JP2006175576A - 研磨布 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨加工時に研磨液を保持可能で被研磨物の平坦性を向上させることができる研磨布を提供する。
【解決手段】研磨パッド1はポリウレタンシート4を備えている。ポリウレタンシート4は、研磨面P側に微多孔が形成されたスキン層4a及びスキン層4aの内側にナップ層4bを有している。ナップ層4bには、スキン層4aに形成された微多孔の空間体積より大きな発泡3が形成されている。研磨面Pには、ポリウレタンシート4の製造時にポリウレタン樹脂溶液に添加されたセルロース誘導体で多孔2が形成されている。多孔2の孔径は、スキン層4aの微多孔より大きく形成されている。多孔2は、ナップ層4bの発泡3と連通している。研磨加工時に多孔2を通じて研磨液が発泡3に貯留されつつ研磨パッド1の平坦な部分及び被研磨物間に供給される。
【選択図】図1

Description

本発明は研磨布に係り、特に、微多孔が形成された表面層と、表面層の内側に配され表面層に形成された微多孔の空間体積より大きな発泡が連続して形成された発泡層とを有する軟質プラスチックシートを備えた研磨布に関する。
従来、レンズ、平行平面板、反射ミラー等の光学材料、ハードディスク用アルミニウム基板、シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板等、高精度に平坦性が要求される材料(被研磨物)の研磨加工では、平坦性の向上を図るために一度研磨加工(一次研磨)した後に仕上げ研磨加工(二次研磨)が行われている。
一般に、仕上げ研磨加工には、微多孔が形成された表面層(スキン層)と、表面層に形成された微多孔の空間体積より大きな発泡が連続して形成された発泡層とを有する軟質プラスチックシートを備えた研磨布が用いられている。この軟質プラスチックシートは、水混和性の有機溶媒に軟質プラスチックを溶解させ得られた樹脂溶液をシート状の基材に塗布後、水系凝固液中で樹脂を凝固再生させること(湿式成膜法)で製造されている。凝固再生に伴い軟質プラスチックシートの表面には表面層を構成する微多孔が厚さ数μm程度にわたり緻密に形成され、スキン層の内側には発泡層を構成する多数の発泡が連続して形成される。
微多孔が緻密に形成されたスキン層の表面は、平坦性に優れているため、上述した二次研磨に利用することで被研磨物の表面の平坦性を向上させることが期待できる。その反面、スキン層の表面は平滑性にも富んでいるため、研磨加工時に研磨粒子を含む研磨液(スラリ)を被研磨物の表面及びスキン層の表面間で保持することが難しい、という問題がある。このため、研磨加工時に供給した研磨液が被研磨物の表面及びスキン層の表面間から流出してしまうので、研磨加工の効率が低下し研磨加工ができなくなることもある。また、研磨液が保持されないと、被研磨物と研磨布との表面同士でスタック(くっつく現象)が生じやすい、という問題も発生する。
この問題を解決するため、例えば、発泡層に形成された発泡が開口しないように平坦なスキン層を残して表面バフ処理した研磨布が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、軟質プラスチックシートを作製後、樹脂溶解用の溶剤でスキン層を部分的に溶解除去した研磨布が開示されている(例えば、特許文献2参照)。更に、軟質プラスチックシートを作製後、スキン層表面に条痕を形成した研磨布が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−62704号公報 特開2002−264006号公報 特開2004−136432号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、研磨布が均一な表面を有するが、研磨液の保持の点では劣っている。また、特許文献2、特許文献3の技術では、いずれも、スキン層を溶解や条痕形成等で部分的に除去するため、研磨液の保持性が向上して研磨加工時のドレス処理(表面サンディング)時間は短縮されるものの、軟質プラスチックシートの作製後〜研磨加工前にスキン層を部分的に除去する表面処理を行う必要がある。このため、研磨加工時のドレス処理時間を短縮しても、研磨加工前の表面処理に時間がかかることとなる。また、研磨布の表面が部分的にスキン層のあるところとないところとで不均一となる。従って、二次研磨でドレス処理や表面処理の時間短縮を図り被研磨物の平坦性を向上させるためには、平坦なスキン層の表面を残したまま研磨液を被研磨物の表面及び研磨布の表面間で保持可能とすることが重要である。
