JP6912239B2 - ラッピング材及びその製造方法、並びに、研磨物の製造方法 - Google Patents
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〔1〕
経編又は緯編で構成された編地と、該編地に含浸された樹脂と、を有し、
前記樹脂が、第1の樹脂と、当該第1の樹脂とは異なる第2の樹脂と、を含み、
前記第2の樹脂が、エポキシ樹脂を含み、
前記編地を構成する繊維の少なくとも一部が、仮撚糸である、
ラッピング材。
〔2〕
前記編地を構成する繊維の表面の少なくとも一部を被覆する第1の樹脂被膜と、
該第1の樹脂被膜の表面の少なくとも一部を被覆する第2の樹脂被膜と、を有し、
前記第1の樹脂被膜が、前記第1の樹脂を含み、
前記第2の樹脂被膜が、前記第2の樹脂を含む、
〔1〕に記載のラッピング材。
〔3〕
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が、150〜300g/eqである、
〔1〕又は〔2〕に記載のラッピング材。
〔4〕
前記第1の樹脂が、ポリウレタン系樹脂を含む、
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のラッピング材。
〔5〕
前記編地の含有量が、前記編地、前記第1の樹脂、及び前記第2の樹脂の総量に対して、35〜65質量%である、
〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のラッピング材。
〔6〕
前記編地を構成する単糸の数平均直径が、3〜30μmである、
〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のラッピング材。
〔7〕
圧縮率が、2〜7%である、
〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のラッピング材。
〔8〕
圧縮弾性率が、30〜80%である、
〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のラッピング材。
〔9〕
A硬度が、50〜98°である、
〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のラッピング材。
〔10〕
厚さが、0.5〜5.0mmである、
〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のラッピング材。
〔11〕
経編又は緯編で構成された編地に第1の樹脂を含む樹脂溶液を含浸させ、湿式凝固を行うことにより、樹脂含浸編地を得る1次含浸工程と、
前記樹脂含浸編地を、前記第1の樹脂が可溶な溶媒を含む浸漬液に浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬工程の後の前記樹脂含浸編地を、第2の樹脂を含む樹脂溶液に含浸する2次含浸工程と、を有し、
前記第2の樹脂が、エポキシ樹脂を含む、
ラッピング材の製造方法。
〔12〕
前記第1の樹脂が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、及びジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる1種以上に可溶である、
〔11〕に記載のラッピング材の製造方法。
〔13〕
前記浸漬工程において用いる前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、及びジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる1種以上の溶媒を含む、
〔11〕又は〔12〕に記載のラッピング材の製造方法。
〔14〕
〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のラッピング材を用いて、被研磨物をラッピングするラッピング工程を有する、
研磨物の製造方法。
〔15〕
前記ラッピング工程において、平均粒径0.1〜5μmの砥粒を用いて被研磨物をラッピングする、
〔14〕に記載の研磨物の製造方法。
本実施形態のラッピング材は、経編又は緯編で構成された編地と、該編地に含浸された樹脂と、を有し、前記樹脂が、第1の樹脂と、当該第1の樹脂とは異なる第2の樹脂と、を含み、前記第2の樹脂が、エポキシ樹脂を含む。本実施形態のラッピング材は、編地と樹脂とを有するため、金属系定盤と比べて軽く、取扱い性及び維持管理性に優れる。また、驚くべきことに、経編又は緯編で構成された編地を用いることにより、ラッピングレートに優れ、金属系定盤に匹敵するラッピングレートを発揮することができる。
