JP2019198957A - 研磨シート - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等においてより品質の高い鏡面、すなわち鏡面性の面内均一性が高く、欠陥が少ない鏡面を得られる、鏡面研磨に好適な研磨シートを提供する。【解決手段】本発明の研磨シートは、表面に複数の開口部を有し、前記開口部から内部に涙滴状の孔を複数有する軟質多孔層を表層に有する研磨シートであって、被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの該軟質多孔層表面の範囲内には略直線状の溝が複数あり、少なくとも一部の溝は、他の溝とは交わらずに独立して存在していることを特徴とする。【選択図】図8

Description

本発明は、シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等において良好な鏡面を形成するために使用される仕上げ用に好適な研磨シートに関するものである。
従来、シリコンベアウェハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等を鏡面化する手段として、研磨シートを用いた研磨加工法が採用されている。研磨シートは、合成繊維と合成ゴム等とを素材とする不織布や編織布を基材にして、その上面にポリウレタン系溶液が塗布され、湿式凝固法によりポリウレタン系溶液が凝固される工程を経て、表面に複数の開口部を有し、前記開口部から内部に涙滴状の孔を複数有する軟質多孔層を表層に有する構造となっている。表面に複数の開口部を有するために、内部に有する涙滴状の孔を複数有する軟質多孔層の表皮層の表面が研削、除去されることにより開口部を形成する(以下、表面が研削されたものをスエードと表現することがある。)、製造方法とされている。(特許文献1参照。)。
このような研磨シートは、既に、シリコンベアウェハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク等の鏡面研磨工程で広く使用されている。研磨シートの軟質多孔層表面は、以前は溝などの加工が施されないものだったが、基板の大口径化に伴い、基板表面の鏡面性の面内均一性が不十分となることから、軟質多孔層表面に溝をいれることが知られている。溝の形状としては、格子状(特許文献2参照)、亀甲溝、五角形溝(特許文献3参照)、円溝(特許文献4参照)などが知られており、このような溝形状を施した研磨シートは、鏡面性の面内均一性は改善されるものの、欠陥が増えるという問題があり、より品質の高い鏡面を得られる研磨シートが求められている。
特開平11−335979号公報 特開平11−333699号公報 特開2001−150332号公報 特開平10−337651号公報
本発明の目的は、上記従来技術の背景に鑑み、シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等においてより品質の高い鏡面、すなわち鏡面性の面内均一性が高く、欠陥が少ない鏡面を得られる、鏡面研磨に好適な研磨シートを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、次の手段を採用するものである。すなわち、本発明の研磨シートは、軟質多孔層を表側に有する研磨シートであって、前記軟質多孔層は表面に複数の開口部を有し、前記開口部から内部に涙滴状の孔を有し、前記研磨シートが研磨する被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの該軟質多孔層表面の範囲内には少なくとも略直線状の溝が複数あり、前記溝の少なくとも一部は、他の溝とは交わらずに独立して存在していることを特徴とする研磨シートである。
本発明の一態様は、上記研磨シートを使用して、シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等の被研磨基板を研磨する研磨方法である。
本発明によれば、リコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等においてより品質の高い鏡面、すなわち鏡面性の面内均一性が高く、欠陥が少ない鏡面を得られる、鏡面研磨に好適な研磨シートが得られる。
正三角形を基本とした想像網目および略直線状溝の構造 正四角形を基本とした想像網目および略直線状溝の構造 正六角形を基本とした想像網目および略直線状溝の構造 正三角形を基本とした想像網目および略直線状溝の構造 正三角形を基本とした想像網目および略直線状溝の構造 正六角形を基本とした想像網目および略直線状溝の構造 実施例1での想像網目および溝の構造 実施例1で作製した研磨シートの構造 実施例3で作製した研磨シートの構造 実施例6作製した研磨シートの構造
本発明の研磨シートは、表面に複数の開口部を有し、前記開口部から内部に涙滴状の孔を複数有する軟質多孔層を表層に有する研磨シートであって、被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの該軟質多孔層表面の範囲内には略直線状の溝が複数あり、少なくとも一部の溝は、他の溝とは交わらずに独立して存在していることを特徴とする研磨シートである。
本発明の好ましい態様によれば、被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの該軟質多孔層表面の範囲内で、他の溝とは交わらないで独立して存在している溝の総長さが、当該範囲内にある全ての溝の総長さに対して80%以上であることを特徴とする前記の研磨シートである。
本発明の好ましい態様によれば、 前記独立して存在する略直線状の溝は、正三角形、正四角形または正六角形から形成される想像網目の想像線上に存在していることを特徴とする前記いずれかの研磨シートである。
本発明の好ましい態様によれば、前記想像網目を形成する正三角形、正四角形または正六角形の一辺の長さが10〜50mmであることを特徴とする前記研磨シートである。
本発明の好ましい態様によれば、前記独立して存在する略直線状の溝の長さが、前記正三角形、正四角形または正六角形の一辺の長さの70%以上であることを特徴とする前記いずれかの研磨シートである。
本発明の好ましい態様によれば、前記独立して存在する略直線状の溝の端部と他の溝との距離が1mm以上であることを特徴とする前記いずれかの研磨シートである。
