JP2004311731A - 研磨用パッド及びそれを用いた被研磨物の研磨方法 - Google Patents

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雅也 西山
Yasuo Shimamura
泰夫 島村
Yasuhito Iwatsuki
保仁 岩月
Katsuharu Takahashi
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Abstract

【課題】層間絶縁膜、BPSG膜、シャロー・トレンチ分離用絶縁膜、キャパシタ強誘電体膜、配線用金属膜、その他の被研磨物表面を研磨し平坦化するに当たり、あるいは埋め込み層を形成するに当たり、微細な研磨傷の発生を抑制しながら、研磨を高速に実施することができる研磨用パッドを提供する。
【解決手段】実質的に非発泡である樹脂により有機繊維を固定し有機繊維含有量を50質量%以上としたものであり、表面硬度がショアD硬度60以上であり、研磨作業中におけるパッド表面は、有機繊維の露出した状態を呈し、研磨剤中の粒子の保持機能を有する研磨用パッド;被研磨物の研磨すべき表面を上記の研磨パッドの有機繊維の露出した表面に押し当て、スラリ状態の研磨剤を供給しながら被研磨物と研磨パッドとを相対的に摺動させる研磨方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被研磨物の表面研磨に適用する研磨用パッドとそれを用いた被研磨物の研磨方法に関する。特に、半導体装置等の製造において、CMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨剤と共に用いられるものであり、層間絶縁膜やBPSG膜(ボロン、リンをドープした二酸化珪素膜)の平坦化工程、シャロー・トレンチ分離の形成工程等に使用するのに適した研磨用パッドとそれを用いた研磨物の研磨法に関する。また、本発明は、シリコンウエハ、ハードディスク等を被研磨物とし、その表面研磨をするのにも適した研磨用パッドとそれを用いた研磨物の研磨法に関する。さらに、本発明は、この研磨用パッドを使用して研磨をする被研磨物の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
超々大規模集積回路の実装密度を高めるために、種々の微細加工技術が研究、開発されている。既に、デザインルールは、サブハーフミクロンのオーダーになっている。このような厳しい微細化の要求を満足するために開発されている技術の一つにCMP技術がある。この技術は、半導体装置の製造工程において、露光を施す層を完全に平坦化し、露光技術の負担を軽減し、製造歩留まりを高いレベルで安定させることに寄与する。半導体装置製造工程におけるCMP技術には、素子分離形成、メモリのキャパシタ形成、プラグ及び埋め込み金属配線形成等において溝に埋め込んだ成膜層の余分な成膜部分を除去するためのリセスCMP技術、及び層間絶縁膜成膜後の平坦化CMP技術がある。
【0003】
集積回路内の素子分離形成には、LOCOS(シリコン局所酸化)技術が用いられてきたが、加工寸法のさらなる微細化に伴い、素子分離幅のより小さいシャロー・トレンチ分離技術が採用されつつある。シャロー・トレンチ分離では、基板上に埋め込んだ余分な酸化珪素膜を除くためにCMP技術が必須となる。
【0004】
従来、半導体装置の製造工程においては、プラズマ−CVD(Chemical Vapor Deposition、化学的蒸着法)や低圧−CVD、スパッタ、電解メッキ等の手段により酸化珪素等絶縁膜、キャパシタ強誘電体膜、配線用金属膜を半導体基板上に形成しこれら表面を平坦化するために、また、埋め込み層を形成するために、次のような研磨を実施している。半導体基板表面を研磨用パッドに押し当て、CMP研磨剤スラリを被研磨物と研磨用パッドの間に供給しながら、研磨用パッドを被研磨物との間で相対的に摺動させて研磨を行う。CMP研磨剤としてはフュームドシリカ系及び酸化セリウム系が、研磨用パッドとしては発泡ウレタン系が一般的に用いられている(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、被研磨物に要求される品質・性能が高くなるに伴い、微細な研磨傷の発生も問題となってくるが、発泡ウレタン系パッドによる研磨は、被研磨物に微細な研磨傷を発生させることがある。また、前述の研磨用パッドは研磨速度の高速化には適しているとはいえず、研磨に時間がかかっている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2740143号公報([0018][2207][0028])
