JP2002059358A - 研磨用パッドおよびそれを用いた研磨装置ならびに研磨方法 - Google Patents

研磨用パッドおよびそれを用いた研磨装置ならびに研磨方法

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JP2002059358A
JP2002059358A JP2000253474A JP2000253474A JP2002059358A JP 2002059358 A JP2002059358 A JP 2002059358A JP 2000253474 A JP2000253474 A JP 2000253474A JP 2000253474 A JP2000253474 A JP 2000253474A JP 2002059358 A JP2002059358 A JP 2002059358A
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polishing
pad according
sheet
water
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Masaaki Shimagaki
昌明 島垣
Naoshi Minamiguchi
尚士 南口
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被研磨物表面へのダスト付着性を少なくし、ス
クラッチ傷の低減を果たし、更に平坦化特性をも両立さ
せること、さらに、凹凸加工する前の半導体ウェハー自
身の微細な凹凸、すなわちwavinessや、nan
otopologyなどと表現される欠陥を簡単な研磨
方法で取り除くことをその課題とする。 【解決手段】親水性であって、かつ実質的に水に不溶の
シート状物を含有する熱硬化性高分子マトリクス樹脂か
らなることを特徴とする研磨パッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加工砥粒を含む研磨
液を供給しながらおよび/または砥粒を含まない研磨液
を供給しながら、被加工物を回転する弾性パッドに押し
つけ、相対運動を行わせながら、被加工物表面を鏡面に
仕上げるための、もしくは被加工物表面の凹凸の凸の部
分を研磨材で優先的に研磨するための、化学機械研磨
(CMP)などに用いられる研磨パッドおよびそれを用
いた研磨装置ならびに研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高度に集積度を増した半導体を製造する
に当たり多層配線を実現するためには、絶縁膜の表面を
完全に平坦化する必要がある。これまでに、この平坦化
法の代表的な技術として、SOG (Spin-On-Glass )
法や、エッチバック法(P.Elikins,K.Reinhardt,and R.
Layer,"A planarization process for double metalCMO
Susing Spin-on Glass as a sacrificial layer,"Proce
eding of 3rd InternationalIEEE VMIC Conf.,100(198
6))、そして、リフトオフ法(K.Ehara,T.Morimoto,S.M
uramoto,and S.Matsuo,"Planar Interconnection Techn
ology for LSI FabricationUtilizing Lift-off Proces
s",J.Electrochem Soc.,Vol.131,No.2,419(1984).)な
どが検討されてきた。
【0003】SOG 法に関して、これはSOG 膜の流
動性を利用した平坦化法であるが、これ自身で完全平坦
化を実施することは不可能である。また、エッチバック
法は、もっとも多く使われている技術であるが、レジス
トと絶縁膜とを同時にエッチングすることによるダスト
発生の問題があり、ダスト管理の点で容易な技術ではな
い。そして、リフトオフ法は、使用するステンシル材が
リフトオフ時に完全に溶解しないためにリフトオフでき
ないなどの問題を生じ、制御性や歩留りが不完全なた
め、実用化に至っていない。
【0004】そこでCMP法が近年注目されてきた。こ
れは被加工物を回転する弾性パッドに押しつけ、相対運
動を行わせながら、被加工物表面の凹凸の凸の部分を研
磨パッドで優先的に研磨する方法であり、プロセスの簡
易性から今では広く利用されている。
【0005】また近年は、凹凸加工する前の半導体ウェ
ハー自身が持つ微細な凹凸、すなわち、wavines
sや、nanotopologyなどと表現される従来
問題がなかった表面欠陥が問題になり、両面研磨法、ア
ルカリを流しながら研磨する方法などが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら懸かるC
MP法において、被研磨物表面に発生する、スクラッチ
傷、ダストの付着、グローバル平坦性不良等の問題が挙
げられる。例えば層間絶縁膜等の被研磨面にこのような
ダストの付着やスクラッチ傷が発生すると、後工程でこ
の上にAlやCu系金属等による配線を形成した場合
に、段切れ等が発生し、エレクトロマイグレーション耐
性の劣化等の信頼性の低下が発生するおそれがある。ま
たHDD(Hard DiskDrive)用非磁性基
板等の研磨において、ドロップアウト等、再生信号欠落
が発生する原因となる。スクラッチ傷の発生は、研磨粒
子の分散不良による凝集塊に起因するものと考えられて
いる。特に、金属膜のCMPに用いられる、研磨粒子と
してアルミナを採用した研磨スラリは分散性が悪く、ス
クラッチ傷を完全に防止するに至っていない。ダストの
付着に関してはその原因さえよくわかっていないのが現
状である。常識的にはグローバル平坦性を良くするため
には硬質の研磨パッドが望ましいが、逆にダストの付着
やスクラッチ傷が起こり易くなるために、両者を両立す
ることはできないと考えられている。例えば、特表平8
−500622号公報や、特開2000−34416号
公報などにおいてそのための試みがなされているが、ダ
スト付着・スクラッチ傷と平坦化特性を両立するに至っ
ていない。
【0007】本発明は上述した問題点の中で特に被研磨
物表面へのダスト付着性を少なくし、スクラッチ傷の低
減を果たし、さらに平坦化特性をも両立させることをそ
の課題とする。
【0008】さらに、凹凸加工する前の半導体ウェハー
自身の微細な凹凸、すなわち、wavinessや、n
anotopologyなどと表現される欠陥を簡単な