また本発明は前記研磨シートで被研磨基板を研磨することを特徴とする研磨方法もある。
まず、本発明で用いられる研磨シートについて説明する。
本発明において、上記の軟質多孔層を表層に有する研磨シートは、ポリウレタン等の湿式凝固法で軟質多孔層を形成できる軟質樹脂を有機溶媒に溶解させたポリウレタン等の軟質樹脂溶液をシート状の基材に塗布後、水系凝固液中で軟質樹脂を凝固再生させることにより、製造することができる。本製造方法で、製造された軟質多孔層の表面をサンドペーパー等で表面を研削することで表面に複数の開口部を形成させることができる。湿式凝固法により製造される軟質多孔層は、前記開口部から内部に涙滴状の孔を有している
軟質多孔層の厚みは、200〜900μmの範囲で被研磨基板および研磨プロセスに応じて設定される。開口部の開口径は、10〜150μmの範囲で被研磨基板および研磨プロセスに応じて設定される。
ポリウレタン樹脂等の湿式凝固再生時に伴い生じた微多孔が緻密に存在する厚さ数μmオーダーで表面に層(以下「スキン層」)を有し、それより内部には、スキン層の微多孔より平均孔径が大きい、多数の粗大孔が形成されていることが好ましい。この形状は断面観察で涙滴状のかたちをとる。この孔の大きさは表層から50〜400μm程度の深さであることが好ましい。
スキン層に形成された孔の径が小さいため、スキン層の表面はマクロに見ると平坦性を有している。このスキン層表面の平坦性を使用して、被研磨物であるシリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等の仕上げ研磨加工を行う。
本発明の軟質多孔層に用いることができるポリウレタン樹脂等、末端に複数の活性水素を有するプレポリマと複数のイソシアネート基を有する化合物を重付加して得られたウレタン結合を有する重合体である。重合体の内部にはジアミンを原料としたウレア結合を含有していてもよい。
末端に複数の活性水素を有するプレポリマとしては、主鎖骨格としてポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系およびポリカプロラクタン系などが例示される。
上記湿式凝固法に使用されるポリウレタン溶液の溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(以下「DMF」)、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびN−メチルピロリドン等の極性を有する溶媒が用いられる。上記ポリウレタンを溶解させる溶媒としては、DMFが好適である。
上記ポリウレタン溶液は、他の樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホンおよびポリスルホン等のポリマーを適宜含有することができる。また、ポリウレタン溶液は、必要に応じて、カーボンや有機顔料、表面張力を下げる界面活性剤および撥水性を付与できる撥水剤等も含有することもできる。
本発明で用いられる基材の例としては、綿、レーヨン、ポリアミド、ポリエステルおよびポリアクリロニトリル等の繊維またはこれらの混合物よりなる編物、織物および不織布などの布帛が挙げられる。さらにこれらに合成ゴムやポリウレタン等の樹脂を含浸して得られるシート類も挙げられる。他にもポリエステルフィルム等の樹脂シートも挙げられる。
研磨シートの厚みは、おおよそ0.5mmから3mm程度であることが好ましい。
基材に上記ポリウレタン溶液を塗布する手段の例としては、ロールコーター、ナイフコーター、ナイフオーバーロールコーターおよびダイコーター等が挙げられる。ポリウレタン溶液を塗布した後、多孔質層を形成させる凝固浴には、DMFとは親和性を有するが、ポリウレタンは溶解しない溶媒を使用する。一般的には、水または水とDMFとの混合溶液が使用される。
次に本発明の特徴である軟質多孔層表面にある略直線状の溝について説明する。
本発明において、本発明が研磨する被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの該軟質多孔層表面の範囲内には、略直線状の溝が複数あり、少なくとも一部の溝が、他の溝とは交わらずに独立して存在している。被研磨基板は自転をしながら、回転する研磨定盤に取り付けられた研磨シートの表面に接触する。接触する該軟質多孔層表面の範囲の内側に、略直線状に複数存在する独立した溝が存在することにより、被研磨基板の鏡面性の面内均一性が大幅に向上し、欠陥も少なくなる。
本発明で略直線状という用語を定義するのであれば、溝の始点と終点とを直線で結び、その直線からの最大ずれ幅を溝の始点と終点の直線距離で除した値が3%以下の範囲の収まる範囲での直線状となる。
本発明の研磨シートの好ましい態様によれば、被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの軟質多孔層表面の範囲内において、他の溝とは交わらないで独立して存在している溝の長さの和が、その範囲内の全ての溝の総長さに対して80%以上であることを特徴とする。
被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの該軟質多孔層表面の範囲内に独立して存在している溝の総長さが、被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの該軟質多孔層表面の範囲内にある全ての溝の総長さに対して低い場合は、被研磨基板の鏡面性の面内均一性が下がる傾向がある。
本発明の研磨シートの好ましい態様によれば、前記独立して存在する略直線状の溝は、正三角形、正四角形または正六角形から形成される想像網目の想像線上に存在している。研磨シートの表面上に一つの単位が、正三角形、正四角形または正六角形でありそれが繰り返される想像上の網目(以下「想像網目」)を考える。この想像網目を構成する想像線上に形成された略直線状の溝が、他の溝または研磨シート端部と交わらないで独立して存在していることが、被研磨基板の鏡面性の面内均一性が大幅に向上し、欠陥が少なくなる効果があるので、好ましい。
