JP2001315056A - 研磨用パッドおよびそれを用いた研磨装置及び研磨方法 - Google Patents

研磨用パッドおよびそれを用いた研磨装置及び研磨方法

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JP2001315056A
JP2001315056A JP2000388339A JP2000388339A JP2001315056A JP 2001315056 A JP2001315056 A JP 2001315056A JP 2000388339 A JP2000388339 A JP 2000388339A JP 2000388339 A JP2000388339 A JP 2000388339A JP 2001315056 A JP2001315056 A JP 2001315056A
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polishing
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Masaaki Shimagaki
昌明 島垣
Naoshi Minamiguchi
尚士 南口
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被研磨物表面に発生するスクラッチ傷、被研磨
物表面へのダスト付着量を少なくし、さらにディッシン
グやエロージョンが少なく、研磨速度が高い研磨ハ゜ット゛
を供給する。 【解決手段】研磨パッドの被研磨物と接触する面に、水
を供給する機構を有することを特徴とする研磨用パッ
ド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加工砥粒を含む研磨
液を供給しながら及びまたは砥粒を含まない研磨液を供
給しながら、被加工物を回転する弾性パッドに押しつ
け、相対運動を行わせながら、被加工物表面の凹凸の凸
の部分を研磨材で優先的に研磨する化学機械研磨(CM
P)に用いられる研磨パッドおよびそれを用いた研磨装
置および研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高度に集積度を増した半導体を製造する
に当たり多層配線を実現するためには、絶縁膜の表面を
完全に平坦化する必要がある。これまでに、この平坦化
法の代表的な技術として、SOG (Spin-On-Glass )
法や、エッチバック法(P.Elikins, K.Reinhardt, and
R.Layer,"A planarization process for double metal
CMOS using Spin-on Glass as a sacrificial layer, "
Proceeding of 3rd InternationalIEEE VMIC Conf.,100
(1986))、そして、リフトオフ法(K.Ehara, T.Morimot
o, S.Muramoto, and S.Matsuo, "Planar Interconnecti
on Technology forLSI Fabrication Utilizing Lift-of
f Process", J.Electrochem Soc., Vol.131, No.2, 419
(1984).)などが検討されてきた。SOG 法に関して、
これはSOG 膜の流動性を利用した平坦化法である
が、これ自身で完全平坦化を実施することは不可能であ
る。また、エッチバック法は、もっとも多く使われてい
る技術であるが、レジストと絶縁膜とを同時にエッチン
グすることによるダスト発生の問題があり、ダスト管理
の点で容易な技術ではない。そして、リフトオフ法は、
使用するステンシル材がリフトオフ時に完全に溶解しな
いためにリフトオフできないなどの問題を生じ、制御性
や歩留りが不完全なため、実用化に至っていない。そこ
でCMP法が近年注目されてきた。これは被加工物を回
転する弾性パッドに押しつけ、相対運動を行わせなが
ら、被加工物表面の凹凸の凸の部分を研磨パッドで優先
的に研磨する方法であり、プロセスの簡易性から今では
広く利用されている。
【0003】例えば、特開平8−11050には、表面
硬度の異なる部分を樹脂の相分離によって形成したこと
を特徴とする研磨布について開示されているが、十分な
スクラッチ傷の解消、ダスト付着の解消に至っていな
い。また、この方法では、研磨布の厚み方向に対して均
質な加工が難しいという欠点を有している。また近年
は、凹凸加工する前の半導体ウェハー自身が持つ微細な
凹凸、即ちwavinessや、nanotopologyなどと表現される
従来問題がなかった表面欠陥が問題になり、両面研磨
法、アルカリを流しながら研磨する方法などが行われて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら懸かるC
MP法において、被研磨物表面に発生する、スクラッチ
傷、ダストの付着、グローバル平坦性不良等の問題が挙
げられる。
【0005】研磨パッドとして大きく分類すると、加工
砥粒を含む研磨液を供給しながら行う、コンベンショナ
ルなCMPのための研磨パッド(以下特に断らない限
り、研磨パッドと略す)と、砥粒を含まない研磨液を供
給しながら行う固定砥粒パッドの2つになる。
【0006】この2つのタイプのパッドに共通の課題と
してはスクラッチ傷の発生と、ダストの付着の問題があ
る。
【0007】研磨の際の、いわゆるディッシングやエロ
ージョンに対しては、固定砥粒パッドの方が優位である
と言われているが、上述の特に被研磨物表面に発生す
る、スクラッチ傷、ダストの付着の問題をクリアできず
にいる。
【0008】例えば層間絶縁膜等の被研磨面にこのよう
なダストの付着やスクラッチ傷が発生すると、後工程で
この上にAl 系金属等による配線を形成した場合に、
段切れ等が発生し、エレクトロマイグレーション耐性の
劣化等の信頼性の低下が発生するおそれがある。またH
DD (Hard Disk Drive)用非磁性基板等の研磨において
ドロップアウト等、再生信号欠落が発生する原因とな
る。スクラッチ傷の発生は、研磨粒子の分散不良による
凝集塊に起因するものと考えられている。特に、金属膜
のCMP に用いられる、研磨粒子としてアルミナを採
用した研磨スラリは分散性が悪く、スクラッチ傷を完全
に防止するに至っていない。ダストの付着に関してはそ
の原因さえよくわかっていないのが現状である。常識的
にはグローバル平坦性を良くするためには硬質の研磨パ
ッドが望ましいが、逆にダストの付着やスクラッチ傷が
起こり易くなるために、両者を両立することはできない
と考えられている。例えば、特表平8-500622や、特開20
00-34416などにそのための試みがなされているが、ダス
ト付着・スクラッチ傷と平坦化特性を両立するに至って
いない。
【0009】本発明は上述した問題点の中で特に被研磨
物表面へのダスト付着性を少なくすることをその課題と
する。また、スクラッチ傷の低減を果たし、更に平坦化
特性をも両立させることをその課題とする。
【0010】さらに、凹凸加工する前の半導体ウェハー
自身の微細な凹凸、即ちwavinessや、nanotopologyなど
と表現される欠陥を簡単な研磨方法で取り除くことを課
題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は以下の構成からなる。 (1)研磨パッドの被研磨物と接触する面に、水を供給
する機構を有することを特徴とする研磨用パッド。 (2)水を供給する機構が1×10-62以下の面積を
有するドメイン構造であることを特徴とする前記(1)
記載の研磨用パッド。 (3)水を供給する機構が親水性でかつ 実質的に水不
溶性の高分子とマトリックス樹脂の複合構造からなるこ
とを特徴とする(1)ないし(2)記載の研磨パッド。 (4)実質的に水に不溶な高分子が、水吸収率が500
0%以下の親水性有機物からなる粒子および/または繊
維状物である前記(3)記載の研磨パッド。 (5)粒子およびまたは繊維状物を4wt%以上60wt%以
下混合した前記(4)記載の研磨パッド。 (6)親水性で実質的に水に不溶の高分子がシート状物
であり、有機高分子マトリクスとの複合構造の積層体か
らなる前記(3)記載の研磨パッド。 (7)シート状物は、不織布状、織物状、編み物状、フ
エルト状、多孔膜状、フィルム状、スポンジ状の少なく
とも1つからなることを特徴とする前記(6)記載の研
磨パッド。 (8)積層体の層ごとの厚みが1μm以上であることを
特徴とする前記(6)ないし(7)記載の研磨パッド。 (9)層ごとにマトリックス樹脂の樹脂含有率および/
または種類が異なることを特徴とする前記(6)ないし
(8)記載の研磨パッド。 (10)層ごとにシート状物の厚みおよびまたは種類が
異なることを特徴とする前記(6)ないし(9)記載の
研磨パッド。 (11)シート状物の含有量が3wt%以上である前記
(6)ないし(10)記載の研磨パッド。 (12)親水性で実質的に水に不溶な高分子がアスペク
ト比が5以上の繊維状物および/またはその複合体で形
成された粒子である前記(3)記載の研磨パッド。 (13)親水性で実質的に水に不溶な高分子の公定水分
率が3%以上であることを特徴とする前記(3)ないし
(12)記載の研磨パッド。 (14)研磨前のドレッシングによって作られた表面凹
凸プロファイルを基準として、1枚の酸化膜付きシリコ
ンウェハを研磨した後の中心線平均粗さRa値の変化量
が0.2μm以下であることを特徴とする前記(3)ない
し(13)記載の研磨パッド。 (15)親水性で実質的に水に不溶な高分子が実質的に
空隙を有さない状態で混合したことを特徴とする前記
(3)ないし(13)記載の研磨パッド。 (16)構成するマトリックスが熱硬化性樹脂からなる
ことを特徴とした前記(1)ないし(15)記載の研磨
パッド。 (17)親水性でかつ 実質的に水不溶性の高分子とは
別にさらに空隙を有することを特徴とする前記(3)な
いし(16)記載の研磨パッド。 (18)無機微粒子を含むことを特徴とする前記(1)
ないし(17)記載の研磨パッド。 (19)有機無機ナノコンポジットおよびまたは炭酸バ
リウム粒子を含有することを特徴とする前記(18)記
載の研磨用パッド。 (20)有機無機ナノコンポジットとしてフェノール樹
脂とシリカ粒子の組み合わせ、エポキシ樹脂とシリカ粒
子の組み合わせ、ポリアミド樹脂とシリカ粒子の組み合
わせの中の少なくとも1つの組み合わせからなることを
特徴とする前記(18)ないし(19)記載の研磨用パ
ッド。 (21)水溶性物質を更に含むことを特徴とした前記
(1)ないし(20)記載の研磨パッド。 (22)水溶性物質を0.01wt%から10wt%含むこと
を特徴とした前記(21)記載の研磨パッド。 (23)D硬度が65以上であることを特徴とする前記
(1)ないし(22)記載の研磨用パッド。 (24)曲げ弾性率が0.5GPa以上100GPa以下であ
ることを特徴とする前記(1)ないし(23)記載の研
磨パッド。 (25)1時間吸水率が0.8%以上15%以下である
ことを特徴とする前記(1)ないし(24)記載の研磨
パッド。 (26)水接触後5分までの吸水速度が3%/hr以上
であることを特徴とする前記(1)ないし(25)記載
の研磨パッド。 (27)前記1〜26のいずれかに記載の研磨用パッド
を用いることを特徴とする研磨装置。 (28)前記1〜26のいずれかに記載の研磨用パッド
を用いることを特徴とする研磨方法。 (29)前記1〜26のいずれかに記載の研磨用パッド
を用い加工したことを特徴とする半導体ウェハおよび半
導体チップの製造法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の研磨パッドには、被研磨
物を押しつけたその界面に水を供給する機構を有してい
る。即ち、本発明におけるドメイン構造とは、研磨パッ
ドを被研磨物に押しつけた際に、水の層を界面に保持で
きるような物理構造、およびまたは化学構造のことを言
う。もちろん物理構造単独でも良い。この機構を有する
ことで、 被研磨物表面へのダスト付着性を少なくする
ことが可能になる。この機構のドメインの大きさは、大
きい程良いが、大きすぎると研磨パッドとしてはパッド
表面の物理強度が低下しすぎ、研磨の際の耐久性が著し
く落ちる場合があり、研磨速度が十分に得られないとい
う問題を生じ易い。この閾値はパッドを主に構成する樹
脂によって変動するが、1×10-62以下であれば、
これらの欠点を補えることがわかった。ドメインの大き
さは小さくても、別に研磨特性に対して悪影響を生じる
ことはないが、研磨パッドの成形、品質ばらつきを抑え
ることが難しくなるので、1×10-142以上が好まし
い。いわゆるミクロ相分離構造を取らせることも一つの
方法ではあるが、研磨パッド表面の状態と内部の状態を
同じにすることは難しく膜厚全体にわたって該ミクロ相
分離構造を制御することはきわめて困難となる。このた
め、非相溶系の2種類以上の高分子を少なくとも被研磨
物に押しつけたその界面に水を供給する機構を担う高分
子表面に他の高分子とのなじみを良くする修飾を施し、
ミクロに分散させる方法を簡便に用いることができる。
もちろん、なじみを改善させる必要のない組み合わせを
採用することで、さらに簡便に本発明を利用することが
できる。
【0013】またドメイン構造の集合体が研磨パッド表
面に占める割合、即ち表面密度は、マトリックスによっ
ても変化するが、水分吸収率が高いポリアミド系樹脂や
ポリウレタン系の樹脂では少量でよいが、ポリメチルメ
タクリレートのようなポリアクリル系樹脂、ポリイミド
などでは高く設定する必要がある。一般的には、5%〜5
0%が好適に使われる領域ではあるが、各々の樹脂の組
み合わせで適宜最適値を設定する必要がある。この作業
は当業者にとっては容易に行える。この場合も表面密度
が高くなれば研磨パッドの物理物性が弱く、もろくなる
傾向があり、また研磨特性、例えばディッシングやエロ
ージョンが起きやすく、悪くなる傾向がある。
【0014】親水性の高分子の形状は、粒子状、不織布
または織物状が取り扱いやすく好ましい。粒子の直径
は、500μm以下が好ましく、100μm以下がさら
に好適に使われる。径が大きいと、マトリックスからの
離脱が多くなり好ましくない。不織布または織物状を形
成する繊維は、中空糸状であるとマトリックスの中空部