研磨方法で取り除くことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、下記の構成を有する。すなわち、 (1)親水性であって、かつ実質的に水に不溶のシート
状物を含有する熱硬化性高分子マトリクス樹脂からなる
ことを特徴とする研磨パッド。
【0010】(2)シート状物の含量が3wt%以上で
あることを特徴とする前記(1)記載の研磨パッド。
【0011】(3)シート状物が実質的に空隙を有さな
い状態で含有されていることを特徴とする前記(1)ま
たは(2)記載の研磨パッド。
【0012】(4)公定水分率が3%以上であるシート
状物を用いることを特徴とする前記(1)ないし(3)
のいずれかに記載の研磨パッド。
【0013】(5)公定水分率が5%以上であるシート
状物を用いることを特徴とする前記(1)ないし(4)
のいずれかに記載の研磨パッド。
【0014】(6)シート状物が、不織布状、織物状、
編み物状、フエルト状、多孔膜状、フィルム状、および
スポンジ状の少なくとも1つから選ばれてなるものであ
ることを特徴とする前記(1)ないし(5)のいずれか
に記載の研磨パッド。
【0015】(7)シート状物の外側にさらに空隙を有
することを特徴とする前記(1)ないし(6)のいずれ
かに記載の研磨パッド。
【0016】(8)無機微粒子を含むことを特徴とする
前記(1)ないし(7)のいずれかに記載の研磨パッ
ド。
【0017】(9)シート状物が、2枚以上の積層体か
らなることを特徴とする前記(1)ないし(8)記載の
研磨パッド。
【0018】(10)積層体の層ごとの厚みが1μm以
上であることを特徴とする前記(9)に記載の研磨パッ
ド。
【0019】(11)層ごとにマトリックス樹脂の樹脂
含有率および/または種類が異なることを特徴とする前
記(9)または(10)に記載の研磨パッド。
【0020】(12)層ごとにシート状物の厚みおよび
/または種類が異なることを特徴とする前記(9)ない
し(11)のいずれかに記載の研磨パッド。
【0021】(13)水溶性物質をさらに含むことを特
徴とした前記(1)ないし(12)のいずれかに記載の
研磨パッド。
【0022】(14)水溶性物質を0.01wt%から
10wt%含むことを特徴とする前記(13)記載の研
磨パッド。
【0023】(15)前記(1)ないし(14)のいず
れかに記載の研磨用パッドを用いることを特徴とする研
磨装置。
【0024】(16)前記(1)ないし(14)のいず
れかに記載の研磨用パッドを用いることを特徴とする研
磨方法。
【0025】(17)前記(1)ないし(14)のいず
れかに記載の研磨用パッドを用いて加工したことを特徴
とする半導体ウェハおよび半導体チップの製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明についてさらに詳細に
説明する。
【0027】本発明は、親水性であって、かつ実質的に
水に不溶のシート状物を積層したことによって、従来ト
レードオフの関係にあった、ダスト付着やスクラッチ傷
を起こさず、研磨パッド自体を高硬度化でき、曲げ弾性
率を従来技術からなる研磨パッドに比べ、飛躍的に大き
くすることができるため、きわめて良い平坦化特性を実
現できる。
【0028】親水性であって、かつ実質的に水に不溶の
シート状物を積層することで、研磨パッド表面の濡れ性
が良くなり、詳細なメカニズムはわからないが被研磨物
表面へのダスト付着が少なくなる。それに伴い、スクラ
ッチ傷を低減できると考えている。このとき親水性有機
物からなるシート状物は水に不溶なため、研磨に用いら
れる遊離砥粒を含むと含まざるとに関わらず、その分散
液の性状に対し変化を与えることがないため、良好に研
磨が行える。
【0029】実質的に水に不溶であるとは、25℃の水
に対する溶解度が1%以下のものを指す。
【0030】親水性とは基本的に樹脂の中に水を吸水す
る性質の表現であって、マクロな樹脂間の空隙に水を抱
え込むことを意味したものではない。すなわち親水性を
評価するときには、水に24時間浸漬した後の水中から
取り上げた試験片を密封容器に取り1400Gから14
50Gの遠心力を30秒かけ水分を振り切った状態で吸
湿重量を測定した。重量増加率は以下の式(1)に従っ
て求めたものである。
【0031】 重量増加率(%)={(吸湿重量−乾燥重量)/乾燥重量}×100(式1) ここで親水性とは、50℃の水に24時間浸漬したとき
の重量増加率が2.0%以上の特性を指す。本発明で
は、重量増加率は5.0%程度以上がさらに好ましい。
高くなりすぎると今度は、研磨の最中にも研磨パッドの
膨潤が起こり、研磨パッド表面の平坦性が損なわれるこ
とで、研磨速度のばらつきが大きくなり好ましくない。
さらに体積膨潤率が大きい場合は研磨パッド自身の強度
が研磨中に大きく劣化するため良くない。最大でも、重
量増加率は15%以下が好ましく、通常は10%以下が
好ましい。
【0032】さらに定量的表現として、公定水分率で表
現する。これは、湿度65%、温度20℃での水分率を
表し、以下の式で求められる。
【0033】 公定水分率(%)={(吸湿重量-乾燥重量)/乾燥重量}×100(式2) また、水吸収率とは、25℃の水中に浸漬したときの1
0分後の水分率であって 水吸収率(%)={(吸湿重量-乾燥重量)/乾燥重量}×100(式3) で表す。
【0034】水吸収の速度は速い方が望ましく、10分
以内に飽和に達することが望ましいが、その変化が24
時間で90%起これば、この樹脂を適用することはでき
る。ただし、水吸収率が10000%を越えるとパッド
自体の変形が起こりまたは、研摩面の歪みが大きくなり
すぎるため使用できない。好ましく6000%以内であ
り、さらに好ましくは3000%以内である。
【0035】公定水分率は、1%程度以上のものから使
用できるが、好ましくは3%以上のものが使用される。
さらにダスト付着を抑えるためには、5%以上が好まし
く、7%以上のものでは、粒子およびまたは繊維状物の
混合量を低下することができるためさらに好適に使用で
きる。
【0036】親水性で実質的に水に不溶のシート状物の
混合量は、上記公定水分率、水吸収率によって左右され
るが、基本的に公定水分率、水吸収率が大きい場合は少
なくでき、小さい場合は多くする必要が生じるが、3重
量%以上であることが好ましい。混合量が3重量%未満
では十分効果を発揮できないが、これ以上であればダス
トの付着やスクラッチ傷を少なくできる。混合比率が少
ないとその効果は小さく、多いとその効果は大きくなる
が、パッドの物性が悪化する場合が多い。すなわち、パ
ッドの持つ硬度は下がり、曲げ強度が弱く脆性破壊しや
すくなる。このため、好適には5から60重量%のもの
が使われ、さらに好適には、20から50重量%のもの