この想像網目を構成する想像線上に形成された略直線状の溝が、他の溝または研磨シート端部と交わらないで独立して存在している溝の総長さが、研磨シート表面に存在している溝の総長さの80%以上であることが、被研磨基板の鏡面性の面内均一性を大幅に向上させ、欠陥も少なくなるので好ましい。この比率が下がってくると欠陥が多くなる傾向がある。
本発明の研磨シートの好ましい態様によれば、前記想像網目を形成する正三角形、正四角形または正六角形の一辺の長さが10〜50mmである。想像網目を形成する正三角形、正四角形または正六角形の一辺の長さが小さい場合は、被研磨基板の欠陥が発生しやすくなる。また、一辺の長さが大きすぎると、被研磨基板の鏡面性の面内均一性が低下する傾向がある。
本発明の研磨シートの好ましい態様によれば、独立して存在する溝が直線であって想像網目を形成する正三角形、正四角形または正六角形の上にあり、溝の長さが、これらいずれかの正多角形の一辺の長さの70%以上である。この値が小さい場合は、被研磨基板の鏡面性の面内均一性が低下する傾向にある。
本発明の研磨シートの好ましい態様によれば、前記独立して存在する略直線状の溝の端部と他の溝との距離が、1mm以上である。最接近距離が小さいと、軟質多孔層が溝により分離している部分が干渉するようであり、被研磨基板の欠陥が増える傾向にある。
図1(a)に、本発明の一実施形態である正三角形の想像網目を表わしている。図1(b)は、正三角形の想像網目上の各辺に、他の溝とは交わらないで独立して存在している略直線状の溝を形成した一実施形態を表わしている。
図2(a)に、本発明の一実施形態である正四角形の想像網目を表わしている。図2(b)は、正四角形の想像網目上の各辺に、他の溝とは交わらないで独立して存在している略直線状の溝を形成した一実施形態を表わしている。
図3(a)に、本発明の一実施形態である正六角形の想像網目を表わしている。図3(b)は、正六角形の想像網目上の各辺に、他の溝とは交わらないで独立している略直線状の溝を形成した一実施形態を表わしている。
図4(a)に、本発明の一実施形態である正三角形の想像網目を表わしている。図4(b)に、正三角形の想像網目上の各辺に、他の溝とは交わらないで独立している略直線状の溝を形成し、さらに独立略直線で形成された正三角形内に、独立した三方向の略直線状の溝を形成した一実施形態を表わしている。正三角形内に独立した略直線状の溝が複数存在していることで、より被研磨基板の鏡面性の面内均一性が良好となり、被研磨基板の欠陥も少なくなる。
図5(a)に、本発明の一実施形態である正四角形の想像網目を表わしている。図5(b)に、正四角形の想像網目上の各辺に、他の溝とは交わらないで独立している略直線状の溝を形成し、さらに独立略直線で形成された正四角形内に、独立した四方向の略直線状の溝を形成した一実施形態を表わしている。正四角形内に、独立した略直線状の溝が複数存在していることで、より被研磨基板の鏡面性の面内均一性が良好となり、被研磨基板の欠陥も少なくなる。
図6(a)に、本発明の一実施形態である正六角形の想像網目を表わしている。図6(b)に、正六角形の想像網目上の各辺に、他の溝とは交わらないで独立している略直線状の溝を形成し、さらにその正六角形内に、独立した6本の略直線状の溝で形成された小さな正六角形を形成した一実施形態を表わしている。正六角形内に、独立した略直線状の溝が複数存在していることで、より被研磨基板の鏡面性の面内均一性が良好となり、被研磨基板の欠陥も少なくなる。
なお図1〜図6において(a)では想像網目、(b)では略直線状溝の構造を示している。図示した範囲の上下左右にも、想像網目または略直線状溝が存在しているが、それらは図示を省略している。

本発明の研磨シートは、シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等においてより品質の高い鏡面、すなわち鏡面性の面内均一性が高く、欠陥が少ない鏡面を得られる。
以下、実施例によって、さらに本発明の詳細を説明する。しかしながら、本実施例により本発明が限定して解釈される訳ではない。研磨評価および各測定は以下のとおりに行った。
〔研磨評価〕
岡本工作機械製作所製研磨装置(型式:SPP600)を使用し、二次研磨(SUBA600パッド使用)上がりの8インチシリコンベアウエハを用いて、次の条件で研磨評価を行った。
・プラテン回転:46rpm
・ウエハヘッド回転:49rpm
・ヘッド荷重:100g/cm
・スラリー量:700ml/min(スラリー:コロイダルシリカスラリー砥粒濃度1%)
・ 研磨時間:15分。
〔シリコンウェハ上の欠陥、鏡面性の面内均一性〕
上記研磨条件で研磨したシリコンウェハ表面を、ケーエルエー・テンコール社製、 SURFSCAN SP−1で分析を行い、0.05μm以下0.01μm以上の欠陥数と平均ヘイズレベルおよびヘイズレベルのシリコンウェハ面内バラツキであるヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで除した値を鏡面性の面内均一性とした。
〔研磨シートの製造〕
ポリエステルとジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」)との重付加体であるポリウレタン樹脂25質量部を、DM100質量部に溶解した。さらに、これにカーボンブラックを2質量部と疎水性活性剤とを2質量部添加し、ポリウレタン溶液Aを調整した。
次いで、基材として東洋紡(株)製、表面易接着ポリエステルフィルムA4300−188(188μm厚み)上に、グラビアコーターでポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂の10質量%―DMF溶液をウェット厚で100μm塗布して乾燥し、ポリウレタンコートフィルムを作製した。本ポリウレタンコートフィルム上に、上記ポリウレタン溶液Aをナイフコーターでウェット厚で700μm塗布し、水浴に浸漬してポリウレタンを凝固再生し、水による洗浄でポリウレタン中のDMFを除去した後、水分を乾燥し、ポリエステルフィルムを基材とした凝固再生ポリウレタンシートを作製した。
得られた凝固再生ポリウレタンシートの微多孔形成面を、#200のサンドペーパーでバフ掛けすることにより、軟質多孔ポリウレタン層とした。軟質多孔ポリウレタン層は、表面に複数の開口部を有し、開口部の直径は数平均で50μmであり、内部には涙滴状の孔を有するものであった。またこの層は厚み400μm、見かけ密度0.25g/cm、圧縮回復率0.5%であった。この積層体のポリエステルフィルム側にニトリルゴム発泡シート(C硬度=40、厚み:1mm)を両面テープで貼りつけて、軟質多孔層を有する研磨シート1を作製した。
