JP2013182952A - 研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】研磨布基体に樹脂を含浸させてなる研磨パッドであって、前記樹脂が、乾燥後の樹脂全質量に対して、0.5〜18質量%の導電性微粒子を含むことを特徴とする、研磨パッド。
【選択図】なし
Description
一方、不織布タイプの研磨パッドは従来から様々なタイプのものが数多く出願されている。例えば目付の高い不織布を使用しかつ含浸樹脂として硬い樹脂を使用した研磨パッドにより、被研磨物の平坦性が向上し、スクラッチの発生を防止する例が報告されている(特許文献4参照)。また、不織布に樹脂を含浸し樹脂内部に界面活性剤を含む空孔を設けた研磨パッドにより、被研磨物の平坦性が向上し、スクラッチの発生が減少することも報告されている(特許文献3参照)。
すなわち、本発明は以下を提供する。
1.研磨布基体に樹脂を含浸させてなる研磨パッドであって、前記樹脂が、乾燥後の樹脂全質量に対して、0.5〜18質量%の導電性微粒子を含むことを特徴とする、研磨パッド。
2.研磨布基体が不織布である、前記1記載の研磨パッド。
3.化合物半導体用である、前記1または2記載の研磨パッド。
4.前記含浸樹脂が1次含浸樹脂と2次含浸樹脂を含み、導電性微粒子が、2次含浸樹脂のみに又は1次含浸樹脂及び2次含浸樹脂の双方に含まれている、前記1〜3のいずれか一に記載の研磨パッド。
5.導電性微粒子が、カーボンブラック及びナノダイヤからなる群より選択される、前記1〜4のいずれか一に記載の研磨パッド。
6.樹脂が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、及び生ゴムからなる群より選択される、前記1〜5のいずれか一に記載の研磨パッド。
7.研磨布基体を用意し、乾燥後の樹脂全質量に対して0.5〜18質量%の導電性微粒子を含む樹脂溶液に前記基体を含浸させる工程を含む、研磨パッドの製造方法。
8.樹脂溶液に研磨布基体を含浸させて樹脂を形成する工程が、1次含浸樹脂溶液に研磨布基体を含浸させて樹脂を形成する工程及び2次含浸樹脂溶液に研磨布基体を含浸させて樹脂を形成する工程を含み、導電性微粒子が、2次含浸樹脂溶液のみに又は1次含浸樹脂溶液及び2次含浸樹脂溶液の双方に含まれていることを特徴とする、前記7に記載の研磨パッドの製造方法。
9.2次含浸樹脂が乾式凝固法により形成されることを特徴とする、前記8に記載の研磨パッドの製造方法。
10.1次含浸樹脂が湿式凝固法により形成されることを特徴とする、前記8または9に記載の研磨パッドの製造方法。
11.研磨布基体が不織布であり、前記樹脂溶液に研磨布基体を含浸させて樹脂を形成する工程が、導電性微粒子を含む樹脂溶液に前記不織布を含浸させる前に、前記不織布を樹脂に浸漬する仮止め工程を更に含むことを特徴とする、前記8〜10のいずれか一に記載の研磨パッドの製造方法。
また、特に不織布基体に樹脂を含浸させる際、1次含浸樹脂および2次含浸樹脂の双方に導電性微粒子を添加することにより、不織布全体の導電性微粒子含有量を増やし、かつ研磨パッド全体に導電性微粒子を均一に分散させることができ、SiC基板研磨時に基板のキズの除去能を更に強化することができる。
本発明の研磨パッドは、研磨布基体に樹脂を含浸させてなる研磨パッドであって、前記樹脂が、乾燥後の樹脂全質量に対して、0.5〜18質量%の導電性微粒子を含むことを特徴とする。
本発明の研磨パッドは、研磨布基体に樹脂を含浸させて製造するものである。研磨布基体としては、不織布、織物、編み物、フェルト、多孔膜、フィルム、粒子等が挙げられる。物性調整のしやすさの観点から、不織布であることが好ましい。
繊維としては、特に限定はなく、天然繊維(改質繊維を含む)、合成繊維等から製造される不織布であればよい。例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維等の樹脂繊維や、綿、麻等の天然繊維を用いてもよいが、製造工程中でDMF等の有機溶媒や水等の洗浄液を吸収することによる原料繊維の膨潤を防止することや原料繊維の量産性を考慮すれば、吸水(液)性を有していないポリエステル繊維等の樹脂繊維を用いることが好ましい。原料繊維には、繊度1〜50dtex、繊維長20〜100mmの繊維を用いることが好ましい。