が用いられる。有機高分子マトリクスとして用いられる
樹脂の比重によっても左右されるが、配合比は適宜調整
することができる。
【0037】親水性で実質的に水に不溶のシート状物と
は、不織布状、織物状、編み物状、フエルト状、多孔膜
状、スポンジ状、フィルム状から選ばれる少なくとも1
つからなるものであることが好ましい。不織布状とは、
繊維を交絡させた広義の布を指すが、歪んでいたり、凹
凸があっても良い。不織布状、織物状、編み物状、フエ
ルト状のものも、繊維状物から得られる。繊維状物と
は、長軸と短軸の比が10を越えるような、長細い形状
のものを指す。多孔膜状、スポンジ状とは、2次元的お
よびまたは3次元的に開孔した、空隙率が大きい広義の
膜を意味し、フィルム状とは、実質開孔部がないものを
意味する。
【0038】これらを構成する繊維の直径(球以外の場
合最大径を指す)は、100μm以下が好ましく、50
μm以下がさらに好適に使われ、2から20μm程度が
好適に使われる。極細繊維では2μmを切る直径のもの
もあり、これらを用いるのが便利である。直径が大きい
と、マトリックスからの離脱が多くなり、研磨パッドと
しての耐久性が減じやすく好ましくない。繊維状物は中
空糸状あってもかまわない。またその断面形状は円、楕
円、星形などの合成繊維あるいは新合繊として提案され
ているいかなる形状のものであってもかまわない。多孔
膜状、スポンジ状のものは、孔と孔の間が細い柱で連結
されるが、通常その直径は10nmから1mm程度まで
存在する。しかし、その大きさにはこだわることはな
い。全体積の中で空隙を占める割合、すなわち空隙率が
25%を越える高いものを用い、厚さ方向に圧縮して成
形することで、厚み方向のばらつきを抑えることができ
好適に用いられる。またフィルム状のものは、積層体の
個々の層を分離する層(分離層)を形成するのに好適に
用いられる。特に1μmを切るような超薄フィルムにつ
いては、不織布状、織物状、編み物状、フエルト状、多
孔膜状、スポンジ状のシート状物と同様に使用できる。
なお、上記における空隙率は、嵩比重と実比重の比から
求めたものである。
【0039】本発明においてはシート状物が実質的に空
隙を有さない状態で含有されていることが好ましい。こ
の空隙は、50倍の光学顕微鏡による観察に基づくもの
である。空隙を有する場合は、シート状物表面がシート
状物固有の色であり、マトリックス樹脂に由来した着色
は見られない。
【0040】これらシート状物は1枚で用いられるか、
もしくは複数枚積層され、ひとつの研磨パッドを形成す
る。このため、本発明による研磨パッドは、曲げに対す
る強度が極めて高く、極めて割れを生じることが少な
い。厚みの大きいシート状物を用いることで1枚で研磨
パッドを形成することももちろん可能である。1枚当た
り1μm程度およびまたはこれより厚みがある層を形成
し、複数層重ね合わせた方が、研磨特性の安定性は高
く、なおかつ研摩面の状態を精巧に制御できる研磨パッ
ドを形成しやすくなる。通常は5μm以上が使われ最適
には100から300μmが用いられる。各層の厚みや
材質が同じである必要はなく、1層ごとにマトリクス樹
脂の樹脂含有率および/または種類を変えたり、層ごと
にシート状物の厚みおよび/または種類を変えること
で、研磨パッドを精密に設計できる。
【0041】例えば、発泡ポリウレタンや、ゴムシート
などからなるクッション層を用いて、研磨層部分、クッ
ション層部分、分離層部分をセットにしてそれを複数層
積層することで、研磨パッドを研磨定盤に1度貼りつけ
れば、従来の何倍もの長期にわたってパッド交換を行わ
なくても良い長寿命研磨パッドを提供できる。分離層を
設けることで研磨層部分が研磨液に接触したり、研摩面
から浸潤してきた研磨分散液に接触することもなく、ド
レッシングによって形成されたバージン面をもって研磨
できるため、極めて高い研磨安定性を得ることができ
る。また、層間絶縁膜、メタル研磨が交互に必要な場合
も、用途に最適の例えば層間絶縁膜研磨には非常に硬い
層を用い、メタル研磨用には柔らかい層が使えるように
順序を決めて成型することもできる。このように本発明
によれば、製造のためのスループット向上にも繋がり、
トータルコストダウンにも有効である。
【0042】研磨パッドを構成する樹脂、有機高分子マ
トリクスとしては、ポリウレタン系、エポキシ系、フェ
ノール系、メラミン系、ユリア系、ポリイミド系などの
熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂の
混合体(アロイ化も含む)や、共重合、グラフト、変性
品などの改質技術をも用いることができる。本発明にお
いて研磨パッドを構成する樹脂は、所望の硬度、弾性
率、耐摩耗性を基礎に、適宜選択すればよい。この場合
も、上記熱可塑性樹脂を用いたときと同様に無機微粒子
を混合することができる。すなわち、具体的には無機微
粒子としてシリカ、セリア、アルミナ、ジルコニア、チ
タン、タングステン、炭酸バリウム、硫酸バリウム、カ
ーボンブラック、モンモリロナイトなどの粘土、ゼオラ
イトなどの結晶などを用いることができる。またこれら
の混合も可能である。マトリックスとのなじみを改善す
るためにあらかじめ表面を改質処理することも可能であ
る。粒子径としては、3nm程度から、50μm程度の
ものが使えるが、大きすぎるとスクラッチを起こす危険
が増大する。このため、さらに好ましくは、20μm以
下、より好ましくは5μm以下のものがよい。シリカ、
セリア、アルミナ、ジルコニア、チタン、タングステ
ン、炭酸バリウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、
モンモリロナイトなどの粘土、ゼオライトなどの結晶な
どの微粒子混合重量%としては、1%程度でも効果があ
り、80%程度まで混合できる。高濃度混合した場合
は、研磨パッドの硬度を上げる効果だけでなく、砥粒を
内包したいわゆる固定砥粒研磨パッドとして有効にな
る。この場合には粒子径が小さいと効果が少なく、粒子
径30nm以上が好ましく、研磨速度向上の面から10
0nm以上がさらに好ましい。これら微粒子の粒径や混
合量を変えることで、被研磨物の特性に合わせた研磨パ
ッドを製造できる。
【0043】熱可塑性樹脂の場合は一般に熱硬化性樹脂
に比べ柔らかいため、研磨平坦化特性を十分に発揮でき
ない場合がある。また、研磨時に発生する熱の影響も受
けやすいため、研磨速度のばらつきが大きくなりやす
い。
【0044】本発明の研磨パッド成型後のD硬度は65
を越えることが望ましい。65以下であると柔らかくな
りすぎて、ディッシングやエロージョンが起きやすくな
るため、好ましくない。さらに研磨速度を大きくするた