編地は、経編又は緯編で構成されたものである。不織布に比べ経編又は緯編で構成された編地は、編構造が規則的であるため、ラッピング材の内部構造がより均一化となる。そのため、含浸される樹脂の分布状態も均一化されやすく、ラッピングレートの向上が達成されうる。また、不織布の表面に比べ編地の表面は、規則的な凹凸(節)を有することとなる。この規則的な凹凸の凹部は、例えば砥粒を用いた研磨において、砥粒保持部として作用する。そのため、編地の表面を研磨面として有する態様の場合には、砥粒をより効率よく保持させることが可能となり、ラッピングレートを向上させることができる。また、規則的な凹凸の凸部は砥粒を効果的に作用させることができ、ラッピングレートの向上に寄与し得る。さらに、凹凸の規則的な分布は、より均質な研磨を可能とし、面品位に優れた研磨の達成に寄与し得る。
編地に含浸される樹脂としては、第1の樹脂と、当該第1の樹脂とは異なる第2の樹脂と、を用い、第2の樹脂が、エポキシ樹脂を含む。本実施形態のラッピング材においては、編地を構成する繊維の表面の少なくとも一部を被覆する第1の樹脂被膜と、該第1の樹脂被膜の表面の少なくとも一部を被覆する第2の樹脂被膜と、を有し、第1の樹脂被膜が第1の樹脂を含み、第1の樹脂被膜が第1の樹脂を含む態様が好ましい。この態様では、第1の樹脂は、その樹脂自身が有する物理特性のほか、繊維と第2の樹脂とをつなぐ機能も果たし得る。これにより、繊維に対して定着しにくいエポキシ樹脂を繊維表面上に定着させることができる。このような態様を有することにより、ラッピングレート及び研磨面品位がより向上する傾向にある。
第1の樹脂としては、いわゆる湿式凝固可能な樹脂で編地に含浸できるものであれば特に限定されず、種々公知のものを適用できる。そのような樹脂の例としては、以下に限定されないが、ポリウレタン、ポリウレタンポリウレア等のポリウレタン系樹脂;ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポリサルホン、ポリエーテルサルホン等のポリサルホン系樹脂;アセチル化セルロース、ブチリル化セルロース等のアシル化セルロース系樹脂;ポリアミド系樹脂;及びポリスチレン系樹脂が挙げられる。
第2の樹脂は、エポキシ樹脂を含み、エポキシ樹脂からなるものであってもよい。エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、一般に公知のものを用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、キシレンノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、t−ブチルカテコール型エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、ブタジエンなどの二重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物、或いはこれらのハロゲン化物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、2エチル4メチルイミダゾール等の硬化触媒を併せて用いることができる。
ラッピング材は、上述の編地及び樹脂の他、目的に応じて、通常のラッピング材に含まれ得る各種添加剤を含んでもよい。そのような添加剤としては、以下に限定されないが、例えば、カーボンブラック等の顔料またはフィラー、親水性添加剤、及び疎水性添加剤が挙げられる。特に、後述する製造方法において、一般的に低い粘度を有するエポキシ樹脂を増粘させて、より均一に繊維表面に付着させる観点から、第2の樹脂はフィラーが混合された状態で用いてもよい。
本実施形態のラッピング材の製造方法は、経編又は緯編で構成された編地に第1の樹脂を含む樹脂溶液を含浸させ、湿式凝固を行うことにより、樹脂含浸編地を得る1次含浸工程と、樹脂含浸編地を、第1の樹脂が可溶な溶媒を含む浸漬液に浸漬する浸漬工程と、浸漬工程の後の樹脂含浸編地を、第2の樹脂を含む樹脂溶液に含浸する2次含浸工程と、を有し、第2の樹脂が、エポキシ樹脂を含む。
1次含浸工程は、編地に第1の樹脂を含む樹脂溶液を含浸させ、湿式凝固を行うことにより、樹脂含浸編地を得る工程である。編地に樹脂溶液を含浸させた上で湿式凝固法を用いる場合、凝固液中では、編地の繊維に付着している樹脂溶液の表面で樹脂溶液の溶媒と凝固液との置換の進行により樹脂が繊維の表面に凝固再生される。
