JP2012101298A - 研磨パッド - Google Patents

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泰弘 谷
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Abstract

【課題】レンズ、シリコンウェハ、ガラス基板等の研磨加工を行う際に使用される研磨材に対する一時的な保持力を改善することにより、セリウムのようなレアアース(希少金属)の使用量を軽減でき、研磨能率を向上させることができる研磨パッドを提供する。
【解決手段】繊維により構成された不織布の繊維基材2に、A硬度が70〜100の範囲内であるエポキシ樹脂3を塗布又は含浸させるか、又は不織布の繊維基材2表面にエポキシ基が含有されてなる研磨パッド1。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の表面を研磨するために用いられる研磨パッドに関する。
従来、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板、アルミ基板等の高精度な平坦性が要求される被研磨物では、研磨パッドを用いた研磨加工が行われている。このような高度な平坦性が要求される被研磨物の研磨加工では、一般的に平坦度の調整を主目的とする粗研磨を行った後に、表面粗さを改善することを主目的とする仕上げ研磨が行われる。
これらの研磨加工を行うために用いる研磨パッドとしては、例えば、ウレタン樹脂製の多孔質研磨パッド、繊維を絡合して構成した不織布タイプの研磨パッド、不織布の繊維基材にポリウレタン樹脂を含浸して硬化させたウレタン含浸不織布タイプの研磨パッド(例えば、特許文献1参照)、繊維により構成される不織布や樹脂フィルムからなる基材上にウレタン樹脂溶液を塗布し、これを凝固処理して多数の気泡を有する多孔質の銀面層を形成し、該銀面層の表面を研削して多孔質の研磨層であるナップ層を形成したスエードタイプの研磨パッド(例えば、特許文献2参照)等がこれまで用いられている。被研磨物の表面の研磨を行う際には、例えば、これらの研磨パッドを回転可能な研磨定盤の上に貼り付け、該研磨パッドに研磨ヘッドに保持された被研磨物を押し当てた状態で、研磨パッド上に研磨材である砥粒が分散された研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤及び研磨ヘッドを相対的に回転させることにより研磨を行う。
特開平10−249737号公報 特開2010−149259号公報
しかしながら、特許文献1のように不織布の繊維基材にポリウレタン樹脂を含浸して硬化させた不織布タイプの研磨パッドや特許文献2のように繊維基材上にウレタン樹脂で形成されるナップ層を設けたスエードタイプの研磨パッド等の従来の研磨パッドは必ずしも研磨能率が高いとはいえなかった。また、被研磨物としてレンズ等の光学ガラスや液晶ディスプレイ用ガラス基板の表面を研磨する際には、従来の研磨パッドでは、研磨能率を上げるために研磨材として酸化セリウムが主に使用されるが、セリウムのようなレアアース(希少金属)は、特定産出国への依存度が高いため、使用量を軽減させることが求められている。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、研磨加工を行う際に使用する研磨材に対する一時的な保持力を改善することにより、研磨能率を向上させることができる研磨パッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の研磨パッドは、繊維により構成された不織布の繊維基材にエポキシ樹脂又はエポキシ基が含まれてなることを特徴としている。
請求項2記載の研磨パッドは、前記繊維基材にエポキシ樹脂を塗布又は含浸させていることを特徴としている。
請求項3記載の研磨パッドは、前記繊維をエポキシ樹脂でコーティングし、該繊維同士を熱硬化性樹脂により固定することにより繊維基材を構成することを特徴としている。
請求項4記載の研磨パッドは、前記繊維同士をエポキシ樹脂により固定させることにより繊維基材を構成することを特徴としている。
請求項5記載の研磨パッドは、前記不織布の繊維基材表面にエポキシ基が含有されてなることを特徴としている。
請求項6記載の研磨パッドは、基材上にナップ層が設けられた研磨パッドであって、該ナップ層にエポキシ樹脂が含まれていることを特徴としている。
