JP5306677B2 - 研磨パッド - Google Patents

研磨パッド Download PDF

Info

Publication number
JP5306677B2
JP5306677B2 JP2008063547A JP2008063547A JP5306677B2 JP 5306677 B2 JP5306677 B2 JP 5306677B2 JP 2008063547 A JP2008063547 A JP 2008063547A JP 2008063547 A JP2008063547 A JP 2008063547A JP 5306677 B2 JP5306677 B2 JP 5306677B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
polyurethane foam
isocyanate
polishing
active hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008063547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009214281A (ja
Inventor
武司 福田
純司 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2008063547A priority Critical patent/JP5306677B2/ja
Publication of JP2009214281A publication Critical patent/JP2009214281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5306677B2 publication Critical patent/JP5306677B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、及びアルミ基板等の表面を研磨する際に用いられる研磨パッド(粗研磨用又は仕上げ研磨用)に関する。特に、本発明の研磨パッドは、仕上げ用の研磨パッドとして好適に用いられる。
一般に、シリコンウエハ等の半導体ウエハ、レンズ、及びガラス基板などの鏡面研磨には、平坦度及び面内均一度の調整を主目的とする粗研磨と、表面粗さの改善及びスクラッチの除去を主目的とする仕上げ研磨とがある。
前記仕上げ研磨は、通常、回転可能な定盤の上に軟質な発泡ウレタンよりなるスエード調の人工皮革を貼り付け、その上にアルカリベース水溶液にコロイダルシリカを含有した研磨剤を供給しながら、ウエハを擦りつけることにより行われる(特許文献1)。
仕上げ研磨に用いられる研磨パッドとしては、上記の他に以下のようなものが提案されている。
ポリウレタン樹脂に、発泡剤を利用して厚さ方向に形成させた細長い微細な穴(ナップ)を多数形成したナップ層とナップ層を補強する基布からなるスエード調の仕上げ研磨パッドが提案されている(特許文献2)。
また、スエード調であり、表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で5μm以下である仕上げ研磨用研磨布が提案されている(特許文献3)。
また、基材部とこの基材部上に形成される表面層(ナップ層)とを備え、前記表面層に、ポリハロゲン化ビニルまたはハロゲン化ビニル共重合体を含有させた仕上げ研磨用研磨布が提案されている(特許文献4)。
従来の研磨パッドは、いわゆる湿式硬化法により製造されていた。湿式硬化法とは、ウレタン樹脂をジメチルホルムアミドなどの水溶性有機溶媒に溶解させたウレタン樹脂溶液を基材上に塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削して表面層(ナップ層)を形成する方法である。例えば、特許文献5では、平均径が1〜30μmの略球状の孔を有する仕上げ用研磨布を湿式硬化法により製造している。
しかし、従来の仕上げ用研磨パッドは、気泡が細長い構造であるため又は表面層の材料自体の機械的強度が低いため、耐久性に乏しく、平坦化特性が次第に悪化したり、研磨速度の安定性に劣るという問題があった。また、従来の仕上げ用研磨パッドは、基材と表面層との接着強度が低く、剥がれやすいという問題があった。
一方、粗研磨に用いられる研磨パッドとしては、以下のようなものが提案されている。
特許文献6では、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を含有する主剤(ア)と、イソシアネート基反応性化合物(B)、発泡剤としての水(C)、無機研磨剤(D)及び触媒(E)を含有する硬化剤(イ)とを反応させて得られるガラス研磨ポリウレタンパッドであって、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)が、少なくともトリレンジイソシアネート(A1)とポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(A2)及びポリカプロラクトントリオール(A3)を、(A2)と(A3)を混合した場合における平均官能基数が2.1〜2.7の範囲内になるように各々用いて、反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーであり、かつ、前記イソシアネート基反応性化合物(B)が、少なくとも、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジクロロジフェニルメタン(B1)と、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(A2)からなること、を特徴とする前記ガラス研磨ポリウレタンパッド、が提案されている。
特許文献7では、イソシアネート末端化反応生成物が4.5〜8.7重量%の未反応NCOを有するものであり、前記イソシアネート末端化反応生成物を、硬化剤ポリアミン類、硬化剤ポリオール類、硬化剤アルコールアミン類及びそれらの混合物からなる群より選択される硬化剤で硬化させたものであり、少なくとも0.1容量%の充填材又は気孔を含む研磨パッド、が提案されている。
しかし、前記組成からなる研磨層を基材上に直接積層した場合でも、基材と研磨層との剥がれの問題は解決されない。