本発明は上記事案に鑑み、研磨加工時に研磨液を保持可能で被研磨物の平坦性を向上させることができる研磨布を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、微多孔が形成された表面層と、前記表面層の内側に配され前記表面層に形成された微多孔の空間体積より大きな発泡が連続して形成された発泡層とを有する軟質プラスチックシートを備えた研磨布において、前記軟質プラスチックシートの表面層は、その表面に、前記軟質プラスチックシート作製用の軟質プラスチック溶液に添加された孔形成剤で、前記表面層に形成された微多孔より孔径の大きい多孔が形成されており、該多孔が前記発泡層に形成された発泡と連通していることを特徴とする。
本発明では、軟質プラスチックシートは、その表面層の表面に、軟質プラスチックシート作製用の軟質プラスチック溶液に添加された孔形成剤で、表面層に形成された微多孔より孔径の大きい多孔が形成されており、該多孔が発泡層に形成された発泡と連通しているため、被研磨物の研磨加工時に表面層の多孔を通じて研磨粒子を含む研磨液が多孔と連通した発泡層の発泡に貯留されつつ被研磨物表面及び表面層の表面の平坦な部分間に供給されることから、被研磨物を平坦に研磨することができる。
この場合において、表面層の表面に形成された多孔と発泡層に形成された発泡とを連通する連通孔の孔径を表面層に形成された微多孔の孔径より大きくすれば、研磨粒子を含む研磨液を円滑に供給することができる。また、孔形成剤は軟質プラスチック溶液に可溶性であり水に難溶性又は不溶性とすることが好ましい。このような孔形成剤はセルロース誘導体が好ましく、セルロース誘導体は少なくともエステル系誘導体、エーテル系誘導体、エーテルエステル系誘導体及び芳香族含有誘導体から選択される1種が好ましい。また、孔形成剤で形成された多孔の表面層の表面での孔径を0.05mm以下とすれば、表面層の表面の平坦な部分を残したまま多孔を通じて研磨液を発泡に貯留させることができる。更に、軟質プラスチックシートの表面層と反対面側を、軟質プラスチックシートの厚さがほぼ一様となるようにバフ処理すれば、表面層を残したまま軟質プラスチックフォームの厚さがほぼ一様なため、研磨加工に用いることで被研磨物の表面の平坦性を向上させることができる。また、軟質プラスチックシートの表面層と反対面側に、少なくとも可撓性フィルム、不織布及び織布から選択される1種であり、軟質プラスチックシートを支持する支持材を更に備えているようにしてもよい。
本発明によれば、軟質プラスチックシートは、その表面層の表面に、軟質プラスチックシート作製用の軟質プラスチック溶液に添加された孔形成剤で、表面層に形成された微多孔より孔径の大きい多孔が形成されており、該多孔が発泡層に形成された発泡と連通しているため、被研磨物の研磨加工時に表面層の多孔を通じて研磨粒子を含む研磨液が多孔と連通した発泡層の発泡に貯留されつつ被研磨物表面及び表面層の表面の平坦な部分間に供給されることから、被研磨物を平坦に研磨することができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用可能な精密仕上げ研磨加工に使用する研磨パッドの実施の形態について説明する。
(研磨パッド)
図1に示すように、研磨パッド1は、ポリウレタン樹脂で形成された軟質プラスチックシートとしてのポリウレタンシート4を備えている。ポリウレタンシート4は、被研磨物を研磨加工する研磨面P側に、図示しない緻密な微多孔が形成されたスキン層4a(表面層)を有しており、スキン層4aの研磨面Pと反対側(内側)に、ナップ層4b(発泡層)を有している。ナップ層4bには、ポリウレタンシート4の厚さ方向に沿って丸みを帯びた断面略三角状の発泡3が連続して形成されている。発泡3の空間体積は、スキン層4aに形成された図示しない微多孔より大きく、研磨面P側の大きさが研磨面Pの反対面側より小さく形成されている。発泡3は、該発泡3の空間体積の平均直径より小さい図示を省略した連通孔で立体網目状に連通している。ポリウレタンシート4は、研磨面Pの反対面側が、ポリウレタンシート4の厚さ(図1の縦方向の長さ)がほぼ一様となるようにバフ処理されている(詳細後述)。このため、発泡3の一部が反対面側の表面で開口している。
ポリウレタンシート4の研磨面P(スキン層4aの表面)には、ナップ層4bに形成された発泡3と連通する多孔2が形成されている。多孔2の孔径は、スキン層4aに形成された微多孔より大きく、発泡3より小さく形成されている。多孔2及び発泡3を連通する連通孔の孔径は、スキン層4aの微多孔の孔径より大きく形成されている。この多孔2は、後述するポリウレタンシート4の成膜時にポリウレタン樹脂溶液に添加された孔形成剤で形成される。多孔2のスキン層4a表面での孔径は、0.05mm以下に設定されている。
