JP2015096286A - 研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面側に有する気孔や凹みに入り込んだ砥粒が、研磨加工の際に気孔や凹みから排出され、被研磨物の研磨に有効に作用することにより、研磨特性を向上させることができる研磨パッドを提供する。
【解決手段】 被研磨物5との間に、砥粒61が分散された研磨スラリー6を供給しながら被研磨物5を研磨するための研磨パッドであって、表面側に研磨スラリー6が入り込む気孔31は凹みを有しており、表面は、親水性樹脂で形成され、気孔31又は凹みは、疎水性表面又は撥水性表面で形成されている研磨パッド1。
【選択図】図3

Description

本発明は、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の表面を研磨するために用いられる研磨パッドに関する。
従来、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板、アルミ基板等の高度な平滑度及び平坦度が要求される被研磨物では、研磨パッドを用いた研磨加工が行われている。
これらの研磨加工を行うために用いる研磨パッドとしては、例えば、多数の気孔を有するウレタン樹脂製の多孔質研磨パッド、繊維を絡合して構成した不織布の繊維基材にポリウレタン樹脂を含浸して硬化させたウレタン含浸不織布タイプの研磨パッド(例えば、特許文献1参照)、繊維により構成される不織布や樹脂フィルムからなる基材上にウレタン樹脂溶液を塗布し、これを凝固処理して多数の気泡を有する多孔質の銀面層を形成し、該銀面層の表面を研削して多孔質の研磨層であるナップ層を形成したスエードタイプの研磨パッド(例えば、特許文献2参照)等がこれまで用いられている。被研磨物の表面の研磨を行う際には、例えば、これらの研磨パッドを回転可能な研磨定盤の上に貼り付け、該研磨パッドに研磨ヘッドに保持された被研磨物を押し当てた状態で、研磨パッド上に研磨材である砥粒が分散された研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤及び研磨ヘッドを相対的に回転させることにより研磨を行う。
また、本発明者らは、研磨材(砥粒)に対する保持力を高めることにより研磨能率を更に向上させるために、エポキシ樹脂により形成した多孔質の研磨パッドや不織布の基材にエポキシ樹脂を含浸させた研磨パッド等を発明した(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。
特開平10−249737号公報 特開2010−149259号公報 特開2012−101298号公報 特開2012−121115号公報
しかしながら、従来の多孔質研磨パッドやスエードタイプの研磨パッドでは、平坦部だけでなく、気孔もウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の砥粒に対する保持性が高い親水性樹脂で形成されるため、気孔に入り込んだ砥粒が、研磨加工の際も気孔内で保持されたまま、気孔内から排出されず、被研磨物の研磨に作用しないという問題があった。また、従来の不織布タイプの研磨パッドでも、不織布の繊維基材にポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の砥粒に対する保持性が高い親水性樹脂が含浸されているため、繊維と繊維の間に形成される凹みに入り込んだ砥粒が、研磨加工の際に凹みから排出されず、被研磨物の研磨に作用しないという問題があった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、表面側に有する気孔や凹みに入り込んだ砥粒が、研磨加工の際に気孔や凹みから排出され、被研磨物の研磨に有効に作用することにより、研磨特性を向上させることができる研磨パッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る記載の研磨パッドは、被研磨物との間に、砥粒が分散された研磨スラリーを供給しながら前記被研磨物を研磨するための研磨パッドであって、表面側に前記研磨スラリーが入り込む気孔又は凹みを有しており、前記表面は、親水性樹脂で形成され、前記気孔又は凹みは、疎水性表面又は撥水性表面で形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る研磨パッドは、多数の気孔を有するものであって、前記気孔の壁面は、疎水性樹脂又は撥水性樹脂で形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る研磨パッドは、表面側が開孔している縦穴構造の気孔が多数形成されたナップ層を有するものであって、前記気孔は、疎水性樹脂又は撥水性樹脂で形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る研磨パッドは、親水性樹脂の繊維からなる不織布又は繊維が親水性樹脂でコーティングされてなる不織布に疎水性樹脂又は撥水性樹脂が含浸されて形成されていることを特徴としている。