特開2003−37089号公報 特開2003−100681号公報 特開2004−291155号公報 特開2004−335713号公報 特開2006−75914号公報 特開2005−68168号公報 特表2007−520617号公報
本発明は、耐久性及び耐摩耗性に優れ、基材層と研磨層とが剥がれにくい研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材層上に研磨層が設けられている研磨パッドにおいて、前記研磨層は、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体からなり、かつ前記基材層に自己接着しており、前記熱硬化性ポリウレタン発泡体は、イソシアネート成分及び活性水素基含有成分を、2を超え4以下の官能基モル比(イソシアネート成分のイソシアネート基のモル数/活性水素基含有成分の活性水素基のモル数)で含むプレポリマー組成物を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーと、鎖延長剤とを原料成分として含有することを特徴とする研磨パッド、に関する。
従来の仕上げ用研磨パッドは、気泡が細長い構造をしているため又は研磨層の材料自体の機械的強度が低いため、研磨層に繰り返し圧力が加わると「へたり」が生じて耐久性に乏しくなると考えられる。一方、上記のように、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体で研磨層を形成することにより、研磨層の耐久性を向上させることができる。そのため、本発明の研磨パッドを用いた場合には、長期間平坦化特性を高く維持することができ、研磨速度の安定性も向上する。ここで、略球状とは、球状及び楕円球状をいう。楕円球状の気泡とは、長径Lと短径Sの比(L/S)が5以下のものであり、好ましくは3以下、より好ましくは1.5以下である。
また、本発明者らは、熱硬化性ポリウレタン発泡体の原料であるイソシアネート末端プレポリマーとして、イソシアネート成分及び活性水素基含有成分を、2を超え4以下の官能基モル比で含むプレポリマー組成物を反応して得られるプレポリマーを用いることにより、基材層と研磨層との接着強度が向上し、両部材間で剥がれにくい研磨パッドが得られることを見出した。
前記官能基モル比が2以下の場合には、基材層と研磨層との接着強度が向上せず、両部材間での剥がれを防止することが困難になる。一方、官能基モル比が4を超える場合には、基材層と研磨層との接着強度は向上するが、耐摩耗性が低下し寿命が短くなるため好ましくない。
また、本発明の熱硬化性ポリウレタン発泡体は連続気泡構造をしており、気泡表面には微細な孔が形成されているため、適度な保水性を有する。
また、基材層は、ポリエステルフィルムであり、活性水素基含有成分は、ポリエステルポリオールを50重量%以上含有することが好ましい。基材層としてポリエステルフィルムを用いた場合、研磨層の材料として基材層の材料と同種のものを用いることにより、基材層と研磨層との接着強度がより向上する。活性水素基含有成分中のポリエステルポリオールの含有量が50重量%未満の場合には、ポリエステルフィルムからなる基材層と研磨層との接着強度が向上しにくい傾向にある。
また、熱硬化性ポリウレタン発泡体は、pH1〜4のカーボンブラックを0.5〜10重量%含有することが好ましい。pH1〜4のカーボンブラックは、その表面に水酸基やカルボキシル基などの官能基を多く有しており、該表面官能基の働きにより基材層との接着強度が向上する。pHが1未満の場合は、ウレタン化反応が阻害されるため気泡分散ウレタン組成物の硬化が不十分になり、pHが4を超える場合は、基材層と研磨層との接着強度が向上しにくい傾向にある。また、該カーボンブラックの含有量が0.5重量%未満の場合には、基材層と研磨層との接着強度が向上しにくく、10重量%を超える場合には、研磨層の耐摩耗性が低下して寿命が短くなる傾向にある。
また、熱硬化性ポリウレタン発泡体は、揮発分が5重量%以上のカーボンブラックを0.5〜10重量%含有することが好ましい。揮発分が5重量%以上のカーボンブラックは、その表面に水酸基やカルボキシル基に加えて、キノン基やカルボニル基などの官能基を多く有しており、該表面官能基の働きにより基材層との接着強度が向上する。揮発分が5重量%未満の場合は、基材層と研磨層との接着強度が向上しにくい傾向にある。また、該カーボンブラックの含有量が0.5重量%未満の場合には、基材層と研磨層との接着強度が向上しにくく、10重量%を超える場合には、研磨層の耐摩耗性が低下して寿命が短くなる傾向にある。
また、本発明は、イソシアネート成分及び活性水素基含有成分を、2を超え4以下の官能基モル比(イソシアネート成分のイソシアネート基のモル数/活性水素基含有成分の活性水素基のモル数)で含むプレポリマー組成物を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコン系界面活性剤を熱硬化性ポリウレタン発泡体中に0.1〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製する工程、前記気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、基材層上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物を硬化させて略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体を形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整する工程を含む研磨パッドの製造方法、に関する。
