JP2005349502A - 被研磨加工物保持材 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時に生じるおそれのある残留歪みを解消した状態で被研磨加工物を保持できる被研磨加工物保持材の提供を解決すべきを提供する。
【解決手段】被研磨加工物の保持面を有する多孔質樹脂層を基材シート上に設けた被研磨加工物保持材であって、前記保持面は、所要深さのスリットにより複数個の区画領域に分断されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば半導体ウェハなどの被研磨加工物を研磨処理する際に保持するための保持材に関する。
従来から、半導体ウェハ、半導体デバイスの層間絶縁膜及びメタル配線、各種記録用ディスク、LCD用ガラス等の被研磨加工物の表面を加工するために、精密平面研磨が行われている。その精密平面研磨を行う際には、回転駆動できる下定盤に装着された人工皮革様の研磨布と、この下定盤面に対向配置され且つ回転可能な上定盤に保持された被研磨加工物との間に研磨スラリーを供給し、被研磨加工物及び研磨布とを摺動させることにより行われていた(特許文献1参照)。
被研磨加工物を上定盤に保持させる手段としては、例えば、保持材と枠材とを併用したものが周知である。具体的には、保持材としては、基材シート上に弾性層が積層されてなる湿式凝固多孔質シート材を備えたものが採用されている。
このような保持材の製造方法としては、次の3方法が主として知られている。
一つは、PETフィルム、PP(ポリプロピレン)等の基材シートの上に湿式凝固多孔質フィルム(多孔質層)を形成するための樹脂材を塗布した後、湿式凝固法での発泡により形成し、表面平滑性を高めるため、表面の銀面層を研削し多数の気孔を開口させる。
一つは、基材シート上に湿式凝固多孔質フィルム(多孔質層)を形成するための樹脂材を塗布した後、湿式凝固法での発泡により形成し、次いで基材シートから湿式凝固多孔質フィルムを一旦剥がし、再度PETフィルム等の基材シートにラミネート接着し、表面の銀面層を研削し多数の気孔を開口させる。
一つは、上記2番目の方法の過程のうち、ラミネート接着前に表面研削した湿式凝固多孔質フィルム単体を、PETフィルム基材シートとラミネート接着する。
これらの方法で仕上げられた被研磨加工物保持材には、湿式凝固させる工程において、収縮性の少ない基材シート上での溶剤抽出によって、湿式凝固多孔質フィルムが湿式凝固で収縮する際に生じる収縮うねりや、脱溶剤洗浄・乾燥における加熱による基材シート・湿式多孔質フィルムの収縮うねりや、表面研削・ラミネート接着で発生する基材シートへの張力分布の不均一さが湿式多孔質フィルム側へ内部応力を内在させたものとして転写されてしまうこと等が発生する。したがって、このような収縮うねりの発生などによって、湿式凝固多孔質フィルムにはその製造工程での加工に伴なう歪みが残留してしまうおそれがあった。その湿式成形法の一例について簡単に説明すると、PETフィルムからなる基材シートをロールから繰り出し、その基材シートを案内ローラなどで移動案内しながら、塗工用ローラやブレードなどによって有機溶剤やその他添加剤を混合した例えばポリウレタン樹脂材料を基材シートに対して所要厚さに塗布(コーティング)する。その塗布した後、水が張られた凝固槽を通過させる。この凝固槽を通過していく間にポリウレタン樹脂は凝固していくとともに、有機溶剤や添加剤などと凝固槽の水とが置換する発泡がなされて保持材用のシートが得られる。凝固処理の後、保持材用のシートを洗浄槽を通過させるときに有機溶剤などは洗浄除去され、次いで、保持材用のシートを乾燥炉を通過させて乾燥させることになる。したがって、保持材用のシートの製造工程において、そのシートについて発泡させながらの凝固時にウレタン樹脂が基材シートに対して収縮することによって、うねりが生じるような残留歪が発生するとともに、洗浄時や乾燥時に加熱しながら行う際にもその熱的な影響により残留歪が発生するおそれがあった。
このような残留歪が湿式多孔質フィルムにあるままで被研磨加工物を保持して研磨を行うと、その歪みの影響が被研磨加工物にも作用する。すなわち、残留歪の分布に対応して、被研磨加工物を保持している状態での湿式多孔質フィルムから被研磨加工物に対する押圧力が異なるため、研磨レートに違いが生じてしまうことで被研磨加工物の研磨面にも保持材における残留歪に応じて不均一に転写されたように研磨が行われることになって、研磨面の要求精度を満たさなくなるおそれがあった。そのような要求精度を満たさない場合、研磨作業を見直さないといけないので、被研磨加工物に対する研磨作業の立ち上げ時に予め保持材を被研磨加工物などによって長時間加圧して、残留歪みのない状態に均す必要があり、そのような作業を要する分作業効率が低いものとなっていた。