本発明の研磨パッドによれば、表面側に砥粒が分散された研磨スラリーが入り込む気孔又は凹みを有しており、表面は親水性樹脂で形成され、気孔又は凹みは疎水性表面又は撥水性表面で形成されているので、気孔又は凹みに入り込んだ砥粒は、研磨加工の際にポンピング作用(掃き出し作用)によって気孔又は凹みから排出され、砥粒に対する保持性が高い親水性樹脂によって保持されるため、被研磨物の研磨に有効に作用し、研磨特性を向上させることができる。
また、本発明の研磨パッドは、多数の気孔を有するものであって、気孔の壁面は、疎水性樹脂又は撥水性樹脂で形成されているので、気孔に入り込んだ砥粒は、研磨加工の際にポンピング作用(掃き出し作用)によって気孔から排出され、気孔のエッジ付近の砥粒に対する保持性が高い親水性樹脂によって形成された表面で保持されるため、被研磨物の研磨に有効に作用し、研磨特性を向上させることができる。
また、本発明の研磨パッドは、表面側が開孔している縦穴構造の気孔が多数形成されたナップ層を有するものであって、気孔は、疎水性樹脂又は撥水性樹脂で形成されているので、気孔に入り込んだ砥粒は、研磨加工の際にポンピング作用(掃き出し作用)によって気孔から排出され、気孔のエッジ付近の砥粒に対する保持性が高い親水性樹脂によって形成された表面で保持されるため、被研磨物の研磨に有効に作用し、研磨特性を向上させることができる。
また、本発明の研磨パッドは、親水性樹脂の繊維からなる不織布又は繊維が親水性樹脂でコーティングされてなる不織布に疎水性樹脂又は撥水性樹脂が含浸されて形成されているので、繊維と繊維の間に形成される凹みに入り込んだ砥粒は、研磨加工の際にポンピング作用(掃き出し作用)によって凹みから排出され、砥粒に対する保持性が高い親水性樹脂からなる不織布又は繊維が親水性樹脂でコーティングされてなる不織布によって保持されるため、被研磨物の研磨に有効に作用し、研磨特性を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る研磨パッドの一例を示す概略断面図である。 図1における気孔の一例を示す概略拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る研磨パッドを用いた研磨加工時の状態について説明するための概略説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る研磨パッドの一例を示す概略断面図である。 図4における気孔の一例を示す概略拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る研磨パッドを用いた研磨加工時の状態について説明するための概略説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る研磨パッドの他の一例の製造方法について説明するための概略説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る研磨パッドの一例を示す概略模式図である。 多孔質タイプの研磨パッドによる研磨特性の比較を示すグラフである。 スエードタイプの研磨パッドによる研磨特性の比較を示すグラフである。
以下、本発明に係る研磨パッドの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明に係る研磨パッドは、回転可能な研磨定盤上に貼り付けて、研磨材(砥粒)が分散された研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤及び被研磨物が保持されている研磨ヘッドを相対的に回転させることにより研磨を行うためのものであって、砥粒を保持する表面の平坦部は、親水性樹脂で形成され、砥粒が入り込む気孔や凹みは、疎水性表面又は撥水性表面に形成されていることを特徴とするものである。
第1の実施形態に係る研磨パッド1は、図1〜図3に示すように、親水性樹脂によって形成された基材2に多数の気孔3を有する薄形円柱状の多孔質研磨パッドである。この研磨パッド1は、気孔3の一部として表面側に開口する気孔31を有している。また、気孔3,31の壁面4は、疎水性樹脂又は撥水性樹脂によって疎水性又は撥水性を有する表面として形成されている。従って、研磨パッド1は、研磨面に相当する表面側の平坦部は、親水性樹脂により形成され、気孔3,31の壁面4のみが疎水性樹脂又は撥水性樹脂により形成されている。
