JP2013183009A - 積層型コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いQ値を得ることができる積層型コイル部品を提供する。
【解決手段】端子電極6を形成する素体2の端面2aのうち、コイル部配置層10の端面10aは、素体2の内側へ向かって湾曲している。従って、端子電極6を形成するためにディップ工程を行う際、電極ペーストPSがコイル部配置層10の端面10aの湾曲部に溜まることで、湾曲部の底部DP付近において側面2c側へ濡れ上がる電極ペーストの量を抑えることができる。位置決め層11で位置決めを行うことによって、正確にディップ工程を行うことができる。以上によって、端子電極6の側面2c側への回り込み部6bのライン性がよくなることで寸法管理がし易くなると共に、当該回り込み部6bがコイル部3に近づきすぎることを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型コイル部品に関する。
従来の積層型コイル部品として、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この積層型コイル部品では、ガラスセラミックのシート上にコイル導体の導体パターンを形成し、各シートを積層すると共に各シートにおけるコイル導体を電気的に接続し、焼成することによって内部にコイル部が配置された素体が形成される。また、素体の両端面に、コイル部の端部と電気的に接続された端子電極が形成されている。
特開平11−297533号公報
ここで、積層型コイル部品においては、端子電極は素体の端面を覆うと共に、素体の側面に回り込んで当該側面の一部を覆う。ここで、素体の側面での端子電極の広がりが大きい(すなわち、素体の側面への回り込み量が多い)と、素体内のコイル部と端子電極とが近づいてしまうことにより、Q(quality factor)値が低くなってしまう場合があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、高いQ値を得ることができる積層型コイル部品を提供することを目的とする。
本発明に係る積層型コイル部品は、複数のコイル導体によって素体の内部に形成されるコイル部と、素体の端面を覆うと共に、素体の側面における端面側の一部を覆う端子電極と、を備え、素体は、内部にコイル部が配置される、ガラスセラミックスからなるコイル部配置層と、コイル部配置層を挟むように少なくとも一対設けられる最外層によって構成され、端子電極を形成する際の位置決めの基準となる位置決め層と、を有し、位置決め層は、コイル部配置層よりも薄く、コイル部配置層の端面は、素体の内側へ向かって湾曲していることを特徴とする。
本発明に係る積層型コイル部品では、端子電極を形成する素体の端面のうち、コイル部配置層の端面は、素体の内側へ向かって湾曲している。従って、端子電極を形成するためにディップ工程を行う際、電極ペーストがコイル部配置層の端面の湾曲部に溜まることで、湾曲部の底部付近において側面側へ濡れ上がる電極ペーストの量を抑えることができる。また、コイル部配置層よりも薄く、当該コイル部配置層を挟む最外層が、端子電極を形成する際の位置決め層となる。従って、コイル部配置層の端面が湾曲しているとしても、位置決め層で位置決めを行うことによって、正確にディップ工程を行うことができる。これにより、端子電極の側面側への回り込み部のライン性がよくなることで寸法管理がし易くなると共に、当該回り込み部がコイル部に近づきすぎることを防止できる。これにより、高いQ値を得ることができる。
また、本発明に係る積層型コイル部品において、コイル部配置層の側面は、前記素体の内側へ向かって湾曲していることが好ましい。これによって、側面でも湾曲することにより、端子電極の回り込み部のライン性を一層よくすることができる。
また、本発明に係る積層型コイル部品において、コイル部配置層の収縮率は、前記位置決め層の収縮率よりも大きいことが好ましい。これによって、コイル部配置層の端面を湾曲させることができる。
また、本発明に係る積層型コイル部品において、湾曲したコイル部配置層の端面の窪み量は、端子電極が素体の側面へ回り込む回り込み量の4〜18%であることが好ましい。これによって、端子電極を厚くすることができる。
本発明によれば、積層型コイル部品のQ値を高くすることができる。
