JP2010131737A - 研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スラリーの保持能力に優れ、初期ドレス処理をしなくても研磨速度が大きい研磨パッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】研磨シートの研磨表面をバフ掛けするバフ掛け工程を含む研磨パッドの製造方法において、前記バフ掛け工程は、研磨シートの研磨表面を一端から他端まで一方向にバフ掛けを行う第1段階バフ工程、及び第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対してそれぞれ135°〜225°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う1回以上のバフ工程、を含むことを特徴とする研磨パッドの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工を安定、かつ高い研磨効率で行うことが可能な研磨パッド(粗研磨用又は仕上げ研磨用)及びその製造方法に関するものである。本発明の研磨パッドは、特にシリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程に好適に使用される。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、スラリーの供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
このような研磨操作に使用される研磨パッドとしては、例えば以下のものが提案されている。まず、高分子発泡微小エレメントを分散したポリウレタン発泡体、またはイソシアネートプレポリマーを界面活性剤の存在下に撹拌して気泡分散液を調製し、そこに鎖延長剤を添加して得られるポリウレタン発泡体をブロック状に製造する。その後、該ブロック状のポリウレタン発泡体をスライスして研磨シートを得て、それを円形に裁断加工等することにより製造される研磨パッドが提案されている(特許文献1、2)。
ブロック状のポリウレタン発泡体をスライスして得られる研磨シートは、厚みバラツキが大きく、被研磨材に対する接触状態が領域によって異なるため、平坦化特性等の研磨特性に問題がある。そのため、通常、研磨シートは厚みが均一になるようにバフ掛け処理されている。
バフ掛けの方法としては、ベルトサンダー等の研削ベルトを回転させつつ、研磨シートを一方向に移動させて前記研磨ベルトに押し当て、研磨シートの表面を研削する方法が一般的である。
また、特許文献3では、ムラ無く均一に加工表面を研削研磨でき、しかも、大重量の加工材も適用可能な研削研磨装置及び該装置を用いた研削研磨方法が提案されている。
また、特許文献4では、研磨ベルトの破断を防止しつつ、研磨ベルトの幅よりも広い幅のワークを平面研磨可能な平面研磨装置及び平面研磨方法が提案されている。
しかしながら、従来の方法で研磨シートの研磨表面をバフ掛けした場合、最終製品である研磨パッドの研磨速度が低下する、特に研磨パッドの中央付近の研磨速度が低下する(いわゆるセンタースロー)という問題があった。そのため、使用前に予備研削処理(ドレス処理)して研磨パッドの研磨速度を大きくする必要があり、CMP工程が煩雑になるという問題があった。
特許第3455517号明細書 特許第3516874号明細書 特開平8−267348号公報 特開2006−181697号公報
本発明は、スラリーの保持能力に優れ、初期ドレス処理をしなくても研磨速度が大きい研磨パッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、研磨シートの研磨表面をバフ掛けするバフ掛け工程を含む研磨パッドの製造方法において、前記バフ掛け工程は、研磨シートの研磨表面を一端から他端まで一方向にバフ掛けを行う第1段階バフ工程、及び第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対してそれぞれ135°〜225°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う1回以上のバフ工程、を含むことを特徴とする研磨パッドの製造方法、に関する。
従来のバフ掛けの方法は、研磨シートの研磨表面を一方向にのみ研削する方法であるため、該研削により均一な微細凹凸パターン又は波形表面構造が研磨表面に形成され、スラリーが該パターンに沿って流れやすくなると考えられる。その結果、研磨表面におけるスラリーの保持能力が低下したり、研磨表面にスラリーが均一に広がらなくなるため研磨速度が低下すると考えられる。一方、本発明のように、研磨シートの研磨表面を多方向から研削することにより、研磨表面に微細凹凸パターン又は波形表面構造を不規則に形成することができる。その結果、研磨表面におけるスラリーの保持能力が向上し、初期ドレス処理をしなくても研磨速度が大きくなると考えられる。
第1段階バフ工程後の1回以上のバフ工程におけるバフ掛け方向が、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して135°未満又は225°を超える場合には、研磨表面に形成される微細凹凸パターン等が十分に不規則にならないため、スラリーの保持能力が向上しにくい。
本発明においては、さらに、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して90°±5°及び270°±5°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う2回のバフ工程、を含むことが好ましい。
また、本発明においては、さらに、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して45°±5°及び/又は315°±5°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う1回又は2回のバフ工程、を含むことが好ましい。
前記角度でのバフ工程をさらに加えることにより、研磨表面におけるスラリーの保持能力がより向上し、それにより研磨パッドの研磨速度がより大きくなる。
本発明における研磨シートの材料は特に制限されず、公知のものを使用できる。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、感光性樹脂などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨シートの形成材料として好ましい材料である。また、研磨シートは、スラリーの保持量を多くして研磨速度を向上させるために、気泡を含有する発泡体にすることが好ましい。以下、ポリウレタン樹脂発泡体からなる研磨シートについて説明する。
