JP2008514530A - 水硬性材料用添加剤およびコンクリート組成物 - Google Patents

水硬性材料用添加剤およびコンクリート組成物 Download PDF

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Abstract

テトラアルコキシシラン系水硬性材料用添加剤およびテトラアルコキシシラン加水分解系水硬性材料用添加剤が、混和剤として用いられる。少ない添加量で効率よく乾燥収縮低減性が向上し、ひび割れ抑制および耐久性がコンクリート構造物に付与される。

Description

本発明は、コンクリート混和剤などの水硬性材料用添加剤およびコンクリート組成物に関する。本発明は、強度、乾燥収縮低減性および耐久性等の性能に優れるコンクリートを形成するために用いられる。
水硬性材料用添加剤は、優れた強度や耐久性等を付与できることから、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物等に広く用いられており、土木・建築構造物等を構築するために欠かせない。
コンクリート組成物においては、硬化した後に、外気温や湿度条件等により、内部に残った未反応水分の散逸が起こる。そして、これに起因すると考えられる乾燥収縮が進行し、硬化物中にひび割れが生じて強度及び耐久性が低下する問題があった。土木・建築構造物等の強度や耐久性が低下すると、安全性の低下や修復コストの増大等の重要な問題が生じる。そこで、土木・建築構造物等の乾燥収縮の進行を抑制する水硬性材料用乾燥収縮低減剤の重要性が認識され、技術革新が盛んに行なわれている。
乾燥収縮を低減し、土木・建築構造物の耐久性向上を図る水硬性材料用添加剤に関して、近年、技術革新が盛んである。例えば、シラン系化合物からなる水硬性材料用添加剤が開発されている。
特開平7−33497号公報では、反応性けい酸化合物及び/又はシラン化合物を主成分とするセメント混和剤が開示されている。
特開平7−48159号公報では、加水分解作用成分(シランポリマー、シラン化合物、及び水分解性シラン誘導体)を主成分とするセメント混和剤が開示されている。
しかしながら、これらの水硬性材料用添加剤を用いて所定の乾燥収縮低減性および耐久性を得るためには、大量の添加剤を添加する必要であり、効率よく乾燥収縮低減性および耐久性を向上させる点について、改良の余地があった。
本発明の目的は、効率よく乾燥収縮低減性および耐久性を向上させることを可能とする、汎用性の高い水硬性材料用添加剤を提供することである。そして、このような特性を有する水硬性材料用添加剤を用いることによって、水硬性材料の製造コストを抑制しつつ、硬化物の乾燥収縮の進行を充分に抑制して、優れたひび割れ防止効果を発揮させる。また、本発明の他の目的は、前記水硬性材料用添加剤を用いたコンクリート組成物を提供することである。
本発明は、テトラアルコキシシラン系水硬性材料用添加剤およびテトラアルコキシシラン加水分解系水硬性材料用添加剤のうち少なくとも1種を含むコンクリート組成物である。
前記テトラアルコキシシラン系水硬性材料用添加剤は、好ましくは、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体からなる群より選択される。
前記テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体は、下記式(1)に示される化合物であることが好ましい。
Figure 2008514530
ここで、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、mは0〜3の整数であり、Rは、同一または異なって、−(AO)、−(CRCOOM、または−(CRSOQであり、Aは炭素数2〜18の直鎖または分岐の炭化水素基であり、Rは水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、R〜Rは、同一または異なって、水素原子、メチル基、またはエチル基であり、MおよびQは、同一または異なって、水素、一価金属、二価金属、アンモニウム、有機アミン基、または−(BO)であり、Bは炭素数2〜18の直鎖または分岐の炭化水素基であり、Rは水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、nは1〜300の整数であり、pおよびgは、同一または異なって、1〜10の整数であり、dは1〜300の整数である。
前記テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体は、下記式(2)に示される化合物であってもよい。
Figure 2008514530
ここで、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、rは0〜3の整数であり、R10は−(CR11−CR12−O)13であり、R11およびR12は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、VおよびVは、同一または異なって、水素原子、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、前記カルボキシル基を有する側鎖は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する繰り返し単位を有し、R13は炭素数1〜30の炭化水素基であり、tは1〜300の整数であり、R10は、少なくとも1つのカルボキシル基を有する。
前記テトラアルコキシシラン加水分解系水硬性材料用添加剤は、テトラアルコキシシランの加水分解生成物、テトラアルコキシシランを加水分解後ポリアルキレンオキサイドにより誘導体化して得られた化合物、およびテトラアルコキシシランを加水分解後アルキルポリアルキレンオキサイドにより誘導体化して得られた化合物からなる群より選択される。
前記テトラアルコキシシラン加水分解系水硬性材料添加剤は、テトラアルコキシオリゴマーおよび/またはそのポリアルキレンオキサイド誘導体に、少なくともエチレン性不飽和カルボン酸系単量体を含むエチレン性不飽和単量体を付加して得られた化合物であってもよい。
本発明のコンクリート組成物は、好ましくは、さらに減水剤を含む。減水剤は、好ましくはポリカルボン酸系高性能AE減水剤である。
また本発明は、アルコキシシラン酸変性体を含んでなる水硬性材料用添加剤である。
前記アルコキシシラン酸変性体は、好ましくは式(3)または式(4)に示される構造を有する。
Figure 2008514530
式(3)において、R14は炭素数1〜30の炭化水素基であり、yおよびzは1〜3の整数であり、2≦y+z≦4を満たし、R15は−(WO)17であり、R16は、同一または異なって、−(CR1819COOX、または、−(CR2021SOYであり、Wは炭素数2〜18の直鎖または分岐の炭化水素基であり、R17は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、R18〜R21は、同一または異なって、水素原子、メチル基、またはエチル基であり、XおよびYは、同一または異なって、水素、一価金属、二価金属、アンモニウム、有機アミン基、または−(DO)22であり、R22は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、bは1〜300の整数であり、uおよびhは、同一または異なって1〜10の整数であり、fは1〜300の整数である。
Figure 2008514530
ここで、R23は炭素数1〜30の炭化水素基であり、cは1〜3の整数であり、R24は−(CR25−CR26−O)27であり、R25およびR26は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、VおよびVは、同一または異なって、水素原子、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、前記カルボキシル基を有する側鎖は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する繰り返し単位を有し、R27は炭素数1〜30の炭化水素基であり、qは1〜300の整数であり、R24は、少なくとも1つのカルボキシル基を有する。
また、本発明は、前記水硬性材料用添加剤を含むコンクリート組成物である。本発明のコンクリート組成物は、好ましくは、減水剤を含む。
本発明のシラン系化合物を水硬性材料用添加剤として用いた場合、より少量の添加剤で、硬化物の乾燥収縮性および耐久性を、効率的に向上させることが可能である。
テトラアルコキシシラン系水硬性材料用添加剤としては、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体が挙げられる。
テトラアルコキシシランは、特に限定はされないが、好ましくは式(5)に示される化合物である。
Figure 2008514530
ここで、Rは、同一または異なって、炭素数1〜30の炭化水素基である。
式(5)において、Rにおける炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素数1〜30のアルキル基;フェニル基、アルキルフェニル基、アルキルフェニル基で置換されたフェニル基、およびナフチル基等のベンゼン環を有する炭素数6〜30の芳香族基;ならびに炭素数2〜30のアルケニル基が挙げられる。