また、研磨パッド1は、研磨面Pの反対面側(バフ処理された面側)に、ポリウレタンシート4を支持する支持材6を備えている。支持材6には、少なくともポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の可撓性フィルム、不織布又は織布から選択される1種が使用されている。支持材6の下面側には、他面側(最下面側)に剥離紙8を有し研磨機に研磨パッド1を固着するための両面テープ7が貼り合わされている。
(研磨パッドの製造)
研磨パッド1は、図2に示す各工程を経て製造される。まず、準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒のN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)、添加剤及び孔形成剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。ポリウレタン樹脂には、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から選択して用い、例えば、ポリウレタン樹脂が30%となるようにDMFに溶解させる。添加剤としては、発泡3の大きさや量(個数)を制御するため、カーボンブラック等の顔料、発泡を促進させる親水性活性剤及びポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等を用いることができる。
また、孔形成剤としては、ポリウレタン樹脂溶解用のDMFに可溶性であり、水に難溶性又は不溶性のセルロース誘導体を所定量添加する。セルロース誘導体には、少なくともエステル系誘導体、エーテル系誘導体、エーテルエステル系誘導体及び芳香族含有誘導体から選択される1種を使用することができる。エステル系誘導体には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースバレレート、セルロースアセテートブチレート等を挙げることができる。エーテル系誘導体には、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等を挙げることができる。エーテルエステル系誘導体には、アセチルエチルセルロース、アセトキシプロピルセルロース等を挙げることができる。このセルロース誘導体の添加量は、スキン層4aの表面での多孔2の孔径が0.05mm以下となるように設定する。得られた溶液を濾過することで凝集塊等を除去した後、真空下で脱泡してポリウレタン樹脂溶液を得る。
塗布工程、凝固再生工程及び洗浄・乾燥工程では、準備工程で得られたポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し、水系凝固液に浸漬することでポリウレタン樹脂を凝固再生させ、洗浄後乾燥させてポリウレタンシート4を得る。塗布工程、凝固再生工程及び洗浄・乾燥工程は、図3に示す成膜装置で連続して実行される。
図3に示すように、成膜装置60は、成膜基材の不織布や織布を前処理する、水又はDMF水溶液(DMFと水との混合液)等の前処理液15が満たされた前処理槽10、ポリウレタン樹脂を凝固再生させるための、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液25が満たされた凝固槽20、凝固再生後のポリウレタン樹脂を洗浄する水等の洗浄液35が満たされた洗浄槽30及びポリウレタン樹脂を乾燥させるためのシリンダ乾燥機50を連続して備えている。
前処理槽10の上流側には、成膜基材43を供給する基材供給ローラ41が配置されている。前処理槽10は、成膜基材43の搬送方向と同じ長手方向の略中央部の内側下部に一対のガイドローラ対13を有している。前処理槽10の上方で、基材供給ローラ41側にはガイドローラ11、12が配設されており、凝固槽20側には前処理した成膜基材43に含まれる過剰な前処理液15を除去するマングルローラ18が配置されている。マングルローラ18の下流側には、成膜基材43にポリウレタン樹脂溶液45を略均一に塗布するナイフコータ46が配置されている。ナイフコータ46の下流側で凝固槽20の上方にはガイドローラ21が配置されている。
凝固槽20には、洗浄槽30側の内側下部にガイドローラ23が配置されている。凝固槽20の上方で洗浄槽30側には凝固再生後のポリウレタン樹脂を脱水処理するマングルローラ28が配置されている。マングルローラ28の下流側で洗浄槽30の上方にはガイドローラ31が配置されている。洗浄槽30には、成膜基材43の搬送方向と同じ長手方向で上部に4本、下部に5本のガイドローラ33が上下交互となるように配設されている。洗浄槽30の上方でシリンダ乾燥機50側には、洗浄後のポリウレタン樹脂を脱水処理するマングルローラ38が配置されている。シリンダ乾燥機50には、内部に熱源を有する4本のシリンダが上下4段に配設されている。シリンダ乾燥機50の下流側には、乾燥後のポリウレタン樹脂を(成膜基材43と共に)巻き取る巻取ローラ42が配置されている。なお、マングルローラ18、28、38、シリンダ乾燥機50及び巻取ローラ42は、図示を省略した回転駆動モータに接続されており、これらの回転駆動力により成膜基材43が基材供給ローラ41から巻取ローラ42まで搬送される。