めにも、70以上が好ましく、さらには80以上が好ま
しい。本発明では、さらに硬度を上げてD硬度が90を
越えてもスクラッチ傷やダスト付着の問題は起こらず、
利用可能である。このため、従来なし得なかった良好な
研磨平坦化特性を発揮できる。
【0045】本発明の研磨パッドにおいて使用される実
質的に水に不溶な親水性有機物からなるシート状物につ
いては、たとえば、セルロース系やデンプン系、キチン
などの多糖類、タンパク質、ポリアクリル酸やポリメタ
クリル酸などのアクリル系、アラミド系、ポリアミド
系、ポリビニルアルコール系、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合系、ポリビニルポリピロリドンなどの樹脂も
しくはその樹脂を主成分とする架橋体や共重合体を用い
ることができる。絹、羊毛、綿、麻などの天然繊維や、
ポリビニルピロリドン/ポリビニルイミダゾール共重合
体、高吸水性樹脂、パルプ、レーヨン、紙、セルロース
エステル系イオン交換用の各種荷電付与したセルロース
なども市販されており有効に利用できる。また、本来疎
水性である樹脂にスルホン基、アミノ基、カルボキル
基、水酸基を導入したものも使用可能である。
【0046】疎水性とは、上述式2で求められる重量増
加率が2%未満のものを指す。また、400ppm以下
にナトリウムイオンの混入を抑えたものを用いることが
好ましい。さらに好ましくは50ppm以下、より好ま
しくは10ppm以下である。
【0047】また、本発明の研磨パッドにおいてはその
他に水溶性物質を含んでいても良い。市販されているも
のにも各種ポリアルキレングルコール、ポリビニルビニ
リドン、ポリビニアルコール、ポリ酢酸ビニル、キトサ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、
水溶性多糖類などがあり、これら高分子を利用すること
ができる。これ以外にも、各種無機塩などの低分子物質
を混合することもできる。研磨パッドを成形する際に、
本発明においては実質的に水に不溶な親水性有機物から
なるシート状物、すなわち親水性高分子を含むため、こ
れらを乾燥した上で使用するが水分の完全除去は難し
く、成形の際に加熱によって蒸気が発生する。このた
め、粒子および/または繊維状物以外の部分で空隙を形
成することができる。またフェノール樹脂のように硬化
の際に水を生成するものがあるため、これを利用して粒
子および/または繊維状物以外の部分で空隙を形成する
ことができる。空隙の大きさを制御するために例えば成
形時にこれら水蒸気をうまく抜いて硬化させることがで
きるが、さらに微妙に制御が必要な場合に少量の水溶性
物質を混合することでそれが可能になる。
【0048】すなわち、本発明においては、シート状物
の外側にさらに空隙を有するものであることが好まし
い。これら空隙が研磨スラリー中の遊離砥粒の保持性を
上げたり、研磨屑の除去に効果があり、結果として研磨
速度向上に有利に働く。
【0049】またこの水溶性物質が研磨液の分散液に溶
解することその粘度を変化させることができるため、例
えば水溶性の多糖類のひとつであるキサンタンガムを混
合した場合、それが溶け出すことで研磨液がビンガム流
体様の性質を持つようになり、おそらく凹凸付き半導体
ウェハの凹部において研磨粒子の拡散が抑えられること
などから研磨したときの平坦性、特にグローバル平坦性
を改善する効果が得られる。これらの効果を発現するた
めには研磨パッドの重量当たり水溶性物質を0.01w
t%〜10wt%とすることが好ましい。なお、水溶性
物質を0.01wt%程度添加した場合でも効果がある
が、好ましくは0.1wt%以上、5wt%以下の添加
量が有効的に用いられる。10wt%を越えると、研磨
分散液の性質が変化しすぎるため、好ましくない。分散
液粘度に影響の少ない低分子物質を用いればさらに多量
に混合できるが、コスト面から考えても実際的でない。
【0050】研磨パッドの成形方法としては、親水性で
実質的に水に不溶のシート状物に、熱硬化性高分子マト
リックスと さらに場合によっては無機微粒子およびま
たは水溶性物質をあらかじめコンパウンド化して含浸の
後、熱圧縮成型することもできるし、この場合溶剤を用
いて粘度を調節した上で含浸し、乾燥後に熱圧縮成形す
ることもできる。シート状物を用いるため、マトリクス
樹脂(架橋前駆体)のみを加圧含浸し、この上に無機微
粒子を均一に分散すること、およびまたは水溶性物質を
同様に均一に巻くことによって作った層を、積層化した
後加熱圧縮成型することができる。層の数を多くするこ
とによってできあがった研磨パッドの物性ばらつきを少
なくできる。
【0051】マトリックスがポリウレタンのように2液
系のものはあらかじめ主剤または硬化剤を混合後に、シ
ート状物に加圧含浸させ成形することができる。その後
研削加工を施し研磨パッドの形状に仕上げることも可能
である。具体的には各マトリックスと親水性でかつ水不
溶性の高分子の相溶性や個々の耐熱性、重合特性、溶融
粘度などの物性に依存するが、その組み合わせは適宜選
択することができる。
【0052】研磨パッドの曲げ弾性率は、以上説明した
とおり従来の研磨パッドよりも大きくすることができ
る。平坦化特性を良好にするため、0.5GPa以上が
望ましく、さらに望ましくは2GPa以上である。本発
明の研磨パッドにおいては、ダスト付着やスクラッチ傷
の問題がないため、さらに大きい5GPa以上がさらに
好ましい。ただし、大きすぎると研磨パッドの装着に困
難になるため、100GPa以下が好ましい。
【0053】研磨面への供給とそこからの排出を促進す
るなどの目的で、表面に溝や孔が設けられていることが
好ましい。溝の形状としては、同心円、渦巻き、放射、
碁盤目など種々の形状が採用できる。溝の断面形状とし
ては四角、三角、半円などの形状が採用できる。溝の深
さは0.1mmから該研磨層の厚さまでの範囲で、溝の
幅は0.1〜5mmの範囲で、溝のピッチは2〜100
mmの範囲で選ぶことができる。孔は研磨層を貫通して
いても良いし、貫通していなくても良い。孔の直径は
0.2〜5mmの範囲で選ぶことができる。また、孔の
ピッチは2〜100mmの範囲で選ぶことができる。こ
れらの形状は、研磨液がうまく研磨面へ供給されるこ
と、研磨液の保持性を高めること、またそこから研磨屑
を伴って良好に排出することおよびまたは促進すること
などを満たせば良い。研磨パッド自体の形状は、円板
状、ドーナツ状、ベルト状など様々な形に加工できる。
厚みも、0.1mm程度から、50mm程度もしくはこ
れ以上の厚みの物も製造可能である。積層構造の繰り返
しを多くすることで、長寿命研磨パッドを製造できる。
