JP2013183498A - グロメット付ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】低温での屈曲耐久性の向上が可能であり、車両の足回りの環境に耐えうる安価なグロメット付ケーブルを提供する。
【解決手段】グロメット3は、シース5に融着固定される本体部6と、本体部6から延出されるケーブル2の周囲を覆うように設けられると共に、シース5に対して融着固定されずケーブル2に密着するように設けられ、本体部6から延出されるケーブル2の延出方向をガイドするガイド部7とからなり、ガイド部7は、ケーブル2の長さ方向に所定の間隔で配置されるリング状の支持部12と、ケーブル2の長さ方向に沿う線状に形成され、本体部6と支持部12および支持部12同士を連結する複数の連結片13aを設けてなる連結部13とからなり、連結片の本数をnとしたとき、支持部12を挟んで隣り合う連結部13が、互いにケーブル2の周方向に180/n°回転して設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケーブルの外周面にグロメットが一体に形成されたグロメット付ケーブルに関するものである。
車両の足回りの揺動部分にケーブルを取り付ける場合、ケーブルにグロメットを取り付け、そのグロメットを車体に取り付けるのが一般的である。
従来より、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などのゴムからなる筒状のグロメットが一般に用いられている。このグロメットを用いる場合、グロメットの内径を強制的に拡径した状態でグロメットにケーブルを挿入し、その後グロメットの拡径を解除することで、ゴムの緊縛力によりグロメットをケーブルに取り付けて、グロメット付ケーブルを形成する。
このようにして形成した従来のグロメット付ケーブルでは、グロメットとケーブルは密着しているだけなので、ケーブルを屈曲させた際には、ケーブルとグロメットは別々に変形することになる。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
特開2005−332607号公報 特開2005−294132号公報
しかしながら、上述の従来のグロメット付ケーブルでは、グロメットを形成した後にケーブルに取り付ける必要があるため、製造に手間がかかり、コストが高くなってしまうという問題がある。
本発明者は、製造工程を簡単化して低コスト化を図るため、射出成形によりケーブルの外周面にグロメットを形成することを考えた。
ところで、ABS(Anti-lock Braking System)センサ用のグロメット付ケーブルなど、車両の足回りに用いられるグロメット付ケーブルでは、−20℃以下(例えば−40℃)の低温での屈曲耐久性が要求される。
上述の従来のグロメット付ケーブルを射出成形により形成する場合、グロメットに用いる樹脂として、ケーブルのシース(外皮)より低温での伸びがあり、ケーブルのシースを溶かさない温度で成形でき、かつ、成形収縮(ケーブルへの緊縛力)が大きい樹脂を用いる必要がある。しかし、このような特性を有する樹脂は高価であり、結局高コストとなってしまう。一例として、グロメットに用いる樹脂としてハイトレル(登録商標)を用い試作を行ったところ、十分な屈曲耐久性を有するグロメット付ケーブルが実現できたが、耐環境性(加水分解)の観点で問題があった。
なお、ケーブルに直接TPE(熱可塑性エラストマー)を成形する方法は、コンセントなど屈曲性が必要な部分で多く実施されており、屈曲部分に穴をあけるなどして曲げやすくすることも一般的に行われている。しかし、これらは常温、すなわち材料の柔軟性が保たれる温度(低くても0℃程度)での使用を前提にしたものであり、材料の柔軟性が失われる−20℃以下の低温での屈曲耐久性が要求される車両用のグロメット付ケーブルにそのまま適用することはできない。
例えば、コンセントなどでは、ケーブルに設けた樹脂全体がケーブルに融着固定されケーブルのシースと一体化されるのが通常であるが、屈曲部分で樹脂をケーブルに融着させてしまうと、その融着した部分でケーブルの外径が太くなったような形となり、屈曲時に外径が太い部分に応力が集中して、成形した樹脂ごとケーブルが破断してしまう。