本発明の実施形態に係る積層型コイル部品を示す断面図である。 積層型コイル部品の素体の斜視図である。 本発明の実施形態に係る積層型コイル部品の素体及び比較例に係る積層型コイル部品の素体に端子電極を形成するためにディップ工程を行った様子を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る積層型コイル部品の素体に対して形成された端子電極の形状、及び比較例に係る積層型コイル部品の素体に対して形成された端子電極の形状を示す図である。 コイル導体の表面の平滑性と表面抵抗の関係を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る積層型コイル部品の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る積層型コイル部品を示す断面図である。図2は、積層型コイル部品の素体の斜視図である。図1に示すように、積層型コイル部品1は、複数の絶縁体層を積層することによって形成される素体2と、複数のコイル導体4,5によって素体2の内部に形成されるコイル部3と、素体2の両端面に形成される一対の端子電極6と、を備えている。なお、素体の絶縁体層の積層方向をD1とし、積層方向D1と直交し一対の端子電極6が対向する方向をD2とし、積層方向D1及び方向D2と直交する方向をD3として、以下の説明を行う。
素体2は、セラミックグリーンシートを複数積層させた焼結体からなる直方体状または立方体状の積層体である。素体2の大きさは、長さ0.3〜1.7mm、幅0.1〜0.9mm、高さ0.1〜0.9mm程度に設定されている。素体2は、内部にコイル部3が配置されるコイル部配置層10と、当該コイル部配置層10を挟むように一対設けられる最外層によって構成される位置決め層11と、を備えている。位置決め層11は、端子電極6を形成する際の位置決めの基準となる層である。なお、位置決め層11は、焼成時に軟化するコイル部配置層10の形状を保持する保形層としても機能してよく、焼成後にコイル部配置層10の強度を保つ補強層として機能してもよい。位置決め層11は、コイル部配置層10の側面のうち、積層方向D1において対向する側面10bの全面を覆うようにそれぞれ形成されている。コイル部配置層10の厚さは、0.1mm以上に設定されている。位置決め層11の厚さは、コイル部配置層10の厚さよりも薄い。位置決め層11の厚さは、5μm以上に設定されている。
素体2は、方向D2において対向する一対の端面2aと、積層方向D1に対向する一対の側面2bと、方向D3において対向する一対の側面2cと、を有している。側面2b,2cは、一方の端面2aの四方の辺と他方の端面2aの四方の辺をそれぞれ連結している。素体2の端面2aは、コイル部配置層10の端面10a、及び一対の位置決め層11の各端面11aによって構成されている。素体2の積層方向D1に対向する側面2bは、位置決め層11の積層方向D1における最外面11bによって構成されている。素体2の方向D3に対向する側面2cは、コイル部配置層10の側面10c、及び一対の位置決め層11の各側面11cによって構成されている。
コイル部配置層10の焼成による収縮率は、位置決め層11の収縮率よりも大きい。すなわち、焼成時には位置決め層11に比して、コイル部配置層10が大きく収縮する。これによって、コイル部配置層10の端面10a及び側面10cは、素体2の内側へ向かって湾曲する。一方、位置決め層11の端面11a、側面11b,11cは、湾曲することなく形状が保たれている。コイル部配置層10の収縮率は16〜20%とし、位置決め層11の収縮率は15〜18%に設定することが好ましい。
コイル部配置層10の端面10aは、位置決め層11との境界部から、積層方向D1における中央位置へ向かうに従って素体2の内側へ窪むような湾曲面を形成する。位置決め層11の端面11aは、コイル部配置層10の端面10aに形成された湾曲面よりも素体2の外側に配置されている。位置決め層11の端面11aは、コイル部配置層10の端面10aの全領域よりも、素体2の外側に位置していることが好ましい。このように、位置決め層11の端面11aが素体2の外側に突出しているため、当該位置決め層11は、端子電極6を形成するためのディップ工程を行う際の位置決め用の基準面として機能することができる。ディップ工程を行う際、素体2の端面2aをピンで押すことによって位置合わせを行うが、位置決め層11の端面11aは、このときの基準面となる。なお、場合によっては、引出部に係るコイル導体5付近の端面10aが膨らむことで、当該部分が位置決め層11の端面11aよりも僅かに素体2の外側へ出っ張ることもある。ただし、このような端面10aのコイル導体5付近の出っ張りは微小であるため、位置決め層11の端面11aでの位置決めに影響を及ぼさない。コイル部配置層10の端面10aは、積層方向D1における中央位置付近にて、最も素体2の内側へ入り込んだ湾曲面の底部DPを有する。位置決め層11の端面11aとコイル部配置層10の端面10aの底部DPとの間の方向D2における寸法、すなわち端面10aの窪み量(図1においてAで示される寸法)は、3〜24μmとなる。