以下、実施例および比較例を説明する。表2に研磨シートの溝の構造を示し、表2には研磨シートによる研磨特性を示す。
[実施例1]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Paで10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、正三角形を繰り返し構造とする想像網目に合わせて、図8に示すように独立した直線状の溝を複数形成した。想像網目を構成する正三角形の一辺の長さは50mmであり、その想像網目の上に設けられた一辺の直線状の溝の長さは45mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmとした。想像網目を構成する正三角形の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は90%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、2.5mmであった。
溝をつけた研磨シートに両面テープを貼り、直径610mmの円形にカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内において、溝の長さの和に対する、他の溝に交わらないで独立した溝の長さの和の比率は100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで除した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように良好であった。
[実施例2]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート1の上に載せて、実施例1と同じエンボス条件で溝を形成した。
想像網目を構成する正三角形の一辺の長さは10mmであった。その想像網目に合わせて、独立して設けられた直線状の溝の長さは7mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった。
想像網目を構成する正三角形一辺に対する直線状の溝の長さの割合は70%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、1.5mmであった。
溝をつけた研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内において、溝の長さの和に対する、他の溝に交わらないで独立した溝の長さの和の比率は100%となる。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで除した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように良好であった。
[実施例3]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Paで10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、溝を形成した。
想像網目を構成する正三角形一辺の長さは50mmであり、その想像網目に合わせて設けられた直線状の溝の長さは45mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった。想像網目の正三角形の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は90%であった。また、原則として独立する溝同士の最接近距離は、2.5mmでとした。
ただし図9に示すように直線状の溝と直線状の溝とが接触する部分も一部存在するような溝構成とした。
溝をつけた研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内で、溝の長さの和に対する他の溝に交わらないで独立している溝の長さの和の比率は、80%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように良好であった。
[実施例4]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Paで10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、正四角形からなる想像網目に合わせて、独立した直線状の溝を形成した。
想像網目を構成する正四角形の一辺の長さは50mmであり、構成する直線状の溝の長さは46mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった。想像網目を構成する正四角形の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は92%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、2.8mmであった。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内において、溝の長さの和に対する、他の溝に交わらないで独立した溝の長さの和の比率は100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように良好であった。
[実施例5]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Paで10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、溝を形成した。
想像網目を構成するのは正四角形であり、その一辺の長さは10mmであった。想像網目に合わせて独立して形成された直線状の溝の長さは8mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった。想像網目の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は80%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、1.4mmであった。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内において、溝の長さに対する他の溝に交わらないで独立した溝の長さの和の比率は、100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように良好であった。
