JP2005335028A - 精密研磨用の研磨布及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨液の能力を十分に引き出すことができ、良好な精密研磨を行うことができる精密研磨用の研磨布及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる精密研磨用の研磨布11は、その表面に存在する開口した孔12の内、直径が0.1〜10μmの口径dの孔が90%以上であるものである。この研磨布は、基体13の上に連続した多孔質の発泡層14を形成してなるものであり、その表層部15は緻密な気泡からなっている。また、その緻密な気泡からなる表層部15の極僅かな部分をダイヤモンドドレスにより研磨することで、直径が0.1〜10μmの口径dの孔が90%以上の微細な孔12を表面に形成してなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は精密研磨用の研磨布に係り、更に詳しくはメモリーディスク等に用いる例えばアルミニッケルリンメッキ基板(以下、Al基板と略記する)及びガラス基板等の研磨、或いは半導体用シリコンウエーハの研磨、特に仕上げ研磨に好適な研磨布に関する。
一般に研磨布は、天然繊維、再生繊維または合成繊維からなる編織布または不織布、あるいはこれらにポリウレタンエラストマー等の樹脂またはスチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム等のゴム状物質を充填して得られる基体や、ポリエステルフィルムからなる基体に、ポリウレタンエラストマーの溶液を塗布し、これを凝固液で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成せしめ、水洗乾燥後、該銀面層表面を研削して得られる。
これら研磨布は既によく知られており、例えばメモリーディスク用のAl基板やガラス基板等の仕上げにおいて、酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、酸化チタン、酸化セリウム等の微細砥粒を分散せしめた研磨液を供給しながら研磨する、いわゆる精密研磨用として広く使用されている。研磨布の表面には微細な孔があり、供給された研磨液をそこで保持しながら、研磨布の先端部分に介在する研磨液の微細砥粒によって研磨される。
従来の研磨布の表面の開孔径は、約60μm、最終仕上げ研磨用でも約40μm程度の開孔径のものを使用している(特許文献1)。
近年、メモリーディスクは記憶容量の増大とともに被研磨物である基板は、研磨後のうねりがより低い精度の高いものが求められている。その傾向に伴って使用される研磨液に含まれる微細砥粒も粒子径を細かくすることにより、求められる研磨後の基板のうねり、表面粗さを低くさせている。最近では最終仕上げ研磨に用いる微細砥粒の平均粒子径は従来約0.5μmが0.05μm以下になってきている。また、研磨加工前に研磨布の表面の微細な凹凸を修正、平坦化し、加工立ち上げ直後から被研磨物のうねりを低くする手法が用いられている。この手法は、台金の表面にダイヤモンド砥粒が固着された研磨布用ドレッサを用いて研磨布の表面をあらかじめ純水を流しながらドレッシングすることによって行われ、研磨布表面の微細な凹凸が研磨用ドレッサにより切削され平坦化する働きがある。このことは、加工立ち上げから低いうねりを出すことに効果的ではあるが、十分ではなかった。この手法を以下ダイヤモンドドレスとする。(特許文献2)。
特開平11−335979号公報 特開2003−117823号公報
しかしながら、従来の研磨布の表面の開孔径は、約60μm、最終仕上げ研磨用でも約40μm程度の開孔径であり、微細砥粒の粒子径が近年約1/10になってきていることに対応できず、研磨液の能力を十分引き出せない、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、研磨液の能力を十分に引き出すことができ、良好な精密研磨を行うことができる精密研磨用の研磨布及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は上述の如き課題に鑑み鋭意研究した結果、本発明を完成したものである。すなわち被研磨物のうねりの発生原因が、研磨布の表面の開孔径が大きい事を見出し、それに対し、表面の開孔径を10μm以下に制御できる研磨布を開発することによって、被研磨物のうねりを低くすることができ、良好に精密研磨することができることを知見したものである。
本発明では、研磨加工前の研磨布表面を平坦化する為に行うダイヤモンドドレスに着目し、この作業は研磨布の表面を切削しながら平坦化していることから、この作業終了後に研磨布の表面の開孔径が10μm以下になるような研磨布が望ましい。従来、研磨布の作成において最後に、銀面層の表面を例えばサンドペーパー等により切削して開孔径を約40〜60μmの孔を形成している。