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、ケーブルの外周面にグロメットが一体に形成されたグロメット付ケーブルにおいて、低温での屈曲耐久性の向上が可能であり、車両の足回りの環境に耐えうるグロメット付ケーブルを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、ケーブルの外周面にグロメットが一体に形成されたグロメット付ケーブルであって、前記グロメットは、前記ケーブルのシースに融着固定される本体部と、該本体部と一体に形成され、前記本体部から延出される前記ケーブルの周囲を覆うように設けられると共に、前記シースに対して融着固定されず前記ケーブルに密着するように設けられ、前記本体部から延出される前記ケーブルの延出方向をガイドするガイド部と、からなり、前記ガイド部は、前記ケーブルの長さ方向に所定の間隔で配置されるリング状の支持部と、前記ケーブルの長さ方向に沿う線状に形成され、前記本体部と前記支持部および前記支持部同士を連結する複数の連結片を設けてなる連結部と、からなり、前記連結片の本数をnとしたとき、前記支持部を挟んで隣り合う前記連結部が、互いに前記ケーブルの周方向に180/n°回転して設けられるグロメット付ケーブルである。
前記ガイド部は、前記支持部同士の間隔が、前記本体部から離れるほど狭くなるように形成されてもよい。
前記ガイド部は、全体として前記本体部から離れるほど縮径されるテーパ状に形成されてもよい。
前記連結部は、前記連結片を2つ備え、前記両連結片は、前記ケーブルを挟んで対向する位置に設けられ、前記支持部を挟んで隣り合う前記連結部が、互いに前記ケーブルの周方向に90°回転して設けられてもよい。
前記グロメットは、前記シースよりも硬度が低く、伸びが大きい樹脂を用いて形成されてもよい。
前記グロメットは、射出成形により形成されてもよい。
本発明によれば、低温での屈曲耐久性の向上が可能であり、車両の足回りの環境に耐えうるグロメット付ケーブルを提供できる。
本発明の一実施の形態に係るグロメット付ケーブルを示す図であり、(a)は側面図、(b)はその1B−1B線断面図、(c)はブラケットを取り付けたときの側面図である。 (a)は図1のグロメット付ケーブルの斜視図、(b)はグロメットの斜視図である。 (a),(b)は、図1のグロメット付ケーブルの一変形例を示す側面図である。 本発明において、屈曲試験を説明する図である。 (a)は、本発明との比較のために用いた比較例のグロメット付ケーブルを示す側面図であり、(b)はその5B−5B線断面図である。 (a)は、本発明との比較のために用いた比較例のグロメット付ケーブルを示す側面図であり、(b)はその6B−6B線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1,2は、本実施の形態に係るグロメット付ケーブルを示す図であり、図1(a)は側面図、図1(b)はその1B−1B線断面図、図1(c)はブラケットを取り付けたときの側面図、図2(a)は斜視図、(b)はグロメットの斜視図である。
図1,2に示すように、グロメット付ケーブル1は、ケーブル2の外周面にグロメット3が一体に形成されたものである。グロメット3は、ケーブル2に直接TPE(熱可塑性エラストマー)を射出成形して形成される。グロメット付ケーブル1は、例えば、車両のABSセンサ用のグロメット付ケーブルとして用いられるものである。
ケーブル2としては、中心導体の外周に絶縁体を形成した絶縁線4を2本備え、その2本の絶縁線4を一括して覆うように共通のシース5を設けたものを用いている。なお、ケーブル2の構成はこれに限定するものではない。本実施の形態では、直径4.0mmのケーブル2を用いた。
グロメット3は、ケーブル2のシース5に融着固定される本体部(融着部)6と、本体部6と一体に形成され、本体部6から延出されるケーブル2の延出方向をガイドするガイド部(屈曲部)7と、からなる。ガイド部7は、本体部6から延出されるケーブル2の周囲を覆うように設けられ、シース5に対して融着固定されずケーブル5に密着するように設けられる。