ポリウレタン樹脂は、通常、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオールなど)、及び鎖延長剤からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分として上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミンは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨パッドの所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
ポリウレタン樹脂の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタン樹脂の物理的特性が優れており好適である。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加する方法、機械的発泡法、及び化学的発泡法などが挙げられる。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
また、ポリウレタン樹脂発泡体の原料となるプレポリマーを反応容器に入れ、その後鎖延長剤を投入、撹拌後、所定の大きさの注型に流し込みブロックを作製し、そのブロックを鉋状、あるいはバンドソー状のスライサーを用いてスライスする方法、又は前述の注型の段階で、薄いシート状にしても良い。また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状のポリウレタン樹脂発泡体を得ても良い。
ポリウレタン樹脂発泡体の平均気泡径は、30〜150μmであることが好ましい。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の被研磨材(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体の比重は、0.3〜0.8であることが好ましい。比重が0.3未満の場合、研磨層の表面強度が低下し、被研磨材のプラナリティが低下する傾向にある。また、0.8より大きい場合は、研磨層表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体の硬度は、アスカーD硬度計にて、10〜60度であることが好ましい。アスカーD硬度が10度未満の場合には、被研磨材のプラナリティが低下し、また、60度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
研磨シートの大きさは特に限定されるものではないが、最終製品である研磨パッド(研磨層)の大きさを考慮すると、通常縦横30〜150cm程度である。
研磨シートの厚みは特に限定されるものではないが、最終製品である研磨パッド(研磨層)の厚さを考慮すると、通常0.8〜4mm程度である。前記厚みの研磨シートを作製する方法としては、前記微細発泡体のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法、所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法、及びコーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが挙げられる。
以下、研磨シートの研磨表面をバフ掛けするバフ掛け工程を含む研磨パッド(研磨層)の製造方法について説明する。
本発明のバフ掛け工程は、研磨シートの研磨表面を一端から他端まで一方向にバフ掛けを行う第1段階バフ工程、及び第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対してそれぞれ135°〜225°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う1回以上のバフ工程、を含む。
バフ掛け装置は従来から用いられているものを特に制限なく使用でき、具体的には、研磨シートを研削手段に搬送する搬送手段と、研磨シートの研磨表面を研削する研削手段とを有する。研削手段としては、紙、布又は不織布などの無端基材ベルトに砥粒を付着させた研削ベルトが通常用いられる。
第1段階バフ工程は、従来のバフ掛けと同様に、研磨シートを一方向に搬送しつつ、回転する研削ベルトに押し当て、研磨シートの研磨表面を一端から他端まで研削する工程である。
その後、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して135°〜225°、好ましくは150°〜210°方向を変えて、前記と同様に1回以上のバフ工程を行う。具体的には、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して135°、180°又は225°方向を変えて、前記と同様にバフ工程を行う。第1段階バフ工程後に複数回(2回又は3回が好ましい)のバフ工程を行う場合には、バフ掛け方向の角度が重複しないように調整する。また、角度の選択順序は任意である。
研磨シートのバフ掛け方向を変える手段としては、角度制御機能を有する回転型搬送テーブルを用いることが好ましい。また、本発明のバフ掛け工程は、(1)複数の研磨ベルトが所定間隔で設けられた加工ライン上で、各バフ工程が終了した後に研磨シートを設置した回転型搬送テーブルを所定角度回転させながら連続的に行ってもよく、又は(2)研磨ベルトが1つ設けられた加工ライン上で、各バフ工程が終了した後に研磨シートを設置した回転型搬送テーブルを元の位置に戻し、所定角度回転させて繰り返し行ってもよい。
本発明のバフ掛け工程は、さらに、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して90°±5°及び270°±5°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う2回のバフ工程、を含むことが好ましい。なお、前記2回のバフ工程における前記角度の選択順序は特に制限されない。
また、本発明のバフ掛け工程は、さらに、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して45°±5°及び/又は315°±5°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う1回又は2回のバフ工程、を含むことが好ましい。
本発明のバフ掛け工程においては、各バフ工程毎にバフ深さを減少させながらバフ掛けを行うことが好ましく、特に各バフ工程毎にバフ深さを1/2ずつ減少させながらバフ掛けを行うことが好ましい。それにより、研磨表面の微細凹凸パターン又は波形表面構造の方向性をより小さくすることができる。