研磨パッド1では、図2及び図3に示すように、被研磨物5の研磨加工が行われる際に供給される砥粒61が分散された研磨スラリー6が気孔31内に入り込む。この際、気孔31の壁面4が親水性樹脂で形成されている場合には、砥粒61は、親水性樹脂によって保持され、研磨加工の際も気孔31内から排出されず、被研磨物5の研磨に作用しない場合があるが、研磨パッド1では、気孔31の壁面4を疎水性樹脂又は撥水性樹脂により形成しているので、図3(b)に示すように、被研磨物5と研磨パッド1の相対的な回転によって、気孔31が弾性変形して、ポンピング作用(掃き出し作用)により気孔31から排出される。そして、気孔31から排出された砥粒61は、気孔31のエッジ付近の砥粒に対する保持性が高い親水性樹脂で形成されている表面で保持される。従って、気孔31のエッジ付近で保持された砥粒61は、図3(c)に示すように、被研磨物5の研磨に有効に作用するので、研磨特性を向上させることができる。
この研磨パッド1の基材2を形成する親水性樹脂としては、例えば、親水性を有するウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、又はこれらの変性樹脂および混合物等を用いることができる。また、気孔3,31の壁面4を形成する疎水性樹脂又は撥水性樹脂としては、例えば、疎水性を有するフッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、生ゴム等を用いることができる。尚、基材2を形成する親水性樹脂、及び気孔3,31の壁面4を形成する疎水性樹脂又は撥水性樹脂は、これらに限定されるものではなく、従来公知のものを適用しても良い。
また、研磨パッド1の気孔3,31の孔径は、10μm以上0.3mm以下であることが好ましく、気孔率は、10%以上70%以下、望ましくは40%以上60%以下である。このように研磨パッド1では、気孔31の孔径を比較的小さく形成し、気孔31の個数を増やすことにより、研磨加工を行う際に、被研磨物5の研磨に有効に作用する気孔31のエッジ付近で保持される砥粒61の数を増やすことができるので、より研磨特性を向上させることができる。
このような研磨パッド1の製造方法としては、例えば、親水性樹脂に小径のプラスティック中空粒子として、フッ素樹脂やアクリル樹脂等の疎水性の表面を有する中空粒子を混合し、それを所定温度で熱して広げることにより、壁面4のみが疎水性樹脂で形成された多数の気孔3,31を有する研磨パッド1を作製する。また、親水性樹脂に混合するプラスティック中空粒子として、例えば、ウレタン樹脂からなる中空粒子を用いて、その中に疎水性又は撥水性のフッ素系のオイルが内包されたマイクロカプセルを仕込んでおくことにより、壁面4が疎水性又は撥水性を有する気孔3,31を形成するようにしても良い。
また、研磨パッド1は、硬度が低いと形状精度が悪化し、硬度が高すぎると磨耗が生じ易くなるため、A硬度が70〜98°の範囲内であることが好適である。このような硬度の研磨パッド1を用いることにより、研磨加工を行う際の磨耗を軽減することができるので、研磨特性を長時間維持することができる。
本発明の第2の実施形態に係る研磨パッド1aは、図4〜図6に示すように、基材7と基材7上に厚さ方向に形成され、表面側が開孔している細長い縦穴構造の気孔8が多数形成されたナップ層9が設けられた所謂スエードタイプの研磨パッドであって、ナップ層9が親水性樹脂で形成され、気孔8の壁面10が疎水性樹脂又は撥水性樹脂で形成されているものである。
この研磨パッド1aの基材7は、例えば、繊維により構成される不織布、該不織布にウレタン樹脂等を含浸させたウレタン含浸不織布、又は樹脂フィルム等からなるものである。ナップ層9は、この基材7上に親水性樹脂として、例えば、ウレタン樹脂をジメチルホルムアミド等の水溶性有機溶媒に溶解させたウレタン樹脂溶液を塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削することにより形成される。研磨パッド1aでは、このナップ層9に対して、例えば、疎水性樹脂としてフッ素樹脂を含浸させた後、表面をドレスすることにより、表面を親水性樹脂であるウレタン樹脂で形成し、気孔8の壁面10を疎水性樹脂であるフッ素樹脂で形成することができる。尚、研磨パッド1aの製造方法は、これに限定されるものではなく、ナップ層9の表面が親水性樹脂で形成され、少なくとも気孔8の壁面10が疎水性又は撥水性を有する表面に形成されていれば良い。また、研磨パッド1aの気孔8の孔径は、10μm以上0.3mm以下であることが好ましく、気孔8の深さは、0.1mm以上0.5mm以下、気孔8と隣の気孔8との間の縦の柱の厚さは、1μm以上30μm以下であることが好ましい。
