JP5143151B2 - 研磨加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は研磨加工方法に係り、特に、一面側に配されたスキン層と、スキン層より内側に配され発泡が連続して形成された発泡層とを有し、他面側が第1の定盤に固着され一面側に被研磨物を当接させて第1の定盤に被研磨物を保持するための軟質プラスチックシートを用いて被研磨物を研磨加工する研磨加工方法に関する。
従来、レンズ、平行平面板、反射ミラー等の光学材料、ハードディスク用基板、シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の材料(被研磨物)では、高精度な平坦性が要求されるため、研磨布を使用した研磨加工が行われている。通常、研磨加工には、被研磨物の両面を同時に研磨する両面研磨機、又は、片面ずつ研磨する片面研磨機が使用されている。両面研磨機では、表面が平坦な上下定盤にそれぞれ貼着した研磨布に被研磨物の両面を当接させ研磨粒子等を含む研磨液を供給しながら研磨加工が行われる。一方、片面研磨機では、表面が平坦な加圧定盤に被研磨物の一面側を保持させ、表面が平坦な回転定盤に貼着した研磨布に被研磨物の他面(加工表面)を当接させて研磨液を供給しながら研磨加工が行われる。
片面研磨機を使用した研磨加工では、加圧定盤に被研磨物を保持するために、通常、被研磨物及び加圧定盤間に軟質クロス等の保持パッドを介在させているが、保持パッドの被研磨物保持性が不十分なため、研磨加工中に被研磨物が移動してしまい加工表面の平坦性が損なわれる。被研磨物の移動を防止するため、型枠(テンプレート)等に被研磨物を挿入して研磨加工が行われる。この場合には、研磨加工後に型枠から被研磨物が取り外されるが、被研磨物、特に液晶ディスプレイ用のガラス基板が大型化しており、例えば、板厚1mm、外寸1.5×1.8mの大型のガラス基板が研磨加工されるため、型枠を用いることなく被研磨物を保持することができる大型の保持パッドが求められている。
一般に、保持パッドには、スキン層と、発泡が連続して形成された発泡層とを有する軟質プラスチックシートが使用されている。この軟質プラスチックシートは、軟質プラスチックを水混和性の有機溶媒に溶解させた樹脂溶液をシート状の成膜基材に塗布後、水系凝固液中で樹脂を凝固再生させること(湿式成膜法)で製造される。凝固再生に伴い軟質プラスチックシートの表面には緻密なスキン層が形成され、スキン層より内側には発泡層が形成される。緻密なスキン層の表面は、平坦性及び被研磨物との接触性に優れるため、被研磨物の保持が可能となる。通常、加圧定盤に被研磨物を保持するためには、加圧定盤にスキン層の反対面側を固着した軟質プラスチックシートのスキン層に少量の水を介して被研磨物を当接する。これにより、水の表面張力を利用して加圧定盤に被研磨物が保持される。
ところが、被研磨物を保持するときにスキン層表面及び被研磨物間にエアの咬み込みを生じることがある。スキン層表面が緻密であり、スキン層表面及び被研磨物間に介在する水が咬み込まれたエアの軟質プラスチックシート側への移動を阻害するため、エアがスキン層表面及び被研磨物間に貯留する。エアが貯留したまま研磨加工を行うと、エアの貯留部分で被研磨物にかかる圧力が大きくなるため、当該部分の加工表面が大きく研磨され(エア貯留部分が被研磨物に転写され)て平坦性を損なうこととなる。スキン層表面及び被研磨物間のエアの咬み込みを低減するため、軟質プラスチックシートの表面に粘着性樹脂層を積層し該粘着性樹脂層の表面に凹凸を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−355755号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、粘着性樹脂層表面に形成された凹凸を利用して軟質プラスチックシート及び被研磨物間に咬み込まれたエアを分散させることはできるものの、エアの咬み込み量が大きくなると軟質プラスチックシート及び被研磨物間からエアを除去することが難しくなる。このため、軟質プラスチックシート及び被研磨物間に貯留したエアの分、被研磨物の加工表面側が凸状となるので、研磨加工時に当該凸状の部分に相当する被研磨物の箇所が過度に研磨されて平坦性を損なうおそれがある。特に、上述した大型の被研磨物ではエアの咬み込み量が大きくなりやすいため、エアが貯留して定盤に被研磨物が平坦に保持されなくなることから研磨加工時に被研磨物の平坦性を確保することが困難となる。