また、本発明は、イソシアネート成分及び活性水素基含有成分を、2を超え4以下の官能基モル比(イソシアネート成分のイソシアネート基のモル数/活性水素基含有成分の活性水素基のモル数)で含むプレポリマー組成物を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコン系界面活性剤を熱硬化性ポリウレタン発泡体中に0.1〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製する工程、前記気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、離型シート上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物上に基材層を積層する工程、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させて略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体を形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体下の離型シートを剥離する工程を含む研磨パッドの製造方法、に関する。
さらに、本発明は、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明の研磨パッドは、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体(以下、ポリウレタン発泡体という)からなる研磨層と、基材層を含む。
ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができ、また機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により略球状の微細気泡を容易に形成することができるため研磨層の形成材料として好ましい材料である。
本発明のポリウレタン発泡体は、イソシアネート末端プレポリマーと鎖延長剤とを反応させて作製される。イソシアネート末端プレポリマーは、イソシアネート成分及び活性水素基含有成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、低分子量ポリアミンなど)を含むプレポリマー組成物を反応させて合成される。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI、カルボジイミド変性MDI(例えば、商品名ミリオネートMTL、日本ポリウレタン工業製)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート成分としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
上記のイソシアネート成分のうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いることが好ましい。
高分子量ポリオールとしては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリマー粒子を分散させたポリエーテルポリオールであるポリマーポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記高分子量ポリオールは、活性水素基含有成分中に70重量%以上含有させることが好ましく、より好ましくは75〜95重量%である。前記高分子量ポリオールを特定量用いることにより気泡膜が破れやすくなり、連続気泡構造を形成しやすくなる。
また、基材層としてポリエステルフィルムを用いる場合には、ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、ポリエステルポリオールは活性水素基含有成分中に50重量%以上含有させることが好ましく、より好ましくは70重量%以上である。
また、上記高分子量ポリオールのうち、水酸基価が30〜250mgKOH/gの高分子量ポリオールを用いることが好ましい。水酸基価は35〜130mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が30mgKOH/g未満の場合には、ポリウレタン発泡体のハードセグメント量が少なくなって耐久性が低下する傾向にあり、250mgKOH/gを超える場合には、プレポリマーの合成時にゲル化しやすくなる。
高分子量ポリオールの数平均分子量は特に限定されるものではないが、得られるポリウレタンの弾性特性等の観点から500〜3500であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、プレポリマーの合成時にゲル化しやすくなる。一方、数平均分子量が3500を超えると、これを用いたポリウレタンは軟らかくなりすぎる。そのため、このポリウレタン発泡体からなる研磨層は耐久性が悪くなる傾向にある。
高分子量ポリオールと共に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、水酸基価が700〜1830mgKOH/gの低分子量ポリオールを用いることが好ましい。水酸基価は900〜1500mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が700mgKOH/g未満の場合には、連続気泡化の向上効果が十分に得られない傾向にある。一方、水酸基価が1830mgKOH/gを超える場合には、ウエハ表面にスクラッチが発生しやすくなる傾向にある。特に、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、又は1,4−ブタンジオールを用いることが好ましい。
ポリウレタン発泡体を連続気泡構造にするには、低分子量ポリオール等は、活性水素基含有成分中に合計で30重量%以下含有させることが好ましく、より好ましくは5〜25重量%である。低分子量ポリオール等を特定量用いることにより気泡膜が破れやすくなり、連続気泡を形成しやすくなるだけでなく、ポリウレタン発泡体の機械的特性が良好になる。
ポリウレタン発泡体を連続気泡構造にするには、ポリマーポリオールを用いてもよく、例えば、アクリロニトリル及び/又はスチレン−アクリロニトリル共重合体からなるポリマー粒子を分散させたポリマーポリオールが挙げられる。
本発明において、イソシアネート末端プレポリマーを合成する際には、イソシアネート成分及び活性水素基含有成分を、2を超え4以下の官能基モル比(イソシアネート成分のイソシアネート基のモル数/活性水素基含有成分の活性水素基のモル数)で配合する必要がある。ここで、活性水素基とは、水酸基の水素、アミノ基の水素をいう。官能基モル比は2.1〜3.8であることが好ましく、より好ましくは2.3〜3.6である。