成膜基材43に不織布又は織布を用いる場合は、成膜基材43が基材供給ローラ41から引き出され、ガイドローラ11、12を介して前処理液15中に連続的に導入される。前処理液15中で一対のガイドローラ13間に成膜基材43を通過させて前処理(目止め)を行うことにより、ポリウレタン樹脂溶液45を塗布するときに、成膜基材43内部へのポリウレタン樹脂溶液45の浸透が抑制される。成膜基材43は、前処理液15から引き上げられた後、マングルローラ18で加圧されて余分な前処理液15が絞り落とされる。前処理後の成膜基材43は、凝固槽20方向に搬送される。なお、成膜基材43としてPET製等の可撓性フィルムを用いる場合は、前処理が不要のため、ガイドローラ12から直接マングルローラ18に送り込むようにするか、又は、前処理槽10に前処理液15を入れないようにしてもよい。以下、本例では、成膜基材43をPET製フィルムとして説明する。
図2に示すように、塗布工程では、準備工程で調製したポリウレタン樹脂溶液45が常温下でナイフコータ46により成膜基材43に略均一に塗布される。このとき、ナイフコータ46と成膜基材43の上面との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液45の塗布厚さ(塗布量)を調整する。
凝固再生工程では、ナイフコータ46でポリウレタン樹脂溶液45が塗布された成膜基材43が、ガイドローラ21からガイドローラ23へ向けて凝固液25中に導入される。凝固液25中では、まず、塗布されたポリウレタン樹脂溶液45の表面でポリウレタン樹脂溶液45のDMFと凝固液25との置換が進行して緻密な微多孔が形成される。この微多孔は厚さ数μm程度に形成されスキン層4aを構成する。その後、スキン層4a及び成膜基材43間のポリウレタン樹脂溶液45中のDMFと凝固液25との置換の進行によりポリウレタン樹脂が成膜基材43の片面に凝固再生される。DMFの脱溶媒による凝固液25との置換に伴い、スキン層4aの内側には発泡3、及び、発泡3を立体網目状に連通する連通孔が形成されてナップ層4bを構成する。また、脱溶媒時に、ポリウレタン樹脂溶液45に添加されているセルロース誘導体で多孔2が形成され、多孔2及び発泡3を連通する連通孔が形成される。発泡3は、PET製フィルムの成膜基材43が水を浸透させないため、ポリウレタン樹脂溶液45の表面側(スキン層4a側)で脱溶媒が生じて成膜基材43側が表面側より大きく形成される。
ここで、多孔2の形成について説明すると、ポリウレタン樹脂溶液45中では、セルロース誘導体及びポリウレタン樹脂の相溶性が乏しいため、2相分離していると考えられる。その上、ポリウレタン樹脂の凝固再生時には、セルロース誘導体及びポリウレタン樹脂の凝固液25中での凝固特性が異なるため、収縮量に差が生じ、また、相溶性が乏しいことから、セルロース誘導体及びポリウレタン樹脂間の界面接合力が小さくなり脱離的現象も生じるので、多孔2が形成されると考えられる。このため、多孔2はスキン層4aの微多孔より大きくナップ層4bの発泡3より小さくなり、多孔2及び発泡3を連通する連通孔の孔径は微多孔の孔径より大きくなる。
ポリウレタン樹脂の凝固再生は、ポリウレタン樹脂溶液45が塗布された成膜基材43が凝固液25中に進入してからガイドローラ23に到る間に完了する。凝固再生したポリウレタン樹脂は、凝固液25から引き上げられ、マングルローラ28で余分な凝固液25が絞り落とされた後、ガイドローラ31を介して洗浄槽30に搬送され洗浄液35中に導入される。
洗浄・乾燥工程では、洗浄液35中に導入されたポリウレタン樹脂をガイドローラ33に上下交互に通過させることによりポリウレタン樹脂が洗浄される。洗浄後、ポリウレタン樹脂は洗浄液35から引き上げられ、マングルローラ38で余分な洗浄液35が絞り落とされる。その後、ポリウレタン樹脂を、シリンダ乾燥機50の4本のシリンダ間を交互(図3の矢印方向)に、シリンダの周面に沿って通過させることで乾燥させる。乾燥後のポリウレタン樹脂(ポリウレタンシート4)は、成膜基材43と共に巻取ローラ42に巻き取られる。