本発明は上記事案に鑑み、被研磨物を平坦に保持して研磨加工時に保持した被研磨物の平坦性を確保することができる研磨加工方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、一面側に配されたスキン層と、前記スキン層より内側に配され発泡が連続して形成された発泡層とを有し、他面側が第1の定盤に固着され前記一面側に被研磨物を当接させて前記第1の定盤に前記被研磨物を保持するための軟質プラスチックシートを用いて前記被研磨物を研磨加工する研磨加工方法であって、前記被研磨物との間に咬み込まれたエアの入り込みを許容し0.05mm以下の孔径を有する多孔が前記軟質プラスチックシート作製用の軟質プラスチック溶液に添加された孔形成剤により前記スキン層の表面に形成され、該多孔が前記発泡層に形成された発泡と連通した軟質プラスチックシートと、前記発泡層側に支持層を介して貼り合わされた両面テープとを備えたバックパッドを、前記発泡層側に貼り合わされた両面粘着テープで前記第1の定盤に装着する装着ステップと、前記装着ステップで装着されたバックパッドを構成する軟質プラスチックシートの前記スキン層側に水を介して前記被研磨物の一面側を当接させ、該被研磨物を前記第1の定盤側に押圧し保持させる保持ステップと、前記保持ステップで保持された被研磨物の他面側を、前記第1の定盤と対向配置された第2の定盤に装着された研磨パッドにより、加圧しながら研磨加工する研磨加工ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明では、被研磨物との間に咬み込まれたエアの入り込みを許容し0.05mm以下の孔径を有する多孔が軟質プラスチックシート作製用の軟質プラスチック溶液に添加された孔形成剤により軟質プラスチックシートのスキン層の表面に形成されており、該多孔が発泡層に連続して形成された発泡と連通しているため、保持ステップでスキン層側に水を介して被研磨物の一面側を当接させるときにスキン層および被研磨物間にエアの咬み込みが生じても、被研磨物を第1の定盤側に押圧することで多孔を通じて発泡にエアが収容されることから、被研磨物がスキン層に略平坦に当接して第1の定盤に保持されるので、研磨加工ステップで加圧しながら研磨加工することで被研磨物の平坦性を確保することができる。
この場合において、保持ステップでは、スキン層および被研磨物間に咬み込まれたエアが発泡層に形成された発泡内に収容されるように被研磨物を押圧することが好ましい。軟質プラスチックシートの発泡層側が、軟質プラスチックシートの厚さがほぼ一様となるようにバフ処理されていてもよい。また、孔形成剤が軟質プラスチック溶液に可溶性であり、水に難溶性又は不溶性であることが好ましい。このような研磨加工方法では、被研磨物として液晶ディスプレイ用ガラス基板を用いることができる。
本発明によれば、被研磨物との間に咬み込まれたエアの入り込みを許容し0.05mm以下の孔径を有する多孔が軟質プラスチックシート作製用の軟質プラスチック溶液に添加された孔形成剤により軟質プラスチックシートのスキン層の表面に形成されており、該多孔が発泡層に連続して形成された発泡と連通しているため、保持ステップでスキン層側に水を介して被研磨物の一面側を当接させるときにスキン層および被研磨物間にエアの咬み込みが生じても、被研磨物を第1の定盤側に押圧することで多孔を通じて発泡にエアが収容されることから、被研磨物がスキン層に略平坦に当接して第1の定盤に保持されるので、研磨加工ステップで加圧しながら研磨加工することで被研磨物の平坦性を確保することができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した実施形態のバックパッドを示す断面図である。 バックパッドの製造工程を示す工程図である。 バックパッドのポリウレタンシートの製造に用いる成膜装置の概略構成を示す正面図である。 裏面バフ処理工程でのポリウレタンシートの変化を示す断面図であり、(A)は成膜基材に凝固再生したポリウレタンシート、(B)は圧接ローラに圧接したときのポリウレタンシート、(C)はバフ処理後のポリウレタンシートをそれぞれ示す。 バックパッドを固着した片面研磨機の被研磨物を保持した部分を示す断面図である。 バックパッド及び被研磨物間のエア貯留を評価するときのバックパッド及び被研磨物の位置関係を模式的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 バックパッド表面の電子顕微鏡写真であって、(A)はセルロース誘導体0.2部を添加した実施例1のバックパッド表面、(B)はセルロース誘導体を2.0部添加した実施例2のバックパッド表面、(C)はセルロース誘導体を添加していない比較例1のバックパッド表面をそれぞれ示す。 バックパッドにガラス板を載せおもりで荷重をかけたときのエア貯留の様子を模式的に示す説明図であり、(A)はセルロース誘導体を添加したポリウレタンシートを用いたバックパッドでの様子、(B)はセルロース誘導体を添加しないポリウレタンシートを用いたバックパッドでの様子をそれぞれ示す。
以下、図面を参照して、本発明を、バックパッドで定盤に保持させた被研磨物の研磨加工に適用した実施の形態について説明する。
(バックパッド)