ポリウレタン発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、イソシアネート末端プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオール等を挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート末端プレポリマー及び鎖延長剤の比は、各々の分子量やポリウレタン発泡体の所望物性などにより種々変え得る。所望する特性を有する発泡体を得るためには、鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重、硬度、及び圧縮率などが得られない傾向にある。
ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
イソシアネート末端プレポリマーは、分子量が800〜5000程度のものが加工性、物理的特性等が優れており好適である。
前記ポリウレタン樹脂の製造は、イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分、及び鎖延長剤を含む第2成分を混合して硬化させるものである。
本発明の研磨層の形成材料であるポリウレタン発泡体は、シリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により作製できる。
特に、ポリアルキルシロキサン、又はアルキルシロキサンとポリエーテルアルキルシロキサンとの共重合体であるシリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192及びL−5340(東レダウコーニングシリコーン社製)、B−8443(ゴールドシュミット社製)等が好適な化合物として例示される。
シリコン系界面活性剤は、ポリウレタン発泡体中に0.1〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜7重量%である。
また、本発明においては、pH1〜4のカーボンブラックをポリウレタン発泡体中に0.5〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.7〜5重量%である。なお、pHの測定方法は実施例の記載による。pH1〜4のカーボンブラックとしては、例えば、#2650、#2350、#970、MA100、及びMA200RB(三菱化学社製)などが挙げられる。
また、本発明においては、揮発分が5重量%以上のカーボンブラックをポリウレタン発泡体中に0.5〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.7〜5重量%である。なお、揮発分の測定方法は実施例の記載による。揮発分が5重量%以上のカーボンブラックとしては、例えば、#2650、#2350、及びMA200RB(三菱化学社製)などが挙げられる。
特に、pH1〜4かつ揮発分が5重量%以上のカーボンブラックを用いることが好ましい。該カーボンブラックは、ポリウレタン発泡体中に0.5〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.7〜5重量%である。該カーボンブラックとしては、例えば、#2650、#2350、及びMA200RB(三菱化学社製)などが挙げられる。
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
研磨層を構成するポリウレタン発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)イソシアネート末端プレポリマーにシリコン系界面活性剤を添加した第1成分を、非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。そして、該気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を添加し、混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する。第2成分には、高分子量ポリオール、触媒を添加してもよい。
(2)イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分、及び鎖延長剤を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤を添加し、シリコン系界面活性剤を添加した成分を非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。そして、該気泡分散液に残りの成分を添加し、混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する。第2成分には、高分子量ポリオール、触媒を添加してもよい。
(3)イソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分、及び鎖延長剤を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤を添加し、前記第1成分及び第2成分を非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散ウレタン組成物を調製する。第2成分には、高分子量ポリオール、触媒を添加してもよい。
前記カーボンブラックは、第1成分、第2成分のどちらに添加してもよいが、気泡分散ウレタン組成物中に均一に分散させるために、シリコン系界面活性剤を添加して機械撹拌する成分に添加しておくことが好ましい。