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、層間絶縁膜、BPSG膜、シャロー・トレンチ分離用絶縁膜、キャパシタ強誘電体膜、配線用金属膜、その他の被研磨物表面を研磨し平坦化するに当たり、あるいは埋め込み層を形成するに当たり、微細な研磨傷の発生を抑制しながら、研磨を高速に実施することができる研磨用パッドを提供することである。また、この研磨パッドを用いて高速に研磨を実施し、被研磨物を研磨することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る研磨用パッドは、実質的に非発泡である樹脂により有機繊維を固定し有機繊維含有量を50質量%以上としたものであり、表面硬度はショアD硬度60以上である。そして、研磨作業中におけるパッド表面は、有機繊維の露出した状態を呈し、スラリ状態で供給される研磨剤粒子の保持機能を有することを特徴とする。有機繊維は、好ましくはアラミド繊維である。
【0008】
また、本発明に係る被研磨物の研磨方法は、所定の被研磨物の研磨すべき表面を上記の研磨用パッドに押し当て、スラリ状態の研磨剤を供給しながら被研磨物と研磨パッドとを相対的に摺動させ、研磨をすることを特徴とする。この方法によれば、パッド表面上にある研磨剤粒子を効率的に使用し、研磨をすることができる。
【0009】
本発明に係る研磨用パッドは、有機繊維含有量を50質量%以上としたことにより、被研磨物に押し当てる表面に、有機繊維が露出して毛羽立つ。表面に露出して毛羽立った多数の有機繊維の繊維間に、あるいは繊維表面と比較的硬度の高い樹脂層の間に、供給されたスラリ中の研磨剤の粒子が保持され、被研磨物とパッドとの間で効率的に研磨に寄与することができ、また、ショアD硬度60以上の樹脂表面が研磨剤粒子をバックアップするので、研磨速度を上げることが可能になる。パッド表面に研磨剤粒子が保持される結果、そこにある研磨剤粒子の濃度は供給される研磨剤粒子の濃度より高くなり、このような状態で研磨作業が効率よく進行する。この効果は研磨剤粒子が大きいほど顕著で、CMP研磨剤としてはフュームドシリカ系よりも粒子の大きな酸化セリウム系のほうが効率が高い。また、パッド表面は実質的に非発泡であるため、研磨作業終了後は、保持していた研磨剤粒子を研磨機に付属するパッドコンディショナ(ダイヤモンド砥粒によるドレッサなど)や水洗にて除去することが容易であり、パッド表面を常に一定の状態に保つことができる。
【0010】
尚、これまで、表面に微少な発泡孔を有するポリウレタン系パッドや発泡ポリウレタンで有機繊維を固定したパッドは存在するが、前者は表面の硬さが低くスラリ状態で供給される研磨剤粒子の保持能力も不十分であり、後者は研磨剤粒子の保持能力は期待できるものの表面の硬さはショアD硬度20以下と低く、いずれの場合も研磨速度を高めることができない。また、発泡孔に侵入した研磨剤粒子は、容易に取除くことは難しい。
【0011】
【発明の実施の形態】
上述したように、本発明は、樹脂で固定され表面に露出した有機繊維がスラリ粒子を保持し、研磨を高速に行なうのに有効であることを見出し、なしたものである。
本発明の研磨パッド中の有機繊維含有率は、50質量%以上であり、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%である。有機繊維含有率が50質量%未満であると、露出繊維によるパッド表面でのスラリ粒子の保持能力が低下し、研磨速度が低下する。また、研磨時の被研磨物の表面の傷の発生も増加する。
本発明において、研磨パッドのショアD硬度とは、表面に有機繊維を露出させる前の研磨パッドを用い、常温(20℃)において測定した硬度を言う。本発明の研磨パッドのショアD硬度は60以上であり、60〜95であることが好ましく、70〜95であることがより好ましい。ショアD硬度が60未満であると、被研磨物の平坦化効率が低下する。
【0012】
有機繊維は、アラミド、ポリエステル、ポリイミド等の材質の有機繊維であり、単繊維を所定長に切断したチョップやチョップを叩解したパルプが個々に独立した状態のまま樹脂中に存在してもよいし、織布や不織布の形態で樹脂中に存在してもよい。不織布形態の有機繊維は、樹脂によりしっかりと固定され、良好な毛羽立ち状態を呈する。研磨用パッド表面の毛羽立ちを均一にするために、表面に織り目が現れないのも好ましい。
【0013】
有機繊維として、アラミド繊維の選択(単独で用いるか又は主たる繊維として用いる)は好ましいものである。その理由は、アラミド繊維は一般的な有機繊維に比べてせん断強度が高く、パッド表面を前述のパッドコンディショナなどで荒らしたときに、その表面に研磨剤粒子を保持するのに適した充分な長さの繊維の露出が得られるからである。さらに、アラミド繊維にはパラ系とメタ系があり、パラ系アラミド繊維はメタ系アラミド繊維より繊維自体の力学的物性値(引張り強度など)が高いので、パラ系アラミド繊維の選択は研磨用パッドの摩耗消耗を抑制して寿命を延ばす上で好適である。パラ系アラミド繊維は、メタ系アラミド繊維より吸湿性も小さいので、水分のある研磨環境に好適である。パラ系アラミド繊維としてはポリp−フェニレンテレフタラミド繊維とポリp−フェニレンジフェニルエーテルテレフタラミド繊維が市販されており、これらが一般的である。