円板状、ドーナツ状に加工した場合の直径についても、
被研磨物の大きさを基準として、1/5から5倍程度の
物まで製造されるが、あまり大きいと加工効率が低下し
てしまうため好ましくない。
【0054】本発明で得られた研磨パッドは、クッショ
ン性を有するクッションシートと積層して複合研磨パッ
ドとして使用することも可能である。半導体基板は局所
的な凹凸とは別にもう少し大きなうねりが存在してお
り、このうねりを吸収する層として硬い研磨パッドの下
(研磨定盤側)にクッションシートをおいて研磨する場
合が多い。クッションシートとしては、発泡ウレタン
系、ゴム系のものを組み合わせて使うことができる。も
ちろん使用しなくても良い。
【0055】本発明の研磨パッドは、例えば半導体チッ
プ製造に使用される場合、まず第1に、凹凸加工する前
の半導体ウェハー(ベアウェハ、およびまたは酸化膜付
きウェハ)の研磨に採用し、ウェハー自身が持つ微細な
凹凸、すなわち、wavinessや、nanotop
ologyなどと表現される表面欠陥をなくすことが好
ましい。このあと、リソグラフィー等での表面パターン
の加工を施し、CMP研磨を行う。この片方に本発明を
適用することで、極めて平坦度の高いウェハを加工でき
るが、この両方の工程を本発明からなる研磨装置を用い
て行うことで、さらに極めて平坦度の高い加工が可能に
なり、半導体チップの多層化、高集積度化、配線の微細
化の要求を容易に満たすことが可能になる。また本発明
の研磨パッドは、400ppm以下にナトリウムイオン
の混入を抑えたものを用いることが好ましい。さらに好
ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm
以下である。
【0056】曲げ弾性率、D硬度、ダスト付着量、酸化
膜研磨速度、平坦化特性の評価、ディッシングの評価
は、以下のようにして行った。
【0057】(曲げ弾性率の測定)研磨パッドから、厚
さ1.0mm〜1.5mmの範囲、1×8.5cmの長
方形の試験片を作成した。この試験片について、 OR
IENTEC社製材料試験機(テンシロン RTM−1
00)を用いて、JIS−7203に従って曲げ弾性率
の測定を行った。曲げ弾性率は以下の式に従って求め
た。
【0058】曲げ弾性率={(支点間距離)3 ×(荷重
−撓み曲線のはじめの直線部分の任意に選んだ点の荷重
(kgf))}/{4×(試験片の幅)×(試験片の厚
さ) 3 ×荷重Fにおける撓み} 厚さ1.0mm〜1.5mmの範囲に入るサンプル(大
きさは1cm角以上)を、D硬度90以上の表面硬度を
有する平面上に置き、JIS規格(硬さ試験)K625
3に準拠した、デュロメーター・タイプD(実際には、
高分子計器(株)製”アスカーD型硬度計”)を用い、
5点測定しその平均値をD硬度とした。測定は室温(2
5℃)で行った。
【0059】(ダスト付着量の測定)厚さ1.2mm、
直径38cmの円形の研磨パッドを作成し、表面に、幅
2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmのいわゆ
るX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。この
パッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、“L/M
−15E”)の定盤にクッション層として、ロデール社
製Suba400を貼り、その上に両面接着テープ(3
M社製、“442J”)で張り付けた。旭ダイヤモンド
工業(株)のコンディショナー(“CMP−M”、直径
14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、
定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25r
pmで同方向に回転させ、純水を10ml/minで供
給しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行
った。研磨機に純水を100ml/min流しながら研
磨パッド上を2分間洗浄し次ぎに、酸化膜付きウェハ
(4インチダミーウェハCZP型、信越化学工業
(株))を研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャ
ボット社製スラリー分散液(“SC−1”)を100m
l/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧
力0.04MPa、定盤回転数45rpm、コンディシ
ョナー回転数45rpmで同方向に回転させ、5分間研
磨を実施した。ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐ
さま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジ
でウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥
した。その後ウェーハ表面ゴミ検査装置(トプコン社
製、“WM−3”)を用いて、直径が0.5μm以上の
表面ダスト数を測定した。本試験方法では、400個以
下であれば半導体生産上問題を生じることが無く合格で
ある。また研磨後のウエハー表面のスクラッチ数は、自
動X-Yステージを具備したキーエンス社製デジタルマイ
クロスコープ(VH6300)でカウントした。10個
以下を合格領域とした。
【0060】(酸化膜研磨速度の測定)ウェハ(4イン
チダミーウェハCZP型、信越化学工業(株))表面の
酸化膜の厚みを、あらかじめ大日本スクリーン社製“ラ
ムダエース”(VM−2000)を用いて決められた点
196ポイント測定した。研磨機(ラップマスターSF
T社製、“L/M-15E”)の定盤にクッション層とし
て、ロデール社製“Suba400”を貼り、その上に
両面接着テープ(3M社製、“442J”)で試験すべ
き研磨パッドを張り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)
のコンディショナー(“CMP−M”、直径14.2c
m)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数
25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方
向に回転させ、純水を10ml/minで供給しながら
5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨
機に純水を100ml/min流しながら研磨パッド上