前記テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体は、前記式(1)に示される化合物であることが好ましい。
式(1)において、R、RおよびRにおける炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素数1〜30のアルキル基;フェニル基、アルキルフェニル基、アルキルフェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する炭素数6〜30の芳香族基;炭素数2〜30のアルケニル基が挙げられる。
オキシアルキレン基AO、BOの炭素原子数は、好ましくは2〜18であり、より好ましくは2〜8であり、さらに好ましくは2〜4である。AOおよびBOの例としては、−(CHCHO)−、−(CHCHCHO)−、−(CHCHCHCHO)−、−(CHCH(CH)O)−、−(CHCHCH(CH)O)−、−(CH(CH)CH(CH)O)−などが挙げられる。オキシアルキレン基は、2種以上のオキシアルキレンから構成されていてもよい。その際の構成状態は、ブロック、ランダム、交互いずれの形態であっても構わない。
nおよびdは、オキシアルキレン基の繰り返し数を表し、好ましくは1〜300であり、より好ましくは1〜150であり、さらに好ましくは1〜100である。
MおよびQは、水素、一価金属、二価金属、アンモニウム、有機アミン基、または−(BO)である。一価金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。二価金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。有機アミン基としては、トリメチルアミン基、トリエチルアミン基、エタノールアミン基等が挙げられる。
前記テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体は、前記式(2)に示される化合物であってもよい。式(2)において、RおよびR13についての説明は、R、R、およびRの説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
10は、−(CR11−CR12−O)13である。すなわち、R10は、式(6)に示される繰り返し単位を有する。式(6)に示されるポリオキシアルキレン基の具体的構造は、特に限定されない。ポリオキシアルキレン基は、1種のオキシアルキレンから構成されていてもよいし、2種以上のオキシアルキレンから構成されていてもよい。
Figure 2008514530
ここで、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、rは0〜3の整数であり、R10は−(CR11−CR12−O)13であり、R11およびR12は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、VおよびVは、同一または異なって、水素原子、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、前記カルボキシル基を有する側鎖は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する繰り返し単位を有し、R13は炭素数1〜30の炭化水素基であり、tは1〜300の整数であり、R10は、少なくとも1つのカルボキシル基を有する。
コンクリート組成物中には、式(6)に示される側鎖以外の側鎖を有する、化合物が含まれていてもよい。また、R及びR10は、一方が水素原子であり、他方が水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基であることが好ましい。
11およびR12における炭素数1〜18の炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基;フェニル基、アルキルフェニル基、アルキルフェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する炭素数6〜18の芳香族基;炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられる。
カルボキシル基を有する側鎖は、不飽和カルボン酸系単量体を必須成分とするエチレン性不飽和単量体成分が重合して形成されてなる構造を有する。このような重合体は、例えば、後述するように、不飽和カルボン酸系単量体を含むエチレン性不飽和単量体成分をポリエーテル化合物にグラフト重合することにより、製造される。このような手法を用いることにより、重合体成分を簡便に製造できる。
式(2)におけるtは、テトラアルコキシシランのカルボキシル基を有する側鎖を持つポリオキシアルキレンの繰り返し数であり、好ましくは1〜300であり、より好ましくは1〜150であり、さらに好ましくは1〜100である。
カルボキシル基を有する側鎖の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール等のポリエーテル化合物に、(メタ)アクリル酸、マレイン酸をグラフト重合させた構造が挙げられる。
テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体化、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体化の方法は、特に限定されず、公知の方法が用いられうる。
以下に、本発明の重合体成分に関して、エチレン性不飽和単量体成分、ポリエーテル化合物、および重合体の製造方法を詳述する。
〔エチレン性不飽和単量体成分〕
上記エチレン性不飽和単量体成分における不飽和カルボン酸系単量体は、重合性不飽和結合とカルボキシル基とを分子内に少なくとも1つずつ有する単量体である。好ましくは、不飽和モノカルボン酸系単量体と、α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体および/またはその無水物とを必須成分として含む。それぞれ1種が用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体および/又はその無水物を必須成分として含むと、重合反応の暴走による、急激な増粘が防止されうる。上記エチレン性不飽和単量体成分中における不飽和カルボン酸系単量体の含有量は、本発明の作用効果を奏することになる限り特に限定されず、例えば、主成分として含有することが好ましく、その他の成分を含有していても含有していなくてもよい。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、3−メチルクロトン酸、2−メチル−2−ペンテン酸等が挙げられる。これらの中では、容易に入手できる点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
上記α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体及び/又はその無水物としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸の無水物等が挙げられる。これらの中では、容易に入手できる点から、マレイン酸、フマル酸及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
上記不飽和カルボン酸系単量体におけるα,β−不飽和ジカルボン酸系単量体および/又はその無水物の含有量は、例えば、適度な速度でポリエーテル化合物にグラフト重合させて増粘を防止するためには、好ましくは0.1〜99.9重量%であり、より好ましくは1〜99重量%であり、更に好ましくは10〜90重量%であり、特に好ましくは20〜80重量%である。
本発明におけるエチレン性不飽和単量体成分の好ましい態様の1つは、α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体と(メタ)アクリル酸とを必須成分として含む。このような態様におけるα,β−不飽和ジカルボン酸系単量体と(メタ)アクリル酸との重量比は、好ましくは1/99〜99/1であり、より好ましくは5/95〜95/5であり、更に好ましくは10/90〜90/10であり、特に好ましくは15/85〜85/15である。
上記エチレン性不飽和単量体成分に含有させうる不飽和カルボン酸系単量体以外のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸エステル類やそれ以外のエチレン性不飽和単量体が挙げられる。これらは、1種又は複数種使用されうる。上記エチレン性不飽和カルボン酸エステル類としては、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸のアルキルエステル類;フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸のアルキルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル類;(メトキシ)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ナフトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、モノフェノキシポリエチレングリコールマレエート、カルバゾールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和カルボン酸エステル類以外のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、以下に記載するもの等が挙げられる。スチレン等の芳香族ビニル系単量体類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド等のアミド基を有するビニル系単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のトリアルキルオキシシリル基を有するビニル系単量体類;γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等のケイ素原子を有するビニル系単量体類;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドテシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体。
