JP2011051074A - 保持パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる保持パッドを提供する。
【解決手段】保持パッド10は、湿式凝固法により形成され保持面Shを有するウレタンシート2を備えている。ウレタンシート2には、スキン層2aが形成されており、スキン層2aより内側に多数の発泡4が形成されている。発泡4は、ウレタンシート2の厚みのほぼ全体にわたる大きさを有している。発泡4は、ウレタンシート2の下部層Prでの孔径が上部層Phでの孔径より大きく形成されている。発泡4は、上部層Phでの発泡形成方向が厚み方向に対して一定方向に一様に傾斜するように形成されており、下部層Prでの発泡形成方向が厚み方向に沿うように形成されている。研磨加工時の圧縮で被研磨物に対する応力が均等化される。
【選択図】図1

Description

本発明は保持パッドに係り、特に、湿式凝固法により厚み全体にわたる大きさの多数の縦型発泡が形成され被研磨物を保持するための保持面を有する樹脂シートを備えた保持パッドに関する。
半導体用ウエハ(WF)、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板やハードディスク用基板等の各種材料(被研磨物)の表面(加工面)では、平坦性を向上させるために、対向配置された2つの定盤を備えた研磨機を用いた研磨加工が行われている。これら被研磨物の中でも、半導体用WFやFPD用ガラス基板では、欠陥のない積層配線の高集積化や高画質画像を演出するため、それらの基礎となる基板の平坦性に対する要求度がますます高まっている。
被研磨物を、例えば、片面を研磨加工するときは、研磨機の一方の定盤に研磨パッドが装着され、他方の定盤に被研磨物が研磨パッドと対向するように保持される。研磨加工時には、被研磨物と研磨パッドとの間に研磨粒子(砥粒)を含む研磨スラリが供給され、被研磨物に研磨圧(押圧力)がかけられる。被研磨物が定盤との接触で損傷を受けることを回避するために、通常、被研磨物を保持する定盤には保持パッドが装着されている。すなわち、保持パッドでは、研磨プロセスにおいて被研磨物を一時的に保持することができる。また、保持パッドには、被研磨物の横ずれを抑制するために型枠が使用されることがある。型枠の使用の有無は被研磨物の種類で異なり、例えば、FPD用ガラス基板の研磨加工では型枠の無い保持パッドが使用される。
保持パッドとしては、湿式凝固法により形成された発泡構造を有する軟質のウレタンフィルム(樹脂シート)を備えた保持パッドが使用されている(例えば、特許文献1参照)。湿式凝固法により形成されるウレタンフィルムでは、厚みのほぼ全体にわたる大きさの発泡が形成されるため、クッション性を高める目的で発泡サイズを大きくすると、被研磨物を保持するための保持面近傍まで発泡サイズが大きくなり、剛性が低下してしまう。クッション性が低すぎると研磨圧により被研磨物が受ける応力にムラが生じるため、被研磨物の保持パッド側への沈み込みの大きい凸部に応力が集中し、この応力集中部分が過剰研磨されて研磨ムラが生じる。反対に、クッション性が高くなると被研磨物が受ける応力にムラが生じ難くなり、被研磨物の表面平滑性が向上するものの、沈み込みが大きくなり保持パッド自体が削られる可能性がある。被研磨物の沈みこみ抑制に必要な剛性と、被研磨物に対する応力の均等化に必要なクッション性とを両立させる技術として、湿式凝固法による発泡構造の異なる2種のシートを貼り合わせた保持パッドの技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この技術では、一方のシートでクッション性を確保しつつ、他方のシートで剛性が発揮される。
特開2006−62059号公報 特開2005−11972号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、湿式凝固法により形成された表面層(スキン層)の表面(保持面)が平滑性を有することから、被研磨物を略平坦に保持することができるものの、上述した高度な平坦性の要求を満たすには十分とはいえない。特許文献2の技術では、2種のシートの貼り合わせに用いる接着剤等の影響により、硬さが不均一となることがある。また、研磨加工時に2種のシートが剥離してしまう、という問題もある。研磨加工時には、通常、被研磨物が保持パッドに沈み込み保持されながら平坦化されることから、クッション性を有する保持パッドが圧縮されることで被研磨物に対して応力が発生する。このとき、保持パッドの密度にバラツキがあると、バラツキ部分ごとにかかる応力の大きさが異なり局所的に押圧力が変わるため、加工面を全域にわたって均一に研磨加工することが難しくなり、面内均一性が損なわれる。例えば、被研磨物の外縁部と中央部とで研磨取り代が異なり、いわゆる外縁だれが生じることとなる。被研磨物に与える応力のムラを低減して保持面の平坦性精度を高めることができれば、被研磨物に対する高度な平坦性の要求を満たすレベルの保持パッドを得ることが可能となる。