研磨布基体の厚さは目的により異なるが、1.5mm未満ではポリウレタン樹脂溶液に含浸後の乾燥時に厚さ方向でポリウレタン樹脂の移動(樹脂マイグレーション)が発生しポリウレタン樹脂の被覆厚さが偏りやすく、5.0mmを超えると不織布基材の内部までポリウレタン樹脂溶液が浸透できなくなるので、1.5〜5.0mmの範囲とすることが好ましい。
前記導電性微粒子を添加することにより、研磨速度を低下させることなく、被研磨物表面に存在するスクラッチの数を減らすことができる。導電性微粒子の量は、樹脂全質量に対して、好ましくは0.9〜17質量%、より好ましくは2.5〜15質量%であり、更に好ましくは4〜10質量%である。0.5質量%より少ないと十分にスクラッチ数を低減することができない。また、18質量%より多くなると、徐々に研磨速度が低下し、更にスクラッチ数の低減効果も無くなってくる。
本発明において、カーボンブラックのストラクチャーはDBP吸油量が40〜200cm3/100g程度であることが好ましく、50〜90cm3/100gであることがより好ましい。
仮止めに使用される乾式樹脂の付着量は、繊維集合体質量(樹脂非含浸)の10質量%以下であることが好ましい。一次含浸樹脂の付着量は、繊維集合体質量の50〜80質量%であることが好ましい。二次含浸樹脂の付着量は、繊維集合体質量の50〜80質量%であることが好ましい。
1次含浸樹脂量と、2次含浸樹脂量は、質量比で1:1〜1:5程度であることが好ましい。
架橋剤としては、多価イソシアネート化合物、有機ジアミン化合物等が挙げられる。架橋剤の量は、架橋させる樹脂(1次含浸樹脂あるいは2次含浸樹脂各々)に対して、1〜20質量%程度添加することが好ましい。
添加剤としては、発泡を促進させる親水性活性剤及びポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等を用いることができる。親水性添加剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩等のアニオン界面活性剤を使用する。疎水性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤や、アルキルカルボン酸などのアニオン系界面活性剤を用いることができる。添加量は添加剤の種類や樹脂の種類によって異なり、特に制限されるものではないが、例えば、樹脂溶液100質量部に対して0.2〜10質量部の間で添加する。
SiC単結晶は昇華再結合法という結晶成長法で製造される。2400℃という高温のるつぼの中でSiC粉末を昇華させ、その蒸気を種結晶上に再結合させることでSiCインゴットを得る。出来上がったインゴットはダイヤモンド電着ワイヤーソー等により切断し単結晶基板を得る。
得られた単結晶基板をラッピングにより表面のスクラッチを除去するが、完全に除去することができないため仕上げ研磨処理を行うことでスクラッチを除去する。
得られた基板単結晶上に異なる導電型や所定の抵抗率を持つ単結晶層を基板の結晶構造に連続して成長させるエピタキシャル成長を行うことでSiCウェハーを製造するが、基板表面にスクラッチ等があるとエピタキシャル成長させた単結晶層に欠陥が出てしまう。このため、エピタキシャル成長の前に基板の欠陥は仕上げ研磨処理により取り除いておく必要がある。
なお、本発明の研磨パッドの研磨面には必要に応じて適宜ミゾ加工を行ってもよい。
本発明の研磨パッドの製造方法は、研磨布基体を用意し、乾燥後の樹脂全質量に対して0.5〜18質量%の導電性微粒子を含む樹脂溶液に前記基体を含浸させる工程を含む。
本発明の方法において、樹脂溶液は、上述した導電性微粒子を含む樹脂を溶媒に溶解して作成する。溶媒の種類としては、湿式凝固の場合には、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)等及びこれらの混合物が挙げられる。この中で特にDMFが好ましい。乾式凝固の場合には、DMF,MEK及びこれらの混合物が挙げられる。
溶媒量は、特に制限されないが、樹脂固形分濃度が例えば10〜50(v/w)%となるように添加すればよい。
その後、使用する樹脂の種類により、任意に、熱硬化処理などを行う。
各含浸工程で含浸する方法に特に規定はないが、1次含浸で乾式樹脂を直接シート状繊維基材に含浸し、乾燥炉内において溶剤乾燥と樹脂の硬化を同時に行わせる場合、乾燥硬化までの間に繊維基材の厚さ方向に樹脂移行が起こり、研磨クロスの厚み方向で樹脂量が不均一となる可能性がある。このため、次の含浸工程で含浸する樹脂が不均一になり物性のバラツキが発生する可能性がある。従って、1次含浸では湿式凝固法を使用することが好ましい。