裏面バフ処理工程では、乾燥後のポリウレタンシート4の研磨面Pの反対面側にバフ処理が施される。図4(A)に示すように、巻取ローラ42に巻き取られたポリウレタンシート4は成膜基材43のPET製フィルム上に形成されている。成膜時にはポリウレタンシート4の厚さにバラツキが生じるため、研磨面Pには凹凸が形成されている。成膜基材43を剥離した後、図4(B)に示すように、研磨面Pの表面に、表面が平坦な圧接ローラ65の表面を圧接することで、研磨面Pが略平坦となり、研磨面Pの反対面Q側に凹凸が出現する。反対面Q側に出現した凹凸がバフ処理で除去される。本例では、連続的に製造されたポリウレタンシート4が帯状のため、研磨面Pに圧接ローラ65を圧接しながら、反対面Q側を連続的にバフ処理する。これにより、図4(C)に示すように、反対面Q側がバフ処理されて略平坦な反対面Q’が形成されたポリウレタンシート4は、厚さのバラツキが解消される。なお、図4(C)では説明をわかりやすくするために研磨面P及び反対面Q’を平坦に示しているが、ポリウレタンシート4の単体では両面共にポリウレタンシート4の厚さが一様となる凹凸を呈しており、支持層6を貼り合わせること又は研磨機に装着することで研磨面Pが略平坦となる。
図2に示すように、ラミネート加工工程では、バフ処理されたポリウレタンシート4の反対面Q’側にPET製フィルムの支持材6を貼り合わせる。支持材6の裏面側には、他面側に剥離紙8が貼付された両面テープ7を貼り合わせる。裁断工程で円形等の所望の形状に裁断した後、汚れや異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い研磨パッド1を完成させる。
得られた研磨パッド1で被研磨物の研磨加工を行うときは、例えば、両面研磨機の上定盤、下定盤に両面テープ7を介してそれぞれ研磨パッド1を貼着する。両面研磨機では、被研磨物が上定盤及び下定盤にそれぞれ貼着された2枚の研磨パッド1間に挟まれて両面同時に研磨加工される。両面研磨機の研磨パッド1を貼着する面、すなわち、上定盤の下面及び下定盤の上面は、いずれも平坦に形成されている。このため、上定盤、下定盤に貼着された研磨パッド1では、被研磨物側の表面が略平坦となる。上定盤及び下定盤間を加圧しながら回転させることで被研磨物を研磨加工する。研磨加工時には、研磨液が多孔2及び多孔2と連通した発泡層の発泡3内に貯留されつつ被研磨物及び研磨パッド1間に供給される。研磨加工の進行に伴い生じた研磨屑は多孔2及び発泡3に収容される。
(作用)
次に、本実施形態の研磨パッド1の作用等について説明する。
本実施形態の研磨パッド1では、ポリウレタンシート4の研磨面Pに、ナップ層4bに形成された発泡3と連通する多孔2が形成されている。このため、研磨機に装着した研磨パッド1で被研磨物を加圧しながら研磨加工するときに、弾性を有するポリウレタンシート4が変形しナップ層4bの発泡3が変形する。これにより、研磨粒子を含む研磨液が多孔2を通じて発泡3に貯留しつつ研磨パッド1及び被研磨物間に供給されるため、被研磨物を平坦に研磨加工することができる。また、多孔2は、ポリウレタンシート4の作製時に添加されたセルロース誘導体で形成されるため、研磨パッド1の製造後のスキン層を部分的に除去するための表面処理を不要とすることができ、研磨加工時のドレス処理を不要ないし軽減することができる。これにより、平坦なスキン層4a表面(研磨面P)を維持することができる。従って、多孔2を通じて発泡3に貯留された研磨液を研磨面Pの平坦な部分及び被研磨物間に供給しながら平坦な研磨面Pで被研磨物を研磨することで、被研磨物表面の平坦性を向上させることができる。
また、本実施形態の研磨パッド1では、研磨加工に伴い生じたスラッジ等の異物が多孔2を通じてナップ層4bの発泡3に収容されるので、被研磨物表面でのスクラッチ等の発生を防止することができる。更に、多孔2及び発泡3を連通する連通孔の孔径がスキン層の微多孔の孔径より大きいため、研磨液の供給及びスラッジ等の収容を円滑にすることができる。また、発泡3同士は立体網目状に連通しているため、研磨液の移動が容易となり被研磨物及び研磨パッド1間に研磨液を略均等に供給することができる。
更に、多孔2の孔径が0.05mmを超えると、研磨面Pの表面粗さ(凹凸)が増大して被研磨物表面の平坦性を向上させる効果が低下する。本実施形態の研磨パッド1では、多孔2の孔径が0.05mm以下に設定されている。このため、被研磨物表面が緻密な微多孔が形成された研磨面Pの平坦な部分で研磨加工されるので、被研磨物表面の平坦性を十分向上させることができる。また、研磨面Pに多孔2が形成されているため、平坦であると共に平滑な研磨面Pと被研磨物との接触に伴うスタック(被研磨物が研磨面Pにくっつく現象)を抑制して研磨加工を円滑に行うことができる。
また更に、本実施形態では、ポリウレタンシート4の製造時にポリウレタン樹脂溶液45にDMF可溶性で水に難溶性又は不溶性のセルロース誘導体が添加される。このため、ポリウレタン樹脂の凝固再生時にDMFの脱溶媒に伴いセルロース誘導体で多孔2が形成される。これにより、製造工程を複雑化することなく研磨パッド1に多孔2を容易に形成することができる。