研磨パッド1aでは、図5及び図6に示すように、被研磨物5の研磨加工が行われる際に供給される砥粒61が分散された研磨スラリー6が気孔8内に入り込む。研磨パッド1aでは、気孔8の壁面10は、疎水性樹脂又は撥水性樹脂により形成されているので、砥粒61は、図6(b)に示すように、被研磨物5と研磨パッド1aの相対的な回転によって、気孔8が弾性変形して、ポンピング作用(掃き出し作用)により気孔8から排出される。そして、気孔8から排出された砥粒61は、気孔8のエッジ付近の砥粒に対する保持性が高い親水性樹脂で形成されている表面で保持される。従って、気孔8のエッジ付近で保持された砥粒61は、図6(c)に示すように、被研磨物5の研磨に有効に作用するので、研磨特性を向上させることができる。
また、縦穴構造を有する研磨パッドとしては、図7(i)に示すように、フォトエレクトロフォーミングを用いることにより、表面が親水性樹脂11で形成され、下部が疎水性樹脂12で形成された研磨パッド1bを製造することもできる。この研磨パッド1bの製造方法としては、例えば、まず図7(a)に示すように、金属基材13上に紫外線硬化樹脂(UV樹脂)14を塗布する。そして、図7(b)に示すように、形成しようとする金型の形状に合わせて開口されているフォトマスク15を用いて、UVランプ16によりUV樹脂に紫外線UVを露光し、フォトマスク15の開口部分のUV樹脂14aを硬化させた後、図7(c)に示すように、図7(b)の未硬化部分のUV樹脂14を除去(現像)する。次に、図7(d)に示すように、Ni電鋳を行って、硬化させたUV樹脂14aにNi被膜を形成することにより、図7(e)に示すような凹凸状のパターンを有する金型18を得ることができる。
そして、研磨パッド1bの製造方法では、図7(f)に示すように、この金型18の凹部に所定量の親水性樹脂11を注型して、硬化させる。その後、図7(g)に示すように、硬化した親水性樹脂11の上から疎水性樹脂12を注型して、硬化させた後、図7(h)に示すように金型18から離型させることにより、図7(i)に示すような表面が親水性樹脂11で形成され、下部が疎水性樹脂12で形成された縦穴19を有する研磨パッド1bを得ることができる。このように製造された研磨パッド1bでは、表面以外は疎水性樹脂12で形成されることになるので、縦穴19内に入り込んだ砥粒(不図示)は、研磨加工を行う際に被研磨物と研磨パッド1bの相対的な回転によって、縦穴19が弾性変形して、ポンピング作用(掃き出し作用)により縦穴19から排出され、親水性樹脂で形成されている表面で保持されることになり、被研磨物の研磨に有効に作用するので、研磨特性を向上させることができる。また、このようなストレートの縦穴19の構造を有する研磨パッド1bは、従来の下膨れのスエード構造よりも砥粒の排出性に優れ、研磨特性をより向上させることができる。
本発明の第3の実施形態に係る研磨パッド1bは、図8に示すように、親水性樹脂の繊維20からなる不織布に疎水性又は撥水性を有する樹脂21が含浸されて形成されているものである。
この研磨パッド1cでは、繊維20からなる不織布に疎水性又は撥水性を有する樹脂21が含浸されているので、繊維20と繊維20の間に形成される凹みに入り込んだ砥粒61は、研磨加工の際にポンピング作用(掃き出し作用)によって凹みから排出され、砥粒に対する保持性が高い親水性樹脂からなる繊維20によって保持されるため、被研磨物5の研磨に有効に作用し、研磨特性を向上させることができる。つまり、研磨パッド1cでは、表面に露出するそれぞれの繊維20が、繊維20間の凹みから排出された砥粒61を保持する堤防の役割を果たしている。従って、研磨パッド1cの繊維20の密度を増加させて繊維20の間隔を狭くすることにより、表面で保持できる砥粒61の数を増加させることができ、多くの砥粒61を被研磨物5の研磨に有効に作用させることができるので、研磨特性を向上させることができる。また、研磨パッド1cでは、研磨に作用する砥粒61の数を増加させるために、繊維20の体積の割合が研磨パッド1cに対して20%以上60%以下となるように含まれていることが好ましい。
尚、本実施形態に係る研磨パッド1cでは、親水性樹脂の繊維20からなる不織布に疎水性又は撥水性を有する樹脂21を含浸された例を示しているが、繊維を親水性樹脂でコーティングした不織布に疎水性樹脂又は撥水性樹脂を含浸させることにより研磨パッド1cを構成しても良い。
