JP2005224888A - 被研磨加工物の保持材 - Google Patents
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Abstract
【課題】枠材を用いることなく高い保持機能を有するとともに、保持材への研磨液等の浸透による保持機能の低下や、これに伴う研磨精度の低下を抑制することを課題としている。
【解決手段】 通気性を有する多孔質シート材12の表層に、被研磨加工物が貼着される粘着材層が配置され、その粘着材層13には、貫通孔17が多孔質シート材12の表面まで貫通して形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】 通気性を有する多孔質シート材12の表層に、被研磨加工物が貼着される粘着材層が配置され、その粘着材層13には、貫通孔17が多孔質シート材12の表面まで貫通して形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば被研磨加工物の被研磨面の平坦度が高い精密研磨を行うのに用いられる被研磨加工物の保持材に関する。
従来から、半導体ウェハ、半導体デバイスの層間絶縁膜及びメタル配線、各種記録用ディスク、LCD用ガラス等の被研磨加工物の表面は、精密平面研磨が行われている。かかる被研磨加工物の表面研磨を行う際には、回転する下定盤に装着された人工皮革様の研磨布と、この下定盤面に対向配置され且つ回転可能な上定盤に保持された被研磨加工物との間に研磨スラリーを供給し、被研磨加工物及び研磨布を互いに摺動させることにより行われていた(特許文献1参照)。
被研磨加工物を上定盤に保持させる手段としては、例えば、保持材と枠材とを併用したものが周知である。具体的には、保持材としては、基材上に弾性層が積層されてなる湿式凝固多孔質シート材を備えたものが採用されている。かかる湿式凝固多孔質シート材は、基材にコーティングされたポリウレタン樹脂のDMF溶液層を水中にて凝固させ、抽出によって得られるものである。
この湿式凝固多孔質シート材の弾性層の表面(以下、銀面と称する)をバフ処理またはフライス処理等することにより、多数の微小空孔を湿式凝固多孔質シート材の表面に開口させている。そして、被研磨加工物と保持材との間に噛み込まれた空気を多孔質シート材内部へ通気させることにより発生する負圧、および被研磨加工物と保持材との表面張力を利用して、被研磨加工物を保持材に密着させている。また、研磨時に被研磨加工物が保持材から離脱するのを規制すべく、被研磨加工物を囲繞する枠材が、湿式凝固多孔質シート材に接着されている。
しかしながら、前記保持材と枠材とを併用した場合、枠材の内周面と被研磨加工物の外周縁との間に若干の隙間が生じるため、研磨中に枠材内で保持された被研磨加工物は上記隙間分若干ながら水平方向へ自由にスライド移動する現象が発生してしまう。その結果、被研磨加工物と枠材とが衝突し、被研磨加工物を破損させ、研磨精度が悪化するおそれがあった。
そこで、上記枠材を使用しないタイプとして、銀面の表面研削を行わないスエード調の湿式凝固多孔質シート材を備えた保持材が提案されている。この保持材は、湿式凝固多孔質シート材の研削を行わない銀面の摩擦係数により作用する密着作用と、水中抽出により得られた空孔による保持材表面の微小開口と撥水機能を付与して得られた表面張力から空気のみを内部へ通気させ発生する負圧作用を、単一ないし複合的に保持能力として利用したものである。
特開2002−355758
前記枠材を使用しない保持材は、未加工表面の特徴を活かして、本来の密着作用等の保持機能を効果的に発生させているが、多孔質構造自体が溶剤抽出の痕跡であるため、その表面には物理的な開口が必然的に発生している。研磨使用条件下では、多量の研磨液が保持材の周りにかかり、又被研磨加工物装着時には水等のリンス液にて保持材が洗浄されるため、使用を重ねるに伴って、開口を介して保持材内部の空孔への水分(研磨液やリンス液)の侵入が発生してしまう。その状態になると、比較的短時間で保持材自体が水分による内部飽和状態になり、保持材と被研磨加工物との界面に内部の水分が再度回帰してくる現象が生じるため、保持材と被研磨加工物との間において滑りが発生し易くなり、保持材の被研磨加工に対する物保持力が早期に低下する問題があった。