また、気泡分散ウレタン組成物は、メカニカルフロス法で調製してもよい。メカニカルフロス法とは、原料成分をミキシングヘッドの混合室内に入れるとともに非反応性気体を混入させ、オークスミキサー等のミキサーで混合撹拌することにより、非反応性気体を微細気泡状態にして原料混合物中に分散させる方法である。メカニカルフロス法は、非反応性気体の混入量を調節することにより、容易にポリウレタン発泡体の密度を調整することができるため好ましい方法である。また、平均気泡径35〜300μmの微細気泡を有するポリウレタン発泡体を連続成形することができるため製造効率がよい。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にして分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置を特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)、メカニカルフロス発泡機などが例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。目的とするポリウレタン発泡体を得るためには、撹拌翼の回転数は500〜2000rpmであることが好ましく、より好ましくは800〜1500rpmである。また、撹拌時間は目的とする密度に応じて適宜調整する。
なお、発泡工程において気泡分散液を調製する撹拌と、第1成分と第2成分を混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。気泡分散液を調製する発泡工程と各成分を混合する混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
その後、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を基材層上に塗布し、該気泡分散ウレタン組成物を硬化させて、基材層上に直接ポリウレタン発泡体(研磨層)を形成する。
基材層は特に制限されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。これらのうち、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体を用いることが好ましい。特に、コスト及び強度の観点からポリエステルフィルムを用いることが好ましい。また、基材層として両面テープ、片面粘着テープ(片面の粘着層はプラテンに貼り合わせるためのもの)を用いてもよい。
基材層は、研磨パッドに靭性を付与するためにポリウレタン発泡体と同等の硬さ、もしくはより硬いことが好ましい。また、基材層(両面テープ及び片面粘着テープの場合は基材)の厚さは特に制限されないが、強度、可とう性等の観点から20〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜800μmである。
気泡分散ウレタン組成物を基材層上に塗布する方法としては、例えば、グラビア、キス、コンマなどのロールコーター、スロット、ファンテンなどのダイコーター、スクイズコーター、カーテンコーターなどの塗布方法を採用することができるが、基材層上に均一な塗膜を形成できればいかなる方法でもよい。
気泡分散ウレタン組成物を基材層上に塗布して流動しなくなるまで反応したポリウレタン発泡体を加熱し、ポストキュアすることは、ポリウレタン発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。ポストキュアは、30〜80℃で10分〜6時間行うことが好ましく、また常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
ポリウレタン発泡体の製造において、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類や添加量は、各成分の混合工程後、基材層上に塗布するための流動時間を考慮して選択する。
ポリウレタン発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、機械撹拌するバッチ方式であってもよく、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して機械撹拌し、気泡分散ウレタン組成物を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
また、基材層上にポリウレタン発泡体を形成した後又はポリウレタン発泡体を形成するのと同時に、ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整しておくことが好ましい。ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整する方法は特に制限されないが、例えば、研磨材でバフがけする方法、プレス板でプレスする方法、スライサーでスライスする方法などが挙げられる。
また、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を基材層上に塗布し、該気泡分散ウレタン組成物上に離型シートを積層する。その後、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体を形成してもよい。
一方、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を離型シート上に塗布し、該気泡分散ウレタン組成物上に基材層を積層する。その後、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体を形成してもよい。
離型シートの形成材料は特に制限されず、一般的な樹脂や紙などを挙げることができる。離型シートは、熱による寸法変化が小さいものが好ましい。なお、離型シートの表面は離型処理が施されていてもよい。
基材層、気泡分散ウレタン組成物(気泡分散ウレタン層)、及び離型シートからなるサンドイッチシートの厚さを均一にする押圧手段は特に制限されないが、例えば、コーターロール、ニップロールなどにより一定厚さに圧縮する方法が挙げられる。圧縮後に発泡体中の気泡が1.2〜2倍程度大きくなることを考慮して、圧縮に際しては、(コーター又はニップのクリアランス)−(基材層及び離型シートの厚み)=(硬化後のポリウレタン発泡体の厚みの50〜85%)とすることが好ましい。
そして、前記サンドイッチシートの厚さを均一にした後に、流動しなくなるまで反応したポリウレタン発泡体を加熱し、ポストキュアして研磨層を形成する。ポストキュアの条件は前記と同様である。
その後、ポリウレタン発泡体の上面側又は下面側の離型シートを剥離して研磨パッドを得る。この場合、ポリウレタン発泡体上にはスキン層が形成されているため、バフがけ等することによりスキン層を除去する。また、上記のように機械発泡法によりポリウレタン発泡体を形成した場合、気泡のバラツキは、ポリウレタン発泡体の上面側よりも下面側の方が小さい。したがって、下面側の離型シートを剥離してポリウレタン発泡体の下面側を研磨表面にした場合には、気泡のバラツキが小さい研磨表面となるため研磨速度の安定性がより向上する。