グロメット3は、ケーブル2からずれてはならないため、その一部分をケーブル2に固定する必要がある。本実施の形態では、本体部6をシース5に融着固定することにより、ケーブル2にグロメット3を固定するようにしている。また、本体部6が曲がり易いとケーブル2の保持が困難になるので、本体部6は十分に厚く形成され、本体部6で曲げが生じないようになっている。
本体部6には、ケーブル2を車体等に固定するブラケット9を取り付けるための溝8が、ケーブル2の周方向に沿って形成されている。ブラケット9に形成された穴(図示せず)に本体部6を挿入し、溝8の部分にブラケット9の穴の周縁部を係止することで、本体部6がブラケット9に取り付けられる。このブラケット9を車体等にボルトなどを用いて固定することで、ケーブル2が車体等に取り付けられることになる。
本体部6のガイド部7側の端部には、ブラケット9の穴への本体部6の挿入を容易とするために、ガイド部7側に向かって縮径するテーパ部10が形成されている。本体部6は、ガイド部7側からブラケット9の穴へ挿入される。なお、本体部6はガイド部7よりも大きい径に形成され、ガイド部7はブラケット9の穴の径よりも小さい径に形成される。
また、本外部6のテーパ部10と反対側の端部には、ケーブル2を引っ張ったとき(図1(c)において右側に引っ張ったとき)に、本体部6のテーパ部10と反対側の部分が変形して本体部6がブラケット9の穴から抜けてしまわないように補強する補強リブ11が形成されている。本実施の形態では、正面視で十字状の補強リブ11を形成したが、補強リブ11の形状は特に限定するものではない。
なお、補強リブ11を形成することに代えて、本体部6のテーパ部10と反対側の部分を厚く(ケーブル2の長さ方向に沿った幅を大きく)形成することも可能である。ただし、この場合、樹脂の肉厚が厚くなりすぎ射出成形時にボイドやひけが発生しやすくなるので、本実施の形態のように補強リブ11を形成し、樹脂の肉厚をなるべく薄く保つことがより望ましい。なお、図1(c)では、ブラケット9を側面視でL字状に形成する場合を示しているが、ブラケット9の形状は特に限定するものではない。
ガイド部7は、屈曲時にケーブル2の本体部6への接続部分に応力が集中しないようにし、屈曲時の応力を分散させる役割と、ケーブル2の延出方向をガイドして、ケーブル2の軌道を安定させる役割を果たすものである。特に、グロメット付ケーブル1を車両の足回りの配線に用いる場合には、限られたスペースに配線する必要があり、ケーブル2の軌道を安定させ他の部材との干渉を避けるためにも、ガイド部7は必須となる。
ガイド部7は、ケーブル2の長さ方向に所定の間隔で配置されるリング状の支持部12と、本体部6と支持部12および支持部12同士を連結する連結部13と、からなる。
連結部13は、ケーブル2の長さ方向に沿う線状に形成され、本体部6と支持部12および支持部12同士を連結する複数の連結片(ガイド)13aを設けてなる。また、連結片13aの本数をnとしたとき、支持部12を挟んで隣り合う連結部13は、互いにケーブル2の周方向に180/n°回転して設けられる。
本実施の形態では、連結片13aを2つ備え、両連結片13aをケーブル2を挟んで対向する位置に設けている。また、支持部12を挟んで隣り合う連結部13は、互いにケーブル2の周方向に90°回転して設けられる。本実施の形態では、支持部12と連結部13のペアを7つ設けたが、支持部12と連結部13のペア数はこれに限定されない。
連結片13aをケーブル2を挟んで対向する位置に設けるのは、連結片13aを形成していない方向(例えば、連結片13aをケーブル2の上下に設けた場合はケーブル2の左右方向)に曲がりやすくし、屈曲時に連結片13aに応力が集中することを抑制するためである。隣り合う連結部13を互いにケーブル2の周方向に90°回転して設けることで、連結片13aに過度な負荷を与えることなく全方向に屈曲させることが可能になる。