への侵入を制御しにくいが中空糸状でもかまわない。
【0015】また親水性の高分子が研磨パッド表面に占
める割合、即ち表面密度は、マトリックスによっても変
化するが、水分吸収率が高いポリアミド系樹脂やポリウ
レタン系の樹脂では少量でよいが、ポリメチルメタクリ
レートのようなポリアクリル系樹脂、ポリイミドなどで
は高く設定する必要がある。一般的には、5%〜50%が
好適に使われる領域ではあるが、各々の樹脂の組み合わ
せで適宜最適値を設定する必要がある。この作業は当業
者にとっては容易に行える。この場合も表面密度が高く
なれば研磨パッドの物理物性が弱く、もろくなる傾向が
あり、また研磨特性、例えばディッシングやエロージョ
ンが起きやすく、悪くなる傾向がある。
【0016】実質的に水に不溶な親水性有機物を混合す
ることで、研磨パッド表面の濡れ性が良くなり、詳細な
メカニズムはわからないが被研磨物表面へのダスト付着
が少なくなる。それに伴い、スクラッチ傷を低減できる
と考えている。研磨パッド重量当たり、1〜70重量%
の混合比率で親水性高分子を混合することでダスト付着
性抑制効果は得られるが、混合比率が少ないとその効果
は小さく、多いとその効果は大きくなるが、マトリック
スの物性が悪化する場合が多い。即ち、マトリックスの
持つ硬度は下がり、曲げ強度が弱く脆性破壊しやすくな
る。このため、好適には10から60重量%使われ、さ
らに好適には、20から50重量%が用いられる。この
とき親水性高分子からなる粒子およびまたは繊維状物は
実質的に水に不溶なため、研磨に用いられる遊離砥粒を
含むと含まざるに関わらず、その分散液の性状に対し変
化を与えることがないため、良好に研磨が行える。従来
トレードオフの関係にあった、ダスト付着やスクラッチ
傷を起こさず、研磨パッド自体を高硬度化でき、曲げ弾
性率を従来技術からなる研磨パッドに比べ、飛躍的に大
きくすることができるため、きわめて良い平坦化特性を
実現できる。
【0017】実質的に水に不溶であるとは、25℃の水に
対する溶解度が1%以下の物を指す。親水性とは基本的
に樹脂の中に水を吸水する性質の表現であって、マクロ
な樹脂間の空隙に水を抱え込むことを意味した物ではな
い。すなわち親水性を評価するときには、水に24時間
浸漬した後の水中から取り上げた試験片を密封容器に取
り1400Gから1450Gの遠心力を30秒かけ水分
を振り切った状態で吸湿重量を測定した。重量増加率は
以下の式1に従って求めた。
【0018】重量増加率(%)=(吸湿重量-乾燥重量)
/乾燥重量×100(式1) ここで親水性とは、50℃の水に24時間浸漬したとき
の重量増加率が2.0%以上の特性を指す。本発明で
は、5.0%以上が更に好ましい。高くなりすぎると今
度は、研磨の最中にも研磨パッドの膨潤が起こり、研磨
パッド表面の平坦性が損なわれることで、研磨速度のば
らつきが大きくなり好ましくない。更に体積膨潤率が大
きい場合は研磨パッド自身の強度が研磨中に大きく劣化
するため良くない。最大でも、15%以下が好ましく、
通常は10%以下が好ましい。
【0019】さらに定量的表現として、公定水分率で表
現する。これは、湿度65%、温度20℃での水分率を
表し、以下の式で求められる。 公定水分率(%)=(吸湿重量-乾燥重量)/乾燥重量×
100(式2) また、水吸収率とは、25℃の水中に浸漬したときの1
0分後の水分率であって 水吸収率(%)=(吸湿重量-乾燥重量)/乾燥重量×1
00(式3) で表す。水吸収の速度は速い方が望ましく、10分以内
に飽和に達することが望ましいが、その変化が24時間
で90%起これば、この樹脂を適用することはできる。
ただし、実質的に水に不溶な親水性として粒子およびま
たは繊維状物を用いる場合は、水吸収率が5000%を
越えるとパッド自体の変形が起こりまたは、研摩面の歪
みが大きくなりすぎるため使用できない。好ましくは3
000%以内であり、さらに好ましくは2000%以内
である。シート状物および、アスペクト比が5以上の繊
維状物およびまたはその複合体で形成された粒子の場合
は、水吸収率が10000%を越えるとパッド自体の変
形が起こりまたは、研摩面の歪みが大きくなりすぎるた
め使用できない。好ましくは6000%以内であり、さ
らに好ましくは3000%以内である。
【0020】実質的に水に不溶な親水性高分子として粒
子およびまたは繊維状物の形状を取るものを混合する場
合は、公定水分率は、1%程度の物から使用できるが、
好ましくは3%以上が使用される。さらにダスト付着を
抑えるためには、5%以上が好ましく、7%以上の物で
は、粒子およびまたは繊維状物の混合量を低下すること
ができるためさらに好適に使用できる。粒子状とは、基
本的に球形をさすが、歪んでいたり、凹凸があっても良
い。いわゆるヒュームドシリカのような、いびつに入り
組んだ形状も好ましく使用できる。また、繊維状物と
は、長軸と短軸の比が3を越えるような、長細い形状を
指す。
【0021】粒子の直径(球以外の場合最大径を指す)
は、500μm以下が好ましく、100μm以下がさら
に好適に使われる。径が大きいと、マトリックスからの
離脱が多くなりダストが増え、研磨パッドとしての耐久
性が減じやすく好ましくない。このため、1から50μ
mがもっとも好適に使われる。繊維状物は中空糸状あっ
てもかまわない。またその断面形状は円、楕円、星形な
ど新合繊として提案されているいかなる形状のものでも
かまわない。
【0022】また実質的に水に不溶な親水性有機物から
なる粒子およびまたは繊維状物の研磨パッド表面に占め
る割合、即ち表面密度は、マトリックスによっても変化
するが、水分吸収率が高いポリアミド系樹脂やポリウレ
タン系の樹脂では低くてよいが、ポリメチルメタクリレ
ートのようなポリアクリル系樹脂、ポリイミドなどでは
高く設定する必要がある。表面密度は光学顕微鏡での観
察の後、画像処理してその割合を求めることができる
が、一般的には、5%から80%が好適に使われる領域
ではあるが、各々の樹脂の組み合わせで適宜最適値を設
定する必要がある。この作業は当業者にとっては容易に
行える。この場合も表面密度が高くなれば研磨パッドの
物理物性が弱く、もろくなる傾向があり、また研磨特
性、例えばディッシングやエロージョンが起きやすく、
悪くなる傾向がある。
【0023】粒子およびまたは繊維状物の混合量は、上
記公定水分率、水吸収率によって左右されるが、基本的
に公定水分率、水吸収率が大きい場合は少なくでき、小
さい場合は多くする必要が生じる。4%未満では十分効
果を発揮できないが、これ以上であればダストの付着や
スクラッチ傷を少なくできる。混合比率が少ないとその
効果は小さく、多いとその効果は大きくなるが、パッド
の物性が悪化する場合が多い。即ち、パッドの持つ硬度
は下がり、曲げ強度が弱く脆性破壊しやすくなる。この
ため、好適には7から60重量%使われ、さらに好適に
は、20から50重量%が用いられる。
【0024】親水性で実質的に水に不溶のシート状物を
混合する場合には、公定水分率は、1%程度の物から使
用できるが、好ましくは3%以上が使用される。さらに
ダスト付着を抑えるためには、5%以上が好ましく、7
%以上の物では、粒子およびまたは繊維状物の混合量を
低下することができるためさらに好適に使用できる。
【0025】親水性で実質的に水に不溶のシート状物の
混合量は、上記公定水分率、水吸収率によって左右され
るが、基本的に公定水分率、水吸収率が大きい場合は少
なくでき、小さい場合は多くする必要が生じる。3%未
満では十分効果を発揮できないが、これ以上であればダ
ストの付着やスクラッチ傷を少なくできる。混合比率が
少ないとその効果は小さく、多いとその効果は大きくな
るが、パッドの物性が悪化する場合が多い。即ち、パッ
ドの持つ硬度は下がり、曲げ強度が弱く脆性破壊しやす
くなる。このため、好適には5から60重量%が使わ
れ、さらに好適には、20から50重量%が用いられ
る。シート状物の場合は、割れが生じにくいため、特
に、85重量%程度まで混合が可能である。
【0026】親水性で実質的に水に不溶のシート状物と
は、不織布状、織物状、編み物状、フエルト状、多孔膜
状、スポンジ状、フィルム状の少なくとも1つからな
る。不織布状とは、繊維を交絡させた広義の布を指す
が、歪んでいたり、凹凸があっても良い。不織布状、織
物状、編み物状、フエルト状のものも、繊維状物から得
られる。繊維状物とは、長軸と短軸の比が10を越える
ような、長細い形状を指す。多孔膜状、スポンジ状と
は、2次元的およびまたは3次元的に開孔した、空隙率
が大きい広義の膜を意味し、フィルム状とは、実質開孔
部がないものを意味する。
【0027】これらを構成する繊維の直径(球以外の場
合最大径を指す)は、100μm以下が好ましく、50
μm以下がさらに好適に使われ、2から20μm程度が
好適に使われる。極細繊維では2μmを切る直径のもの
も有り、これらを用いるのが便利である。直径が大きい
と、マトリックスからの離脱が多くなり、研磨パッドと
しての耐久性が減じやすく好ましくない。繊維状物は中
空糸状であってもかまわない。またその断面形状は円、
楕円、星形など新合繊として提案されているいかなる形
状のものでもかまわない。多孔膜状、スポンジ状のもの
は、孔と孔の間が細い柱で連結されるが、通常その直径
は10nmから1mm程度まで存在するが、その大きさに
はこだわることはない。全体積の中で空隙を占める割合
即ち空隙率が、25%を越える高いものを用い、厚さ方
向に圧縮して成形することで、厚み方向のばらつきを抑
えることができ好適に用いられる。またフィルム状のも
のは、積層体の個々の層を分離する層(分離層)を形成
するのに好適に用いられる。特に1μmを切るような超
薄フィルムについては、不織布状、織物状、編み物状、
フエルト状、多孔膜状、スポンジ状のシート状物と同様
に使用できる。
【0028】親水性で実質的に水に不溶なアスペクト比
が5以上の繊維状物およびまたはその複合体で形成され
た粒子の混合量は、上記公定水分率、水吸収率によって
左右されるが、基本的に公定水分率、水吸収率が大きい
場合は少なくでき、小さい場合は多くする必要が生じ
る。4%未満では十分効果を発揮できないが、これ以上
であればダストの付着やスクラッチ傷を少なくできる。
混合比率が少ないとその効果は小さく、多いとその効果
は大きくなるが、パッドの物性が悪化する場合が多い。
即ち、パッドの持つ硬度は下がり、曲げ強度が弱く脆性
破壊しやすくなる。このため、好適には7から60重量
%使われ、さらに好適には、20から50重量%が用い
られる。アスペクト比とは、(粒子の長軸長)/(粒子
の短軸長)で表し、本発明においては5以上の繊維状の
ものを指す。繊維複合体とは、これら繊維状のものがフ
ィブリル化状態で寄り集まって形成した複合体のことで
ある。例えば、芯鞘構造を有する極細繊維前駆体のよう
な形状を指す。本発明では、これらが集まり粒子状にな
ったものを指す。アスペクト比はこれら粒子状物中の極
細繊維について規定する。この様な形状のフィラーを混
合することで、研磨パッド自身が研磨時の応力緩和をは
かり、ダスト付着や、スクラッチ傷の発生を抑える。
【0029】特にシート状物を積層した有機高分子マト
リクスからなる研磨パッドでは、これらシート状物を複
数枚積層し、ひとつの研磨パッドを形成する。このた
め、本発明による研磨パッドは、曲げに対する強度が極
めて高く、極めて割れを生じることが少ない。厚みの大
きいシート状物を用いることで1枚で研磨パッドを形成
することももちろん可能である。1枚当たり1μm程度
およびまたはこれより厚みがある層を形成し、複数層重
ね合わせた方が、研磨特性の安定性は高く、なおかつ研
摩面の状態を精巧に制御できる研磨パッドを形成しやす
くなる。通常は5μm以上が使われ最適には100から
300μmが用いられる。各層の厚みや材質が同じであ
る必要はなく、1層ごとにマトリクス樹脂の樹脂含有率
およびまたは種類を変えたり、層ごとにシート状物の厚
みおよびまたは種類を変えることで、研磨パッドを精密
に設計できる。
【0030】例えば、発泡ポリウレタンや、ゴムシート
などからなるクッション層を、研磨層部分、クッション
層部分、分離層部分をセットにしてそれを複数層積層す
ることで、研磨パッドを研磨定盤に1度貼りつければ、
従来の何倍もの長期にわたってパッド交換を行わなくて
も良い長寿命研磨パッドを提供できる。分離層をもうけ
ることで研磨層部分が研磨液に接触したり、研摩面から
浸潤してきた研磨分散液に接触することもなく、ドレッ
シングによって形成されたバージン面をもって研磨でき
るため、極めて高い研磨安定性を得ることができる。ま
た、層間絶縁膜、メタル研磨が交互に必要な場合も、用
途に最適の例えば層間絶縁膜研磨には非常に硬い層を用
い、メタル研磨用には柔らかい層が使えるように順序を
決めて成型することもできる。この組み合わせを決定す
ることは同業者にとって難しいことではない。このよう
に本発明によれば、製造のためのスループット向上にも
繋がり、トータルコストダウンにも有効である。
【0031】積層状研磨パッドの成形方法としては、親
水性で実質的に水に不溶のシート状物に、有機高分子マ
トリックスと さらに場合によっては無機微粒子および
または水溶性物質をあらかじめコンパウンド化して含浸
の後、熱圧縮成型することもできるし、この場合溶剤を
用いて粘度を調節した上で含浸し、乾燥後に熱圧縮成形
することもできる。シート状物を用いるため、マトリク
ス樹脂のみを加圧含浸し、この上に無機微粒子を均一に
分散すること、およびまたは水溶性物質を同様に均一に
まくことによって作った層を、積層化した後加熱圧縮成
型することができる。層の数を多くすることによってで
きあがった研磨パッドの物性ばらつきを少なくできる。
【0032】また、マトリックスのモノマー分子を親水
性で実質的に水に不溶のシート状物、場合によってはさ
らに無機微粒子およびまたは水溶性物質に含浸後重合す
ることも可能である。マトリックスがポリウレタンのよ
うに2液系のものはあらかじめ主剤または硬化剤を混合
後に、シート状物に加圧含浸させ成形することができ
る。その後研削加工を施し研磨パッドの形状に仕上げる
ことも可能である。具体的には各マトリックスと親水性
でかつ水不溶性の高分子の相溶性や個々の耐熱性、重合
特性、溶融粘度などの物性に依存する粒子およびまたは
繊維状物およびまたはアスペクト比が5以上の繊維状物
およびまたはその複合体で形成された粒子を混合した研
磨パッドの成形方法としては、マトリックスと親水性で
かつ水不溶性の高分子を、あらかじめコンパウンド化し