浸漬工程は、樹脂含浸編地を、第1の樹脂が可溶な溶媒を含む浸漬液に浸漬することで、当該湿式樹脂を溶媒に部分的に再溶解させる工程である。浸漬工程により、樹脂含浸編地内部の気泡(例えば閉気孔及び開口部の小さい開気孔)が減少し、編地と湿式樹脂との密着性が向上すると考えられる。浸漬工程に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、メチルエチルケトン(MEK)、及びジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。また、浸漬させる際の温度条件としては、第1の樹脂の気泡を減少させ、かつ、溶媒への樹脂の溶出を防止する観点から、15.0〜25.0℃であることが好ましく、浸漬時間としては、同様の観点から、5〜30秒であることが好ましい。なお、上述の浸漬工程の後に、乾燥工程を設けることが好ましい。
編地の面方向の断面を研磨面として有する態様の場合には、浸漬工程後の樹脂含浸編地を、編地の面方向に切断する切断工程を有していてもよい。切断工程により、研磨面として編地の面方向に切断された断面を形成することができる。図1に、切断工程の概念図を示す。図1は、浸漬工程後の樹脂含浸編地1を、編地の面方向に切断したときの断面図である。図1に示すように、本実施形態においては、編地を面方向に切断して研磨面2(2次含浸前)を作成する。研磨面2は、面方向に繊維の端面が均一に分布する。また、研磨面2において繊維の端面2’は露出している必要はなく、続く2次含浸工程等により、研磨面が樹脂で覆われていてもよい。
2次含浸工程は、浸漬工程の後の樹脂含浸編地を、第2の樹脂を含む樹脂溶液に含浸する工程である。なお、第2の樹脂はエポキシ樹脂を含む。2次含浸工程により、上述した湿式樹脂の表面に樹脂(以下、この樹脂を「乾式樹脂」ともいう。)が形成されるものと推測される。
本実施形態の研磨物の製造方法は、上記ラッピング材を用いて、被研磨物をラッピングするラッピング工程を有する方法であれば、特に限定されない。ラッピング工程は、1次ラッピング研磨(粗ラッピング)であってもよく、2次ラッピング(仕上げラッピング)であってもよく、それら両方の研磨を兼ねるものであってもよい。
バネを介して厚さ4.5mm以上の試験片表面に押針(測定子)を押し付け30秒後の押針の押し込み深さから、ラッピング材のA硬度を測定した。測定装置としては、デュロメータ タイプAを用いた。これを3回行って相加平均からA硬度を求めた。具体的には、ラッピング材を10cm×10cmに切り出し、試料片とし、厚さ4.5mm以上になるように複数枚重ねて測定した。
ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を用いて、日本工業規格(JIS L 1021)に準拠して、ラッピング材の圧縮率及び圧縮弾性率を測定した。具体的には、初荷重で30秒間加圧した後の厚さt0を測定し、次に最終荷重のもとで5分間放置後の厚さt1を測定した。全ての荷重を除き、1分間放置後、再び初荷重で30秒間加圧した後の厚さt0’を測定した。このとき、初荷重は100g/cm2、最終荷重は1120g/cm2であった。圧縮率は、下記数式(1)で算出し、圧縮弾性率は、下記数式(2)で算出した。
数式(1):圧縮率(%)=(t0−t1)/t0×100
数式(2):圧縮弾性率(%)=(t0’−t1)/(t0−t1)×100
ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を用いて、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して、ラッピング材の厚さを測定した。具体的には、ラッピング材を10cm×10cmに切り出した試料片3枚用意し、各試料片毎に、厚さ測定器の所定位置にセットした後、480g/cm2の荷重をかけた加圧面を試料片の表面に載せ、5秒経過後に厚さを測定した。1枚の試料片につき、5箇所の厚さを測定し相加平均を算出し、さらに3枚の試料片の相加平均を求めた。
ラッピング材を10cm×10cmに切り出し、試料片とし、その質量を測定し、上記サイズから求めた体積と上記質量から、ラッピング材の密度(かさ密度)(g/cm3)を算出した。
ラッピング材を両面ラッピング装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、被研磨物としての2インチの6H−SiC n型ウエハに対して、下記条件にてラッピング加工を施すラッピング加工試験を行った。なお、ラッピング加工試験の際には、まず、ダイヤモンド砥粒(多結晶、平均粒径:0.5μm又は3μm)0.1質量%と水及びグリセリンの混合液(分散剤)とからなる分散液を、ラッピング材の表面に滴下しながら、SUS製キャリヤで所定時間押圧しダイヤモンド砥粒をラッピング材に埋め込んでから、ラッピング加工を実施した。
(ラッピング条件)
使用したラッピング装置の定盤サイズ:直径935mm
定盤回転数:10rpm
加工圧力:278g/cm2
ラッピング加工時間:1時間
