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本発明は、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の表面を研磨するために用いられる研磨パッドに関する。
従来、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板、アルミ基板等の高度な平滑度及び平坦度が要求される被研磨物では、研磨パッドを用いた研磨加工が行われている。
これらの研磨加工を行うために用いる研磨パッドとしては、例えば、ウレタン樹脂製の多孔質研磨パッド、繊維を絡合して構成した不織布タイプの研磨パッド、不織布の繊維基材にポリウレタン樹脂を含浸して硬化させたウレタン含浸不織布タイプの研磨パッド(例えば、特許文献1参照)、繊維により構成される不織布や樹脂フィルムからなる基材上にウレタン樹脂溶液を塗布し、これを凝固処理して多数の気泡を有する多孔質の銀面層を形成し、該銀面層の表面を研削して多孔質の研磨層であるナップ層を形成したスエードタイプの研磨パッド(例えば、特許文献2参照)等がこれまで用いられている。被研磨物の表面の研磨を行う際には、例えば、これらの研磨パッドを回転可能な研磨定盤の上に貼り付け、該研磨パッドに研磨ヘッドに保持された被研磨物を押し当てた状態で、研磨パッド上に研磨材である砥粒が分散された研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤及び研磨ヘッドを相対的に回転させることにより研磨を行う。
しかしながら、特許文献1のように不織布の繊維基材にポリウレタン樹脂を含浸して硬化させた不織布タイプの研磨パッドや特許文献2のように繊維基材上にウレタン樹脂で形成されるナップ層を設けたスエードタイプの研磨パッド等の従来の研磨パッドは必ずしも研磨能率が高いとはいえなかった。また、被研磨物としてレンズ等の光学ガラスや液晶ディスプレイ用ガラス基板の表面を研磨する際には、研磨能率を上げるために研磨材として酸化セリウムが主に使用されているが、セリウムのようなレアアース(希少金属)は、特定産出国への依存度が高いため、使用量を軽減させることが求められている。
そこで、本発明者らは、研磨能率を向上させるために、エポキシ樹脂により形成した多孔質の研磨パッドや基材上にエポキシ樹脂を塗布した研磨パッド等を発明した(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。これらの研磨パッドでは、研磨材(砥粒)に対する保持力を高めることにより研磨能率を向上させることができる。
特開平10−249737号公報 特開2010−149259号公報 特開2012−101298号公報 特開2012−121115号公報
しかしながら、このような研磨パッドの分野では、研磨時間を短縮して製造効率を高めるために、更なる研磨能率の向上及び耐久性の向上が求められている。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、研磨加工を行う際に使用する研磨材(砥粒)に対する滞留性を改善することにより研磨能率を向上させるとともに、耐久性を高めて作業効率を向上させることができる研磨パッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の研磨パッドは、被研磨物との間に研磨材が分散された研磨スラリーを供給しながら前記被研磨物を研磨するための研磨パッドであって、当該研磨パッドの基材が、前記ポリイミド樹脂で形成され、A硬度が70〜98°の範囲内で、且つ、発泡倍率が10〜60%で表面に直径が0.01〜3.00mmの多数の気孔が形成された多孔質な薄形円柱状の研磨パッドであることを特徴としている。
請求項2に記載の研磨パッドは、被研磨物との間に研磨材が分散された研磨スラリーを供給しながら前記被研磨物を研磨するための研磨パッドであって、当該研磨パッドの基材が、前記ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂又はウレタン樹脂の混合物で形成され、この内、前記ポリイミド樹脂の混合割合が40〜95であり、A硬度が70〜98°の範囲内で、且つ、発泡倍率が10〜60%で表面に直径が0.01〜3.00mmの多数の気孔が形成された多孔質な薄形円柱状の研磨パッドであることを特徴としている。
