JP2006159380A - 研磨パッドおよび半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

研磨パッドおよび半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】研磨スラリーの供給と排出のバランスに基づく、異常滞留により、研磨パッドの研磨表面において研磨スラリーの保持が著しく不均一な状態となることを防止する。
【解決手段】研磨層を有する研磨パッドであって、この研磨層が多孔質材料から形成され、この研磨層の研磨表面が溝を有し、この溝の内面が少なくとも一部の水に対する接触角が80度以下である、研磨パッド。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエハなどの被研磨物の表面の凹凸をCMP法で平坦化する際に使用される研磨パッドに関する。
半導体デバイスは、半導体ウエハ表面に導電性膜を形成し、次いでフォトリソグラフィー、エッチング等を施すことにより配線層を形成し、そして配線層の上に層間絶縁膜を形成することによって製造される。近年、半導体集積回路の高密度化の要請により、配線部の微細化や多層配線化が進んでいる。これに伴って、より平坦な表面を有する半導体ウエハ表面の需要が高まることとなり、そして半導体ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術がより重要となってきた。
半導体ウエハなどの被研磨物の表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にCMP(Chemical Mechanical Polishing)法が用いられている。CMP法は、半導体ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、研磨スラリーまたはスラリーという)を用いて研磨する技術である。
CMPで一般的に使用される研磨装置を、図1を用いて説明する。図1は、CMP法で用いられる研磨装置の一例を示す概略構成図である。この研磨装置は、研磨パッド1を支持する研磨定盤2、被研磨物4(半導体ウエハなど)を支持する支持台5(ポリシングヘッドなど)、研磨剤3の供給機構8、そして半導体ウエハの均一加圧を行うためのバッキング材(図示せず)を備えている。研磨パッドは、例えば両面テープ等で貼り付けられることにより、研磨定盤に装着される。研磨定盤2および支持台5はそれぞれ回転軸6、7を備えており、そして研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨物4が対向するように配置される。また支持台5には通常、被研磨物4を研磨パッド1に接触させるための加圧機構(図示せず)が設けられている。
このような研磨方法において、被研磨物の研磨特性を向上させることを目的として、様々な試みが行われてきた。その中でも研磨表面にスラリーを保持しそして排出する溝に関してさまざまな試みが提案されている。
特許第2647046号明細書(特許文献1)には、研磨布の内側部分と外周部分の表面に研磨剤が流通する溝が形成されるとともに該溝が形成される表面以外は研磨剤が停留する複数の穴が形成されていることを特徴とする研磨布が記載されている。このような研磨布(研磨パッド)の具体的態様として、中央部と周辺部分は格子状溝を、その間の部分は孔を有する研磨布が同文献の図1に記載されている。このような孔は一般に、一列ないしは数列に並んだポンチを用いて広い面積を一度に開ける事により設けられる。そしてこのような孔は、一般的に使用される加工装置を用いて設けるのは困難である。また、研磨スラリーの供給と排出とのバランスに基づく、異常滞留に対する効果は特に開示されていない。なお本明細書に記載される「異常滞留」とは、研磨パッドの研磨表面において研磨スラリーの保持が著しく不均一な状態となり、被研磨物の研磨に悪影響を及ぼすような状態をいう。
特開平10−249710号公報(特許文献2)には、幾何学的に中心を持つ溝形状の中心と研磨パッドの中心とが偏心状に設けられた研磨パッドが記載されている。この文献には、研磨パッドの中心と同心円状溝の中心とがずれていることによって、加工されるシリコンウエハに溝形状が転写され均一性が悪くなるという問題を解消できることが記載されている。しかしながら、この発明ではウエハ中心部分での研磨レート低下を防ぐことは困難である。また、研磨スラリーの供給と排出とのバランスに基づく、異常滞留に対する効果は特に開示されていない。
特開平11−070463号公報(特許文献3)には、複数の同心円状の溝を有する第1の領域と第2のピッチを有する第2の領域とを有する研磨パッドが記載されている。この研磨パッドは溝ピッチの異なる2つの領域を有し、研磨の均一性が改善されることが記載されている。しかしながら、研磨スラリーの供給と排出とのバランスに基づく異常滞留の問題に対して開示されておらず、研磨均一性を改善することは困難である。
特開2000−198061号公報(特許文献4)には、複数の環状溝および複数の流線溝を有する研磨パッドが記載されている。この研磨パッドは、溝形状を流線溝にすることで、スラリーの流れを積極的に制御しようと試みている。しかしながら、このような研磨パッドでは、研磨に必要とされるスラリーが流線溝に沿って流れ出してしまうおそれがある。また、研磨スラリーの供給と排出とのバランスに基づく、異常滞留に対する効果は特に開示されておらず、十分な研磨の均一性を得ることは出来ない。
特開2002−224950号公報(特許文献5)には、溝形状において底部弧状部としてスラリーの澱みを生じ難くした研磨パッドが記載されている。この研磨パッドは、溝形状を底部弧状となすことで、スラリーの流れをスムーズとなるように制御する試みがなされている。特許文献5に記載の研磨パッドは、溝形状とその表面粗さについて考量がなされている。しかしながら研磨面構成の材質が球状黒鉛鋳鉄である点において本発明と異なる。また、特許文献5に記載の研磨パッドの研磨対象はベアウエハやガラス基板であり、本発明における研磨対象と異なる。さらに、本発明のように研磨層として多孔質材料を用いる場合における、研磨スラリーの供給と排出とのバランスに基づく異常滞留の問題に対しても触れられていない。
特開2004−009156号公報(特許文献6)には、研磨表面に溝を形成し、溝の内面の表面粗さが20μm以下である研磨パッドが記載されている。この研磨パッドに関しては、溝の内面における表面粗さに考量がなされている。ここで開示される溝の表面粗さは、研磨面構成の材質を切削または型成型によって溝を形成することによって得られるものである。しかしながら、特許文献6に記載される方法を用いて、多孔質材料に溝を形成する場合、その溝の内面の表面粗さを20μm未満とすることは非常に困難であることが、本発明者らによる追試実験により判明した。この知見から、特許文献6に記載される発明の骨子は、溝の形成方法というよりはむしろ研磨層を構成する材質の選択にあるということができ、この点において本発明と相違する。さらに、本発明のように研磨層として多孔質材料を用いる場合における、研磨スラリーの供給と排出とのバランスに基づく、異常滞留の問題に対しても触れられていない。
特許第2647046号明細書 特開平10−249710号公報 特開平11−070463号公報 特開2000−198061号公報 特開2002−224950号公報 特開2004−009156号公報