熱処理工程では、例えば、乾燥後の不織布基材を、100〜130℃(例えば、約110℃)に設定された加熱機中でおよそ12〜36時間(例えば17時間)加熱する。この加熱処理により、凝固再生した樹脂の分子間に、樹脂溶液に予め含有された多価イソシアネート化合物等の架橋剤により架橋結合が形成される。ポリエステル繊維の表面には、架橋された樹脂による架橋樹脂層が形成される
バフ処理工程では、第1層形成後(1次含浸後)の不織布基材の両面側にバフ処理を施してもよい。繊維の表面に熱硬化被覆層が形成された不織布基材では、両面側の樹脂量が多く、繊維間の空隙が狭められているため、両面側にバフ処理を施すことで、空隙が狭められた部分を除去する。このとき、樹脂量が多い部分を除去するためには、両面をそれぞれ、厚さ0.1〜0.7mmバフ処理する必要がある。
2次含浸樹脂溶液に基体を含浸させて樹脂を形成する工程は、乾式凝固法により行うことが好ましい。乾式凝固法とは、モノマーあるいはプレポリマーを含む溶剤溶液あるいはポリマー(樹脂)を含む溶剤溶液に、不織布等の基体を浸漬して、モノマーについては加熱等により硬化させた後、溶剤を除去して行う。
本明細書において「樹脂溶液に前記基体を含浸させて樹脂を形成する工程」という場合、前記「樹脂溶液」には、モノマーあるいはプレポリマーを含む溶剤溶液のような溶液を含むものとする。
一つの例は、不織布等の基体を、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー、有機ジアミン化合物等のモノマーを含む樹脂の溶剤溶液に浸漬し、基体にモノマーを含浸させる。
他の例は、一次含浸で用いた溶剤溶液に含有された熱硬化性ポリウレタン樹脂の濃度の少なくとも1/2以下の濃度で熱硬化性ポリウレタン樹脂を溶解した溶剤溶液に含浸する。
前者の溶剤溶液を用いた場合、二次含浸工程では、イソシアネート末端ウレタンプレポリマと、有機ジアミン化合物とを、例えばメチルエチルケトン(以下、MEKと略記する。)に溶解した溶剤溶液に、両面がバフ処理された不織布中間体を浸漬した後、一次含浸工程と同様にマングルローラを用いて過剰な溶剤溶液を絞り落とし、不織布中間体に均一に含浸させる。
溶剤溶液の固形分濃度は、例えば、30〜70質量%の範囲とすることが好ましい。また、架橋剤の固形分濃度は、4〜20質量%が好ましい。二次含浸は、5〜40℃で行うことが好ましく、20〜30℃が更に好ましい。二次含浸をこの温度範囲で行うことで、溶剤溶液に含有された有機ジアミン化合物による架橋反応の進行が抑制される。
また、スライスした後、更に表面のバフ処理を行うことが好ましい。バフ処理は、バフ機により処理することができる。バフ機は表面が略平坦に形成された圧接ローラを備えている。圧接ローラの表層には、ゴム等の弾性材で弾性層が形成されている。圧接ローラの反対側には、樹脂含浸不織布を介して圧接ローラと対向するように、樹脂含浸不織布をバフ処理するためのバフローラが配置されている。バフローラの表面には、バフシートとしてのサンドペーパーが貼付されている。バフ処理時には、圧接ローラの表面に樹脂含浸不織布の裏面を圧接させる。樹脂含浸不織布が圧接ローラの表面で略平坦に支持された状態で、反対面側にバフローラでバフ処理が施される。バフ量は圧接ローラとバフローラの間隔(クリアランス)を適宜変更することで調整する。サンドペーパーの番手、バフ量、処理スピードは適宜調整するが、サンドペーパーの番手は#100〜#200、バフ量0.05〜1.0mm、処理スピードは0.5〜5m/minで処理することが好ましい。
(i)不織布基体に含浸した熱硬化性ポリウレタン樹脂を湿式凝固させた後乾燥し、熱処理により湿式凝固した熱硬化性ポリウレタン樹脂を架橋する第1の工程
(ii)第1の工程で樹脂層が形成された繊維集合体の両面をバフ処理する工程
(iii)バフ処理された繊維集合体をイソシアネート末端ウレタンプレポリマと架橋剤との溶剤溶液に含浸する2次含浸工程と、乾燥熱処理により2次含浸工程で含浸したイソシアネート末端ウレタンプレポリマを架橋剤で架橋させる工程
(iv)2次含浸後、架橋剤で架橋した繊維集合体をスライスする工程
(v)スライスした繊維集合体をバフ処理する工程
上記方法において、導電性微粒子は(i)及び/又は(iii)の工程で樹脂に添加する。
