JPH062278A - コーティング布帛の製造方法 - Google Patents

コーティング布帛の製造方法

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JPH062278A
JPH062278A JP18441592A JP18441592A JPH062278A JP H062278 A JPH062278 A JP H062278A JP 18441592 A JP18441592 A JP 18441592A JP 18441592 A JP18441592 A JP 18441592A JP H062278 A JPH062278 A JP H062278A
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Masao Enomoto
雅穂 榎本
Kenichi Ogasawara
健一 小笠原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防水性、透湿性を有し、風合いが柔軟でしか
も洗濯後の耐水圧にも優れたコーティング布帛を得るこ
とを目的とする。 【構成】 フッ素含有ポリウレタン樹脂の水混和性有機
溶剤溶液とセルロース誘導体とよりなる混合液を繊維基
材の少なくとも片面にコーティングし、次いで水中に浸
漬して水混和性有機溶剤を抽出した後、乾燥することに
よって防水性、透湿性に優れたコーティング布帛が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はコーティング布帛の製
造方法に係り、詳しくは防水性、透湿性を有し、風合い
が柔軟で洗濯耐久性に優れたコーティング布帛の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】これまでに各種の防水性、透
湿性コーティング布帛が知られており、その代表的なも
のとしては、ポリウレタン樹脂よりなる微多孔質皮膜を
被覆した布帛があり、その製造方法としては繊維基材に
ポリウレタン樹脂の水混和性溶媒溶液を塗布し、次いで
水浴中に浸漬してポリウレタン樹脂よりなる微多孔質皮
膜を形成する、所謂湿式凝固法が挙げられる(特公昭6
0−47955号公報)。
【0003】しかしながら、この製造方法によれば微細
な多孔質皮膜となり防水性、透湿性を有するコーティン
グ布帛は得られるが、性能面からみた時、防水性能と透
湿性能の両者のバランスを基に作られているため、耐水
圧がJIS L 1079に準ずる耐水圧測定(以下同
じ)で1500〜3000mmのコーティング布帛につ
いては、透湿度がJIS Z 0208に準ずる透湿度
測定(以下同じ)で7800〜5000g/m2 ・24
hrs,また、耐水圧が6500〜7500mmのコー
ティング布帛については、透湿度が5000〜3800
g/m2 ・24hrs程度のものしか得られていないの
が現状である。
【0004】更には、フッ素変性ポリウレタン樹脂或い
はフッ素変性ポリアミノ酸樹脂を用いたコーティング布
帛(特開平3−27184号公報)やフッ素変性ポリウ
レタン樹脂とフッ素樹脂溶液を用いたコーティング布帛
(特開平3−8874号公報)も知られているが、性能
面から見たとき、耐水圧が3000mm程度で透湿度が
9000〜10000g/m2 ・24hr程度である。
また、ポリアミノ酸樹脂/ウレタン樹脂溶液を用い、湿
式凝固させたコーティング布帛においては、耐水圧30
00mm程度で透湿度10000g/m2 ・24hr程
度の性能を有するものが知られている。
【0005】これに対して、この発明は、上記した従来
のコーティング布帛とは全く異なった素材、手段により
耐水圧7000mm以上で、かつ透湿度が8000g/
2・24hrs以上という従来になかった高耐水圧、
高透湿性能を同時に有し、洗濯耐久性に優れたコーティ
ング布帛を得るべく検討の結果、得られたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明はポリウ
レタン樹脂溶液の湿式凝固法により得られるコーティン
グ布帛の耐水圧、透湿度向上および洗濯耐久性向上の手
段として、フッ素含有ポリウレタン樹脂溶液とセルロー
ス誘導体とよりなる混合液を繊維基材の少なくとも片面
にコーティングし、次いで水中に浸漬して水混和性有機
溶剤を抽出した後、乾燥することを特徴とする防水性、
透湿性に優れたコーティング布帛の製造方法を提供する
ものである。
【0007】
【作用】以下、この発明を詳細に説明する。フッ素含有
ポリウレタン樹脂とセルロース誘導体の混和均一化した
混合液を水中に浸漬すると、セルロース誘導体の方がフ