本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。より特定すれば本発明は、研磨スラリーの供給と排出のバランスに優れる研磨パッドを提供することを課題とする。
本発明は、
研磨層を有する研磨パッドであって、
この研磨層が多孔質材料から形成され、
この研磨層の研磨表面が溝を有し、この溝の内面の少なくとも一部の水に対する接触角が80度以下である、研磨パッド、を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
また、研磨層の研磨表面の溝が、溝深さ0.5〜1.5mmである、研磨パッドが好ましい。
また、研磨層が、平均気泡径20〜70μmの気泡を有する多孔質材料から形成される、研磨パッドが好ましい。
また、研磨層の比重が0.5〜1.0である研磨パッドが好ましい。
また、研磨層の圧縮率が0.5〜5.0%である研磨パッドが好ましい。
また、研磨層の硬度がアスカーD硬度45〜65度である研磨パッドが好ましい。
研磨層の研磨表面の溝の内面が、コーティング樹脂によって被覆されており、このコーティング樹脂が、樹脂1000kg当たり20〜1500当量のイオン性基を有する樹脂である研磨パッドが好ましい。
さらに、上記の研磨層、およびクッション層、を有する研磨パッドであって、このクッション層の硬度が、研磨層の硬度より低い研磨パッドも提供する。
本発明はさらに、上記の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法も提供する。
本発明によって、研磨特性に優れ、かつ半導体ウエハなどの被研磨物の研磨中におけるスラリーの保持と排出において優れた研磨パッドを提供することができる。この研磨パッドは、研磨中におけるスラリーの溝内における異常滞留が改善されている。この研磨パッドを用いて、半導体ウエハなどの被研磨物を良好に研磨することができる。
本発明の研磨パッドは、研磨層を有する研磨パッドであり、そしてこの研磨層が多孔質材料から形成される。この研磨層は研磨表面に溝を有しており、そしてこの溝の内面は、水に対する接触角が80度以下である。
本発明の研磨パッドの研磨層は、多孔質材料から形成される。多孔質材料として、例えばポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、及び感光性樹脂などの多孔質材料が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記樹脂のうちポリウレタン樹脂を用いるのが特に好ましい。ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるからである。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーおよび鎖延長剤から調製される。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートと高分子ポリオールと低分子ポリオールからなる。
使用できるポリイソシアネートは特に制限されない。使用できるポリイソシアネートの具体例として、限定されるものではないが、2,4−および/または2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−およびm−フェニレンジイソシアネート、ダイメリルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシネート、1,3−および1,4−テトラメチルキシリデンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−および1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(=水添MDI)、2−および4−イソシアナトシクロヘキシル−2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−および1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、等が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、また2種以上の混合物として用いてもよい。ポリイソシアネートは、注型成形時に必要とされるポットライフに応じて適宜選定することができる。
また、高分子ポリオールとして、例えばヒドロキシ末端ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルカーボネート、ポリエステルアミド等が挙げられる。これらのうち耐加水分解性の良好なポリエーテルおよびポリカーボネートが好ましく、価格面と溶融粘度面からはポリエーテルが特に好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、反応性水素原子を有する出発化合物と、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化スチレン、テトラヒドロフラン、エピクロルヒドリンのような酸化アルキレンまたはこれら酸化アルキレンの混合物との反応生成物が挙げられる。反応性水素原子を有する出発化合物としては、水、ビスフェノールA並びに後述のようなポリエステルポリオールを製造するための二価アルコールが挙げられる。
更に、ヒドロキシ基を有するポリカーボネートとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび/またはポリテトラメチレングリコールの様なジオールとホスゲン、ジアリルカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)もしくは環式カーボネート(例えばプロピレンカーボネート)との反応生成物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、二価アルコールと二塩基性カルボン酸との反応生成物が挙げられるが、耐加水分解性向上の為には、エステル結合間距離が長い方が好ましく、いずれも長鎖成分の組み合わせが望ましい。
二価アルコールとしては、特に限定はしないが、例えばエチレングリコール、1,3−および1,2−プロピレングリコール、1,4−および1,3−および2,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ジブチレングリコール等が挙げられる。
二塩基性カルボン酸としては、脂肪族、脂環族、芳香族および/または複素環式のものがあるが、生成する末端NCOプレポリマーを液状または低溶融粘度とする必要上から、脂肪族や脂環族のものが好ましい。芳香族系を適用する場合は脂肪族や脂環族のものとの併用するのが好ましい。これらカルボン酸としては、限定されるものではないが、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸(o−、m−、p−)、ダイマー脂肪酸、例えばオレイン酸、等が挙げられる。これらポリエステルポリオールとしては、カルボキシル末端基の一部を有することもできる。例えば、ε−カプロラクトンの様なラクトン、またはε−ヒドロキシカプロン酸の様なヒドロキシカルボン酸のポリエステルも使用することができる。