連結片13aは、ケーブル2の外周に沿った円弧状の断面形状に形成される。連結片13aの幅(ケーブル2の周方向に沿った長さ)は、太すぎると屈曲時の負荷が大きくなり破断し易くなり、逆に細すぎるとケーブル2をガイドする役割を果たさなくなってしまうので、適度な太さに調節するとよい。本実施の形態では、連結片13aの幅と、支持部12の幅(ケーブル2の長さ方向に沿った幅)を等しくし、共に1.6mm(ケーブル2の直径の40%)とした。
ガイド部7はケーブル2を屈曲させたときにケーブル2と共に屈曲することになるが、ガイド部7をケーブル2と融着させ一体化させてしまうと、ケーブル2一部の外径が太くなったのと同じことになり、低温屈曲時に外径が太い部分に応力が集中して、ケーブル2がグロメット3ごと破断してしまう。よって、ガイド部7を、ケーブル2のシース5に融着しない構造とし、ケーブル2とガイド部7が別々に変形するように構成する必要がある。
上述のように、グロメット3は金型を用いた射出成形により形成されるが、ガイド部7を支持部12と連結部13からなる網状に形成することで、成形時に樹脂が金型に触れる面積(表面積)を多くし、金型により樹脂を速やかに冷却して、ガイド部7がケーブル2のシース5に融着することを防止できる。つまり、シース5と融着させたくないガイド部7では、肉を抜いた網状の形状とし金型に接触する部分を多くすることで、樹脂を冷やしてシース5を溶融させる温度にならないようにする。なお、樹脂を導入するゲートの位置は本体部6と対向する位置とし、導入直後の高温の樹脂をシース5に接触させてシース5を溶融させ、本体部6をシース5に融着固定させるとよい。
さらに、本実施の形態では、ガイド部7は、支持部12同士の間隔が、本体部6から離れるほど狭くなるように形成されている。また、本実施の形態では、ガイド部7は、全体として本体部6から離れるほど縮径されるテーパ状に形成されている。このように構成することで、屈曲時の応力を分散させる役割と、ケーブル2のガイドの役割のバランスをとり、ガイドとしての役割を十分に果たしつつも、低温での屈曲耐久性をより向上させることが可能になる。
本実施の形態では、本体部6と最も本体部6側に配置された支持部12との間隔を5mmとし、支持部12同士の間隔を本体部6側から4.5mm、4mm、3.5mm、・・・と、5mmずつ狭くするようにした。また、ガイド部7の直径が、本体部6から離れるに従って10mmから6.4mmに縮径されるように(テーパ角度は2°程度)ガイド部7を形成した。本体部6とガイド部7を含むグロメット3全体の長さ(ケーブル2の長さ方向に沿った長さ)は、49.3mmとした。
なお、図3(a)に示すように、ガイド部7をテーパ状とせず、支持部12同士の間隔のみを本体部6から離れるほど狭くなるように形成してもよいし、図3(b)に示すように、支持部12同士の間隔を一定とし、ガイド部7を本体部6から離れるほど縮径されるテーパ状に形成してもよい。ただし、低温での屈曲耐久性をより向上させるという観点からは、支持部12同士の間隔を本体部6から離れるほど狭くし、かつ、本体部6から離れるほど縮径されるテーパ状にガイド部7を形成することが望ましい。
グロメット3に用いる樹脂としては、シース5よりも硬度が低く、伸びが大きいものを用い、ケーブル2の屈曲に無理なく追従できるようにするとよい。本実施の形態では、グロメット3に用いる樹脂として、シース5と同じ材料(例えばPE(ポリエチレン))で、硬度が低く、シース5より伸びが大きく、成形温度が低いものを用いた。なお、硬度を低くすると固化時間が長くなり、成形時間が長くなってしまうので、グロメット3に用いる樹脂としては、屈曲が成立する範囲である程度硬度の高いものを選定することが望ましい。