また、銀面層を形成するとき湿式凝固させると連続した多孔質な発泡を形成し、発泡の形状は断面から観察すると下層部分は大きな発泡になり、上層部になるに従い緻密な発泡形状になる構造体である。従来はこの緻密な発泡部分にあたる上層部を切削して開孔径を約40〜60μmに制御したものを研磨布として使用されていたが、本発明では、この上層部を切削しない状態のものを用い、加工前にダイヤモンドドレスを行うことにより、上層部の緻密な発泡部を残し、その開孔径を10μm以下に制御させることで研磨液の能力を十分引き出すことにより、被研磨物のうねりを低くすることが可能としたものである。
この研磨布は表面に微細な孔を有しており、発泡層は連通した気泡からなる構造からなるので、透湿性がある為、ダイヤモンドドレス時において純水になじみ易く、抵抗が少なくなる為、研磨布用ドレッサが枠からはみ出し、研磨布表面を傷つける等の不具合が発生し難いものとなる。
かかる知見に基づく本発明の第1の発明は、被研磨物を精密研磨する精密研磨用の研磨布であって、表面に存在する開口した孔の内、直径が0.1〜10μmの口径を有する孔が90%以上であることを特徴とする精密研磨用の研磨布にある。
第2の発明は、第1の発明において、微細研磨前の孔の口径が0.1〜1μmであることを特徴とする精密研磨用の研磨布にある。
第3の発明は、第1の発明において、微細研磨後の孔の口径が1〜10μmであることを特徴とする精密研磨用の研磨布にある。
第4の発明は、第1の発明において、前記研磨布が複数の連続した気泡の発泡層からなり、該気泡が互いに連通していることを特徴とする精密研磨用の研磨布にある。
第5の発明は、第4の発明において、ポリエステルシートの基体上に、ポリウレタンエラストマー用溶液を塗布し、次いで水又は水とポリウレタンエラストマーの溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固させ、表層部に緻密な発泡層を設けてなることを特徴とする精密研磨用の研磨布にある。
第6の発明は、基体上に、発泡用溶液を塗布し、次いで水又は水と発泡用溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固させ、表層部に緻密な発泡層を形成し、第2の発明の精密研磨用の研磨布を得ることを特徴とする精密研磨用の研磨布の製造方法にある。
第7の発明は、基体上に、発泡用溶液を塗布し、次いで水又は水と発泡用溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固させ、表層部に緻密な発泡層を形成し、その後緻密な発泡層を微細研磨し、第3の発明の精密研磨用の研磨布を得ることを特徴とする精密研磨用の研磨布の製造方法にある。
第8の発明は、第7の発明において、前記微細研磨の研磨材の平均粒子径が0.1μm以下であることを特徴とする精密研磨用の研磨布の製造方法にある。
本発明によれば、研磨布の表面に存在する開口した孔の内、直径が0.1〜10μmの口径の孔が90%以上とすることで、研磨液の能力を十分引き出すことにより被研磨物のうねりを低くすることが可能としたものである。
また、発泡層は連通した気泡からなる構造からなるので、透湿性がある為、ダイヤモンドドレス時において純水になじみ易く、抵抗が少なくなる為、研磨布用ドレッサが枠からはみ出し、研磨布表面を傷つける等の不具合が発生し難いものとなる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態又は実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態又は実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は本発明にかかる精密研磨用の研磨布の概略断面図であり、図2はそのA部拡大図、図3はB部拡大図である。
これらの図面に示すように、本発明にかかる精密研磨用の研磨布11は、その表面に存在する開口した孔12の内、直径が0.1〜10μmの口径dの孔が90%以上であるものである。
この研磨布は、基体13の上に連続した多孔質の発泡層14を形成してなるものであり、その表層部15は緻密な気泡からなっている。
そして、その微細な気泡は、その直径が0.1〜1μmの口径dの孔が90%以上であるものである。
また、その緻密な気泡からなる表層部の極僅かな部分をダイヤモンドドレス等の微細研磨加工を施すことにより研磨することで、表面に微細な孔12を形成してなるものである。
その微細研磨の後の、その微細な気泡は、その直径が1〜10μmの口径dの孔が90%以上であるものである。
また、本発明においては、緻密な気泡からなる表層部15は、例えばポリエステルシートの基体13上に、ポリウレタンエラストマー用溶液を塗布し、次いで水又は水とポリウレタンエラストマーの溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固させることで、表層部15に緻密な発泡層を設けている。