て熱圧縮成型することもできるし、溶融押し出し成形す
ることもできる。インジェクションプレスなどの手法も
可能である。また、マトリックスのモノマー分子を親水
性でかつ水不溶性の高分子に含浸後重合することも可能
である。マトリックスがポリウレタンのように2液系の
ものはあらかじめ主剤または硬化剤に親水性でかつ水不
溶性の高分子を混合後に、硬化剤または主剤を混合し脱
泡操作の後に適当な金型へ流し込んで成形することがで
きるし、その後研削加工を施し研磨パッドの形状に仕上
げることも可能である。具体的には各マトリックスと親
水性でかつ水不溶性の高分子の相溶性や個々の耐熱性、
重合特性、溶融粘度などの物性に依存するが、当業者の
ものにとってその組み合わせを選択することは容易であ
る。本発明の研磨パッドはこの様に製造方法に関しては
公知技術の組み合わせを用いることが可能である。
【0033】研磨面への研磨液の供給とそこからの排出
を促進するなどの目的で、表面に溝や孔が設けられてい
ることが好ましい。溝の形状としては、同心円、渦巻
き、放射、碁盤目など種々の形状が採用できる。溝の断
面形状としては四角、三角、半円などの形状が採用でき
る。溝の深さは0.1mmから該研磨層の厚さまでの範
囲で、溝の幅は0.1〜5mmの範囲で、溝のピッチは
2〜100mmの範囲で選ぶことができる。孔は研磨層
を貫通していても良いし、貫通していなくても良い。孔
の直径は0.2〜5mmの範囲で選ぶことができる。ま
た、孔のピッチは2〜100mmの範囲で選ぶことがで
きる。
【0034】研磨パッドを構成する樹脂、有機高分子マ
トリクスとしては、ポリアミド系、ポリアクリル系、ポ
リオレフィン系、ポリビニル系、アイオノマー系、ポリ
カーボネート系、ポリアセタール系、ポリウレタン系、
ポリイミド系などの熱可塑性樹脂およびその誘導体、共
重合体、グラフト体などを用いることができる。これら
の混合でもかまわないが硬度が出るように配合すること
が重要である。
【0035】例えば、無機微粒子を混合し、硬度を向上
させる工夫を凝らすことも有効である。ナノコンポジッ
トなどで開示された技術を応用展開可能である。具体的
には無機微粒子としてシリカ、セリア、アルミナ、ジル
コニア、チタン、タングステン、炭酸バリウム、硫酸バ
リウム、カーボンブラック、モンモリロナイトなどの粘
土、ゼオライトなどの結晶などを用いることができる。
またこれらの混合も可能である。マトリックスとのなじ
みを改善するためにあらかじめ表面を改質処理すること
も可能である。
【0036】粒子径としては、3nm程度から、50μm
程度のものが使えるが、大きすぎるとスクラッチを起こ
す危険が増大する。このため更に好ましくは、20μm
以下、更に好ましくは5μm以下のものがよい。シリ
カ、セリア、アルミナ、ジルコニア、チタン、タングス
テン、炭酸バリウム、硫酸バリウム、カーボンブラッ
ク、モンモリロナイトなどの粘土、ゼオライトなどの結
晶などの微粒子混合重量%としては、1%程度でも効果
があり、80%程度まで混合できる。高濃度混合した場
合は、研磨パッドの硬度を上げる効果だけでなく、砥粒
を内包したいわゆる固定砥粒研磨パッドとして有効にな
る。この場合には粒子径が小さいと効果が少なく、粒子
径30nm以上が好ましく、研磨速度向上の面から100
nm以上が更に好ましい。これら微粒子の粒径や混合量を
変えることで、被研磨物の特性に合わせた研磨パッドを
製造できる。
【0037】その他利用できる有機高分子マトリックス
としては、ポリウレタン系、エポキシ系、フェノール
系、メラミン系、ユリア系、ポリイミド系などの熱硬化
性樹脂を用いることができる。これらの樹脂の混合体
(アロイ化も含む)や、共重合、グラフト、変性品など
の改質技術をも用いることができる。本発明において研
磨パッドを構成する樹脂は、所望の硬度、弾性率、耐摩
耗性を基礎に、適宜選択すればよい。この場合も、上記
熱可塑性樹脂を用いたときと同様に無機微粒子を混合す
ることができる。ただしこの場合はプリプレグの状態で
粒子を分散しておく必要がある。
【0038】熱可塑性樹脂の場合は一般熱硬化性樹脂に
比べ柔らかいため、混合する実質的に水に不溶な親水性
有機物からなる粒子およびまたは繊維状物の公定水分率
は低くても良く、1%程度から用いられるが、ダストの
付着やスクラッチ傷をより少なくするためには3%以上
が望ましい。同様の理由から、熱硬化性樹脂では公定水
分率はより高い方が望ましい。特にこの場合は5%以上
が好ましく、更に7%以上が好ましい。
【0039】本発明の研磨パッド成型後のD硬度は65
を越えることが望ましい。65以下であると柔らかくな
りすぎて、ディッシングやエロージョンが起きやすくな
るため、好ましくない。更に研磨速度を大きくするため
にも、70以上が好ましく、さらには80以上が好まし
い。本発明では、更に硬度を上げてD硬度が90を越え
てもスクラッチ傷やダスト付着の問題は起こらず、利用
可能である。このため、従来為し得なかった良好な研磨
平坦化特性を発揮できる。
【0040】研磨パッドの曲げ弾性率は、以上説明した
とおり従来の研磨パッドよりも大きくすることができ
る。平坦化特性を良好にするため、0.5GPa以上が
望ましく、さらに望ましくは2GPa以上である。本発
明の研磨パッドにおいては、ダスト付着やスクラッチ傷
の問題がないため、さらに大きい5GPa以上20GP
a以下がさらに好ましい。但し、大きすぎると研磨パッ
ドの装着に困難になるため、100GPa以下が好まし
い。
【0041】親水性でかつ水不溶性の高分子について
は、たとえば、セルロース系、アクリル酸系、ポリアミ
ド系、デンプン系の樹脂もしくはその樹脂を主成分とす
る架橋体や共重合体を用いることができる。市販されて
いるものにもポリビニルポリピロリドンや、ポリビニル
ポリピロリドン/ビニルイミダゾール共重合体、高吸水
性樹脂、パルプ、紙、セルロースエステル、ケブラー等
のアラミド樹脂、イオン交換用の各種荷電付与したセル
ロースなどがあり、これらを利用することができる。マ
トリックスとのなじみを改善するためにあらかじめ表面
を改質処理することも可能である。基本的には、溶解度
パラメーターδspが11.5以上でかつδhが4以上の
ものが好適に利用できる。溶解度パラメータは、例え
ば、松浦剛著の「合成膜の基礎」(1985年10月2
0日喜多見書房発行)32-33ページに、記載されて
いる。
【0042】本発明の研磨パッドにおいて使用される実
質的に水に不溶な高分子は、その他、デンプン系、キチ
ンなどの多糖類、タンパク質、ポリアミド系、ポリビニ
ルアルコール系、エチレン-ビニルアルコール共重合系
などの樹脂もしくはその樹脂を主成分とする架橋体や共
重合体を用いることができる。絹、羊毛、綿、麻などの
天然繊維なども市販されており有効に利用できる。ま
た、本来疎水性である樹脂にスルホン基、アミノ基、カ
ルボキル基、水酸基を導入したものも使用可能である。
疎水性とは、上述式2で求められる重量増加率が2%未
満のものを指す。また400ppm以下にナトリウムイオ
ンの混入を抑えたものを用いることが好ましい。更に好
ましくは50ppm以下、更に好ましくは10ppm以下であ
る。
【0043】また、本発明の研磨パッドにおいてはその
他に水溶性物質を含んでいても良い。市販されているも
のにも各種ポリアルキレングルコール、ポリビニアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル、キトサン、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルイミダゾール、水溶性多糖類などがあ
り、これら高分子を利用することができる。これ以外に
も、各種無機塩などの低分子物質を混合することもでき
る。マトリックスと水溶性の高分子を混合することで、
研磨の際にこの部分が溶解脱落することでミクロの大き
さの不定形微細孔を形成することができる。この場合
も、あらかじめコンパウンド化して熱圧縮成型すること
もできるし、溶融押し出し成形することもでき、インジ
ェクションプレスなどの手法も可能で公知技術の組み合
わせを利用できる。親水性でかつ水不溶性の高分子と、
水溶性高分子の併用も可能である。研磨パッドを成形す
る際に、本発明においては実質的に水に不溶な親水性有
機物からなる粒子およびまたは繊維状物、すなわち親水
性高分子を含むため、これらを乾燥した上で使用するが
水分の完全除去は難しく、このため成形の際に加熱によ
って蒸気が発生する。このため、粒子およびまたは繊維
状物以外の部分で空隙を形成することができる。また熱
硬化性樹脂の場合にはフェノール樹脂のように硬化の際
に水を生成するものがあるため、これを利用して粒子お
よびまたは繊維状物以外の部分で空隙を形成することが
できる。空隙の大きさを制御するために例えば成形時に
これら水蒸気をうまく抜いて硬化させることができる
が、更に微妙に制御が必要な場合に少量の水溶性物質を
混合することでそれが可能になる。さらに、これら水溶
性物質が研磨を行う際に溶け出すことで研磨パッド表面
のみに空隙を形成し、これら空隙が研磨スラリー中の遊
離砥粒の保持性を上げたり、研磨屑の除去に効果があり
結果として研磨速度向上に有利に働く場合がある。また
この水溶性物質が研磨液の分散液に溶解することその粘
度を変化させることができるため、例えば水溶性の多糖
類のひとつであるキサンタンガムを混合した場合、それ
が溶け出すことで研磨液がビンガム流体様の性質を持つ
ようになり、おそらく凹凸付き半導体ウェハの凹部にお
いて研磨粒子の拡散が抑えられることなどからを研磨し
たときの平坦性、特にグローバル平坦性を改善する効果
が得られる。これらの効果を発現するためには研磨パッ
ドの重量当たり水溶性物質を0.01wt%程度添加し
た場合でも効果があるが好ましくは0.5wt%以上、
5wt%以下の添加量が有効的に用いられる。10wt
%を越えると、研磨分散液の性質が変化しすぎるため、
好ましくない。分散液粘度に影響の少ない低分子物質を
用いれば更に多量に混合できるが、コスト面から考えて
も実際的でない。
【0044】本発明の研磨パッドには、無機粒子等の記
載ナノコンポジットが含有されるものがあり、従来知ら
れた樹脂からなる研磨パッドよりも容易に硬質の研磨パ
ッドが得られるために、研磨特性が良くなる。即ち、デ
ィッシングやエロージョンを少なくできる。特に、研磨
砥粒の粒径の小さいものと組み合わせることで、スクラ
ッチ傷に関しても良好な結果が得られる。
【0045】また、本発明の研磨パッドにおいて一つ
は、ナノコンポジットがシリカ粒子とのナノコンポジッ
トであることが特徴であり、砥粒を含まない研磨液を供
給しながら行う固定砥粒パッドとして利用できる。本発
明で表現したナノコンポジットという言葉は、一般に使
われているナノメーターオーダーの粒子を混合したもの
から、数十ミクロン程度の微粒子を混合したものまでを
言う。粒子が大きすぎると、硬度を高くする効果が減少
するため直径20μm以下が好ましく、また研磨の際に
スクラッチ傷が発生する危険を減らすためにさらには、
1μm以下が好ましい。逆に小さすぎると、固定砥粒と
しての効果がなくなるので10nm以上が好ましい。
有機無機ナノコンポジットとしてフェノール樹脂とシリ
カ粒子の組み合わせ、エポキシ樹脂とシリカ粒子の組み
合わせ、ポリアミド樹脂とシリカ粒子の組み合わせの中
の少なくとも1つの組み合わせからなることが好ましい
が、今後もこれ以外の組み合わせのナノコンポジットが
開発されれば、候補となる。例えば、セリア系の微粒子
がその候補となる。
【0046】ナノコンポジットのシリカ微粒子混合重量
%としては、1%程度でも効果があり、80%程度まで
混合できる。シリカ粒子の混合重量%はポリアミド樹脂
では2%から70%、エポキシ系では2から85%まで
行える。フェノール系では2から50%が使用できる。所望
の硬度をもとに適宜設定すればよい。またこれらは市販
されているものがあるので、利用すればよい。
【0047】このほかに、半導体ウェハを研磨するの
に、炭酸バリウムの微粒子を利用することができる。炭
酸バリウムの微粒子は、親水性高分子との併用でも良い
し、単独使用でも良い。
【0048】具体的には無機微粒子としてシリカ、セリ
ア、アルミナ、ジルコニア、チタン、タングステン、炭
酸バリウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、モンモ
リロナイトなどの粘土、ゼオライトなどの結晶などを用
いることができる。またこれらの混合も可能である。マ
トリックスとのなじみを改善するためにあらかじめ表面
を改質処理することも可能である。
【0049】粒子径としては、3nm程度から、50μm
程度のものが使えるが、大きすぎるとスクラッチを起こ
す危険が増大する。このため更に好ましくは、20μm
以下、更に好ましくは5μm以下のものがよい。シリ
カ、セリア、アルミナ、ジルコニア、チタン、タングス
テン、炭酸バリウム、硫酸バリウム、カーボンブラッ
ク、モンモリロナイトなどの粘土、ゼオライトなどの結
晶などの微粒子混合重量%としては、1%程度でも効果
があり、80%程度まで混合できる。高濃度混合した場
合は、研磨パッドの硬度を上げる効果だけでなく、砥粒
を内包したいわゆる固定砥粒研磨パッドとして有効にな
る。この場合には粒子径が小さいと効果が少なく、粒子
径30nm以上が好ましく、研磨速度向上の面から100
nm以上が更に好ましい。これら微粒子の粒径や混合量を
変えることで、被研磨物の特性に合わせた研磨パッドを
製造できる。
【0050】本発明の研磨パッドは、研磨前のドレッシ
ングによって作られた表面凹凸プロファイルを基準とし
て、1枚の酸化膜付きシリコンウェハを研磨した後の中
心線平均粗さRa値の変化量が0.2μm以下であり、例
えば研磨の際のアブレーシブ摩耗速度の異なる少なくと
も2種類以上の高分子がブレンドされ、最低2種類のド
メインを形成していることが特徴である。高分子の中に
はミクロ相分離を起こすものが多く、その組み合わせは
多数知られているのでその知見を利用することができる
が、ドメインの大きさが小さくなりすぎるものが多いの
で注意が必要である。用いられる樹脂は、むしろ相溶性
の悪い組み合わせ、また成形時に一方が液状になるがも
う一方はならない組み合わせが好ましい。この2種類以
上のドメインの大きさは、大きさが揃っていることが理
想的であって、平均ドメイン面積和の比(最も小さいド
メインの面積和/最も大きいドメインの面積和)が0.