図1に示すように、バックパッド1は、ポリウレタン樹脂で形成された軟質プラスチックシートとしてのポリウレタンシート4を備えている。ポリウレタンシート4は、被研磨物に当接する保持面P側に、図示しない緻密な微多孔が形成されたスキン層4aを有しており、スキン層4aの保持面Pと反対側(内側)には、ナップ層4b(発泡層)を有している。ナップ層4bには、ポリウレタンシート4の厚さ方向に沿って丸みを帯びた断面略三角状の発泡3が連続して形成されている。発泡3の空間体積は、スキン層4aに形成された図示しない微多孔より大きく、保持面P側の大きさが保持面Pの反対面側より小さく形成されている。発泡3は、該発泡3の空間体積の平均直径より小さい図示を省略した連通孔で立体網目状に連通している。ポリウレタンシート4は、保持面Pの反対面側が、ポリウレタンシート4の厚さ(図1の縦方向の長さ)がほぼ一様となるようにバフ処理されている(詳細後述)。このため、発泡3の一部が反対面側の表面で開口している。
ポリウレタンシート4の保持面P(スキン層4aの表面)には、ナップ層4bに形成された発泡3と連通する多孔2が形成されている。多孔2の孔径は、スキン層4aに形成された微多孔より大きく、発泡3より小さく形成されている。多孔2及び発泡3を連通する連通孔の孔径は、スキン層4aの微多孔の孔径より大きく形成されている。この多孔2は、後述するポリウレタンシート4の成膜時にポリウレタン樹脂溶液に添加された孔形成剤で形成される。多孔2のスキン層4a表面での孔径は、0.05mm以下に設定されている。
また、バックパッド1は、保持面Pの反対面側(バフ処理された面側)に、ポリウレタンシート4を支持する支持層6を有している。支持層6には、少なくともポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の可撓性フィルム、不織布又は織布から選択される1種が使用されている。支持層6の下面側には、他面側(最下面側)に剥離紙8を有し研磨機にバックパッド1を固着するための両面テープ7(両面粘着テープ)が貼り合わされている。
(バックパッドの製造)
バックパッド1は、図2に示す各工程を経て製造される。まず、準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒のN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)、添加剤及び孔形成剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。ポリウレタン樹脂には、100%モジュラスが20MPa以下のポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から選択して用い、例えば、ポリウレタン樹脂が30%となるようにDMFに溶解させる。添加剤としては、発泡3の大きさや量(個数)を制御するため、カーボンブラック等の顔料、発泡を促進させる親水性活性剤及びポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等を用いることができる。
また、孔形成剤としては、ポリウレタン樹脂溶解用のDMFに可溶性であり、水に難溶性又は不溶性のセルロース誘導体を所定量添加する。セルロース誘導体には、少なくともエステル系誘導体、エーテル系誘導体、エーテルエステル系誘導体及び芳香族含有誘導体から選択される1種を使用することができる。エステル系誘導体には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースバレレート、セルロースアセテートブチレート等を挙げることができる。エーテル系誘導体には、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等を挙げることができる。エーテルエステル系誘導体には、アセチルエチルセルロース、アセトキシプロピルセルロース等を挙げることができる。このセルロース誘導体の添加量は、スキン層4a表面での多孔2の孔径が0.05mm以下となるように設定する。得られた溶液を濾過することで凝集塊等を除去した後、真空下で脱泡してポリウレタン樹脂溶液を得る。
塗布工程、凝固再生工程及び洗浄・乾燥工程では、準備工程で得られたポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し、水系凝固液に浸漬することでポリウレタン樹脂を凝固再生させ、洗浄後乾燥させてポリウレタンシート4を得る。塗布工程、凝固再生工程及び洗浄・乾燥工程は、図3に示す成膜装置で連続して実行される。
図3に示すように、成膜装置60は、成膜基材の不織布や織布を前処理する、水又はDMF水溶液(DMFと水との混合液)等の前処理液15が満たされた前処理槽10、ポリウレタン樹脂を凝固再生させるための、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液25が満たされた凝固槽20、凝固再生後のポリウレタン樹脂を洗浄する水等の洗浄液35が満たされた洗浄槽30及びポリウレタン樹脂を乾燥させるためのシリンダ乾燥機50を連続して備えている。