本発明は上記事案に鑑み、保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる保持パッドを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、湿式凝固法により厚み全体にわたる大きさの多数の縦型発泡が形成され被研磨物を保持するための保持面を有する樹脂シートを備えた保持パッドにおいて、前記発泡は、前記樹脂シートの厚み方向中央部から前記保持面側の発泡端部までの発泡形成方向が前記厚み方向に対して一定方向に一様に傾斜するように形成されていることを特徴とする。
本発明では、発泡が樹脂シートの厚み方向中央部から保持面側の発泡端部までの発泡形成方向が厚み方向に対して一定方向に一様に傾斜するように形成されているため、湿式凝固時に樹脂シートに密度ムラが生じても、研磨加工時に圧縮されたときに被研磨物に対する応力が全面積にわたり均等化されることから、保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる。
この場合において、樹脂シートの厚み方向中央部を全体の厚みに対して厚み方向の中心から±10%の範囲とすることができる。発泡が厚み方向中央部から保持面の背面側の発泡端部までが保持面側の発泡端部までより径が大きいことが好ましい。また、発泡が厚み方向中央部から保持面の背面側の発泡端部までの発泡形成方向が厚み方向に沿うように形成されていてもよい。このような発泡では、保持面近傍で保持面と平行な断面に形成された孔の中心をとおる垂直線が保持面の背面近傍で該背面と平行な断面と交わる位置が背面と平行な断面に同じ発泡で形成された孔の外側に位置するようにすることができる。発泡が、厚み方向中央で保持面と平行な断面に形成された孔の中心M1と保持面側の頂点M2とを結ぶ線分を斜辺とする直角三角形における中心M1から頂点M2を見た場合の仰角をθとしたときに、仰角θが30度〜60度の範囲となるように形成されていてもよい。樹脂シートが湿式凝固法により長尺状に形成されたものであり、発泡が厚み方向中央部から保持面側の発泡端部までの発泡形成方向が厚み方向に対して樹脂シートの長手方向に傾斜するように形成されていてもよい。また、発泡が長手方向と交差する幅方向で厚み方向に沿うように形成されていてもよい。このとき、発泡を長手方向と交差する幅方向の断面から見たときに垂直方向に形成することができる。
本発明によれば、発泡が樹脂シートの厚み方向中央部から保持面側の発泡端部までの発泡形成方向が厚み方向に対して一定方向に一様に傾斜するように形成されているため、湿式凝固時に樹脂シートに密度ムラが生じても、研磨加工時に圧縮されたときに被研磨物に対する応力が全面積にわたり均等化されることから、保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した実施形態の保持パッドを模式的に示す断面図である。 実施形態の保持パッドを構成するウレタンシートにおける発泡の形成状態を模式的に示し、(A)はウレタンシートの厚み方向の断面図であり、(B)は(A)のa−a断面、b−b断面およびc−c断面にそれぞれ形成された孔の中心の位置関係を模式的に示す説明図である。 実施形態の保持パッドを構成するウレタンシートに形成された発泡における傾斜の程度を模式的に示す説明図である。 実施形態の保持パッドの断面を示す走査型電子顕微鏡写真であり、(A)は湿式成膜時の長手方向に沿う厚み方向の断面、(B)は長手方向と交差する幅方向に沿う厚み方向の断面をそれぞれ示す。 従来の保持パッドを模式的に示す断面図である。 従来の保持パッドを構成するウレタンシートにおける発泡の形成状態模式的に示し、(A)はウレタンシートの厚み方向の断面図であり、(B)は(A)のl−l断面、m−m断面およびn−n断面にそれぞれ形成された孔の中心の位置関係を模式的に示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した保持パッドの実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の保持パッド10は、ポリウレタン樹脂製の樹脂シートとしてのウレタンシート2を備えている。ウレタンシート2は、湿式凝固法により形成されており、被研磨物を保持するための保持面Shを有している。