有機繊維の繊維径には特に制限はなく、通常1mm以下のものを使用でき、50μm以下のものが好ましい。有機繊維の繊維径は、好ましくは1μm〜1mm、より好ましくは10〜50μmである。
【0014】
有機繊維を固定するための樹脂は、特に熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。熱硬化性樹脂は、熱可塑性の樹脂等に比べ弾性率が高いため、研磨やドレッシングによる摩耗が少なく耐久性に優れるからである。さらに、有機繊維との接着性に優れるエポキシ樹脂を使用することが好ましく、エポキシ樹脂の脆さを低減するために、ゴム成分などの可撓化成分を加え変性したエポキシ樹脂も好ましい。熱硬化性樹脂として例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を使用できる。熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、通常は硬化剤、硬化促進剤等を配合する。硬化剤としては、ジシアンジアミド、有機酸、有機酸無水物、ポリアミン等を用いることができ、硬化促進剤としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール等を用いることができる。
【0015】
本発明の研磨用パッドは、例えば、有機繊維を含有する樹脂含浸シート状繊維基材、あるいは樹脂含浸シート機材及び樹脂未含浸シート状繊維基材を用い、これらを加熱加圧成形することによって一体化することで製造することができる。このようにすることにより、実質的に非発泡である研磨用パッドを得ることができる。樹脂含浸シート状繊維基材は、樹脂未含浸シート状繊維基材に樹脂を含浸させたもので、通常プリプレグと呼ばれるものである。プリプレグの作製法は特に限定されるものではないが、有機溶剤に上記樹脂成分を溶解したワニスを作製し、樹脂未含浸シート状繊維基材に含浸後、加熱乾燥することで得ることができる。溶剤の種類は、樹脂を均一に溶解するものであれば、特に制限なく使用できる。加熱加圧成形において、加熱温度は、通常150〜200℃であり、圧力は50〜500kPaである。これらは、使用する熱硬化性樹脂の種類、含有率により調整が必要である。
【0016】
本発明の研磨用パッドの厚みは、0.1〜5mmであることが好ましく、0.5〜2mmであることがより好ましい。これを所定の研磨機の定盤形状にあわせ加工することで最終製品とする。一例として、円形状に切り出すことで製品とすることができる。また、上記パッドの研磨面に、NC旋盤等を使用し、同心円状、格子状等の溝を形成してもよい。
【0017】
研磨用パッド表面に有機繊維を露出させる方法としては、ドレッシング処理、すなわち、ダイヤモンド等の砥石を用いてパッド表面の樹脂を削り取り、繊維を露出させる方法をとることができる。砥石の代わりに、ワイヤーブラシ、メタルスクレーバ、樹脂ブラシ、ガラス、あるいはセラミックスプレートを使用してもよい。表面に露出する有機繊維の長さは3mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。例えば、10μm〜3mmであることが好ましく、10μm〜1mmであることがより好ましく、50〜500μmであることが更に好ましい。
【0018】
本発明に係る研磨パッドを使用して被研磨物を研磨する場合、研磨装置の種類には制限はなく、円盤型研磨装置、リニア型研磨装置のいずれにも適用可能であるが、半導体基板(被研磨物)を保持するヘッドと研磨用パッドを貼り付けた定盤(回転数が変更可能なモータ等に装着してある)を備えた構成が一般的である。研磨条件に制限はないが、半導体基板を研磨する場合、定盤の回転速度は、半導体基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましく、研磨用パッドを半導体基板に押し当てる圧力は研磨後に傷が発生しないように50kPa以下が好ましい。研磨している間、研磨用パッドと半導体基板との間へは、研磨剤スラリをポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨用パッドの表面が常に研磨剤スラリで覆われている状態にすることが好ましい。
【0019】
尚、研磨用パッドは、研磨機に装着後、前述の研磨機付属のパッドコンディショナなどで表面を荒らしてやることにより、有機繊維が露出し毛羽立った状態となるが、研磨工程の初期段階で有機繊維の毛羽立ち状態が呈されるよう、成形した研磨用パッドの表面を事前に機械的に粗化して、有機繊維の露出と毛羽立ちを促進しておいてもよい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で十分に洗浄後、スピンドライヤ等を用いて表面に付着している水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
