JP2013185107A - 光両性物質発生剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】光両性物質発生剤についてはほとんど知られてなく、スルファニル酸イミド化合物以外の化学構造をもつ光両性物質発生剤は知られていなかった。スルファニル酸イミド化合物は、中性分子であり、水溶性に乏しく水系溶媒では用いることができなかった。また、その光分解の効率も高いものではなかった。
【解決手段】フォトレジスト材料で良く知られ、また広く応用されている光酸発生剤の化学構造であるオニウム塩に注目し、この化学構造をもつ光両性物質発生剤を創出することに着目し、光によって酸塩基を効率よく制御できる水溶性の光両性物質発生剤を設計、合成した。これにより水溶液のpHの光制御を可能とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、光両性物質発生剤に関する。
フォトポリマー材料やフォトレジスト材料の重要な成分のひとつに、光エネルギーを吸収して反応を開始する光開始剤が用いられている。光開始剤は重合反応などを開始するラジカル中間体やポリマーの保護基などの脱離を開始する触媒として働く酸や塩基などの活性物質Xを光反応により発生するため、光−X−発生剤(photo−X−generator、PXG)とも呼ばれる。光−X−発生剤には光ラジカル発生剤(photo radical generator、PRG)、光酸発生剤(photo acid generator、PAG)、光塩基発生剤(photo base generator、PBG)などがある。
代表的な光ラジカル発生剤としては励起三重項状態からの開裂反応や水素引抜き反応を応用したものが多く、典型的な用途としては、一般的に多官能モノマーやオリゴマーとともに用いられ、光硬化材料としての用途から、光照射によってラジカル中間体を発生し、ラジカル重合反応を引き起こして、耐熱性や耐薬品性をもつ硬化物を形成する。
光酸発生剤は、光照射によって強酸や超強酸、ハロゲン化金属を発生することにより、カチオン重合や重縮合を誘導する。スルホニウム塩やヨードニウム塩や有機金属塩、スルホネート誘導体などの光酸発生剤が良く知られている。光酸発生剤はエポキシドやオキセタン化合物の開環重合やビニルエーテル化合物などを効率よく重合し産業的に重要な物質となっている。
光塩基発生剤においては光反応によりアミンなどの塩基を発生し、エポキシ化合物の重合や架橋反応が行われる。
これらの光機能性の物質である光開始剤についてはさまざまな化合物が開発され、材料ハンドブックや事典(例えば下記非特許文献1乃至3)や専門書(例えば下記非特許文献4)に記載されている。また、光開始剤メーカーから詳細なデータが公表され公知となっている。
しかしながら、これらの中に光両性物質発生剤を見つけることはできない。また、特許文献を詳細に調査したところでも両性物質発生剤はほとんど報告がなく、下記特許文献1
と、本発明者のひとりも著者に含まれている参考文献(下記非特許文献5)のみであると推定される。
特開平11−174670号公報
光応用技術・材料事典編集委員会編、「光応用技術・材料事典」、産業技術サービスセンター、2006、 ISBN 4−915957−45−4. 粟野ら、 応用物理、 73 (2004) 1212; 応用物理、 76 (2007) 1112. 市村國宏、角岡正弘 監修、「光硬化技術実用ガイド −UV/EB 硬化技術の応用展開」、テクノネット社、2002. 市村國宏、加藤清視 監修、「光硬化技術データブック 材料編 モノマー、オリゴマー、光重合開始剤」テクノネット社(東京)2000. J.V. Crivello and K. Dietliker、 G. Bradley Ed.、 Photoinitiators for Free Radical、 Cationic and Anionic Photopolymerization、 2nd Edition、 John Wiley and Sons、 New York、1988、 ISBN 0−471−97892−2. Takatsugu Endo、 Shota Suzuki、 Nobukazu Miyagawa、 Shigeru Takahara、* J. Photochem. Photobio. A:Chem.、 200、 181−186 (2008).