本発明の研磨パッドの形状は特に制限されず、長さ数m程度の長尺状であってもよく、直径数十cmのラウンド状でもよい。
ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、35〜300μmであることが好ましく、より好ましくは35〜100μm、特に好ましくは40〜80μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、耐久性が低下する。
ポリウレタン発泡体の比重は、0.2〜0.6であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.5である。比重が0.2未満の場合には、研磨層の耐久性が低下する傾向にある。また、0.6より大きい場合は、ある一定の弾性率にするために材料を低架橋密度にする必要がある。その場合、永久歪が増大し、耐久性が悪くなる傾向にある。
ポリウレタン発泡体の硬度は、アスカーC硬度計にて、10〜95度であることが好ましく、より好ましくは40〜90度である。アスカーC硬度が10度未満の場合には、研磨層の耐久性が低下したり、研磨後の被研磨材の表面平滑性が悪くなる傾向にある。一方、95度を超える場合は、被研磨材の表面にスクラッチが発生しやすくなる。
研磨層の表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有していてもよい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また研磨対象物との吸着による研磨対象物の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
前記凹凸構造の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより作製する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.2〜2mm程度であり、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の表面粗さが改善され、スクラッチが除去される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。また、レンズやハードディスク用のガラス基板も前記と同様の方法で仕上げ研磨することができる。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(カーボンブラックのpHの測定)
ASTM D1512−60に準拠して測定した。サンプルの量は1gとし、pHメータ(堀場製作所製)を用いてpHを測定した。
(カーボンブラックの揮発分の測定)
ASTM D1620−60に準拠して測定した。サンプルの量は1gとした。
(平均気泡径の測定)
作製したポリウレタン発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くカミソリ刃で平行に切り出したものをサンプルとした。サンプルをスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。ただし、楕円球状の気泡の場合は、その面積を円の面積に換算し、円相当径を気泡径とした。
(比重の測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(硬度の測定)
JIS K−7312に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を5cm×5cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、サンプルを重ね合わせ、厚み10mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーC型硬度計、加圧面高さ:3mm)を用い、加圧面を接触させてから60秒後の硬度を測定した。
(接着強度の測定)
作製した研磨パッドを150mm×25mmの大きさに切り出してサンプルを得た。そして、接着面積が50mm×25mmになるように基材層から研磨層を剥離した。その後、サンプルを温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で16時間静置した。その後、インストロン4301型試験機(インストロンジャパン社製)を用い、剥離速度50mm/min及び剥離角度180°の条件で基材層から研磨層を剥離し、そのときの剥離強度(N/25mm)を測定した。
(ドレスレートの測定)
作製した研磨パッドの表面をダイヤモンドドレッサー(旭ダイヤモンド社製、Mタイプ#100、20cmψ円形)を用いて回転させながら均一にドレッシングした。この時のドレッサー荷重は450g/cm、研磨定盤回転数は30rpm、ドレッサー回転数は15rpm、ドレス時間は100minとした。そして、ドレス前後の研磨パッドの厚さからドレスレート(μm/min)を算出した。ドレスレートは7μm/min以下であることが好ましい。
実施例1
容器に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)52重量部、数平均分子量1000のポリエチレンアジペート(日本ポリウレタン工業社製、N−4002)45重量部、及び1,2−プロピレングリコール(以下、PGと略す)3重量部を入れ、70℃で2時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。容器にイソシアネート末端プレポリマー100重量部、シリコン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B−8443)6重量部、及びカーボンブラック(三菱化学社製、#2650)4重量部を入れ、70℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。その後、容器内に、N−4002(16重量部)、PCL305(ダイセル化学工業社製、ポリエステルポリオール)10重量部、1,4−ブタンジオール(以下、1,4−BDと略す)5重量部、トリメチロールプロパン(以下、TMPと略す)2重量部、及び触媒(花王製、No.25)0.14重量部を含む混合物(70℃)を加え、約1分間撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製した。
