2bは12mmφ、細い円柱部分の長さ2dは115mmである。図1(A)にガラス器具の接着箇所(試験点):上部A点〜C点、下部D〜F点を示す。設置したガラス器具2の内部をイオン交換水で満たし、パラフィン製フィルムでガラス器具2の開口部2−1を覆い密封した。試験点A〜Fのそれぞれにつき、48時間経過後のイオン交換水の吸水量を測定し、上部試験点(A点〜C点)と、下部試験点(D点〜E点)のそれぞれの単位面積(1cm2)当たりの吸水量の
平均値(単位吸水量)を求めた。結果を表3に示す。
なお、吸水防止性能は、稠密層形成剤を塗布していないブランクの試験板(比較例1)と比較して、単位吸水量の値が少ないほど、供試体中への水分浸入を抑制できていることを意味する。さらに、上部と下部の単位吸水量の値が同等であるものは、所定の性能が均一に得られていることを示している。
<炭酸ガスの浸透抑制性能試験>
前記手順にして作製したフレッシュコンクリートでJIS A 1153(コンクリートの促進中性化試験方法)に準拠して試験体(10×10×20cm)を作製し、試験体全面(上面、底面、側面)に表3に示す各緻密層形成剤を均一に塗布(150g/m2
し、各試験体を温度20℃、湿度60%の条件にて保管した。材齢1週間経過後、温度20℃、湿度60%、CO2濃度5%促進養生を行い、JIS A 1152(コンクリー
トの中性化深さの測定方法)に準拠し、試験体の28日後の中性化深さ(炭酸ガス浸透性)を測定した。
<塩化物イオン浸透抑制性能試験>
前記手順にして作製したフレッシュコンクリートで試験体(10×10×40cm)を作製し、試験体全面(上面、底面、側面)に表3に示す各緻密層形成剤を均一に塗布(150g/m2)し、各試験体を温度20℃、湿度60%の条件にて保管した。材齢1週間
経過後より、各試験体を40℃の5%NaCl水溶液を3日間噴霧したのち、4日間湿度60%で乾燥させるという塩水噴霧乾湿繰り返しサイクルを1ヶ月間継続し、JIS A
1171(ポリマーセメントモルタルの試験方法)に準拠し、28日後の塩分浸透深さを測定した。
Figure 2013193884
表3に示すように、脂肪酸エステル混合物(A−1〜A−8)を含有する本発明のコンクリート用稠密層形成剤を適用したセメント硬化体(実施例1〜実施例11)は、稠密層形成剤を用いていないブランクの硬化体(比較例1)、並びに長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が多い脂肪酸エステル混合物(C−1)及び長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が多い脂肪酸エステル混合物(C−2)を含有する稠密層形成剤を適用した硬化体(比較例2及び比較例3)に比べ、圧縮強度が高く、乾燥質量減少率及び長さ変化率が低く、吸水防止性を示す単位吸水量の値も小さいとする結果となった。特に、比較例2及び比較例3の硬化体においては単位吸水量の上部と下部の値の差が大きいものの、実施例1〜実施例11の硬化体は単位吸水量の上部と下部の値に殆ど差がないとする結果となり、本発明のコンクリート用稠密層形成剤を適用した硬化体は、適用した箇所(場所)によらず所定の性能
が均一に得られているとする結果となった。
また、アルコキシシラン誘導体(B−1〜B−3)と組み合わせることにより(実施例9〜実施例11)、強度、収縮低減性(乾燥質量減少率、長さ変化率)並びに吸水防止性がより優れたものとなるとする結果が得られた。
さらに、本発明のコンクリート用稠密層形成剤を適用した硬化体(実施例1〜実施例11)は、比較例の硬化体と比べ、いずれも炭酸ガスや塩化物イオンの浸透性(拡散性)も抑えられたものとなっているとする結果が得られた。
尚、実施例1〜実施例11は比較例1に比べて、圧縮強度が9〜10%向上しているが、これは、実施例1〜実施例11のセメント硬化体が比較例1のセメント硬化体と比べ、硬化体表層内部が緻密な構造となっていることを示唆するものであり、これにより炭酸ガスや塩化物イオンの浸透性(拡散性)の抑制につながったものとみられる。
以上の通り、本発明の脂肪酸エステル混合物(A)を含有するコンクリート用稠密層形成剤をセメント硬化体等に適用することにより、長期にわたってセメント硬化体の乾燥を防止しつつ防水性を維持し、従来のものよりさらに高い収縮低減効果を発揮することができる。
1・・・試験板
2・・・ガラス器具
2−1・・・開口部
3・・・粘着剤

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)を含有するコンクリート用稠密層形成剤。
    1CO−O−R2 (1)
    (式中、R1COは炭素原子数12〜24の脂肪酸残基を表し、R2は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。該R1COは、その全脂肪酸残基中、長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割
    合が20〜90質量%、長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が5〜80質量%である、脂肪酸残基を示す。)
  2. 前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R1COは、その全
    脂肪酸残基中、長鎖飽和脂肪酸残基の割合が0〜40質量%、長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜90質量%、長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が5〜80質量%、そして長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜15質量%である、請求項1記載のコンクリート用稠密層形成剤。
  3. 前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R1COは、その全
    脂肪酸残基中、炭素原子数16〜24の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が3〜40質量%、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜50質量%、炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が10〜40質量%、そして炭素原子数16〜24の長鎖トリ不飽和脂肪酸残基の割合が0〜10質量%の割合である、請求項1記載のコンクリート用稠密層形成剤。
  4. 前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R1COは、その全
    脂肪酸残基中、炭素原子数16〜24の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、そして炭素原子数16〜24の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%である、請求項3記載のコンクリート用稠密層形成剤。
  5. 前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)において、R1COは、その全
    脂肪酸残基中、炭素原子数18の長鎖飽和脂肪酸残基の割合が10質量%以下、炭素原子数18の長鎖モノ不飽和脂肪酸残基の割合が30〜50質量%、そして炭素原子数18の長鎖ジ不飽和脂肪酸残基の割合が20〜40質量%である、請求項3記載のコンクリート用稠密層形成剤。
  6. 前記一般式(1)で表される脂肪酸エステル混合物(A)は、40〜200のヨウ素価を有する、請求項1記載のコンクリート用稠密層形成剤。
  7. さらにアルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物と、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物を反応させることによって得られるアルコキシシラン誘導体(B)を含有する、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のコンクリート用稠密層形成剤。
    3O−(AO)n−H (2)
    (式中、R3は炭素原子数が1〜18の炭化水素基を表し、AOは炭素原子数2〜4のオ
    キシアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
  8. 前記アルコキシシラン誘導体(B)は、アルコキシシラン、その加水分解物又はその重縮合物をアルコキシポリオキシアルキレン基(その全体中、オキシアルキレン基の付加モル数2乃至6のものが90質量%以上を占める)で変性したアルコキシシラン誘導体(B)である、請求項7に記載のコンクリート用稠密層形成剤。
  9. 請求項1乃至請求項8のうち何れか一項に記載のコンクリート用稠密層形成剤、並びに、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、減水剤、AE剤、起泡剤、消泡剤、養生剤、撥水剤、凝結促進剤及び凝結遅延剤からなる群から選択される少なくとも一種の他のコンクリート添加剤を含有することを特徴とする、セメント混和剤。
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