研磨シートの表面には、スラリーを保持・更新するための溝構造を形成してもよい。発泡体からなる研磨シートは、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に溝構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐことができる。溝構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの溝構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
溝構造の形成方法としては、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより形成する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスして形成する方法、フォトリソグラフィを用いて形成する方法、印刷手法を用いて形成する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による形成方法などが挙げられる。
本発明の研磨パッドは、研磨層のみであってもよく、研磨層と他の層(例えばクッション層など)との積層体であってもよい。
クッション層は、研磨層の特性を補うものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨材全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッション層は研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
クッション層としては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
研磨層とクッション層とを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッション層を両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。
両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。クッション層へのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層とクッション層は組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材としては、例えば不織布やフィルム等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定方法]
(平均気泡径の測定)
作製したポリウレタン発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くカミソリ刃で平行に切り出したものをサンプルとした。サンプルをスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重の測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(硬度の測定)
JIS K−7312に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を5cm×5cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、サンプルを重ね合わせ、厚み10mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計、加圧面高さ:3mm)を用い、加圧面を接触させてから60秒後の硬度を測定した。
(研磨速度の測定)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨速度の測定を行った。研磨速度は、6インチφ×1.1mm厚の光学ガラス板(BK7)を60分間研磨し、下記式により算出した。研磨条件としては、スラリーとして、セリアスラリー(昭和電工社製、GPL C1010)を研磨中に流量100ml/min添加した。また、研磨加工圧力は10kPa、研磨定盤回転数は55rpm、ガラス板回転数は50rpmとした。
研磨速度(Å/min)={研磨前後のガラス板の重量変化量(g)/〔ガラス板の密度(g/cm)×ガラス板の研磨面積(cm)×研磨時間(min)〕}×10
製造例1
研磨シートAの作製
容器に、数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学製)30重量部、ポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル305)55重量部、ジエチレングリコール13重量部、トリメチロールプロパン2重量部、シリコン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコーン社製、B8443)6重量部、及び触媒(花王製、No.25)0.03重量部を入れ、混合して第2成分(25℃)を調製した。そして、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。その後、第1成分であるカルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン工業製、ミリオネートMTL、25℃)103重量部を容器内に加え(NCO/OH=1.1)、約1分間撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製した。
調製した気泡分散ウレタン組成物をパン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、100℃で16時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。その後、約80℃に加熱した前記ポリウレタン発泡体ブロックをスライサー(アミテック社製、VGW−125)を使用してスライスし、ポリウレタン発泡体シート(厚み1mm)を得た。そして、該シートを直径60cmの大きさで打ち抜いて研磨シートA(平均気泡径:75μm、比重:0.5、D硬度:37度)を作製した。
製造例2
研磨シートBの作製
容器に、ポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル305)85重量部、ジエチレングリコール13重量部、トリメチロールプロパン2重量部、シリコン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコーン社製、B8443)6重量部、及び触媒(花王製、No.25)0.02重量部を入れ、混合して第2成分(25℃)を調製した。そして、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。その後、第1成分であるカルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン工業製、ミリオネートMTL、25℃)120重量部を容器内に加え(NCO/OH=1.1)、約1分間撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製した。その後、製造例1と同様の方法で研磨シートB(平均気泡径:75μm、比重:0.5、D硬度:41度)を作製した。