調製した気泡分散ウレタン組成物を、離型処理した離型シート(東洋紡績製、ポリエチレンテレフタレート、厚さ:0.1mm)上に塗布して気泡分散ウレタン層を形成した。そして、該気泡分散ウレタン層上に基材層(ポリエチレンテレフタレート、厚さ:0.2mm)を被せた。ニップロールにて気泡分散ウレタン層を1.2mmの厚さにし、その後70℃で3時間キュアしてポリウレタン発泡体(連続気泡構造、平均気泡径:71μm、比重:0.48、C硬度:45度)を形成した。その後、ポリウレタン発泡体下の離型シートを剥離した。次に、バンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてポリウレタン発泡体の表面をスライスして厚さを1.0mmにし、厚み精度を調整した。その後、基材層表面にラミ機を使用して両面テープ(ダブルタックテープ、積水化学工業製)を貼りあわせて研磨パッドを作製した。
実施例2〜6及び比較例1、2
表1、2記載の配合比を採用した以外は実施例1と同様の方法でイソシアネート末端プレポリマーを合成し、気泡分散ウレタン組成物を調製し、研磨パッドを作製した。なお、表1中の1,3−BDとは1,3−ブタンジオールのことである。また、実施例2〜4で用いたカーボンブラックは、#2650(三菱化学社製)である。実施例5で用いたカーボンブラックは、#3030(三菱化学社製)である。実施例6で用いたカーボンブラックは、MA100(三菱化学社製)である。比較例1、2で用いたカーボンブラックは、#2600(三菱化学社製)である。
Figure 0005306677
Figure 0005306677
Figure 0005306677
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図
符号の説明
1:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:研磨対象物(半導体ウエハ、レンズ、ガラス板)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸

Claims (6)

  1. 基材層上に研磨層が設けられている研磨パッドにおいて、前記研磨層は、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体からなり、かつ前記基材層に自己接着しており、前記熱硬化性ポリウレタン発泡体は、イソシアネート成分及び活性水素基含有成分を、2を超え4以下の官能基モル比(イソシアネート成分のイソシアネート基のモル数/活性水素基含有成分の活性水素基のモル数)で含むプレポリマー組成物を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーと、鎖延長剤とを原料成分として含有し、前記基材層は、ポリエステルフィルムであり、前記活性水素基含有成分は、ポリエステルポリオールを50重量%以上含有する研磨パッド。
  2. 熱硬化性ポリウレタン発泡体は、pH1〜4のカーボンブラックを0.5〜10重量%含有する請求項1記載の研磨パッド。
  3. 熱硬化性ポリウレタン発泡体は、揮発分が5重量%以上のカーボンブラックを0.5〜10重量%含有する請求項1記載の研磨パッド。
  4. イソシアネート成分、及びポリエステルポリオールを50重量%以上含有する活性水素基含有成分を、2を超え4以下の官能基モル比(イソシアネート成分のイソシアネート基のモル数/活性水素基含有成分の活性水素基のモル数)で含むプレポリマー組成物を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコン系界面活性剤を熱硬化性ポリウレタン発泡体中に0.1〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製する工程、前記気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、ポリエステルフィルムからなる基材層上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物を硬化させて略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体を形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整する工程を含む研磨パッドの製造方法。
  5. イソシアネート成分、及びポリエステルポリオールを50重量%以上含有する活性水素基含有成分を、2を超え4以下の官能基モル比(イソシアネート成分のイソシアネート基のモル数/活性水素基含有成分の活性水素基のモル数)で含むプレポリマー組成物を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーを含む第1成分にシリコン系界面活性剤を熱硬化性ポリウレタン発泡体中に0.1〜10重量%になるように添加し、さらに前記第1成分を非反応性気体と撹拌して前記非反応性気体を微細気泡として分散させた気泡分散液を調製する工程、前記気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、離型シート上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物上にポリエステルフィルムからなる基材層を積層する工程、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させて略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体を形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体下の離型シートを剥離する工程を含む研磨パッドの製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