ッ素含有ポリウレタン樹脂より凝固速度が速いため、セ
ルロース誘導体が微細孔形成時の核となり、その結果、
セルロース誘導体とフッ素含有ポリウレタン樹脂との間
に空間が生じ、微細孔を形成する。また、フッ素含有ポ
リウレタン樹脂においては、ジイソシアネートとほぼ等
モルの高分子ジオールおよび鎖伸長剤との重付加反応で
生成されるポリウレタン樹脂中の鎖伸長剤で構成される
ハードセグメントおよびフッ素含有セグメントの凝固速
度が高分子ジオールで構成されるソフトセグメントの凝
固速度に比べて大きいために、微細孔形成時に分子間に
おいて歪みを生じさせ、上記セルロース誘導体により生
じた微細孔を更に微細化或いは均一化する効果がある。
【0008】この微細孔の孔径に関し、孔径が小さいと
透湿度が低下し、孔径が大きいと耐水圧が不良となるた
め、この発明において重要な要素である孔径の調整はフ
ッ素含有ポリウレタン樹脂とセルロース誘導体の比率、
及びフッ素含有ポリウレタン樹脂の組成によって決定付
けられる。また、使用するポリウレタン樹脂がフッ素を
含有しているため、微細孔の各々に撥水性能を付与する
ことができ、その結果、洗濯耐久性に優れた、即ち洗濯
による耐水圧低下の少ない高透湿、高耐水圧性能を有す
るコーティング布帛を得ることができるのである。
【0009】この発明におけるフッ素含有ポリウレタン
系樹脂のウレタン構成成分としては、一般にポリウレタ
ン樹脂、ポリウレタン尿素樹脂といわれるもので分子量
400〜4000のポリアルキレンエーテルグリコール
又は末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、ポ
リε−カプロラクトンポリオール、又はポリカーボネー
トジオール等の単独或いは混合物を有機ジイソシアネー
トと反応させて得られるが、必要に応じて2個の活性水
素を有する化合物で鎖延長させて得られるものが好まし
い。
【0010】ポリアルキレンエーテルグリコールとして
は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ンプロピレンオキシド付加物、末端にエチレンオキサイ
ドを付加したポリエーテルポリオール、ビニルモノマー
グラフト化ポリエーテルポリオール等がある。また、ポ
リエステルポリオールとしてはエチレングリコール、ブ
チレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール等のアルキレングリコール類とコハク酸、グル
タール酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマ
ール酸、フタル酸、トリメリット酸等のカルボン酸類と
を末端がヒドロキシル基となるように反応して与えられ
るものがよい。
【0011】次いで、有機イソシアネートとしては、
2.4−及び2.6−トルイレンジイソシアネート、
4.4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1.5
−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート等の芳香族系イソシアネート、1.6−ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−
4.4′−ジイソシアネート、3−イソシアネートメチ
ル−3.5.5′−トリメチルシクロヘキシルイソシア
ネート、2.6−ジイソシアネートメチルカプロエート
等の脂肪族イソシアネート類があり、これらは単独或い
は混合して使用される。
【0012】更に鎖延長剤としては、ヒドラジン、エチ
レンジアミン、テトラメチレンジアミン、水、ピペラジ
ン、イソホロンジアミン、エチレングリコール、ブチレ
ングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール等が単独或いは混合して使用される。
【0013】この発明におけるフッ素含有ポリウレタン
樹脂とは、前述したウレタン構成成分中にフッ素を共重
合させたものであり、その手段としては以下の方法が挙
げられる。第1に分子中にフルオロアルキル基及び水酸
基を含有し、ポリウレタン樹脂との共重合を可能とした
アクリル系樹脂を前述ウレタン構成成分中に共重合する
方法である。ここでアクリル系樹脂とは、その共単量体
成分としてフルオロアルキル基を有するアクリル酸(又
はメタクリル酸)及びヒドロキシル基を有するアクリル
酸(又はメタクリル酸)を含み、上記以外の共単量体成
分としてアクリル酸、メタクリル酸或いはそれらの誘導
体、即ちアクリル酸(又はメタクリル酸)とメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチル
アルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、
セチルアルコール、ステアリルアルコール、シクロヘキ
サノール等とのエステル類、アクリル(又はメタクリ
ル)アミド、アクリロニトリル、スチレン等のα、β−
不飽和エチレン性結合を有する単量体を過酸化物やアゾ
系のラジカル重合開始剤を用いて重合した重合物を意味
し、前述ウレタン構成成分の反応時にこのアクリル系重
合物を共重合することによりフッ素含有ポリウレタン樹
脂が得られるのである。
【0014】第2には2個の活性水素を有する含フッ素
化合物を前述ウレタン構成成分中に共重合する方法であ
る。ここで、2個の活性水素を有する含フッ素化合物と
は3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2
−ジヒドロキシプロパン、N−n−プロピル−N−2,
3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホ
ンアミド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘ
キサフロロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕ヘキサフロロプロパン、1,3
−ビス(2−ヒドロキシヘキサフロロイソプロピル)ベ
ンゼン等の単独或いは混合物を意味し、前述ウレタン構
成成分の反応時にこの含フッ素化合物を共重合すること
によりフッ素含有ポリウレタン樹脂が得られるものであ
る。
【0015】第3にはフロロアルキル基を有し、少なく
とも1個の活性水素を有する含フッ素化合物を前述ウレ
タン構成成分の末端に共重合する方法がある。ここでフ
ロロアルキル基を有し、少なくとも1個の活性水素を有
する含フッ素化合物とは、一般にフッ素化アルコールと
言われるもので、トリフルオロエタノール、N−n−プ
ロピル−N−パーフルオローオクタンスルホン酸アミド
エタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、o−或
いはp−トリフルオロメチルベンジルアルコール、フッ
素化アルコールエチレンオキサイド付加物等の単独或い
は混合物を意味し、前述ウレタン構成成分の反応時にこ
の含フッ素化合物をその分子末端に共重合することによ
りフッ素含有ポリウレタン樹脂が得られるものである。
尚、上記した方法で得られるフッ素含有ポリウレタン樹
脂はそれぞれを単独でフッ素樹脂溶液と混合して用いる
だけでなく、これらのフッ素含有ポリウレタン樹脂を混
合したり、或いは共重合して用いることも差し支えな
い。
【0016】又、この発明に於けるフッ素含有ポリウレ
タン樹脂としては、末端にイソシアネート基が残存せぬ
よう配合、反応して平均分子量30000〜12000
0の範囲としたものが望ましく、更にその分子中のフッ
素含有率が0.1〜5.0重量%であることが望まし
い。5.0重量%以上であると液安定性、液粘性、溶媒
に対する溶解性に問題を生じ、均一な樹脂溶液を得るこ
とが困難である。
【0017】使用する水混和性有機溶剤としては、代表
的なものとしてジメチルホルムアミド(以下、DMFと
いう)が用いられるが、この他にもジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等の単独或いはそれらの混合物が使用でき、フッ
素含有ポリウレタン樹脂溶液とセルロース誘導体をこれ
らの溶剤で混和均一化した混合液を水中に浸漬すると、
溶剤のみが水に溶解し、樹脂が水中にて凝固してくる。
【0018】セルロース誘導体としては、セルロースア
セテート、セルロースアセテートブチレート、セルロー
スアセテートプロピオネート等のセルロースエステル
類、セルロースエーテル類等を単独或いは混合して使用
することができる。その他、添加剤としてはコーティン
グ基材との接着性を向上させるために、多官能ポリイソ
シアネート(例えば、商品名コロネートEH,コロネー
トHL,日本ポリウレタン工業社製)等を添加すると有
効である。また湿式凝固における脱溶剤の速度調整剤と
してノニオン系界面活性剤の添加が有効である。
【0019】フッ素含有ポリウレタン樹脂溶液と、セル
ロース誘導体の混合比率により当然諸物性は異なるが、
フッ素含有ポリウレタン樹脂溶液単独では耐水圧500
0mm程度で透湿度が4000〜5000g/m2 ・2
4hrs程度であり、湿式凝固成膜性もその配合、反応
条件を考慮しなければ良好なものは得られない。又、一
般のポリウレタン樹脂溶液にセルロース誘導体を混合し
ても耐水圧が低く、洗濯耐久性についても著しく劣る