請求項に記載の研磨パッドは、被研磨物との間に研磨材が分散された研磨スラリーを供給しながら前記被研磨物を研磨するための研磨パッドであって、繊維により構成される不織布、該不織布にウレタン樹脂等を含浸させたウレタン含浸不織布、又は樹脂フィルム等からなる当該研磨パッドの基材上の厚さ方向に細長く多数の縦穴が形成されてなるナップ層に厚さが60μm以上のポリイミド樹脂膜が形成されてなる研磨パッドであることを特徴としている。
本発明の研磨パッドによれば、ポリイミド樹脂によって、研磨スラリーに対する濡れ性を高め、研磨材(砥粒)の保持力を向上させるとともに、研磨材に対する滞留性を改善することができる。これにより、本発明の研磨パッドを用いて、研磨加工する際に、研磨パッドに保持された研磨材が被研磨物との相対的な回転に伴って被研磨物に引きずられて動いてしまうことを抑制するとともに、研磨パッドの回転に伴う遠心力によって研磨スラリーが排除されるのを抑制することができるので、研磨能率を向上させることができる。また、ポリイミド樹脂によって研磨加工の際の磨耗を軽減することができ、耐久性を向上させることができる。これにより、高い研磨特性を長時間維持することができるので、作業効率を改善することができる。
また、本発明によれば、A硬度が70〜98°の範囲内にある硬度が柔らかい研磨パッドであるので、研磨加工の際に研磨材が研磨パッドと被研磨物の間を滑ってしまうことを防止することができる。また、このような硬度が柔らかい研磨パッドを用いることにより、研磨加工を行うことによる磨耗を更に軽減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る研磨パッドの一例を示す概略斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る研磨パッドの一例を示す概略断面図である。 塗布樹脂による研磨特性の比較を示すグラフである。 塗布樹脂による接触角の比較を示す図である。 塗布樹脂による滑落角の比較を示す図である。 塗布厚さによる研磨特性を示すグラフであって、(a)はポリイミド樹脂を塗布した場合の研磨特性、(b)はエポキシ樹脂を塗布した場合の研磨特性を示している。 ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂の耐久性を示すグラフである。
以下、本発明に係る研磨パッドの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明に係る研磨パッドは、回転可能な研磨定盤上に貼り付けて、研磨材(砥粒)が分散された研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤及び被研磨物が保持されている研磨ヘッドを相対的に回転させることにより研磨を行うためのものであって、ポリイミド樹脂が主として含まれていることを特徴とするものである。
第1の実施形態に係る研磨パッド1は、図1に示すように、発泡させたポリイミド樹脂によって形成される薄形円柱状の基材2により構成されるものである。この研磨パッド1は、図1に示すように、表面に直径が0.01〜3mm程度の気孔3が形成されている。
研磨パッド1の製造方法としては、例えば、基材2としてポリイミド樹脂に発泡剤を混合させ、硬化剤を加え金型内で発泡させて硬化させる。その後、離型して、室温で二次乾燥させた後、所定厚さの薄形円柱状にスライスすることにより製造することができる。より具体的には、予め所定温度で熱して粘度を低下させたポリイミド樹脂に対して、硬化剤を添加する。また、研磨パッドに気孔を形成するために、発泡剤及び発泡助剤を略同量添加する。そして、これらの材料を混合して攪拌させた後、金型に注型し、金型内で発泡させて硬化する。このように発泡剤を添加して硬化させることにより、図1に示すように、表面に多数の気孔3が形成された多孔質の研磨パッド1を製造することができる。尚、多孔質の研磨パッド1の作製方法は、これに限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用いることができる。
また、研磨パッド1は、硬度が低いと形状精度が悪化し、硬度が高すぎると磨耗が生じ易くなるため、A硬度が70〜98°の範囲内であることが好適である。このような硬度の研磨パッド1を用いることにより、研磨加工を行う際の磨耗を軽減することができるので、研磨特性を長時間維持することができる。また、研磨パッド1の発泡倍率は、特に限定されるものではないが、10〜60%であることが好ましい。