を2分間洗浄し次ぎに、酸化膜厚みを測定し終わった酸
化膜付きウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度
のキャボット社製スラリー分散液(“SC−1”)を1
00ml/minで研磨パッド上に供給しながら、押し
つけ圧力0.04MPa、定盤回転数50rpm、コン
ディショナー回転数50rpmで同方向に回転させ、5
分間研磨を実施した。ウェハ表面を乾かさないように
し、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコール
スポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付
けて乾燥した。この研磨後のウェハ表面の酸化膜の厚み
を大日本スクリーン社製“ラムダエース”(VM−20
00)を用いて決められた点196ポイント測定し、各
々の点での研磨速度を計算し、その平均値を酸化膜研磨
速度とした。 (平坦化特性の評価) まず、以下の手順でグローバル段差評価用テストウェハ
を準備した。グローバル段差評価用テストウェハ:酸化
膜付き4インチシリコンウェハ(酸化膜厚:2μm)に
10mm角のダイを配置する。フォトレジストを使用し
てマスク露光をおこない、RIEによって10mm角の
ダイの中に20μm幅、高さ0.7μmのラインと23
0μmのスペースで左半分にラインアンドスペースで配
置し、230μm幅、高さ0.7μmのラインを20μ
のスペースで右半分にラインアンドスペースで配置す
る。直径38cmの円形の研磨層を作製し、表面に幅
2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmのいわゆ
るX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。この
研磨パッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、L/
M―15E)の定盤にクッッション層として、ロデール
社製“Suba400”を貼り、その上に両面接着テー
プ(3M社製、“442J”)で貼り付けた。旭ダイヤ
モンド工業(株)のコンディショナー(“CMP−
M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.0
4MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回
転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10cc/
分で供給しながら5分間研磨パッドのコンディショニン
グを行った。研磨機に純水を100cc/分流しながら
研磨パッド上を2分間洗浄し次に、グローバル段差評価
用テストウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度
のキャボット社製スラリー(“SC−1”)を100m
l/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧
力0.04MPa、定盤回転数45rpm(ウェハの中
心での線速度は3000(cm/分))、半導体ウェハ
保持試料台を回転数45rpmで同方向に回転させ、所
定時間研磨を実施した。半導体ウェハ表面を乾かさない
ようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアル
コールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を
吹き付けて乾燥した。グローバル段差評価用テストウェ
ハのセンタ10mmダイ中の20μmラインと230μ
ラインの酸化膜厚みを大日本スクリーン社製ラムダエー
ス(“VM−2000”)を用いて測定し、それぞれの
厚みの差をグローバル段差として評価した。研磨層の加
工形態については、その他形状のものも上記と同様の手
順で行った。20μm幅配線領域と230μm幅配線領
域のグローバル段差は研磨時間は5分で40nm以下で
あれば合格とした。 (ディッシングの評価)タングステン配線ディッシング
評価用テストウェーハ:酸化膜付き4インチシリコンウ
ェーハ(酸化膜厚:2μm)に100μm幅で深さが
0.7μmの溝をスペースが100μm間隔で形成す
る。この上にスパッタ法でタングステンを厚み2μm形
成して、タングステン配線ディッシング評価用テストウ
ェーハを作成した。直径38cmの円形の研磨層を作製
し、表面に幅2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15
mmのいわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を
施した。この研磨パッドを研磨機(ラップマスターSF
T社製、L/M―15E)の定盤にクッション層とし
て、ロデール社製“Suba400”を貼り、その上に
両面接着テープ(3M社製、“442J”)で貼り付け
た。旭ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー
(“CMP−M”、直径14.2cm)を用い、押しつ
け圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コンデ
ィショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、純水
を10ml/minで供給しながら5分間研磨パッドの
コンディショニングを行った。研磨機に純水を100m
l/min流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次
に、タングステン配線ディシング評価用テストウェハを
研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製
スラリー(“SEMI―SPERSE W―A40
0”)とキャボット社製酸化剤(“SEMI―SPER
SE FE―400”)を1:1で混合したスラリー溶
液を100ml/minで研磨パッド上に供給しなが
ら、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数45rp
m(ウェハの中心での線速度は3000(cm/
分))、半導体ウェハ保持試料台を回転数45rpmで
同方向に回転させ、2分間研磨を実施した。半導体ウェ
ハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけなが
ら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄
し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。タングステン
表面のディッシング状態をキーエンス社製超深度形状測
定顕微鏡“VK―8500”で測定した。なお、研磨層
の表面加工形態については、その他の形状のものも上記
と同様の手順で行った。タングステン配線の中央深さを
測り、0.04μm以下であれば合格とした。
【0061】以下、実施例によってさらに詳細に説明す
る。
【0062】
【実施例】実施例および比較例において得られた評価結
果は、表1に示した。
【0063】実施例1 ワットマン社製17chr濾紙(公定水分率11%)2
枚を重ね、液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR
−53717)を、乾燥重量比で60wt%になるよう
含浸、乾燥させ、170℃20分3.5MPa加圧下で
1.7mm厚に成形した。得られた樹脂板で研磨パッド
を作成した。得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。
断面を光学顕微鏡で観察したが、濾紙中には空隙が見ら
れなかった。
【0064】実施例2 厚み0.2mmのクラフト紙(公定水分率10%)6枚
を重ね、液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR−
53717)を、乾燥重量比で55wt%になるよう含
浸、乾燥させ、170℃20分3.5MPa加圧下で
1.7mm厚に成形した。得られた樹脂板で研磨パッド
を作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、クラフト
紙中には空隙が見られなかった。
【0065】実施例3 2液系ポリウレタン樹脂C−4421(日本ポリウレタ
ン(株)製 )51重量%とN−4276(日本ポリウ
レタン(株)製 )49重量%を混練し、セルロースス
ポンジ(東レファインケミカル社製、公定水分率11
%)が重量比で30%になるように含浸させ、真空脱泡
後、金型内で硬化させ、厚み1.2mmのポリウレタン
シートを作製した。得られた樹脂板で研磨パッドを作成
した。断面を光学顕微鏡で観察したが、セルローススポ
ンジ中には空隙が見られなかった。
【0066】実施例4 ナイロン織物(厚み300μm、公定水分率4.5%)
に、“アートファーマー”(三洋化成工業(株)製、T
A−1327)を所定の混合比で混合したものを70部
混合し、これを4枚重ね合わせて40cm角の金型に入
れ、100℃で脱泡後、165℃で加熱し樹脂板を形成
した。得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を
光学顕微鏡で観察したが、ナイロン織物中には空隙が見
られなかった。
【0067】実施例5 厚み0.24mmのクラフト紙(公定水分率10%)
に、“アートファーマー”(三洋化成工業(株)製、T
A−1327)を所定の混合比で混合したものを55部
混合し、これを5枚重ね合わせて40cm角の金型に入
れ、100℃で脱泡後、165℃で加熱し樹脂板を形成
した。得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を
光学顕微鏡で観察したが、クラフト紙中には空隙が見ら
れなかった(表1参照)。
【0068】実施例6 実施例2と5で作製した成形前のプリプレグを実施例2
のプリプレグが上になるように交互に3枚ずつ重ね、同
様に樹脂板を成形し研磨パッドを作製した。クラフト紙
中には空隙が見られなかった。
【0069】実施例7 実施例2と4で作製した成形前のプリプレグを実施例2
のプリプレグが上になるように交互に3枚ずつ重ね、同
様に樹脂板を成形し研磨パッドを作製した。クラフト
紙、ナイロン織物中には空隙が見られなかった。
【0070】実施例8 実施例2,実施例5で作製したプリプレグの下に、5μ
m厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを重ね、こ
の3枚セットを3回繰り返し、同様に9層からなる樹脂
板を成形した。クラフト紙中には空隙が見られなかっ
た。
【0071】実施例9 2液系ポリウレタン樹脂C−4403(日本ポリウレタ
ン(株)製 )62重量%とN−4276(日本ポリウ
レタン(株)製 )38重量%を混練し、セルロースス
ポンジ(東レファインケミカル社製、公定水分率11
%)が重量比で2%になるように含浸させ、真空脱泡
後、金型内で硬化させ、厚み1.2mmのポリウレタン
シートを作製した。得られた樹脂板で研磨パッドを作成
した。断面を光学顕微鏡で観察したが、セルローススポ
ンジ中には空隙が見られなかった。
【0072】実施例10 実施例9で直径1μmシリカ粒子を10重量%混合して
研磨パッドを作製した。断面を光学顕微鏡で観察した
が、スポンジ中には空隙が見られなかった。
【0073】実施例11 実施例2に、さらに親水性水溶性樹脂としてキサンタン
ガム0.4wt%を添加して研磨樹脂板を作製した。断
面を光学顕微鏡で観察したが、クラフト紙中には空隙が
見られなかった。
【0074】実施例12 実施例11において、直径1μmシリカ粒子を3重量%
混合して研磨パッドを作製した。断面を光学顕微鏡で観
察したが、クラフト紙中には空隙が見られなかった。
【0075】実施例13 実施例11において、直径1μmシリカ粒子を15重量
%混合して研磨パッドを作製した。断面を光学顕微鏡で
観察したが、クラフト紙中には空隙が見られなかった。
【0076】実施例14 厚み0.2mmのクラフト紙(公定水分率10%)に、
液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR−5512
3)を、乾燥重量比で55wt%になるよう含浸、乾燥
させ、これを6枚重ね合わせて170℃20分3.5M
Pa加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板
で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察した
が、クラフト紙中には空隙が見られなかった。ただし、
フェノール樹脂部には空隙が見られた。
【0077】実施例15 実施例14において、樹脂板成形時の圧抜きを調節し、
クラフト紙中、フェノール樹脂中ともに空隙を形成し
た。得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。
【0078】実施例16 ポリアクリロニトリル繊維織物(東レ製、厚み300μ