ラッピングレート(単位:μm/hr)は、上記ラッピング加工前後の被研磨物の質量減少から求めた研磨量、被研磨物の研磨面積及び比重から、ラッピングにより除去された厚さを算出し、時間当たりの除去された厚さとして評価した。
上記ラッピング加工試験後の被研磨物5枚について、被研磨面のスクラッチを目視にて確認した。スクラッチの確認結果に基づいて、下記評価基準により面品位を評価した。
◎: スクラッチ等の欠陥が全く見られなかった
○: スクラッチ等の欠陥がほとんど見られなかった
△: スクラッチ等の欠陥が複数認められた
ポリエチレンテレフタレート繊維により構成される編地Aを用意した。下記表1に編地Aの構成を記載する。なお、編地Aの表裏面を構成する繊維と、編地の中構造(表面と裏面の間)を構成する繊維とを分けて記載する。
F1:タック(奇数番号のシリンダー針と偶数番号のダイヤル針とのタック組織(次編成と編成かぶり))
F2:ダイヤル半(シリンダーは編成せずに奇数番号のダイヤル針のみ編成)
F3:シリンダー半(ダイヤルは編成せずに偶数番号のシリンダー針のみ編成)
F4:タックニット(F1の逆で、偶数番号のシリンダー針と奇数番号のダイヤル針とのタック組織)
F5:ダイヤル半(F2の逆で、シリンダーは編成せずに偶数番号のダイヤル針のみ編成)
F6:シリンダー半(F3の逆で、ダイヤルは編成せずに偶数番号のシリンダー針のみ編成)
(1次含浸工程)
ポリカーボネート系ウレタン樹脂(DIC社製、商品名「クリスボンS705」)56.7質量部と、N,N−ジメチルホルムアミド43.3質量部と、を混合し、樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液に編地Aを浸漬させ、マングルローラを用いて余分な樹脂溶液を絞り落とすことで、編地Aに樹脂溶液を略均一に含浸させた。次いで、18℃の水からなる凝固液中に編地Aを浸漬することにより、1次含浸樹脂を凝固再生させて樹脂含浸編地を得た。その後、樹脂含浸編地を凝固液から取り出して乾燥させ、樹脂含浸編地を得た。
次いで、N,N−ジメチルホルムアミドと純水とを65対35で混合した浸漬溶媒に、上記で得られた樹脂含浸編地を浸漬した。その後、乾燥を行い、浸漬工程後の樹脂含浸編地を得た。
得られた浸漬工程後の樹脂含浸編地を、バンドナイフタイプのスライサーを用いて上下の厚さが均等になるように面方向に切断(スライス)した。
さらに、エポキシ樹脂(DIC社製、商品名「EPICLON850−S」、エポキシ当量:183〜193g/eq)19質量部と、テトラヒドロフタル酸無水物(DIC社製、商品名「EPICLONB−570−H」、酸無水物当量:166g/eq)17質量部とN,N−ジメチルホルムアミド19質量部、メチルエチルケトン45質量部と、を混合し、樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液に、浸漬工程後の樹脂含浸編地を浸漬した。その後、洗浄・乾燥を行い、厚さ調整のため切断面側をバフィングし、実施例1のラッピング材を得た。ラッピング材全体に対して、編地含有量は51質量%であった。得られたラッピング材を、切断面の反対面を研磨面として用いて、平均粒径0.5μmのダイヤモンド砥粒を使用する条件でラッピング加工試験を行った。なお、上記のエポキシ当量は、JIS K 7236(2009)に準拠して測定した。なお、各加工工程前後の重量から、第1の樹脂と第2の樹脂の総量に対する、第1の樹脂の含有量は、44.5質量%と算出され、第2の樹脂の含有量は、55.5質量%と算出された。
実施例1のラッピング材を用いて、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒を使用する条件でラッピング加工試験を行った。
浸漬工程までは、実施例1と同様にして、浸漬工程後の樹脂含浸編地を得た。
さらに、ウレタンプレポリマー(DIC社製、商品名「パンデックスTM363」、NCO当量:286g/eq)24.11質量部と、硬化剤(DIC社製、商品名「パンデックスE」)10.91質量部とN,N−ジメチルホルムアミド60.04質量部と、を混合し、樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液に、浸漬工程後の樹脂含浸編地を浸漬した。その後、洗浄・乾燥を行い、実施例1のラッピング材を得た。ラッピング材全体に対して、編地含有量は37質量%であった。得られたラッピング材を、切断面の反対面を研磨面として用いて、平均粒径0.5μmのダイヤモンド砥粒を使用する条件でラッピング加工試験を行った。なお、上記のNCO当量は、JIS K 7301(1995)に準拠して測定した(以下同様)。