請求項7記載の研磨パッドは、前記ナップ層にエポキシ樹脂を塗布又は含浸させていることを特徴としている。
請求項8記載の研磨パッドは、前記ナップ層は、エポキシ樹脂により形成されていることを特徴としている。
請求項9記載の研磨パッドは、基材上にエポキシ樹脂が塗布されてなることを特徴としている。
請求項10記載の研磨パッドは、前記エポキシ樹脂は、A硬度が70〜100の範囲内であることを特徴としている。
本発明の研磨パッドによれば、エポキシの官能基によって、研磨材(砥粒)に対する一時的な保持力を向上させることができる。これにより、本発明の研磨パッドを用いて、研磨加工する際に、被研磨物が接する研磨パッドの表面にあるエポキシによって研磨材がしっかりと保持された状態で研磨を行うことができ、研磨パッドに保持された研磨材が被研磨物との相対的な回転に伴って被研磨物に引きずられて動いてしまうことを抑制することができるので、様々な種類の被研磨物に対して研磨能率を向上させることができる。また、このように研磨能率が向上することにより、レンズ等の光学ガラスや液晶ディスプレイ用ガラス基板の表面を研磨する場合には、研磨材として主に用いられる酸化セリウムの使用量を半減させることが可能であり、研磨コストを低減することができる。また、研磨材として酸化セリウムの代わりに酸化ジルコニウムを使用した場合にも、従来の研磨パッドに研磨材として酸化セリウムを使用した場合よりも研磨能率を向上させることができる。
また、本発明によれば、基材上に設けられたナップ層にエポキシが含まれることにより、ナップ層に形成される縦穴による構造的なグリップ力に加えて、エポキシの官能基による化学的親和力によって研磨材を一時的に保持することができる。これにより、研磨材は研磨パッドにしっかりと保持され、研磨加工の際に研磨材が研磨パッドと被研磨物の回転に伴って研磨パッドに保持された研磨材が被研磨物に引きずられて動いてしまうことを抑制できるので、研磨能率を向上させることができる。
また、本発明によれば、A硬度が70〜100の範囲内にある硬度が柔らかいエポキシ樹脂を用いることにより、研磨加工の際に研磨材が研磨パッドと被研磨物の間を滑ってしまうことを防止することができるので、使用される研磨材が比較的小さな仕上げ研磨用の研磨パッドとして特に有効的である。また、このような硬度が柔らかいエポキシ樹脂を用いることにより、研磨加工を行うことによる磨耗を軽減することができる。
また、本発明によれば、エポキシ樹脂を塗布する基材は様々なものを利用することができるので、ユーザの用途に応じた選択が可能であるとともに、従来の基材の硬度をそのまま活かすことができる。また、エポキシ樹脂を用いた場合、ウレタン樹脂を用いた場合に比べて硬化するまでの時間を短縮することができるので、製造効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る研磨パッドの一例を示す概略断面図である。 表面がエポキシ樹脂でコーティングされた繊維を模式的に示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る研磨パッドの一例を示す概略断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る研磨パッドの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る研磨パッドの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明に係る研磨パッドは、従来の不織布タイプの研磨パッドにエポキシ樹脂又はエポキシ基が含まれていること、従来のスエードタイプの研磨パッドにエポキシ樹脂が含まれていること、及び従来の研磨パッドに用いられる様々な基材にエポキシ樹脂が塗布されていること等を主な特徴とするものである。
図1に示すように、第1の実施形態に係る研磨パッド1は、繊維を絡合して構成した不織布の繊維基材2に熱硬化性樹脂を含浸して硬化させた不織布タイプの研磨パッドの表面にエポキシ樹脂を塗布して硬化させることによりエポキシ樹脂膜3を形成したものである。
この研磨パッド1の不織布を構成する繊維としては、一定の強度を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維を単独又は組み合わせたもの等を用いることができ、耐水性、耐薬品性、剛性の観点からポリエステル繊維が好適である。
