JP6841258B2 - ワイヤハーネス - Google Patents
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Description
本発明は、ワイヤハーネスに関する。
従来、例えば車両用のワイヤハーネスにおいては、電線への通電に伴い発生する電磁ノイズを遮蔽するために、シールド部材によって電線が覆われている。シールド部材は、例えば、アルミニウム合金などの導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線からなり、可撓性を有している。こうしたシールド部材としては、電線の絶縁被覆の外周をシールド部材で個別に覆う個別シールド部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、複数の電線を1つのシールド部材で一括して覆う一括シールド部材が知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、個別シールド部材や一括シールド部材の端部は、ワイヤハーネスのコネクタに電気的に接続される。そして、コネクタが車両の機器の筐体などに接続されることで個別シールド部材及び一括シールド部材がアース接続される。
ところで、個別シールド部材と一括シールド部材とがワイヤハーネスの長さ方向の異なる位置に設けられる場合、個別シールド部材と一括シールド部材とを電気的に接続する必要がある。
そこで、本願発明者は、個別シールド部材と一括シールド部材とを接続する以下の接続構造を検討した。すなわち、図9に示すように、上記接続構造においては、電線510の絶縁被覆512と個別シールド部材530との間に金属製の筒状部材520が設けられている。なお、絶縁被覆512は、電線510の芯線511の外周を覆っている。個別シールド部材530のうち筒状部材520の外周に位置する部分が一括シールド部材540によって覆われている。一括シールド部材540及び個別シールド部材530が筒状部材520に対して外周側からバンド部材550によって締め付けられている。これにより、個別シールド部材530と一括シールド部材540とが電気的に接続される。
しかしながら、こうした接続構造では、一括シールド部材540と個別シールド部材530とが接触しない隙間560が存在する。そのため、バンド部材550による締め付け力が不足しやすく、個別シールド部材530と一括シールド部材540との長さ方向における位置ずれが生じるおそれがある。
本発明の目的は、個別シールド部材と一括シールド部材との位置ずれの発生を抑制することのできるワイヤハーネスを提供することにある。
上記目的を達成するためのワイヤハーネスは、複数の電線と、導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線からなり、複数の前記電線を個別に覆うことで電磁シールドする複数の個別シールド部材と、導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線からなり、複数の前記電線を一括して覆うことで電磁シールドする筒状の一括シールド部材と、前記一括シールド部材のうち前記個別シールド部材の各々を覆う部分の外周に設けられ、互いに隣り合う前記電線同士の間に向かって突出する突出部を有する弾性部材と、前記弾性部材の外周を締め付ける締付部材と、を備える。
同構成によれば、一括シールド部材のうち個別シールド部材の各々を覆う部分が、締付部材により弾性部材を介して締め付けられる。ここで、弾性部材は、隣り合う電線同士の間に向かって突出する突出部を有している。このため、締付部材による締め付け力が、弾性部材を介して、一括シールド部材、各個別シールド部材及び各電線のより広い範囲に作用することとなる。したがって、個別シールド部材と一括シールド部材との位置ずれの発生を抑制することができる。
上記ワイヤハーネスにおいて、前記弾性部材は、円筒状または長円筒状をなしていることが好ましい。
同構成によれば、弾性部材が円筒状または長円筒状をなしているため、一括シールド部材、各個別シールド部材及び各電線に対して作用する締付部材の締め付け力が、位置によってばらつくことを抑制できる。したがって、個別シールド部材と一括シールド部材との位置ずれの発生を一層抑制することができる。
同構成によれば、弾性部材が円筒状または長円筒状をなしているため、一括シールド部材、各個別シールド部材及び各電線に対して作用する締付部材の締め付け力が、位置によってばらつくことを抑制できる。したがって、個別シールド部材と一括シールド部材との位置ずれの発生を一層抑制することができる。