有機繊維として、以下のものを準備した。
[アラミド繊維不織布]
パラ系アラミド繊維チョップ(繊維径:12.5μm、繊維長:5mm、デュポン製「ケブラー」)とパラ系アラミド繊維パルプ(繊維径:1μm、繊維長:1mm、デュポン製「ケブラー」)とメタ系アラミド繊維チョップ(繊維径:25μm、繊維長:6mm、軟化温度280℃、帝人製「コーネックス」)を混抄し、水溶性エポキシ樹脂バインダ(ガラス転移温度110℃、大日本インキ化学工業(株)製、商品名「Vコート」)の20質量%水溶液をスプレーして加熱乾燥し、さらに、一対の熱ロール間に通すことにより加熱圧縮し、メタ系アラミド繊維チョップをパラ系アラミド繊維チョップに熱融着した不織布である。単位質量70g/m、パラ系アラミド繊維チョップ/パラ系アラミド繊維パルプ/メタ系アラミド繊維チョップ/エポキシ樹脂バインダの配合質量比58/17/8/17である。
【0021】
プリプレグとして、以下のものを準備した。
先ず、トリレンジイソシアナート90重量部とトリエチレンオキシド11重量部を混合し反応させたウレタン樹脂ワニス(A)(樹脂濃度60質量%、溶剤:メチルエチルケトン)と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して硬化剤としてジシアンジアミド20重量部を配合し硬化促進剤として2−エチル−4メチルイミダゾール0.1重量部を配合したビスフェノールA型エポキシ樹脂ワニス(B)(樹脂濃度:60質量%、溶剤:メチルエチルケトン)を準備した。
【0022】
[プリプレグ(1)]
ワニス(A)をアラミド繊維不織布に含浸し加熱乾燥してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のアラミド繊維含有率は50質量%である。
[プリプレグ(2)]
ワニス(B)をアラミド繊維不織布に含浸し加熱乾燥してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のアラミド繊維含有率は50質量%である。
[プリプレグ(3)]
ワニス(B)をアラミド繊維不織布に含浸し加熱乾燥してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.19mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のアラミド繊維含有率は27質量%である。
[プリプレグ(4)]
ワニス(B)をアラミド繊維不織布に含浸し加熱乾燥してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.11mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のアラミド繊維含有率は45質量%である。
[プリプレグ(5)]
ワニス(B)をガラス繊維織布(単位重量:107g/m、旭シュエーベル製「GC−216」)に含浸し加熱乾燥してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整したものである。
【0023】
実施例1
プリプレグ(1)を15枚重ねたプリプレグ層の両表面に離型フィルム(50μm厚のポリプロピレンフィルム)を配置しこれをステンレス製鏡面板に挟み込み、その複数組をプレス熱盤間に投入し、熱盤との間にはクラフト紙層からなる厚さ10mmのクッション材を介在させて加熱加圧成形(温度170℃、圧力300kPa)し、厚さ1.5mmの積層板を得た。
【0024】
実施例2
プリプレグ(2)を15枚使用し、実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。
【0025】
実施例3
プリプレグ(2)1枚と樹脂未含浸のアラミド繊維不織布2枚を交互に重ね合わせ、全体でプリプレグ(2)を8枚、樹脂未含浸のアラミド繊維不織布を14枚使用して実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。積層板全体の繊維含有率は73質量%である。
【0026】
従来例1
発泡ポリウレタン系樹脂からなる研磨用パッド(厚み1.5mm、ロデール製「IC−1000」)である。
【0027】
比較例1
ポリエステル繊維と発泡ポリウレタン系樹脂からなる研磨用パッド(厚み1.5mm、ロデール製「Suba400」である。)
【0028】
比較例2
プリプレグ(3)を8枚使用し、実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。
【0029】
比較例3
プリプレグ(4)14枚を使用して実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。積層板全体の繊維含有率は45質量%である。