コイル部配置層10の側面10cも、位置決め層11との境界部から、積層方向D1における中央位置へ向かうに従って素体2の内側へ窪むような湾曲面を形成する。位置決め層11の側面11cは、コイル部配置層10の側面10cに形成された湾曲面よりも素体2の外側に配置されている。位置決め層11の側面11cは、コイル部配置層10の側面11cの全領域よりも、素体2の外側に位置していることが好ましい。コイル部配置層10の側面11cは、積層方向D1における中央位置付近にて、最も素体2の内側へ入り込んだ湾曲面の底部を有する。側面10cの窪み量も、端面10aと同様に3〜24μmとなる。
コイル部配置層10の端面10aは、方向D3における中央位置付近のみについて湾曲しているのではなく、一方の側面10cと他方の側面10cとの間の略全領域、すなわち方向D3における略全領域にわたって湾曲している。従って、素体2の外観を方向D3(側面2c側)から見たときも、端面10aは湾曲している。同様に、コイル部配置層10の側面10cは、方向D2における中央位置付近のみについて湾曲しているのではなく、一方の端面10aと他方の端面10aとの間の略全領域、すなわち方向D2における略全領域にわたって湾曲している。従って、素体2の外観を方向D2(端面2a側)から見たときも、側面10cは湾曲している。従って、コイル部配置層10の端面10aと側面10cとの間の角部に形成される稜部は、端面10a及び側面10cが湾曲していないと仮定したときにおける仮想稜部L1(一方の位置決め層11の端面11a及び側面11cの稜部と、他方の位置決め層11の端面11a及び側面11cの稜部とを結んだラインである)から、素体2の内側へ離間する。これによって、仮想稜部L1と実際の稜部との間には、空間SPが形成される。当該空間SPは、端子電極6を形成するための素体2の端面2aをペーストにディップしたときの空気抜きとして機能する。
コイル部配置層10は、非晶質のガラスセラミックスからなることが好ましい。例えば、コイル部配置層10は、主成分として、ホウケイ酸ガラス成分を35〜60重量%含有し、石英成分を15〜35重量%含有し、残部にアモルファスシリカ成分を含有し、副成分として、アルミナを含有し、アルミナの含有量が、前記主成分100重量%に対して、0.5〜2.5重量%含有する。且つ、コイル部配置層10は、焼成後において、SiOが86.7〜92.5重量%、Bが6.2〜10.7重量%、KOが0.7〜1.2重量%、Alが0.5〜2.4重量%の組成を有する。コイル部配置層10が、86.7〜92.5重量%のSiOを含有することによって、コイル部配置層10の誘電率を小さくすることができる。また、コイル部配置層10が、0.5〜2.4重量%のAlを含有することによって、コイル部配置層10での結晶転移を防止することができる。なお、MgO、CaOを1.0重量%以下含有してもよい。
位置決め層11は、結晶質のガラスセラミックスからなることが好ましい。例えば、位置決め層11は、主成分として、ガラス成分を50〜70重量%含有し、アルミナ成分を30〜50重量%含有している。且つ、位置決め層11は、焼成後において、SiOが23〜42重量%、Bが0.25〜3.5重量%、Alが34.2〜58.8重量%、アルカリ土類金属酸化物12.5〜31.5重量%の組成を有し、該アルカリ土類金属酸化物中の60重量%以上(すなわち位置決め層11全体の7.5〜31.5重量%)がSrOである。
ただし、位置決め層11は、コイル部配置層10の端面10aを湾曲させることができるものであれば特に限定されず、例えばフェライトや誘電体層などから形成されていてもよい。
コイル部配置層10の軟化点は、位置決め層11の軟化点または融点よりも低く設定されている。具体的に、コイル部配置層10の軟化点は800〜1050℃であり、位置決め層11の軟化点または融点は1200℃以上である。コイル部配置層10の軟化点を低くすることによって、コイル部配置層10を非晶質にすることができる。位置決め層11の軟化点または融点を高くすることによって、焼成時に軟化点の低いコイル部配置層10が変形しないように形状を保持することができる。
コイル部3は、巻線部に係るコイル導体4と、端子電極6と接続される引出部に係るコイル導体5と、を有している。コイル導体4,5は、例えば銀、銅及びニッケルのいずれかを主成分とした導体ペーストによって形成される。コイル部3は、コイル部配置層10の内部にのみ配置され、位置決め層11の中には配置されない。また、コイル部3のいずれのコイル導体4,5も位置決め層11と接触していない。積層方向におけるコイル部3の両端部は、位置決め層11から離間しており、当該コイル部3と位置決め層11との間にはコイル部配置層10のセラミックが配置される。巻線部に係るコイル導体4は、コイル部配置層10を形成するセラミックグリーンシート上に、導体ペーストにて所定の巻線の導体パターンを形成することで構成される。各層の導体パターンは、スルーホール導体によって積層方向に接続される。また、引出部に係るコイル導体5は、巻線パターンの端部を端子電極6まで引き出すような導体パターンによって構成される。なお、巻線部のコイルパターンや巻線数や、引出部の引出し位置などは特に限定されない。