上記ワイヤハーネスにおいて、前記弾性部材の外周面には、前記弾性部材の周方向に沿って延在する溝部が設けられており、前記締付部材は、前記溝部に取り付けられていることが好ましい。
同構成によれば、弾性部材の外周面に設けられた溝部に締付部材が取り付けられるため、弾性部材に対する締付部材の位置ずれを抑制することができる。
上記ワイヤハーネスにおいて、前記締付部材は、半割筒状をなす一対の半割体と、前記半割体の各々の周方向における一端に設けられ、前記半割体同士を開閉可能に連結するヒンジ部と、前記半割体の各々の周方向における他端に設けられ、前記半割体同士を係止する係止部と、を有することが好ましい。
上記ワイヤハーネスにおいて、前記締付部材は、半割筒状をなす一対の半割体と、前記半割体の各々の周方向における一端に設けられ、前記半割体同士を開閉可能に連結するヒンジ部と、前記半割体の各々の周方向における他端に設けられ、前記半割体同士を係止する係止部と、を有することが好ましい。
同構成によれば、ヒンジ部を支点として一対の半割体の他端を開閉することにより、弾性部材の外周の締付の実行及び解除を行うことができる。また、係止部により一対の半割体の他端同士を係止することにより、弾性部材の外周を締付けた状態を維持することができる。したがって、締付部材による弾性部材の締付作業を容易に行うことができる。
上記ワイヤハーネスにおいて、前記電線の各々のうち前記個別シールド部材が前記一括シールド部材により覆われる部分には、前記電線と前記個別シールド部材との間に筒状部材が介在されており、前記弾性部材は、前記筒状部材の各々の外周に設けられていることが好ましい。
同構成によれば、電線と個別シールド部材との間に筒状部材が介在するため、締付部材による締め付け力が電線に対して作用することを抑制できる。これにより、電線が変形することを抑制できる。
上記ワイヤハーネスにおいて、前記筒状部材の各々の外周面には凹部が設けられており、前記弾性部材の内面には前記凹部に対応する凸部が設けられていることが好ましい。
同構成によれば、締付部材により弾性部材が締め付けられた際に、弾性部材の内面に設けられた凸部によって一括シールド部材及び個別シールド部材が筒状部材の凹部に入り込むこととなる。これにより、弾性部材、一括シールド部材、個別シールド部材及び筒状部材の相対変位が抑制される。したがって、個別シールド部材と一括シールド部材との位置ずれの発生を抑制することができる。
同構成によれば、締付部材により弾性部材が締め付けられた際に、弾性部材の内面に設けられた凸部によって一括シールド部材及び個別シールド部材が筒状部材の凹部に入り込むこととなる。これにより、弾性部材、一括シールド部材、個別シールド部材及び筒状部材の相対変位が抑制される。したがって、個別シールド部材と一括シールド部材との位置ずれの発生を抑制することができる。
本発明によれば、個別シールド部材と一括シールド部材との位置ずれの発生を抑制できる。
以下、図1〜図4を参照して、一実施形態について説明する。
本実施形態のワイヤハーネスは、例えばハイブリッド車や電気自動車などの車両の床下を含む経路に配索されるとともに、複数の機器同士を電気的に接続する。
本実施形態のワイヤハーネスは、例えばハイブリッド車や電気自動車などの車両の床下を含む経路に配索されるとともに、複数の機器同士を電気的に接続する。
図1及び図2に示すように、ワイヤハーネスは、複数の電線10と、各電線10の一端側(図1の左端側)に設けられ、各電線10を個別に機器に取り付けるための複数の個別コネクタ21と、各電線10の他端側(図1の右端側)に設けられ、各電線10を一括して機器に取り付けるための1つの一括コネクタ22とを備えている。
図2の右側に示すように、電線10は、芯線11と芯線11の外周を覆う筒状の絶縁被覆12とを有している。芯線11は、例えば、銅合金からなる複数の金属素線を撚り合わせて形成される撚り線である。絶縁被覆12は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)などの絶縁材料を押出成形することにより形成されている。
<個別シールド部材31>
図2に示すように、ワイヤハーネスには、複数の電線10を個別に覆うことで電磁シールドする複数の個別シールド部材31が設けられている。個別シールド部材31は、例えば、アルミニウム合金などからなる導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線からなり、可撓性を有している。個別シールド部材31の一端部は、個別コネクタ21に電気的に接続されている。個別シールド部材31の他端部31bは、電線10の長さ方向における途中の部分まで延びている。