ウレタンシート2は、保持面Shの直近で数μm程度の厚みにわたり緻密な微多孔が形成されたスキン層2aを有している。すなわち、スキン層2aは微多孔構造を有している。ウレタンシート2のスキン層2aより内側(内部)には、多数の発泡4が略均等に分散した状態で形成されている。発泡4は、ウレタンシート2の厚みのほぼ全体にわたる大きさを有しており、厚み方向に縦長状で丸みを帯びた円錐状に形成されている。ウレタンシート2がスキン層2aを有するため、保持面Shには、発泡4の開口は形成されていない。発泡4同士の間のポリウレタン樹脂中には、発泡4より小さい小発泡が形成されている。ウレタンシート2では、スキン層2aの微多孔、発泡4および小発泡が網目状に連通しており、発泡が連続発泡状に形成された連続発泡構造を有している。
発泡4は、ウレタンシート2の厚み方向中央部から保持面Sh側の上部層Phと、厚み方向中央部から保持面Shと反対の面(以下、裏面Srという。)側の下部層Prとで形成状態が異なっている。すなわち、発泡4は、下部層Prでの孔径が上部層Phでの孔径より大きく形成されている。また、発泡4は、上部層Phにおける保持面Sh側の発泡端部までの発泡形成方向が厚み方向に対して一定方向に一様に傾斜するように形成されており、下部層Prにおける裏面Sr側の発泡端部までの発泡形成方向が厚み方向に沿うように形成されている。換言すれば、発泡4の発泡形成方向は、上層部Phでは厚み方向に対して傾斜する方向(図1の矢印A方向)に沿っており、下部層Prでは厚み方向(矢印B方向)に沿っている。
上部層Phで発泡4が傾斜するように形成されているため、保持面Sh近傍で保持面Shと平行な断面に発泡4により形成された孔の中心をとおる垂直線が裏面Sr近傍で裏面Srと平行な断面と交わる位置が裏面Srと平行な断面に同じ発泡4で形成された孔の外側に位置する。すなわち、図2(A)に示すように、保持面Shの近傍である保持面Shから50〜100μm程度内側の位置(矢印aの位置)、ウレタンシート2の厚み方向中央の位置(矢印bの位置)、裏面Sr近傍である裏面Srから50〜100μm程度内側の位置(矢印cの位置)とする。この場合、図2(B)に示すように、保持面Sh近傍のa−a断面では、発泡4により、中心Maの孔Haが形成される。同様に、ウレタンシート2の厚み方向中央部のb−b断面では同じ発泡4により中心Mbの孔Hbが形成され、裏面Sr近傍のc−c断面では同じ発泡4により中心Mcの孔Hcが形成される。孔Haの中心Ma、孔Hbの中心Mb、孔Hcの中心Mcは、厚み方向に揃うことなく、ズレた位置に位置している。つまり、孔Haの中心Maをとおる垂直線Lがc−c断面と交点Qで交わる。このため、交点Qは孔Hcの外側に位置することとなる。また、孔Hcの半径をRcとし、孔Hcの中心Mcと交点Qとの距離をLcとしたときに、距離Lcが半径Rcの2〜5倍の大きさを有している。
ここで、ウレタンシート2に形成された発泡4の傾斜の程度について説明する。図3に示すように、ウレタンシート2の厚み方向に沿う断面では、厚み方向中央で保持面Shと平行な断面(図2(B)のb−b断面参照。)に発泡4により中心M1の孔が形成されることとなる。この中心M1をとおり厚み方向(図3の上下方向)と直交する方向(図3の左右方向)の直線と、発泡4の保持面Sh側の頂点M2をとおりウレタンシート2の厚み方向の直線との交点をPとすると、中心M1と頂点M2とを結ぶ線分を斜辺とする直角三角形が形成される。この直角三角形では、中心M1から頂点M2を見たときに仰角θが形成される。ウレタンシート2の上部層Phでは、この仰角θが30〜60度の範囲となるように発泡4が形成されている。この場合、中心M1と交点Pとを結ぶ線分の長さをxとし、頂点M2と交点Pとを結ぶ線分の長さをyとしたときに、tanθ=y/xが0.58〜1.73の範囲となる。ここで、仰角θは、三次元計測X線CTを使用してウレタンシート2の内部断面写真を非破壊で撮影し、画像解析装置にて中心M1と頂点M2とを位置決めすることにより得られた値である。簡易的には、湿式成膜時の長手方向に沿う厚み方向の断面を走査型電子顕微鏡にて撮影し、中心M1と頂点M2とを決定することで仰角θを算出することも可能である。
また、保持パッド10は、ウレタンシート2の裏面Sr側に、研磨機に保持パッド10を装着するための両面テープ7が貼り合わされている。両面テープ7は、図示しない基材を有しており、基材の両面にアクリル系粘着剤等の感圧型粘着剤層(不図示)がそれぞれ形成されている。基材には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の可撓性フィルムが用いられている。両面テープ7は、基材の一面側の粘着剤層でウレタンシート2と貼り合わされており、他面側(ウレタンシート2と反対側)の粘着剤層が表面を剥離紙8で覆われている。なお、この両面テープ7の基材は、保持パッド10の基材も兼ねている。
(製造)