ところで、上記特許文献1においては、「分子構造内に塩基性官能基を有し、かつ露光により両性イオンを発生する酸発生剤を含有することを特徴とするレジスト材料」を請求項とし、該酸発生剤としてスルファニル酸イミド化合物を例示している。
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術、は光両性物質発生剤の概念に到達せず、「両性イオンは酸とは言えない」という一般的な意味で矛盾を含む「両性イオンを発生する酸発生剤」と定義している。また、これらのスルファニル酸イミド化合物の入手先も合成方法も明記していない。さらに本発明者らがスルファニル酸ナフタリミド化合物化学式2で表わされる化合物について実施例2に該当する追試実験を行ったところ、感度が480mJcm−1と通常のレジスト材料に比べて2桁以上低く、実用性に乏しいことがわかった。
また上記非特許文献5には、スルファニル酸ナフタリミド化合物を合成し、その合成方法や特性について記載がある。スルファニル酸ナフタリミド化合物は独特な反応を起こし蛍光イメージング材料として用いることができることが記載されている。これを多機能性光酸発生剤としている。しかしながら、光両性物質発生剤の概念に到達しているとは言えない。
このように、上記特許文献1に記載の技術においても、また上記非特許文献5に記載の技術においても、光両性物質発生剤の概念に十分に到達したとはいえず、仮に最も広く解釈してもスルファニル酸イミド化合物に限定されるものである。すなわち、公に知られている光両性物質発生剤は、最も広く解釈してもスルファニル酸イミド化合物に限定されるものであり、他の構造をもつ光両性物質発生剤は知られていなかった。
上記の通り、スルファニル酸イミド化合物以外の化学構造をもつ光両性物質発生剤は知られておらず、感度などの能力や応用範囲が限られていた。例えば、これまで知られている光両性物質発生剤であるスルファニル酸イミド化合物は、中性分子であり、水溶性に乏しく水系溶媒では用いることができなかった。また、その光分解の効率も高いものではなかった。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであって、より高感度で光分解の効率の高い、光両性物質発生剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題について鋭意検討を行っていたところ、フォトレジスト材料で良く知られ、また広く応用されている光酸発生剤の化学構造であるオニウム塩が光両性物質発生剤として採用できることに着目し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の一の観点に係る光両性物質発生剤は、オニウム塩構造からなる。
また、本観点において、限定されるわけではないが、光両性物質発生剤は、塩基性であり、光照射によって両性物質を発生させることができるものであることが好ましい。
また、本観点において、限定されるわけではないが、光両性物質発生剤はトリフェニルスルホニウム塩であることが好ましい。
また、本観点において、限定されるわけではないが、水溶性であることが好ましい。
上記のように構成された本発明は、以下のように、上記課題を解決することができる。
(1)高効率な光両性物質発生剤の創出
従来報告されているスルファニル酸イミド化合物に対して、スルファニル酸イミド化合物以外の化学構造であるオニウム塩構造、特にトリフェニルスルホニウム塩は光分解性が高く、高効率の両性物質発生剤を創出することができる。
(2)水溶性光両性物質発生剤の創出
中性分子であるスルファニル酸イミド化合物の水溶性はほとんどなく、また一般的なオニウム塩構造を持つ光酸発生剤においても水溶性がないのに対し、本発明におけるオニウム塩構造をもつ光両性物質発生剤は水溶性であることを見出した。これにより光によるpH制御への応用が可能となった。