図2に示すように、ワイヤハーネスには、複数の電線10を個別に覆うことで電磁シールドする複数の個別シールド部材31が設けられている。個別シールド部材31は、例えば、アルミニウム合金などからなる導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線からなり、可撓性を有している。個別シールド部材31の一端部は、個別コネクタ21に電気的に接続されている。個別シールド部材31の他端部31bは、電線10の長さ方向における途中の部分まで延びている。
また、各電線10には、個別シールド部材31を個別に被覆するシース13が設けられている。シース13は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)などの絶縁材料からなる。シース13の一端部は、個別コネクタ21に接続されている。シース13の他端部13bは、電線10の長さ方向における途中の部分まで延びている。
シース13は、可撓性を有する筒状の第1外装部材41により覆われている。本実施形態の第1外装部材41は、蛇腹筒状のコルゲートチューブである。
個別シールド部材31の他端部31bは、シース13の他端部13b及び第1外装部材41の端部から露出している。
個別シールド部材31の他端部31bは、シース13の他端部13b及び第1外装部材41の端部から露出している。
<一括シールド部材32>
図1及び図2に示すように、ワイヤハーネスには、複数の電線10を一括して覆うことで電磁シールドする1つの一括シールド部材32が設けられている。一括シールド部材32は、例えば、アルミニウム合金などからなる導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線からなり、可撓性を有している。一括シールド部材32の一端部32aは、一括コネクタ22に電気的に接続されている(図1参照)。また、一括シールド部材32の他端部32bは、電線10の長さ方向における途中の部分まで延びている。
図1及び図2に示すように、ワイヤハーネスには、複数の電線10を一括して覆うことで電磁シールドする1つの一括シールド部材32が設けられている。一括シールド部材32は、例えば、アルミニウム合金などからなる導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線からなり、可撓性を有している。一括シールド部材32の一端部32aは、一括コネクタ22に電気的に接続されている(図1参照)。また、一括シールド部材32の他端部32bは、電線10の長さ方向における途中の部分まで延びている。
一括シールド部材32は、可撓性を有する筒状の第2外装部材42により覆われている。本実施形態の第2外装部材42は、蛇腹筒状のコルゲートチューブである。ただし、第2外装部材42の外径及び内径は、第1外装部材41の外径及び内径よりもそれぞれ小さい。
一括シールド部材32の他端部32bは、第2外装部材42の端部から露出している。
図2に示すように、一括シールド部材32のうち第2外装部材42から露出した部分は、各個別シールド部材31のうちシース13から露出した部分を覆っている。以下、一括シールド部材32のうち各個別シールド部材31を覆うことで各個別シールド部材31に電気的に接続される部分を接続部32cと称する。
図2に示すように、一括シールド部材32のうち第2外装部材42から露出した部分は、各個別シールド部材31のうちシース13から露出した部分を覆っている。以下、一括シールド部材32のうち各個別シールド部材31を覆うことで各個別シールド部材31に電気的に接続される部分を接続部32cと称する。
ここで、各個別シールド部材31の他端部31bは、第2外装部材42の内部に位置している。また、一括シールド部材32の他端部32bは、第1外装部材41の内部に位置している。
<筒状部材50>
図2及び図3に示すように、各電線10の外周面と各個別シールド部材31の内周面との間には、各電線10が挿通される円筒状の筒状部材50が介在している。各筒状部材50は、電線10の長さ方向における一括シールド部材32の接続部32cに対応する位置に設けられている。なお、本実施形態の筒状部材50は、剛性を有する金属材料であることが好ましく、例えば真鍮により形成されている。
図2及び図3に示すように、各電線10の外周面と各個別シールド部材31の内周面との間には、各電線10が挿通される円筒状の筒状部材50が介在している。各筒状部材50は、電線10の長さ方向における一括シールド部材32の接続部32cに対応する位置に設けられている。なお、本実施形態の筒状部材50は、剛性を有する金属材料であることが好ましく、例えば真鍮により形成されている。