さらに、保持材と被研磨加工物との間に噛み込まれた空気が、両者の間に残ったままで研磨作業が進行すると、保持材および被研磨加工物の空気部分が研磨の熱により膨張し、局部的な研磨圧力の不均一性を発生させ、研磨精度を低下させる原因となる。
本発明は、枠材を用いることなく高い保持機能を有するとともに、保持材への研磨液等の浸透による保持機能の低下や、これに伴う研磨精度の低下が抑制できる被研磨加工物の保持材を提供することを課題としている。
本発明は、通気性を有する多孔質シート材を備えた被研磨加工物の保持材において、前記多孔質シート材に、被研磨加工物が貼着される粘着材層が配置され、その粘着材層には、貫通孔が多孔質シート材の表面まで貫通して形成されていることにある。
そして、研磨使用条件下において、多量の研磨液が保持材の周りにかかったり等して、被研磨加工物と保持材との界面に、多孔質シート材表面に配置された粘着材の強力な粘着作用により、水分が浸入し難いだけでなく、更に保持材内部への水分の侵入が発生して、保持材と被研磨加工物との界面に内部の水分が再度回帰してくる現象が生じた場合でも、通気性を有する多孔質シート材表面に配置された粘着材の粘着作用により、保持材と被研磨加工物との間に侵入してくる水分を防止し、被研磨加工物を強固に保持することができる。このため、保持材の被研磨加工に対する保持力を長期にわたって維持することができる。
また、保持材と被研磨加工物の間に噛み込まれた空気を、粘着材層の貫通孔および多孔質シート材を通して外部に逃がすことにより、研磨発熱等でこの空気が膨張し被研磨加工物に局部的圧力を発生させて加工精度が落ちる問題点を回避できる。
さらに、前記粘着材層の厚さが1μm〜200μmであり、前記貫通孔が多数形成されているのが好ましい。
本発明によれば、保持材に被研磨加工物が粘着材層を介して貼着されるので、長期にわたって被研磨加工物の保持能力を維持することができと共に、保持材と被研磨加工物の間に噛み込まれた空気を、粘着材層の貫通孔および多孔質シート材を通して外部に逃がすことにより、研磨発熱等でこの空気が膨張し被研磨加工物に局部的圧力を発生させて加工精度が落ちるのを防止できる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の実施の形態を示し、図1は、本発明の実施の形態に係る保持材を概略的に示す断面図、図2は、同実施の形態に係る保持材を用いた研磨機の要部を示す断面図、図3は、同実施の形態に係る保持材の斜視図、図4は、同実施の形態に係る研磨機での研磨の様子を示す概略側面図である。
図4において、1は研磨機を示し、この研磨機は、上下方向の軸心P1周りで回転駆動するキャリアプレート(上定盤)2と、このキャリアプレート2の下面に感圧粘着材(PSA)3を介して固定される保持材4と、この保持材4の下面に保持されたシリコンウェハやLCD用のガラス基板等の被研磨加工物5と対向するように、上面に研磨布7が感圧粘着材8を介して布設された下定盤6とを備えている。なお、下定盤6も軸心P1と平行な軸心P2周りで回転駆動される。
前記保持材4は、図1に示す如く、PETフィルムまたはポリエステル織布等からなる基材10と、この基材10上に積層された弾性を有する多孔体(発泡層)11と、この多孔体11上に積層された粘着材層13と、基材10の裏面(キャリアプレート2側の面)に積層された感圧粘着材層3とを有する。なお、この感圧粘着材層3の裏面には、離型シート15が剥離可能に貼着されている。基材10と多孔体11とにより湿式凝固多孔質シート材12が構成されている。
多孔体11は、ポリウレタン、ポリアミド、ポアミドイミド、アクリロニトリル、ポリエチレン、ポリロピレン、塩化ビニル化合物等の発泡体が利用でき、ポリウレタン発泡体が最も有効に利用できる。ポリウレタンは2官能以上のイソシアネート成分と2以上の活性水素をもつポリオール成分及び鎖伸長成分から成る。
イソシアネート成分は、4,4‘ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4―シクロヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラエチルキシリレンジイソシアネートや更に3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。
ポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、アクリルポリオール類等があり、各成分には次のような化合物が利用できる。
ポリエーテルポリオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセンリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの1種又は2種以上にプロピレンオキサイドを付加して得られるポリオキシプロピレンポリオール類、エチレンオキサイドを付加して得られるポリオキシエチレンポリオール類、スチレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を付加して得られるポリオール類、及び前記多価アルコールにテトラヒドロフランを開環重合させて得られるポリオキシテトラメチレンポリオール類、更に上記の環状エーテルを2種以上を使用した共重合体も使用可能である。
ポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエスリトール及びその他の低分子量多価アルコールの1種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の低分子量ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種以上との縮合重合体、プロピオンラクトン、カプロラクトン、バレロラクトン等の環状エステル類の開環重合体等のポリオール類が挙げられる。
その他、アクリルポリオール類として、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステルーポリエーテルポリオール、アクロロニトリル系ポリオール、ポリカーボネートポリオールが使用可能である。
活性水素化合物のうちで鎖伸長剤は分子量が500程度以下の化合物で、エチレングリコール、プロピレングリコール、1.4ブタンジオール、トリメチロールプロパン等に代表される脂肪族系低分子ジオール、トリオール類、メチレンビス−o−クロロアニリン、シクロへキシルメタンー4.4‘−ジアミン、等の芳香族ジアミン類、1,4−ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族ジオールも使用可能である。
多孔体11は、0.01ml/cm2/sec〜50ml/cm2/secの範囲の通気性を有し、この多孔体11には、多数の空孔11aが形成され、空気が多孔体11内部を比較的スムーズに透過できる。
多孔体11を得る方法は、湿式成形法や発泡剤を添加して多孔体を得る方法等各種存在し、所定の通気性と変形特性を満足すれば各種材料の利用が可能であるが、特に湿式成形方法が有用であり、本発明の目的を達成するためには簡便である。
本目的を好適に達成するウレタン樹脂は、前記成分をジメチルホルムアミド等の有機溶剤中で重合させ得られるウレタン樹脂をポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、塩化ビニルやその共重合フィルムに体表される工業化されたフイルム製品及びナイロンやポリエステル繊維から成る織布及び不織布に塗工し、水中で凝固させ、洗浄、乾燥工程を経て、目的の多孔質フィルム(湿式凝固多孔質シート材)12を得ることができる。この時、塗工するウレタン樹脂に撥水する成分たとえば、フッ素、シリコン等の共重合体を添加するか、成形された多孔体を同様の成分で処理して、多孔体に撥水効果を持たせることが重要である。
かかる湿式凝固多孔質シート材12の膜厚は、5μm〜2500μmの範囲内に設定されている。湿式凝固多孔質シート材12は、その多孔質構造により、研磨圧力が300gf/cm2〜1800gf/cm2の範囲の研磨圧力範囲をかけた時に、その圧縮率が4.5〜60.0%の範囲に変形可能なものとなっている。これにより、湿式凝固多孔質シート材12は、適度な圧縮変形ができるものとなっており、変形量不足による研磨精度の極端な悪化や、変形量が大き過ぎることによるフィルム自体の変形が弾性変形とならずに元に戻らなくなり研磨精度を悪くするなどの不具合を解消できる。