JP2008063547A 2008-03-13 2008-03-13 研磨パッド Active JP5306677B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008063547A JP5306677B2 (ja) 2008-03-13 2008-03-13 研磨パッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008063547A JP5306677B2 (ja) 2008-03-13 2008-03-13 研磨パッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009214281A JP2009214281A (ja) 2009-09-24
JP5306677B2 true JP5306677B2 (ja) 2013-10-02

Family

ID=41186705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008063547A Active JP5306677B2 (ja) 2008-03-13 2008-03-13 研磨パッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5306677B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5371661B2 (ja) * 2009-09-28 2013-12-18 富士紡ホールディングス株式会社 研磨パッド
JP5371662B2 (ja) * 2009-09-28 2013-12-18 富士紡ホールディングス株式会社 保持パッド
JP5403359B2 (ja) * 2009-12-15 2014-01-29 国立大学法人大阪大学 研磨具及び研磨装置
JP2011148082A (ja) * 2009-12-25 2011-08-04 Filwel:Kk 研磨布
AU2011229846A1 (en) * 2010-03-22 2012-10-11 Dow Global Technologies Llc Antistatic or semi-conductive polyurethane elastomers
JP2021100073A (ja) * 2019-12-23 2021-07-01 信越半導体株式会社 研磨パッドと該研磨パッドを用いた半導体ウェーハの加工方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0288229A (ja) * 1988-09-26 1990-03-28 Rodeele Nitta Kk 積層体、並びに該積層体を用いた被研磨部材の保持材及び研磨布
US7097549B2 (en) * 2001-12-20 2006-08-29 Ppg Industries Ohio, Inc. Polishing pad
JP2005335028A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Filwel:Kk 精密研磨用の研磨布及びその製造方法
JP4775897B2 (ja) * 2005-07-15 2011-09-21 東洋ゴム工業株式会社 積層シートの製造方法及び積層シート
JP5031236B2 (ja) * 2006-01-10 2012-09-19 東洋ゴム工業株式会社 研磨パッド
JP2007307700A (ja) * 2006-04-19 2007-11-29 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 研磨パッドの製造方法
JP2007283712A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 溝付き長尺研磨パッドの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009214281A (ja) 2009-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5393434B2 (ja) 研磨パッド及びその製造方法
JP5248152B2 (ja) 研磨パッド
JP4593643B2 (ja) 研磨パッド
JP4261586B2 (ja) 研磨パッドの製造方法
JP2008290244A (ja) 研磨パッド
WO2013042507A1 (ja) 研磨パッド
JP4986129B2 (ja) 研磨パッド
JP5306677B2 (ja) 研磨パッド
JP5528169B2 (ja) 研磨パッドおよびその製造方法、ならびに半導体デバイスの製造方法
JP5230227B2 (ja) 研磨パッド
JP5377909B2 (ja) 研磨パッド及びその製造方法
JP5350309B2 (ja) 研磨パッドおよびその製造方法、ならびに半導体デバイスの製造方法
JP5393040B2 (ja) 研磨パッド
JP4237800B2 (ja) 研磨パッド
JP5242427B2 (ja) 研磨パッド及びその製造方法
JP2008307683A (ja) 研磨パッドの製造方法
JP2009214220A (ja) 研磨パッド
JP5184200B2 (ja) 研磨パッド
JP5132369B2 (ja) 研磨パッド
JP5465578B2 (ja) 研磨パッドおよびその製造方法、ならびに半導体デバイスの製造方法
JP2011235426A (ja) 研磨パッド
JP4465368B2 (ja) 研磨パッド
JP4970963B2 (ja) 研磨パッドの製造方法
JP5738729B2 (ja) 研磨パッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120816

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130319

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5306677

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02