図2に示すように、各筒状部材50の外周面には、筒状部材50の周方向に沿って延在する凹部51が全周にわたって設けられている。
<弾性部材60>
図2〜図4に示すように、一括シールド部材32の接続部32cの外周面は、円筒状をなす弾性部材60により全周にわたって覆われている。弾性部材60は、例えば、ポリウレタンなどの合成樹脂材料からなる。
<弾性部材60>
図2〜図4に示すように、一括シールド部材32の接続部32cの外周面は、円筒状をなす弾性部材60により全周にわたって覆われている。弾性部材60は、例えば、ポリウレタンなどの合成樹脂材料からなる。
図3及び図4に示すように、弾性部材60の内側には、各電線10、各筒状部材50、各個別シールド部材31、及び一括シールド部材32を収容する収容部61が設けられている。
収容部61は、弾性部材60の中心軸線C0に沿って延在する中心軸線C1,C2をそれぞれ有し、互いに連通された略円柱状の一対の収容孔62を有している。また、収容部61の内周面における各収容孔62の間の部分には、弾性部材60の中心軸線C0に向かって、すなわち各電線10同士の間に向かって突出する一対の突出部63が設けられている(図3参照)。
図3及び図4に示すように、弾性部材60には、中心軸線C0に沿って延在するとともに互いに開閉される開閉部64が設けられている。弾性部材60は、中心軸線C0を挟んで開閉部64とは反対側の部分67を支点として開閉される。
図2及び図4に示すように、収容部61の内周面には、凸部65が全周にわたって設けられている。凸部65は、弾性部材60の軸線方向における中央部に設けられており、筒状部材50の凹部51に対向する。凸部65の幅は、筒状部材50の凹部51の幅よりも小さい。
弾性部材60の外周面には、弾性部材60の周方向に沿って延在する溝部66が全周にわたって設けられている。
<締付部材70>
図2及び図3に示すように、弾性部材60の溝部66には、弾性部材60を締め付ける締付部材70が設けられている。締付部材70は、例えば、合成樹脂材料からなる周知の結束バンドである。なお、溝部66の幅は、締付部材70の幅よりも僅かに大きい。
<締付部材70>
図2及び図3に示すように、弾性部材60の溝部66には、弾性部材60を締め付ける締付部材70が設けられている。締付部材70は、例えば、合成樹脂材料からなる周知の結束バンドである。なお、溝部66の幅は、締付部材70の幅よりも僅かに大きい。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)ワイヤハーネスは、一括シールド部材32のうち各個別シールド部材31を覆うことで接続される接続部32cの外周に設けられ、互いに隣り合う電線10同士の間に向かって突出する突出部63を有する弾性部材60と、弾性部材60の外周を締め付ける締付部材70とを備える。
(1)ワイヤハーネスは、一括シールド部材32のうち各個別シールド部材31を覆うことで接続される接続部32cの外周に設けられ、互いに隣り合う電線10同士の間に向かって突出する突出部63を有する弾性部材60と、弾性部材60の外周を締め付ける締付部材70とを備える。
こうした構成によれば、接続部32cが、締付部材70により弾性部材60を介して締め付けられる。ここで、弾性部材60は、隣り合う電線10同士の間に向かって突出する突出部63を有している。このため、締付部材70による締め付け力が、弾性部材60を介して、一括シールド部材32、各個別シールド部材31及び各電線10のより広い範囲に作用することとなる。したがって、個別シールド部材31と一括シールド部材32との位置ずれの発生を抑制することができる。
(2)弾性部材60は円筒状をなしているため、一括シールド部材32、各個別シールド部材31及び各電線10に対して作用する締付部材70の締め付け力が、位置によってばらつくことを抑制できる。したがって、個別シールド部材31と一括シールド部材32との位置ずれの発生を一層抑制することができる。
(3)弾性部材60の外周面には、弾性部材60の周方向に沿って延在する溝部66が設けられており、締付部材70は、溝部66に取り付けられている。
こうした構成によれば、弾性部材60の外周面に設けられた溝部66に締付部材70が取り付けられるため、弾性部材60に対する締付部材70の位置ずれを抑制することができる。
こうした構成によれば、弾性部材60の外周面に設けられた溝部66に締付部材70が取り付けられるため、弾性部材60に対する締付部材70の位置ずれを抑制することができる。
(4)各電線10のうち個別シールド部材31が一括シールド部材32により覆われる部分には、電線10と個別シールド部材31との間に筒状部材50が介在されている。弾性部材60は、筒状部材50の各々の外周に設けられている。