本実施形態に係る研磨パッド1では、基材2がポリイミド樹脂によって形成されている例を示しているが、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂又はウレタン樹脂の混合物を用いても良い。すなわち、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂の混合物、ポリイミド樹脂とウレタン樹脂の混合物、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、及びウレタン樹脂の混合物のいずれかによって基材2を形成しても良い。この場合も、上述の研磨パッド1と同様に、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂又はウレタン樹脂の混合物に、発泡剤を混合して、硬化剤を加え金型内で発泡させて硬化させた後、離型し、室温で二次乾燥させる。そして、その後、所定厚さの薄形円柱状にスライスすることにより、表面に多数の気孔が形成された多孔質の研磨パッドを製造することができる。尚、このような樹脂の混合物により基材2を形成する際のポリイミド樹脂の混合割合は、特に限定されるものではないが、ポリイミド樹脂の保持力を有効に得るために30%以上であることが好ましく、より好ましくは40〜95%である。
このように、ポリイミド樹脂を用いて研磨パッド1を形成することにより、研磨スラリーに対する濡れ性を高め、砥粒の保持力を向上させるとともに、研磨材に対する滞留性を改善することができる。これにより、研磨パッド1を用いて研磨加工を行う際に、研磨パッド1に保持された砥粒が被研磨物との相対的な回転に伴って被研磨物に引きずられて動いてしまうことを抑制するとともに、研磨パッド1の回転に伴う遠心力によって研磨スラリーが排除されるのを抑制することができるので、研磨能率を向上させることができる。
本発明の第2の実施形態に係る研磨パッド1aは、図2に示すように、基材4と該基材4上に厚さ方向に形成された細長い縦穴(ナップ)51が多数形成されたナップ層5が設けられた所謂スエードタイプの研磨パッドの該ナップ層5にポリイミド樹脂膜6が形成されてなるものである。
基材4は、例えば、繊維により構成される不織布、該不織布にウレタン樹脂等を含浸させたウレタン含浸不織布、又は樹脂フィルム等からなるものである。ナップ層5は、この基材4上にウレタン樹脂を例えばジメチルホルムアミド等の水溶性有機溶媒に溶解させたウレタン樹脂溶液を塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削することにより形成される。
研磨パッド1aでは、このナップ層5に対して、ポリイミド樹脂を溶剤に分散させた分散液等をスプレー塗布やスピンコータ塗布等の従来公知の塗布方法を用いて塗布することにより、ナップ層5の表面及び縦穴51内にポリイミド樹脂膜6が形成される。ポリイミド樹脂膜6の厚みとしては、20μm以上に形成されることが好ましい。尚、ポリイミド樹脂を分散させる溶剤としては、例えば、MEK(メチルエチルケトン)やIPA(イソプロピルアルコール)等の溶剤を用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。また、ポリイミド樹脂は、スエードタイプの研磨パッドに対する濡れ性が高いので、ポリイミド樹脂を塗布しても縦穴51が詰まってしまうことなく、この縦穴51による構造的なグリップ力を維持することができる。これにより、縦穴51による構造的なグリップ力に加えて、ポリイミド樹脂膜6により得られる保持力によって研磨材を保持することができるので、研磨能率を向上させることができる。
尚、第2の実施形態に係る研磨パッド1aでは、基材2上に設けられるナップ層5にポリイミド樹脂が塗布されている例を示しているが、このナップ層5にポリイミド樹脂を含浸させても良い。また、基材4上にポリイミド樹脂溶液を塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削することにより、ポリイミド樹脂からなるナップ層を形成しても良い。また、不織布タイプの研磨パッド等の従来公知の種々の研磨パッドや基材の表面にポリイミド樹脂を塗布して硬化させることによりポリイミド樹脂膜6を形成しても良い。また、従来から繊維により構成される不織布にポリウレタン樹脂溶液を含浸し、湿式凝固させたポリウレタン樹脂により不織布を結合、固定化させたようなウレタン含浸不織布タイプの研磨パッド等が知られているが、このような研磨パッドにおいてポリウレタン樹脂の代わりにポリイミド樹脂を用いて繊維により構成される不織布を結合、固定化させることにより研磨パッドを構成しても良い。
