JP6465675B2 - 研磨パッド - Google Patents

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本発明は、例えば、研磨対象物の表面に設けられた金属膜を除去するための研磨パッドに関する。
半導体材料や金属材料、難削材のラッピング(粗研磨)や研磨に利用される研磨パッドには、不織布等の基材に研磨砥粒を定着させた構造を有するものが知られている。研磨砥粒は、典型的には、基材に含浸された硬化性樹脂等によって基材に固着される。
例えば特許文献1には、不織布に研磨砥粒を分散させたバインダーを含浸させた研磨シートが開示されている。また、特許文献2には、砥粒を静電スプレー法によってフィルム基材上に接着させた、表面に凹凸を有する研磨テープが開示されている。
特開2008−194761号公報 特開2002−172563号公報
近年、研磨効率に優れ、ライフサイクルの長い研磨パッドが要求されている。例えば、研磨パッドが研磨対象物の表面に設けられた金属膜の除去等に用いられる場合、金属膜の研磨屑等によって研磨面が目詰まりを起こし易く、このためライフサイクルが短いという問題がある。
例えば特許文献1に記載の構成では、研磨砥粒の多くが不織布内部に沈み込んでしまうため、研磨効率が小さいという問題がある。また、特許文献2に記載の構成では、基材の表面に形成された凹凸によって、ある程度の目詰まりの防止を図るようにしているが、基材表面を凹凸加工する必要があるため、生産性に問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ライフサイクルが長く、研磨効率に優れた研磨パッドを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る研磨パッドは、研磨対象物の表面に設けられた金属膜を除去するための研磨パッドであって、基材と、研磨層とを具備する。
上記基材は、上記研磨対象物に対向する第1の面を有し、空隙を有する材料で構成される。
上記研磨層は、上記第1の面に選択的に設けられた硬化性樹脂膜と、上記硬化性樹脂膜に固定され上記金属膜に接触する研磨砥粒とを有する。
上記研磨パッドにおいては、研磨砥粒を含む研磨層が基材の表面に選択的に設けられているため、基材表面に多数の研磨砥粒が分布し、高い研磨特性を有する研磨パッドを構成することができる。また、基材が空隙を有する材料で構成されているため、基材内部の空隙が研磨屑を受容する機能を果たす。これにより、粘りがあって目詰まりが生じやすい金属であっても良好な研磨効率を確保しつつ、ライフサイクルの向上を実現することが可能となる。
上記研磨層は、例えば、硬化性樹脂と研磨砥粒とを含む砥粒含有溶液が上記第1の面に塗布され、上記硬化性樹脂が硬化して形成される。この構成によれば、硬化性樹脂は、空隙を有する材料からなる基材に染み込み、研磨砥粒は基材表面に残留するため、基材表面に多数の砥粒が分布し、高い研磨特性を有する研磨パッドとすることができる。
上記基材の空隙は、硬化前の上記硬化性樹脂が通過可能であり、上記研磨砥粒が通過不能な大きさに設けられてもよい。これにより、基材表面に多数の研磨砥粒を効率よく分布させることができる。
上記研磨パッドは、硬化性樹脂材料で構成されたシート材をさらに具備してもよい。この場合、上記基材は、上記シート材に接合された、上記第1の面とは反対側の第2の面をさらに有する。これにより、研磨パッドに適度な弾性が付与されるため、研磨対象物の種類等に応じて研磨条件の最適化を図ることができる。
上記基材や研磨砥粒の構成材料は特に限定されず、研磨対象物等に応じて適宜選択可能である。研磨対象物表面の金属膜を除去する場合、典型的には、上記基材には不織布が用いられ、研磨砥粒にはダイヤモンド砥粒が用いられる。
研磨対象物表面の金属膜は特に限定されず、例えば、金属モリブデン等の高融点金属膜であってもよい。このような金属膜であっても効率よく研磨を行うことができる。また、モリブデン膜を表面に有する構造体等であってもよく、例えば太陽電池パネルの製造工程に上記研磨パッドを好適に用いることができる。