実施例1におけるTPStaurine溶液の光分解による酸塩基性変化をテトラブロモフェノールブルー ナトリウム塩による指示薬の吸収変化より観察した図である。 TPStaurineの光によるpHの変化を利用してリトマス紙上でのパターニングをした写真図である。 実施例2におけるTPSSA溶液の光分解による酸塩基性変化をテトラブロモフェノールブルー ナトリウム塩による指示薬の吸収変化より観察した図である。 比較例におけるASNI溶液の光分解による酸塩基性変化をテトラブロモフェノールブルー ナトリウム塩による指示薬の吸収変化より観察した図である。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例の記載にのみ限定されるわけではない。
本実施形態に係る光両性物質発生剤は、オニウム塩を含むことを特徴とする。ここで「オニウム塩とは、オニウムイオンを含む塩であって、限定されるわけではないが、スルホニウム塩、より好ましくはトリフェニルスルホニウム塩である。なおこの場合において、オニウムイオンと組み合わされるアニオンとしては、特に限定されるわけではないが、下記式で示されるものであることが好ましい。なお下記式中、Rは、炭素数1〜5の直鎖アルキル又はフェニル基である。なおこれら直鎖アルキル又はフェニル基は置換基を有していてもよい。
この結果、本実施形態に係るオニウム塩の好ましい形態は、例えば下記で示されるものといえる。
また、限定されるわけではないが、本実施形態に係る光両性物質発生剤は、塩基性であって、光照射により両性物質を発生することで塩基性を変化させる。この結果、溶液のpH調整が容易となる。
また、本実施形態に係る光両性物質発生剤は、水溶性である。これにより用途が飛躍的に拡大される。
以上、本実施形態により、より高感度で光分解の効率の高い、光両性物質発生剤を提供することができる。
以下、上記実施形態に係る光両性物質発生剤について、実際に作成を行いその効果を確認した。以下説明する。
(実施例1)
(1)トリフェニルスルホニウム 2−アミノエタンスルホネート(TPStaurine)の合成
まず、トリフェニルスルホニウムカチオンにタウリン前駆体を組み込んだ分子であるトリフェニルスルホニウム 2−アミノエタンスルホネート(Tripheylsulfonium 2−aminoethanesulfonate(TPStaurine))を以下のようにして合成した。
100mlの丸底フラスコにNaOH(2.72g)とTaurine(8.50g)を等モルずつ加え、約30mlの蒸留水を加えた。それらをウォーターバスを用いて60℃で1日加熱した。その後、エバポレーションで蒸留水を除去し、減圧乾燥を行うことでsodium 2−aminoethane−1−sulfonate(8.90g)を得た。収率は89%であった。
次に100mlの三角フラスコに、sodium 2−aminoethane−1−sulfonate(0.493 g)とtripheny l−sulfonium chloride(1.00g)を加え、約25mlの蒸留水を加えた。それらを室温下で1日攪拌し、反応させた。その後、エバポレーションで蒸留水を除去し、dichloromethaneで溶解後ろ過し、減圧乾燥を行うことで目的物であるTPStaurine(0.387g)を得た。収率は29.8%であった。なお、このFT−IRスペクトルのピーク、及び、H−NMRのデータは以下の通りであった。なお、TPStaurineの化学構造式を下記式に示しておく。
FT−IR(cm−1):3060(phenyl ring、C−H)、1568、1475、1446(phenyl ring)、3525−3350(triphenylsulfonium chloride由来のピーク)、3060(phenyl ring、C−H、伸縮振動)、1568、1475、1446(phenyl ring)、1243(S=O、伸縮振動)
H−NMR(ppm):7.570(15H、m)、 5.314(2H、s)、3.153−3.121(2H、t)、 3.052−3.019(2H、t)
(2)TPStaurine溶液の光分解による酸塩基性変化
次に、光両性物質発生剤であるTPStaurine溶液(2.400×10−5mol・dm−3、溶媒:acetonitrile)と、酸指示薬であるテトラブロモフェノールブルー ナトリウム塩(tetrabromophenol blue sodium salt(TBPBNa))溶液(2.000×10−mol・dm−3程度、溶媒:acetonitrile)を用意し、光両性物質発生剤を3ml取り、石英セルに入れて、低圧水銀灯(0.882mJ・cm−2・s−1)で照射した。その後TBPBNa溶液を1ml加えて分光光度計でUV−vis吸収スペクトルを観察した。この結果を図1に示す。