高分子ポリオールの数平均分子量は特に限定されるものではないが、得られるポリウレタンの弾性特性等の観点から500〜2000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、得られるポリウレタン樹脂は十分な弾性特性を有さず、脆い樹脂となる。そのためこのポリウレタン樹脂から製造される研磨層は硬く脆いものとなり、被研磨物の研磨面のスクラッチの原因となる。また、このような研磨パッドは摩耗しやすくなるため、研磨パッドの寿命の観点からも好ましくない。一方、数平均分子量が2000を超える場合は、得られるポリウレタン樹脂は軟らかくなり、このポリウレタン樹脂から製造される研磨層は平坦化特性に劣る傾向にある。
低分子ポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールを製造するのに用いられる二価アルコールが挙げられる。本発明の低分子ポリオールとして、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサメチレングリコールのいずれか1種またはそれらの混合物を用いることが好ましい。より低分子量のポリオールであるエチレングリコールを用いる場合は、注型成形時の反応性が速くなり過ぎたり、最終的に得られるポリウレタン研磨材成形物の硬度が高くなり過ぎたりするなどにより、研磨層としての性能が劣るおそれがある。他方、1,6−ヘキサメチレングリコールよりも長鎖の二価アルコールを用いる場合は、注型成形時の反応性や、最終的に得られるポリウレタン研磨材成形物の硬度が適切なものが得られる場合もあるが、価格が高いなどの問題がある。
また、ポリオール中の高分子量成分と低分子量成分との比は、これらから製造される研磨層に要求される特性により決められる。
本発明で使用される鎖延長剤として例えば有機ジアミン化合物を用いることができる。鎖延長剤として用いることができる有機ジアミン化合物として、限定されるものではないが例えば、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)等に例示されるポリアミン類3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、クロロアニリン変性ジクロロジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン等が挙げられる。あるいは上述した低分子量ポリオールを鎖延長剤として用いることもできる。これらは1種で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂の調製におけるポリイソシアネート、ポリオール、及び鎖延長剤の比率は、各々の分子量やこれらから製造される研磨層の所望物性などにより種々変更することができる。研磨特性に優れる研磨層を得るためには、ポリオールと鎖延長剤の合計官能基(水酸基+アミノ基)数に対する有機イソシアネートのイソシアネート基数は0.95〜1.15であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.10である。
ポリウレタン樹脂は通常の方法により調製することができる。なお、必要に応じてポリウレタン樹脂に酸化防止剤等の安定剤、界面活性剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
上記研磨層の調製に用いられる樹脂を発泡させ多孔質化する方法は、特に制限されるものではないが、例えば中空ビーズを添加する方法、機械的発泡法、及び化学的発泡法等により発泡させる方法などが挙げられる。なお、各方法を併用してもよいが、特にポリアルキルシロキサンとポリエーテルとの共重合体であって活性水素基を有しないシリコーン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。該シリコーン系界面活性剤としては、SH−192(東レダウコーニングシリコン製)等が好適な化合物として例示される。
多孔質材料に含まれる気泡の平均気泡径は、20〜70μmであるのが好ましい。平均気泡径が上記範囲である場合は、プラナリティ(平坦性:半導体ウエハのそれぞれの微小領域の凹凸の少なさ)が、より良好となる。気泡の平均気泡径は、30〜50μmであるのがより好ましい。多孔質材料に含まれる気泡の平均気泡径の測定する方法として、例えば画像処理装置などで所定量の気泡径を測定する方法などが挙げられる。
本発明における研磨層の比重は、0.5〜1.0であることが好ましい。比重が0.5未満の場合は研磨層の表面の強度が低下することにより、被研磨物のプラナリティ(平坦性)が悪化するおそれがある。また、比重が1.0を超える場合は、研磨層表面での微細気泡の数が少なくなり易く、プラナリティは良好であるが、研磨速度が小さくなる傾向にある。なおこの比重は、試料の質量と、それと同体積の圧力1.01barのもとにおける4℃の純粋の水の質量との比率である。この比重はJIS Z8807に準拠して求めることができる。
本発明における研磨層の硬度は、アスカーD硬度計45〜65度であるのが好ましい。上記硬度が45度未満の場合、被研磨物のプラナリティ(平坦性)が悪化するおそれがある。また、65度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨物のユニフォーミティ(均一性:半導体ウエハ全面における研磨量のばらつきの少なさ)が低下する傾向にある。研磨層の硬度は、アスカーD硬度計40〜60度であるのがより好ましい。
多孔質材料の圧縮率は、0.5〜5.0%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3.0%である。圧縮率が上記範囲内にあれば十分にプラナリティとユニフォーミティを両立させることが可能となる。なお、圧縮率は下記式により算出される値である。
Figure 2006159380
[T1は多孔質材料に無負荷状態から30KPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の多孔質材料の厚みであり、T2はT1の状態から180KPa(1800g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の多孔質材料の厚みである。]
研磨層として好ましく用いられる独立気泡タイプのポリウレタン多孔質材料を製造する具体的態様の一例を、以下に記載する。
イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する撹拌工程
イソシアネート末端プレポリマーにシリコーン系界面活性剤を添加し、非反応性気体と撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。イソシアネート末端プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤を添加し、混合撹拌する。
硬化工程
鎖延長剤を混合したイソシアネート末端プレポリマーを注型し、加熱硬化させる。