不織布の繊維基材2に含浸させる熱硬化性樹脂としては、少なくとも一種以上の熱硬化性樹脂よりなれば、特に制限なく用いることができるが、繊維基材への分散性等の観点から、硬化前の熱硬化性樹脂は常温で液状であることが好ましく、例えば、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の少なくとも1種を用いることができる。
このように熱硬化性樹脂が含浸された不織布の繊維基材2の表面へのエポキシ樹脂の塗布の仕方としては、エポキシ樹脂を溶剤に分散させた分散液等をスプレー塗布、スピンコータ塗布、又ははけ塗りする方法等があるが、塗布の仕方は特にこれらに限定されるものではなく、従来公知の塗布方法を適宜用いることができる。また、エポキシ樹脂を分散させる溶剤としては、例えば、MEK(メチルエチルケトン)やIPA(イソプロピルアルコール)等の溶剤を用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
エポキシ樹脂を塗布する際の厚みとしては、少なくも10μm程度の厚みのエポキシ樹脂膜3が形成されるようにしておけば良い。また、塗布するエポキシ樹脂としては、A硬度が70〜100の範囲内であるものを使用するのが好適である。このように硬度が柔らかいエポキシ樹脂を用いることにより、磨耗を軽減することができるとともに、研磨加工の際に研磨材が研磨パッド1と被研磨物の間を滑ってしまうことを防止することができる。また、研磨材に対する一時的な保持力をより高めるために、エポキシ樹脂は、フリーの官能基が多くあるタイプのものを用いることが好ましい。
尚、第1の実施形態に係る研磨パッド1では、不織布の繊維基材2の表面にエポキシ樹脂を塗布して硬化させ、エポキシ樹脂膜3を形成しているが、繊維基材2にエポキシ樹脂を含浸して硬化させることにより繊維基材2にエポキシ樹脂が含有されるように構成しても良い。尚、含浸させるエポキシ樹脂の量は、不織布に含浸されているポリウレタン樹脂等の他の熱硬化性樹脂に対して、少なくとも10%以上の割合が含まれていれば良い。
また、従来から繊維により構成される不織布にポリウレタン樹脂溶液を含浸し、湿式凝固させたポリウレタン樹脂により不織布を結合、固定化させたようなウレタン含浸不織布タイプの研磨パッド等が知られているが、このような研磨パッドにおいてポリウレタン樹脂の代わりにエポキシ樹脂を用いて繊維により構成される不織布を結合、固定化させることにより本発明の研磨パッドを構成することも可能である。
また、第1の実施形態に係る研磨パッド1では、不織布の繊維基材2にエポキシ樹脂を塗布しているが、エポキシ樹脂を塗布する基材はこれに限定されるものではなく、基材として、例えば、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムやベークライト等を使用することも可能である。
本発明の第2の実施形態に係る研磨パッドは、図2に示すように、不織布を構成する繊維21の表面を予めエポキシ樹脂を用いてコーティングすることによりコーティング膜4を形成し、このエポキシ樹脂のコーティング膜4が形成された繊維21をポリウレタン等の熱硬化性樹脂を用いて結合、固定化することにより不織布を構成した研磨パッドである。ここで用いられる繊維21も従来の不織布タイプの研磨パッドと同様に例えば、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維等を用いることができる。
この第2の実施形態に係る研磨パッドの製造方法としては、まずエポキシ樹脂を含む水溶液又は分散液を調製しておき、不織布を構成する繊維21をこれらの水溶液又は分散液の中に浸漬させることにより、繊維21の表面にエポキシ樹脂によるコーティング処理を行う。また、繊維21を水溶液又は分散液の中に浸漬させる代わりに、繊維21の表面に水溶液又は分散液をスプレーすることによりコーティング処理を行うことも可能である。
そして、このようにエポキシ樹脂が表面にコーティングされた繊維21を用いて構成した不織布にポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂の溶液を含浸し、硬化させて熱硬化性樹脂により不織布を結合、固定化させることによりエポキシ樹脂が含有される本発明の第2の実施形態に係る研磨パッドが製造される。
本発明の第3の実施形態に係る研磨パッドは、不織布の繊維基材の表面にエポキシ基が含有されてなるものである。この研磨パッドは、例えば、ポリエステル樹脂からなる繊維により構成される不織布の表面にエポキシ基をグラフト重合させることにより得られる。これにより、研磨パッドの表面にはエポキシ基が含有されているので、この研磨パッドを用いることにより、エポキシ基により研磨材をしっかりと保持した状態で研磨加工を行うことができる。