更にまた、本実施形態の研磨パッド1では、ポリウレタンシート4は、研磨面Pの反対面Q側がバフ処理されている。このため、平坦な表面を有するスキン層4aを減少させることなくポリウレタンシート4の厚さ精度を向上(成膜時に生じた厚さのバラツキを減少)させることができる。研磨パッド1を研磨機の平坦な上下定盤に貼着することで、研磨面P、すなわちスキン層4aの表面全体が略平坦となる。従って、研磨パッド1の研磨面Pの平坦な部分で被研磨物が研磨加工されるため、被研磨物表面の平坦性を向上させることができる。
また、本実施形態の研磨パッド1では、バフ処理された反対面Q’側にPET製フィルムの支持材6が貼り合わされている。このため、柔軟なポリウレタンシート4が支持材6に支持されるので、研磨パッド1の搬送時や研磨機への装着時の取り扱いを容易にすることができる。
従来研磨パッドの製造に用いられる湿式成膜法では、凝固液中でポリウレタン樹脂溶液の表面に形成されるスキン層の微多孔を通してポリウレタン樹脂溶液中のDMFと凝固浴中の水とが置換されてポリウレタン樹脂内部に発泡が形成される。スキン層の微多孔は緻密に形成されており、スキン層表面の平坦性を利用して仕上げ研磨加工が行われる。ところが、スキン層の微多孔が緻密であると共に表面が平滑なため、研磨液に含まれる研磨粒子が微多孔を通じて発泡に貯留されることなく被研磨物及び研磨パッド間から流出してしまい研磨加工の効率が低下する。研磨パッド作製後にスキン層を部分的に除去するための表面処理を行うこともできるが、表面処理の工程を要するため、研磨加工の効率が低下する。また、研磨加工中に生じたスラッジ等の異物が被研磨物表面にきずを形成することがあり、被研磨物の平坦性を向上させることが難しい。更に、スキン層表面が平滑なため、被研磨物がスタックを生じて研磨加工の進行を妨げるおそれがある。また、研磨布の厚み斑が大きいと、研磨前の研磨布を平坦にするためのドレス処理に時間を要する。本実施形態は、これらの問題を解決することができる研磨パッドである。
なお、本実施形態の研磨パッド1では、多孔2を形成させる孔形成剤としてセルロース誘導体を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポリウレタン樹脂の溶解に使用する有機溶媒に可溶性であり、凝固液に用いられる水に難溶性又は不溶性のものであればよい。また、セルロース誘導体の分子量が大きくなると、セルロース誘導体が硬くなりポリウレタンシート4の柔軟性が低下することがあるため、ポリウレタンシート4の柔軟性を考慮してセルロース誘導体の分子量を調整することが好ましい。このような孔形成剤としてはセルロース誘導体以外に、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の高分子化合物を挙げることができる。また、これらの高分子化合物や上述したセルロース誘導体の2種以上を混合して使用してもよい。
また、本実施形態の研磨パッド1では、ポリウレタン樹脂溶液45に添加するセルロース誘導体を所定量とする例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。セルロース誘導体の添加量を大きくすることで多孔2の形成量及び孔径を増大させることができる。多孔2の形成量及び孔径が大きくなるとスキン層表面の表面粗さが低下するため、被研磨物の平坦性を損なうこととなり、反対に小さくなると研磨液の貯留や研磨屑の収容等に支障を生じる。このため、セルロース系添加剤の添加量は、例えば、研磨液に含まれる研磨粒子の粒径及び研磨液の粘性等を考慮して決定することが好ましい。例えば、セルロース誘導体の添加量を、用いるポリウレタン樹脂溶液の100重量部に対して0.2〜2.0重量部とすることが好ましい。
更に、本実施形態の研磨パッド1では、研磨面Pに圧接ローラ65を圧接させながら反対面Q側を連続的にバフ処理する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポリウレタンシート2を所望の大きさに裁断した後、研磨面Pに、平坦な表面を有する平板を圧接して反対面Q側をバフ処理してもよい。
また更に、本実施形態の研磨パッド1では、バフ処理されたポリウレタンシート4にPET製フィルムの支持材6を貼り合わせる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、不織布や織布等を貼り合わせてもよい。また、PET製フィルム等の支持材6を貼り合わせることなく、ポリウレタンシート4を単体で研磨機に固着するようにしてもよい。更に、本実施形態の研磨パッド1では、ポリウレタンシート4のバフ処理された面(反対面Q’)側で発泡3が開口している例を示したが、成膜時の厚さのバラツキが小さくなれば、バフ処理で除去する厚さを小さくすることができるため、発泡3が必ずしも開口することはない。