ここで、本発明で発泡層14の表層部15とは、気泡の径Dは約10μm程度までの気泡を有する発泡層部分の上層部分をいう。このような表層部分をダイヤモンドドレス等による微細な研磨を行うことにより、表層に0.1〜10μmの口径を有する孔を形成することができる。また、このような表層部15部分を僅かに研磨することで、直径が0.1〜10μmの口径dの孔が表層部分に90%以上分布する研磨布とすることができる。
また、本発明の研磨布は、図2及び図3に示すように更に前記研磨布が複数の連続した連通部16を有する気泡の発泡層からなり、該気泡が互いに連通しているものである。
この連通部16により、発泡層14が連通した気泡からなるので、透湿性を有することになり、ダイヤモンドドレス時において純水になじみ易くなると共に、抵抗が少なくなるので、研磨布用ドレッサが枠からはみ出し、研磨布表面を傷つける等の不具合が発生し難いものとなる。また、本発明の研磨布は、その表面うねりが3〜9μmの範囲のものであり、そのもの自身の表面が非常にうねりの少ないものである。
本発明では、研磨布を製造する場合に、基体の上に形成してなる発泡層の緻密な表層を僅かに研磨することで、直径が0.1〜10μmの口径の微細な孔12が90%以上存在するようにしたものである。この微細な孔12を有する研磨布11とすることで、精密な研磨を可能としたものである。
これに対し、従来においては、研磨布を製造する場合に、基体の上に形成してなる発泡層の緻密な表層をサンドペーパー等により研削し、発泡層の中層又は下層部分を剥き出しにしているので、その孔径は20〜40μm程度であったので、平均粒子径が0.1μm以下の研磨材を用いての精密研磨が不可能であった。
ここで、本発明にかかる研磨布11の微細な孔12の大きさは、電子顕微鏡を用い、1視野における全ての孔の直径を測定し、0.1〜10μmの孔の割合を求めた。また、更に精密研磨を行う場合には、前記微細な孔12は好適には1.0μm以下、更には0.5μm以下とするのが好ましい。
その場合には、研磨材の平均粒子径も0.05μm以下のものを用いることが好ましい。
本発明の研磨布を製造するには、基体13に例えばポリウレタンエラストマーの水混和性有機溶剤溶液等の発泡剤溶液を塗布し、水系凝固液で処理して基体上に連続した発泡層14を形成せした多孔質銀面層からなる研磨布を形成し、その後該発泡層14の表層部13部分をダイヤモンドドレス等の微細加工を僅かに施すことで、その表面の開孔径12が10μm以下の研磨布を得るようにしている。
ここで、本発明に用いられる基体としては、綿、レーヨン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の繊維またはこれらの混合物からなる編織布や不織布、或はこれらにスチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム等のゴム状物質またはポリウレタンエラストマー等の樹脂を充填して得られる基体、或いはポリエステルフィルムからなる基体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、本発明において銀面形成用に使用されるポリウレタンエラストマーとは、一般的に有機ジイソシアネート、ポリオール類及び鎖伸長剤とから製造される。有機ジイソシアネートとしては、例えばジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジンクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等、或はこれらの混合物を挙げることができる。
またポリオールとしては、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリプロピレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリエチレンブチレンアジペートグリコール、ポリペンタメチレンアジペートグリコール等のポリエステルポリオール類、或はポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール類、或はラクトン環を開環重合したポリカプロラクトン類等の両末端に水酸基を有する分子量500〜8,000のグリコール、或はポリヘキサメチレンカーボネート、更にはポリヘキサメチレンカーボネートと上述のポリオール類を併用し共重合させたものを挙げることができる。
また鎖伸長剤としては、活性水素基を含んだ低分子化合物、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン等のジアミン類、あるいはアミノアルコール等を挙げることができる。
上述の如き組成からなるポリウレタンエラストマーを溶解する溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、エチルアセテート、ジオキサン等の水混和性有機溶剤を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