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基を有するビニル系単量体類;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基を有するビニル系単量体類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート類等のアミノ基を有するビニル系単量体類;(メトキシ)ポリエチレングリコール(メタ)アリルエーテル、(メトキシ)ポリエチレングリコールイソプロペニルエーテル等の不飽和エーテル類;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ビニルスルホン酸、ヒドロキシアリルオキシプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル系単量体類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール、ビニルピロリドン、エチルビニルエーテル等のその他の官能基を有するビニル系単量体類等。
〔重合体成分の製造方法〕
本発明における重合体成分を調製するグラフト重合は、ポリエーテル化合物から水素原子やハロゲン原子が引き抜かれた際に発生するグラフト部位を開始点としてエチレン性不飽和単量体が付加重合することにより行われる。
上記グラフト重合の方法は、ポリエーテル化合物にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合することができる方法であれば特に限定されない。例えば、グラフト率を上げると親水性グラフト重合体の性能を向上させることができる観点から、重合開始剤の存在下で重合が行われる。上記重合開始剤は、特に限定されず、公知のラジカル開始剤が用いられうる。反応性等の点から、有機過酸化物が特に好ましい。
上記有機過酸化物としては、特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(8)に記載するもの等が挙げられる。これらは単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。(1)ケトンパーオキサイド類:メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロメチルエチルケトンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等。(2)ハイドロパーオキサイド類:tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、2−(4−メチルシクロヘキシル)−プロパンハイドロパーオキサイド等。(3)ジアルキルパーオキサイド類:ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(tert−ブチルパーオキシ)p−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(tert−ブチルパーオキシ)p−イソプロピルヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等。(4)パーオキシエステル類:tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシビバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルエキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、クミルパーオキシオクトエート、tert−ヘキシルパーオキシビバレート、tert−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等。(5)パーオキシケタール類:n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレエート、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)オクタン等。(6)ジアシルパーオキサイド類:アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド等。(7)パーオキシジカーボネート類:ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート等。(8)その他の有機過酸化物類:アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート等。
上記グラフト重合では、有機過酸化物と共に、有機過酸化物の分解触媒や、還元性化合物が併用されうる。また、ポリエーテル化合物にエチレン性不飽和単量体成分を添加してグラフト重合を行う場合、重合開始剤等は、予めポリエーテル化合物に添加されてもよいし、エチレン性不飽和単量体成分に添加されてもよいし、エチレン性不飽和単量体成分と同時に反応系へ添加されてもよい。上記重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、エチレン性不飽和単量体成分に対して好ましくは0.1〜15重量%であり、より好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量%未満であっても、15重量%を超えても、ポリエーテル化合物へのグラフト率が低下するおそれがある。
上記グラフト重合は、溶液重合や塊状重合等の公知の重合方法により行われうる。溶液重合を行う際に用いることができる溶媒は特に限定されず、好ましくは、重合効率に悪影響を及ぼさない溶媒が用いられる。このような溶媒としては、例えば、水;n−ブタン、プロパン、ベンゼン、シクロヘキサン、ナフタレン等の炭化水素系;塩化メチル、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系;プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール系;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル等のエーテル系;メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系;酢酸メチル、酢酸エチル、安息香酸エチル、乳酸エチル等のエステル系;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸系;(ポリ)エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールとその誘導体系等の溶媒が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記グラフト重合は、回分式でも連続式でも行われうる。また、グラフト重合の温度は、好ましくは80〜160℃であり、より好ましくは100〜160℃である。80℃より低いと、グラフト重合が進行しにくく、ポリエーテル化合物へのエチレン性不飽和単量体のグラフト効率が低下するおそれがある。160℃より高いと、原料のポリエーテル化合物及び得られるグラフト重合体の熱分解が起こるおそれがある。
上記グラフト重合では、ポリエーテル化合物は、好ましくは、その一部又は全量が初期に仕込まれる。また、エチレン性不飽和単量体成分として、α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体、すなわちマレイン酸、フマル酸及び無水マレイン酸からなる群より選ばれた少なくとも1つの単量体等と、(メタ)アクリル酸とが含まれる場合、好ましくは、α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体のうちの半量以上を予めポリエーテル化合物に混合しておく。そして、この混合物をポリエーテル化合物の流動点(温度)以上に加熱した後、得られる混合物に残りのエチレン性不飽和単量体及び重合開始剤を別々に添加してグラフト重合を行う。この方法により、α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体のグラフト重合体への導入率が大幅に向上しうる。