微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には例えば窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が挙げられる。乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコーン系界面活性剤を含むイソシアネート末端プレポリマーに分散させる撹拌装置として、公知の撹拌装置を特に限定なく使用することができる。具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼を使用する場合、微細気泡が得ることができ好ましい。
なお、撹拌工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、それぞれ異なる撹拌装置を使用してもよい。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。撹拌工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用してもよい。
ポリウレタン多孔質材料の製造方法において、気泡分散液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した多孔質材料を加熱、ポストキュアすることは、多孔質材料の物理的特性を向上させる効果があり極めて好適である。金型に気泡分散液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
ポリウレタン樹脂の製造において、第3級アミン系、有機スズ系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用することもできる。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択する。
ポリウレタン多孔質材料の製造は、容器に各成分を計量して投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
本発明の研磨パッドの研磨層は、以上のようにして調製されたポリウレタン樹脂のシートを作成し、これを所定のサイズに裁断して製造することができる。
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、厚さ0.6〜3.5mmであるのが好ましい。上記範囲の厚みの研磨層を作製する方法としては、多孔質材料のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法、所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法、及びコーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが挙げられる。
また、研磨層の厚みのバラツキは、100μm以下であることが好ましく、特に50μm以下であることが好ましい。厚みのバラツキが100μmを越える場合には、研磨層が大きなうねりを持ったものとなり、被研磨物に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える傾向にある。また、研磨層の厚みのバラツキを解消するため、一般的には研磨初期において、研磨層の表面を、ダイヤモンド砥粒を電着又は融着させたドレッサーを用いてドレッシング処理することが多い。この場合、上記厚み範囲を超える場合はドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させることになる。
また、研磨層の厚みのバラツキを抑える他の方法として、所定厚みにした研磨層表面をバフィングする方法もある。バフィングする際には、粒度などが異なる研磨シートで段階的に行うことが好ましい。
本発明の研磨層は、被研磨物と接触して被研磨物を研磨する研磨表面に、溝が設けられている。溝の存在によって、半導体デバイス研磨時に供給される研磨スラリーが効率よく保持される。溝はまた、スラリーを研磨面により均一に分配する機能も有する。溝はさらに、研磨により生じた摩耗屑や使用済み研磨スラリー等の廃棄物を一時的に滞留させ、この廃棄物を外部へ支障なく排出する、排出経路としても機能する。溝を設けることによって、被研磨物と研磨層とが吸着することにより生じる被研磨物の破壊も防ぐこともできる。
研磨層の研磨表面の溝について、溝の幅方向における断面形状は特に限定されず、例えば、側面と底面とにより形成された矩形形状、そしてU字形状、V字形状などが挙げられる。図2は、断面形状が矩形形状である溝の説明図である。この説明図中における溝の側面および溝の底面が「溝の内面」に該当する。本明細書における「溝の内面」は、溝の側面および底面の少なくとも一面を意味する。溝の断面形状がU字形状の場合は、溝の内面である、側面と底面との区別がはっきりせず、またV字形状の場合は側面のみの構成となる。
本発明の研磨パッドにおいては、溝の内面全てにおいて接触角が80度以下である必要はない。例えば溝深さが小さい溝であって溝断面の形状が短形形状である場合は、溝の底面の部分のみが接触角80度以下であっても本発明の利益が充分に得られると考えられる。しかしながら、溝の側面および底面の少なくとも一面である溝の内面全てにおいて接触角80度以下である場合は、より高い効果を得ることができるためより好ましい。
研磨層の研磨表面における溝の形状は特に限定されず、例えば研磨表面上において円形、多角形(三角形、四角形、五角形等)、楕円形などの環状の溝を設けることができる。研磨表面上の溝の数は、2以上であれば特に限定されない。これらの溝の配置も特に限定されず、例えば各溝が同心円状に配置されたもの、各溝が偏心して配置されたもの、一つの環状の溝で囲まれた研磨面の内側に複数の他の環状の溝が配置されたもの等が挙げられる。
これらの中でも、環状の溝が同心円状に配置されたものが好ましい。研磨機能および溝加工容易性などにおいてより優れるからである。
研磨表面にはこれらの環状の溝以外にも、他の形状の溝や凹部を備えることもできる。他の形状の溝としては例えば、研磨層の直径方向に配列された直線状の溝が挙げられる。この直線上の溝は格子状態であってもよい。さらにこれらの溝に加えて、研磨層の研磨表面から裏面まで貫通をする貫通孔を設けてもよい。
研磨層表面の溝の溝幅は、0.05〜2.0mmの範囲内であるのが好ましく、0.20〜0.50mmの範囲にあるのがより好ましい。溝幅が0.05mm未満の場合は、スラリーが溝に入りにくくなりスラリー流路としての効果が小さくなり、研磨レートも低くなるおそれがある。また、0.05mm未満の溝幅は加工するのが非常に困難であり生産性にも劣るおそれがある。溝幅が2.0mmを超える場合は、研磨層の研磨表面が被研磨物と接触する研磨実行面積が減少し、研磨レートが低くなるおそれがある。なお「研磨レート」とは、研磨特性の評価に用いられるパラメーターである。
本発明では、形成される溝と他溝との間隔である溝ピッチが0.1〜20mmであることが好ましい。溝ピッチが0.1mm未満である場合、非常に多数に溝がパッド上に形成され、研磨層の研磨表面が被研磨物であるウエハに接触する研磨実行面積が減少し、研磨レートが低下するおそれがある。また、溝ピッチが20mmを超える場合は、研磨層の研磨表面と、被研磨物とが接触する面積が増えることにより、被研磨物と研磨パッドとの摩擦抵抗が大きくなり、被研磨物が支持台(ポリシングヘッド)から外れてしまう、所謂デチャックが発生するおそれがある。ここで「溝ピッチ」とは、隣接する溝間の最短部分の距離をいう。なお図2は、溝幅、溝ピッチおよび溝の深さを説明する図でもある。