特開2001−260001号公報
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、製造時に生じるおそれのある残留歪みを解消した状態で被研磨加工物を保持できる被研磨加工物保持材の提供を解決すべき課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る被研磨加工物保持材は、被研磨加工物の保持面を有する多孔質樹脂層を基材シート上に設けた被研磨加工物保持材であって、前記保持面は、所要深さのスリットにより複数個の区画領域に分断されていることを特徴とする。
本発明の構成によれば、被研磨加工物保持材の保持面が、スリットによって複数個に区画されてそれぞれの区画領域が分断されたものとなっているので、保持面に面方向に沿う内部応力が作用するような歪みが製造の過程で生じて残留していたものであっても、その内部応力が保持面に形成されたスリットによって解消されることになる。
したがって、被研磨加工物を保持する面においては、残留歪が解消された状態で各区画部分ごとに被研磨加工物を密着保持するので、従来のように残留歪が被研磨加工物に対して転写するような不具合が発生しなくなる。このため、保持材の接触圧力が被研磨加工物全体に対して均一性高く作用するようなり、平坦度の高い研磨を行うことができるに至った。
本発明に係る被研磨加工物保持材において、前記スリットは、前記保持面を格子状に区画していることが好ましい。また、この場合において、前記スリットは、0.5mm〜50mmの間隔に形成していることが好ましい。また、前記スリットは、5mm〜10mmの間隔に形成していることがより一層好ましい。
スリットによって格子状に保持面を区画すれば、保持面に沿う方向で応力として作用する残留歪がその面方向でのほぼ全方向においてむら無く解消でき、このため、保持材の接触圧力が被研磨加工物全体に対して一層均一性高く作用するようなり、平坦な研磨をより一層良好に行うことができる。なお、スリットが0.5mm間隔よりも狭い間隔で形成されていると、被研磨加工物を吸着性よく保持することが困難になり、スリットが50mm間隔よりも広い間隔で形成されていると、残留歪を解消することが困難になる。
本発明に係る被研磨加工物保持材において、前記スリットの深さは、前記多孔質樹脂層の厚みに対して5〜100%の範囲に設定していることが好ましい。この場合、スリットの深さが多孔質樹脂層の5%よりも小さいと、多孔質樹脂層における内部歪みの解消が不十分である。
また、本発明に係る被研磨加工物保持材において、前記基材シートは、PETからなるシート材、不織布からなるシート材、または、ウレタンからなるシート材のうちから選択されて用いることが好ましい。
また、本発明に係る被研磨加工物保持材は、前記保持面において、前記スリットを、所定の中心周りに複数の同心円を描くように形成する、または、所定の中心に対して径方向外方に向かう線を描くように形成することが好ましい。この場合、湿式多孔質樹脂層における残留歪の状況に応じてスリットによって適宜に区画することで、その残留歪の解消をより一層図ることができる。
本発明に係る被研磨加工物保持材によれば、湿式多孔質樹脂層における残留歪が解消できるので、そのような残留歪が被研磨加工物に研磨時に転写するような不具合がなくなって、平坦度の高い高品質の研磨を行うことができる。
本発明に係る被研磨加工物保持材の実施の形態を図1ないし図4に示して説明する。図1は、被研磨加工物保持材を概略的に示す平面図、図2は、図1の被研磨加工物保持材を概略的に示す断面図、図3は、図1の被研磨加工物を使用している状態を概略的に示す断面図、図4は、図1の被研磨加工物保持材を用いて半導体ウェハの研磨を行う研磨機を概略的に示す側面図である。