更にまた、本実施形態では、軟質プラスチックシートとしてのポリウレタンシート4の材質にポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等のポリウレタン樹脂を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ポリエステル樹脂等を用いてもよい。ポリウレタン樹脂を用いれば、湿式成膜法で容易にスキン層4aを形成することができる。更に、本実施形態では、ポリウレタン樹脂を30%となるようにDMFに溶解する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポリウレタン樹脂溶液45の粘性やポリウレタンシート4の厚さ等により適宜変更してもよい。
以下、本実施形態に従い製造した研磨パッド1の実施例について説明する。なお、比較のために製造した比較例の研磨パッドについても併記する。
(実施例1)
実施例1では、ポリウレタン樹脂としてポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用いた。セルロース誘導体としてセルロースアセテートブチレートを、ポリウレタン樹脂を30%含むDMF溶液100部に対して0.2部添加した。更に、粘度調整用のDMFの50部、顔料のカーボンブラックを30%含むDMF分散液の20部を混合してポリウレタン樹脂溶液45を調製した。このとき、セルロースアセテートブチレートは固形物(固体)であるので、均一に混合させるために予め少量の粘度調整用のDMFで溶解して添加した。ポリウレタン樹脂溶液45を塗布する際に塗布装置のクリアランスを1mmに設定した。洗浄工程での洗浄効果を高めるために凝固再生後の洗浄を温水で行った。ポリウレタンシート4のバフ処理量を0.25mmとしてバフ番手♯180のサンドペーパーを用いてバフ処理し実施例1の研磨パッド1を製造した。
(実施例2)
実施例2では、セルロースアセテートブチレートの添加量をポリウレタン樹脂のDMF溶液100部に対して2.0部とする以外は実施例1と同様にして実施例2の研磨パッド1を製造した。
(比較例1)
比較例1では、セルロース誘導体を添加しない以外は実施例1と同様にして比較例1の研磨パッドを製造した。従って、比較例1の研磨パッドは、表面が平坦で平滑なスキン層を有する従来の研磨パッドである。
(評価)
各実施例及び比較例の研磨パッドについて、多孔2の孔径をスキン層4a表面の電子顕微鏡観察により測定し平均孔径を算出した。平均孔径の測定結果を下表1に示す。
Figure 2006175576
表1に示すように、セルロースアセテートブチレートを添加していない比較例1の研磨パッドでは、スキン層表面に多孔が認められなかった。このため、比較例1の研磨パッドでは、研磨加工時に研磨液が被研磨物及び研磨パッド間に保持されず、また、スタックが生じることがあるので、研磨加工後の高精度な平坦性を期待することはできない。これに対して、セルロースアセテートブチレートを添加した実施例1、実施例2の研磨パッド1では、それぞれスキン層4a表面に孔径0.5〜2μm、1〜10μmの多孔2が形成されていた。多孔2の平均孔径は、実施例1では0.9μm、実施例2では4.2μmであった。
次に、各実施例及び比較例の研磨パッドを用いて、以下の研磨条件でアルミニウム基板の研磨加工を行い、研磨レート及びうねりの測定により研磨性能を評価した。研磨レートは、研磨効率を示す数値の一つであり、1分間当たりの研磨量を厚さで表したものである。研磨加工前後のアルミニウム基板の重量減少(研磨量)を測定し、アルミニウム基板の研磨面積及び比重から算出した。うねり(waviness)は、ディスク基板、シリコンウエハなどに対する表面精度(平坦性)を評価するための測定項目の一つであり、光学式非接触表面粗さ計で観察した単位面積当たりの表面像のうねり量(Wa)を、オングストローム(Å)単位で表したものである。試験評価機として、オプチフラットを用いて評価した。測定結果の数値が低いほどうねりが少なく、被研磨物表面の平坦性が向上したことを表している。下表2に研磨レート及びうねりの評価結果を示す。
(研磨条件)
使用研磨機:スピードファム社製、9B−5Pポリッシングマシン
研磨速度(回転数):30rpm
加工圧力:100g/cm
スラリ:コロイダルシリカスラリ
スラリ供給量:100cc/min
被研磨物:95mmφハードディスク用アルミニウム基板
研磨時間:100秒
Figure 2006175576