前処理槽10の上流側には、成膜基材43を供給する基材供給ローラ41が配置されている。前処理槽10は、成膜基材43の搬送方向と同じ長手方向の略中央部の内側下部に一対のガイドローラ対13を有している。前処理槽10の上方で、基材供給ローラ41側にはガイドローラ11、12が配設されており、凝固槽20側には前処理した成膜基材43に含まれる過剰な前処理液15を除去するマングルローラ18が配置されている。マングルローラ18の下流側には、成膜基材43にポリウレタン樹脂溶液45を略均一に塗布するナイフコータ46が配置されている。ナイフコータ46の下流側で凝固槽20の上方にはガイドローラ21が配置されている。
凝固槽20には、洗浄槽30側の内側下部にガイドローラ23が配置されている。凝固槽20の上方で洗浄槽30側には凝固再生後のポリウレタン樹脂を脱水処理するマングルローラ28が配置されている。マングルローラ28の下流側で洗浄槽30の上方にはガイドローラ31が配置されている。洗浄槽30には、成膜基材43の搬送方向と同じ長手方向で上部に4本、下部に5本のガイドローラ33が上下交互となるように配設されている。洗浄槽30の上方でシリンダ乾燥機50側には、洗浄後のポリウレタン樹脂を脱水処理するマングルローラ38が配置されている。シリンダ乾燥機50には、内部に熱源を有する4本のシリンダが上下4段に配設されている。シリンダ乾燥機50の下流側には、乾燥後のポリウレタン樹脂を(成膜基材43と共に)巻き取る巻取ローラ42が配置されている。なお、マングルローラ18、28、38、シリンダ乾燥機50及び巻取ローラ42は、図示を省略した回転駆動モータに接続されており、これらの回転駆動力により成膜基材43が基材供給ローラ41から巻取ローラ42まで搬送される。
成膜基材43に不織布又は織布を用いる場合は、成膜基材43が基材供給ローラ41から引き出され、ガイドローラ11、12を介して前処理液15中に連続的に導入される。前処理液15中で一対のガイドローラ13間に成膜基材43を通過させて前処理(目止め)を行うことにより、ポリウレタン樹脂溶液45を塗布するときに、成膜基材43内部へのポリウレタン樹脂溶液45の浸透が抑制される。成膜基材43は、前処理液15から引き上げられた後、マングルローラ18で加圧されて余分な前処理液15が絞り落とされる。前処理後の成膜基材43は、凝固槽20方向に搬送される。なお、成膜基材43としてPET製等の可撓性フィルムを用いる場合は、前処理が不要のため、ガイドローラ12から直接マングルローラ18に送り込むようにするか、又は、前処理槽10に前処理液15を入れないようにしてもよい。以下、本例では、成膜基材43をPET製フィルムとして説明する。
図2に示すように、塗布工程では、準備工程で調製したポリウレタン樹脂溶液45が常温下でナイフコータ46により成膜基材43に略均一に塗布される。このとき、ナイフコータ46と成膜基材43の上面との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液45の塗布厚さ(塗布量)を調整する。
凝固再生工程では、ナイフコータ46でポリウレタン樹脂溶液45が塗布された成膜基材43が、ガイドローラ21からガイドローラ23へ向けて凝固液25中に導入される。凝固液25中では、まず、塗布されたポリウレタン樹脂溶液45の表面でポリウレタン樹脂溶液45のDMFと凝固液25との置換が進行して緻密な微多孔が形成される。この微多孔は厚さ数μm程度に形成されスキン層4aを構成する。その後、スキン層4a及び成膜基材43間のポリウレタン樹脂溶液45中のDMFと凝固液25との置換の進行によりポリウレタン樹脂が成膜基材43の片面に凝固再生される。DMFの脱溶媒による凝固液25との置換に伴い、スキン層4aの内側には発泡3、及び、発泡3を立体網目状に連通する連通孔が形成されてナップ層4bを構成する。また、脱溶媒時に、ポリウレタン樹脂溶液45に添加されているセルロース誘導体で多孔2が形成され、多孔2及び発泡3を連通する連通孔が形成される。発泡3は、PET製フィルムの成膜基材43が水を浸透させないため、ポリウレタン樹脂溶液45の表面側(スキン層4a側)で脱溶媒が生じて成膜基材43側が表面側より大きく形成される。
ここで、多孔2の形成について説明すると、ポリウレタン樹脂溶液45中では、セルロース誘導体及びポリウレタン樹脂の相溶性が乏しいため、2相分離していると考えられる。その上、ポリウレタン樹脂の凝固再生時には、セルロース誘導体及びポリウレタン樹脂の凝固液25中での凝固特性が異なるため、収縮量に差が生じ、また、相溶性が乏しいことから、セルロース誘導体及びポリウレタン樹脂間の界面接合力が小さくなり脱離的現象も生じるので、多孔2が形成されると考えられる。このため、多孔2はスキン層4aの微多孔より大きくナップ層4bの発泡3より小さくなり、多孔2及び発泡3を連通する連通孔の孔径は微多孔の孔径より大きくなる。