以上、説明してきた本発明に係る研磨パッドにおける被研磨物5としては、例えば、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板、アルミ基板、セラミックス、サファイア等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、様々な被研磨物5に対して適宜用いることができる。
また、本発明の研磨パッドを用いて研磨加工を行う際に使用される砥粒としては、例えば、α−アルミナ、中間アルミナ、アルミナゾル、炭化ケイ素粒子、ダイヤモンド、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられ、被研磨物5の種類に応じて、これらを1種以上使用することは、研磨速度を向上させる観点から好ましい。
以下、本発明の実施形態に従って製造した研磨パッドの実施例と他の研磨パッドとの比較について説明する。
(実施例1)
実施例1の研磨パッドは、図1に示すような多孔質研磨パッドであって、エポキシ樹脂に、小径のプラスティック中空粒子としてフッ素樹脂の表面を持った中空粒子を混合し、それを熱して広げることにより、基材をエポキシ樹脂で形成し、気孔の壁面のみをフッ素樹脂で形成したものである。そして、この研磨パッドを用いて、ソーダガラスの研磨加工を行った。研磨条件については、以下に示すような条件で研磨を行った。
(研磨条件)
研磨装置:片面研磨盤SPL15F(株式会社岡本工作機械製作所製)
ワーク:ソーダガラス(直径20mm、粗さ0.4μmRa)
研磨圧力:20kPa
工作物回転数:60rpm
定盤回転数:60rpm
研磨時間:30min
研磨スラリー:酸化セリウム砥粒を3wt%水に懸濁したスラリー
スラリー供給量:25mL/min
(実施例2)
また、実施例2では、ウレタン樹脂とエポキシ樹脂の混合物に、小径のプラスティック中空粒子としてフッ素樹脂の表面を持った中空粒子を混合し、それを熱して広げることにより、基材をウレタン樹脂とエポキシ樹脂の混合樹脂で形成し、気孔の壁面のみをフッ素樹脂で形成した多孔質研磨パッドを用いて、実施例1と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例1)
比較例1では、ウレタン樹脂に発泡剤を混合させ、硬化剤を加え金型内で発泡させて硬化させた後、離型して、室温で二次乾燥させてから、所定厚さの薄形円柱状にスライスすることにより製造した多孔質研磨パッドであって、気孔もウレタン樹脂で形成されているものを用いて、実施例1と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例2)
比較例2では、エポキシ樹脂に発泡剤を混合させ、硬化剤を加え金型内で発泡させて硬化させた後、離型して、室温で二次乾燥させてから、所定厚さの薄形円柱状にスライスすることにより製造した多孔質研磨パッドであって、気孔もエポキシ樹脂で形成されているものを用いて、実施例1と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例3)
比較例3では、ウレタン樹脂とエポキシ樹脂の混合物に発泡剤を混合させ、硬化剤を加え金型内で発泡させて硬化させた後、離型して、室温で二次乾燥させてから、所定厚さの薄形円柱状にスライスすることにより製造した多孔質研磨パッドであって、気孔もウレタン樹脂とエポキシ樹脂の混合樹脂で形成されているものを用いて、実施例1と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
その結果、図9に示すように、実施例2の基材をウレタン樹脂とエポキシ樹脂の混合樹脂で形成し、気孔の壁面をフッ素樹脂で形成した研磨パッドは、従来のように気孔もウレタン樹脂とエポキシ樹脂の混合樹脂で形成されている比較例3の研磨パッドよりも研磨能率が大幅に向上し、表面粗さも改善されている。また、実施例2の研磨パッドは、比較例1のウレタン樹脂の多孔質研磨パッドや比較例2のエポキシ樹脂の多孔質研磨パッドと比較しても、研磨能率が大幅に向上し、表面粗さも改善されていることがわかる。
実施例1の基材をエポキシ樹脂で形成し、気孔の壁面をフッ素樹脂で形成した研磨パッドは、図9に示すように、気孔もエポキシ樹脂で形成されている比較例2の研磨パッドとほぼ変わらない結果となっているが、これはエポキシ樹脂が砥粒に対する保持性が高いため、表面で保持される研磨に作用する砥粒の数があまり変わらないためと考えられる。
(実施例3)