製造例3
研磨シートCの作製
容器に、ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル210N)62.5重量部、ポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル305)24.5重量部、ジエチレングリコール11重量部、トリメチロールプロパン2重量部、シリコン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコーン社製、B8443)6重量部、及び触媒(花王製、No.25)0.05重量部を入れ、混合して第2成分(25℃)を調製した。そして、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。その後、第1成分であるカルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン工業製、ミリオネートMTL、25℃)81重量部を容器内に加え(NCO/OH=1.1)、約1分間撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製した。その後、製造例1と同様の方法で研磨シートC(平均気泡径:75μm、比重:0.5、D硬度:10度)を作製した。
実施例1
バフ掛け装置としては、アミテック社製のTS130Dを用いた。研削ベルトとしては、理研コランダム(株)のタイプC54P1350巾×2000♯120を用いた。前記研磨シートAを設置した回転型搬送テーブルを一方向に搬送しつつ、回転する研削ベルトを研磨シートAに押し当て、サンディング速度13m/s、送材速度6m/min、及び負荷電流30〜40Aにて研磨シートAの研磨表面を一端から他端まで研削して第1段階バフ工程を行った。その後、研磨シートAを設置した回転型搬送テーブルを元の位置に戻し、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して180°方向を変えて(回転型搬送テーブルを180°回転させて)、前記と同様に研削して第2段階バフ工程を行った。
その後、溝加工機(テクノ社製)を用いて研磨表面に溝幅0.25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.40mmの同心円状の溝加工を行い、研磨層を作製した。そして、研磨層の研磨表面と反対側の面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼りつけた。そして、コロナ処理をしたクッションシート(東レ社製、ポリエチレンフォーム、トーレペフ、厚み0.8mm)を前記両面テープにラミ機を使用して貼り合わせた。さらに、クッションシートの他面にラミ機を使用して両面テープを貼り合わせて研磨パッドを作製した。
実施例2〜7、比較例1〜4
表1に記載のバフ掛け回数及びバフ掛け角度でバフ工程を行った以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例8、比較例5
研磨シートAの代わりに研磨シートBを用い、表1に記載のバフ掛け回数及びバフ掛け角度でバフ工程を行った以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例9、比較例6
研磨シートAの代わりに研磨シートCを用い、表1に記載のバフ掛け回数及びバフ掛け角度でバフ工程を行った以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
表1から明らかなように、研磨シートの研磨表面を多方向から研削することにより、研磨速度が大きくなることがわかる。その理由としては、研磨表面の微細凹凸パターン又は波形表面構造が不規則に形成され、研磨表面におけるスラリーの保持能力が向上したためと考えられる。
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図
符号の説明
1:研磨パッド(研磨層)
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(ガラス板)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸

Claims (4)

  1. 研磨シートの研磨表面をバフ掛けするバフ掛け工程を含む研磨パッドの製造方法において、前記バフ掛け工程は、研磨シートの研磨表面を一端から他端まで一方向にバフ掛けを行う第1段階バフ工程、及び第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対してそれぞれ135°〜225°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う1回以上のバフ工程、を含むことを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  2. さらに、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して90°±5°及び270°±5°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う2回のバフ工程、を含む請求項1記載の研磨パッドの製造方法。
  3. さらに、第1段階バフ工程のバフ掛け方向に対して45°±5°及び/又は315°±5°方向を変えて前記と同様にバフ掛けを行う1回又は2回のバフ工程、を含む請求項2記載の研磨パッドの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によって製造される研磨パッド。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015059199A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 Dic株式会社 ウレタン組成物及び研磨材
CN114986385A (zh) * 2022-07-08 2022-09-02 保定通美晶体制造有限责任公司 一种抛光垫的预磨方法

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