ポリウレタン樹脂の凝固再生は、ポリウレタン樹脂溶液45が塗布された成膜基材43が凝固液25中に進入してからガイドローラ23に到る間に完了する。凝固再生したポリウレタン樹脂は、凝固液25から引き上げられ、マングルローラ28で余分な凝固液25が絞り落とされた後、ガイドローラ31を介して洗浄槽30に搬送され洗浄液35中に導入される。
洗浄・乾燥工程では、洗浄液35中に導入されたポリウレタン樹脂をガイドローラ33に上下交互に通過させることによりポリウレタン樹脂が洗浄される。洗浄後、ポリウレタン樹脂は洗浄液35から引き上げられ、マングルローラ38で余分な洗浄液35が絞り落とされる。その後、ポリウレタン樹脂を、シリンダ乾燥機50の4本のシリンダ間を交互(図3の矢印方向)に、シリンダの周面に沿って通過させることで乾燥させる。乾燥後のポリウレタン樹脂(ポリウレタンシート4)は、成膜基材43と共に巻取ローラ42に巻き取られる。
裏面バフ処理工程では、乾燥後のポリウレタンシート4の保持面Pの反対面側にバフ処理が施される。図4(A)に示すように、巻取ローラ42に巻き取られたポリウレタンシート4は成膜基材43のPET製フィルム上に形成されている。成膜時にはポリウレタンシート4の厚さにバラツキが生じるため、保持面Pには凹凸が形成されている。成膜基材43を剥離した後、図4(B)に示すように、保持面Pの表面に、表面が平坦な圧接ローラ65の表面を圧接することで、保持面Pが平坦となり、保持面Pの反対面Q側に凹凸が出現する。反対面Q側に出現した凹凸がバフ処理で除去される。本例では、連続的に製造されたポリウレタンシート4が帯状のため、保持面Pに圧接ローラ65を圧接しながら、反対面Q側を連続的にバフ処理する。これにより、図4(C)に示すように、反対面Q側がバフ処理されて略平坦な反対面Q’が形成されたポリウレタンシート4は、厚さのバラツキが解消される。なお、図4(C)では説明をわかりやすくするために保持面P及び反対面Q’を平坦に示しているが、ポリウレタンシート4の単体では両面共にポリウレタンシート4の厚さが一様となる凹凸を呈しており、支持層6を貼り合わせること又は研磨機に装着することで保持面Pが略平坦となる。
図2に示すように、ラミネート加工工程では、バフ処理されたポリウレタンシート4の反対面Q’側にPET製フィルムの支持層6を貼り合わせる。支持層6の裏面側には、他面側に剥離紙8が貼付された両面テープ7を貼り合わせる。裁断工程で円形等の所望の形状に裁断した後、汚れや異物等の付着がないことを確認する等の検査を行いバックパッド1を完成させる。
被研磨物の研磨加工を行うときは、片面研磨機の加圧定盤にバックパッド1を固着し、バックパッド1に被研磨物を当接させ保持させる。図5に示すように、片面研磨機70は、上側には研磨加工時に被研磨物を押圧する加圧定盤71、下側には回転可能な回転定盤72を有している。加圧定盤71の下面及び回転定盤72の上面は、いずれも平坦に形成されている。回転定盤72の上面には被研磨物を研磨する研磨布75が貼着されている。加圧定盤71に被研磨物78を装着するときは、まず、加圧定盤71の下面に両面テープ7を介してバックパッド1を貼着する。被研磨物78のズレを防止するため、バックパッド1の表面(保持面P)にガラスエポキシ製、ベークライト製等で略中央部に被研磨物78を挿入可能な開口が形成されたテンプレート76を貼着する。テンプレート76の開口部で露出したバックパッド1のスキン層4aに適量の水を含ませ被研磨物78を当接させる。その後、被研磨物78を加圧定盤71方向に略均等に押圧する。これにより、スキン層4a及び被研磨物78間に咬み込まれたエアがナップ層4bの発泡3と連通した多孔2を通じて発泡3に収容される。被研磨物78は、スキン層4a及び被研磨物78間にエアが貯留することなく水の表面張力及びポリウレタンシート4のポリウレタン樹脂の粘着性でバックパッド1に略平坦に保持される。加圧定盤71で被研磨物78を下方に加圧しながら回転定盤72を回転させることで、被研磨物78の下面(加工表面)が研磨布75で研磨加工される。
(作用)
次に、本実施形態のバックパッド1を用いた研磨加工の作用等について説明する。
本実施形態のバックパッド1では、ポリウレタンシート4の保持面Pにナップ層4bの発泡3と連通する多孔2が形成されている。このため、片面研磨機70に固着したバックパッド1のスキン層4aに水を含ませて被研磨物78を押圧したときに、弾性を有するポリウレタンシート4が変形しナップ層4bの発泡3が変形する。これにより、スキン層4a及び被研磨物78間にエアの咬み込みが生じても、発泡3と連通した多孔2を通じて発泡3にエアが収容されるので、スキン層4a及び被研磨物78間でのエアの貯留を防止することができる。このとき、スキン層4a及び被研磨物78間には水が介在しているため、スキン層4aの微多孔にはエアが入り込むことができないが、多孔2では孔径が微多孔より大きいため、エアが入り込むことができる。従って、スキン層4a及び被研磨物78間にエアが貯留することなく加圧定盤71に被研磨物78を略平坦に保持することができるため、研磨加工時に被研磨物78を略均等に押圧することができ、被研磨物78の加工表面が研磨布75で略均等に研磨されるので、加工表面の平坦性を向上させることができる。