研磨砥粒の平均粒径や、硬化性樹脂膜に対する研磨砥粒の含有割合等も特に限定されず、研磨対象物等に応じて適宜選択可能である。研磨砥粒の平均粒径を10μm以上40μm以下、上記含有割合を10wt%以上40wt%以下とすることで、例えば研磨対象物表面のモリブデン膜を効率よく除去することができる。
本発明によれば、良好な研磨効率およびライフサイクルを有する研磨パッドを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る研磨パッドの斜視図である。 同研磨パッドの断面図である。 同研磨パッドが備える基材の断面図である。 同研磨パッドの製造に用いる砥粒含有溶液の模式図である。 同研磨パッドの製造方法を示す模式図である。 同研磨パッドの製造方法を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る研磨パッドの斜視図である。 同研磨パッドの断面図である。 実施例1に係る研磨パッドの断面のSEM像である。 同研磨パッドの表面のSEM像である。 実施例2に係る研磨パッドの断面のSEM像である。 同研磨パッドの表面のSEM像である。 比較例1に係る研磨パッドの断面のSEM像である。 同研磨パッドの表面のSEM像である。 比較例1に係る研磨パッドの断面のSEM像である。 同研磨パッドの表面のSEM像である。 実施例3に係る研磨パッドを用いて金属膜を研削したときの実験結果を示す図である。 実施例3に係る他の研磨パッドを用いて金属膜を研削したときの実験結果を示す図である。 実施例3に係る研磨パッドの浄化処理の実施前後の様子を示す実験結果である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
[研磨パッドの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る研磨パッド10を示す概略斜視図である。図2は研磨パッド10の断面図である。図3は、基材11の断面図である。
研磨パッド10は、基材11と、研磨層12とを備える。
基材11は、シート状の空隙を有する材料で構成される。図3に示すように基材11は、表面11a(第1の面)と裏面11b(第2の面)とを有し、合成樹脂111が含浸された不織布112で構成される。
不織布112の製造方法としては、例えば、スパンボンド法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法などが挙げられる。本実施形態では、不織布112がクッション層としても機能するため、厚みのある不織布が好ましく、ニードルパンチ法を用いた。不織布112の目付けとしては100〜5000g/m、密度としては0.05〜0.60g/cmが好ましく、0.10〜0.50g/cmがより好ましい。また、不織布に用いる繊維の繊度としては0.01〜10dtexを用いることができる。密度が同じ場合、繊維の繊度を変えることで単位体積当たりの繊維本数が変わることで、空隙単位を調整できる。不織布112の空隙は目付、密度および繊維の繊度により調節することができ、空隙率は45〜95%程度が好ましい。
なお、本発明において空隙とは、基材内部の連続した空間のことであり、基材表面に塗布された硬化性樹脂を基材内部に浸透可能とし、基材表面に塗布された砥粒の大部分を基材表面にとどめることを可能とする。このような空隙であればその大きさは問わないが、例えば、空隙の一断面における内接円の大きさで表わされ、1〜100μmであることが好ましい。空隙が1μmより小さいと硬化性樹脂が不織布112に浸透することが難しく、空隙が100μmより大きいと空隙の内部を砥粒が通過してしまう恐れがある。
合成樹脂111は、不織布112を構成する繊維同士を結合するためのものであり、当該繊維間に部分的に含浸される。
不織布112に合成樹脂111を含浸させることにより、合成樹脂111が不織布112を保持し、研磨パッド10に研磨に適した弾性を付与すると同時に基材11の空隙率・空隙サイズをコントロールすることが可能となる。合成樹脂111は例えばポリウレタン樹脂であり、不織布112は、例えばポリエステル繊維からなる不織布であるものとすることができる。