比較例1のラッピング材を用いて、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒を使用する条件でラッピング加工試験を行った。
実施例1のラッピング材を、切断面を研磨面として用いて、平均粒径0.5μmのダイヤモンド砥粒を使用する条件でラッピング加工試験を行った。
比較例1のラッピング材を、切断面を研磨面として用いて、平均粒径0.5μmのダイヤモンド砥粒を使用する条件でラッピング加工試験を行った。
2次含浸工程で調製する樹脂溶液に、ヒュームドシリカ(日本アエロジル社製:アエロジルRY200S)2質量部をさらに添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ラッピング材を得た。得られたラッピング材を、切断面と反対面を研磨面として用いて、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒を使用する条件でラッピング加工試験を行った。
Claims (15)
- 経編又は緯編で構成された編地と、該編地に含浸された樹脂と、を有し、
前記樹脂が、第1の樹脂と、当該第1の樹脂とは異なる第2の樹脂と、を含み、
前記第2の樹脂が、エポキシ樹脂を含み、
前記編地を構成する繊維の少なくとも一部が、仮撚糸である、
ラッピング材。 - 前記編地を構成する繊維の表面の少なくとも一部を被覆する第1の樹脂被膜と、
該第1の樹脂被膜の表面の少なくとも一部を被覆する第2の樹脂被膜と、を有し、
前記第1の樹脂被膜が、前記第1の樹脂を含み、
前記第2の樹脂被膜が、前記第2の樹脂を含む、
請求項1に記載のラッピング材。 - 前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が、150〜300g/eqである、
請求項1又は2に記載のラッピング材。 - 前記第1の樹脂が、ポリウレタン系樹脂を含む、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のラッピング材。 - 前記編地の含有量が、前記編地、前記第1の樹脂、及び前記第2の樹脂の総量に対して、35〜65質量%である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のラッピング材。 - 前記編地を構成する単糸の数平均直径が、3〜30μmである、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のラッピング材。 - 圧縮率が、2〜7%である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のラッピング材。 - 圧縮弾性率が、30〜80%である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のラッピング材。 - A硬度が、50〜98°である、
請求項1〜8のいずれか1項に記載のラッピング材。 - 厚さが、0.5〜5.0mmである、
請求項1〜9のいずれか1項に記載のラッピング材。 - 経編又は緯編で構成された編地に第1の樹脂を含む樹脂溶液を含浸させ、湿式凝固を行うことにより、樹脂含浸編地を得る1次含浸工程と、
前記樹脂含浸編地を、前記第1の樹脂が可溶な溶媒を含む浸漬液に浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬工程の後の前記樹脂含浸編地を、第2の樹脂を含む樹脂溶液に含浸する2次含浸工程と、を有し、
前記第2の樹脂が、エポキシ樹脂を含む、
ラッピング材の製造方法。 - 前記第1の樹脂が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、及びジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる1種以上に可溶である、
請求項11に記載のラッピング材の製造方法。 - 前記浸漬工程において用いる前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、及びジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる1種以上の溶媒を含む、
請求項11又は12に記載のラッピング材の製造方法。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載のラッピング材を用いて、被研磨物をラッピングするラッピング工程を有する、
研磨物の製造方法。 - 前記ラッピング工程において、平均粒径0.1〜5μmの砥粒を用いて被研磨物をラッピングする、
請求項14に記載の研磨物の製造方法。
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