一対の端子電極6は、素体2の端面2aを覆うと共に、側面2b,2cにおける端面a側の一部を覆うように形成されている。端子電極6は、端面2aを覆う本体部6aと、側面2b,2cへ回り込んで当該側面2b,2cの端面2a側の一部を覆う回り込み部6bと、を有している。端子電極6の回り込み量(図1においてBで示す寸法)は、40〜200μmとすることが好ましい。コイル部配置層10の端面10aの窪み量Aと比較した場合、端面10aの窪み量Aは、端子電極6の回り込み量の4〜18%であることが好ましい。これによって、端子電極6を厚くすることができる。各端子電極6は、例えば銀、銅及びニッケルのいずれかを主成分とした導体ペーストを、ディップ方式を用いて形成する。
次に、上述した構成の積層型コイル部品1の製造方法について説明する。
まず、コイル部配置層10を形成するセラミックグリーンシートと、位置決め層11を形成するセラミックグリーンシートを用意する。上述のような組成となるように、セラミックのペーストを調整し、ドクターブレード法などによりシート成型することで、各セラミックグリーンシートを用意する。
続いて、コイル部配置層10となる各セラミックグリーンシートの所定の位置、すなわちスルーホール電極が形成される予定の位置に、レーザー加工等によってスルーホールをそれぞれ形成する。次に、コイル部配置層10となる各セラミックグリーンシートの上に、各導体パターンをそれぞれ形成する。ここで、各導体パターン及び各スルーホール電極は、銀又はニッケルなどを含んだ導電性ペーストを用いてスクリーン印刷法により形成される。
続いて、各セラミックグリーンシートを積層する。このとき、位置決め層11となるセラミックグリーンシートの上にコイル部配置層10となるセラミックグリーンシートを積み重ね、その上から位置決め層11となるセラミックグリーンシートを重ねる。なお、底部と上部に形成される位置決め層11は、それぞれ一枚のセラミックグリーンシートによって形成されてもよく、複数枚のセラミックグリーンシートによって形成されてもよい。次に、積層方向に圧力を加えて各セラミックグリーンシートを圧着する。
続いて、この積層された積層体を、所定温度(例えば、800〜1150℃程度)にて焼成を行い、素体2を形成する。なお、このとき設定される焼成温度は、コイル部配置層10の軟化点以上であって、位置決め層11の軟化点または融点未満に設定する。このとき、位置決め層11はコイル部配置層10の形状を保つ。また、コイル部配置層10は、位置決め層11よりも大きく収縮することによって、コイル部配置層10の端面10a及び側面10cが素体2の内側へ向かって湾曲する。
続いて、この素体2に端子電極6を形成する。これにより、積層型コイル部品1が形成されることとなる。端子電極6は、素体2の長手方向の両端面にそれぞれ銀、ニッケル又は銅を主成分とする電極ペーストを塗布して、所定温度(例えば、600〜700℃程度)で焼付けを行い、さらに電気めっきを施すことにより形成される。この電気めっきとしては、Cu、Ni及びSn等を用いることができる。端子電極6を形成するときは、図3に示すように、素体2の端面2aを電極ペーストPSにディップすることによって、端面2a及び側面2b,2cに電極ペーストPSを塗布する。図示されない治具に素体2をセットすると共にピンで位置合わせを行い、端面2aをディップする。このとき、図2に示すような空間SPから空気が抜けるため、コイル部配置層10の端面10aの湾曲部にも電極ペーストPSが十分に塗布される。一方の端面2aに電極ペーストPSを塗布して乾燥した後、他方の端面2aにも電極ペーストPSを塗布する。
次に、本実施形態に係る積層型コイル部品1の作用・効果について説明する。
まず、比較例に係る積層型コイル部品の素体102について、図3及び図4を参照して説明する。比較例に係る積層型コイル部品の素体102は、端面102aが湾曲しておらず、真っ直ぐな面となっている。ディップ工程の際に、このような素体102の端面102aを電極ペーストPSにディップさせると、電極ペーストPSは素体102の側面102cへ濡れ上がる。特に、積層方向D1の中央位置付近においての濡れ上がりが大きくなる(図3の点線を参照)。これにより、素体102に形成される端子電極6の側面102cへの回り込み部6bの回り込み量が大きくなり、図4(b)に示すように、回り込み部6bの縁部6cのライン性が悪くなると共に、当該縁部6cがコイル部3に近づいてしまう。縁部6cがコイル部3に近づきすぎる場合、Q値に影響が及ぼされる可能性がある。