本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係るグロメット付ケーブル1では、グロメット3が、ケーブル2のシース5に融着固定される本体部6と、本体部6と一体に形成され、本体部6から延出されるケーブル2の周囲を覆うように設けられると共に、シース5に対して融着固定されずケーブル2に密着するように設けられ、本体部6から延出されるケーブル2の延出方向をガイドするガイド部7と、からなり、ガイド部7は、ケーブル2の長さ方向に所定の間隔で配置されるリング状の支持部12と、ケーブル2の長さ方向に沿う線状に形成され、本体部6と支持部12および支持部12同士を連結する複数の連結片13aを設けてなる連結部13と、からなり、連結片13aの本数をnとしたとき、支持部12を挟んで隣り合う連結部13が、互いにケーブル2の周方向に180/n°回転して設けられている。
ガイド部7を、シース5に対して融着固定せずに、ケーブル2に密着するように設けることで、ケーブル2とガイド部7とが別々に変形するようになり、低温での屈曲耐久性を向上することができる。
また、本実施の形態では、ガイド部7を、リング状の支持部12と2本の連結片13aを対向配置した連結部13とで構成し、隣り合う連結部13を互いにケーブル2の周方向に90°回転するように設けているため、ケーブル2の屈曲時に特定の連結片13aに応力集中しないよう、屈曲時の応力を分散させることができ、その上で、ケーブル2のガイドの役割を十分に果たすようにすることが可能となる。
さらに、ガイド部7を、支持部12と連結部13からなる網状に形成することで、成形時に樹脂が金型に触れる面積(表面積)を多くし、金型により樹脂を速やかに冷却して、ガイド部7がケーブル2のシース5に融着してしまうことを防止できる。
また、グロメット付ケーブル1では、グロメット3を射出成形により形成できるため製造が容易であり、安価な樹脂を用いることができるので、従来と比較して大幅なコスト削減が可能である。
つまり、本発明によれば、低温での屈曲耐久性の向上が可能であり、車両の足回りの環境に耐えうる安価なグロメット付ケーブル1を実現できる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
例えば、連結片13aの数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
(実施例1)
図1のグロメット付ケーブル1を作成し、低温での屈曲耐久性を評価した。ケーブル2のシース5の硬度はA90(AはショアA硬度を表す)とし、グロメット3の硬度はA80,A70とした。
低温での屈曲耐久性を評価する屈曲試験では、グロメット付ケーブル1を車両の足回りの配線に使用することを想定し、図4に示すように、ケーブル2の両端部にグロメット3を形成してケーブル2をU字上に屈曲させた状態とし、一方のグロメット3を固定すると共に、他方のグロメット3を、タイヤが上に動いたときのグロメット3の位置から、タイヤが下に動いたときのグロメット3の位置まで動かすことで、屈曲試験を行った。
屈曲試験では、まず、−35℃で20万回屈曲させ、その後、同一のサンプルを用いて−20℃で30万回、常温で70万回屈曲させて、ケーブル2に断線が発生したか、グロメット3に亀裂が発生したかを確認した。
(実施例2)
ガイド部7の径を一定とした図3(a)のグロメット付ケーブル1を作成し、実施例1と同様に低温での屈曲耐久性を評価した。
(実施例3)
支持部12同士の間隔を一定とした図3(b)のグロメット付ケーブル1を作成し、実施例1と同様に低温での屈曲耐久性を評価した。実施例3では、支持部12同士の間隔は4mmで一定とし、支持部12と連結部13のペアを10個設けた。また、支持部12の幅は3.2mmとした。
(比較例1)
本発明の実施例1〜3との比較のため、図5(a),(b)に示すようなグロメット付ケーブル51を作成し、実施例1と同様に低温での屈曲耐久性を評価した。グロメット付ケーブル51では、ガイド部7を含むグロメット52全体をシース5に融着しており、ガイド部7の径を一定とすると共に、支持部12同士の間隔を2mmで一定とし、4本の連結片13aをケーブル2の周方向に等間隔に配置して連結部13を形成している。支持部12の幅は1.5mm、連結片13aの幅は2mmとし、支持部12と連結部13のペアは9つとした。また、グロメット52の硬度はA90とした。
(比較例2)