(a)不織布基体に乾式樹脂を含浸させたのち、乾燥、熱処理により樹脂を硬化させることで繊維を仮止めする工程
(b)工程(a)で仮止めした繊維集合体をスライスする工程
(i)工程(b)の繊維集合体、熱硬化性ポリウレタン樹脂を含浸し、湿式凝固させた後乾燥し、熱処理により湿式凝固した熱硬化性ポリウレタン樹脂を架橋する第1の工程
(ii)第1の工程で樹脂層が形成された繊維集合体の両面をバフ処理する工程
(iii)バフ処理された繊維集合体をイソシアネート末端ウレタンプレポリマと架橋剤との溶剤溶液に含浸する2次含浸工程と、乾燥熱処理により2次含浸工程で含浸したイソシアネート末端ウレタンプレポリマを架橋剤で架橋させる工程
(vi)2次含浸後、架橋剤で架橋した繊維集合体をスライスする工程
(v)スライスした繊維集合体をバフ処理する工程
上記方法において、導電性微粒子は(i)及び/又は(iii)の工程で樹脂に添加する。
1)製造工程
(i)不織布基体(繊維名:ポリエステル)(目付:0.138g/cm3)(厚さ:3.4mm)に乾式樹脂バーノックDN950(DIC社製)(ポリイソシアネートプレポリマー/DMF+MEK、8質量%濃度)を含浸させたのち、乾燥(120℃)、熱処理(110℃、17時間)により樹脂を硬化させることで繊維を仮止めした。
(ii)前記(i)の工程で仮止めした不織布基体を厚さ2.2〜2.3mmにスライスした。
(iii)前記(ii)の不織布基体に熱硬化性ポリウレタン樹脂を含浸し、湿式凝固させた後乾燥し、熱処理(110℃、17時間)により、湿式凝固した熱硬化性ポリウレタン樹脂を架橋した(1次含浸工程)。
(iv)前記(iii)の工程で樹脂層が形成された繊維集合体の両面をバフ処理し、厚さ1.95mmの繊維集合体を得た。
(v)前記(iv)の工程でバフ処理した繊維集合体を、イソシアネート末端ウレタンプレポリマと架橋剤との溶剤溶液に含浸した後、乾燥(120℃)、熱処理(110℃、24時間)により含浸したイソシアネート末端ウレタンプレポリマを架橋剤で架橋した(2次含浸工程)。
(vi)前記(v)の工程後、架橋剤で架橋した繊維集合体を1.5〜1.6mm厚にスライスした。
(vii)スライスした繊維集合体を更にバフ処理して最終厚み1.3mmの研磨パッドを得た。
カーボンブラック(平均直径16nm,吸油量:69)は(iii)(v)の両工程(実施例6、7では一方の工程)で、エステル系ウレタン樹脂に分散させたカーボンブラックを所定のカーボンブラック量になるように樹脂に添加した。
比較例3では、カーボンブラックの代わりにシリカ(粒径:約20nm、比重1.070〜1.100)を使用した。
各樹脂、カーボンブラック、架橋剤、溶剤の量を、表1及び2に示した。
なお、仮止め工程における乾式樹脂の付着量は、繊維集合体質量(樹脂非含浸)の10質量%であった。一次含浸樹脂の付着量は、繊維集合体質量の75質量%であった。二次含浸樹脂の付着量は、繊維集合体質量の65質量%であった。従って、仮止め樹脂、一次含浸樹脂及び二次含浸樹脂の合計付着量は、繊維集合体質量の150質量%であった。
MDI:ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
MBOCA:4,4’−メチレン−ビス[2−クロロアニリン]
DMF:ジメチルホルムアミド
添加剤A:成膜安定剤、セルロース系添加剤(アセチルブチルセルロース)
(i)研磨方法
研磨装置にSiC基板、研磨パッドをセットし、研磨剤を間欠的にパッドに滴下しながら研磨した。
研磨剤はDSC−0901((株)フジミインコーポレーテッド製)を使用し、1分間に12ccを研磨パッドに滴下した。定盤の回転速度は35rpmとした。
加圧ヘッドによりSiC基板を研磨パッドに押し付ける圧力は0.1MPa(530g/cm2)とした。
尚、SiC基板は3インチ(直径7.62cm)を5枚使用してSi面の研磨を行った。研磨時間は6時間行った。
(厚さ)
日本工業規格(JIS K6550)に記載された厚さ測定方法に準じて、ポリウレタンシートの厚さを測定した。すなわち、ポリウレタンシートに厚さ方向に初荷重として1cm2あたり100gの荷重をかけた(負加した)ときのシート厚みを測定した。シートを縦10cm×横10cmの100ピースに切り分け、1ピースにつき四隅および中心部の厚みをダイヤルゲージ(最小目盛り0.01mm)を使用して最小目盛りまで読み取り計測し、5点の平均値を1ピースの厚みとした。シートの平均厚みは、100ピースについてそれぞれ測定した厚みの平均値とした。