以上、説明してきた本発明に係る研磨パッドにおける被研磨物としては、例えば、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板、アルミ基板、セラミックス、サファイア等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、様々な被研磨物に対して適宜用いることができる。
また、本発明の研磨パッドを用いて研磨加工を行う際に使用される研磨材としては、例えば、α−アルミナ、中間アルミナ、アルミナゾル、炭化ケイ素粒子、ダイヤモンド、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられ、被研磨物の種類に応じて、これらを1種以上使用することは、研磨速度を向上させる観点から好ましい。
以下、本発明の実施形態に従って製造した研磨パッドの実施例と他の研磨パッドとの比較について説明する。
(実施例1)
実施例1は、図2に示すようなスエードタイプ研磨パッドBELLATRIX(FILWEL社製)の表面にポリイミド樹脂を塗布厚さが100μmになるように塗布して作製した研磨パッドである。そして、この研磨パッドを用いて、ソーダガラスの研磨加工を行った。研磨条件については、以下に示すような条件で研磨を行った。
(研磨条件)
研磨装置:片面ラッピング装置NP−300(ナノファクタ社製)
定盤径:直径200mm
ワーク:ソーダガラス(直径20mm、厚さ10mm、粗さ0.4μmRa)
研磨スラリー:酸化セリウムを3wt%水に懸濁したスラリー
スラリー流量:25mL/min
研磨圧力:20kPa
研磨定盤回転数:90rpm
ワークホルダー回転数:90rpm
研磨時間:30min
(比較例1)
比較例1では、未処理の状態のスエードタイプ研磨パッドBELLATRIX(FILWEL社製)を用いて、実施例1と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例2)
比較例2では、スエードタイプ研磨パッドBELLATRIX(FILWEL社製)の表面にフッ素樹脂を塗布厚さが20μmになるように塗布して作製した研磨パッドを用いて、実施例1と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例3)
また、比較例3では、スエードタイプ研磨パッドBELLATRIX(FILWEL社製)の表面にエポキシ樹脂を塗布厚さが60μmになるように塗布して作製した研磨パッドを用いて、実施例1と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
その結果、図3に示すように、実施例1のポリイミド樹脂を塗布した研磨パッドは、比較例1の未処理の研磨パッド及び比較例2のフッ素樹脂を塗布した研磨パッドよりも研磨能率が大幅に向上し、表面粗さも改善された。また、比較例3のエポキシ樹脂を塗布した研磨パッドと比較した場合、表面粗さについてはほとんど差がないものの、研磨能率についてはポリイミド樹脂を塗布した研磨パッドが高い値を示しており、研磨能率がエポキシ樹脂を塗布した研磨パッドよりも向上していることがわかる。尚、図3は、各樹脂をそれぞれ20μm、60μm、100μmの厚さに塗布した際に最も研磨特性が良かった時の結果を示している。従って、実施例1、比較例2、及び比較例3では、それぞれ塗布厚さが異なっている。
図4は、実施例1のポリイミド樹脂を塗布した研磨パッド、比較例2のフッ素樹脂を塗布した研磨パッド、及び比較例3のエポキシ樹脂を塗布した研磨パッドのそれぞれに液量2μlの研磨スラリーを供給した際の接触角を示している。図4に示すように、ポリイミド樹脂を塗布した研磨パッドでは、接触角が52°と最も小さく、親水性が高いことがわかる。従って、ポリイミド樹脂を用いることにより、研磨スラリーに対する濡れ性を改善させることができ、エポキシ樹脂を用いた場合よりも更に砥粒に対する保持力を向上させることができる。
図5は、実施例1のポリイミド樹脂を塗布した研磨パッド、比較例2のフッ素樹脂を塗布した研磨パッド、及び比較例3のエポキシ樹脂を塗布した研磨パッドのそれぞれに液量50μlの研磨スラリーを供給した際の滑落角の測定結果を示している。図5に示すように、滑落角62°でエポキシ樹脂を塗布した研磨パッドは研磨スラリーが滑落し始めているのに対して、ポリイミド樹脂を塗布した研磨パッドでは、まだ研磨パッド上に研磨スラリー滞留した状態であり、滑落角が最も大きいことがわかる。このようにポリイミド樹脂が表面に含まれる研磨パッドを用いた場合には、研磨加工を行う際に、研磨パッドの回転に伴う遠心力によって研磨スラリーが研磨パッド上から排除されるのをエポキシ樹脂を用いた場合よりも更に抑制することができる。つまり、研磨パッド上での砥粒の滞留性を改善することができる。このように図4及び図5に示す結果からもポリイミド樹脂を用いることによって、砥粒の保持力を向上させるとともに、研磨材に対する滞留性を改善することができるので、研磨能率を向上させることができるものと考えられる。