上記エチレン性不飽和単量体成分の使用量は特に限定されず、例えば、エチレン性不飽和単量体成分中に含まれる不飽和カルボン酸系単量体が、ポリエーテル化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜100重量部であり、より好ましくは1〜80重量部であり、更に好ましくは2〜65重量部である。0.1重量部未満であると、重合体がセメントに作用しにくくなり性能低下を引き起こすおそれがある。100重量部を超えると、重合体による硬化遅延性が増大したり、反応混合物の粘度が高くなって取扱いにくくなるおそれがある。
上記グラフト重合により得られる重合体は、そのまま水硬性材料用混和剤として使用されてもよく、溶剤に溶解させて使用されてもよい。上記溶剤としては、例えば、水、アルコール等が挙げられる。好ましくは、水が用いられる。また、重合体がカルボキシル基、スルホン酸基等の酸基やそのエステル基を有する場合、塩基を添加して酸基やそのエステル基の一部又は全部を塩に変換したものを添加剤として使用してもよい。
上記塩基としては特に限定はされず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記グラフト重合の方法は、上述した方法に限定されるものではなく、例えば、欧州特許出願第0639592号、欧州特許出願第754712号、特開平11−279220号公報等に記載された方法も用いられうる。
本発明のコンクリート組成物は、テトラアルコキシシラン加水分解系水硬性材料用添加剤を含むものであってもよい。
本発明において使用するテトラアルコキシシラン加水分解系化合物は特に限定されないが、好ましくは、テトラアルコキシシランの加水分解生成物、テトラアルコキシシランを加水分解後ポリアルキレンオキサイドにより誘導体化して得られた化合物、およびテトラアルコキシシランを加水分解後アルキルポリアルキレンオキサイドにより誘導体化して得られた化合物からなる群より選択される。これらの化合物は、テトラアルコキシシランを出発物質として、調製することが好ましい。
前記テトラアルコキシシラン加水分解系水硬性材料添加剤は、テトラアルコキシオリゴマーおよび/またはそのポリアルキレンオキサイド誘導体に、少なくともエチレン性不飽和カルボン酸系単量体を含むエチレン性不飽和単量体を付加して得られた化合物であってもよい。
テトラアルコキシシランオリゴマーとは、テトラアルコキシシランを主成分とし、必要に応じてトリアルコキシシラン化合物、ジアルコキシシラン化合物、モノラルコキシシラン化合物等を使用した加水分解生成物をいう。テトラアルコキシシラン以外の成分としては、アルキルアルコキシシラン、メルカプトアルキルアルコキシシラン等が挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸系単量体を含むエチレン性不飽和単量体を付加する際に用いられる単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ならびにこれらの金属塩、アンモニウム塩およびアミン塩などの不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、ならびにこれらの金属塩、アンモニウム塩、およびアミン塩などの不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸、および無水シトラコン酸等の無水物;などが挙げられる。好ましくは、不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、およびこれらの金属塩、無水マレイン酸が用いられる。より好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、およびこれらの金属塩が用いられる。
エチレン性不飽和カルボン酸系単量体の構造としては、以下の構造が例示できる。
Figure 2008514530
28およびR29は、同一または異なって、水素原子またはメチル基であり、R30は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、nは0〜2の整数であり、mは0または1であり、kは1〜300の整数であり、AOは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基である。R30は、好ましくは水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基である。
エチレン系不飽和単量体の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
メトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ブトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−1−プロポキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロポキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ペンチルオキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ヘキシルオキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−オクチルオキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−エチル−1−ヘキシルオキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルアルコキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウリルアルコキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、セチルアルコキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアリルアルコキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェニルメトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルフェノキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−エチルフェノキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルフェノキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−t−ブチルフェノキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ドデシルフェノキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;エチレンオキサイドを付加させたアリルアルコールとアクリル酸とのエステル化物、エチレンオキサイドを付加させたメタリルアルコールとアクリル酸とのエステル化物、エチレンオキサイドを付加させたクロチルアルコールとアクリル酸とのエステル化物などの各種アルコキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類
メトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ブトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−1−プロポキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロポキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ペンチルオキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ヘキシルオキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−オクチルオキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−エチル−1−ヘキシルオキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルアルコキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウリルアルコキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、セチルアルコキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアリルアルコキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェニルメトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルフェノキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−エチルフェノキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルフェノキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−t−ブチルフェノキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ドデシルフェノキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;プロピレンオキサイドを付加させたアリルアルコールとアクリル酸とのエステル化物、プロピレンオキサイドを付加させたメタリルアルコールとアクリル酸とのエステル化物、プロピレンオキサイドを付加させたクロチルアルコールとアクリル酸とのエステル化物などの各種アルコキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート類
メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ブトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−1−プロポキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロポキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ペンチルオキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ヘキシルオキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−オクチルオキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−エチル−1−ヘキシルオキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルアルコキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウリルアルコキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、セチルアルコキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアリルアルコキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェニルメトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルフェノキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−エチルフェノキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルフェノキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、p−t−ブチルフェノキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ドデシルフェノキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加させたアリルアルコールとアクリル酸とのエステル化物、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加させたメタリルアルコールとアクリル酸とのエステル化物、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加させたクロチルアルコールとアクリル酸とのエステル化物などの各種アルコキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート類
テトラアルコキシシランオリゴマーおよび/またはそのポリアルキレンオキサイド誘導体に、エチレン性不飽和単量体を付加させる方法としては、以下の方法が挙げられる。メルカプト基を持つテトラアルコキシシランオリゴマーを連鎖移動剤とし、重合開始剤を用いて、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体と、カルボン酸を有さないエチレン性不飽和単量体とを重合する。重合は、溶媒重合でもよいし、塊状重合でもよい。溶媒中において重合する場合には、回分式でもよいし連続式でもよい。その際に使用される溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物などが挙げられる。原料単量体および付加反応物の溶解性を考慮すると、水または炭素数1〜4の低級アルコールを用いるとよい。
重合開始剤としては、溶媒が水の場合、アンモニウムもしくはアルカリ金属の過硫酸塩または過酸化水素が使用されうる。この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩、アスコルビン酸(塩)、ロンガリット酸等の促進剤が併用されてもよい。低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、またはケトン化合物を溶媒として用いる場合には、ベンゾイルパーオキサイドやラウロイルパーオキサイドなどのパーオキサイド;クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが、重合開始剤として用いられうる。水および低級アルコールからなる混合溶媒を用いる場合には、上記の種々の重合開始剤または重合開始剤と促進剤との組み合わせから、適宜選択して用いることが出来る。重合温度は、用いる溶媒や重合開始剤により異なるが、通常は0〜120℃の範囲内である。
塊状重合を行う際には、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイドやラウロイルパーオキサイド等のパーオキサイド;アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが、重合開始剤として用いられうる。重合温度は、通常は40〜200℃の範囲内である。
また本発明は、アルコキシシラン酸変性体を含んでなる水硬性材料用添加剤に関する。アルコキシシラン酸変性体とは、アルコキシシランに、カルボン酸またはスルホン酸を導入した構造を有する化合物を意味する。アルコキシシラン酸変性体の具体的構造は特に限定されないが、好ましくは式(3)または式(4)に示される構造を有する。
式(3)において、R14、R17およびR22における炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素数1〜30の炭化水素基;フェニル基アルキルフェニル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する炭素数6〜30の芳香族基;炭素数2〜30のアルケニル基が挙げられる。
オキシアルキレン基WOおよびDOの炭素原子数は、好ましくは2〜18であり、より好ましくは2〜8であり、さらに好ましくは2〜4である。WOおよびDOの例としては、−(CHCHO)−、−(CHCHCHO)−、−(CHCHCHCHO)−、−(CHCH(CH)O)−、−(CHCHCH(CH)O)−、−(CH(CH)CH(CH)O)−などが挙げられる。オキシアルキレン基は、2種以上のオキシアルキレンから構成されていてもよい。その際の構成状態は、ブロック、ランダム、交互いずれの形態であっても構わない。
bおよびfは、オキシアルキレン基の繰り返し数を表し、好ましくは1〜300であり、より好ましくは1〜150であり、さらに好ましくは1〜100である。
XおよびYは、水素、一価金属、二価金属、アンモニウム、有機アミン基、または−(DO)22である。一価金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。二価金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。有機アミン基としては、トリメチルアミン基、トリエチルアミン基、エタノールアミン基等が挙げられる。
アルコキシシラン酸変性体は、前記式(4)に示される化合物であってもよい。
式(4)において、R23およびR27における炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素数1〜30のアルキル基;フェニル基アルキルフェニル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する炭素数6〜30の芳香族基;炭素数2〜30のアルケニル基が挙げられる。
(OR24)は、前述の(OR10)と同様であるため、ここでは説明を省略する。R24、R25、R26、R27、V、V、qが、それぞれ、R10、R11、R12、R13、V、V、tに対応する。
アルコキシシラン酸変性体を含んでなる水硬性材料用添加剤は、セメント組成物中に含まれる。本発明の水硬性材料用添加剤を含むセメント組成物は、より少量の添加剤含有量で、優れた乾燥収縮性および耐久性が発現する。
本発明のコンクリート組成物は、更に減水剤(セメント分散剤)を含有していてもよい。減水剤としては、セメント粒子を分散させる作用を有するものであれば特に限定されない。例えば、公知の減水剤の他、リグニンスルホン酸や、ポリカルボン酸系、ナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン酸系等の減水剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このような減水剤を含むことにより、セメント粒子を分散させる作用が向上する。したがって、水硬性材料が流動性に優れたものとなり、作業性の著しい向上、水硬性材料中の水の含有量の低減による硬化物の強度や耐久性の向上が、引き出される。