前記粘着材層13は、弾性体材料と粘着付与樹脂等から構成され、弾性体材料としては天然ゴム、合成イソプレンゴム、再生ゴム、SBR、ポリイソブチレン、NBR、ポリビニールエーテル、ポリアクリルエステル又はその共重合体、スチレンイソプレン又はスチレンブタジエンブロック共重合体等が使用できる。粘着性付与物質としては、ポリペンテン、ロジンならびにその誘導体、油溶性フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系炭化水素樹脂等が用いられる。特にアクリル系樹脂が一般に市販されており本用途に有用である。
粘着材層13には、図3に示す如く多数の貫通孔17が、多孔質シート材12の表面まで貫通して形成されている。貫通孔17は、多孔質シート材12の多孔体11の空孔11aに連通しており、その開口形状は、任意に設定可能であるが、保持材4が被研磨加工物5を保持する際に少量なりとも噛み込んでしまう空気を、多孔質シート材12内部へ比較的スムーズに除去できる形状になっているのが好ましい。貫通孔17の開口形状は、例えば平面視楕円形状、円形等の任意の形状を呈している。この開口形状が略楕円径である場合には、その短径方向の長さが1μmから5mmの範囲にあり、長径方向も同様の範囲に設定される。好ましい大きさは、20μmから100μmである。
また、貫通孔17の多孔質シート材12に対する面積比は20%から70%に設定されるが、好ましくは25%から40%である。しかも、粘着材層の厚さは、1μm〜200μmに設定され、好ましくは、20μm〜60μmである。
前記構成からなる保持材4を使用して、被研磨加工物5を研磨機1で研磨する場合について説明する。先ず、保持材4の離型シート15を剥離して保持材4をキャリアプレート2の下面に固定し、キャリアプレート2に固定された保持材4の粘着材層13に、被加工面が下向きとなるように、被研磨加工物5を貼着させる。
このとき、被研磨加工物5と保持材4との間に空気が噛み込まれても、その空気は、粘着材層13に形成された貫通孔17を介して保持材4の湿式凝固多孔質シート材12に入り、湿式凝固多孔質シート材12を通して迅速に逃がすことができ、被研磨加工物5を保持材4側に密着させることができる。
次に、その保持状態でキャリアプレート2を下降させ、キャリアプレート2により回転する被研磨加工物5を、回転する下定盤6上の研磨布7面に所定の圧力で加圧すると共に、ノズルからスラリーを供給しながら被研磨加工物5の被加工面を研磨する。
研磨使用条件下では、多量の研磨液が保持材の周りにかかり、又被研磨加工物装着時にはリンス液にて保持材が洗浄されるが、保持材と被研磨加工物との間に侵入してくる水分を粘着材層によって防止でき、被研磨加工物の保持能力が早期に低下することはない。
また、被研磨加工物5と保持材4との間に噛み込まれた空気は、粘着材層13に形成された貫通孔17を介して保持材4の湿式凝固多孔質シート材12に入り、湿式凝固多孔質シート材12を通して迅速に逃がすことができるので、研磨中の温度上昇により噛み込まれた空気が膨張して被研磨加工物5および保持材4に対して研磨圧力の不均一性を発生させることはない。
実施例1
実施例1にかかる保持材4は、図1に示すように、基材10となる厚さ188μmのPETフィルム上に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥を経て、基材を含む厚さ1000μmの湿式凝固多孔質シート材12を得た。湿式凝固多孔質シート材は、その表面をバフ等の表面加工をすることなく、所謂銀面付きのシート材料として使用した。この湿式凝固多孔質シート材12のウレタン樹脂多孔体11の表面(銀面側)に30μmの厚さにアクリル系粘着材13を塗布した。塗布は、グラビアロール等で粘着材を塗工ロールから転写して銀面付きシート材料の表面に塗工した。このとき、粘着材層13の貫通孔17が、シート材料の銀面にまで貫通するように塗布面をパターン化させた。このとき貫通孔の開口形状は、短径側が300μm、長径側が600μmであった。