この結果、図1に示すようにTPStaurine溶液を加えるとTBPBNaの吸収スペクトルは増加し、塩基性物質であることが確認できた。更に、これに光を照射すると、光分解と共にTBPBNaの吸収スペクトルは露光量に応じて減少した。このことから光照射によってTPStaurineから両性物質(全体としては酸として機能する物質)が発生していることが分かった。
なお、このオニウム塩である光両性物質発生剤0.01gをとり、これに純水1g加えて撹拌したところ、完全に溶解した。この結果、水溶性であることが確認できた。
また、水溶性である光両性物質発生剤を用いたpHの制御について以下の実験を行った。TPStaurine水溶液(6.064×10−3mol・dm−3)を調製し、pHメーターにパスツールピペットを用いて滴下し、pHを測定した。その後、低圧水銀灯(0.88mJ・cm−2・s−1)により露光を行った後に、もう一度pHを測定した。TPStaurine水溶液の光照射前と低圧水銀灯による光照射により、未露光状態ではpH=8.0であったが、光照射後(露光量:264.6mJ・cm−2)ではpH3.3に変化した。すなわち、本発明である水溶性の光両性物質発生剤によって、光照射によって水中のpHを制御することが示された。pHが関わる技術分野は多様にあり、応用範囲が広いことが示された。
また、pHの制御を用いた画像形成の例としてTPStaurineの光によるpHの変化を利用してリトマス紙上でのパターニングを行った。まず、リトマス紙上にTPStaurine水溶液(6.064×10−3mol・dm−3)を滴下した。次にマスクをかけ、低圧水銀灯により15分間、露光を行った。この結果の写真を図2に示す。Mの字が描かれるのがわかる。このようにpHの制御によって簡単に多様なことが可能になることを示すことができた。このような応用はこの例に限ることはなく、水溶液のpHの制御ができれば容易に達成できる。
(実施例2)
(1)トリフェニルスルホニウム 4−アミノベンゼンスルホネート (TPSSA)の合成
トリフェニルスルホニウムカチオンにスルファニル酸(sulfanilic acid)前駆体を組み込んだ分子であるトリフェニルスルホニウム 4−アミノベンゼンスルホネート(triphenylsulfonium 4−aminobenzenesulfonate(TPSSA))を以下のようにして合成した。
まず、100mlの三角フラスコにsodium sulfanilate hydrate(0.450g)とtriphenylsulfonium chloride(0.690g)を加え、約25mlの蒸留水を加えた。それらを室温下で1日攪拌し、反応させた。その後、エバポレーションで蒸留水を除去し、dichloromethaneで溶解後ろ過し、減圧乾燥を行うことでTPSSA(0.386g)を得た。収率は38.4%であった。なお、下記にNMRのスペクトルデータ示し、TPSSAの化学構造式を下記式に示す。
H−NMR(ppm):7.581(15H、m)、7.450−7.427(2H、d)、 6.714−6.694(2H+2H、m)
(2)TPSSA溶液の光分解による酸塩基性変化
次に、光両性物質発生剤であるTPSSA溶液(1.148×10−5mol・dm−3、溶媒:acetonitrile)と、酸指示薬であるTBPBNa溶液(2.000×10―4mol・dm−3程度、溶媒:acetonitrile)を用意した。次に光両性物質発生剤を3ml取り、石英セルに入れて、低圧水銀灯(0.882mJ・cm−2・s−1)で照射した。その後TBPBNa溶液を1ml加えて分光光度計でUV−vis吸収スペクトルを観察した。この結果を図3に示す。
図2に示すように、TPSSA溶液を加えるとTBPBNaの吸収スペクトルは増加し、塩基性物質であることを示した。これに光を照射すると、光分解と共にTBPBNaの吸収スペクトルは露光量に応じて減少した。このことから光照射によってTPSSAから両性物質(全体としては酸として機能する物質)が発生していることが分かった。