1から3.5が好ましい。さらに、0.3から2.5の
方が研磨レートの変化が少なく、より好ましい。ただ
し、3種類以上のドメインを形成しており、かつその2
つが包含関係にあれば、この場合は2種類のドメインと
見なして考える。これらドメインの大きさは光学顕微鏡
観察を行うことで測定できる。光学顕微鏡とCCDカメ
ラを組み合わせた物が市販されており、これを使うこと
で簡便にパソコンなどでデータ処理が行える。少なくと
も形成されたドメイン1つの大きさは10-12m2〜10-6m2
あることが好ましい。1つのドメインの大きさは大きい
程良いが、研磨パッドとしては大きすぎるとパッド表面
の物理強度が低下しすぎ、研磨の際の耐久性が著しく落
ちる場合があり、研磨速度が十分に得られないという問
題を生じ易い。この閾値はパッドを主に構成する樹脂に
よって変動するが、直径1mm以下であれば、これらの
欠点を補えることがわかった。ドメインの大きさは小さ
くても、別に研磨特性に対して悪影響を生じることはな
いが、研磨パッドの成形、品質ばらつきを抑えることが
難しくなる。いわゆるミクロ相分離構造を取らせること
も一つの方法ではあるが、研磨パッド表面の状態と内部
の状態を同じにすることは難しく膜厚全体にわたって該
ミクロ相分離構造を制御することはきわめて困難とな
る。このため、非相溶系の2種類以上の高分子を、高分
子表面に他の高分子とのなじみを良くする修飾を施し、
ミクロに分散させる方法を簡便に用いることができる。
もちろん、なじみを改善させる必要のない組み合わせを
採用することで、さらに簡便に本発明を利用することが
できる。
【0051】この様にして設計された研磨パッドでは、
例えば半導体ウェハを研磨した場合にも、ダイアモンド
ドレッサーを用いて研削をおこなうドレッシングを行わ
なくても、または荷重をかけずにおこなえる剛毛ブラッ
シング等の簡易操作のみで好適な研磨特性を持続させる
ことが可能な研磨パッドとなる。メカニズムは明らかで
はないが異種の高分子を混合したため、研磨の際にそれ
ぞれのドメインが個別の速度でアブレーシブ摩耗するた
め、結果として表面粗さを均一に保つことができると考
えられる。
【0052】実際に研磨速度を調べた結果、連続5枚の
半導体ウェハの研磨によっても研磨速度の変動は見られ
なかった。また同時に、表面粗さの測定を行ったとこ
ろ、ほとんど中心線平均粗さRa値の変化はなかった。
この場合の中心線平均粗さRa値は一般に3から5ミク
ロンの範囲であり、研磨による変化量は、0.2ミクロ
ン/枚以下であることが重要である。さらに、0.15
ミクロン以下であれば研磨速度の安定性も増すため好ま
しい。さらに精度を求めるときは0.1ミクロン以下が
好ましい。本発明において、中心線平均粗さRa値の変
化を小さく抑える機構を内蔵することで、研磨特性を持
続させることが可能であることがわかり、課題を達成で
きることがわかった。さらに、マトリックスと水溶性の
高分子を混合することで、研磨に際にこの部分が溶解脱
落することで表面中心線平均粗さRa値の変化を小さく
することができる。親水性でかつ水不溶性の高分子と、
水溶性高分子の併用も可能である。
【0053】以上の構成で、研磨時のダスト付着や、ス
クラッチ傷の問題を抑え、グローバル平坦化特性が良好
でかつ研磨安定性にも優れた研磨パッドを提供できる。
マトリックス樹脂、実質的に水不溶性である親水性高分
子の組み合わせおよびまたは重量比によっては、わずか
にダスト付着や、スクラッチ傷の問題が残る場合があ
る。このような場合は、できあがった樹脂板の吸水率
や、吸水速度を測定し、下記のごとく調整することで、
最適化を図ることができる。吸水率の場合は、1時間吸
水率が0.8%以上であることが望ましく、さらにダス
ト付着を抑えるために1%以上が、さらには2%以上が
好ましい。あまり高くなりすぎると、研磨速度の安定性
が悪くなるため、15%以下が好ましい。吸水率の場合
は、水接触後5分までの吸水速度が3%/hr以上であ
ることが望ましく、さらにダスト付着や、スクラッチ傷
の問題を抑えるためには、6%/hr以上、さらに有効
には9%/hr以上が好ましい。
【0054】研磨面への研磨液の供給とそこからの排出
を促進するなどの目的で、表面に溝や孔が設けられてい
ることが好ましい。溝の形状としては、同心円、渦巻
き、放射、碁盤目など種々の形状が採用できる。溝の断
面形状としては四角、三角、半円などの形状が採用でき
る。溝の深さは0.1mmから該研磨層の厚さまでの範
囲で、溝の幅は0.1〜5mmの範囲で、溝のピッチは
2〜100mmの範囲で選ぶことができる。孔は研磨層
を貫通していても良いし、貫通していなくても良い。孔
の直径は0.2〜5mmの範囲で選ぶことができる。ま
た、孔のピッチは2〜100mmの範囲で選ぶことがで
きる。これらの形状は、研磨液がうまく研磨面へ供給さ
れること、研磨液の保持性を高めること、またそこから
研磨屑を伴って良好に排出することおよびまたは促進す
ることなどを満たせば良い。研磨パッド自体の形状は、
円板状、ドーナツ状、ベルト状など様々な形に加工でき
る。厚みも、0.1mm程度から、50mm程度もしく
はこれ以上の厚みの物も製造可能である。円板状、ドー
ナツ状に加工した場合の直径についても、被研磨物の大
きさを基準として、1/5から5倍程度の物まで製造さ
れるが、あまり大きいと加工効率が低下してしまうため
好ましくない。
【0055】本発明で得られた研磨パッドは、クッショ
ン性を有するクッションシートと積層して複合研磨パッ
ドとして使用することも可能である。半導体基板は局所
的な凹凸とは別にもう少し大きなうねりが存在してお
り、このうねりを吸収する層として硬い研磨パッドの下
(研磨定盤側)にクッションシートをおいて研磨する場
合が多い。クッションシートとしては、発泡ウレタン
系、ゴム系の物を組み合わせて使うことができる。クッ
ション層は、現在汎用的に使用されているポリウレタン
含浸不織布(例えば、ロデール社製 商品名 Suba
400など)の他、ゴム、発泡弾性体、発泡プラスチッ
クなどを採用することができ、特に限定されるものでは
ないが、体積弾性率が60MPa以上でかつ引張り弾性
率が0.1〜20MPaである特性を有するクッション
層が好ましい。引張り弾性率が小さい場合は、半導体基
板全面の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が損なわ
れる傾向がある。引張り弾性率が大きい場合も半導体基
板全面の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が損なわ
れる傾向がある。さらに好ましい引張り弾性率の範囲
は、0.5〜10MPaである。
【0056】ここで体積弾性率とは、あらかじめ体積を
測定した被測定物に等方的な印加圧力を加えて、その体
積変化を測定する。体積弾性率=印加圧力/(体積変化
/元の体積)という定義である。例えば、元の体積が1
cm3 であり、これに等方的に印加圧力を0.07MP
aかけた時の体積変化が0.00005cm3 であれ
ば、体積弾性率は1400MPaである。体積弾性率の
測定方法の一つとして、例えば被測定物をあらかじめ体
積を測定しておき、その後容器にいれた水中に被測定物
を浸漬して、この容器を圧力容器に入れて印加圧力を加
えて中の容器の水の高さの推移から被測定物の体積変化
と印加圧力を測定する方法が挙げられる。浸漬する液体
は、被測定物を膨潤させたり破壊するものは避けること
が好ましく、液体であれば特に限定されないが、例えば
水や水銀やシリコンオイルなどをあげることができる。
引張り弾性率は、クッション層をダンベル形状にして引
っ張り応力を加え、引張り歪み(=引っ張り長さ変化/
元の長さ)が0.01〜0.03までの範囲で引張り応
力を測定し、引張り弾性率=((引張り歪みが0.03
時の引張り応力)−(引張り歪みが0.01時の引張り
応力))/0.02で定義されるものである。
【0057】このような特性を有するクッション層を構
成する成分としてはゴムが挙げられ、具体的には天然ゴ
ム、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、ポリブタジエンゴ
ム、ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの無発泡のエ
ラストマを挙げることができるが特にこれらに限定され
るわけではない。クッション層の好ましい厚みは、0.