一方、本実施形態に係る積層型コイル部品1では、端子電極6を形成する素体2の端面2aのうち、コイル部配置層10の端面10aは、素体2の内側へ向かって湾曲している。従って、端子電極6を形成するためにディップ工程を行う際、電極ペーストPSがコイル部配置層10の端面10aの湾曲部に溜まることで、湾曲部の底部DP付近において側面2c側へ濡れ上がる電極ペーストの量を抑えることができる。すなわち、図3に示すように、比較例に係る素体102では、側面102cに濡れ上る電極ペーストPSは、積層方向D1の中央位置付近において膨らむように大きくなっているが、本実施形態に係る素体2では、積層方向D1の中央位置付近での濡れ上がりが抑制されている。従って、図4(a)に示すように、回り込み部6bの縁部6cが真っ直ぐになりライン性がよくなると共に、当該縁部6cがコイル部3に近づきすぎることも防止されている。更には、コイル部配置層10よりも薄く、当該コイル部配置層10を挟む最外層が、端子電極6を形成する際の位置決め層11となる。従って、コイル部配置層10の端面10aが湾曲しているとしても、位置決め層11で位置決めを行うことによって、正確にディップ工程を行うことができる。以上によって、端子電極6の側面2c側への回り込み部6bのライン性がよくなることで寸法管理がし易くなると共に、当該回り込み部6bがコイル部3に近づきすぎることを防止できる。これにより、高いQ値を得ることができる。
また、本実施形態に係る積層型コイル部品1において、コイル部配置層10の側面10cは、素体2の内側へ向かって湾曲している。これによって、側面10cでも湾曲することにより、端子電極6の回り込み部6bのライン性を一層よくすることができる。
また、コイルのQ(quality factor)値を上げるためには、コイル導体の表面の平滑性を上げることが好適である。周波数が高くなれば高くなるほど表皮深さが浅くなり、高周波の場合は、コイル導体の表面の平滑性がQ値に影響を与える。例えば、図5(b)に示すようにコイル導体の表面の平滑性が低く、凹凸が形成されていた場合、コイル導体の表面抵抗が上がり、コイルのQ値が下がってしまう。一方、図5(a)のようにコイル導体の表面の平滑性が高ければ、コイル導体の表面抵抗が下がり、コイルのQ値を上げることができる。本実施形態では、コイル導体4,5の表面の平滑性を上げるために、素体2のコイル部配置層10を非晶質のガラスセラミックスで構成している。このようにコイル部配置層10が非晶質であると、当該コイル部配置層10の滑らかな表面の影響により、そこに接するコイル導体4,5の表面も滑らかになり、平滑性が高くなる。これにより高いQ値を得ることができる。
なお、本実施形態では、素体は完全な非昌質ではなくアルミナ成分が少量(0.5〜2.4重量%)含まれている分だけ、結晶質を一部含むが、極めて少量であるため、図3(b)のような滑らかな表面が得られる。このように、ここでの「非晶質」とは、少量であれば一部に結晶質を含むものも該当する。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、一つのコイル部を有する積層型コイル部品を例示したが、例えば、アレイ状に複数のコイル部を有するものであってもよい。
1…積層型コイル部品、2…素体、10…コイル部配置層、11…保形層、3…コイル部、4,5…コイル導体、6…端子電極。

Claims (4)

  1. 複数の絶縁体層を積層することによって形成される素体と、
    複数のコイル導体によって前記素体の内部に形成されるコイル部と、
    前記素体の端面を覆うと共に、前記素体の側面における前記端面側の一部を覆う端子電極と、を備え、
    前記素体は、
    内部に前記コイル部が配置される、ガラスセラミックスからなるコイル部配置層と、
    前記コイル部配置層を挟むように少なくとも一対設けられる最外層によって構成され、前記端子電極を形成する際の位置決めの基準となる位置決め層と、を有し、
    前記位置決め層は、前記コイル部配置層よりも薄く、
    前記コイル部配置層の端面は、前記素体の内側へ向かって湾曲していることを特徴とする積層型コイル部品。
  2. 前記コイル部配置層の側面は、前記素体の内側へ向かって湾曲していることを特徴とする請求項1記載の積層型コイル部品。
  3. 前記コイル部配置層の収縮率は、前記位置決め層の収縮率よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の積層型コイル部品。
  4. 湾曲した前記コイル部配置層の端面の窪み量は、前記端子電極が前記素体の側面へ回り込む回り込み量の4〜18%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層型コイル部品。
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