こうした構成によれば、電線10と個別シールド部材31との間に筒状部材50が介在するため、締付部材70による締め付け力が電線10に対して作用することを抑制できる。これにより、電線10が変形することを抑制できる。
(5)各筒状部材50の外周面には凹部51が全周にわたって設けられている。また、弾性部材60の内面には凹部51に対応する凸部65が全周にわたって設けられている。
こうした構成によれば、締付部材70により弾性部材60が締め付けられた際に、弾性部材60の内面に設けられた凸部65によって一括シールド部材32及び個別シールド部材31が筒状部材50の凹部51に入り込むこととなる。これにより、弾性部材60、一括シールド部材32、個別シールド部材31及び筒状部材50の相対変位が抑制される。したがって、個別シールド部材31と一括シールド部材32との位置ずれの発生を抑制することができる。
こうした構成によれば、締付部材70により弾性部材60が締め付けられた際に、弾性部材60の内面に設けられた凸部65によって一括シールド部材32及び個別シールド部材31が筒状部材50の凹部51に入り込むこととなる。これにより、弾性部材60、一括シールド部材32、個別シールド部材31及び筒状部材50の相対変位が抑制される。したがって、個別シールド部材31と一括シールド部材32との位置ずれの発生を抑制することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態の弾性部材60を2つに分割することもできる。この場合、図5に示すように、第1変更例の弾性部材160は、それぞれ1つの突出部163を有する一対の半割体161,162からなる。また、こうした半割体161,162の一方のみを弾性部材として採用することもできる。
・上記実施形態の弾性部材60を2つに分割することもできる。この場合、図5に示すように、第1変更例の弾性部材160は、それぞれ1つの突出部163を有する一対の半割体161,162からなる。また、こうした半割体161,162の一方のみを弾性部材として採用することもできる。
・締付部材70は、上記実施形態において例示した結束バンドに限定されない。他に例えば、図6及び図7に示すように、第2変更例の締付部材270は円筒状をなしている。締付部材270は、半割筒状をなす一対の半割体271,272と、各半割体271,272の周方向における一端に設けられ、半割体271,272同士を開閉可能に連結するヒンジ部273と、各半割体271,272の周方向における他端に設けられ、半割体271,272同士を爪嵌合により係止する係止部274とを備えている。締付部材270の内周面には、上記実施形態と同様な弾性部材260が固定されている。ここで、係止部274は、周方向において弾性部材260の開閉部264と同一の位置に設けられている。なお、締付部材270は、金属材料からなるものであってもよいし、樹脂材料からなるものであってもよい。
こうした構成によれば、ヒンジ部273を支点として一対の半割体271,272の他端を開閉することにより、弾性部材260の外周の締付の実行及び解除を行うことができる。また、係止部274により一対の半割体271,272の他端同士を係止することにより、弾性部材260の外周を締付けた状態を維持することができる。したがって、締付部材270による弾性部材260の締付作業を容易に行うことができる。
・第2変更例において、爪嵌合、すなわちスナップフィットにより互いに係止される係止部274を有する締付部材270に代えて、ねじ締結により互いに係止される係止部380を有する締付部材370を採用することもできる。すなわち、図8に示すように、第3変更例の締付部材370の半割体371,372の周方向の端部には、外周側に向けて突出する鍔部374,375がそれぞれ設けられている。一方の鍔部374には貫通孔374aが設けられている。また、他方の鍔部375には、ねじ孔375aが設けられている。これら鍔部374,375の間に円筒状のカラー382を介在させた状態で、貫通孔374a及びカラー382に対して、ねじ381を順に挿通し、同ねじ381の先端部をねじ孔375aに螺入することにより、鍔部374,375同士が互いに締結される。この場合、ねじ381により、半割体371,372を介して弾性部材260を締め付ける際の締め付け度合を調整することができる。
・筒状部材50の両端部の外周面に先端側ほど内周側に位置するような案内面を設けることもできる。案内面は、例えば、傾斜面であってもよいし、湾曲面であってもよい。この構成によれば、筒状部材50を個別シールド部材31と電線10との間に容易に配置することができる。