図4において、1は研磨機を示し、この研磨機1は、上下方向の軸心P1周りで回転駆動するキャリアプレート(上定盤)2と、このキャリアプレート2の下面に感圧粘着材(PSA)3を介して固定される被研磨加工物保持材としての保持材4と、この保持材4の下面に保持されたシリコンウエハなどの被研磨加工物5と対向するように、上面に研磨パッド7が感圧粘着材8を介して布設された下定盤6とを備えている。なお、下定盤6も軸心P1と平行な軸心P2周りで回転駆動される。また、被研磨加工物5の横ずれ規制や縁部の研磨だれを抑制するための枠材としてテンプレート9を保持材4に取り付けている。
前記保持材4は、図2および図3に示すように、PETフィルムまたはポリエステル不織布からなる基材シート10と、この基材シート10上に積層された弾性を有する多孔体(発泡層)11と、基材シート10の裏面(キャリアプレート2側の面)に積層された感圧粘着層3とを有する。なお、この感圧粘着層3の裏面には、離型シート15が剥離可能に貼着されている。基材シート10と湿式多孔質層11とにより湿式凝固多孔質シート材12が構成されている。
湿式多孔質層11は、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドイミド、アクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル化合物等の発泡体が利用でき、ポリウレタン発泡体が最も有効に利用できる。ポリウレタンは2官能以上のイソシアネート成分と2以上の活性水素をもつポリオール成分及び鎖伸長成分から成る。
イソシアネート成分は、4,4´ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、1,4´−フェニレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラエチルキシリレンジイソシアネートや更に3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。
ポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、アクリルポリオール類等があり、各成分には次のような化合物が利用できる。
ポリエーテルポリオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの1種又は2種以上にプロピレンオキサイドを付加して得られるポリオキシプロピレンポリオール類、エチレンオキサイドを付加して得られるポリオキシエチレンポリオール類、スチレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を付加して得られるポリオール類、及び前記多価アルコールにテトラヒドロフランを開環重合させて得られるポリオキシテトラメチレンポリオール類、更に上記の環状エーテルを2種以上を使用した共重合体も使用可能である。
ポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエスリトール及びその他の低分子量多価アルコールの1種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の低分子量ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種以上との縮合重合体、プロピオンラクトン、カプロラクトン、バレロラクトン等の環状エステル類の開環重合体等のポリオール類が挙げられる。
その他、アクリルポリオール類として、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、アクロロニトリル系ポリオール、ポリカーボネートポリオールが使用可能である。
活性水素化合物のうちで鎖伸長剤は分子量が500程度以下の化合物で、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、トリメチロールプロパン等に代表される脂肪族系低分子ジオール、トリオール類、メチレンビス−o−クロロアニリン、シクロキシルメタン−4,4´−ジアミン類、1,4ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族ジアミン類、1,4−ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族ジオールも使用可能である。
湿式多孔質層11は、0.01ml/cm/sec〜50ml/cm/secの範囲の通気性を有し、この湿式多孔質層多孔体11には、多数の空孔11aが形成され、空気が湿式多孔質層11内部を比較的スムーズに透過できる。