上記減水剤において、リグニンスルホン酸等は、一般的にAE減水剤とも呼ばれる。ポリカルボン酸系、ナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン酸系等の減水剤は、一般的に高性能AE減水剤とも呼ばれる。このような減水剤の中でも、好ましくは高性能AE減水剤を用られ、より好ましくはポリカルボン酸系高性能AE減水剤が用いられる。
上記水硬性材料用混和剤組成物と上記減水剤との配合割合は、特に限定されない。例えば、減水剤として高性能AE減水剤を用いる場合には、(水硬性材料用混和剤組成物/高性能AE減水剤)が固形分の重量比で、好ましくは1/100〜100/1、より好ましくは1/100〜50/1であり、更に好ましくは1/100〜25/1である。水硬性材料添加剤の添加量が上記重量比より多くなると、高性能AE減水剤の減水性を阻害するおそれがある。
上述した水硬性材料用混和剤組成物は、本発明の作用効果を奏する限り、必要に応じて、更に、上述した溶剤やその他の成分を含んでいてもよい。例えば、以下の(1)〜(9)に示すような公知の添加剤(材)が組み合わされうる。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状の何れでも良く、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パチマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマー及びその四級化合物等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸又はクエン酸、および、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又は、デキストリン等のオリゴ糖、又は、デキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のオキシアルキレンを10モル以上付加させたポリオキシアルキレン誘導体類;アルキル基又はアルコキシル基を置換基として有しても良い、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(6)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(7)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(8)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカンジオール類等。
(9)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
(10)AE剤:樹脂石鹸、飽和あるいは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
その他の公知のセメント添加剤(材)としては、消泡剤、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等が挙げられる。これら公知のセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の水硬性材料用混和剤組成物は、従来公知のコンクリート工法等に広く適用されうる。工法は特に限定されず、例えば、高強度コンクリート工法、超高強度コンクリート工法、高流動コンクリート工法、フローイングコンクリート工法等が挙げられる。また、使用形態も特に限定されず、例えば、そのまま固形状又は粉末状等の形態で用いられてもよく、水と混合して水溶液又は水分散液等の形態で用いられてもよい。
本発明の水硬性材料用混和剤組成物が適用される水硬性材料としては、水硬性又は潜在水硬性を有するものであれば特に限定されない。例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント;シリカセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミナセメント、ビーライト高含有セメント、各種混合セメント;珪酸三カルシウム、珪酸二カルシウム、アルミン酸三カルシウム、鉄アルミン酸四カルシウム等のセメントの構成成分;潜在水硬性を有するフライアッシュ等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通ポルトランドセメントが通常よく使用され、好適に適用することができる。
本発明の水硬性材料用混和剤組成物の使用量は、水硬性材料に対して固形分換算で、好ましくは0.0001〜15重量%であり、より好ましくは0.001〜10重量%であり、更に好ましくは0.005〜7重量%であり、最も好ましくは0.01〜5重量%である。0.0001重量%未満であると、本発明の効果が低いおそれがあり、15重量%を超えると、水硬性材料の硬化遅延が生じやすくなる。
本発明の水硬性材料用混和剤組成物は、水硬性材料組成物の中でも、セメント組成物等に配合されて好適に用いられる。このようなセメント組成物としては、従来公知のものを使用でき、特に限定されない。例えば、セメント及び水を含むセメント水ペースト(セメント水スラリー);セメント、水及び砂を含むモルタル;セメント、水、砂及び石を含むコンクリート等が挙げられる。
上記セメント組成物に配合されるセメントとしては、従来公知のものを使用でき、特に限定されない。例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミナセメント、ビーライト高含有セメント、各種混合セメント等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポルトランドセメントが通常よく使用され、上記セメント添加剤が好適に適用されうる。
上記セメント組成物におけるセメント添加剤の配合割合は特に限定されない。例えば、セメント添加剤の必須成分である水硬性材料用混和剤組成物のセメントに対する重量割合が、固形分換算で、好ましくは0.0001〜15重量%であり、より好ましくは0.001〜10重量%であり、更に好ましくは0.005〜7重量%であり、最も好ましくは0.01〜5重量%である。0.0001重量%未満であると、本発明の効果が充分に発揮されないおそれがあり、15重量%を超えると、セメント組成物の硬化遅延が生じやすくなるおそれがある。
上記セメント組成物における水の配合割合は特に限定されない。セメントに対して、好ましくは10〜80重量%であり、より好ましくは15〜75重量%であり、更に好ましくは20〜70重量%であり、最も好ましくは25〜65重量%である。10重量%未満であると、各種成分の混合が不充分となって成形できなかったり、強度が低下したりするおそれがあり、80重量%を超えると、セメント組成物の硬化物の強度が低下するおそれがある。
上記セメント組成物をモルタルやコンクリートとして用いる場合、セメント組成物に配合される砂や石は、特に限定されず、従来公知のセメント組成物に用いられるものが使用されうる。例えば、自然作用によって岩石からできた川砂、海砂、山砂等の天然の細骨材;これらの岩石やスラグを粉砕した人工の細骨材;軽量細骨材等が挙げられる。砂の配合量については、従来公知のセメント組成物と同様とすればよく、特に限定されるものではない。また、石の配合量についても、従来公知のセメント組成物と同様とすればよく、特に限定されない。例えば、細骨材率が、好ましくは20〜60重量%であり、より好ましくは30〜50重量%である。20重量%未満であると、がさがさしたコンクリートとなり、スランプの大きいコンクリートでは、粗骨材とモルタル分とが分離しやすくなるおそれがある。60重量%を超えると、単位セメント量及び単位水量を多く必要とし、また、流動性の悪いコンクリートとなるおそれがある。
上記セメント組成物には必要に応じてその他の材料が配合されていてもよい。その他の材料としては、従来公知のセメント組成物と同様のものを用いることができ、特に限定されない。例えば、シリカヒューム、高炉スラグ、シリカ粉末や、鋼繊維、ガラス繊維等の繊維質材料等が挙げられる。これらの材料の配合量としては、従来公知のセメント組成物と同様とすればよく、特に限定されない。
上記セメント組成物を作製する方法は特に限定されない。例えば、セメントと水と必要に応じてその他の配合材料とを混合する際に、セメント添加剤、その水分散液又は水溶液を添加して一緒に混合する方法等の従来のセメント組成物と同様の方法;セメントと水と必要に応じてその他の配合材料とを予め混合しておき、得られた混合物にセメント添加剤、その水分散液又は水溶液を添加して混合する方法;セメントと必要に応じてその他の配合材料とを予め混合しておき、得られた混合物に、セメント添加剤、その水分散液又は水溶液と水とを添加して混合する方法;セメントと、セメント添加剤、その水分散液又は水溶液と、必要に応じてその他の配合材料とを予め混合しておき、得られた混合物に水を添加して混合する方法等が挙げられる。
上記セメント組成物は、その硬化物が強度や耐久性等に優れたものであることから、構造物の安全性の向上や修復コストの抑制に寄与する。上記セメント組成物は、土木・建築構造物等の様々な分野において広く好適に用いられうるものであり、このようなセメント組成物も本発明の好ましい形態の1つである。