図6は、ポリイミド樹脂を塗布した研磨パッドとエポキシ樹脂を塗布した研磨パッドの塗布厚さによる研磨特性を示すグラフである。図6に示すように、エポキシ樹脂を塗布した研磨パッドでは、20μmから60μmへ塗布厚さを3倍に増加させた場合には研磨能率は向上するが、塗布厚さを100μmまで増加させた場合には逆に研磨能率が低下している。一方、ポリイミド樹脂を塗布した研磨パッドでは、塗布厚さを100μmまで増加させた場合には、塗布厚さが60μmの場合よりも更に研磨能率は向上しており、塗布厚さを増やしても研磨能率は低下しないので、実用性にも優れている。
次に、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂の耐久性について説明する。図7は、ポリイミド樹脂を塗布した研磨パッドとエポキシ樹脂を塗布した研磨パッドの耐久性をそれぞれ示すものであって、上記の研磨条件にて研磨加工を10回繰り返した際の研磨特性を示している。図7に示すように、エポキシ樹脂を塗布した研磨パッドの場合には、研磨回数の増加に伴って研磨能率は徐々に低下し、研磨特性を維持することができなかった。一方、ポリイミド樹脂を塗布した研磨パッドは、図7に示すように、研磨加工を10回繰り返した後(計300分の研磨後)でも研磨能率及び表面粗さはほとんど低下しておらず、研磨特性を高い精度で維持することができている。
このように、本発明に係る研磨パッドによれば、被研磨物を研磨加工する際に被研磨物と接する研磨パッドの表面にポリイミド樹脂が含まれていることにより、研磨スラリーに対する濡れ性を高め、研磨材(砥粒)の保持力を向上させるとともに、研磨材に対する滞留性を改善することができるので、研磨能率を向上させることができる。また、ポリイミド樹脂によって研磨加工の際の磨耗を軽減することができ、耐久性を向上させることができる。これにより、高い研磨特性を長時間維持することができるので、作業効率を改善することができる。
尚、本発明の実施の形態は上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明に係る研磨パッドは、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の被研磨物の表面を研磨するための研磨パッドとして有効に利用することができる。
1、1a〜1c 研磨パッド
2 基材(ポリイミド樹脂)
3 気孔
4 基材
5 ナップ層
6 ポリイミド樹脂膜

Claims (3)

  1. 被研磨物との間に研磨材が分散された研磨スラリーを供給しながら前記被研磨物を研磨するための研磨パッドであって、当該研磨パッドの基材が、前記ポリイミド樹脂で形成され、A硬度が70〜98°の範囲内で、且つ、発泡倍率が10〜60%で表面に直径が0.01〜3.00mmの多数の気孔が形成された多孔質な薄形円柱状であることを特徴とする研磨パッド。
  2. 被研磨物との間に研磨材が分散された研磨スラリーを供給しながら前記被研磨物を研磨するための研磨パッドであって、当該研磨パッドの基材が、前記ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂又はウレタン樹脂の混合物で形成され、この内、前記ポリイミド樹脂の混合割合が40〜95であり、A硬度が70〜98°の範囲内で、且つ、発泡倍率が10〜60%で表面に直径が0.01〜3.00mmの多数の気孔が形成された多孔質な薄形円柱状であることを特徴とする研磨パッド。
  3. 被研磨物との間に研磨材が分散された研磨スラリーを供給しながら前記被研磨物を研磨するための研磨パッドであって、繊維により構成される不織布、該不織布にウレタン樹脂等を含浸させたウレタン含浸不織布、又は樹脂フィルム等からなる当該研磨パッドの基材上の厚さ方向に細長く多数の縦穴が形成されてなるナップ層に厚さが60μm以上のポリイミド樹脂膜が形成されてなることを特徴とする研磨パッド。」
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