また溝の深さは、研磨表面から溝底面の最深部までの距離で0.5mm以上が好ましい。溝の深さが0.5mmに満たない場合は、スラリーの供給、排出のバランスがとれず研磨に対して好ましくない。この溝の深さは最も深い場合でも研磨表面を有する研磨層の厚さの最大0.85までであることが、研磨パッドの強度などの点において好ましい。
研磨層表面の溝の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ硬化させる方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスして形成する方法、フォトリソグラフィーを用いて形成する方法、印刷手法を用いて形成する方法、及び炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光により形成する方法などが挙げられる。溝の形成方法として、機械切削する方法が好ましく用いられる。
ところで、発泡ポリウレタンなどの多孔質材料によって形成される研磨パッドは、一般に半導体デバイスなどの研磨性に優れている。しかし、切削加工などによってこれらの多孔質材料に溝を形成する場合、溝の側面や底面などの内面に、孔部分の切削による「ささくれ」や開口孔が生じる場合が多い。溝の内面にこのような「ささくれ」や開口孔が存在することにより、研磨スラリーの残渣や研磨くずが滞留堆積し易くなる。そしてこれらが滞留堆積することによっていわゆる「溝詰まり」が発生し、研磨レートの低下、スクラッチの発生、および不均一な研磨が生じることとなる。さらにこのような研磨パッドは、長時間の研磨に耐えうるものではない。
これらの弊害を取り除く方法として、例えばヒートプレス、エンボス加工、レーザー加工によって溝を形成する方法が挙げられる。しかしこれらの手法で形成された溝の内面は、ささくれなどが存在せず滑らかである一方、熱などによる変質が生じやすいという欠点も有する。熱変質は、研磨層表面において、溝の盛り上がり、表面の熱硬質化などを引き起こし、これらはスクラッチの原因となりうる。一方、無発泡材料を用いて研磨層を作成する場合もまた、内面が滑らかな溝を切削などにより形成することができる。しかしながら、無発泡材料の研磨層はスラリー保持能力が劣る場合が多い。また、発泡を有さないため、スラリーや研磨くずの逃げ場がなく、スクラッチを多く発生させてしまう。
本発明の研磨パッドは、多孔質材料からなる研磨層を有し、そして研磨層表面の溝の内面は、水との接触角が80度以下である。この接触角は10〜70度であるのがより好ましい。水との接触角が80度以下である内面を有する溝を研磨層表面に有することによって、多孔質材料からなる研磨層であっても、溝部分における研磨スラリーの残渣および研磨くずの堆積の発生から生じる溝詰まりを有効に防止することができ、そしてスラリーの異常滞留の発生を防止することができる。これにより、長期使用性に優れた研磨パッドを作成することができる。なお、研磨層表面の溝の内面の接触角を10度未満にするのは、現在の技術水準では非常に困難である。
研磨層の溝の内面の、水との接触角は、溝部分を切りとってサンプルを作成し、このサンプルと接触角計とを用いて測定することができる。接触角の測定方法として、液滴法、転落法などが挙げられる。接触角計として例えば協和界面科学社製CA−X型接触角計などが挙げられる。
研磨層の溝の内面の水との接触角を80度以下にする方法として、切削などにより形成された溝の内面に、コーティング樹脂をコーティングする方法が挙げられる。コーティング樹脂として、イオン性基を有する樹脂を用いるのが好ましい。コーティング樹脂を溝の内面にコーティングすることによって、多孔質材料に溝を形成したことに基づく、溝詰まりの原因となる溝の内面のささくれなどが被覆される。これにより溝の内面の水との接触角を80度以下にすることができる。
溝の内面のコーティングに用いることができるコーティング樹脂として、樹脂1000kg当たり20〜1500当量(当量/トン)のイオン性基を有する樹脂を用いるのが好ましい。このようなコーティング樹脂を用いて溝の内面を被覆することによって、溝の内面の親水性を向上させて、水との接触角を80度以下にすることができる。またコーティング樹脂を用いて多孔質材料からなる溝の内面を被覆することも、溝の内面の水との接触角を下げることに寄与する。コーティング樹脂として、イオン性基の量が50〜1400当量/トンであるのがより好ましく、100〜1300当量/トンであるのがさらに好ましく、150〜1200当量/トンであるのが特に好ましい。
本発明で用いられるコーティング樹脂として、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。コーティング樹脂としてポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。ポリエステル樹脂を、ウレタン、アクリル等で変性してもよい。
ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコ−ルとを縮重合して得ることができる。
多価カルボン酸として、主にジカルボン酸類が用いられる。ジカルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、等を用いることができる。芳香族ジカルボン酸を、多価カルボン酸成分の40mol%以上の量で用いることが好ましく、60mol%以上の量で用いるのがさらに好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有率がこの範囲に満たない場合には樹脂のガラス転移温度が低下し、これを溝にコーティングする場合、溝部に粘着性が生じるおそれがある。本発明において好ましく用いられるジカルボン酸類として、テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられる。これらの酸を50mol%以上含む多価カルボン酸を用いるのが好ましい。
ジカルボン酸類として、他にコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不飽和脂肪族ジカルボンサン、および、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ダイマー酸、トリマー酸、テトラマー酸等の(不飽和)脂環族ジカルボン酸等を使用することができる。また、必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリおよびテトラカルボン酸を少量含んでもよい。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリシクロデカンジメタノール、ダイマージオール、水添ダイマージオール、等のジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等々のジオール類が挙げられる。さらに必要に応じて、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール、ペンタエルスリトール等のテトラオール等、またε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオール類を用いることができる。