上述の如き組成からなるポリウレタンエラストマー溶液の配合物としては、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、或は配合しない物等を挙げることができる。ポリウレタンエラストマー溶液のエラストマー固形分濃度は好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは15〜30重量%である。エラストマー固形分濃度が低過ぎる場合、溶液粘度が低過ぎて、溶液が基体へ過度に浸み込み、良好なる多孔質銀面層が形成されにくくなる。
本発明の精密研磨用の研磨布を製造する具体例を説明する。
上述の如き組成に調整された銀面形成用ポリウレタンエラストマー溶液を前記基体上にロールコーター、ナイフコーター等の適宜な塗布手段を用いて、好ましくは150〜1,500g/m2、更に好ましくは300〜1,200g/m2の塗布量(溶液として)になるように塗布し、次いで水或は水とポリウレタンエラストマーの溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固せしめた後、脱溶剤のための水洗、乾燥をすることにより、基体面に垂直且つ均一な紡錘状気孔、上層部に緻密な発泡層、その発泡部位は連続した発泡を有する銀面層であり、表面は微細な孔を有している透湿性を具えた本発明の研磨布が得られる。
この研磨布の微細な孔は直径が0.1〜10μmの口径の微細な孔12が90%以上存在し、さらには直径が0.1〜0.5μmの口径の微細な孔12が90%以上存在しているものである。
さらに、本発明の研磨布は、その後、ダイヤモンドドレス等の微細研磨を表層部13に僅かに施し、直径が0.1〜10μmの口径の微細な孔12が90%以上存在するようにしたものである。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳述する。なおその前に本実施例及び比較例における研磨試験方法及びその評価方法について記述する。また、実施例及び比較例中の「部」及び「%」は特に断りのない限り、重量当たり比率である「重量部」及び単位重量当たりの重量%比率である「重量%」を意味する。
<研磨試験>
研磨布を「9B−5P−IV研磨機」(商品名:スピードファム株式会社製)に装着し、
台金の表面にダイヤモンド砥粒が固着された研磨布用ドレッサを研磨布表面に4個セットし、純水を流しながら研磨布表面の微細な凹凸を平坦化する為に研磨布表面を切削するダイヤモンドドレスを行う。ダイヤモンドドレスの条件は次の通りである。
ここで、本実施例では、加工圧力は60g/cm2とし、下定盤回転数は45rpmとし、定盤回転数は15rpmとした。また、純水供給量は1500cc/minとし、加工時間は30minとした。
次に微細な研磨材として研磨液(コロイダルシリカ;平均粒径:0.04μm)を用いて、3.5インチAl基板を研磨する。基板1枚当たり6分間研磨し、それを1回とし、全部で10回くり返し行う。研磨条件は次の通りである。
研磨条件は、加工圧力は80g/cm2とし、下定盤回転数は45rpmとし、上定盤回転数は15rpmとした。また、研磨液供給量は100cc/minとし、加工時間は6minとした。
<うねりの評価>
被研磨物である3.5インチAl基板のうねり(表面粗さ)は、「New View 200」(商品名:zygo社製、対物レンズ2.5倍)の表面粗さ測定器にてRa(Å)を測定し、下記基準に準拠して評価した。
評価基準は、2Å以下のものを良好(○)とし、2Åを超えるものを不可(×)とした。
(実施例1)
ポリエステル−ポリウレタン共重合体をメチルエチルケトンで希釈して固形分25%に調整し、ポリエステルシート上に、ナイフコーターでクリアランス0.15mmにて塗布した。その後、80℃、15分間乾燥し、ポリエステルシート上にポリウレタンとの密着性の高い約35μmの熱可塑性層を形成したシート、基体を得た。
一方、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)をポリオール成分として用い、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジアミンをジメチルホルムアミド中で溶液重合させて濃度30%のポリウレタンエラストマー溶液を得た。このポリウレタンエラストマー溶液100部に、カーボンブラック粉末5部、ステアリルアルコール3部、ジメチルホルムアミド60部を加え、銀面ポリウレタンエラストマー塗布液を得た。得られた塗布液を上記基体上にロールコーターで1000g/m2塗布した後、35℃の凝固浴(水:ジメチルホルムアミド=90:10重量比)の中に浸漬して凝固させ、温水で充分に脱溶媒した後、150℃にて熱風乾燥を行い、本発明の精密研磨用の研磨布を得た。この表面の開孔径は0.1〜0.5μm範囲の微細な孔が98%であった。