m、公定水分率2%)と、液状フェノール樹脂(住友デ
ュレズ製、PR−53717)を、乾燥重量で50wt
%になるよう含浸、乾燥させ、4枚重ねて170℃20
分3.5MPa加圧下で1.2mm厚に成形した。得ら
れた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡
で観察したが、ポリアクリロニトリル繊維織物中には空
隙が見られなかた。
【0079】実施例17 ポリウレタン繊維織物(厚み300μm、公定水分率1
%)を、液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR−
53717)に、乾燥重量で50wt%になるよう含
浸、乾燥させ、4枚重ねて170℃20分3.5MPa
加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板で研
磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、
ポリウレタン繊維織物中には空隙が見られなかた。
【0080】比較例1 ポリエチレンテレフタレート繊維不織布(東レ製、10
0g/m2 、公定水分率0.4%、繊維径13μm)が
重量比で40%になるように、ポリプロピレンを溶融含
浸し、5枚合わせて170℃20分3.5MPa加圧下
で1.4mm厚に成形した。得られた樹脂板で研磨パッ
ドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、ポリエ
チレンテレフタレート繊維不織布中には空隙が見られな
かった。
【0081】比較例2 ポリエチレンテレフタレート繊維不織布(東レ製、10
0g/m2 、公定水分率0.4%、繊維径13μm)が
重量比で40%になるようにポリエチレンを溶融含浸
し、5枚重ね170℃20分3.5MPa加圧下で1.
4mm厚に成形した。得られた樹脂板で研磨パッドを作
成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、ポリエチレン
テレフタレート繊維不織布中には空隙が見られなかっ
た。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、被研磨物表面へのダス
ト付着性を少なくすることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 3C058 AA09 CB01 CB02 CB10 DA12 DA17 4F071 AA08 AA09 AA15X AA28 AA29 AA29X AA32 AA37 AA41 AA42 AA51 AA53 AA54 AA56 AA60 AA70 AB03 AB06 AB18 AB21 AB24 AB26 AB30 AF04 AF05 AH19 DA19 DA20 4J002 AA00W AA00Y AA02X AB00Y AB01W AB04W AB05W AB05Y AD00W BE02W BE02Y BE03W BF02Y BG01W BJ00W BJ00Y CC03X CC16X CC18X CD00X CH01Y CK02X CL00W CL06W CM04X DA036 DA116 DE096 DE136 DE146 DE236 DG046 DJ006 DJ016 GF00 GQ05

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性であって、かつ実質的に水に不溶の
    シート状物を含有する熱硬化性高分子マトリクス樹脂か
    らなることを特徴とする研磨パッド。
  2. 【請求項2】シート状物の含量が3wt%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  3. 【請求項3】シート状物が実質的に空隙を有さない状態
    で含有されていることを特徴とする請求項1または2記
    載の研磨パッド。
  4. 【請求項4】公定水分率が3%以上であるシート状物を
    用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の研磨パッド。
  5. 【請求項5】公定水分率が5%以上であるシート状物を
    用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
    記載の研磨パッド。
  6. 【請求項6】シート状物が、不織布状、織物状、編み物
    状、フエルト状、多孔膜状、フィルム状、およびスポン
    ジ状の少なくとも1つから選ばれてなるものであること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の研磨
    パッド。
  7. 【請求項7】シート状物の外側にさらに空隙を有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の研
    磨パッド。
  8. 【請求項8】無機微粒子を含むことを特徴とする請求項
    1ないし7のいずれかに記載の研磨パッド。
  9. 【請求項9】シート状物が、2枚以上の積層体からなる
    ことを特徴とする請求項1ないし8記載の研磨パッド。
  10. 【請求項10】積層体の層ごとの厚みが1μm以上であ
    ることを特徴とする請求項9に記載の研磨パッド。
  11. 【請求項11】層ごとにマトリックス樹脂の樹脂含有率
    および/または種類が異なることを特徴とする請求項9
    または10に記載の研磨パッド。
  12. 【請求項12】層ごとにシート状物の厚みおよび/また
    は種類が異なることを特徴とする請求項9ないし11の
    いずれかに記載の研磨パッド。
  13. 【請求項13】水溶性物質をさらに含むことを特徴とし
    た請求項1ないし12のいずれかに記載の研磨パッド。
  14. 【請求項14】水溶性物質を0.01wt%から10w
    t%含むことを特徴とする請求項13記載の研磨パッ
    ド。
  15. 【請求項15】請求項1ないし14のいずれかに記載の
    研磨用パッドを用いることを特徴とする研磨装置。
  16. 【請求項16】請求項1ないし14のいずれかに記載の
    研磨用パッドを用いることを特徴とする研磨方法。
  17. 【請求項17】請求項1ないし14のいずれかに記載の
    研磨用パッドを用いて加工したことを特徴とする半導体
    ウェハおよび半導体チップの製造方法。
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