保持パッド10は、湿式凝固法により形成されたウレタンシート2と両面テープ7とを貼り合わせることで製造される。すなわち、ポリウレタン樹脂溶液を準備する準備工程、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布し、凝固液中でポリウレタン樹脂溶液を凝固させポリウレタン樹脂を再生させる凝固再生工程、シート状のポリウレタン樹脂を洗浄し乾燥させる洗浄・乾燥工程、得られたウレタンシート2と両面テープ7とを貼り合わせるラミネート工程を経て保持パッド10が製造される。以下、工程順に説明する。
準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒および添加剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)やN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等を挙げることができるが、本例では、DMFを用いる。ポリウレタン樹脂は、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から選択して用いることができる。上述した発泡構造を形成することを考慮すれば、DMFにポリウレタン樹脂を20重量%で溶解させた樹脂溶液について、B型回転粘度計を使用し25℃で測定した粘度が3〜10Pa・sの範囲、好ましくは3〜6Pa・sの範囲の樹脂を選定し用いることが望ましい。このポリウレタン樹脂を10〜30重量%の範囲、好ましくは15〜25重量%の範囲となるようにDMFに溶解させる。ポリウレタン樹脂溶液の粘性は、用いるポリウレタン樹脂の濃度や分子量に加えて、分子構造にも依存するため、これらを総合的に考慮し、ポリウレタン樹脂の選定や濃度設定等を行うことが重要である。また、保持パッド用のポリウレタン樹脂としては、100%モジュラスが20MPa以下のものを用いることが好ましく、10MPa以下のものを用いることが更に好ましい。低モジュラスのポリウレタン樹脂を用いることで、被研磨物の密着性が高まり、保持力を向上させることができる。
また、添加剤としては、発泡4の大きさや量(個数)および上部層Phにおける傾斜状の発泡形成を制御するため、カーボンブラック等の顔料、親水性添加剤、疎水性添加剤等を用いることができる。これらの添加剤には、通常用いられる各種の材料を用いることができる。得られた溶液を減圧下で脱泡してポリウレタン樹脂溶液を得る。
凝固再生工程では、準備工程で得られたポリウレタン樹脂溶液を常温下でナイフコータ等の塗布装置により帯状の成膜基材にシート状に略均一に塗布する。このとき、ナイフコータ等と成膜基材との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液の塗布厚み(塗布量)を調整する。本例では、塗布厚みが0.8〜1.2mmの範囲となるようにクリアランスを調整する。成膜基材としては、樹脂製フィルム、布帛、不織布等を用いることができるが、本例では、PET製フィルムを用いる。
成膜基材に塗布されたポリウレタン樹脂溶液を、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液(水系凝固液)中に連続的に案内する。凝固液には、ポリウレタン樹脂の再生速度を調整するために、DMFやDMF以外の極性溶媒等の有機溶媒を添加してもよいが、本例では、水を使用する。また、凝固液の温度を、本例では、15〜20℃に設定する。凝固液中では、まず、ポリウレタン樹脂溶液と凝固液との界面に皮膜が形成され、皮膜の直近のポリウレタン樹脂中にスキン層2aを構成する無数の微多孔が形成される。その後、ポリウレタン樹脂溶液中のDMFの凝固液中への拡散と、ポリウレタン樹脂中への水の浸入との協調現象により連続発泡構造を有するポリウレタン樹脂の再生が進行する。このとき、成膜基材のPET製フィルムが凝固液を浸透させないため、DMFと水との置換がスキン層2a側で生じ、成膜基材側がスキン層2a側より大きな発泡4が形成される。
ここで、ポリウレタン樹脂の再生に伴う発泡形成について説明する。ポリウレタン樹脂では凝集力が大きくなるために皮膜の直近のポリウレタン樹脂中で急速に再生が進行し、スキン層2aが形成される。本例では、凝固液に水のみが使用されており、かつ、凝固液の温度が比較的低温の15〜20℃に設定されている。このため、水と接触する部分でポリウレタン樹脂溶液が急速に凝固し表面に緻密なスキン層が形成されることから、水とDMFとの相互拡散が抑制される。一方、ポリウレタン樹脂の濃度が10〜30重量%の範囲に調整されているため、凝固スピードが緩やかとなる。従って、ポリウレタン樹脂溶液内への水の浸透量が少なくなり、ポリウレタン樹脂の再生が緩慢に進行する。また、ポリウレタン樹脂溶液の粘度が3〜10Pa・sの範囲に調整されている。このため、凝固液中で先に再生するスキン層2a側と、不完全な再生状態の成膜基材側とで粘性の差が大きくなることで、上部層Phでの発泡4が傾斜するように形成されることとなる。さらに、DMFのポリウレタン樹脂溶液からの脱溶媒、すなわち、DMFと水との置換により、スキン層2a、発泡4および小発泡が形成され、スキン層2aの微多孔、発泡4および小発泡が網目状に連通する。