コーティング樹脂が有するイオン性基として、カルボキシル基、スルホ基、硫酸エステル基、リン酸基、もしくはそれらの基の塩(水素塩、金属塩、アンモニウム塩)などのアニオン性基;または第1級〜第3級アミン基等のカチオン性基;が挙げられる。コーティング樹脂は、これらのイオン性基を1種のみ有していてもよく、また2種以上を有していてもよい。カルボキシル基、カルボン酸塩基(アンモニウム塩など)、スルホ基、スルホン酸塩基(アルカリ金属塩など)などのイオン性基を有するコーティング樹脂を使用するのが好ましい。
コーティング樹脂を、研磨層の溝の内面にコーティングする方法として、例えば、コーティング樹脂を含む水溶液または分散液を調製し、この水溶液または分散液に研磨層を浸漬する方法、コーティング樹脂を含む水溶液または分散液を研磨層表面に塗布またはスプレーする方法、そして熱などにより溶融させたコーティング樹脂を研磨層表面に塗布する方法などが挙げられる。コーティング樹脂を含む水溶液または分散液は、コーティング樹脂を、水性媒体に溶解または分散させることによって得ることができる。溶媒として、水、イオン交換水、蒸留水などを用いることができる。溶媒に、有機溶媒、界面活性剤、分散安定剤などを含めてもよい。コーティング樹脂を含む水溶液または分散液を調製する場合の樹脂濃度は、特に限定されるものではないが、一般に5〜25重量%の濃度とすることができる。
なお、本発明の研磨層については、溝部分以外の研磨表面、つまり溝ピッチの部分にあたる研磨実行面積部分が、コーティング樹脂によってコーティングされていてもよい。この研磨実行面積部分がコーティング樹脂によってコーティングされている場合であっても、研磨操作によって研磨実行面積部分にコーティングされたコーティング樹脂は摩耗され、そして多孔質表面が出現すると考えられる。
本発明における研磨パッドとして、研磨層のみで構成される単層型研磨パッド、そして研磨層およびこの研磨層とプラテン(定盤)との間に位置するクッション層の少なくとも2層を有する積層研磨パッドが挙げられる。
本発明の研磨パッドとして、研磨層とクッション層とを有する積層研磨パッドであるのが好ましい。クッション層は、研磨層の特性を補う役目を果たす。クッション層があることにより、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させることができる。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある被研磨物を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨物全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善することを行う。
クッション層の硬度は、研磨層の硬度より低いものが好ましい。クッション層の硬度が研磨層の硬度よりも低いことによって、ウエハ全体への研磨層の追従性が良好となり、研磨層の均一性が向上するからである。クッション層の硬度として、アスカーA硬度20〜40度であるのが好ましく、25〜35度であるのがより好ましい。
クッション層の形成材料は特に制限されないが、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布、ポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。
研磨層とクッション層とを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッション層を両面テープで挟み、プレスする方法が挙げられる。
両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。クッション層へのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層とクッション層は組成が異なる場合もある。この場合は、各接着層面の組成が異なる両面テープを用いて、研磨層、クッション層との接着力を適正化することもできる。
こうして得られた研磨パッドをプラテンに上に設けて、半導体ウエハの表面を研磨することができる。両面テープを用いて、研磨パッドをプラテンに上に設けることができる。両面テープは、上述と同様に不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。研磨後に、研磨パッドをプラテンから剥がすことを考慮すると、フィルム基材を有する両面テープを用いるのが好ましい。テープ残り等を解消することができるからである。両面テープの接着層の組成は上述と同様である。
本発明の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て、半導体デバイスを製造することができる。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法およびそれに用いられる研磨装置は特に制限されない。例えば、研磨パッドを支持する研磨定盤、半導体ウエハなどの被研磨物を支持する支持台(ポリシングヘッド)、ウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材、および研磨剤の供給機構、を備えた研磨装置などを用いることができる。研磨パッドは、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤に装着される。研磨定盤と支持台とは、それぞれに支持された研磨パッドと半導体ウエハが対向するように配置され、それぞれに回転軸を備えている。また、支持台側には通常、半導体ウエハを研磨パッドに押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤と支持台とを回転させつつ半導体ウエハを研磨パッドに押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハなど被研磨物の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定した。
平均気泡径測定
研磨層を、ミクロトームカッターを用いて厚み1mm程度に平行に切り出し、これを平均気泡径測定用のサンプル試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、画像処理装置(東洋紡社製、Image Analyzer V10)を用いて、任意の0.2mm×0.2mm範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
比重測定
JIS Z8807−1976に準拠して行った。4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出した研磨層を比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
アスカーD硬度測定
JIS K6253−1997に準拠して行った。2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出した研磨層を硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用いて硬度を測定した。なお硬度の測定は、溝が形成されていない部分で測定を行った。