1〜100mmの範囲である。厚みが小さい場合は、半
導体基板全面の平坦性の均一性(ユニフォーミティ)が
損なわれる傾向がある。逆に厚みが大きい場合は、局所
平坦性が損なわれる傾向がある。さらに好ましい厚みの
範囲は、0.2〜5mmである。さらに好ましい範囲は
0.5〜2mmである。
【0058】本発明の研磨パッドは研磨定盤に固定して
使用される。その際に研磨定盤からクッション層が研磨
時にずれないように固定し、かつクッション層から研磨
層がずれないように固定することが重要である。研磨定
盤とクッション層の固定方法としては、両面接着テープ
で固定する方法や接着剤で固定する方法や研磨定盤から
吸引してクッション層を固定する方法などが考えられる
が特に限定されるものではない。クッション層と研磨層
を固定する方法としては、両面接着テープで固定する方
法や接着剤で固定する方法などが考えられるが特に限定
されるわけではない。
【0059】研磨層とクッション層を貼り合わせる両面
接着テープまたは接着層として好ましいものは、住友3
M(株)の両面接着テープ463、465および920
4等、日東電工(株)の両面接着テープNo.591等
の基材なしアクリル系接着剤転写テープ、住友3M
(株)のY−4913等の発泡シートを基材とした両面
接着テープや住友3M(株)の447DL等の軟質塩化
ビニルを基材とした両面接着テープを具体的に挙げるこ
とができる。
【0060】本発明では、研磨後に研磨層が研磨レート
が得られない等の理由で交換する必要が生じた場合に
は、研磨定盤にクッション層を固着した状態で研磨層を
クッション層から取り外して交換することも可能であ
る。クッション層は研磨層に比べて耐久性があるので、
研磨層だけを交換することはコスト面で好ましいことで
ある。
【0061】本発明の研磨パッドは、例えば半導体チッ
プ製造に使用される場合、まず第1に、凹凸加工する前
の半導体ウェハー(ベアウェハ、およびまたは酸化膜付
きウェハ)の研磨に採用し、ウェハー自身が持つ微細な
凹凸、即ちwavinessや、nanotopologyなどと表現される
表面欠陥を無くすことが好ましい。このあと、リソグラ
フィー等での表面パターンの加工を施し、CMP研磨を
行う。この工程を本発明からなる研磨装置を用いて行う
ことで、極めて平坦度の高い加工が可能になり、半導体
チップの多層化、高集積度化、配線の微細化の要求を満
たすことが容易に可能になる。また本発明の研磨パッド
は、400ppm以下にナトリウムイオンの混入を抑えた
ものを用いることが好ましい。更に好ましくは50ppm
以下、更に好ましくは10ppm以下である。
【0062】本発明の研磨パッドの研磨対象は、半導体
ウェハの上に形成された絶縁層または金属配線の表面で
あるが、絶縁層としては、金属配線の層間絶縁膜や金属
配線の下層絶縁膜や素子分離に使用されるシャロートレ
ンチアイソレーションを挙げることができ、金属配線と
しては、アルミ、タングステン、銅等であり、構造的に
ダマシン、デュアルダマシン、プラグなどがある。銅を
金属配線とした場合には、窒化珪素等のバリアメタルも
研磨対象となる。絶縁膜は、現在酸化シリコンが主流で
あるが、遅延時間の問題で低誘電率絶縁膜が用いられる
様になる。低誘電率絶縁膜は、酸化シリコンに比べて柔
らかく、脆い性質があるが、本発明研磨パッドでは、ス
クラッチが比較的に入りにくい状態で研磨が可能であ
る。半導体ウェハ以外に磁気ヘッド、ハードディスク、
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ関連部材、サ
ファイヤ等の研磨に用いることもできる。以下、実施例
によってさらに詳細に説明する。
【0063】
【実施例】(ダスト付着量の測定)厚さ1.2mm、直
径38cmの円形の研磨パッドを作成し、表面に、幅
2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmのいわゆ
るX-Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。この
パッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、“L/M-
15E”)の定盤にクッション層として、ロデール社製
Suba400を貼り、その上に両面接着テープ(3M
社製、“442J”)で張り付けた。旭ダイヤモンド工
業(株)のコンディショナー(“CMP−M”、直径1
4.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定
盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rp
mで同方向に回転させ、純水を10ml/minで供給
しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行っ
た。研磨機に純水を100ml/min流しながら研磨
パッド上を2分間洗浄し次ぎに、酸化膜付きウェハ(4
インチダミーウェハCZP型、信越化学工業(株))を
研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製
スラリー分散液(“SC−1”)を100ml/min
で研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力0.04
MPa、定盤回転数45rpm、コンディショナー回転
数45rpmで同方向に回転させ、5分間研磨を実施し
た。ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水を
かけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表
面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。その
後ウェーハ表面ゴミ検査装置(トプコン社製、“WM-
3”)を用いて、直径が0.5μm以上の表面ダスト数
を測定した。本試験方法では、400個以下であれば半
導体生産上問題を生じることが無く合格である。
【0064】(酸化膜研磨速度の測定)ウェハ(4イン
チダミーウェハCZP型、信越化学工業(株))表面の
酸化膜の厚みを、あらかじめ大日本スクリーン社製“ラ
ムダエース”(VM−2000)を用いて決められた点
196ポイント測定した。研磨機(ラップマスターSF
T社製、“L/M-15E”)の定盤にクッション層とし
て、ロデール社製“Suba400”を貼り、その上に
両面接着テープ(3M社製、“442J”)で試験すべ
き研磨パッドを張り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)
のコンディショナー(“CMP−M”、直径14.2c
m)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数
25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方
向に回転させ、純水を10ml/minで供給しながら
5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨
機に純水を100ml/min流しながら研磨パッド上
を2分間洗浄し次ぎに、酸化膜厚みを測定し終わった酸
化膜付きウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度
のキャボット社製スラリー分散液(“SC−1”)を1
00ml/minで研磨パッド上に供給しながら、押し
つけ圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コン
ディショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、5
分間研磨を実施した。ウェハ表面を乾かさないように
し、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコール
スポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付
けて乾燥した。この研磨後のウェハ表面の酸化膜の厚み
を大日本スクリーン社製“ラムダエース”(VM−20
00)を用いて決められた点196ポイント測定し、各
々の点での研磨速度を計算し、その平均値を酸化膜研磨
速度とした。
【0065】研磨速度の安定性の評価は、1回目の研磨
のみ研磨パッドのコンディショニングを行い、2度目か
らは行わず、直接酸化膜厚みを測定し終わった酸化膜付
きウェハを研磨することで評価した。 (ディッシングの評価1)タングステン配線ディッシン
グ評価用テストウェーハ:酸化膜付き4インチシリコン
ウェーハ(酸化膜厚:2μm)に100μm幅で深さが
0.7μmの溝をスペースが100μm間隔で形成す
る。この上にスパッタ法でタングステンを厚み2μm形
成して、タングステン配線ディッシング評価用テストウ
ェーハを作成した。
【0066】直径38cmの円形の研磨層を作製し、表
面に幅2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmの
いわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施し
た。この研磨パッドを研磨機(ラップマスターSFT社
製、L/M―15E)の定盤にクッション層として、ロ
デール社製“Suba400”を貼り、その上に両面接
着テープ(3M社製、“442J”)で貼り付けた。旭
ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(“CMP
−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.
04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー
回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml
/minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディシ
ョニングを行った。研磨機に純水を100ml/min
流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次に、タングス
テン配線ディシング評価用テストウェハを研磨機に設置
し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー
(“SEMI―SPERSE W―A400”)とキャ
ボット社製酸化剤(“SEMI―SPERSE FE―
400”)を1:1で混合したスラリー溶液を100m
l/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧
力0.04MPa、定盤回転数45rpm(ウェハの中
心での線速度は3000(cm/分))、半導体ウェハ
保持試料台を回転数45rpmで同方向に回転させ、2
分間研磨を実施した。半導体ウェハ表面を乾かさないよ
うにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコ
ールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹
き付けて乾燥した。タングステン表面のディッシング状
態をキーエンス社製超深度形状測定顕微鏡“VK―85
00”で測定した。なお、研磨層の表面加工形態につい
ては、その他の形状のものも上記と同様の手順で行っ
た。タングステン配線の中央深さを測り、0.04μm
以下であれば合格とした。
【0067】(ディッシングの評価2)ウェハ(4イン
チダミーウェハCZP型、信越化学工業(株))表面
に、図1および図2に示したパターンを形成し、その中
の230μmのスペース部分(凹部酸化膜の研磨量を、
大日本スクリーン社製“ラムダエース”(VM−200
0)を用いて測定した。具体的には、研磨機(ラップマ
スターSFT社製、“L/M-15E”)の定盤にクッシ
ョン層として、ロデール社製“Suba400”を貼
り、その上に両面接着テープ(3M社製、“442
J”)で試験すべき研磨パッドを張り付けた。旭ダイヤ
モンド工業(株)のコンディショナー(“CMP−
M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.0
4MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回
転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml/
minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディショ
ニングを行った。研磨機に純水を100ml/min流
しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次ぎに、230μ
mのスペース部)と、一対になる20μmのライン部
(凸部)の酸化膜厚みを測定し終わった酸化膜付きウェ
ハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット
社製スラリー分散液(“SC−1”)を100ml/m
inで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力0.
04MPa、定盤回転数45rpm、コンディショナー
回転数45rpmで同方向に回転させ、1分間研磨を実
施した。このとき固定砥粒パッドとしての評価は、スラ
リー分散液の代わりにpH10.5のKOH水溶液を用
いた。ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水
をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ
表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。こ
の研磨後のウェハ表面の230μmのスペース部分と、
一対になる20μmのライン部の酸化膜の厚みを大日本
スクリーン社製“ラムダエース”(VM−2000)を
用いて測定し、この部分の研磨量を測定した。この2つ
の部分の段差が10nm以下になるまで、注意深く研磨
を繰り返した。段差が10nm以下になったときの23
0μmのスペース部分の研磨量の値が小さいほど(0が
理想値)ディッシング特性はよい。少なくとも300n
m以下が合格領域である。 (平坦化特性の評価)まず、以下の手順でグローバル段
差評価用テストウェハを準備した。グローバル段差評価
用テストウェハ:酸化膜付き4インチシリコンウェハ
(酸化膜厚:2μm)に10mm角のダイを配置する。
フォトレジストを使用してマスク露光をおこない、RI
Eによって10mm角のダイの中に20μm幅、高さ
0.7μmのラインと230μmのスペースで左半分に
ラインアンドスペースで配置し、230μm幅、高さ
0.7μmのラインを20μのスペースで右半分にライ
ンアンドスペースで配置する。
【0068】直径38cmの円形の研磨層を作製し、表
面に幅2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmの
いわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施し
た。この研磨パッドを研磨機(ラップマスターSFT社
製、L/M―15E)の定盤にクッション層として、ロ
デール社製“Suba400”を貼り、その上に両面接
着テープ(3M社製、“442J”)で貼り付けた。旭
ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(“CMP
−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.
04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー
回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml
/minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディシ
ョニングを行った。研磨機に純水を100ml/min
流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次に、グローバ
ル段差評価用テストウェハを研磨機に設置し、説明書記
載使用濃度のキャボット社製スラリー(“SC−1”)
を100ml/minで研磨パッド上に供給しながら、
押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数45rpm
(ウェハの中心での線速度は3000(cm/分))、
半導体ウェハ保持試料台を回転数45rpmで同方向に
回転させ、所定時間研磨を実施した。半導体ウェハ表面
を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポ
リビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾
燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。グローバル段差評価
用テストウェハのセンタ10mmダイ中の20μmライ
ンと230μラインの酸化膜厚みを大日本スクリーン社
製ラムダエース(“VM−2000”)を用いて測定
し、それぞれの厚みの差をグローバル段差として評価し
た。研磨層の加工形態については、その他形状のものも
上記と同様の手順で行った。20μm幅配線領域と23
0μm幅配線領域のグローバル段差は研磨時間は5分で
45nm以下であれば合格とした。
【0069】(D硬度の測定)厚さ1.0mm〜1.5
mmの範囲に入るサンプル(大きさは1cm角以上)
を、D硬度90以上の表面硬度を有する平面上に置き、
JIS規格(硬さ試験)K6253に準拠した、デュロ
メーター・タイプD(実際には、高分子計器(株)製”
アスカーD型硬度計”)を用い、5点測定しその平均値
をD硬度とした。測定は室温(25℃)で行った。
【0070】(曲げ弾性率の測定)研磨パッドから、厚
さ1.0mm〜1.5mmの範囲、1×8.5cmの長
方形の試験片を作成した。この試験片について、 OR
IENTEC社製材料試験機(テンシロン RTM−1
00)を用いて、JIS-7203に従って曲げ弾性率
の測定を行った。曲げ弾性率は以下の式に従って求め