また、成膜基材に塗布されたポリウレタン樹脂溶液が連続的に凝固液中に案内される。このとき、凝固液中におけるポリウレタン樹脂溶液の搬送スピードを5〜10m/minに設定する。この搬送スピードが従来の搬送スピード(1〜2m/min程度)と比べて速いため、図4(A)に示すように、上部層Ph側では、発泡4が成膜基材の進行方向(図4(A)の矢印方向)に対して前方側に傾斜するように形成される。換言すれば、上部層Phにおける発泡4は、スキン層2a側の発泡端部までの発泡形成方向が厚み方向に対して成膜基材の長手方向、すなわち、成膜基材上に再生するポリウレタン樹脂の長手方向に傾斜するように形成される。また、図4(B)に示すように、発泡4は、ポリウレタン樹脂の長手方向と交差する幅方向の断面から見たときは、垂直方向、すなわち、厚み方向に沿うように形成される。換言すれば、発泡4は、上部層Phでは厚み方向に対して一定方向に一様に傾斜するように形成され、下部層Prでは厚み方向に沿うように形成される。なお、ポリウレタン樹脂が成膜基材上で再生されることから、成膜基材の表面に接触して形成された裏面Srでは、発泡4の開口は形成されていない。
洗浄・乾燥工程では、再生工程で再生したポリウレタン樹脂を水等の洗浄液中で洗浄してポリウレタン樹脂中に残留するDMFを除去した後、乾燥させる。ポリウレタン樹脂の乾燥には、本例では、内部に熱源を有するシリンダを備えたシリンダ乾燥機を用いる。ポリウレタン樹脂がシリンダの周面に沿って通過することで乾燥する。得られたウレタンシート2をロール状に巻き取る。
ラミネート工程では、湿式凝固法で作製されたウレタンシート2と、両面テープ7とを貼り合わせる。このとき、ウレタンシート2の裏面Srと両面テープ7とを貼り合わせる。そして、円形や角形等の所望の形状、サイズに裁断した後、キズや汚れ、異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い、保持パッド10を完成させる。
(作用等)
次に、本実施形態の保持パッド10の作用等について説明する。
説明をわかりやすくするために、従来湿式凝固法により形成されるウレタンシートの発泡構造について説明する。従来湿式凝固法では、PET製フィルム等の成膜基材上に塗布されたポリウレタン樹脂溶液が水等の凝固液中で凝固する。このため、図5に示すように、従来の保持パッド20を構成するウレタンシート12では、湿式凝固時の初期に形成されたスキン層12aより内側に、ウレタンシート12の厚み全体にわたる多数の発泡14が形成される。この発泡14は、保持面Sh側が裏面Sr側より縮径されており、厚み方向に沿うように垂直方向に形成されている。
また、ウレタンシート12では、保持面Sh近傍で保持面Shと平行な断面に発泡14により形成された孔の中心をとおる垂直線が裏面Sr近傍で裏面Srと平行な断面と交わる位置が裏面Srと平行な断面に同じ発泡14で形成された孔の内部に位置する。すなわち、図6(A)に示すように、保持面Shの近傍である保持面Shから50〜100μm程度内側の位置(矢印lの位置)、ウレタンシート12の厚み方向中央の位置(矢印mの位置)、裏面Sr近傍である裏面Srから50〜100μm程度内側の位置(矢印nの位置)とする。この場合、図6(B)に示すように、保持面Sh近傍のl−l断面では、発泡14により、中心Maの孔Haが形成される。同様に、ウレタンシート12の厚み方向中央部のm−m断面では同じ発泡14により中心Mbの孔Hbが形成され、裏面Sr近傍のn−n断面では同じ発泡14により中心Mcの孔Hcが形成される。孔Haの中心Ma、孔Hbの中心Mb、孔Hcの中心Mcは、厚み方向にほぼ揃うように位置している。つまり、孔Haの中心Maをとおる垂直線Lがn−n断面と交点Qで交わる。このため、交点Qは孔Hcの内部に位置することとなる。
このようなウレタンシート12を用いた従来の保持パッド20では、研磨加工時に研磨圧がかけられると、被研磨物が保持パッド20側に沈み込むため、クッション性を有するウレタンシート12が圧縮されることで被研磨物に対して応力が発生する。保持パッド20の密度にバラツキがある場合、すなわち、発泡14の形成にムラがある場合は、密度のバラツキ部分ごとに被研磨物にかかる応力の大きさが異なることとなる。このため、被研磨物に対する押圧力が局所的に変わるため、被研磨物の加工面を全域にわたって均一に研磨加工することが難しくなる。この結果、研磨加工後の被研磨物では、例えば、外縁部と中央部とで研磨取り代が異なり、いわゆる縁だれが生じることがある。換言すれば、保持パッド20で被研磨物を保持させて研磨加工することで、加工面の平坦性を損なうことがある。従って、従来の保持パッド20では、欠陥のない積層配線の高集積化や高画質画像を演出することを目的とした半導体用WFやFPD用ガラス基板に要求される高精度な平坦性を満たすには十分とはいえない。