本発明の第4の実施形態に係る研磨パッド1aは、図3に示すように、基材2aと該基材2a上に厚さ方向に形成させた細長い縦穴(ナップ)51が多数形成されたナップ層5が設けられた所謂スエードタイプの研磨パッドの該ナップ層5にエポキシ樹脂6が塗布されてなるものである。
基材2aは、例えば、繊維により構成される不織布、該不織布にウレタン樹脂等を含浸させたウレタン含浸不織布、又は樹脂フィルム等からなるものである。ナップ層5は、この基材21上にウレタン樹脂をジメチルホルムアミドなどの水溶性有機溶媒に溶解させたウレタン樹脂溶液を塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削することにより形成されている。
研磨パッド1aでは、このナップ層5に対して、エポキシ樹脂を溶剤に分散させた分散液等をスプレー塗布等することにより、ナップ層5の表面及び縦穴51内にエポキシ樹脂6が塗布される。尚、ナップ層5に形成される縦穴51による構造的なグリップ力を活かすために、縦穴51がエポキシ樹脂6によって詰まってしまわないように塗布される。これにより、縦穴51による構造的なグリップ力に加えて、エポキシの官能基による化学的親和力によって一時的に研磨材をしっかりと保持することができるので、研磨能率を向上させることができる。
尚、第4の実施形態に係る研磨パッド1aでは、基材上に設けられるナップ層5にエポキシ樹脂6を塗布されているが、このナップ層5にエポキシ樹脂を含浸させることにより、ナップ層5にエポキシ樹脂が含有されるように構成しても良い。
本発明の第5の実施形態に係る研磨パッド1bは、図4に示すように、基材2aと該基材2a上に厚さ方向に形成させた細長い縦穴(ナップ)71が多数形成されたナップ層7が設けられたものである。
基材2aは、研磨パッド1aの場合と同様に、繊維により構成される不織布、該不織布にウレタン樹脂等を含浸させたウレタン含浸不織布、又は樹脂フィルム等からなるものである。研磨パッド1bでは、この基材2a上にエポキシ樹脂溶液を塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削することにより、エポキシ樹脂からなるナップ層7を形成している。従って、縦穴71もエポキシ樹脂により形成されることになるので、縦穴71による構造的なグリップ力に加えて、エポキシの官能基による化学的親和力によって一時的に研磨材をしっかりと保持することが可能になる。
以上、説明してきた本発明に係る研磨パッドにおける被研磨物としては、例えば、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板、アルミ基板、セラミックス、サファイア等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、様々な被研磨物に対して適宜用いることができる。
また、本発明の研磨パッドを用いて研磨加工を行う際に使用される研磨材としては、例えば、α−アルミナ、中間アルミナ、アルミナゾル、炭化ケイ素粒子、ダイヤモンド、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられ、被研磨物の種類に応じて、これらを1種以上使用することは、研磨速度を向上させる観点から好ましい。また、従来の研磨パッドでは、被研磨物としてレンズ等の光学ガラスや液晶ディスプレイ用ガラス基板の表面を研磨する際、研磨能率を上げるために研磨材として酸化セリウムが主に使用されるが、本発明の研磨パッドでは、研磨材として酸化ジルコニウムを使用した場合でも従来よりも高い研磨能率を達成することができるので、特定産出国への依存度が高いセリウムの使用量を軽減させることができるとともに、研磨コストを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態に従って製造した研磨パッドの実施例及び従来の研磨パッドとの比較について説明する。
(実施例1)
実施例1では、まずウレタン樹脂研磨パッドKSP66A(九重電気株式会社製)の表面にエポキシ系光硬化性樹脂SCR−751(株式会社ディーメック製)30gにIRGACURE1800を1.5g添加させたものを薄く塗布した。尚、この際の塗布厚は約0.1mmとした。その後、紫外線を25分間照射し、上記のエポキシ系光硬化性樹脂を硬化させることにより、表面硬度が78(A硬度)となった本発明の実施例1に係る研磨パッドを製造した。