また、基材11は、上記のものに限られず、適度な空隙を有する材料であればよい。例えば、連続発泡を有する発泡ポリウレタンフォーム等の発泡性材料等からなるものや合成樹脂が含浸されていない不織布、織布又は編地であってもよい。基材11の厚みは特に限定されず、数mm〜数十mm程度とすることができる。
基材11の表面11aは、研磨層12が形成される面であり、基材11の裏面11bは、必要に応じて図示しない粘着テープあるいは接着剤層等を設けてもよい。
研磨層12は、基材11の表面11aに選択的に設けられた硬化性樹脂膜121と、硬化性樹脂膜121に固定された研磨砥粒122とを有する。研磨層12は後述するように、硬化性樹脂膜121を構成する硬化性樹脂材料と、研磨砥粒122とを含む砥粒含有溶液(研磨砥粒含有樹脂溶液)が基材11の表面11aに塗布され、上記硬化性樹脂材料が硬化して形成されたものである。
硬化性樹脂膜121は、研磨砥粒122を基材11に対して固定する。硬化性樹脂膜121を構成する硬化性樹脂材料は、硬化させることが可能なものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、2液混合型の硬化性樹脂等とすることができる。例えば、上記硬化性樹脂材料は合成樹脂及び天然樹脂のいずれであってもよく、合成樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、PVA(ポリビニルアルコール)などが挙げられ、天然樹脂としてはニカワなどが挙げられる。上記硬化性樹脂材料は、これら列挙した樹脂単体を用いてもよいし、これらを混合したものを用いてもよい。
上記硬化性樹脂材料は、上記砥粒含有溶液として表面11aに塗布された際に、基材11に染み込み、一部が基材11中に含有されている。上記硬化性樹脂材料が染み込む深さは特に限定されず、裏面11bまで染み込んでもよい。
研磨砥粒122は、硬化性樹脂膜121によって基材11上に固定されている。研磨砥粒122は、硬度が高い粒子であり、例えばダイヤモンドからなる砥粒(ダイヤモンド砥粒)とすることができる。また、研磨砥粒122は、この他にも、炭化ケイ素(SiC)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO)又は酸化セリウム(CeO)等からなる砥粒であってもよい。砥粒の粒径は特に限定されないが、例えば、不織布112の空隙を通過しない大きさが好ましい。
研磨砥粒の平均粒径や、硬化性樹脂膜に対する研磨砥粒の含有割合等も特に限定されず、研磨対象物等に応じて適宜選択可能である。研磨砥粒の平均粒径を10μm以上40μm以下、上記含有割合を10wt%以上40wt%以下とすることで、例えば研磨対象物表面の金属膜(例えばモリブデン膜)を効率よく除去することができる。
研磨パッド10は以上のような構成を有する。図1に示すように、研磨パッド10は円板状であり、その大きさ(径)は研磨装置のサイズ等に応じて決定され、例えば直径数cm〜1m程度とすることができる。また、研磨パッド10の形状は円板状に限られず、矩形状や多角形状、ローラに装着可能な帯状等とすることも可能である。
[研磨パッドの製造方法]
次に、研磨パッド10の製造方法について説明する。
図4に示すように、研磨砥粒を含有する砥粒含有溶液Sを準備する。砥粒含有溶液Sは、樹脂混合溶液R及び研磨砥粒122を含む。樹脂混合溶液Rは、硬化性樹脂膜121を構成する各種硬化性樹脂及び溶媒を含む。
溶媒は砥粒含有溶液Sの粘度を調整するために用いられ、例えば水、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソペンチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸tert-ブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸2-メトキシエチル、酢酸2-エトキシエチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどが用いられる。