これに対して、本実施形態では、ウレタンシート2に形成される発泡4は、上部層Phで厚み方向に対して一定方向に一様に傾斜するように形成されており、下部層Prで厚み方向に沿うように形成されている。このため、湿式凝固時にウレタンシート2に密度ムラが生じても、研磨加工時に圧縮されたときに被研磨物に対する応力を均等化することができる。これは、発泡4の形状が下部層Prでの形成位置に対して保持面Sh側の位置がズレているためと考えられる。すなわち、保持面Shで受けた圧縮力に対して、下部層Pr側で近接して形成された複数の発泡4が総合的に伸縮することで、密度ムラを顕在化させることなく被研磨物に与える応力ムラを低減することができたためと考えられる。従って、保持面の平坦性精度が高められ被研磨物に対する応力が均等化されるため、被研磨物の面内均一性を向上させ高度に平滑化することができる。
また、発泡4が、上部層Phから下部層Prにわたって全体的に傾斜して形成された場合は、研磨加工時の圧縮力により保持パッド自体が断面斜方状に変形し被研磨物に対する応力を均等化することが難しくなる。発泡4が一定方向に一様に傾斜して形成されずランダムに傾斜して形成された場合は、下部層Prで肥大化していても、却って応力ムラが増大するおそれがある。これに対して本実施形態では、発泡4が一定方向に一様に傾斜するように形成されているため、応力ムラを低減し被研磨物の平坦性を向上させることができる。
更に、本実施形態では、発泡4における中心M1と頂点M2とを結ぶ線分を斜辺とする直角三角形で中心M1から頂点M2を見たときの仰角θが30〜60度の範囲、すなわち、tanθが0.58〜1.73の範囲となるように発泡4が形成されている。このため、保持面Shに対する局所的な圧縮力が下部層Pr側で近接して形成された複数の発泡4で緩和されるので、被研磨物に対する応力ムラを確実に低減することができる。被研磨物の面内均一性を向上させることを考慮すれば、仰角θが40〜55度の範囲、すなわち、tanθが0.84〜1.43の範囲の範囲となるように、発泡4が形成されていることが好ましい。
また更に、本実施形態では、発泡4は、下部層Prでの孔径が上部層Phでの孔径より大きく形成されている。このため、研磨加工時に研磨圧がかけられたときに、クッション性を確保することができる。また、発泡4が上部層Phで傾斜するように形成されているため、被研磨物にかかる研磨圧が均等化され、被研磨物の保持パッド10側への沈み込みを抑制することができる。このため、沈み込みが大きくなると保持パッド自体が研削されるのに対して、保持パッド20自体が研削されることを抑制することができる。これにより、保持面Shの平坦性を確保しつつ被研磨物の平坦性向上を図ることができる。更にまた、通常、研磨加工では、保持面の平坦性を向上させるために慣らし時間を要する。これに対して、保持パッド20を用いた研磨加工では、保持面Shの平坦性が確保されているため、慣らし時間の短縮化を図ることができ、生産効率の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、保持パッド20を構成するウレタンシート2がポリウレタン樹脂製の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。保持パッド20としては、樹脂製のシートを備えていればよく、被研磨物を保持するためにクッション性や適正な硬度を有していればよい。樹脂製シートとしては、ポリウレタン樹脂に代えて、ポリエステルやポリエチレン等を用いるようにしてもよい。クッション性や硬度等を考慮すれば、湿式凝固法により形成される発泡構造を有するシートが好ましい。
また、本実施形態では、湿式凝固法における条件、例えば、ポリウレタン樹脂溶液の濃度や温度、凝固液中での搬送速度等を変えることで、上部層Phと下部層Prとの厚み割合を変えることができる。すなわち、ウレタンシート2の厚み方向中央部としては、ウレタンシート2の全体の厚みに対して厚み方向の中心から±10%の範囲で変えることができる。研磨加工時のクッション性確保や被研磨物に対する応力ムラの低減を考慮すれば、ウレタンシート2の厚み方向のほぼ中央に上部層Phと下部層Prとの境界が位置していることが好ましい。
更に、本実施形態では、基材としてPET製フィルムを有し、基材の両面に粘着剤層が形成された両面テープ7を例示したが、本発明は基材や粘着剤の材質に制限されるものではない。また、ポリウレタン樹脂溶液の溶媒、成膜基材、凝固液等の具体例を示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、通常用いられる材料を用いてもよいことはもちろんである。