湿式多孔質層11を得る方法は、湿式成形法や発泡剤を添加して多孔体を得る方法等各種存在し、所定の通気性と変形特性とを満足すれば各種材料の利用が可能であるが、特に湿式成形法が有用であり、本発明を達成するためには簡便である。
本発明の保持部材に好適に用いられるウレタン樹脂は、前記成分をジメチルホルムアミド等の有機溶剤中で重合させて得られるウレタン樹脂をポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、塩化ビニルやその共重合フィルムに代表される工業化されたフィルム製品及びナイロン(ポリアミド)やポリエステル繊維からなる織布及び不織布に塗工し、水中で凝固させ、洗浄、乾燥工程を経て、目的の多孔質フィルム(湿式凝固多孔質シート材)を得ることができる。この時、塗工するウレタン樹脂に撥水する成分、例えば、フッ素、シリコン等の共重合体を添加するか、成形された多孔体を同様の成分で処理して、多孔体に撥水効果を持たせてもよい。
図1ないし図3を参照して、保持材4において、被研磨加工物5を保持する面となる湿式多孔質層11の表面側には、縦横に複数直交する平面視直線をなすスリット13が形成されている。これらのスリット13によって格子状に区画されている。隣り合うスリット13同士の間隔は、0.5mm〜50mm(すなわち0.5mm以上50mm以内)の範囲に設定されている。なお、その間隔は、5mm〜10mmの範囲内に設定することがより一層好ましい。スリット13の深さは、基材シート10上に形成された湿式多孔質層11の厚みに対して5%以上100%以下に設定されていることが好ましい。したがって、基材シート10の上面に丁度達する深さ(スリット13の深さが湿式多孔質層11の厚みに対して丁度100%となる深さ)に形成されているものでもよい。
湿式多孔質層11にスリット13を形成するには、例えば、円盤状の薄刃のカッタをスリットの間隔に合わせて、同一の回転軸に軸方向に沿って複数並設した切断工具を用いて切り込みを入れていく。シートの長手方向(シートの送り方向とも一致している)に沿っての切り込みを入れる工程と、シートの長手方向と直交する方向に沿っての切り込みを入れる工程とによってなされる。なお、単に切り込みを入れるのみであって、切削するものでないから、スリット13が形成されていることを見た目(肉眼)では確認しにくいものであり、溝状となっているものではない。
このようにスリット13によって保持面が複数個の領域に小さく区画されているので、本発明の被研磨加工物保持材4では、その加工形成時に内部に応力歪が発生している場合であっても、隣接する互いの区画領域において面方向での応力の作用が働かないように断ち切られる。したがって、各区画領域ごとに被研磨加工物が接触保持されることで、面方向での不当な残留歪が被研磨加工物側に転写されることがなくなるものである。
本願発明と従来の場合とを比較すると、本願発明においてはスリットによって保持面が複数の区画領域に分割されたものとなっており、それらの隣り合う区画領域同士は、横方向すなわち面方向での縮みなどによる残留歪で発生する内部応力が隣の区画領域に作用しないよう断ち切られることになるので、各区画領域同士は独立した状態で被研磨加工物を保持することになり、被研磨加工物側に不当に残留歪に対応した不均一な研磨が転写するよう行われることはない。
次に、前記構成からなる保持材4を使用して、被研磨加工物5を研磨機1で研磨する場合について説明する。先ず、保持材4の剥型シート15を剥離して保持材4をキャリアプレート2の下面に固定し、キャリアプレート2に固定された保持材4の湿式多孔質層11に、被加工面が下向きになるように、被研磨加工物5を貼着させる。
次に、その保持状態でキャリアプレート2を下降させ、キャリアプレート2により所定回転数で回転する被研磨加工物5を、所定回転数で回転する下定盤6上の研磨パッド7面に所定の圧力で加圧するとともに、図示しないノズルから研磨液(研磨スラリー)を供給しながら被研磨加工物5の被加工面を研磨する。
上記実施の形態として、被研磨加工物保持材の保持面にスリット13を格子状に形成したものについて説明したが、例えば、図3に示すように、被研磨加工物保持材4の保持面における所定中心に対して多数の同心円を描くようにスリット13を形成してもよい。この場合、各同心円間の領域が区画された領域となる。また、例えば、図4に示すように、被研磨加工物保持材4の保持面における所定中心から外方に向かって放射状となるように多数のスリット13を形成してもよい。この場合、放射状に形成された各スリット13間の領域が区画された領域となる。また、スリットを格子状に形成したものと、上記の同心円状や放射状に形成したものとを組み合わせた構成としてもよい。