比較例1では、実施例1〜3と同様に射出成形によりグロメット52を形成したが、比較例2では、図5で示したグロメット52を単品で作成し、作成したグロメット52をケーブル2に取り付けるようにした。グロメット52を取り付ける際には、グロメット52の内径を強制的に拡径し、ケーブル2を挿入した後に拡径を解除して、グロメット52の緊縛力でケーブル2を締め付けるようにした。その後、実施例1と同様に低温での屈曲耐久性を評価した。
(比較例3)
図6(a),(b)に示すように、ケーブル2に、本体部6のみのグロメット62を形成したグロメット付ケーブル61を作成し、実施例1と同様に低温での屈曲耐久性を評価した。グロメット62の硬度はA90とした。
実施例1〜3、比較例1〜3での低温での屈曲耐久性の評価結果を表1にまとめて示す。
表1に示すように、比較例1のグロメット付ケーブル51では、−35℃で10万回屈曲させた時点で、グロメット52が成形されている部分で破断が発生し、ケーブル2とグロメット52が共に切断され全断線となった。比較例2では、ケーブル2の断線は発生しなかったものの、−35℃の屈曲試験でグロメット52に亀裂が発生した。比較例3のグロメット付ケーブル61では、−35℃で1万回屈曲させた時点で、グロメット52が成形されている部分で破断が発生し、全断線となった。
これに対して、本発明の実施例1では、−35℃の屈曲試験で問題がなかったことはもちろん、−35℃で200万回以上屈曲させても、ケーブル2の断線やグロメット3の亀裂は発生しなかった。実施例2では、−35℃で170万回屈曲させたときにグロメット3に亀裂が発生し、実施例3では、−35℃で180万回屈曲させたときにグロメット3に亀裂が発生したが、−35℃×20万回の屈曲試験は十分に合格している。このように、本発明の実施例1〜3は、低温での屈曲耐久性が高く、車両の足回りの配線に用いることが可能である。
1 グロメット付ケーブル
2 ケーブル
3 グロメット
4 絶縁線
5 シース
6 本体部
7 ガイド部
8 溝
9 ブラケット
10 テーパ部
11 補強リブ
12 支持部
13 連結部
13a 連結片

Claims (6)

  1. ケーブルの外周面にグロメットが一体に形成されたグロメット付ケーブルであって、
    前記グロメットは、前記ケーブルのシースに融着固定される本体部と、該本体部と一体に形成され、前記本体部から延出される前記ケーブルの周囲を覆うように設けられると共に、前記シースに対して融着固定されず前記ケーブルに密着するように設けられ、前記本体部から延出される前記ケーブルの延出方向をガイドするガイド部と、からなり、
    前記ガイド部は、前記ケーブルの長さ方向に所定の間隔で配置されるリング状の支持部と、前記ケーブルの長さ方向に沿う線状に形成され、前記本体部と前記支持部および前記支持部同士を連結する複数の連結片を設けてなる連結部と、からなり、
    前記連結片の本数をnとしたとき、前記支持部を挟んで隣り合う前記連結部が、互いに前記ケーブルの周方向に180/n°回転して設けられる
    ことを特徴とするグロメット付ケーブル。
  2. 前記ガイド部は、前記支持部同士の間隔が、前記本体部から離れるほど狭くなるように形成される
    請求項1記載のグロメット付ケーブル。
  3. 前記ガイド部は、全体として前記本体部から離れるほど縮径されるテーパ状に形成される
    請求項1または2記載のグロメット付ケーブル。
  4. 前記連結部は、前記連結片を2つ備え、
    前記両連結片は、前記ケーブルを挟んで対向する位置に設けられ、
    前記支持部を挟んで隣り合う前記連結部が、互いに前記ケーブルの周方向に90°回転して設けられる
    請求項1〜3いずれかに記載のグロメット付ケーブル。
  5. 前記グロメットは、前記シースよりも硬度が低く、伸びが大きい樹脂を用いて形成される
    請求項1〜4いずれかに記載のグロメット付ケーブル。
  6. 前記グロメットは、射出成形により形成される
    請求項1〜5いずれかに記載のグロメット付ケーブル。
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