また更に、本実施形態では、特に言及していないが、湿式凝固法により形成されたウレタンシート2の厚みバラツキが大きくなったときは、保持面Shと裏面Srとが平行となるように、裏面Sr側をバフやスライス等の方法により平滑にしておくことが好ましい。このようにすれば、保持面Shの平坦性を一層向上させることができる。
次に、本実施形態に従い製造した保持パッド10の実施例について説明する。なお、比較のために製造した比較例についても併記する。
(実施例1)
実施例1では、ウレタンシート2の作製にポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用い、DMFに20重量%の割合で溶解させた溶液の100部に対して、DMFの45部、顔料としてカーボンブラックを20重量%含むDMF分散液の40部を添加し混合してポリウレタン樹脂溶液を調製した。得られたポリウレタン樹脂溶液の粘度は、3.4Pa・sであった。この粘度は、回転粘度計(東機産業株式会社製、TVB−10型)でNo.M3のロータを使用し、25℃の温度環境下で測定した値である。ポリウレタン樹脂溶液を塗布する際に塗布装置のクリアランスを1.0mmに設定した。PET製フィルムの成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布した後、温度20℃の水(凝固液)に連続的に案内した。このとき、ポリウレタン樹脂溶液の搬送スピード(ラインスピード)を7m/minに設定し、ポリウレタン樹脂を完全に再生させた。洗浄、乾燥後、得られたウレタンシート2の裏面Sr側にバフィングし、バフ面に両面テープ7を貼り合わせ保持パッド10を製造した。
(実施例2)
実施例2では、ポリウレタン樹脂溶液のラインスピードを5m/minに設定した以外は、実施例1と同様にしてウレタンシート2を作製し、保持パッド10を製造した。用いたポリウレタン樹脂溶液の粘度は3.2Pa・sであった。
(比較例1)
比較例1では、ポリエステルMDIポリウレタン樹脂をDMFに30重量%の割合で溶解させ、凝固液中でのラインスピードを1.5m/minに設定した以外は実施例1と同様にしてウレタンシート12を作製し保持パッド20を製造した。ポリウレタン樹脂溶液の粘度は8.2Pa・sであった。すなわち、比較例1の保持パッド20は、従来の保持パッドである(図5も参照)。
得られた実施例1および比較例1のウレタンシートについて、三次元計測X線CT装置にて内部構造を非破壊で可視化し、発泡の形成状態を比較した。すなわち、三次元計測X線CT装置(ヤマト科学製、TDM1000−IS/SP)を用いてスキャンし、保持面Shから10μm間隔の連続断層画像を得た。得られた断層画像をSEM用画像解析ソフトウエア『Scandium』(Olympus Soft−Imaging Solutions社製)に取り込み、注目した1つの発泡4(比較例1では発泡14。以下、同じ。)について、各断面画像の発泡中心(重心)を求めた。次に、発泡4の頂点M2が観察された断面画像の保持面Shからの距離、および、厚み方向中央で中心M1の孔が形成された断面画像の保持面Shからの距離から、2つの断面間の距離yを得た。また、中心M1をとおり厚み方向と直交する方向の直線と、頂点M2をとおる厚み方向の直線との交点をPとしたときの中心M1と交点Pとの距離xを得た(図3も参照)。得られた距離x、距離yの数値から求めたtanθの値は、実施例1、実施例2がそれぞれ0.93、1.28、比較例1が9.51であった。得られたtanθの値から発泡の傾斜角である仰角θを換算したところ、実施例1、実施例2がそれぞれ43度、52度、比較例1が84度を示し、実施例1、実施例2の発泡が比較例1の発泡より大きく傾斜していることが判った。連続断層画像解析によるtanθの測定結果から明らかなように、比較例1のウレタンシート12では、厚み全体にわたり厚み方向に沿うように発泡が形成されていた(図6も参照)。つまり、厚み方向中央部よりスキン層側では、若干の傾斜は見られるものの、発泡形成方向がほぼ厚み方向に沿って形成されていた。これに対して、実施例1のウレタンシート2では、上部層Phでの発泡形成方向が比較例1と比べて大きく傾斜していることが判明した(図2も参照)。
(研磨性能評価)