樹脂混合溶液Rが不織布112に染み込む時間が、溶媒が揮発し硬化が始まるまでの時間に比べて短くなるように、砥粒含有溶液の粘度を調整する。具体的には、粘度0.1Pa・s 〜100Pa・s程度とするのが好ましい。また、必要に応じて、砥粒含有溶液中の砥粒の分散性を高めるために、界面活性剤等の分散剤を加えても良い。
続いて、図5に示すように、砥粒含有溶液Sを基材11の表面11aに塗布する。塗布方法は特に限定されず、ドクターブレード法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、ロータリー印刷法等の種々の塗布方法が適用可能である。塗布後、図6に示すように、樹脂混合溶液Rの一部は基材11に染み込み、研磨砥粒122は表面11a上に残留する。
続いて、加熱や減圧等により、砥粒含有溶液S中に含まれる溶媒等の揮発成分を除去し、砥粒含有溶液Sを乾燥させる。乾燥後、砥粒含有溶液Sに含まれる硬化性樹脂を硬化させることで硬化性樹脂膜121を形成する。例えば、硬化性樹脂膜121が熱硬化性樹脂の場合、砥粒含有溶液Sを加熱することにより硬化させることができる。また、硬化性樹脂膜121が光硬化性樹脂の場合、砥粒含有溶液Sに光(例えば紫外線)を照射することにより硬化させることができる。硬化性樹脂膜121の硬化により、基材11上に研磨層12が形成される(図2参照)。
以上のようにして作製される研磨パッド10においては、研磨砥粒122が基材11の表面11a(研磨面)に偏在し、表面11aに多くの研磨砥粒122が露出する。したがって、多くの研磨砥粒122を研磨対象物に接触させることが可能となるため、研磨対象物の研磨効率を高めることが可能となる。
一般に、研磨砥粒の多くが基材の内部に存在すると、ごく僅かな研磨砥粒しか研磨面に露出せず、したがって研磨効率の向上は望めない。また、この種の研磨パッドは、研磨により磨耗しても新たな表面を研磨に利用できるタイプのものではなく、当初の研磨面が磨耗すると交換される。このため、基材の内部に存在する研磨砥粒は無駄となり、しかも、ダイヤモンド砥粒は高価であることから、研磨効率の高い研磨パッドを低廉に作製することは困難であった。
これに対して、本実施形態に係る研磨パッド10においては、砥粒含有溶液Sに含まれる研磨砥粒122のほぼ全量を基材11の表面(研磨面)から露出させることが可能であるため、研磨砥粒122の必要量を低減することが可能である。したがって、本実施形態の研磨パッド10においては、研磨効率の向上を図りつつ、製造コストを低減することが可能である。
さらに本実施形態の研磨パッド10によれば、基材11が空隙を有する材料で構成され、内部に複数の空隙を有しているため、研磨対象物表面の研磨時に生じる研磨屑を、研磨層12を介して基材11内部の空隙に収容することができる。このため、研磨層12表面の目詰まりが抑制され、研磨対象物の材質に依存しない、耐久性に優れた研磨パッド10を提供することができる。
特に、研磨対象物が金属あるいはその表面を被覆する金属膜である場合、酸化物材料等と比較して研磨屑の粘りが強いのが一般的である。このような場合においても、本実施形態の研磨パッド10によれば、そのライフサイクルを長くすることができるので、交換頻度が低く、したがって研磨工程の効率化が図れるようになる。
また、研磨対象物が金属膜と非金属膜との積層体のような異種材料の複合物である場合にも本実施形態の研磨パッド10は適用可能である。本実施形態によれば、例えば、ガラス基板上に電極膜や光電変換層(半導体層)等が積層された太陽発電パネルに対して、所望とする領域の積層物を容易に除去することができる。
さらに本実施形態によれば、例えばエアガンから噴射される圧縮エアを研磨面に噴き付けることで、基材11内部の空隙に溜まった研磨屑を容易に除去することができる。これにより、使用済みの研磨パッド10の再生が可能となり、研磨パッド10のライフサイクルの更なる向上が図れることになる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態に係る研磨パッドについて説明する。
図7は本実施形態に係る研磨パッド200の斜視図であり、図8は研磨パッド20の断面図である。図8に示すように、研磨パッド20は、基材11と、研磨層12と、樹脂シート13とを備える。