為、実用に供するには問題がある。
【0020】しかしながら、この発明においてはこのよ
うなフッ素含有ポリウレタン樹脂溶液にセルロース誘導
体を混合することにより耐水圧を低下することなしに透
湿度を向上させることができ、洗濯耐久性に優れたコー
ティング布帛が得られるのである。即ち、フッ素含有ポ
リウレタン樹脂に樹脂比でセルロース誘導体を5%以上
混合すると、耐水圧7000〜10000mm、透湿度
8000〜13000g/m2 ・24hrsのコーティ
ング布帛が得られるのである。又、この発明の方法によ
れば湿式成膜性も非常に向上し、160℃加熱において
も形成した多孔質セルの破壊は見られず、耐洗濯性試験
(JIS L 1096−6.23.1A法)による1
0回洗濯後の耐水圧保持率も80%程度と非常に良好で
ある。
【0021】これらフッ素含有ポリウレタン樹脂溶液と
セルロース誘導体の混合比率は、任意に設定できるが、
液安定性、基材との接着性、透湿性、耐水圧、洗濯耐久
性を良好な値とするためには、樹脂分比率においてフッ
素含有ポリウレタン樹脂75〜95%、セルロース誘導
体25〜5%が望ましく、最適条件下で得られるコーテ
ィング布帛は透湿度10000〜12000g/m2
24hrs、耐水圧10000mm、耐洗濯性試験によ
る10回洗濯後の耐水圧保持率も80%を示し、不均一
塗工面も生じず、その結果上記性能は塗工面全面にわた
って均一に得ることができる。
【0022】フッ素含有ポリウレタン樹脂溶液とセルロ
ース誘導体の混合方法は、常温で均一となるまで攪拌す
ればよいが、40〜60℃の加熱攪拌下で混合してもよ
い。混合溶液を繊維基材に塗布するには通常のコーティ
ング法により行えばよく、その塗布厚は10〜300μ
mが適当である。
【0023】このコーティング布帛を水中に浸漬する時
の水温は0〜30℃が好ましく、30℃以上になると、
樹脂皮膜の孔が大きくなり耐水圧が低下する。また、浸
漬時間は30秒以上が必要である。30秒以下では樹脂
の凝固が不十分となるためである。尚、残留している有
機溶剤を完全に除去するために、30〜80℃の温水中
で3〜10分の湯洗を行ってもよい。又、湯洗後乾燥し
て得られたコーティング布帛に更に撥水剤を付与するこ
とにより耐水圧の向上をはかることができる。撥水剤と
しては、パラフィン系、シリコン系、フッ素系等各種あ
るが、用途に応じ適宜選択すればよく、またその付与は
バッティング法、コーティング法、スプレー法等通常の
方法で行えばよい。
【0024】上記したこの発明の方法によれば、耐水圧
が7000mm以上ありながら、しかも透湿度が800
0g/m2 ・24hrs以上の防水性、透湿性に優れた
コーティング布帛を得ることが出来るのである。更には
この発明の方法により得られたコーティング布帛にウレ
タン系樹脂の有機溶剤溶液或いはW/Oエマルジョン型
ポリウレタン、水性ポリウレタン樹脂のような水を主体
とする溶媒を用いて分散又は溶解した樹脂液をグラビア
プリンター或いはナイフコーターでオーバーコートする
ことにより耐水圧が20000mm、透湿度が6000
g/m2 ・24hrsと更に高耐水圧加工されたコーテ
ィング布帛を得ることができるのである。
【0025】かくして得られたコーティング布帛はゴル
フウエア、スキーウエア等のスポーツウエアや防寒衣、
雨衣、作業衣等非常に広範囲な用途に使用することがで
きる。
【0026】
【実施例】次にこの発明を実施例により詳細に説明する
が、この発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例中の部数は全て重量部である。
【0027】実施例1 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量3000の
エチレンブチレンアジペート300部、エチレングリコ
ール25部、水酸基とフルオロアルキル基とを分子内に
有するアクリル樹脂24部を窒素気流下において均一混
合し、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MD
Iという)125部を加え、DMF中で加熱反応させ
て、30%DMF溶液で100000cps/30℃の
粘度のフッ素含有ポリウレタン樹脂溶液を得た。尚、上
記の水酸基とフルオロアルキル基とを分子内に有するア
クリル樹脂は、メタクリル酸メチル236部、1H,1
H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレ
ート(大阪有機化学工業社製、商品名ビスコート17F
M)60部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル4.