[実施例6]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Pa10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、溝を形成した。
想像網目を構成するのは正六角形であり、その一辺の長さは50mmである。想像網目に合わせて独立して形成された直線状の溝の長さは46mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった(図10参照)。想像網目の正六角形の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は92%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、3.5mmであった。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝の総長さと、溝の総長さの割合は、100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように良好であった。
[実施例7]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、ン研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Paで10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、溝を形成した。
想像網目を構成する正六角形の一辺の長さは10mmであり、想像網目に合わせて独立して形成された直線状の溝の長さは7mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった。想像網目の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は70%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、2.6mmであった。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内において、溝の長さの和に対する他の溝に交わらないで独立した溝の長さの和の比率は100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように良好であった。
[比較例1]
金属板に突起を設けたエンボス用板を用意し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.9Paで10分加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、溝を形成した。
溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmで溝のピッチ8mmの格子状の溝を研磨シート全面に形成した。他の溝と交わらない独立した溝は存在していない。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝は存在していない。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウェハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように、いずれの特性も極めて不良であった。
[実施例8]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、多孔質ポリウレタン研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.9Paで10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、溝を形成した。
想像網目は正三角形から構成され、その一辺の長さは60mmであった。その網目に合わせて独立して形成された直線状の溝の長さは55mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった。想像網目の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は92%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、2.5mmであった。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝の総長さと、溝の総長さの割合は、100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性の結果を表2に示す。
[実施例9]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を作製し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Paで10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、溝を形成した。
想像網目を構成するのは正四角形であり、その一辺の長さは8mmであった。想像網目に合わせて独立して形成された一辺の直線状の溝の長さは6mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった。想像網目の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は75%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、1.4mmであった。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝の総長さと、溝の総長さの割合は、100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性の結果を表2に示す。