また、本実施形態のバックパッド1では、ナップ層4bに形成された発泡3の空間体積が多孔2より大きいため、スキン層4a及び被研磨物78間に咬み込まれたエアを確実に収容することができる。また、多孔2及び発泡3を連通する連通孔の孔径が、スキン層4aの微多孔の孔径より大きいため、エアを円滑に収容することができる。更に、発泡3は連通孔で立体網目状に連通しているため、エアの咬み込み量が大きくてもナップ層4bに形成された発泡3の全体でエアを収容することができる。
更に、多孔2の孔径が0.05mmを超えると、スキン層4a表面(保持面P)及び被研磨物78の接触面積が減少して被研磨物保持性が低下する。本実施形態のバックパッド1では、多孔2の孔径が0.05mm以下に設定されている。このため、被研磨物78表面とスキン層4a表面との接触面積(接触性)を確保することができる。従って、被研磨物78を確実に保持することができる。
また更に、本実施形態では、ポリウレタンシート4の製造時にポリウレタン樹脂溶液45にDMF可溶性で水に難溶性又は不溶性のセルロース誘導体が添加される。このため、ポリウレタン樹脂の凝固再生時にDMFの脱溶媒に伴いセルロース誘導体で多孔2が形成される。これにより、製造工程を複雑化することなくバックパッド1に多孔2を容易に形成することができる。
更にまた、本実施形態のバックパッド1では、ポリウレタンシート4は、保持面Pの反対面Q側がバフ処理されている。このため、表面が平坦性を有するスキン層4aを減少させることなくポリウレタンシート4の厚さ精度を向上(成膜時に生じた厚さのバラツキを減少)させることができる。バックパッド1を片面研磨機70の平坦な加圧定盤71に貼着することで、保持面P、すなわちスキン層4aの表面全体が略平坦となる。従って、バックパッド1に被研磨物78が略平坦に保持されるため、研磨加工時に被研磨物78の平坦性を向上させることができる。
また、本実施形態のバックパッド1では、バフ処理された反対面Q’側にPET製フィルムの支持層6が貼り合わされている。このため、柔軟なポリウレタンシート4が支持層6に支持されるので、バックパッド1の搬送時や片面研磨機70への装着時の取り扱いを容易にすることができる。
従来バックパッドでは、ポリウレタン樹脂の凝固再生初期に形成される表面のスキン層に被研磨物を当接して保持するが、スキン層が被研磨物に当接するときにエアの咬み込みが生じる。このエアがスキン層及び被研磨物間に貯留するため、被研磨物を平坦に保持することができなくなり、エアが貯留している部分で被研磨物の加工表面が凸状を呈するので、その凸状の部分に相当する被研磨物の箇所が過度に研磨されて平坦性が損なわれる。バックパッドの表面に粘着性樹脂を積層し粘着性樹脂表面に凹凸を形成することでエアを分散させることはできるが、製造工程が複雑となる上、エアの咬み込み量が大きくなるとエアがスキン層及び被研磨物間に貯留する。また、スキン層には緻密な微多孔が形成されており、スキン層とナップ層とがつながっているものの、被研磨物を保持するときには水を使用するため、緻密な微多孔が水で塞がれるので、エアが貯留したままとなる。本実施形態は、これらの問題を解決することができるバックパッドである。
なお、本実施形態のバックパッド1では、多孔2を形成させる孔形成剤としてセルロース誘導体を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポリウレタン樹脂の溶解に使用する有機溶媒に可溶性であり、凝固液に用いられる水に難溶性又は不溶性のものであればよい。このような孔形成剤としてはセルロース誘導体以外に、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の高分子化合物を挙げることができる。また、これらの高分子化合物や上述したセルロース誘導体の2種以上を混合して使用してもよい。
また、本実施形態では、片面研磨機70に被研磨物78を装着するときにテンプレート76を使用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。多孔2の孔径を被研磨物78の大きさに適するように調整することで、テンプレート76を使用することなく大型の被研磨物でも保持することができる。多孔2の孔径は、ポリウレタン樹脂溶液45に添加するセルロース誘導体の添加量を変えることで調整することができる。