表2に示すように、セルロースアセテートブチレートを添加せずに作製した比較例1の研磨パッドでは、スキン層を利用することにより、研磨前後のうねりの差が0.22を示した。ところが、比較例1の研磨パッドでは、研磨液の保持が悪いので、研磨レートが0.043μm/minと低い値を示した。これに対して、セルロースアセテートブチレートを添加してスキン層4a表面に多孔2を形成した実施例1、実施例2の研磨パッド1では、うねりの差が実施例1で0.66、実施例2で0.35を示した。また、研磨レートが実施例1では0.141μm/min、実施例2では0.176μm/minと向上し、アルミニウム基板の表面にはきず発生も認められなかった。このことから、スキン層4a表面に多孔2を形成することで、研磨加工時の研磨液保持性が上がり、研磨効率が良化するため、アルミニウム基板の平坦性を向上させることができることが判明した。
図5(A)、(B)に示すように、実施例1、実施例2の研磨パッド1の表面の電子顕微鏡写真では、多孔2が形成されていることが判る。また、セルロースアセテートブチレートの添加量の多い実施例2の研磨パッド1の方が、実施例1の研磨パッド1より多孔2の孔径が大きく、多孔2の数も多いことが判る。これに対して、図5(C)に示すように、比較例1の研磨パッドでは、多孔2は認められずほぼ一様なスキン層表面が観察された。
本発明は、研磨加工時に研磨液を保持可能で被研磨物の平坦性を向上させることができる研磨布を提供するため、研磨布の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態の研磨パッドを示す断面図である。 研磨パッドの製造工程を示す工程図である。 研磨パッドのポリウレタンシートの製造に用いる成膜装置の概略構成を示す正面図である。 裏面バフ処理工程でのポリウレタンシートの変化を示す断面図であり、(A)は成膜基材に形成されたポリウレタンシート、(B)は圧接ローラに圧接したときのポリウレタンシート、(C)はバフ処理後のポリウレタンシートをそれぞれ示す。 研磨パッド表面の電子顕微鏡写真であって、(A)はセルロース誘導体0.2部を添加した実施例1の研磨パッド表面、(B)はセルロース誘導体を2.0部添加した実施例2の研磨パッド表面、(C)はセルロース誘導体を添加していない比較例1の研磨パッド表面をそれぞれ示す。
符号の説明
P 研磨面
1 研磨パッド(研磨布)
2 多孔
3 発泡
4 ポリウレタンシート(軟質プラスチックシート)
4a スキン層(表面層)
4b ナップ層(発泡層)

Claims (8)

  1. 微多孔が形成された表面層と、前記表面層の内側に配され前記表面層に形成された微多孔の空間体積より大きな発泡が連続して形成された発泡層とを有する軟質プラスチックシートを備えた研磨布において、前記軟質プラスチックシートの表面層は、その表面に、前記軟質プラスチックシート作製用の軟質プラスチック溶液に添加された孔形成剤で、前記表面層に形成された微多孔より孔径の大きい多孔が形成されており、該多孔が前記発泡層に形成された発泡と連通していることを特徴とする研磨布。
  2. 前記表面層の表面に形成された多孔と前記発泡層に形成された発泡とを連通する連通孔の孔径は、前記表面層に形成された微多孔の孔径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の研磨布。
  3. 前記孔形成剤は、前記軟質プラスチック溶液に可溶性であり、水に難溶性又は不溶性であることを特徴とする請求項1に記載の研磨布。
  4. 前記孔形成剤は、セルロース誘導体であることを特徴とする請求項3に記載の研磨布。
  5. 前記セルロース誘導体は、少なくともエステル系誘導体、エーテル系誘導体、エーテルエステル系誘導体及び芳香族含有誘導体から選択される1種であることを特徴とする請求項4に記載の研磨布。
  6. 前記孔形成剤で形成された多孔の前記表面層の表面での孔径は0.05mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の研磨布。
  7. 前記軟質プラスチックシートの前記表面層と反対面側は、前記軟質プラスチックシートの厚さがほぼ一様となるようにバフ処理されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の研磨布。
  8. 前記軟質プラスチックシートの前記表面層と反対面側に、少なくとも可撓性フィルム、不織布及び織布から選択される1種であり、前記軟質プラスチックシートを支持する支持材を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の研磨布。
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