[実施例10]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を作製し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力2kg/cmで10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、溝を形成した。
構造網目を構成するのは、正六角形であり、その一辺の長さは50mmであった。その想像網目に合わせて独立して設けられた直線状の溝の長さは30mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった。想像網目の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は60%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、17mmであった。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝の総長さと、溝の総長さの割合は、100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性を、表2に示す。
[実施例11]
金属板に突起を設けたエンボス用型板を作製し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力2kg/cmで10分間加圧して、多孔質ポリウレタン表面に、溝を形成した。正三角形の想像網目の一辺の長さは50mmであり、一辺の直線状の溝の長さは49mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった。想像網目の一辺に対する略直線状の溝の長さの割合は98%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、0.5mmであった。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝の総長さと、溝の総長さの割合は、100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性を表2に示す。
[実施例12]
エーテル系ポリウレタン樹脂溶液であるDIC株式会社の“クリスボン”MP−990PS(30%DMF溶液 弾性率=11.5MPa)を100重量部、DMFを50重量部、発泡助剤である“クリスボンアシスター” SD−7(DIC株式会社製)2重量部、“クリスボンアシスター” SD−11(DIC株式会社製)2重量部を添加した塗液Aを調整した。次いで、“クリスボン”MP−990PSを85重量部、DMFを19重量部、MEKを39重量部、DIC株式会社のポリオール・芳香族アミン混合物の“パンデックス”E−50を4.23重量部、東ソー株式会社のポリイソシアネートの“コロネート”Lの7.88重量部を添加混合した塗液Bを調整した。基材として東洋紡(株)製、表面易接着ポリエステルフィルムA4300−100(100μm厚み)上に、塗液Bをナイフコーターを使用して、ウェット厚で150μm塗布して乾燥し、ポリウレタンコートフィルムを作製した。
該ポリウレタンコートフィルム上に、上記の塗液Aをナイフコーターを使用してウェット厚で700μm塗布し、水浴に浸漬してエーテル系ポリウレタンを凝固再生し、水による洗浄でポリウレタン中のDMFを除去した後、水分を乾燥し、ポリエステルフィルムを基材とした凝固再生エーテル系ポリウレタンシートを作製した。
得られた凝固再生エーテル系ポリウレタンシートの微多孔形成面を、#180のサンドペーパーでバフ掛けすることにより、多孔エーテル系ポリウレタン層とした。多孔エーテル系ポリウレタン層は、表面に複数の開口部を有し、開口部の直径は数平均で30μmであり、内部には涙滴状の孔を有するものであった。またこの層は厚み400μmであった。この積層体のポリエステルフィルム側に、ポリウレタン樹脂含侵不織布(C硬度=60、厚み:1mm)をポリエステル系接着剤を使用して貼りつけて、多孔エーテル系ポリウレタン層を有する研磨シート1を作製した。
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート1の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Pa10分間加圧して、多孔エーテル系ポリウレタン層表面に、溝を形成した。
想像網目を構成するのは正六角形であり、その一辺の長さは50mmである。想像網目に合わせて独立して形成された直線状の溝の長さは46mm、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mmであった(図10参照)。想像網目の正六角形の一辺に対する直線状の溝の長さの割合は92%であった。また、独立する溝同士の最接近距離は、3.5mmであった。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝の総長さと、溝の総長さの割合は、100%であった。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように良好であった。
[比較例2]
エーテル系ポリウレタン樹脂溶液であるDIC株式会社の“クリスボン”MP−996PS(30%DMF溶液 弾性率=18.5MPa)を25重量部、“クリスボン”MP−990PS(30%DMF溶液 弾性率=11.5MPa)を75重量部、DMFを50重量部、発泡助剤である“クリスボンアシスター” SD−7(DIC株式会社製)2重量部、“クリスボンアシスター” SD−17B(DIC株式会社製)10重量部を添加した塗液Cを調整した。次いで、“クリスボン”MP−996PSを21.3重量部、“クリスボン”MP−990PSを63.7重量部、DMFを19重量部、MEKを39重量部、DIC株式会社のポリオール・芳香族アミン混合物の“パンデックス”E−50を4.23重量部、東ソー株式会社のポリイソシアネートの“コロネート”Lの7.88重量部を添加混合した塗液Dを調整した。基材として東洋紡(株)製、表面易接着ポリエステルフィルムA4300−125(125μm厚み)上に、塗液Dを、ナイフコーターを使用して、ウェット厚で150μm塗布して乾燥し、ポリウレタンコートフィルムを作製した。