各実施例および比較例の保持パッドを用いて、以下の研磨条件で液晶ディスプレイ用ガラス基板(470mm×370mm×0.7mm)の研磨加工を行い、日本工業規格(JIS B 0601:’82))に準じた方法で、ろ波中心うねりから平坦度aを求めた。平坦度aの測定では、表面粗さ形状測定機(株式会社東京精密製、サーフコム480A)を使用し、以下の測定条件で測定した。基板表面の凹凸に起因して得られる測定曲線から、隣り合う凸部(山部)と凸部との間の幅W、および、凸部と凹部(谷部)との高さSを算出し、幅Wを横軸、高さSを縦軸とした散布図を作成した。散布図から、一次式S=aWの近似直線を求め、傾きaを研磨加工後の最終の平坦度aとした。平坦性が高くなるほど幅Wが大きくなり、高さSが小さくなるため、傾きaが小さいほど平坦性に優れることを示すこととなる。
(研磨条件)
使用研磨機:オスカー研磨機(スピードファム社製、SP−1200)
研磨速度(回転数):61rpm
加工圧力:100g/cm
スラリ:セリウムスラリ
研磨時間:30min
(ろ波中心うねり測定条件)
評価長さ:90mm
測定速度:3.0mm/s
カットオフ値:0.8〜8.0mm
フィルタ種別:2RC
測定レンジ:±40.0μm
傾斜補正:スプライン
実施例1、実施例2の保持パッド10、比較例1の保持パッド20をそれぞれ用いた研磨加工による平坦度aを比較すると、研磨時間30min後に、実施例1、実施例2ではそれぞれ0.0004、0.0006を示し、比較例1では0.0012を示した。すなわち、実施例1、実施例2では、比較例1と比べて、最終的な平坦度aを向上させることができた。従って、湿式凝固法により形成された発泡4が、上部層Phで厚み方向に対して一定方向に一様に傾斜するように形成され、下部層Prで厚み方向に沿うように形成されたウレタンシート2を備えた保持パッド10を用いることで、保持面の平坦性精度を高めるとともに、被研磨物の面内均一性を向上させることができることが明らかとなった。
本発明は保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる保持パッドを提供するものであるため、保持パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
Sh 保持面
Sr 裏面(背面)
2 ウレタンシート(樹脂シート)
2a スキン層
4 発泡
10 保持パッド

Claims (9)

  1. 湿式凝固法により厚み全体にわたる大きさの多数の縦型発泡が形成され被研磨物を保持するための保持面を有する樹脂シートを備えた保持パッドにおいて、前記発泡は、前記樹脂シートの厚み方向中央部から前記保持面側の発泡端部までの発泡形成方向が前記厚み方向に対して一定方向に一様に傾斜するように形成されていることを特徴とする保持パッド。
  2. 前記樹脂シートの厚み方向中央部は、全体の厚みに対して前記厚み方向の中心から±10%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の保持パッド。
  3. 前記発泡は、前記厚み方向中央部から前記保持面の背面側の発泡端部までが前記保持面側の発泡端部までより径が大きいことを特徴とする請求項2に記載の保持パッド。
  4. 前記発泡は、前記厚み方向中央部から前記保持面の背面側の発泡端部までの発泡形成方向が前記厚み方向に沿うように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の保持パッド。
  5. 前記発泡は、前記保持面近傍で前記保持面と平行な断面に形成された孔の中心をとおる垂直線が前記保持面の背面近傍で該背面と平行な断面と交わる位置が前記背面と平行な断面に同じ発泡で形成された孔の外側に位置することを特徴とする請求項4に記載の保持パッド。
  6. 前記発泡は、前記厚み方向中央で前記保持面と平行な断面に形成された孔の中心M1と前記保持面側の頂点M2とを結ぶ線分を斜辺とする直角三角形における前記中心M1から前記頂点M2を見た場合の仰角をθとしたときに、前記仰角θが30度〜60度の範囲となるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の保持パッド。
  7. 前記樹脂シートは湿式凝固法により長尺状に形成されたものであり、前記発泡は前記厚み方向中央部から前記保持面側の発泡端部までの発泡形成方向が前記厚み方向に対して前記樹脂シートの長手方向に傾斜するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の保持パッド。
  8. 前記発泡は、前記長手方向と交差する幅方向で前記厚み方向に沿うように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の保持パッド。
  9. 前記発泡は、前記長手方向と交差する幅方向の断面から見たときに垂直方向に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の保持パッド。
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