アスカーA硬度測定
JIS K6253−1997に準拠して行った。2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出した光透過領域(窓材領域)などの材を硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時開静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーA型硬度計)を用い、硬度を測定した。
圧縮率
直径7mmの円(厚み:任意)に切り出した研磨層を圧縮率測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で40時間静置した。測定には熱分析測定器 TMA(SEIKO INSTRUMENTS製、SS6000)を用い、圧縮率を測定した。なお圧縮率の測定は、溝が形成されていない部分で測定を行った。圧縮率の計算式を下記に示す。
Figure 2006159380
[T1は研磨層に無負荷状態から30KPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、T2はT1の状態から180KPa(1800g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みである。]
イオン性基量の算出
コーティング樹脂が有するイオン性基がカルボキシル基含有量である場合は、樹脂0.2gを20mlのクロロホルムに溶解し、0.1NのKOHエタノール溶液で滴定することにより、樹脂1kg当りのミリ当量(meq./kg)を求めた。
コーティング樹脂が有するイオン性基がスルホン酸ナトリウム基の場合は、アルミホイル製の型に溶融状態の樹脂を流し込み、直径4cm、厚さ約5mmのディスクを作製した。得られたディスクを、蛍光X線分析措置を用いてS元素の定量を行い、その値から樹脂1kg当りのミリ当量(meq./kg)を求めた。
接触角の測定
研磨層の溝部分を切り取り、1mmの幅を有するサンプル試料を作成した。次にこのサンプルを接触角計(協和界面科学社製CA−X型)の試料台に水平に固定した。テフロン(登録商標)製の針先(キャピラリー28G 内径0.1mm)に3μlの水滴を作り、これを測定試料面に近づけて試料面と水滴とを接触させた。1分間放置した後、接触角を測定した。試料を変えて同様に3回測定し、得られた値の平均値を接触角とした。測定は25℃で行った。
圧縮回復率の測定
直径7mmの円(厚み:任意)に切り出した研磨層を圧縮回復率測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で40時間静置した。測定には熱分析測定器 TMA(SEIKO INSTRUMENTS製、SS6000)を用い、圧縮回復率を測定した。なお圧縮回復率の測定は、溝が形成されていない部分で測定を行った。圧縮回復率の計算式を下記に示す。
Figure 2006159380
[式中、
T1:材料に無負荷状態から30KPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の材料厚み、
T2:T1の状態から180KPa(1800g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の材料厚み、
T3:T2の状態から無負荷状態で60秒間保持し、その後、30KPa(3O0g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の材料厚み、
である。]
貯蔵弾性率の測定
JIS K7198−1991に準拠して行った。3mm×40mmの短冊状(厚み;任意)に切り出した研磨領域等の材を動的粘弾性測定用試料とし、23℃の環境条件で、シリカゲルを入れた容器内に4日間静置した。切り出した後の各シートの正確な幅および厚みの計測は、マイクロメータにて行った。測定には動的粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所製、現アイエス技研)を用い、貯蔵弾性率E’を測定した。その際の測定条件を下記に示す。
<測定条件>
測定温度 : 40℃
印加歪 : 0.03%
初期荷重 : 20g
周波数 : 1Hz
研磨特性の評価
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨特性の評価を行った。
《研磨レート》の評価は、8インチのシリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを、約0.5μm研磨して、このときの時間から算出した。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとしてシリカスラリー(SS12、キャボット社製)を研磨中に流量150ml/minにて添加した。研磨荷重としては350g/cm、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。
《均一性》の評価は、研磨終了後のウエハの任意25点の膜厚測定値より下記式により算出した。なお、均一性の値が小さいほどウエハ表面の均一性が高いことを表す。
Figure 2006159380
《平坦化特性》の評価は、8インチシリコンウエハに熱酸化膜を0.5μm堆積させた後、所定のパターニングを行い、p−TEOSにて酸化膜を1μm堆積させ、初期段差0.5μmのパターン付きウエハを作製した。このウエハを前述条件にて研磨を行い、研磨後、各段差を測定し平坦化特性を評価した。平坦化特性としては2つの段差を測定した。一つはローカル段差であり、これは幅270μmのラインが30μmのスペースで並んだパターンにおける段差であり、1分後の段差を測定した。もう一つは削れ量であり、幅270μmのラインが30μmのスペースで並んだパターンと幅30μmのラインが270μmのスペースで並んだパターンにおいて、上記の2種のパターンのライン上部の段差が2000Å以下になるときの270μmのスペースの削れ量を測定した。ローカル段差の数値が低いとウエハ上のパターン依存により発生した酸化膜の凹凸に対し、ある時間において平坦になる速度が速いことを示す。また、スペースの削れ量が少ないと削れて欲しくない部分の削れ量が少なく平坦性が高いことを示す。
実施例1
〔研磨層の作製〕
フッ素コーティングした反応容器内に、フィルタリングしたポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)100重量部、及びフィルタリングしたシリコーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製、SH192)3重量部を混合し、温度を80℃に調整した。フッ素コーティングした撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融し、フィルタリングした4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26重量部を添加した。その後、約1分間撹拌を続けてフッ素コーティングしたパン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い、ポリウレタン樹脂多孔質材料ブロックを得た。このポリウレタン樹脂多孔質材料ブロックをバンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてスライスし、ポリウレタン樹脂多孔質材料シートを得た。