・筒状部材50の凹部51及び弾性部材60の凸部65の各々が、軸線方向に互いに間隔をおいて複数設けられていてもよい。
・溝部66が弾性部材60の外周面における周方向の一部に設けられていてもよい。
・溝部66が弾性部材60の外周面における周方向の一部に設けられていてもよい。
・溝部66が弾性部材60の軸線方向において複数設けられていてもよい。
・締付部材70は、金属製のバンドであってもよい。
・弾性部材60、160は、長円筒状をなすものであってもよい。この場合であっても、上記実施形態の作用効果(2)と同様な作用効果を奏することができる。また、弾性部材60、160は、多角形筒状をなすものであってもよい。
・締付部材70は、金属製のバンドであってもよい。
・弾性部材60、160は、長円筒状をなすものであってもよい。この場合であっても、上記実施形態の作用効果(2)と同様な作用効果を奏することができる。また、弾性部材60、160は、多角形筒状をなすものであってもよい。
・外装部材41,42は蛇腹筒状のコルゲートチューブに限定されず、パイプであってもよい。
・第1外装部材41の端部から第2外装部材42の端部までの間をグロメットなどで覆ってもよい。
・第1外装部材41の端部から第2外装部材42の端部までの間をグロメットなどで覆ってもよい。
・弾性部材及び上記締付部材は、3本以上の電線10を有するワイヤハーネスに対しても適用することができる。
10…電線、11…芯線、12…絶縁被覆、13…シース、13b…他端部、21…個別コネクタ、22…一括コネクタ、31…個別シールド部材、31b…他端部、32…一括シールド部材、32a…一端部、32b…他端部、32c…接続部、41…第1外装部材、42…第2外装部材、50…筒状部材、51…凹部、60…弾性部材、61…収容部、62…収容孔、63…突出部、64…開閉部、65…凸部、66…溝部、67…部分、70…締付部材、160…弾性部材、161…半割体、162…半割体、163…突出部、260…弾性部材、270…締付部材、271…半割体、272…半割体、273…ヒンジ部、274…係止部、370…締付部材、371…半割体、372…半割体、373…ヒンジ部、374…鍔部、374a…貫通孔、375…鍔部、375a…ねじ孔、380…係止部、381…ねじ、382…カラー、510…電線、511…芯線、512…絶縁被覆、520…筒状部材、530…個別シールド部材、540…一括シールド部材、550…バンド部材、560…隙間。
Claims (6)
- 複数の電線と、
導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線からなり、複数の前記電線を個別に覆うことで電磁シールドする複数の個別シールド部材と、
導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線からなり、複数の前記電線を一括して覆うことで電磁シールドする筒状の一括シールド部材と、
前記一括シールド部材のうち前記個別シールド部材の各々を覆う部分の外周に設けられ、互いに隣り合う前記電線同士の間に向かって突出する突出部を有する弾性部材と、
前記弾性部材の外周を締め付ける締付部材と、を備える、
ワイヤハーネス。 - 前記弾性部材は、円筒状または長円筒状をなしている、
請求項1に記載のワイヤハーネス。 - 前記弾性部材の外周面には、前記弾性部材の周方向に沿って延在する溝部が設けられており、
前記締付部材は、前記溝部に取り付けられている、
請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス。 - 前記締付部材は、半割筒状をなす一対の半割体と、前記半割体の各々の周方向における一端に設けられ、前記半割体同士を開閉可能に連結するヒンジ部と、前記半割体の各々の周方向における他端に設けられ、前記半割体同士を係止する係止部と、を有する、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のワイヤハーネス。 - 前記電線の各々のうち前記個別シールド部材が前記一括シールド部材により覆われる部分には、前記電線と前記個別シールド部材との間に筒状部材が介在されており、
前記弾性部材は、前記筒状部材の各々の外周に設けられている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のワイヤハーネス。 - 前記筒状部材の各々の外周面には凹部が設けられており、
前記弾性部材の内面には前記凹部に対応する凸部が設けられている、
請求項5に記載のワイヤハーネス。
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