基材11及び研磨層12の構成は、上述の第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
樹脂シート13は、合成樹脂からなるシートであり、基材11の裏面11bに接合される。樹脂シート13は、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるものとすることができる。また、樹脂シート13は他の合成樹脂からなるものであってもよい。樹脂シート13の厚みは特に限定されず、数mm〜数十mm程度とすることができる。
基材11には、スパンレース法により製造された厚さ0.03〜0.30mmの薄い不織布を用いた。本実施形態においては、樹脂シート13がクッション層として機能するため、基材11は熱硬化性樹脂を通過させ、研磨砥粒を通過させない機能のみ発現すればよい。基材11は、例えばポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布であるものとすることができる。
基材11は、上記のものに限られず、適度な空隙を有する材料であればよい。例えば、発泡ポリウレタンフォーム等の発泡性材料等からなるものや合成樹脂が含浸された不織布、織布又は編地であってもよい。
以上のように構成される本実施形態の研磨パッド20においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。本実施形態によれば、基材11の裏面11bに樹脂シート13を積層することにより、樹脂シート13が基材11を支持し、研磨パッド20に研磨に適した弾性を付与することが可能である。
本発明の実施例及び比較例に係る研磨パッドを作製し、その研磨面および断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。
フェノール系樹脂(PS−F(J−ケミカル社製))とエポキシ系樹脂(K−1430(J−ケミカル社製))を重量比1:1で混合して砥粒含有溶液とし、当該砥粒含有溶液と溶媒(IPA)を重量比9:1で混合して樹脂混合溶液を作製した。樹脂混合溶液にダイヤモンド砥粒(TMD−S 20−25(粒径約18μm、トラストウェル社製))を添加して砥粒含有溶液を作製した。砥粒の添加量は、樹脂重量に対して40wt%とした。
上記砥粒含有溶液を下記の各種基材に塗布し、70℃で30分間加熱して溶媒を除去した。続いて、130℃で20分間加熱して架橋反応を生じさせ、樹脂を硬化させた。
(実施例1)
ポリウレタン樹脂を含浸させたポリエステル不織布を基材とし、基材表面に砥粒含有溶液を塗布して研磨パッドを作製した。図9は実施例1に係る研磨パッドの断面のSEM像であり、図10は同研磨パッドの表面(研磨面)のSEM像である。
図9に示すように、研磨パッドの断面においては、基材Bと研磨層Pが観察された。砥粒含有溶液に含まれていた樹脂混合溶液は一部が基材Bに含浸され、同図に示すように、基材B中に砥粒含有溶液に由来する硬化性樹脂が観察された。図9及び図10に示すように砥粒は研磨層Pに含まれ、研磨パッドの表面に存在している。一方で、砥粒は基材Bの内部には存在していない。
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレート不織布からなる基材に、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる樹脂シートを積層した。不織布の表面に砥粒含有溶液を塗布して研磨パッドを作製した。図11は実施例2に係る研磨パッドの断面のSEM像であり、図12は同研磨パッドの表面のSEM像である。
図11に示すように、研磨パッドの断面においては、樹脂シートB1、不織布B2及び研磨層Pが観察された。砥粒含有溶液に含まれていた樹脂混合溶液は一部が不織布B2に含浸され、同図に示すように、不織布B2中に砥粒含有溶液に由来する硬化性樹脂が観察された。図11及び図12に示すように砥粒は研磨層Pに含まれ、研磨パッドの表面に存在している。一方で、砥粒は基材Bの内部には存在していない。