そして、この研磨パッドを用いて、ソーダガラスの研磨加工を行い、上記のエポキシ系光硬化性樹脂を塗布する前のウレタン樹脂研磨パッドとの研磨能率の比較を行った。研磨条件については、以下に示すような条件で研磨を行った。
(研磨条件)
研磨スラリー:酸化セリウムを3wt%水に懸濁したスラリー
スラリー流量:25mL/min
研磨速度(回転数):60rpm
研磨圧力:200gf/cm
その結果、従来のウレタン樹脂研磨パッドを用いた場合には、研磨能率が0.4μm/minであったのに対して、実施例1の研磨パッドを用いた場合には、0.58μm/minとなり、50%近く研磨能率が向上することが示された。
(実施例2)
また、実施例2では、不織布研磨パッドK0017(株式会社FILWEL製)にエポキシ樹脂基本液状タイプ834に硬化剤としてjERキュアFL052(共にジャパンエポキシレジン株式会社(現三菱化学株式会社)製)を加えたものを含浸させた。その後、140℃で1時間加熱し、硬化させることにより、表面硬度が84(A硬度)となった本発明の実施例2に係る研磨パッドを製造した。
そして、この研磨パッドを用いて、ソーダガラスの研磨加工を行い、上記のエポキシ樹脂基本液状タイプを含浸させる前の不織布研磨パッドとの研磨能率の比較を行った。尚、研磨条件については、上記の実施例1の場合と同様の条件に基づいて研磨を行った。その結果、従来の不織布研磨パッドを用いた場合には、研磨能率が0.6μm/minであったのに対して、実施例2の研磨パッドを用いた場合には、072μm/minとなり、20%も研磨能率が向上することが示された。
このように、本発明に係る研磨パッドによれば、非研磨物を研磨加工する際に被研磨物と接する研磨パッドの表面にエポキシが含まれていることにより、該エポキシの官能基によって、研磨材に対する一時的な保持力が改善され、上記の実施例のように従来の研磨パッドよりも高い研磨能率を達成することができる。
尚、本発明の実施の形態は上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明に係る研磨パッドは、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の非研磨物の表面を研磨するための研磨パッドとして有効に利用することができる。
1、1a、1b 研磨パッド
2 繊維基材
3 エポキシ樹脂膜
4 コーティング膜
5 ナップ層
51 縦穴
6 エポキシ樹脂
7 ナップ層(エポキシ樹脂)
71 縦穴

Claims (10)

  1. 繊維により構成された不織布の繊維基材にエポキシ樹脂又はエポキシ基が含まれてなることを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記繊維基材にエポキシ樹脂を塗布又は含浸させていることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  3. 前記繊維をエポキシ樹脂でコーティングし、該繊維同士を熱硬化性樹脂により固定することにより繊維基材を構成することを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  4. 前記繊維同士をエポキシ樹脂により固定させることにより繊維基材を構成することを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  5. 前記不織布の繊維基材表面にエポキシ基が含有されてなることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  6. 基材上にナップ層が設けられた研磨パッドであって、該ナップ層にエポキシ樹脂が含まれていることを特徴とする研磨パッド。
  7. 前記ナップ層にエポキシ樹脂を塗布又は含浸させていることを特徴とする請求項6記載の研磨パッド。
  8. 前記ナップ層は、エポキシ樹脂により形成されていることを特徴とする請求項6記載の研磨パッド。
  9. 基材上にエポキシ樹脂が塗布されてなることを特徴とする研磨パッド。
  10. 前記エポキシ樹脂は、A硬度が70〜100の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4及び6〜9のいずれか1項に記載の研磨パッド。
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