以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。実施例中、「部」、「%」とは、特に断りのない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
<実施例1>
混和剤として、信越化学工業株式会社製テトラメトキシシラン(TMOS)を用いて、コンクリート組成物を調製した。
練り混ぜ量が30Lとなるように、以下のコンクリート配合に従って、各成分の計量を行なった。
単位セメント量:320.0kg/m
単位水量 :200.0kg/m
単位細骨材量 :895.7kg/m
単位粗骨材量 :905.7kg/m
セメントには普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製;比重3.16)を、細骨材には小笠山砂(比重2.62、FM値2.75)、粗骨剤には青梅産砕石(比重2.65、FM値6.65)をそれぞれ用いた。
コンクリートの練り混ぜは以下のようにして実施した。細骨材を2軸強制練りミキサー(容量55L)に投入し、10秒間空練りした後、回転を止めた。セメントを投入し、さらに10秒間空練し回転を止めた。さらに表1に示す量の混和剤を含む水を加え,90秒間混錬した後、回転を止めた。粗骨材を投入しさらに90秒間混錬し、ミキサーからコンクリート組成物を取り出した。得られたコンクリート組成物(フレッシュコンクリート)について、スランプ値および空気量を評価し、乾燥収縮低減性を評価した。評価結果を表1に示す。
スランプ値、空気量および乾燥収縮低減性の評価はそれぞれ以下の方法に準じて実施した。
スランプ値:JIS A 1101−1998(コンクリートのスランプ試験方法)
空気量 :JIS A 1128−1999(フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法)
乾燥収縮低減性:JIS A 1129−3:2001(モルタルおよびコンクリートの長さ変化試験方法−第3部:ダイヤルゲージ方法)
<比較例1>
混和剤として、太平洋セメント株式会社製テトラガードTMAS21(低級アルコールのアルキレンオキシド付加物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、コンクリート組成物を調製した。得られたコンクリート組成物(フレッシュコンクリート)について、スランプ値および空気量を評価し、乾燥収縮低減性を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2008514530
表1に示すように、TMOSを0.5%添加したコンクリートにおいては、混和剤を全く加えていないプレーンコンクリートに比べて乾燥日数28日目の収縮ひずみは大きく改善されていることがわかる。
市販の乾燥収縮低減剤であるテトラガードTMAS21においても同様の乾燥収縮ひずみを達成しているが、こちらは2質量%添加する必要があり、TMOSに比べて添加量が多い。0.5質量%添加時には、TMOSよりも乾燥収縮低減性が低いことが推測される。本発明を用いることによって、より少量の添加剤で充分な乾燥収縮低減性を達成でき、その結果、コンクリート構造物におけるひび割れ発生が抑制され、コンクリート構造物に耐久性が付与される。
<実施例2〜6、比較例2>
以下の手順により、水硬性材料用添加剤として用いられる化合物A〜化合物Fを調製した。
(化合物A) テトラメトキシシランオリゴマーのPGM−10エステル
温度計を取り付けた100ml三つ口フラスコをボトムとするリービッヒ冷却管、受器を有する減圧蒸留装置に、テトラメトキシシラン3.81部、水0.36部、p−トルエンスルホン酸1水和物0.038部、および反応溶媒としてメタノール1.28部を添加した。反応溶液を、オイルバスを使用し65℃に加温し、マグネッチックスターラーを使用し1時間攪拌して、テトラメトキシシラン(TMOS)の加水分解生成物を得た。
上記反応物に、メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数10個)を18.9部を添加し、105℃に加温した。さらに2時間かけて50mmHgまで減圧してメタノールを留去し、無色透明な液体(化合物A)19.3部を得た。
(化合物B) テトラメトキシシランのPGM−10エステル
温度計を取り付けた100ml三つ口フラスコをボトムとするリービッヒ冷却管、受器を有する減圧蒸留装置に、テトラメトキシシラン3.81部、メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数10個)を47.25部、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.136部を添加した。反応溶液を、オイルバスを使用し105℃に加温した。2時間かけて70mmHgまで減圧し、125℃に加温した。Nガスを0.8ml/minで液中に吹き込みながら90mmHgにて2時間攪拌することにより無色透明な液体(化合物B)48.1部を得た。
(化合物C) メトキシシランオリゴマーのPGM−10エステルにメタクリル酸を重合
温度計を取り付けた100ml三つ口フラスコをボトムとするリービッヒ冷却管、受を有する減圧蒸留装置にテトラメトキシシラン4.57部、水0.36部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.93部、p−トルエンスルホン酸1水和物0.046部および反応溶媒としてメタノール1.28部を添加した。反応溶液を、オイルバスを使用し65℃に加温し、マグネッチックスターラーを使用し1時間攪拌して、メトキシシランの加水分解生成物を得た。
上記反応物に、メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数10個)を37.8部を添加し、110℃に加温した。さらに2時間かけて50mmHgまで減圧してメタノールを留去した。
上記反応物を冷却後、開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬社製V−60TM)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))(和光純薬社製V−65TM)を各0.043部およびメタクリル酸8.61部を添加した。バス温を70℃とし、少量のNガスを液中に吹き込みながら1時間させた。反応後、90℃に加温し、50mmHgに減圧した状態で30分攪拌し、軽沸分をカットすることにより、淡黄色透明な液体(化合物C)を47.0部得た。
(化合物D) メトキシシランオリゴマーPGM−10エステルにアクリル酸を重合
温度計を取り付けた100ml三つ口フラスコをボトムとするリービッヒ冷却管、受器を有する減圧蒸留装置に、テトラメトキシシラン2.28部、水0.36部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.96部、p−トルエンスルホン酸1水和物0.023部および反応溶媒としてメタノール1.28部を添加した。反応溶液を、オイルバスを使用し65℃に加温し、マグネッチックスターラーを使用し1時間攪拌して、メトキシシランの加水分解生成物を得た。
上記反応物に、メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数10個)18.9部を添加し110℃に加温した。さらに2時間かけて50mmHgまで減圧してメタノールを留去した。
上記反応物を冷却後、開始剤としてV−60TM、V−65TMを各0.018部およびアクリル酸3.60部を添加した。バス温を60℃とし、少量のNガスを液中に吹き込みながら1時間反応させた。反応後、90℃に加温し、50mmHgに減圧した状態で30分攪拌し、軽沸分をカットすることにより、無色透明な液体(化合物D)25.0部を得た。
(化合物E) アルコキシシランオリゴマーにメタクリル酸、PGM−9Eを重合
温度計を取り付けた100ml三つ口フラスコをボトムとするリービッヒ冷却管、受器を有する減圧蒸留装置にテトラエトキシシラン6.25部、水0.72部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.93部、p−トルエンスルホン酸1水和物0.031部および反応溶媒としてエタノール3.13部を添加した。反応溶液を、オイルバスを使用し70℃に加温し、マグネッチックスターラーを使用し1時間攪拌した。オイルバス温度を100℃まで上昇させ、メタノール、エタノールを留去した。更に400mmHgまで30分かけて減圧し、軽沸を留去冷却してエトキシシランの加水分解生成物を得た。
上記反応物に、開始剤としてV−60TM、V−65TMを各0.038部、メタクリル酸8.61部およびメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数9個)29.79部を添加した。バス温を60℃とし、少量のNガスを液中に吹き込みながら1時間反応させた。反応後、90℃に加温し、50mmHgに減圧した状態で30分攪拌し、軽沸分をカットすることにより、無色透明な液体(化合物E)39.3部を得た。
(化合物F) メトキシシランオリゴマーのPGM−10エステルにメタクリル酸、PGM−9Eを重合
温度計を取り付けた100ml三つ口フラスコをボトムとするリービッヒ冷却管、受器を有する減圧蒸留装置にテトラメトキシシラン4.57部、水0.72部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.93部、p−トルエンスルホン酸1水和物0.046部および反応溶媒としてメタノール1.28部を添加した。反応溶液を、オイルバスを使用し65℃に加温し、マグネッチックスターラーを使用し1時間撹拌し、メトキシシランの加水分解生成物を得た。