た。(各距離はmm) 曲げ弾性率={(支点間距離)3×(荷重-撓み曲線のはじ
めの直線部分の任意に選んだ点の荷重(kgf))}/{4×
(試験片の幅)×(試験片の厚さ)3×(荷重Fにおける撓
み)} (吸水率・吸水速度の測定)研磨パッドを切り出した試
験片(大きさは25×60mm、厚みは問わない)を8
0℃10時間真空乾燥した後、室温で純水中に浸漬し、
5分、30分、60分、3時間、10時間後にそれぞれ
試験片を遠心チューブに取り1400Gから1450Gの遠心力
を30秒かけ水分を振り切った状態で吸湿重量を測定し
た。
【0071】この時、吸水率は以下の式に従って求め
た。 吸水率(%)={(時間1における吸湿重量)−(乾燥
重量)}/(乾燥重量)×100 また、吸水速度は以下の式に従って求めた。ただし時間
1及び時間2は分単位。 吸水速度(%/hr)={(時間2における吸水率)−(時間1での吸水率)} ×60/ (時間2−時間1) すなわち、時間1が5分で、時間2が30分の場合、吸
湿開始5分から30分までの平均吸水速度が求まる。本
特許ではこの値吸湿開始5分までの平均吸湿速度を測定
した。
【0072】(中心線平均粗さRaの測定)厚さ1.2
mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作成し、表面
に任意の格子状溝加工、またはディンプル加工を施し
た。このパッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、
“L/M-15E”)の定盤にクッション層として、ロデ
ール社製“Suba400”を貼り、その上に両面接着
テープ(3M社製、“442J”)で張り付けた。旭ダ
イヤモンド工業(株)のコンディショナー(“CMP−
M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.0
4MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回
転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml/
minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディショ
ニングを行った。研磨機に純水を100ml/min流
しながら研磨パッド上を2分間洗浄した。次ぎに、Kosa
ka Laboratory Inc.製の表面粗さ計(製品名“Surfcord
erSE-3300”)を用い研磨パッドの中心から半径方向に
7cm離れた位置およびその点から1cmごとに5点、
それぞれ8mm長測定した(溝加工の位置と重なった場
合は、最小限ずらして測定)。測定条件はJISで推奨
された条件を踏襲した(カットオフ値0.8mm、測定
スピード0.1mm/秒)。Ra値としてはこの5点の
平均値を用いた。そのあと、このパッドを研磨機(ラッ
プマスターSFT社製、“L/M-15E”)の定盤にク
ッション層として、ロデール社製“Suba400”を
貼り、その上に両面接着テープ(3M社製、“442
J”)でもとのように張り付けた。酸化膜付きウェハ
(4インチダミーウェハCZP型、信越化学工業
(株))を研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャ
ボット社製スラリー分散液(“SC−1”)を100m
l/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧
力0.04MPa、定盤回転数45rpm、コンディシ
ョナー回転数45rpmで同方向に回転させ、5分間研
磨を実施した。研磨機に純水を100ml/min流し
ながら研磨パッド上を2分間洗浄しあとさらに上記要領
に従って中心線粗さRaの測定を行った(必要に応じて
これを半導体ウェハの枚数回繰り返し行う)。 (水供給機構の効果について) 実施例1 ワットマン社製17chr濾紙2枚を重ね、ポリビニル
ピロリドン(分子量10000)20部、MMA(メタ
クリル酸メチル)/AIBN(アゾビスイソブチロニト
リル)=999/1を80部混合した溶液を含浸させ、
ガラス板に挟み65℃温浴中で5時間板間重合した。こ
の後、100℃の乾燥機中で3時間放置し重合を完結さ
せた。得られた樹脂板でダスト付着量試験を行った。こ
の結果、151個ダストが認められた。またD硬度は、
83度であった。酸化膜研磨速度は132nm/min
であった。濾紙の部分が水供給機能を果たし、被研磨物
表面へのダスト付着性を少なくすることができた。尚、
ドメインの大きさは顕微鏡観察によって、3.6×10
-52であった。
【0073】実施例2 アドバンテック社製濾紙粉末(Eタイプ)を、35重量
%になるように“サーリン”(三井デュポンポリケミカ
ル(株)製、1705)と165℃で1軸混練コンパウンド
化した。3mm長にカットしたペレットを用い、40cm角
の金型を用いて185℃でホットプレス成形を行った。
得られた樹脂板でダスト付着量試験を行った。この結
果、254個ダストが認められた。またD硬度は、63
度であった。酸化膜研磨速度は32nm/minであっ
た。濾紙粉末の部分が水供給機能を果たし、被研磨物表
面へのダスト付着性を少なくすることができた。尚、ド
メインの大きさは顕微鏡観察によって、4.3×10
-102であった。
【0074】比較例1 40cm角の“アクスター”(東レ製、ポリエチレンテ
レフタレート繊維からなる不織布、目付280g/m
2)に液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR-5
3123)を、乾燥重量比で50wt%になるよう含
浸、乾燥させ、170℃20分3.5MPa加圧下で
1.2mm厚に成形した。この結果、3234個ダスト
が認められた。またD硬度は、90度であった。酸化膜
研磨速度は111nm/minであった。ポリエチレン
テレフタレート繊維の部分では水供給機能を果たせず、
被研磨物表面へのダスト付着性を少なくすることができ
なかった。
【0075】比較例2 実施例2で、濾紙粉末を用いずに“サーリン”のペレッ
トを用い40cm角の金型を用いて185℃でホットプレ
ス成形を行った。得られた樹脂板でダスト付着量試験を
行った。この結果、3443個ダストが認められた。ま
たD硬度は、64度であった。酸化膜研磨速度は35n
m/minであった。濾紙粉末を使用しなかったため、
水供給機能ドメインを形成できず、被研磨物表面へのダ
スト付着性を少なくすることができなかった。 (親水性でかつ実質的に水不溶性の高分子の効果) 実施例3 ワットマン社製17chr濾紙に、MMA(メタクリル
酸メチル)/AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)
=999/1を含浸させ、ガラス板に挟み65℃温浴中
で5時間板間重合した。この後、100℃の乾燥機中で
3時間放置し重合を完結させた。得られた樹脂板でダス
ト付着量試験を行った。この結果、201個ダストが認
められた。またD硬度は、88度であった。濾紙即ちセ
ルロースの溶解度パラメーターδspは、24.08、δ
hは、11.85であった。
【0076】実施例4 アドバンテック社製濾紙粉末(Eタイプ)を、30重量
%になるように“サーリン”(三井デュポンポリケミカ
ル(株)製、1705)と165℃で1軸混練コンパウンド
化した。3mm長にカットしたペレットを用い、40cm角
の金型を用いて185℃でホットプレス成形を行った。
得られた樹脂板でダスト付着量試験を行った。この結
果、327個ダストが認められた。またD硬度は、63
度であった。酸化膜研磨速度は35nm/minであっ
た。濾紙即ちセルロースの溶解度パラメーターδspは、
24.08、δhは、11.85であった。
【0077】実施例5 40cm角の“ケブラー”フエルト(東レデュポン製、
目付280g/m2)に液状フェノール樹脂(住友デュ
レズ製、PR-53123)を、乾燥重量比で50wt
%になるよう含浸、乾燥させ、170℃20分3.5M
Pa加圧下で1.2mm厚に成形した。この結果、19
6個ダストが認められた。またD硬度は、90度であっ
た。酸化膜研磨速度は88nm/minであった。”ケ
ブラー”即ち芳香族ポリアミドの溶解度パラメーターδ
spは、15.89、δhは、9.27であった。
【0078】比較例3 実施例1と同様に濾紙を用いずにMMA(メタクリル酸
メチル)/AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)=
999/1を板間重合し、得られた樹脂板を用いてダス
ト付着量試験を行った。この結果、2291個ダストが
認められた。またD硬度は、91度であった。酸化膜研
磨速度は350nm/minであった。
【0079】比較例4 実施例2で、濾紙粉末を用いずに“サーリン”のペレッ
トを用い40cm角の金型を用いて185℃でホットプレ
ス成形を行った。得られた樹脂板でダスト付着量試験を
行った。この結果、3443個ダストが認められた。ま
たD硬度は、64度であった。酸化膜研磨速度は35n
m/minであった。
【0080】(水吸収率が5000%以下の親水性有機
物からなる粒子および/または繊維状物)実施例および
比較例において得られた評価結果(曲げ弾性率、D硬
度、ダスト付着量、酸化膜研磨速度、平坦化特性の評
価、ディッシングの測定)は、表1に示した。空隙の確
認は50倍の光学顕微鏡を用いて確認した。
【0081】実施例6 ポリビニルポリピロリドン(公定水分率6%、水吸収率
2500%)35重量部、MMA(メタクリル酸メチ
ル)/AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)=99
9/1を65重量部混合して板間重合し、得られた樹脂
板で厚さ1.2mmの研磨パッドを作成した。ポリビニ
ルポリピロリドン中には空隙が見られなかった。
【0082】実施例7 ポリビニルポリピロリドン(公定水分率6%、水吸収率
2500%)33重量部、MMA(メタクリル酸メチ
ル)/AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)=99
9/1を64重量部、粒径1μmのシリカ粒子3重量部
を混合して板間重合し、得られた樹脂板で研磨パッドを
作成した。ポリビニルポリピロリドン中には空隙が見ら
れなかった。
【0083】実施例8 アドバンテック社製濾紙粉末(Eタイプ、公定水分率1
0%、水吸収率500%)35重量部と“アートファー
マー”(三洋化成工業(株)製、TA-1327)を所定
の混合比で混合したものを65重量部混合し、40cm
角の金型に流し込み、100℃で脱泡後、165℃で加
熱し樹脂板を形成した。得られた樹脂板で厚さ1.2m
mの研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察し
たが、濾紙粉末中には空隙が見られなかった。
【0084】実施例9 2液系ポリウレタン樹脂C-4403(日本ポリウレタ
ン(株)製 )62重量部とN-4276(日本ポリウ
レタン(株)製 )38重量部を混練し、さらにポリビ
ニルポリピロリドン(公定水分率6%、水吸収率250
0%)33重量部を混練し、真空脱泡後、金型内で硬化
させ、厚み1.2mmのポリウレタンシートを作製し
た。得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光
学顕微鏡で観察したが、ポリビニルポリピロリドン中に
は空隙が見られなかった。
【0085】実施例10 粉末濾紙(日本製紙社製KC−フロック、400メッシ
ュ、公定水分率11%、水吸収率500%)17重量部
と、液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR-53
717)を、乾燥重量比で83重量部になるよう混練、
乾燥させ、170℃20分3.5MPa加圧下で1.2
mm厚に成形した。得られた樹脂板で研磨パッドを作成
した。断面を光学顕微鏡で観察したが、粉末濾紙中には
空隙が見られた。
【0086】実施例11 実施例10で、濾紙粉末以外に1μmの孔径のシリカ粒
子3重量部を混合し、液状フェノール樹脂(住友デュレ
ズ製、PR-53717)を、乾燥重量で80重量部に
なるよう混練して、同様に厚さ1.2mmの研磨パッド
を作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、粉末濾紙
中には空隙が見られなかった。
【0087】実施例12 ナイロン6の孔径5μmの粒子(公定水分率4.5%、
吸水率22%)40重量部を液状フェノール樹脂(住友
デュレズ製、PR-55123)を、乾燥重量で60重
量部になるよう混練、乾燥させ、170℃20分4MP
a加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板で
研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察した
が、ナイロン粒子中には空隙が見られなかった。
【0088】実施例13 直径13μmのポリアクリロニトリル繊維(東レ製、公
定水分率2%、吸水率15%)を100μm長にカット
したものを45重量部と、フェノール樹脂(昭和高分子
社製、BRP-5980)55重量部を混練し、40c
m角の金型に流し込み、185℃、20分3.5MPa
加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板で研
磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、
ポリアクリロニトリル繊維中には空隙が見られなかっ
た。
【0089】実施例14 ポリウレタン(公定水分率1、吸水率3.5%)ブロッ
クを粉砕し、300メッシュフィルターで通過する大き
さにカットしたものを45重量部と、フェノール樹脂
(昭和高分子社製、BRP-5980)55重量部を混
練し、40cm角の金型に流し込み、185℃、20分
3.5MPa加圧下で1.2mm厚に成形した。得られ
た樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で
観察したが、ポリウレタン粒子中には空隙が見られなか
った。
【0090】実施例15から20 実施例8から13に対し、さらに親水性水溶性樹脂とし
てキサンタンガム0.2重量部を添加してそれぞれ厚さ
1.2mmの研磨樹脂板を作製した。
【0091】実施例21 実施例10において、樹脂板成形時の圧抜きを調節し、
濾紙粉末中および、フェノール樹脂中ともに空隙を形成
した。得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。
【0092】実施例22 実施例21において、濾紙粉末以外に1μmの孔径のシ
リカ粒子30重量部を混合し、樹脂板を成形し得られた
樹脂板で研磨パッドを作成した。
【0093】実施例23 実施例10でさらに親水性水溶性樹脂としてキサンタン
ガム7重量部を添加して研磨樹脂板を作製した。断面を
光学顕微鏡で観察したが、粉末濾紙中には空隙が見られ
た。
【0094】比較例5 サンフレッシュST100MPS(三洋化成工業製、水吸収率1
0000%)と、液状フェノール樹脂(住友デュレズ
製、PR-55123)を、乾燥重量比で50重量部に
なるよう含浸、乾燥させ、170℃20分3.5MPa
加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板で研
磨パッドを作成した。膨潤したサンフレッシュが研磨の
際にウェハに大量に付着し、清浄度を保てなかった。断
面を光学顕微鏡で観察したが、サンフレッシュ中には空
隙が見られなかった。
【0095】比較例6 疎水性であるポリエチレンテレフタレート繊維(公定水
分率0.4%、直径13μm、長さ100μm)に、液
状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR-5512
3)を、乾燥重量比で50重量部になるよう含浸、乾燥
させ、170℃20分3.5MPa加圧下で1.2mm
厚に成形した。被研磨物表面へのダスト付着性を少なく
することができなかった。断面を光学顕微鏡で観察した
が、ポリエチレンテレフタレート繊維中には空隙が見ら
れなかった。
【0096】比較例7 実施例9のウレタン粒子を3.5重量部と、MMA(メ
タクリル酸メチル)/AIBN(アゾビスイソブチロニ
トリル)=999/1を96.5重量部混合して板間重
合し、得られた樹脂板で厚さ1.2mmの研磨パッドを
作成した。ウレタン粒子中には空隙が見られた。
【0097】比較例8 実施例6で、ポリビニルポリピロリドン(公定水分率6
%、水吸収率2500%)3.5重量部、MMA(メタ
クリル酸メチル)/AIBN(アゾビスイソブチロニト
リル)=999/1を 96.5重量部混合して板間重
合し、得られた樹脂板で厚さ1.2mmの研磨パッドを
作成した。ポリビニルポリピロリドン中には空隙が見ら
れなかった。 (シート状物混合の効果)実施例および比較例において
得られた評価結果(曲げ弾性率、D硬度、ダスト付着
量、酸化膜研磨速度、平坦化特性の評価、ディッシング
の測定1)は、表2に示した。空隙の確認は50倍の光
学顕微鏡を用いて確認した。
【0098】実施例24 ワットマン社製17chr濾紙(公定水分率11%、乾
燥時厚み0.9mm)2枚を重ね、MMA(メタクリル
酸メチル)/AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)
=999/1を混合した溶液を65重量部含浸させ、ガ
ラス板に挟み65℃温浴中で5時間板間重合した。この
後、100℃の乾燥機中で3時間放置し重合を完結させ
た。得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光
学顕微鏡で観察したが、濾紙中には空隙が見られなかっ
た。
【0099】実施例25 ワットマン社製17chr濾紙(公定水分率11%、乾
燥時厚み0.9mm)2枚を重ね、液状フェノール樹脂
(住友デュレズ製、PR-55123)を、乾燥重量比
で50重量部になるよう含浸、乾燥させ、170℃20
分3.5MPa加圧下で1.8mm厚に成形した。得ら
れた樹脂板で1.2mm厚の研磨パッドを作成した。断
面を光学顕微鏡で観察したが、濾紙中には空隙が見られ
なかった。
【0100】実施例26 厚み0.18mmのクラフト紙(公定水分率10%)
に、液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR-55
123)を、乾燥重量比で50重量部になるよう含浸、
乾燥させ、これを6枚重ね合わせて170℃20分3.