実施例1にかかる保持材4は、図1に示すように、基材10となる厚さ188μmのPETフィルム上に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥を経て、基材を含む厚さ1000μmの湿式凝固多孔質シート材12を得た。湿式凝固多孔質シート材は、その表面をバフ等の表面加工をすることなく、所謂銀面付きのシート材料として使用した。この湿式凝固多孔質シート材12のウレタン樹脂多孔体11の表面(銀面側)に30μmの厚さにアクリル系粘着材13を塗布した。塗布は、グラビアロール等で粘着材を塗工ロールから転写して銀面付きシート材料の表面に塗工した。このとき、粘着材層13の貫通孔17が、シート材料の銀面にまで貫通するように塗布面をパターン化させた。このとき貫通孔の開口形状は、短径側が300μm、長径側が600μmであった。
このようにして製作された保持材4を、片面研磨機SP800(スピードファム社製)の上定盤に貼り付け、試験に供した。被研磨加工物は、LCD用0.5mm厚さのガラスを使用した。研磨布はMH C15Al.5mm(ロデール・ニッタ株式会社製)を使用した。研磨は5分を一回の研磨として連続して研磨を繰り返し、保持材への研磨スラリーの裏周り程度と保持能力と研磨液の被加工物への裏回りの程度を調べ使用できた回数を調べた。研磨に供することができた回数は約450回であった。
実施例2
実施例2にかかる保持材を、図5に示す。本実施の形態は、基材10をポリエステル織布とし、湿式凝固多孔質シート材12を薄く形成したものである。厚さ50μmのポリエステル織布10上に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥を経て、基材を含む厚さ100μmの湿式凝固多孔質シート材12を得た。このシート材12のウレタン樹脂多孔体11の表面(銀面側)に実施例1と同様に30μmの厚さにアクリル系粘着材を塗布した。このとき塗布される粘着材層13の貫通孔17が、銀面にまで貫通するように塗布面をパターン化させ、貫通孔17の開口形状は、短径側が300μm、長径側が600μmであった。
実施例2
実施例2にかかる保持材を、図5に示す。本実施の形態は、基材10をポリエステル織布とし、湿式凝固多孔質シート材12を薄く形成したものである。厚さ50μmのポリエステル織布10上に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥を経て、基材を含む厚さ100μmの湿式凝固多孔質シート材12を得た。このシート材12のウレタン樹脂多孔体11の表面(銀面側)に実施例1と同様に30μmの厚さにアクリル系粘着材を塗布した。このとき塗布される粘着材層13の貫通孔17が、銀面にまで貫通するように塗布面をパターン化させ、貫通孔17の開口形状は、短径側が300μm、長径側が600μmであった。
実施例1と同様の方法で当該保持材の評価を行った。保持材は、研磨に供することができた回数が約400回であった。しかし、保持材の厚さが薄く、研磨中の歪みを解消できなかった為、被研磨加工物の精度はやや低下した。
実施例3
実施例3にかかる保持材4を、図6に示す。本実施例は、上層20と下層21との2層から構成したものである。
実施例3
実施例3にかかる保持材4を、図6に示す。本実施例は、上層20と下層21との2層から構成したものである。
厚さ188μのPETフィルム上に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥工程を経て、基材フィルムを含む厚さ380μの多孔質フィルムAを得た。この多孔質フィルムAのウレタン樹脂多孔体11Aの表面(銀面側)に実施例1と同様に30μmの厚さにアクリル系粘着材13を塗布した。このとき粘着材層13の貫通孔17が、ウレタン樹脂多孔体11Aの銀面にまで貫通するように、塗布面をパターン化させ、貫通孔17は短径側が300μ、長径側が600μであった。このシート材のPETフィルム部分を剥離し上層20とした。
一方、厚さ188μのPETフィルム上に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥工程を経て、基材フィルム10を含む厚さ1000μの多孔質フィルムBを得た。この多孔質フィルムBのウレタン樹脂多孔体11Bの表面をバフ加工を行い、800μのシート材料とし、これを下層21として、上層20と下層21の両者を両面テープ(接着層)23で接着させた。
実施例1と同様の方法で該当の保持シート材料の評価を行った。
研磨に供することが出来た回数は約400回であった。しかし、保持シート材料の厚さが薄く、研磨中の歪みを解消できなかった為、被研磨加工物の精度はやや低下した。研磨に供することが出来た回数は約500回であった。