次にこのシートを、バフ機(アミテック社製)を使用して所定の厚さに表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした(シート厚み:1.27mm)。このバフ処理をしたシートを所定の直径(61cm)に打ち抜き、溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて表面に溝幅0.25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.80mmの同心円状の溝切削加工を行い、研磨層シートを作成した。
この、作成した溝加工を施した研磨層シートを、親水性処理剤として水分散ポリエステル樹脂(東洋紡績社製 MD1200 イオン性基量1050当量/トン)の5重量%水分散液に浸漬した後取り出し、不要の溶液を飛ばした後80℃のオーブンにて30分間乾燥処理を行った。得られた研磨層シートの溝部分の水との接触角を測定したところ60度であった。
作製した研磨層の各物性は、平均気泡径45μm、比重0.86、アスカーD硬度53度、圧縮率1.0%、圧縮回復率65.0%、貯蔵弾性率275MPaであった。
この研磨層シートの溝加工面と反対側の面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼った。
〔研磨パッドの作製〕
表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を作製した両面テープ付き研磨層シートの粘着面に、ラミ機を用いて貼り合わせた。さらにクッション層表面に両面テープを貼り合わせた。
作製した研磨パッドの研磨特性等を測定したところ、この研磨パッドで研磨したウエハはスクラッチが少なく均一性が良好であり研磨特性において優れ、かつ40時間以上のウエハの研磨を行っても溝内での研磨屑やスラリーの異常滞留も無く溝詰まりも無く、長期に安定に研磨が実施できた。
比較例1
〔研磨層の作製〕
フッ素コーティングした反応容器内に、フィルタリングしたポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)100重量部、及びフィルタリングしたシリコーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製、SH192)3重量部を混合し、温度を80℃に調整した。フッ素コーティングした撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融し、フィルタリングした4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26重量部を添加した。その後、約1分間撹拌を続けてフッ素コーティングしたパン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い、ポリウレタン樹脂多孔質材料ブロックを得た。このポリウレタン樹脂多孔質材料ブロックをバンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてスライスし、ポリウレタン樹脂多孔質材料シートを得た。
次にこのシートを、バフ機(アミテック社製)を使用して所定の厚さに表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした(シート厚み:1.27mm)。このバフ処理をしたシートを所定の直径(61cm)に打ち抜き、溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて表面に溝幅0.25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.80mmの同心円状の溝切削加工を行い、溝加工された研磨表面を有する研磨層シートを作成した。得られた研磨層シートの溝部分の水との接触角を測定したところ81.5度であった。
作製した研磨層の各物性は、平均気泡径45μm、比重0.86、アスカーD硬度53度、圧縮率1.0%、圧縮回復率65.0%、貯蔵弾性率275MPaであった。
この研磨層シートの溝加工面と反対側の面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼った。
〔研磨パッドの作製〕
表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を作製した両面テープ付き研磨層シートの粘着面に、ラミ機を用いて貼り合わせた。
作製した研磨パッドの研磨特性等を測定したところ、この研磨パッドで研磨したウエハはスクラッチが10時間使用後で発生し、溝内での研磨屑やスラリーの異常滞留が見られた。
本発明の研磨パッドを、半導体ウエハなどの被研磨物の研磨に用いることによって、研磨レートを好ましい範囲に維持することができ、そして被研磨物の面内研磨均一性を向上させることができる。また、本発明の研磨パッドを用いることにより、スラリーの異常滞留の発生を抑えることができる。本発明の研磨パッドは、半導体デバイスの製造に有用である。
CMPで一般的に使用される研磨装置の説明図である。 断面形状が矩形形状である溝の説明図である。
符号の説明
1…研磨パッド、
2…研磨定盤、
3…研磨スラリー、
4…被研磨物、
5…支持台、
6、7…回転軸、
8…供給機構。

Claims (9)

  1. 研磨層を有する研磨パッドであって、
    該研磨層が多孔質材料から形成され、
    該研磨層の研磨表面が溝を有し、該溝の内面の少なくとも一部の水に対する接触角が80度以下である、
    研磨パッド。
  2. 研磨層の研磨表面の溝が、溝深さ0.5〜1.5mmである、請求項1記載の研磨パッド。
  3. 前記研磨層が、平均気泡径20〜70μmの気泡を有する多孔質材料から形成される、請求項1または2記載の研磨パッド。
  4. 研磨層の比重が0.5〜1.0である、請求項1〜3いずれかに記載の研磨パッド。
  5. 研磨層の圧縮率が0.5〜5.0%である、請求項1〜4いずれかに記載の研磨パッド。
  6. 研磨層の硬度がアスカーD硬度45〜65度である、請求項1〜5いずれかに記載の研磨パッド。
  7. 研磨層の研磨表面の溝の内面が、コーティング樹脂によって被覆されており、
    該コーティング樹脂が、樹脂1000kg当たり20〜1500当量のイオン性基を有する樹脂である、
    請求項1〜6いずれかに記載の研磨パッド。
  8. 請求項1〜7いずれかに記載される研磨層、およびクッション層、を有する研磨パッドであって、
    該クッション層の硬度が、該研磨層の硬度より低い、研磨パッド。
  9. 請求項1〜8いずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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