(実施例2)
実施例1の研磨布をさらにダイヤモンドドレスを行い、ダイヤモンドドレス後の主要な開孔径を7μmとした。この研磨布の表面には1〜10μmの範囲の微細な孔が97%であった。
(比較例1)
上記実施例で得られたシート状物質(本発明の研磨布)の銀面表面を従来の開孔径調整切削の為、「表1」に示した各番手の各サンドペーパーを用いて、クリアランス0.8〜1.0、ラインスピード1〜5m/分、ペーパー回転数500〜1500rpmの条件で切削し、開孔径が40μmの研磨布を得た。
ここで、実施例1及び実施例2、比較例1の各研磨布自身の表面のうねりの計測結果を下記「表1」に示す。研磨布の表面のうねりを「サーフコーダSEF3500」(商品名:小坂研究所社製)で測定した。被検体である研磨布の表面を上面として設置し、先端形状、円錐形、円錐形頂角90度、先端曲率半径800μmの触針を送り速度1mm/sで50mm研磨布の表面を走らせてその振幅を測定した。
また、実施例1及び実施例2、比較例1の研磨布を用いて、被研磨物であるAl基板を研磨した結果を下記「表1」に示す。
Figure 2005335028
「表1」に示した如く、実施例1においては、研磨布表面の開孔径0.1〜0.5μmの研磨布を用いることで、砥粒の粒径とマッチングした研磨加工が可能となり、その後、被研磨物であるAl基板を研磨した場合、その被研磨物の表面状態は研磨2バッチ目でも研磨10バッチ目でも共に、良好な結果が得られた。
また、実施例2においては、研磨布表面の開孔径0.1〜0.5μmの研磨布を用いて、ダイヤモンドドレスを実施した後の表面の開孔径は7μmとなり、砥粒の粒径とマッチングした研磨加工が可能となり、その後、被研磨物であるAl基板を研磨した場合、その被研磨物の表面状態は研磨2バッチ目でも研磨10バッチ目でも共に、良好な結果が得られた。
一方、比較例1に示した如く、研磨布表面の開孔径が40μmの場合、ダイヤモンドドレスを実施することにより研磨布表面の開孔径は50μmとなり、砥粒の性能を十分引き出すことができなかった。
本発明の研磨布は、微細な発泡を上層部に有しており、研磨加工前にダイヤモンドドレスを行う手法を用いた場合、10μm以下の開孔径ができるように制御可能となり、これを用いて被研磨物を研磨する場合において、被研磨物の表面はうねりの少ない、良好な研磨状態と成る。
以上のように、本発明にかかる精密研磨用の研磨布は、例えばメモリーディスク等に用いる例えばアルミニッケルリンメッキ基板及びガラス基板等の研磨、或いは半導体用シリコンウエーハの研磨、特に仕上げ研磨に用いて適している。
本実施の形態にかかる研磨布の概略図である。 図1のA部拡大図である。 図1のB部拡大図である。
符号の説明
11 研磨布
12 孔
13 基体
14 発泡層
15 表層部
16 連通部

Claims (8)

  1. 被研磨物を精密研磨する精密研磨用の研磨布であって、
    表面に存在する開口した孔の内、直径が0.1〜10μmの口径を有する孔が90%以上であることを特徴とする精密研磨用の研磨布。
  2. 請求項1において、
    微細研磨前の孔の口径が0.1〜1μmであることを特徴とする精密研磨用の研磨布。
  3. 請求項1において、
    微細研磨後の孔の口径が1〜10μmであることを特徴とする精密研磨用の研磨布。
  4. 請求項1において、
    前記研磨布が複数の連続した気泡の発泡層からなり、該気泡が互いに連通していることを特徴とする精密研磨用の研磨布。
  5. 請求項4において、
    ポリエステルシートの基体上に、ポリウレタンエラストマー用溶液を塗布し、次いで水又は水とポリウレタンエラストマーの溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固させ、表層部に緻密な発泡層を設けてなることを特徴とする精密研磨用の研磨布。
  6. 基体上に、発泡用溶液を塗布し、次いで水又は水と発泡用溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固させ、表層部に緻密な発泡層を形成し、請求項2の精密研磨用の研磨布を得ることを特徴とする精密研磨用の研磨布の製造方法。
  7. 基体上に、発泡用溶液を塗布し、次いで水又は水と発泡用溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固させ、表層部に緻密な発泡層を形成し、その後緻密な発泡層を微細研磨し、請求項3の精密研磨用の研磨布を得ることを特徴とする精密研磨用の研磨布の製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記微細研磨の研磨材の平均粒子径が0.1μm以下であることを特徴とする精密研磨用の研磨布の製造方法。
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