5MPa加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹
脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察
したが、クラフト中には空隙が見られなかった。
【0101】実施例27 2液系ポリウレタン樹脂C-4421(日本ポリウレタ
ン(株)製 )51重量部とN-4276(日本ポリウ
レタン(株)製 )49重量部を混練し、セルロースス
ポンジ(東レファインケミカル社製、公定水分率11
%、圧縮乾燥時の厚み1mm)が重量比で25重量部に
なるように含浸させ、真空脱泡後、金型内で硬化させ、
厚み1.2mmのポリウレタンシートを作製した。得ら
れた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡
で観察したが、セルローススポンジ中には空隙が見られ
なかった。
【0102】実施例28 ナイロン織物(厚み300μm、公定水分率4.5%)
30重量部と、液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、
PR-53717)を、乾燥重量で70重量部になるよ
う含浸、乾燥させ、4枚重ねて170℃20分3.5M
Pa加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板
で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察した
が、ナイロン織物中には空隙が見られた。
【0103】実施例29 綿織物(厚み300μm、公定水分率10%)30重量
部と、液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR-5
3717)を、乾燥重量で70重量部になるよう含浸、
乾燥させ、4枚重ねて170℃20分3.5MPa加圧
下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板で研磨パ
ッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、綿織
物中には空隙が見られなかった。
【0104】実施例30 厚み0.24mmのクラフト紙(公定水分率10%)
に、“アートファーマー”(三洋化成工業(株)製、TA
-1327)を所定の混合比で混合したものを65重量部混
合し、これを5枚重ね合わせて40cm角の金型に入
れ、100℃で脱泡後、165℃で加熱し樹脂板を形成
した。得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を
光学顕微鏡で観察したが、クラフト紙中には空隙が見ら
れなかった。
【0105】実施例31 実施例26と30で作製した成形前のプリプレグを“ア
ートファーマー”が上になるように交互に3枚ずつ重
ね、同様に樹脂板を成形し研磨パッドを作製した。クラ
フト紙中には空隙が見られなかった。
【0106】実施例32 実施例26と28で作製した成形前のプリプレグをクラ
フト紙が上になるように交互に3枚ずつ重ね、同様に樹
脂板を成形し研磨パッドを作製した。クラフト紙、ナイ
ロン織物中には空隙が見られなかった。
【0107】実施例33 実施例32で、実施例26,実施例28で作製したプリ
プレグの下に、4μm厚のポリエチレンテレフタレート
フィルムを重ね、このセットを3回繰り返し、同様に9
層からなる樹脂板を成形した。クラフト紙、ナイロン織
物中には空隙が見られなかった。
【0108】実施例34 実施例26でマトリックス樹脂として1μmの孔径のシ
リカ粒子3重量部を混合した液状フェノール樹脂(住友
デュレズ製、PR-55123)を用いて同様にして研
磨パッドを作製した。断面を光学顕微鏡で観察したが、
クラフト中には空隙が見られなかった。
【0109】実施例35 実施例34でシリカ粒子を30重量部混合した液状フェ
ノール樹脂(住友デュレズ製、PR-55123)を用
いて同様にして研磨パッドを作製した。断面を光学顕微
鏡で観察したが、クラフト中には空隙が見られなかっ
た。
【0110】実施例36から38 実施例33から35で、さらに親水性水溶性樹脂として
キサンタンガム0.4重量部を添加してそれぞれ研磨樹
脂板を作製した。それぞれ空隙は認められなかった。
【0111】実施例39 実施例33において、樹脂板成形時の圧抜きを調節し、
クラフト紙中に空隙を形成した。得られた樹脂板で研磨
パッドを作成した。
【0112】実施例40 実施例33において、樹脂板成形時の圧抜きを調節し、
クラフト紙中、フェノール樹脂中ともに空隙を形成し
た。得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。
【0113】実施例41 ポリアクリロニトリル繊維織物(東レ製、厚み300μ
m、公定水分率2%)と、液状フェノール樹脂(住友デ
ュレズ製、PR-53717)を、乾燥重量で55重量
部になるよう含浸、乾燥させ、4枚重ねて170℃20
分3.5MPa加圧下で1.2mm厚に成形した。得ら
れた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡
で観察したが、ポリアクリロニトリル繊維織物中には空
隙が見られなかた。
【0114】実施例42 熱可塑性ウレタン繊維織物(厚み300μm、繊維径1
3μm、公定水分率1%)と液状フェノール樹脂(住友
デュレズ製、PR-53717)を、乾燥重量で55w
t%になるよう含浸、乾燥させ、4枚重ねて170℃2
0分3.5MPa加圧下で1.2mm厚に成形した。得
られた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微
鏡で観察したが、ポリウレタン繊維織物中には空隙が見
られた。
【0115】実施例43 実施例33でさらに親水性水溶性樹脂としてキサンタン
ガム5重量部を添加して研磨樹脂板を作製した。空隙は
認められなかった。
【0116】実施例44 厚み0.24mmのクラフト紙(公定水分率10%)3
0重量部に、ポリプロピレンを溶融含浸させ、間に液状
フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR-53717)
を2μmの厚みでコーティングし、5枚合わせて40c
m角の金型に入れ190℃でプレス加工した。得られた
樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観
察したが、クラフト紙中には空隙が見られなかった。
【0117】実施例45 厚み0.24mmのクラフト紙(公定水分率10%)が
30重量部になるように、ポリプロピレンと孔径1μm
のシリカ粒子を95/5の重量比で溶融混練したものを含浸
させ、これを5枚合わせて40cm角の金型に入れ19
0℃でプレス加工した。得られた樹脂板で研磨パッドを
作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、クラフト紙
中には空隙が見られなかった。
【0118】比較例9 ポリエチレンテレフタレート繊維不織布(東レ製、10
0g/m2、公定水分率0.4%、繊維径13μm)が
重量比で4重量部になるように、液状フェノール樹脂
(住友デュレズ製、PR-55123)を含浸、乾燥さ
せ、5枚合わせて170℃20分3.5MPa加圧下で
1.4mm厚に成形した。得られた樹脂板で研磨パッド
を作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、ポリエチ
レンテレフタレート繊維不織布中には空隙が見られなか
った。
【0119】比較例10 ポリエチレンテレフタレート繊維不織布(東レ製、10
0g/m2、公定水分率0.4%、繊維径13μm)を
5枚重ね、重量比で40%になるようにMMA(メタク
リル酸メチル)/AIBN(アゾビスイソブチロニトリ
ル)=999/1を60重量部混合して板間重合し、得
られた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微
鏡で観察したが、ポリエチレンテレフタレート繊維不織
布中には空隙が見られなかった。 (アスペクト比が5以上の繊維状物および/またはその
複合体で形成された粒子の混合効果)実施例および比較
例において得られた評価結果(曲げ弾性率、D硬度、ダ
スト付着量、酸化膜研磨速度、平坦化特性の評価、ディ
ッシングの測定)は、表3に示した。空隙の確認は50
倍の光学顕微鏡を用いて確認した。
【0120】実施例46 ポリビニルアルコールを芯にした極細芯鞘繊維(直径3
0μmで、海部分がポリスチレン、公定水分率5%)を
長さ3mmにカットしたもの(アスペクト比100)を
35重量部と、MMA(メタクリル酸メチル)/AIB
N(アゾビスイソブチロニトリル)=999/1を65
重量部混合して板間重合し、得られた樹脂板で研磨パッ
ドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、ポリビ
ニルアルコールからなる繊維の中には空隙が見られなか
った。
【0121】実施例47 トスコ(株)製濾紙粉末(公定水分率11%)を、18
重量%になるようにポリプロピレン(三菱化学(株)
製)と160℃で1軸混練コンパウンド化した。トスコ
社の濾紙粉末は、麻を25μm長程度にカットしたもの
であり、1μm程度の太さのフィブリル構造が存在する
(アスペクト比約25)。コンパウンドを3mm長にカッ
トしたペレットを用い、40cm角の金型を用いて185
℃でホットプレス成形を行った。得られた樹脂板で研磨
パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、濾
紙粉末の中には空隙が見られなかった。
【0122】実施例48 トスコ(株)製濾紙粉末(公定水分率11%、アスペク
ト比約25)に、液状フェノール樹脂(住友デュレズ
製、PR-55123)を、乾燥重量比で55重量部に
なるよう含浸、乾燥させ、170℃20分3.5MPa
加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板で研
磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、
濾紙粉末の中には空隙が見られなかった。
【0123】実施例49 トスコ(株)製濾紙粉末(公定水分率11%、アスペク
ト比約25)に、“アートファーマー”(三洋化成工業
(株)製、TA-1327)を所定の混合比で混合したものを
45重量部混合し、40cm角の金型に流し込み、10
0℃で脱泡後、165℃で加熱し樹脂板を形成した。得
られた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微
鏡で観察したが、濾紙粉末中には空隙が見られなかっ
た。
【0124】実施例50 ナイロン66を芯にした極細芯鞘繊維(直径30μm
で、海部分がポリスチレン、公定水分率5%)を長さ3
mmにカットしたもの(アスペクト比約100)を40
重量部と、“アートファーマー”(三洋化成工業(株)
製、TA-1327)を所定の混合比で混合したものを60重
量部混合し、40cm角の金型に流し込み、100℃で
脱泡後、165℃で加熱し樹脂板を形成した。得られた
樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観
察したが、ナイロン66を芯にした極細芯鞘繊維中には
空隙が見られなかった。
【0125】実施例51 羊毛(公定水分率15%)を3mm長にカットしたもの
(アスペクト比約1000)35重量部を、2液系ポリ
ウレタン樹脂C-4421(日本ポリウレタン(株)製
)51重量部とN-4276(日本ポリウレタン
(株)製 )49重量部を混練したもの65重量部と混
合し、真空脱泡後、40cm角の金型に流し込み、85
℃で加熱し樹脂板を形成した。断面を光学顕微鏡で観察
したが、羊毛中には空隙が見られなかった。
【0126】実施例52 トスコ(株)製濾紙粉末(公定水分率11%、アスペク
ト比約250)18重量部を液状フェノール樹脂(住友
デュレズ製、PR-53717)乾燥重量で82重量部
になるよう混練、乾燥させ、170℃20分4MPa加
圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板で研磨
パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、濾
紙粉末中には空隙が見られた。
【0127】実施例53 トスコ(株)製濾紙粉末(公定水分率11%、アスペク
ト比約250)を、2.5重量%になるようにポリプロ
ピレン(三菱化学(株)製)と160℃で1軸混練コン
パウンド化した。コンパウンドを3mm長にカットしたペ
レットを用い、40cm角の金型を用いて185℃でホッ
トプレス成形を行った。得られた樹脂板で研磨パッドを
作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、濾紙粉末の
中には空隙が見られなかった。
【0128】実施例54 実施例48において、濾紙粉末以外に1μmの孔径のシ
リカ粒子3重量部を混合し、樹脂板を成形し得られた樹
脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察
したが、濾紙粉末中には空隙が見られなかった。
【0129】実施例55から60 実施例46から48,50から52で、さらに親水性水
溶性樹脂としてキサンタンガム0.8重量部を添加して
それぞれ研磨樹脂板を作製した。
【0130】実施例61 トスコ(株)製濾紙粉末(公定水分率11%、アスペク
ト比約250)18重量部、1μmの孔径のシリカ粒子
3重量部を混合し、液状フェノール樹脂(住友デュレズ
製、PR-53717)を、乾燥重量比で79重量部に
なるよう含浸、乾燥させ、170℃20分3.5MPa
加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板で研
磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察したが、
濾紙粉末の中には空隙が見られなかった。
【0131】実施例62 ナイロン66を芯にした極細芯鞘繊維(直径30μm
で、海部分がポリスチレン、公定水分率5%)を長さ3
mmにカットしたもの(アスペクト比100)を40重
量部と、1μmの孔径のシリカ粒子30重量部を混合
し、液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、PR-55
123)乾燥重量で30重量部と混合し、40cm角の
金型に流し込み、70℃で乾燥後、165℃で加熱し樹
脂板を形成した。得られた樹脂板で研磨パッドを作成し
た。断面を光学顕微鏡で観察したが、ナイロン66を芯
にした極細芯鞘繊維中には空隙が見られた。
【0132】実施例63 実施例52で樹脂板成形時の圧抜きを調節し、濾紙粉末
中および、フェノール樹脂中ともに空隙を形成した。得
られた樹脂板で研磨パッドを作成した。
【0133】実施例64 実施例52でさらに親水性水溶性樹脂としてキサンタン
ガム2重量部を添加して樹脂板を作製した。得られた樹
脂板で研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察
したが、粉末濾紙中には空隙が見られなかった。
【0134】比較例11 ポリエチレンテレフタレート繊維(東レ製、孔径13ミ
クロン、13ミクロン長にカット、アスペクト比1、公
定水分率0.4%)に液状フェノール樹脂(住友デュレ
ズ製、PR-55123)を、乾燥重量比で45重量部
になるよう混合、乾燥させ、170℃20分3.5MP
a加圧下で1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板で
研磨パッドを作成した。断面を光学顕微鏡で観察した
が、濾紙粉末中には空隙が見られなかった。マトリクス
中に空隙が観察されなかった。
【0135】比較例12 ポリプロピレン繊維(公定水分率0%、直径13μm、
長さ100μm、アスペクト比7.7)に、MMA(メ
タクリル酸メチル)/AIBN(アゾビスイソブチロニ