【0030】
比較例4
プリプレグ(5)を15枚使用し、実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。
以上の各例における研磨用パッドの仕様を表1に纏めて示す。
【0031】
【表1】
Figure 2004311731
【0032】
上記各実施例、及び比較例2から4における研磨用パッド材に、パッドからのウェハの脱着性を上げる為に格子状の溝加工を行った。(溝幅:2mm、溝深さ:0.6mm 溝間隔:15mm)従来例1も同サイズの溝構造をもつ。比較例1は溝をもたない。これら研磨用パッドとCMP研磨剤により、シリコンウエハ(φ200mmのSi基板上に1000nm厚の酸化珪素膜をTEOS−プラズマCVD法で形成したブランケットウエハ)の研磨を次のように実施した。
【0033】
研磨装置は荏原製EPO−111を使用し、各研磨用パッドφ600mmを定盤上に貼付けて固定する。各研磨パッドは研磨機に付属するパッドコンディショナ(ダイヤモンド砥粒:#200)を用いて荷重200Nにて10分間、表面を荒らした。研磨用パッドの表面に露出した有機繊維の長さは、実施例1が500μm、実施例2が300μm、実施例3が300μm、比較例2が300μm、比較例3が300μm、比較例4が50μm以下であった。上記シリコンウエハを研磨機にセットし、ヘッド部に保持する。前記シリコンウエハの酸化珪素膜面をヘッドに保持したまま研磨用パッドに当接して、研磨荷重を30kPaに設定する。酸化セリウム研磨剤スラリ(固形分:5質量%)を40mL/minと添加剤(濃度3質量%)を160mL/minの量で混合して定盤上に滴下しながら、定盤及びウエハを両者同一方向に75rpmで1分間回転させて、酸化珪素膜を研磨する。そして、研磨後のシリコンウエハを純水で十分に洗浄後、乾燥する。
【0034】
研磨を次の観点から評価し、その評価結果を表2に示す。
研磨剤粒子保持量:研磨後の研磨用パッドを研磨剤スラリが残っている状態にて乾燥し、スラリ中の砥粒のみをパッド表面上に残留させ、パッド表面を元素分析することにより、残留している粒子を定量した。
研磨傷数:シリコンウエハ酸化珪素膜表面全体を光学的にスキャンし、検出部を顕微鏡観察し研磨傷をカウントする。
研磨速度:研磨前後の酸化珪素膜厚差を光干渉式膜厚測定装置により測定し、酸化珪素膜厚の平均研磨速度を求める。
耐久性:従来例の研磨用パッドの使用寿命を100とした指数で示す。
【0035】
【表2】
Figure 2004311731
【0036】
表2の評価結果から、本発明に係る研磨用パッドを用いることにより、研磨速度を速くでき、しかも研磨傷の発生を抑制できることが分かる。比較例1は、ショアD硬度を60以上にしないと、研磨速度を速くできないことを示している。比較例2、3は、有機繊維含有量を50質量%以上にしないと、有機繊維の効果を発揮させてスラリ中の研磨剤粒子を保持し、研磨速度を向上させることができず、また研磨傷の発生を抑制できないことを示している。
また、実施例2と実施例3の対照から、樹脂未含浸の有機繊維基材をプリプレグと併用することにより、繊維含有量が増加し、より研磨傷の発生を抑制できることが分かる。
【0037】
上記本発明の実施例に係る研磨用パッドは、シリコンウエハやハードディスクなどの製造工程において、その表面を研磨するために用いても、研磨傷の発生を抑制しながら、高速に研磨を実施することができる。
【0038】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る研磨用パッドを使用することにより、研磨速度を速くすることができる。併せて、被研磨物の微細な研磨傷の発生を抑制することもできる。そして、これらによって、被研磨物の生産歩留まり向上を図れ、大幅なコスト低減が可能となる。
有機繊維として、強度の高いアラミド繊維を選択することにより、パッド表面に研磨剤中の粒子保持に良好な露出繊維を得ることができ、上記効果の高い研磨パッドが可能となる。

Claims (3)

  1. 被研磨物表面を研磨するためのパッドであって、
    当該パッドは、実質的に非発泡である樹脂により有機繊維を固定し有機繊維含有量を50質量%以上としたものであり、表面硬度がショアD硬度60以上であり、研磨作業中におけるパッド表面は、有機繊維の露出した状態を呈し、スラリ状態で供給される研磨剤中の粒子の保持機能を有することを特徴とする研磨用パッド。
  2. 有機繊維がアラミド繊維であることを特徴とする請求項1記載の研磨用パッド。
  3. 所定の被研磨物の研磨すべき表面を請求項1又は2記載の研磨パッドの有機繊維の露出した表面に押し当て、スラリ状態の研磨剤を供給しながら被研磨物と研磨パッドとを相対的に摺動させ、研磨することを特徴とする被研磨物の研磨方法。
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