該ポリウレタンコートフィルム上に、上記の塗液Cを、ナイフコーターを使用してウェット厚で600μm塗布し、水浴に浸漬してエーテル系ポリウレタンを凝固再生し、水による洗浄でポリウレタン中のDMFを除去した後、水分を乾燥し、ポリエステルフィルムを基材とした凝固再生エーテル系ポリウレタンシートを作製した。
得られた凝固再生エーテル系ポリウレタンシートの微多孔形成面を、#150のサンドペーパーでバフ掛けすることにより、多孔エーテル系ポリウレタン層とした。多孔エーテル系ポリウレタン層は、表面に複数の開口部を有し、開口部の直径は数平均で40μmであり、内部には涙滴状の孔を有するものであった。またこの層は厚み300μmであった。この積層体のポリエステルフィルム側に、ポリウレタン含侵不織布(C硬度=70、厚み:1mm)をポリエステル系接着剤を使用して貼りつけて、多孔エーテル系ポリウレタン層を有する研磨シート2を作製した。
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート2の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Pa10分間加圧して、多孔エーテル系ポリウレタン層表面に、溝を形成した。
多孔エーテル系ポリウレタン層表面に形成した溝は、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mm、溝ピッチ30mmの格子状の溝である。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝は存在しない。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように不良であった。
[比較例3]
エーテル系ポリウレタン樹脂溶液であるDIC株式会社の“クリスボン”MP−996PS(30%DMF溶液 弾性率=18.5MPa)を50重量部、“クリスボン”MP−990PS(30%DMF溶液 弾性率=11.5MPa)を50重量部、DMFを50重量部、発泡助剤である“クリスボンアシスター” SD−7(DIC株式会社製)2重量部、“クリスボンアシスター” SD−11(DIC株式会社製)2重量部を添加した塗液Eを調整した。次いで、“クリスボン”MP−996PSを42.5重量部、“クリスボン”MP−990PSを42.5重量部、DMFを19重量部、MEKを39重量部、DIC株式会社のポリオール・芳香族アミン混合物の“パンデックス”E−50を4.23重量部、東ソー株式会社のポリイソシアネートの“コロネート”Lの7.88重量部を添加混合した塗液Fを調整した。基材として東洋紡(株)製、表面易接着ポリエステルフィルムA4300−188(188μm厚み)上に、塗液Fを、ナイフコーターを使用して、ウェット厚で150μm塗布して乾燥し、ポリウレタンコートフィルムを作製した。
該ポリウレタンコートフィルム上に、上記の塗液Eを、ナイフコーターを使用してウェット厚で400μm塗布し、水浴に浸漬してエーテル系ポリウレタンを凝固再生し、水による洗浄でポリウレタン中のDMFを除去した後、水分を乾燥し、ポリエステルフィルムを基材とした凝固再生エーテル系ポリウレタンシートを作製した。
得られた凝固再生エーテル系ポリウレタンシートの微多孔形成面を、#240のサンドペーパーでバフ掛けすることにより、多孔エーテル系ポリウレタン層とした。多孔エーテル系ポリウレタン層は、表面に複数の開口部を有し、開口部の直径は数平均で25μmであり、内部には涙滴状の孔を有するものであった。またこの層は厚み250μmであった。この積層体のポリエステルフィルム側に、ポリウレタン含侵不織布(C硬度=80、厚み:1mm)をポリエステル系接着剤を使用して貼りつけて、多孔エーテル系ポリウレタン層を有する研磨シート3を作製した。
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート3の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Pa10分間加圧して、多孔エーテル系ポリウレタン層表面に、溝を形成した。
多孔エーテル系ポリウレタン層表面に形成した溝は、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mm、溝ピッチ5mmの格子状の溝である。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝は存在しない。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように不良であった。
[比較例4]
エーテル系ポリウレタン樹脂溶液であるDIC株式会社の“クリスボン”MP−996PS(30%DMF溶液 弾性率=18.5MPa)を75重量部、“クリスボン”MP−990PS(30%DMF溶液 弾性率=11.5MPa)を25重量部、DMFを50重量部、発泡助剤である“クリスボンアシスター” SD−7(DIC株式会社製)2重量部、“クリスボンアシスター” SD−17B(DIC株式会社製)10重量部を添加した塗液Gを調整した。次いで、“クリスボン”MP−996PSを63.8重量部、“クリスボン”MP−990PSを21.2重量部、DMFを19重量部、MEKを39重量部、DIC株式会社のポリオール・芳香族アミン混合物の“パンデックス”E−50を4.23重量部、東ソー株式会社のポリイソシアネートの“コロネート”Lの7.88重量部を添加混合した塗液Hを調整した。基材として東洋紡(株)製、表面易接着ポリエステルフィルムA4300−75(75μm厚み)上に、塗液Hを、ナイフコーターを使用して、ウェット厚で150μm塗布して乾燥し、ポリウレタンコートフィルムを作製した。
該ポリウレタンコートフィルム上に、上記の塗液Gを、ナイフコーターを使用してウェット厚で400μm塗布し、水浴に浸漬してエーテル系ポリウレタンを凝固再生し、水による洗浄でポリウレタン中のDMFを除去した後、水分を乾燥し、ポリエステルフィルムを基材とした凝固再生エーテル系ポリウレタンシートを作製した。