5部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部を懸濁重合
することにより得たものである。
【0028】このフッ素含有ポリウレタン樹脂溶液10
0部とセルロースアセテート(イーストマンコダック社
製、CA−398−3)の20%DMF溶液25部を混
和均一化し、更に多官能製ポリイソシアネート(日本ポ
リウレタン工業社製、コロネートEH)1部、DMF1
0部を添加混合してコーティング液を調整した。
【0029】一方、基材として6ナイロン繊維の毛織物
(タフタ)にフッ素系撥水剤エマルジョンの1%水溶液
でバッティング処理を行い、160℃にて1分間熱処理
を行った。かくして撥水処理した基材上に上記で得たコ
ーティング液をフローティングナイフコーターを用い、
200g/m2 (wet)塗布した後20℃の水浴中に
1分間浸漬し樹脂分を凝固させた。その後50℃の温水
中で10分間浸漬しDMFを充分に抽出した。続いて乾
燥を行ったのち、フッ素系撥水剤エマルジョンの5%水
溶液でバッティング処理を行い、160℃にて3分間の
熱処理を行ってこの発明のコーティング布帛を得た。
【0030】実施例2 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量3000の
ブチレンアジペート300部、エチレングリコール34
部、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,
2−ジヒドロキシプロパンのエチレンオキサイド10モ
ル付加物46部を窒素気流下にて均一混合し、MDI1
75部を加え、DMF中で加熱反応させて30%DMF
溶液で150000cps/30℃のフッ素含有ポリウ
レタン樹脂溶液を得た。次いで、この樹脂溶液100部
とセルロースアセテートプロピオネート(イーストマン
コダック社製、CAP−482−0.5)の20%DM
F溶液50部を混和均一化し、更にコロネートEH1
部、DMF10部を添加混合し、コーティング液を調整
した。これを以下実施例1と同様の工程を経てコーティ
ング布帛を得た。
【0031】実施例3 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量3000の
エチレン−ジエチレンアジペート600部、平均分子量
3000のポリテトラメチレンエーテルグリコール60
0部、エチレングリコール6部、ジシクロヘキシルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート262部を窒素気流下
にて均一混合し、加熱反応後イソホロンジアミン77
部、N−n−プロピル−N−パーフルオロオクタンスル
ホン酸アミド−エタノールのエチレンオキサイド10モ
ル付加物49部を加え、DMF中で反応させて30%D
MF溶液で50000cps/30℃のフッ素含有ポリ
ウレタン樹脂溶液を得た。次いで、この樹脂溶液100
部と実施例1のセルロースアセテート溶液8部を混和均
一化し、更にコロネートEH1部、DMF10部を添加
混合してコーティング液を調整した。これを以下実施例
1と同様の工程を経てコーティング布帛を得た。
【0032】比較例1 実施例2で得たフッ素含有ポリウレタン樹脂溶液のみを
用い、この溶液100部にコロネートEH1部、DMF
50部を添加混合してコーティング液を調整した。これ
を以下実施例1と同様の工程を経てコーティング布帛を
得た。
【0033】比較例2 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量3000の
ブチレンアジペート300部、エチレングリコール34
部を窒素気流下にて均一混合し、MDI175部を加
え、DMF中で加熱反応させて30%DMF溶液で15
0000cps/30℃のポリウレタン樹脂溶液を得
た。次いで、この樹脂溶液100部に実施例1のセルロ
ースアセテート溶液25部を混和均一化し、更にコロネ
ートEH1部、DMF20部を添加混合してコーティン
グ液を調整した。これを以下実施例1と同様の工程を経
てコーティング布帛を得た。
【0034】比較例3 比較例2で得たポリウレタン樹脂溶液のみを用い、この
溶液100部にコロネートEH1部、DMF20部を添
加混合してコーティング液を調整した。これを以下実施
例1と同様の工程を経てコーティング布帛を得た。
【0035】上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得た
コーティング布帛について、耐水圧、透湿度等の性能を
測定したところ、表1の結果を得た。尚、耐水圧はJI
SL 1079、透湿度はJIS Z 0208、洗濯
性試験はJIS L 1096−6.23.1A法に準
じて行った。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、この発明の方法
により得られたコーティング布帛は耐水圧が8000m
m以上であるとともに、その透湿度も8500〜120
00g/m2 ・24hrsの高い値を記録し、抜群の透
湿度と防水性の両性能を兼ね備えていることが認められ
た。これに対し、比較例1、3のコーティング布帛は湿
式凝固成膜(微細孔の生成)が完全でなく、耐水圧、透
湿度が共に低く、又比較例2は耐水圧が低く、さらに洗
濯後の耐水圧保持率が著しく低下した。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明で得られ
たコーティング布帛は、上記した良好な性能の他に柔軟
な風合いを有し、表面活性が良好であり、かつ耐洗濯性
も極めて良好であり、スキー用アノラックやスポーツウ
エア、雨衣等の用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/05 15/564 // D06N 3/14 101 7141−4F D06M 15/564

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素含有ポリウレタン樹脂の水混和性
    有機溶剤溶液とセルロース誘導体とよりなる混合液を繊
    維基材の少なくとも片面にコーティングし、次いで水中
    に浸漬して水混和性有機溶剤を抽出した後、乾燥するこ
    とを特徴とする防水性、透湿性に優れたコーティング布
    帛の製造方法。
JP18441592A 1992-06-17 1992-06-17 コーティング布帛の製造方法 Expired - Fee Related JP3165509B2 (ja)

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