更に、本実施形態では、バックパッド1を片面研磨機70の上側の加圧定盤71に貼着しスキン層4aが被研磨物78の上面に当接する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、下側の定盤にバックパッド1を貼着し被研磨物78の下面に当接するようにしてもよい。このようにすれば、バックパッド1のスキン層4aに含ませた水の表面張力で被研磨物78が吸い付けられるため、被研磨物78を外力で押圧することなく被研磨物の自重(常圧)で定盤に被研磨物78を保持することができる。
また更に、本実施形態のバックパッド1では、支持層6にPET製フィルムを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、不織布や織布等を使用してもよい。また、PET製フィルム等の支持層6を貼り合わせることなく、ポリウレタンシート4を単体で加圧定盤71に貼着するようにしてもよい。更に、バックパッド1では、保持面Pの反対面側に両面テープ7を有する例を示したが、定盤にバックパッド1を貼着するときに貼り合わせてもよい。また、本実施形態のバックパッド1では、ポリウレタンシート4のバフ処理された面(反対面Q’)側で発泡3が開口している例を示したが、成膜時の厚さバラツキが小さくなれば、バフ処理で除去する厚さを小さくすることができるため、発泡3が必ずしも開口することはない。
更にまた、本実施形態のバックパッド1では、裏面バフ処理工程で保持面Pに圧接ローラ65を圧接させながら反対面Q側を連続的にバフ処理する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポリウレタンシート4を所望の大きさに裁断した後、保持面Pに、平坦な表面を有する平板を圧接して反対面Q側をバフ処理してもよい。
また、本実施形態では、ポリウレタンシート4の材質として100%モジュラスが20MPa以下のポリウレタン樹脂を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポリエステル樹脂等を用いてもよく、樹脂の100%モジュラスを20MPa以下とすれば、湿式成膜した樹脂シートが被研磨物の形状に合うように密着するので、被研磨物保持性の向上を図ることができる。また、本実施形態では、ポリウレタン樹脂を30%となるようにDMFに溶解する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポリウレタン樹脂溶液45の粘性やポリウレタンシート4の厚さ等により適宜変更してもよい。
以下、本実施形態に従い製造したバックパッド1の実施例について説明する。なお、比較のために製造した比較例のバックパッドについても併記する。
(実施例1)
実施例1では、ポリウレタン樹脂として、100%モジュラスが10MPaのポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用いた。セルロース誘導体としてセルロースアセテートブチレートを、ポリウレタン樹脂を30%含むDMF溶液100部に対して0.2部添加した。更に、粘度調整用のDMFの50部、顔料のカーボンブラックを30%含むDMF分散液の20部を混合してポリウレタン樹脂溶液45を調製した。このとき、セルロースアセテートブチレートは固形物(固体)であるので、均一に混合させるために予め少量の粘度調整用のDMFで溶解して添加した。ポリウレタン樹脂溶液45を塗布する際に塗布装置のクリアランスを1mmに設定した。洗浄工程での洗浄効果を高めるために凝固再生後の洗浄を温水で行った。ポリウレタンシート4のバフ処理量を0.25mmとしてバフ番手♯180のサンドペーパーを用いてバフ処理し実施例1のバックパッド1を製造した。
(実施例2)
実施例2では、セルロースアセテートブチレートの添加量をポリウレタン樹脂のDMF溶液100部に対して2.0部とする以外は実施例1と同様にした。
(比較例1)
比較例1では、セルロース誘導体を添加しない以外は実施例1と同様にして比較例1のバックパッドを製造した。
(評価)
次に、実施例及び比較例のバックパッドについて、多孔2の孔径をスキン層4a表面の電子顕微鏡観察により測定し平均孔径を算出した。エア貯留の有無は、以下の方法で測定した。図6(A)、(B)に示すように、直径660mmに裁断したバックパッド1を表面が略平坦な定盤81に貼着し、バックパッド1の表面(保持面P)に水を霧吹きで吹き付けた後、表面の水をワイパで軽く除く。次に、バックパッド1上に縦370mm×横470mm×厚さ0.7mmのガラス板82を置き、ガラス板82に80g/cmの荷重がかかるようにおもり83を載せる。おもり83を載せてから1分後及び5分後におもり83を取り除き、エア貯留の有無を目視にて判定した。平均孔径及びエア貯留の有無の測定結果を下表1に示した。
Figure 0005143151