トリル)=999/1を97.5重量部混合して板間重
合し、得られた樹脂板で研磨パッドを作成した。断面を
光学顕微鏡で観察したが、ポリプロピレン繊維繊維中に
は空隙が見られなかった。 (ナノコンポの効果) 実施例65 ポリヘキサメチレンアジパミドに直径70nmのシリカ
粒子を40wt%混合し、ナノコンポジットを調製し
た。このナノコンポジット/ポリヘキサメチレンアジパ
ミド/アドバンテック社製濾紙粉末(Eタイプ)=3
0:40:30の混合重量比で混合し、40cm角の金型
を用いて200℃で15分間ホットプレス成形した。得
られた樹脂板でダスト付着量試験を行った。この結果、
251個ダストが認められた。またD硬度は、93度で
あった。酸化膜研磨速度は152nm/minであっ
た。固定砥粒パッドとしてディッシングの評価を行った
ところ、182nmであり、良好であった。またコンベ
ンショナルパッドとしてディッシングの評価を行ったと
ころ、288nmであり、良好であった。
【0136】実施例66 エポキシ樹脂17wt%、フェノール樹脂13wt%
に、直径2μmシリカ微粒子を、70wt%混合したも
のを70wt%と、アドバンテック社製濾紙粉末(Eタ
イプ)を、30wt%になるように混合し、40cm角の
金型を用いて185℃でホットプレス成形を行った。得
られた樹脂板でダスト付着量試験を行った。この結果、
215個ダストが認められた。またD硬度は、95度で
あった。酸化膜研磨速度は162nm/minであっ
た。固定砥粒パッドとしてディッシングの評価を行った
ところ、98nmであり、良好であった。またコンベン
ショナルパッドとしてディッシングの評価を行ったとこ
ろ、235nmであり、良好であった。
【0137】比較例13 市販の研磨パッド(”IC−1000”、ロデール社
製、厚さ1.2mm、幅2.0mm、深さ0.5mm、
ピッチ15mmX-Yグルーブ溝加工品)を用いてダス
ト付着量試験を行った。この結果、208個ダストが認
められた。またD硬度は、63度であった。酸化膜研磨
速度は113nm/minであった。コンベンショナル
パッドとしてディッシングの評価を行ったところ、39
6nmであり、よくないことが示された。固定砥粒パッ
ドとしてのディッシング評価は10分まで行ったが段差
が小さくならず測定できなかった。
【0138】実施例67 エポキシ樹脂17wt%、フェノール樹脂13wt%
に、直径2μmシリカ微粒子を、70wt%混合したも
のを65wt%と、アドバンテック社製濾紙粉末(Eタ
イプ)を30wt%、炭酸バリウム(直径60nm)粉
末5wt%になるように混合し、40cm角の金型を用い
て185℃でホットプレス成形を行った。得られた樹脂
板でダスト付着量試験を行った。この結果、233個ダ
ストが認められた。またD硬度は、95度であった。酸
化膜研磨速度は165nm/minであった。固定砥粒
パッドとしてディッシングの評価を行ったところ、90
nmであり、良好であった。またコンベンショナルパッ
ドとしてディッシングの評価を行ったところ、243n
mであり、良好であった。
【0139】比較例14 実施例65で、ポリヘキサメチレンアジパミドのペレッ
トを40cm角の金型を用いて200℃で15分間ホット
プレス成形を行った。得られた樹脂板でダスト付着量試
験を行った。この結果、425個ダストが認められた。
またD硬度は、73度であった。酸化膜研磨速度は80
nm/minであった。コンベンショナルパッドとして
ディッシングの評価を行ったところ、334nmであ
り、不良であった。固定砥粒パッドとしてのディッシン
グ評価は10分まで行ったが段差が小さくならず測定で
きなかった。 (中心線平均粗さRa値の変化量が0.2μm以下である
ことの効果) 実施例68 ワットマン社製17chr濾紙2枚を重ね、液状フェノ
ール樹脂(住友デュレズ製、PR-53123)を、乾
燥重量比で50wt%になるよう含浸、乾燥させ、17
0℃20分3.5MPa加圧下で1.8mm厚に成形し
た。得られた樹脂板を1.2mm厚、X-Yグルーブ溝
加工して中心線平均粗さRaの測定を行った。この結
果、ドレッシング後のRaが3.550μmであり、1
枚ウェハ研磨後の変化量は0.017μm、5枚研磨後
の変化量は0.019μmであった。またD硬度は、8
8度であった。1枚目のウェハの酸化膜研磨速度は62
nm/minであり、5枚目は、63nm/minであ
った。この結果、研磨特性を持続させることが可能であ
ることがわかった。
【0140】実施例69 アドバンテック社製濾紙粉末(Eタイプ)を、30重量
%になるように“サーリン”(三井デュポンポリケミカ
ル(株)製、1705)と165℃で1軸混練コンパウンド
化した。3mm長にカットしたペレットを用い、40cm角
の金型を用いて185℃でホットプレス成形を行った。
得られた樹脂板を1.2mm厚、X-Yグルーブ溝加工
して中心線平均粗さRaの測定を行った。この結果、ド
レッシング後のRaが2.550μmであり、1枚ウェ
ハ研磨後の変化量は0.112μm、5枚研磨後の変化
量は0.155μmであった。またD硬度は、63度で
あった。1枚目のウェハの酸化膜研磨速度は52nm/
minであり、5枚目は、58nm/minであった。
この結果、研磨特性を持続させることが可能であること
がわかった。
【0141】比較例15 40cm角の“アクスター”(東レ製、ポリエチレンテ
レフタレート繊維からなる不織布、目付280g/m
2)に液状フェノール樹脂(住友デュレズ製、“PR-
53123”)を、乾燥重量比で50wt%になるよう
含浸、乾燥させ、170℃20分3.5MPa加圧下で
1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板をX-Yグル
ーブ溝加工して中心線平均粗さRaの測定を行った。こ
の結果、ドレッシング後のRaが3.355μmであ
り、1枚ウェハ研磨後の変化量は0.402μm、5枚
研磨後の変化量は1.015μmであった。またD硬度
は、90度であった。1枚目のウェハの酸化膜研磨速度
は111nm/minであり、5枚目は、58nm/m
inであった。この結果、研磨特性を持続させることが
不可能であることがわかった。
【0142】実施例70 アドバンテック社製濾紙粉末(Eタイプ)30部、ポリ
ビニルピロリドン(分子量10000)2部、PMMA
(ポリメタクリル酸メチル)68部185℃で混合して
ペレットを作り、210℃20分3.5MPa加圧下で
1.2mm厚に成形した。得られた樹脂板をX-Yグル
ーブ溝加工して中心線平均粗さRaの測定を行った。こ
の結果、ドレッシング後のRaが4.563μmであ
り、1枚ウェハ研磨後の変化量は0.163μm、5枚
研磨後の変化量は0.177μmであった。またD硬度
は、82度であった。1枚目のウェハの酸化膜研磨速度
は91nm/minであり、5枚目は、88nm/mi
nであった。この結果、研磨特性を持続させることが可
能であることがわかった。
【0143】比較例16 市販のABS樹脂板(東洋プラスチック精工社製、1.
2mm厚)に、X-Yグルーブ溝加工を行い、中心線平
均粗さRaの測定を行った。この結果、ドレッシング後
のRaが4.952μmであり、1枚ウェハ研磨後の変
化量は0.699μm、5枚研磨後の変化量2.377
μmであった。またD硬度は、80度であった。1枚目
のウェハの酸化膜研磨速度は110nm/minであ
り、5枚目は、68nm/minであった。この結果、
研磨特性を持続させることが不可能であることがわかっ
た。
【0144】比較例17 市販の研磨パッド(”IC−1000”、ロデール社
製、1.2mm厚、幅2.0mm、深さ0.5mm、ピ
ッチ15mmX-Yグルーブ溝加工品)を用いて中心線
平均粗さRaの測定を行った。この結果、ドレッシング
後のRaが4.313μmであり、1枚ウェハ研磨後の
変化量は0.238μm、5枚研磨後の変化量0.86
3μmであった。またD硬度は、63度であった。1枚
目のウェハの酸化膜研磨速度は113nm/minであ
り、5枚目は、88nm/minであった。この結果、
研磨特性を持続させることが不可能であることがわかっ
た。 (吸水率・吸水速度の効果)ダスト付着・スクラッチ
傷、吸水率、吸水速度の評価結果は、表4にまとめた。
【0145】実施例71 厚み0.25mmのクラフト紙(公定水分率10%)
に、エポキシ樹脂、エピコート180S65(油化シェ
ルエポキシ社製)/SR−GLG(坂本薬品製)=95
/5に混合したもの100部と、硬化剤エピキュアEM
I−24(油化シェルエポキシ社製)を4部をメチルエ
チルケトンに溶解しワニスを調製し、乾燥樹脂重量比で
45wt%になるよう濾紙に含浸、乾燥させ、これを6
枚あわせて170℃20分間1MPa加圧下で1.2m
m厚に成形した。
【0146】実施例72 2液系ポリウレタン樹脂KC−380(日本ポリウレタ
ン(株)製 )70wt%とKN−585(日本ポリウ
レタン(株)製 )30wt%を混練し、粉末濾紙(日
本製紙社製KC−フロック、400メッシュ、公定水分
率11%)が重量比で25重量部になるように混練、脱
泡後、金型内で硬化させ、研削加工の後、厚み1.2m
mのポリウレタンシートを作製した。
【0147】実施例73から77 市販の紙フェノール積層樹脂板、FL−1041,FL
−1051,FL−1065(以上、二村化学工業
(株)製)、PS−1031S(利昌工業(株)製)、
紙エポキシ積層樹脂板ES−1192(利昌工業(株)
製)を用いて1.2mm厚の樹脂板を成形した。この順に
評価した。
【0148】実施例78 2液系ポリウレタン樹脂KC−362(日本ポリウレタ
ン(株)製 )51重量%とN−4276(日本ポリウ
レタン(株)製 )49重量%を混練し、40cm角の
金型に入れ、真空脱泡後厚み1.2mmに成形し、粉末
濾紙(日本製紙社製KC−フロック、400メッシュ、
公定水分率11%)が重量比で25重量部になるように
混練、脱泡後、金型内で硬化させ、研削加工の後、厚み
1.2mmのポリウレタンシートを作製した。
【0149】比較例18 市販のガラスクロスエポキシ積層板ES−3350(利
昌工業(株)製)を用いて1.2mm厚の樹脂板を成形し
た。
【0150】
【発明の効果】本発明によれば、被研磨物表面に発生す
るスクラッチ傷、被研磨物表面へのダスト付着量を少な
くし、さらにディッシングやエロージョンが少なく、研
磨速度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4インチ酸化膜付きウエハーを表す図である。
チップの大きさは10mm角である。
【図2】酸化膜TEGの配線パターンを表す図である。
配線の凹凸段差は、0.45ミクロン、10mm角の中
に、25個のパターンを有す。
【符号の説明】
1:センターチップ 2:エッジチップ 3:凸部/凹部=130/120μm 4:凸部/凹部=230/20μm 5:凸部/凹部=20/230μm

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨パッドの被研磨物と接触する面に、
    水を供給する機構を有することを特徴とする研磨用パッ
    ド。
  2. 【請求項2】 水を供給する機構が1×10-62以下
    の面積を有するドメイン構造であることを特徴とする請
    求項1記載の研磨用パッド。
  3. 【請求項3】 水を供給する機構が親水性でかつ 実質
    的に水不溶性の高分子とマトリックス樹脂の複合構造か
    らなることを特徴とする請求項1ないし2記載の研磨パ
    ッド。
  4. 【請求項4】 実質的に水に不溶な高分子が、水吸収率
    が5000%以下の親水性有機物からなる粒子および/
    または繊維状物である請求項3記載の研磨パッド。
  5. 【請求項5】 粒子およびまたは繊維状物を4wt%以上6
    0wt%以下混合した請求項4記載の研磨パッド。
  6. 【請求項6】 親水性で実質的に水に不溶の高分子がシ
    ート状物であり、有機高分子マトリクスとの複合構造の
    積層体からなる請求項3記載の研磨パッド。
  7. 【請求項7】 シート状物は、不織布状、織物状、編み
    物状、フエルト状、多孔膜状、フィルム状、スポンジ状
    の少なくとも1つからなることを特徴とする請求項6記
    載の研磨パッド。
  8. 【請求項8】 積層体の層ごとの厚みが1μm以上であ
    ることを特徴とする請求項6ないし7記載の研磨パッ
    ド。
  9. 【請求項9】 層ごとにマトリックス樹脂の樹脂含有率
    および/または種類が異なることを特徴とする請求項6
    ないし8記載の研磨パッド。
  10. 【請求項10】 層ごとにシート状物の厚みおよびまた
    は種類が異なることを特徴とする請求項6ないし9記載
    の研磨パッド。
  11. 【請求項11】 シート状物の含有量が3wt%以上であ
    る請求項6ないし10記載の研磨パッド。
  12. 【請求項12】 親水性で実質的に水に不溶な高分子が
    アスペクト比が5以上の繊維状物および/またはその複
    合体で形成された粒子である請求項3記載の研磨パッ
    ド。
  13. 【請求項13】 親水性で実質的に水に不溶な高分子の
    公定水分率が3%以上であることを特徴とする請求項3
    ないし12記載の研磨パッド。
  14. 【請求項14】 研磨前のドレッシングによって作られ
    た表面凹凸プロファイルを基準として、1枚の酸化膜付
    きシリコンウェハを研磨した後の中心線平均粗さRa値
    の変化量が0.2μm以下であることを特徴とする請求項
    3ないし13記載の研磨パッド。
  15. 【請求項15】 親水性で実質的に水に不溶な高分子が
    実質的に空隙を有さない状態で混合したことを特徴とす
    る請求項3ないし13記載の研磨パッド。
  16. 【請求項16】 構成するマトリックスが熱硬化性樹脂
    からなることを特徴とした請求項1ないし15記載の研
    磨パッド。
  17. 【請求項17】 親水性でかつ 実質的に水不溶性の高
    分子とは別にさらに空隙を有することを特徴とする請求
    項3ないし16記載の研磨パッド。
  18. 【請求項18】 無機微粒子を含むことを特徴とする請
    求項1ないし17記載の研磨パッド。
  19. 【請求項19】 有機無機ナノコンポジットおよびまた
    は炭酸バリウム粒子を含有することを特徴とする請求項
    18記載の研磨用パッド。
  20. 【請求項20】 有機無機ナノコンポジットとしてフェ
    ノール樹脂とシリカ粒子の組み合わせ、エポキシ樹脂と
    シリカ粒子の組み合わせ、ポリアミド樹脂とシリカ粒子
    の組み合わせの中の少なくとも1つの組み合わせからな
    ることを特徴とする請求項18ないし19記載の研磨用
    パッド。
  21. 【請求項21】 水溶性物質を更に含むことを特徴とし
    た請求項1ないし20記載の研磨パッド。
  22. 【請求項22】 水溶性物質を0.01wt%から10wt%
    含むことを特徴とした請求項21記載の研磨パッド。
  23. 【請求項23】 D硬度が65以上であることを特徴と
    する請求項1ないし22記載の研磨用パッド。
  24. 【請求項24】 曲げ弾性率が0.5GPa以上100GPa
    以下であることを特徴とする請求項1ないし23記載の
    研磨パッド。
  25. 【請求項25】 1時間吸水率が0.8%以上15%以
    下であることを特徴とする請求項1ないし24記載の研
    磨パッド。
  26. 【請求項26】 水接触後5分までの吸水速度が3%/
    hr以上であることを特徴とする請求項1ないし25記
    載の研磨パッド。
  27. 【請求項27】 請求項1〜26のいずれかに記載の研
    磨用パッドを用いることを特徴とする研磨装置。
  28. 【請求項28】 請求項1〜26のいずれかに記載の研
    磨用パッドを用いることを特徴とする研磨方法。
  29. 【請求項29】 請求項1〜26のいずれかに記載の研
    磨用パッドを用い加工したことを特徴とする半導体ウェ
    ハおよび半導体チップの製造法。
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