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる樹脂シートを基材とし、基材表面に砥粒含有溶液を塗布して研磨パッドを作製した。図13は比較例1に係る研磨パッドの断面のSEM像であり、図14は同研磨パッドの表面のSEM像である。
図13に示すように、研磨パッドの断面においては、基材Bと、樹脂層Tが観察された。砥粒含有溶液に含まれていた樹脂混合溶液は基材Bに含浸されず、樹脂層Tを形成している。砥粒は樹脂層Tに埋没しており、図13及び図14に示すように樹脂層Tの表面にほとんど存在していない。
(比較例2)
ポリエステル不織布の表面をプライマー処理したものを基材とし、基材表面に砥粒含有溶液を塗布して研磨パッドを作製した。図15は比較例2に係る研磨パッドの断面のSEM像であり、図16は同研磨パッドの表面のSEM像である。
図15に示すように、研磨パッドの断面においては、基材Bと、樹脂層Tが観察された。砥粒含有溶液に含まれていた樹脂混合溶液は基材Bに含浸されず、樹脂層Tを形成している。砥粒は樹脂層Tに埋没しており、図15及び図16に示すように樹脂層Tの表面にほとんど存在していない。
上記のように、実施例1及び2においては、樹脂混合溶液が基材に含浸されることによって、砥粒が表面に存在する研磨パッドが得られた。このため、高い研磨特性が得られる。一方、砥粒は基材中には存在せず、樹脂混合溶液に含まれていた砥粒が無駄になることが防止されている。
一方、比較例1及び2においては、砥粒は基材中には存在していないものの、樹脂混合溶液が形成した樹脂層に埋没している。このため、これらの研磨パッドは砥粒による研磨特性が得られず、研磨パッドとして機能しないものである。
(実施例3)
以下のように、研磨砥粒の番手(粒径)および付与量(硬化性樹脂膜に対する重量比)を異ならせて、実施例1と同様の構造の複数の研磨パッドのサンプルを作製した。各サンプルは、直径20mmの円形状とした。
サンプル1:番手#800(粒径18μm)、付与量20wt%
サンプル2:番手#800(粒径18μm)、付与量30wt%
サンプル3:番手#800(粒径18μm)、付与量40wt%
サンプル4:番手#400(粒径36μm)、付与量20wt%
サンプル5:番手#400(粒径36μm)、付与量30wt%
サンプル6:番手#400(粒径36μm)、付与量40wt%
研磨対象物として、ガラス基板の表面にDCスパッタ法で成膜された厚み100〜1000nm程度のMo(モリブデン)膜を準備し、上記各サンプルを用いて当該Mo膜の表面を研磨した。研磨方法としては、サンプルの研磨面をMo膜に接触させ、サンプルの背面を指で押しつけながら一軸方向に往復移動させた。研磨条件としては、研磨圧力が約100kPa、研磨回数(往復回数)を15回とした。
図17上は、各サンプルの砥粒の種類を、図17下の左側は、研磨前におけるMo膜および各サンプルの研磨面の様子を、そして、図17下の右側は研磨後におけるMo膜および各サンプルの研磨面の様子をそれぞれ示している。図17下の各図において、円形で示される6つのサンプルの研磨面は左から右へサンプル1〜6の順に並べられ、図17下の右側の図には、Mo膜の研磨後の様子が各サンプルの下方領域に示されている。
図17に示すように、サンプル1〜6のすべてについて、Mo膜に対して一定の研磨あるいは研削効果を認めることができた。サンプル1〜3に着目すると、同じ番手の砥粒でも、砥粒の付与量が大きいほどMo膜に対する研削能力が高いことが確認された(白い領域は下地の基板を示しており、灰色の領域はMo膜が残留していることを示している)。また、サンプル4〜6に示すように、#400の砥粒を用いることで、いずれも同等の研削能力(Mo膜の除去能力)が得られることが確認された。
また図17の結果より、サンプル3〜6に係る研磨パッドによって、基板上のMo膜を研削除去できることが確認された。このことから、研磨砥粒の平均粒径を10μm以上40μm以下、硬化性樹脂膜に対する研磨砥粒の含有割合を10wt%以上40wt%以下とすることで、モリブデン膜を効率よく除去することができることが確認された。