実施例4
実施例4にかかる保持材4を、図7に示す。厚さ188μのPETフィルム上にウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥工程を経て、基材フィルムを含む厚さ1000μのシート材を得た。シート材の厚さ精度を高めるために裏面のPETフィルムを一旦剥がし、この面にバフがけを行い、800μmの湿式凝固多孔質シート材12とした、さらに裏面のバフ面両面テープを貼り付け多孔体シート材料とした。このシート材料の表面(銀面側)に30μmの厚さにアクリル系粘着材13を塗布した。塗布はグラビアロールで粘着材を塗工ロールから転写してウレタン樹脂多孔体11aの銀面に塗工した。このとき、粘着材層13の貫通孔17が、ウレタン樹脂多孔体11aの銀面にまで貫通するように塗布面をパターン化させた。このとき貫通孔17の開口形状は、短径側が300μ、長径側が600μであった。
研磨に供することが出来た回数は約400回であった。しかし、保持シート材料の厚さが薄く、研磨中の歪みを解消できなかった為、被研磨加工物の精度はやや低下した。研磨に供することが出来た回数は約500回であった。
実施例4
実施例4にかかる保持材4を、図7に示す。厚さ188μのPETフィルム上にウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥工程を経て、基材フィルムを含む厚さ1000μのシート材を得た。シート材の厚さ精度を高めるために裏面のPETフィルムを一旦剥がし、この面にバフがけを行い、800μmの湿式凝固多孔質シート材12とした、さらに裏面のバフ面両面テープを貼り付け多孔体シート材料とした。このシート材料の表面(銀面側)に30μmの厚さにアクリル系粘着材13を塗布した。塗布はグラビアロールで粘着材を塗工ロールから転写してウレタン樹脂多孔体11aの銀面に塗工した。このとき、粘着材層13の貫通孔17が、ウレタン樹脂多孔体11aの銀面にまで貫通するように塗布面をパターン化させた。このとき貫通孔17の開口形状は、短径側が300μ、長径側が600μであった。
実施例1と同様の方法で該当の保持シート材料の評価を行った。研磨に供することが出来た回数は約440回であった。
比較例
比較例にかかる保持材4aを、図8に示す。基材10となる厚さ188μmのPETフィルム上に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥を経て、基材フィルムを含む厚さ1000μmの湿式凝固多孔質シート材12を得た。これは表面がバフ等の表面加工をすることなく、所謂銀面付きのシートで、このシート材12をそのまま(粘着材を塗布しない状態)保持材の比較例として使用した。実施例1と同様の方法で当該保持材の評価を行った。保持材は、研磨に供することができた回数が約200回で比較的早期に使用出来なくなった。
比較例
比較例にかかる保持材4aを、図8に示す。基材10となる厚さ188μmのPETフィルム上に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、湿式成形後、洗浄、乾燥を経て、基材フィルムを含む厚さ1000μmの湿式凝固多孔質シート材12を得た。これは表面がバフ等の表面加工をすることなく、所謂銀面付きのシートで、このシート材12をそのまま(粘着材を塗布しない状態)保持材の比較例として使用した。実施例1と同様の方法で当該保持材の評価を行った。保持材は、研磨に供することができた回数が約200回で比較的早期に使用出来なくなった。
以上の実施例および比較例の結果を、表1に示す。
12 多孔質シート材
13 粘着材層
17 貫通孔
13 粘着材層
17 貫通孔
Claims (2)
- 通気性を有する多孔質シート材を備えた被研磨加工物の保持材において、前記多孔質シート材に、被研磨加工物が貼着される粘着材層が配置され、その粘着材層には、多数の貫通孔が多孔質シート材の表面まで貫通して形成されていることを特徴とする被研磨加工物の保持材。
- 請求項1に記載の被研磨加工物の保持材において、前記粘着材層の厚さが1μm〜200μmであることを特徴とする被研磨加工物の保持材。
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