また、被研磨加工物保持材の保持面となる多孔質層は、湿式凝固法により多孔質構造を形成したものに限定されない。
次に、本発明に係る研磨パッドの実施例について説明する。
本発明者は、平面視格子状に湿式凝固多孔質フィルムにスリットを形成した被研磨加工物保持材とスリットを形成していない従来構造の同一品種の被研磨加工物保持材とをそれぞれ用いて、シリコンウエハを被研磨加工物として、研磨試験を行った。研磨布(研磨パッド)には、ロデール・ニッタ社製のSuba640D52を用い、研磨時間を5分30秒(そのうち15秒間は研磨スラリーにかえて水(純水)を供給)、加圧条件を300gf/cmに設定して研磨を行った。
ここで、格子状に形成した隣り合うスリットの間隔は、10mmであり、スリットの深さは、0.5mmである。
その結果、スリット有りの保持材とスリット無しの保持材とを比較すると、スリット有りはスリット無しに対してGBIR(Global Backside Ideal Rangeの略称である)について10%向上し、SFQR(Site Front Least Square Rangeの略称である)は25%向上した。
また、この研磨試験において、その連続使用におけるスリット有りの保持材の寿命は、800Runとスリット無しの保持材の場合と変わらなかった。また、良好な研磨作業を行える状態にするまでの立ち上げ時間もスリット無しの場合に比較して、10%短縮できた。
本発明は、上記のようにスリットを形成して保持材の保持面に所要深さのスリットを多数形成して保持面を区画したものとしていることによって、被加工物保持材の湿式凝固多孔質フィルム層自体が製造加工上内在することになった残留歪をその保持面での横方向の連続性を断ち、一定面積内の湿式凝固多孔質フィルムを細かくブロック化することにより、個々のブロックでの自由度を高めることが出来たため、従来比較的広い面において持っていた残留歪を解消するとともに、被加工物に対してより細部からの追従性が生じ、高い平坦度の研磨面が得られるに至った。
本発明は、半導体製造、LCDガラス、及び磁気ヘッド製造工程等に使用される研磨機における被研磨加工物を保持する保持部材として利用することができる。
本発明の実施の形態に係る保持材を概略的に示す平面図 図1の保持材を概略的に示す断面図 図1の被研磨加工物を使用している状態を概略的に示す断面図 図1の保持材を用いている研磨機の概略を示す側面図 本発明の別実施形態に係る保持材を示す平面図 本発明のさらに別の実施の形態に係る保持材を示す平面図
符号の説明
4 被研磨加工物保持材
5 被研磨加工物
11 基材シート
12 多孔質樹脂層
13 スリット

Claims (6)

  1. 被研磨加工物の保持面を有する多孔質樹脂層を基材シート上に設けた被研磨加工物保持材であって、
    前記保持面は、所要深さのスリットにより複数個の区画領域に分断されている、ことを特徴とする被研磨加工物保持材。
  2. 前記スリットは、前記保持面を格子状に区画している、ことを特徴とする請求項1記載の被研磨加工物保持材。
  3. 前記スリットは、0.5mm〜50mmの間隔に形成している、ことを特徴とする請求項2に記載の被研磨加工物保持材。
  4. 前記スリットの深さは、前記多孔質樹脂層の厚みに対して5〜100%の範囲に設定している、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の被研磨加工物保持材。
  5. 前記基材シートは、PETからなるシート材、不織布からなるシート材、または、ウレタンからなるシート材のうちから選択されて用いる、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の被研磨加工物保持材。
  6. 前記保持面において、前記スリットを、所定の中心周りに複数の同心円を描くように形成する、または、所定の中心に対して径方向外方に向かう線を描くように形成する、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の被研磨加工物保持材。
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