なお本発明者らは、研磨砥粒の上記含有割合が20wt%未満でも、Mo膜に対する一定の研磨能力が得られることを確認した。図18は、砥粒の量がそれぞれ5wt%(左側)および10wt%(右側)のサンプルを用いてMo膜表面を上記研磨条件で研磨したときの様子を示している。
そして、図19は、研磨後の各サンプルの研磨面に対してエアガン(噴射圧力約0.6MPa)による浄化処理を実施したときの、各サンプルの研磨面の様子を示している。図中左側は浄化前の様子を、右側は浄化後の様子をそれぞれ示している。なお、図19左側の図は、図17下の右側の図に相当する。
図19に示すように、研磨面からの研磨屑の除去効果は、各サンプルについて同様に認められた。すなわち、研磨面の再生が可能であり、これによりライフサイクルの向上が図れることが確認された。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、研磨対象物である金属膜としてMo膜を例に挙げたが、これに限られず、これ以外の非鉄系金属膜あるいは鉄系金属膜の研削除去にも、本発明は適用可能である。また、金属膜以外にも金属酸化物等の金属化合物膜あるいはセラミック膜の研削にも本発明は適用可能である。
また、硬化性樹脂膜121に対する砥粒122の含有量は上述したような範囲に限られず、研磨対象物や研磨目的等に応じて適宜変更することが可能である。
さらに上述のように構成される研磨パッド10,20は、典型的には、自転又は公転可能なヘッド部に装着されて使用されるが、この場合、単独で使用されてもよいし、スラリー状の補助研磨材等と組み合わせて用いられてもよい。
10、20…研磨パッド
11…基材
12…研磨層
13…樹脂シート
111…合成樹脂
121…硬化性樹脂膜
122…研磨砥粒

Claims (8)

  1. 研磨対象物の表面に設けられた金属膜を除去するための研磨パッドであって、
    前記研磨対象物に対向する第1の面を有し、不織布と、前記不織布の繊維間に含侵された合成樹脂と有する材料で構成され、空隙を有する基材と、
    前記第1の面に選択的に設けられた硬化性樹脂膜と、前記硬化性樹脂膜に固定され前記金属膜に接触する研磨砥粒とを有する研磨層とを具備し、
    前記空隙は、硬化前の前記硬化性樹脂が通過可能であり、前記研磨砥粒が通過不能な大きさに設けられ、
    前記硬化性樹脂膜の一部が前記第1の面から前記基材に含侵し、
    前記基材に含侵した前記硬化性樹脂膜中よりも、前記研磨砥粒が前記第1の表面で偏在している研磨パッド。
  2. 請求項1に記載の研磨パッドであって、
    前記研磨層は、硬化性樹脂と研磨砥粒とを含む砥粒含有溶液が前記第1の面に塗布され、前記硬化性樹脂が硬化して形成される
    研磨パッド。
  3. 請求項1又は2に記載の研磨パッドであって、
    前記研磨砥粒が前記硬化性樹脂膜によって前記基材の前記第1の面に固定されている
    研磨パッド。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の研磨パッドであって、
    合成樹脂材料で構成されたシート材をさらに具備し、
    前記基材は、前記シート材に接合された、前記第1の面とは反対側の第2の面をさらに有する
    研磨パッド。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の研磨パッドであって
    記研磨砥粒はダイヤモンド砥粒である
    研磨パッド。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の研磨パッドであって、
    前記金属膜は、モリブデン膜を含む
    研磨パッド。
  7. 請求項6に記載の研磨パッドであって、
    前記研磨対象物は、前記金属膜が表面に形成された太陽発電パネルである
    研磨パッド。
  8. 請求項5〜7のいずれか1つに記載の研磨パッドであって、
    前記研磨砥粒の平均粒径は、10μm以上40μm以下であり、
    前記硬化性樹脂膜に対する前記研磨砥粒の含有割合は、10wt%以上40wt%以下である
    研磨パッド。
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