得られた凝固再生エーテル系ポリウレタンシートの微多孔形成面を、#180のサンドペーパーでバフ掛けすることにより、多孔エーテル系ポリウレタン層とした。多孔エーテル系ポリウレタン層は、表面に複数の開口部を有し、開口部の直径は数平均で40μmであり、内部には涙滴状の孔を有するものであった。またこの層は厚み250μmであった。この積層体のポリエステルフィルム側に、ポリウレタン含侵不織布(C硬度=60、厚み:1mm)をポリエステル系接着剤を使用して貼りつけて、多孔エーテル系ポリウレタン層を有する研磨シート4を作製した。
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート4の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Pa10分間加圧して、多孔エーテル系ポリウレタン層表面に、溝を形成した。
多孔エーテル系ポリウレタン層表面に形成した溝は、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mm、溝ピッチ10mmの格子状の溝である。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝は存在しない。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように不良であった。
[比較例5]
エーテル系ポリウレタン樹脂溶液であるDIC株式会社の“クリスボン”MP−996PS(30%DMF溶液 弾性率=18.5MPa)を100重量部、DMFを50重量部、発泡助剤である“クリスボンアシスター” SD−7(DIC株式会社製)2重量部、“クリスボンアシスター” SD−17B(DIC株式会社製)10重量部を添加した塗液Jを調整した。次いで、“クリスボン”MP−996PSを63.8重量部、“クリスボン”MP−996PSを85重量部、DMFを19重量部、MEKを39重量部、DIC株式会社のポリオール・芳香族アミン混合物の“パンデックス”E−50を4.23重量部、東ソー株式会社のポリイソシアネートの“コロネート”Lの7.88重量部を添加混合した塗液Kを調整した。基材として東洋紡(株)製、表面易接着ポリエステルフィルムA4300−50(50μm厚み)上に、塗液Kを、ナイフコーターを使用して、ウェット厚で150μm塗布して乾燥し、ポリウレタンコートフィルムを作製した。
該ポリウレタンコートフィルム上に、上記の塗液Jを、ナイフコーターを使用してウェット厚で400μm塗布し、水浴に浸漬してエーテル系ポリウレタンを凝固再生し、水による洗浄でポリウレタン中のDMFを除去した後、水分を乾燥し、ポリエステルフィルムを基材とした凝固再生エーテル系ポリウレタンシートを作製した。
得られた凝固再生エーテル系ポリウレタンシートの微多孔形成面を、#150のサンドペーパーでバフ掛けすることにより、多孔エーテル系ポリウレタン層とした。多孔エーテル系ポリウレタン層は、表面に複数の開口部を有し、開口部の直径は数平均で35μmであり、内部には涙滴状の孔を有するものであった。またこの層は厚み270μmであった。この積層体のポリエステルフィルム側に、ポリウレタン含侵不織布(C硬度=50、厚み:1mm)をポリエステル系接着剤を使用して貼りつけて、多孔エーテル系ポリウレタン層を有する研磨シート5を作製した。
金属板に突起を設けたエンボス用型板を用意し、研磨シート5の上に載せて、加圧プレス機に挟み込み、温度120℃、圧力19.6Pa10分間加圧して、多孔エーテル系ポリウレタン層表面に、溝を形成した。
多孔エーテル系ポリウレタン層表面に形成した溝は、溝幅0.8mm、溝深さ0.3mm、溝ピッチ15mmの格子状の溝である。該研磨シートに両面テープを貼り、610mmΦにカットして、岡本研磨機に取り付けて研磨評価をおこなった。8インチシリコンウェハーが研磨中に接触する研磨シートの範囲内に、他の溝に交わらないで独立した溝は存在しない。
得られた研磨シートで、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および平均ヘイズレベルとヘイズレベル標準偏差を平均ヘイズレベルで割り返した数字である鏡面性の面内均一性は、表2に示すように不良であった。
なお上で説明した商品名“クリスボン”、“パンデックス”および“コロネート”は登録商標である。

Claims (7)

  1. 軟質多孔層を表側に有する研磨シートであって、前記軟質多孔層は表面に複数の開口部を有し、前記開口部から内部に涙滴状の孔を有し、前記研磨シートが研磨する被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの該軟質多孔層表面の範囲内には少なくとも略直線状の溝が複数あり、前記溝の少なくとも一部は、他の溝とは交わらずに独立して存在していることを特徴とする研磨シート。
  2. 被研磨基板が研磨中に接触する研磨シートの該軟質多孔層表面の範囲内で、他の溝とは交わらないで独立して存在している溝の総長さが、当該範囲内にある全ての溝の総長さに対して80%以上であることを特徴とする請求項1記載の研磨シート。
  3. 前記独立して存在する略直線状の溝は、正三角形、正四角形または正六角形から形成される想像網目の想像線上に存在していることを特徴とする請求項1または2記載の研磨シート。
  4. 前記想像網目を形成する正三角形、正四角形または正六角形の一辺の長さが10〜50mmであることを特徴とする請求項3記載の研磨シート。
  5. 前記独立して存在する略直線状の溝の長さが、前記正三角形、正四角形または正六角形の一辺の長さの70%以上であることを特徴とする請求項3または4記載の研磨シート。
  6. 前記独立して存在する略直線状の溝の端部と他の溝との距離が1mm以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の研磨シート。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の研磨シートで被研磨基板を研磨することを特徴とする研磨方法。
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