実施例3の研磨パッドは、図4に示すようなスエードタイプの研磨パッドであって、親水性樹脂としてウレタン樹脂をジメチルホルムアミドの水溶性有機溶媒に溶解させたウレタン樹脂溶液を基材に塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削することにより形成したウレタン樹脂のナップ層に対して、疎水性樹脂としてフッ素樹脂を含浸させた後、表面をドレスすることにより、縦穴構造の気孔の壁面をフッ素樹脂で形成したものである。そして、この研磨パッドを用いて、ソーダガラスの研磨加工を以下の研磨条件で行った。
(研磨条件)
研磨装置:片面研磨装置 Nano factor(ナノファクター社製)
ワーク:ソーダガラス(直径20mm、厚さ5mm、粗さ0.4μmRa)
研磨圧力:20kPa
工作物回転数:90rpm
定盤回転数:90rpm
研磨時間:30min
研磨スラリー:平均粒径1.2μmの酸化セリウム砥粒(SHOROX A−10)を1wt%水に懸濁したスラリー
スラリー供給量:25mL/min
ドレッサ:電着ダイヤモンドリング #100
(比較例4)
比較例4では、ウレタン樹脂をジメチルホルムアミドの水溶性有機溶媒に溶解させたウレタン樹脂溶液を基材に塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削することにより形成したウレタン樹脂のナップ層を有するスエードタイプの研磨パッドであって、縦穴構造の気孔もウレタン樹脂で形成されているものを用いて、実施例3と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。
(比較例5)
また、比較例5では、ウレタン樹脂をジメチルホルムアミドの水溶性有機溶媒に溶解させたウレタン樹脂溶液を基材に塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削することにより形成したウレタン樹脂のナップ層を有するスエードタイプの研磨パッドである比較例4の研磨パッドの表面にフッ素樹脂を塗布した研磨パッドを用いて、実施例3と同様の条件にてソーダガラスの研磨を行った。この比較例5の研磨パッドは、実施例3とは異なり、気孔の壁面だけでなく、表面もフッ素樹脂で形成されているものである。
その結果、図10に示すように、実施例3の研磨パッドでは、従来のように気孔もウレタン樹脂で形成されている比較例4の研磨パッド及び比較例5の気孔の壁面だけでなく、表面もフッ素樹脂で形成されている研磨パッドよりも研磨能率が大幅に向上し、表面粗さも改善されている。また、比較例5の研磨パッドのように、表面も疎水性を有するフッ素樹脂で形成した場合には、比較例4の研磨パッドよりも研磨特性が悪くなっていることからも、表面は親水性樹脂で形成し、気孔のみを疎水性樹脂又は撥水性樹脂で形成することにより、気孔からの砥粒の掃き出し効果が改善されて、研磨特性が向上していることがわかる。
尚、本発明の実施の形態は上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明に係る研磨パッドは、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の被研磨物の表面を研磨するための研磨パッドとして有効に利用することができる。
1〜1c 研磨パッド
2 基材
3 気孔
4 壁面
5 被研磨物
6 研磨スラリー
61 砥粒
7 基材
8 気孔
9 ナップ層
10 壁面
11 親水性樹脂
12 疎水性樹脂
19 縦穴
20 繊維
21 含浸樹脂

Claims (4)

  1. 被研磨物との間に、砥粒が分散された研磨スラリーを供給しながら前記被研磨物を研磨するための研磨パッドであって、
    表面側に前記研磨スラリーが入り込む気孔又は凹みを有しており、前記表面は、親水性樹脂で形成され、前記気孔又は凹みは、疎水性表面又は撥水性表面で形成されていることを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記研磨パッドは、多数の気孔を有するものであって、
    前記気孔の壁面は、疎水性樹脂又は撥水性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記研磨パッドは、表面側が開孔している縦穴構造の気孔が多数形成されたナップ層を有するものであって、
    前記気孔は、疎水性樹脂又は撥水性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  4. 前記研磨パッドは、親水性樹脂の繊維からなる不織布又は繊維が親水性樹脂でコーティングされてなる不織布に疎水性樹脂又は撥水性樹脂が含浸されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
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