上記反応物に、メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数10個)37.8部を添加し、110℃に加温した。さらに2時間かけて50mmHgまで減圧し、メタノールを留去した。
上記反応物を冷却後、開始剤としてV−60TM、V−65TMを各0.038部、メタクリル酸8.61部およびメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数9個)29.79部を添加した。バス温を60℃とし、少量のNガスを液中に吹き込みながら1時間反応させた。反応後、90℃に加温し、50mmHgに減圧した状態で30分撹拌し、軽沸分をカットすることにより、無色透明な液体(化合物F)78.6部を得た。
また、比較対象として、AE減水剤であるリグニンスルホン酸化合物ポリオール複合体(ポゾリス物産株式会社製ポゾリスTMNO.70)を準備した。以下、この化合物を、化合物Gと記載する。
化合物A〜化合物Gを水で希釈し、213.7gとしたものと、太平洋セメント株式会社製普通ポルトランドセメント485.8gおよびセメント強さ試験用標準砂(JIS R5201−1997)1350gを、ホバート型モルタルミキサー(ホバート社製N−50)を用いて、混練した。混練は、JIS R5201−1997の記載の方法に従って実施した。このとき、添加剤の添加量は、表2に示す通りである。
形成される固化体の乾燥収縮低減性、および分散性を、以下の手順で評価した。
乾燥収縮低減性を評価するためのモルタル供試体の作製は、JIS R1129に従った。モルタル供試体のサイズは、4×4×16cmとした。型枠には、予めシリコングリースを塗布して止水するとともに、容易に脱型できるようにした。供試体の両端には、ゲージプラグを装着した。混練して得られたモルタルを流し込んだ型枠を容器に入れ、密閉し20℃で保管し、初期養生を行った。2日後に脱型し、供試体に付着したシリコングリースをたわしを用いて水で洗浄し、続いて20℃の静水中で5日間養生した。
モルタル供試体の長さ変化は、株式会社西日本試験機製ダイヤルゲージTMを用いて、JIS A1129に従って測定した。静水中で5日間養生した供試体の表面の水を紙タオルでふき取った後、直ちに測長し、この時点の長さを基準とした。その後、温度20℃湿度60%に設定した恒温恒湿室の内部に保存し、適時測長した。水中養生終了後、7日目および14日目の各供試体の収縮ひずみを測定した。結果は表2に示す。
分散性は、フロー値を用いて評価した。フロー値は、JIS R5201に従って測定した。フロー値が高いほど、分散性に優れることを示す。
Figure 2008514530
性に優れる。また、特定の化合物については、分散性の向上も達成されている。
2003年6月6日に出願された日本特許出願2003−162506号における、明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全ての記載は、本願に参照として取り込まれる。

Claims (12)

  1. テトラアルコキシシラン系水硬性材料用添加剤およびテトラアルコキシシラン加水分解系水硬性材料用添加剤のうち少なくとも1種を含むコンクリート組成物。
  2. 前記テトラアルコキシシラン系水硬性材料用添加剤は、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体からなる群より選択される、請求項1に記載のコンクリート組成物。
  3. 前記テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体は、下記式(1)に示される化合物である、請求項2に記載のコンクリート組成物:
    Figure 2008514530
    ここで、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、mは0〜3の整数であり、Rは、同一または異なって(identically or differently)、−(AO)、−(CRCOOM、または−(CRSOQであり、Aは炭素数2〜18の直鎖または分岐の炭化水素基であり、Rは水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、R〜Rは、同一または異なって、水素原子、メチル基、またはエチル基であり、MおよびQは、同一または異なって、水素、一価金属、二価金属、アンモニウム、有機アミン基、または−(BO)であり、Bは炭素数2〜18の直鎖または分岐の炭化水素基であり、Rは水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、nは1〜300の整数であり、pおよびgは、同一または異なって、1〜10の整数であり、dは1〜300の整数である。
  4. 前記テトラアルコキシシランのポリアルキレンオキサイド誘導体、およびテトラアルコキシシランの酸誘導体が、下記式(2)に示される化合物である、請求項2に記載のコンクリート組成物:
    Figure 2008514530
    ここで、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、rは0〜3の整数であり、R10は−(CR11−CR12−O)13であり、R11およびR12は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、VおよびVは、同一または異なって、水素原子、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、前記カルボキシル基を有する側鎖は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する繰り返し単位を有し、R13は炭素数1〜30の炭化水素基であり、tは1〜300の整数であり、R10は、少なくとも1つのカルボキシル基を有する。
  5. 前記テトラアルコキシシラン加水分解系水硬性材料用添加剤は、テトラアルコキシシランの加水分解生成物、テトラアルコキシシランを加水分解後ポリアルキレンオキサイドにより誘導体化して得られた化合物、およびテトラアルコキシシランを加水分解後アルキルポリアルキレンオキサイドにより誘導体化して得られた化合物からなる群より選択される、請求項1に記載のコンクリート組成物。
  6. 前記テトラアルコキシシラン加水分解系水硬性材料添加剤は、テトラアルコキシオリゴマーおよび/またはそのポリアルキレンオキサイド誘導体に、少なくともエチレン性不飽和カルボン酸系単量体を含むエチレン性不飽和単量体を付加して得られた化合物である、請求項1に記載のコンクリート組成物。
  7. さらに減水剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンクリート組成物。
  8. 前記減水剤は、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤である、請求項7に記載のコンクリート組成物。
  9. アルコキシシラン酸変性体を含んでなる水硬性材料用添加剤。
  10. 前記アルコキシシラン酸変性体は、式(3)または式(4)に示される化合物である、請求項9に記載の水硬性材料用添加剤:
    Figure 2008514530
    ここで、R14は炭素数1〜30の炭化水素基であり、yおよびzは1〜3の整数であり、2≦y+z≦4を満たし、R15は−(WO)17であり、R16は、同一または異なって、−(CR1819COOX、または、−(CR2021SOYであり、Wは炭素数2〜18の直鎖または分岐の炭化水素基であり、R17は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、R18〜R21は、同一または異なって、水素原子、メチル基、またはエチル基であり、XおよびYは、同一または異なって、水素、一価金属、二価金属、アンモニウム、有機アミン基、または−(DO)22であり、R22は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、bは1〜300の整数であり、uおよびhは、同一または異なって1〜10の整数であり、fは1〜300の整数である;
    Figure 2008514530
    ここで、R23は炭素数1〜30の炭化水素基であり、cは1〜3の整数であり、R24は−(CR25−CR26−O)27であり、R25およびR26は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、VおよびVは、同一または異なって、水素原子、またはカルボキシル基を有する側鎖であり、前記カルボキシル基を有する側鎖は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する繰り返し単位を有し、R27は炭素数1〜30の炭化水素基であり、qは1〜300の整数であり、R24は、少なくとも1つのカルボキシル基を有する。
  11. 請求項9または10に記載の水硬性材料用添加剤を含むコンクリート組成物。
  12. さらに減水剤を含む、請求項11に記載のコンクリート組成物。
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