表1に示すように、セルロースアセテートブチレートを添加していない比較例1のバックパッドでは、スキン層表面に多孔が認められず、スキン層及びガラス板82間にエアの貯留が認められた。このため、比較例1のバックパッドに保持したガラス板82を研磨加工すると、エア貯留部分で研磨加工が過度に進むので、研磨加工後の高度な平坦性を期待することはできない。これに対して、セルロースアセテートブチレートを添加した実施例1、実施例2のバックパッド1では、それぞれスキン層4a表面に孔径0.5〜2μm、1〜10μmの多孔2が形成されていた。多孔2の平均孔径は、実施例1では0.9μm、実施例2では4.2μmであった。また、スキン層4a及びガラス板82間には1分後、5分後のいずれでもエア貯留が認められなかった。更に、ナップ層4bの発泡3に収容されたエアは時間が経過してもスキン層4a及びガラス板82間に戻らないことを確認した。また、実施例1、実施例2のバックパッド1の被研磨物保持性は、いずれも、比較例1のバックパッドと同等であることを確認した。
図7(A)、(B)に示すように、実施例1、実施例2のバックパッド1の表面の電子顕微鏡写真では、多孔2が形成されていることが判る。また、セルロースアセテートブチレートの添加量の多い実施例2のバックパッド1の方が、実施例1のバックパッド1より多孔2の孔径が大きく、多孔2の数も多いことが判る。これに対して、図7(C)に示すように、比較例1のバックパッドでは、多孔2は認められずほぼ一様なスキン層表面が観察された。
実施例1及び比較例1のバックパッドにガラス板82を載せおもり83で荷重をかけたときの5分後のエア貯留の様子を観察すると、図8(A)に示すように、実施例1のバックパッド1ではエア貯留が認められなかった。これに対して、図8(B)に示すように、比較例1のバックパッドでは、エアの貯留85が認められた。
従って、ポリウレタン樹脂溶液45にセルロース誘導体を添加することでポリウレタンシート4のスキン層4a表面に多孔2を形成したバックパッド1では、ガラス板82の保持性を確保しつつスキン層4a及びガラス板82間でのエア貯留を防止することができることが判明した。このため、ガラス板82を略平坦に保持することができるので、研磨加工時に被研磨物78の加工表面を高精度に平坦化することが期待できる。
本発明は、被研磨物を平坦に保持して研磨加工時に保持した被研磨物の平坦性を確保することができる研磨加工方法を提供するものであるため、被研磨物を保持するための保持パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
P 保持面
1 バックパッド
2 多孔
3 発泡
4 ポリウレタンシート(軟質プラスチックシート)
4a スキン層
4b ナップ層(発泡層)
71 加圧定盤(第1の定盤)
72 回転定盤(第2の定盤)
78 被研磨物

Claims (5)

  1. 一面側に配されたスキン層と、前記スキン層より内側に配され発泡が連続して形成された発泡層とを有し、他面側が第1の定盤に固着され前記一面側に被研磨物を当接させて前記第1の定盤に前記被研磨物を保持するための軟質プラスチックシートを用いて前記被研磨物を研磨加工する研磨加工方法であって、
    前記被研磨物との間に咬み込まれたエアの入り込みを許容し0.05mm以下の孔径を有する多孔が前記軟質プラスチックシート作製用の軟質プラスチック溶液に添加された孔形成剤により前記スキン層の表面に形成され、該多孔が前記発泡層に形成された発泡と連通した軟質プラスチックシートと、前記発泡層側に支持層を介して貼り合わされた両面テープとを備えたバックパッドを、前記発泡層側に貼り合わされた両面粘着テープで前記第1の定盤に装着する装着ステップと、
    前記装着ステップで装着されたバックパッドを構成する軟質プラスチックシートの前記スキン層側に水を介して前記被研磨物の一面側を当接させ、該被研磨物を前記第1の定盤側に押圧し保持させる保持ステップと、
    前記保持ステップで保持された被研磨物の他面側を、前記第1の定盤と対向配置された第2の定盤に装着された研磨パッドにより、加圧しながら研磨加工する研磨加工ステップと、
    を含むことを特徴とする研磨加工方法。
  2. 前記保持ステップにおいて、前記スキン層および前記被研磨物間に咬み込まれたエアが前記発泡層に形成された発泡内に収容されるように前記被研磨物を押圧することを特徴とする請求項1に記載の研磨加工方法。
  3. 前記軟質プラスチックシートは、前記発泡層側が、前記軟質プラスチックシートの厚さがほぼ一様となるようにバフ処理されていることを特徴とする請求項に記載の研磨加工方法。
  4. 前記孔形成剤は、前記軟質プラスチック溶液に可溶性であり、水に難溶性又は不溶性であることを特徴とする請求項1に記載の研磨加工方法。
  5. 前記被研磨物は、液晶ディスプレイ用ガラス基板であることを特徴とする請求項1に記載の研磨加工方法。
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