また、このオニウム塩である光両性物質発生剤0.01gをとり、これに純水1g加えて撹拌したところ完全に溶解した。この結果、水溶性であることが確認できた。
(比較例1)
本発明に係るオニウム塩の光両性物質発生剤と比較するために、下記式で表わされる中性分子である光両性物質発生剤N−アニリン−スルホニルオキシナフタルイミド(N−aniline−sulfonyloxynaphtalimide(ASNI))溶液(3.258×10−5mol・dm−3、溶媒:acetonitrile)、と、酸指示薬であるTBPBNa溶液(2.000×10−mol・dm−3程度、溶媒:acetonitrile)を用意した。
次に、ASNI溶液を3ml取り、石英セルに入れて、UV−31フィルターを通したスポットUV(>310nm)(光量:47.42mJ・cm−2・s−1)で照射した。その後TBPBNa溶液を1ml加えて分光光度計でUV−vis吸収スペクトルを観察した。この結果を図4に示す。
本図に示すようにASNIを加えるとTBPBNaの吸収スペクトルは増加し、塩基性物質であることを示した。これに光を照射すると、光分解と共にTBPBNaの吸収スペクトルは露光量に応じて減少した。このようにASNIの光分解と共にTBPBNaの吸収スペクトルは露光量に応じて減少した。このことから光照射によって光両性物質発生剤から両性物質(全体としては酸として機能する物質)が発生していることが分かった。
この光両性物質発生剤の挙動は、比較例の結果である図3において観察できる。しかしながら、その酸塩基性の変化は特に実施例1に比べると小さく、また同じ両性物質が発生する実施例2と比べても小さい。したがって実施例1、2のオニウム塩からなる光両性物質発生剤は従来の材料に比べて高効率な両性物質発生が起こるものといえる。
また、オニウム塩ではない上記光両性物質発生剤0.01gをとり、これに純水1g加えて撹拌したところほとんど溶解しなかった。したがって、従来知られていた光両性物質発生剤ASNIに対して本発明からなる光両性物質発生剤は水溶性であることが分かった。
光両性物質発生剤ではないオニウム塩である光酸発生剤トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート(triphenylsulfonium trifluoromethanesulfonate、TPS−105、みどり化学)について、これを0.01gとり、これに純水1g加えて撹拌したところほとんど溶解しなかった。したがって従来知られていた光両性物質発生剤ASNIに対してだけではなく、一般的なオニウム塩からなる酸発生剤でも水溶性がなく、本発明からなる光両性物質発生剤は水溶性であることは新規な発見・発明であることが示された。
(まとめ)
以上説明したように、本発明は、オニウム塩構造からなる光両性物質発生剤を設計、合成し、この化合物が従来の光両性物質発生剤に対して高効率に酸塩基性の光による変化をもたらしただけではなく、水溶性であることにより水溶液のpHの光制御が可能であることを見出した。
本発明は、効率の高い水溶性の塩基性の光両性物質発生剤であり、光によって塩基性が消失する変化をもたらす本発明における材料は、半導体加工に関わるフォトリソグラフィー用のフォトレジスト材料、例えば、光機能性の酸クエンチャーとして用いることができる。また、電子部品の配線パターンの加工や印刷製版、インキやコーティング、光造形材料などの加工材料に限らず、水溶液のpHの光制御を応用した光pHパターンを利用した医療材料、また表面改質剤、農業用材料や画像材料に利用可能である。実施例1で示した光両性物質発生剤は光により広義のアミノ酸であるタウリンの発生剤とも言え、生物工学分野でも応用可能と考えられる。また光による反応開始の機能は、遠隔からのpHの制御など危険な場所での化学処理にも応用できると考えられる。

Claims (4)

  1. オニウム塩を含む光両性物質発生剤。
  2. 塩基性であって、光照射により両性物質を発生することで塩基性を変化させる請求項1記載の光両性物質発生剤。
  3. トリフェニルスルホニウム塩である請求項1記載の光両性物質発生剤。
  4. 水溶性である請求項1記載の光両性物質発生剤。
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