A硬度は、JIS K7311に準じて測定した。
(密度g/cm3)
所定サイズの大きさに切り出した試料の重量(g)を測定して、サイズから体積(g/cm3)を求めることにより算出した。
(圧縮率%)
圧縮率は、JIS L 1021に従い、圧縮時の厚み減少分を測定し、圧縮前の厚さに対する圧縮時の厚み減少分の百分率を算出した。
(圧縮弾性率%)
圧縮率は、JIS L 1021に従い算出した。
(テーバー摩耗(mg/1000回))
日本工業規格(JIS K 6902)のテーバー摩耗試験に準じた方法に従い測定した。
実施例3の研磨パッドの断面の顕微鏡写真(50倍)を図1に示す。
実施例3の研磨パッドの表面(上面)の顕微鏡写真(50倍)を図2に示す。
・レート:研磨前後の重量を測定して減少量を算出した(n=5)。SiC密度=3.22g/cm3のものを使用した。
・スクラッチ測定:コンフォーカル(共焦点)顕微鏡を使用して基板1枚当たりのスクラッチ数を測定した。
本発明の導電性微粒子であるカーボンブラックを0.5〜18質量%含む場合には、それぞれ、研削量、研磨レートが十分に大きく、かつスクラッチ数を低減することができた(実施例1〜8)。なお、1次含浸樹脂のみにカーボンブラックを添加した場合(実施例6)には、双方に添加した場合(実施例3)と比較して研磨レートはほぼ同等であったが、スクラッチ数の低減効果が弱かった。
一方、カーボンブラックを全く含まない場合には、研磨レートの低下はあまり見られないが、スクラッチ数は1.4個/基板1枚(5回平均)(研磨前は無数のスクラッチあり)であり、低減できなかった(比較例1)。また、カーボンブラックを18質量%より多く添加した場合には、研磨レートが低下し、更にスクラッチも十分に低減できなかった(比較例2)。カーボンブラックをシリカに変更した場合には、スクラッチの低減効果が無かった(比較例3)。
Claims (11)
- 研磨布基体に樹脂を含浸させてなる研磨パッドであって、前記樹脂が、乾燥後の樹脂全質量に対して、0.5〜18質量%の導電性微粒子を含むことを特徴とする、研磨パッド。
- 研磨布基体が不織布である、請求項1記載の研磨パッド。
- 化合物半導体用である、請求項1または2記載の研磨パッド。
- 前記含浸樹脂が1次含浸樹脂と2次含浸樹脂を含み、導電性微粒子が、2次含浸樹脂のみに又は1次含浸樹脂及び2次含浸樹脂の双方に含まれている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨パッド。
- 導電性微粒子が、カーボンブラック及びナノダイヤからなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨パッド。
- 樹脂が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、及び生ゴムからなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨パッド。
- 研磨布基体を用意し、乾燥後の樹脂全質量に対して0.5〜18質量%の導電性微粒子を含む樹脂溶液に前記基体を含浸させて樹脂を形成する工程を含む、研磨パッドの製造方法。
- 樹脂溶液に研磨布基体を含浸させて樹脂を形成する工程が、1次含浸樹脂溶液に研磨布基体を含浸させて樹脂を形成する工程及び2次含浸樹脂溶液に研磨布基体を含浸させて樹脂を形成する工程を含み、導電性微粒子が、2次含浸樹脂溶液のみに又は1次含浸樹脂溶液及び2次含浸樹脂溶液の双方に含まれていることを特徴とする、請求項7に記載の研磨パッドの製造方法。
- 2次含浸樹脂が乾式凝固法により形成されることを特徴とする、請求項8に記載の研磨パッドの製造方法。
- 1次含浸樹脂が湿式凝固法により形成されることを特徴とする、請求項8または9に記載の研磨パッドの製造方法。
- 研磨布基体が不織布であり、前記樹脂溶液に研磨布基体を含浸させて樹脂を形成する工程が、導電性微粒子を含む樹脂溶液に前記不織布を含浸させる前に、前記不織布を樹脂に浸漬する仮止め工程を更に含むことを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の研磨パッドの製造方法。
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